JP2005028642A - プリンタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】並列処理における複数の印字手段の稼働率低下を抑えスループットを向上できるプリンタ装置を得る。
【解決手段】プリンタ装置10を構成する印刷ユニット11に、他の印刷ユニット11と積み重ねられた状態で、給紙ホッパ20に収納された記録紙Pを隣接する他の印刷ユニット11へ搬出するための記録紙搬出路(印字ガイド路68、給紙ガイド路64)と、隣接する他の印刷ユニット11から搬入された記録紙Pを給紙ホッパ20に搬入するための記録紙搬入路(給紙ガイド路64、分岐ガイド路66)と、記録紙搬出路及び記録紙搬入路を通し記録紙Pの受け渡しを行う記録紙搬送手段(分離給紙ローラ88、搬送ローラ対70)とを設ける。何れかの印刷ユニット11の給紙ホッパ20が記録紙不足となった場合には、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から記録紙Pの自動補給が受けられるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】プリンタ装置10を構成する印刷ユニット11に、他の印刷ユニット11と積み重ねられた状態で、給紙ホッパ20に収納された記録紙Pを隣接する他の印刷ユニット11へ搬出するための記録紙搬出路(印字ガイド路68、給紙ガイド路64)と、隣接する他の印刷ユニット11から搬入された記録紙Pを給紙ホッパ20に搬入するための記録紙搬入路(給紙ガイド路64、分岐ガイド路66)と、記録紙搬出路及び記録紙搬入路を通し記録紙Pの受け渡しを行う記録紙搬送手段(分離給紙ローラ88、搬送ローラ対70)とを設ける。何れかの印刷ユニット11の給紙ホッパ20が記録紙不足となった場合には、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から記録紙Pの自動補給が受けられるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の収納部に収納された記録媒体を複数の印字手段に供給し、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大量の印刷物を作成する場合などにおいて、複数台の印刷ユニットを並列的に配置し、これらの印刷ユニットに印刷ジョブを振り分け、これらの印刷ユニットを並列に動作させることにより、高速印刷を実現する並列処理型のプリンタ装置が、例えば、特許文献1に示されている。
【0003】
特許文献1に示されたプリンタ装置は、印刷ユニットと、この印刷ユニットから搬出される印刷済みの記録紙を排紙する排紙部、印刷ユニットに記録紙を収納し、この記録紙を印刷ユニットへ供給する給紙部、及び制御部により構成されるベースユニットとを有しており、このベースユニット上に印刷ユニットが少なくとも1台以上積み重ねられて構成されている。
【0004】
ここで、特許文献1の各印刷ユニットは、記録紙へ印刷を行うインクジェットヘッド等からなる印刷部(印字手段)と、印刷部への搬入口から搬入される記録紙を印刷部へ供給する第1給紙部(第1給紙路)と、搬入口から搬入される記録紙を他段の印刷ユニットへ供給する第2給紙部(第2給紙路)と、印刷部にて印刷された記録紙を搬出口へ排紙する第1排紙部(第1排紙路)と、他段の印刷ユニットで印刷された記録紙を搬出口へ排出する第2排紙部(第2排紙路)とを有している。
【0005】
特許文献1のプリンタ装置では、最下段の印刷ユニットの搬出口はベースユニットの排紙部に接続する共に、搬入口はベースユニットの給紙部に接続され、また下段側の印刷ユニットの第2給紙路及び第2排紙路が、上段側の印刷ユニットの搬入口及び排出口にそれぞれ接続される。これにより、各印刷ユニットが搬送可能な第2給紙路及び第2排紙路により接続される共に、第2給紙路を通して任意の印刷ユニットに給紙された記録紙が第1給紙路により印字部へ給紙可能になり、また印字部により印刷された記録紙が第1排紙路及び第2排紙路を通してベースユニットの排紙部へ搬出できる。
【0006】
また、特許文献1には、ベースユニット上に積み重ねる印刷ユニットの段数(台数)を増減することにより、ユーザの求めに応じてプリンタ装置による印刷速度等の印刷能力が広い範囲で調整可能になると記載されている。
【0007】
一方、特許文献2に示されたプリンタ装置(印刷装置)は、記録紙を積載可能な複数の給紙トレイと、各給紙トレイから1枚づつ記録紙を給紙する複数の給紙部と、各給紙部から給紙された記録紙に、外部より供給される画像情報を基に画像を形成する複数のインクジェットヘッド等からなる印字部(印字手段)と、各印字部により画像が形成された印刷済み記録紙を所定の時間保管し、所定の時間経過後に印刷済み記録紙を排出する複数の排紙スタック部と、各排紙スタック部から排出された印刷済み記録紙を所定の順番で1ヶ所に集めるべく搬送する排紙搬送部と、排紙搬送部により搬送された印刷済み記録紙を積載可能な排紙トレイと、を有しており、またこの構成に加えて、記録紙を1ヶ所に集中して積載可能な第2給紙部(架台給紙トレイ)と、第2給紙部に積載された記録紙を各給紙トレイに搬送分配するか又は給紙部に直接搬送分配する、記録紙をエア吸引しつつ搬送するベルト等からなる給紙搬送部とを有している。これにより、特許文献2のプリンタ装置では、第2給紙部に積載された記録紙を給紙搬送部によって各給紙トレイに搬送分配し補給できる。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−103735号公報
【特許文献2】
特開2002−104724号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のプリンタ装置では、未使用の記録紙を収納する給紙部がベースユニットにのみ配置されており、この給紙部から送り出された記録紙が1本の給紙経路を通って各印刷ユニットに供給されるため、各印刷ユニットの印刷処理時間と給紙タイミングの兼ね合いにより、印刷ユニットが印刷開始するまでの待ち時間(給紙待ち時間)が増加する可能性がある。特にこの現象は、印刷ユニットの段数を多くした構成において上段側の印刷ユニットに発生しやすくなる。従って、プリンタ装置全体の印刷処理速度は低下し、スループットが悪化する。
【0010】
一方、特許文献2のプリンタ装置では、複数の印字部に対応する複数の給紙トレイを備えていることにより、特許文献1のプリンタ装置に生じるような給紙待ちは低減される。しかし、各給紙トレイは、架台給紙トレイの記録紙がなくなると、又は架台給紙トレイを省いた構成では、記録紙の自動補給が受けられなくなる。そのため、給紙トレイの記録紙を全て使用した印字部は印刷処理が継続できなくなり、印刷の並列処理は、給紙トレイに記録紙が残されている印字部のみで行われることになる。従って、このプリンタ装置においても、架台給紙トレイに記録紙がない状態又は架台給紙トレイを省いた構成では、並列処理における複数の印字部の稼働率低下を招くため、スループットを低下させる問題がある。
【0011】
本発明は上記事実を考慮して、複数の記録媒体に対して並列的に画像を記録する並列処理における複数の印字手段の稼働率低下を抑え、スループットを向上できるプリンタ装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、記録媒体に画像を記録する印字手段を複数備え、この複数の印字手段が並列的に作動されることにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置であって、前記複数の印字手段に対応して設けられ、印字手段に供給する記録媒体を収納する複数の第1収納部と、前記複数の第1収納部の間に設けられ、記録媒体を搬送するための搬送路と、前記搬送路を通し前記複数の第1収納部の間で記録媒体の受け渡しを行う搬送手段と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明では、複数の印字手段に対応して設けられた複数の第1収納部から各印字手段へ記録媒体が供給され、各印字手段が並列的に作動されてそれぞれ記録媒体に対し画像を記録することにより、プリンタ装置は複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理する。また複数の第1収納部間では、搬送手段により、複数の第1収納部の間に設けられた搬送路を通して記録媒体の受け渡しを行うことができる。
【0014】
これにより、何れかの第1収納部が記録媒体不足となった場合に、他の第1収納部から記録媒体の自動補給が受けられるようになる。従って、並列処理における複数の印字手段の稼働率低下が抑えられ、プリンタ装置のスループットを向上できる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、記録媒体を収納する第1収納部と、少なくともこの第1収納部から供給される記録媒体に対して画像を記録する印字手段と、を有する印刷ユニットを複数備え、この複数の印刷ユニットが重ね合わせられて接続され並列的に作動されることにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置であって、前記第1収納部に収納された記録媒体を隣接する他の印刷ユニットへ搬出するための第1搬出路と、隣接する他の印刷ユニットから搬入された記録媒体を前記第1収納部に搬入するための第1搬入路と、前記第1搬出路及び前記第1搬入路を通し記録媒体の受け渡しを行う搬送手段と、を有することを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の発明では、記録媒体を収納する第1収納部と、少なくともこの第1収納部から供給される記録媒体に対して画像を記録する印字手段と、を有する印刷ユニットが複数重ね合わせられて接続されることによりプリンタ装置が構成され、このプリンタ装置は、各印刷ユニットがそれぞれ第1収納部から供給される記録媒体に対して印字手段により画像を記録することにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理する。また複数の印刷ユニットは、搬送手段により、第1収納部に収納された記録媒体を隣接する他の印刷ユニットへ搬出するための第1搬出路、及び、隣接する他の印刷ユニットから搬入された記録媒体を第1収納部に搬入するための第1搬入路を通して、第1収納部間での記録媒体の受け渡しを行うことができる。
【0017】
これにより、何れかの印刷ユニットの第1収納部が記録媒体不足となった場合に、他の印刷ユニットの第1収納部から記録媒体の自動補給が受けられるようになる。従って、並列処理における複数の印字手段(印刷ユニット)の稼働率低下が抑えられ、プリンタ装置のスループットを向上できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のプリンタ装置において、前記第1搬出路及び前記第1搬入路が前記印刷ユニット内で接続され一つの搬送路を構成していることを特徴としている。
【0019】
請求項3に記載の発明では、第1搬出路及び第1搬入路が印刷ユニット内で接続され一つの搬送路を構成していることにより、この記録媒体の搬送路の構成が簡素化され印刷ユニットを小型化できる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のプリンタ装置において、記録媒体の搬送経路を前記搬送路と前記第1搬入路との間で選択的に切り替える第1搬送経路切替手段を有することを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明では、第1搬送経路切替手段により、搬送路を搬送される記録媒体を第1搬入路へ確実に案内することができる。また例えば、搬送路を通してスイッチバック搬送される記録媒体を第1搬送経路切替手段により第1搬入路に案内して第1収納部へ搬入できるため、各印刷ユニットの第1収納部間での記録媒体の自動補給、又は、供給ユニット等から印刷ユニットの第1収納部への記録媒体の自動補給において、スイッチバック搬送を利用して行う、裏表を区別して使用する種類の記録媒体の補給に対応することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項3記載のプリンタ装置において、前記第1収納部に収納された記録媒体を前記印字手段へ供給するための供給路と、前記供給路を通し前記第1収納部から前記印字手段へ記録媒体を供給する供給手段と、を有し、前記供給路が前記搬送路と一部共有されていることを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明では、第1収納部に収納された記録媒体を印字手段へ供給するための供給路が搬送路と一部共有されていることにより、他の印刷ユニットの第1収納部から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給が可能になり、また例えば、供給ユニット等から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給が可能になり、プリンタ装置のスループットを更に向上できる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のプリンタ装置において、記録媒体の搬送経路を前記搬送路と前記供給路との間で選択的に切り替える第2搬送経路切替手段を有することを特徴としている。
【0025】
請求項6に記載の発明では、第2搬送経路切替手段により、搬送路を搬送される記録媒体を供給路へ確実に案内することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6記載のプリンタ装置において、前記搬送手段は前記供給手段を含むことを特徴としている。
【0027】
請求項7に記載の発明では、第1収納部から印字手段へ記録媒体を供給する供給手段を、複数の第1収納部間での記録媒体の受け渡しを行う搬送手段にも用いることにより、搬送手段の構成を簡素化できる。
【0028】
請求項8に記載の発明は、請求項1、請求項3〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記搬送路を複数有することを特徴としている。
【0029】
請求項8に記載の発明では、搬送路を複数有することにより、複数の第1収納部間で行われる記録媒体の受け渡し(自動補給)をより多く並行させて行うことができる。またこれに加え、例えば、他の印刷ユニットの第1収納部から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給、又は、供給ユニット等から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給をより多く並行させて行うことができる。これにより、プリンタ装置のスループットを更に向上できる。
【0030】
請求項9に記載の発明は、請求項1記載のプリンタ装置において、前記複数の第1収納部に供給する記録媒体を収納する第2収納部と、前記第1収納部を挟んだ前記搬送路の反対側に配置され、前記第2収納部から搬出された記録媒体を第1収納部に搬入するための第2搬入路と、前記第2収納部から記録媒体を搬出する搬出手段と、を有することを特徴としている。
【0031】
請求項9に記載の発明では、第2収納部に収納された記録媒体は搬出手段により搬出され、第1収納部を挟んだ搬送路の反対側に配置された第2搬入路を通して第1収納部に搬入される。
【0032】
これにより、第1収納部へ第2収納部から記録媒体が自動補給され、印字手段の稼働率低下が抑えられる。また第2収納部に、第1収納部に収納された記録媒体とは異なる種類の記録媒体を収納しておくことにより、多種類の記録媒体から必要な記録媒体を選択し、この記録媒体に対して印字手段により自動的に画像を記録できるようになる。
【0033】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載のプリンタ装置において、画像が記録された記録媒体を外部へ排出する排出路を有し、前記第2搬入路が前記排出路と一部共有されていることを特徴としている。
【0034】
請求項10に記載の発明では、第2搬入路が排出路と一部共有されていることにより、第2搬入路及び排出路を個別に設ける場合に比べて構成が簡素化される。
【0035】
請求項11に記載の発明は、請求項2〜請求項8の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットと重ね合わせられた状態でプリンタ装置を構成すると共に、前記第1収納部に供給する記録媒体を収納する第2収納部と、前記第2収納部に収納された記録媒体を印刷ユニットへ搬出するための第2搬出路と、前記第2収納部から記録媒体を搬出する搬出手段と、を有する供給ユニットを備え、前記印刷ユニットは、前記第1収納部を挟んだ前記第1搬入路の反対側に配置されると共に前記供給ユニットと重ね合わせられた状態で前記第2搬出路に接続され、供給ユニットから搬入された記録媒体を第1収納部に搬入するための第2搬入路を有することを特徴としている。
【0036】
請求項11に記載の発明では、供給ユニットの第2収納部に収納された記録媒体は搬出手段により搬出され、印刷ユニットの第1収納部を挟んだ搬送路の反対側に配置された第2搬入路に搬入され、この第2搬入路を通して第1収納部に搬入される。
【0037】
これにより、印刷ユニットの第1収納部へ供給ユニットの第2収納部から記録媒体が自動補給され、印字手段(印刷ユニット)の稼働率低下が抑えられる。また供給ユニットの第2収納部に、印刷ユニットの第1収納部に収納された記録媒体とは異なる種類の記録媒体を収納しておくことにより、多種類の記録媒体から必要な記録媒体を選択し、この記録媒体に対して印字手段(印刷ユニット)により自動的に画像を記録できるようになる。
【0038】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットは、画像が記録された記録媒体を外部へ排出する排出路を有し、前記第2搬入路が前記排出路と一部共有されていることを特徴とする。
【0039】
請求項12に記載の発明では、第2搬入路が排出路と一部共有されていることにより、第2搬入路及び排出路を個別に設ける場合に比べて構成が簡素化され印刷ユニットを小型化できる。
【0040】
請求項13に記載の発明は、請求項10又は請求項12記載のプリンタ装置において、記録媒体の搬送経路を前記第2搬入路と前記排出路との間で選択的に切り替える第3搬送経路切替手段を有することを特徴としている。
【0041】
請求項13に記載の発明では、第3搬送経路切替手段により、排出路を搬送される記録媒体を第2搬入路へ確実に案内することができる。
【0042】
請求項14に記載の発明は、請求項10又は請求項13記載のプリンタ装置において、前記複数の印字手段に対応して設けられ、印字手段により画像が記録された記録媒体を一時収納する複数のバッファ収納部と、前記複数のバッファ収納部から前記排出路へ記録媒体をそれぞれ排出する複数の排出手段と、を有することを特徴としている。
【0043】
請求項14に記載の発明では、複数の印字手段により画像が記録されたそれぞれの記録媒体は、各印字手段に対応する複数のバッファ収納部に一時収納され、各バッファ収納部から各排出手段により所定のタイミングで排出路へ排出される。このように、画像が記録された記録媒体をバッファ収納部に一時収納しておけば、この記録媒体を直ちに排出路へ排出しなくても、引き続き第1収納部から印字手段に後続する他の記録媒体を供給し、この記録媒体に対して画像記録を開始できるので、例えば、他の印字手段により画像が記録された記録媒体により排出路が塞がっていても、印字手段による記録媒体に対する画像の記録動作を中断する必要がなくなり、かつバッファ収納部に一時収納された記録媒体については排出路が空いたタイミングで排出開始すれば、印字手段による記録動作に影響を与えることなく、画像が記録された記録媒体を排出できる。
【0044】
請求項15に記載の発明は、請求項12又は請求項13記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットは、前記印字手段により画像が記録された記録媒体を一時収納するバッファ収納部と、前記バッファ収納部から前記排出路へ記録媒体を排出する排出手段と、を有することを特徴としている。
【0045】
請求項15に記載の発明では、印刷ユニットの印字手段により画像が記録された記録媒体は、バッファ収納部に一時収納され、バッファ収納部から排出手段により所定のタイミングで排出路へ排出される。このように、画像が記録された記録媒体をバッファ収納部に一時収納しておけば、この記録媒体を直ちに排出路へ排出しなくても、引き続き第1収納部から印字手段に後続する他の記録媒体を供給し、この記録媒体に対して画像記録を開始できるので、例えば、他の印刷ユニットの印字手段により画像が記録された記録媒体により排出路が塞がっていても、印字手段による記録媒体に対する画像の記録動作を中断する必要がなくなり、かつバッファ収納部に一時収納された記録媒体については排出路が空いたタイミングで排出開始すれば、印字手段による記録動作に影響を与えることなく、画像が記録された記録媒体を排出できる。
【0046】
請求項16に記載の発明は、請求項11〜請求項13、請求項15の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットと重ね合わせられた状態でプリンタ装置を構成すると共に、前記排出路を通して前記印刷ユニットから排出された記録媒体を保持する排出ユニットを有することを特徴としている。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る印刷ユニット及びプリンタ装置について図面を参照して説明する。
【0048】
(第1の実施形態)
図1及び図2には本発明の第1の実施形態に係るプリンタ装置が示され、図3及び図4には本実施形態に係るプリンタ装置に適用される印刷ユニットが示されている。
【0049】
図3に示されるように、印刷ユニット11は外殻部としてケーシング12を備えており、このケーシング12は、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿って扁平な直方体状に形成されている。ケーシング12には、その底板部13における幅方向(矢印W方向)に沿った一端側(図3では右側)及び他端側(図3では左側)にスリット状の給紙口16,17が穿設される共に、頂板部14に給紙口16,17と正対するようにスリット状の排紙口18,19が穿設されている。これらの給紙口16,17及び排紙口18,19は互いに、ケーシング12の奥行方向に沿って平行とされている。なお、以下では、便宜上、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130において右側を先端側、左側を後端側と呼称する。またケーシング12内には、底板部13上に上面側が開口した筐体状のトレイである給紙ホッパ20が配置されている。給紙ホッパ20内には、1枚の記録紙P又は複数枚の記録紙Pが積層された記録紙の束が収納可能とされている。なお、以下では、特に「記録紙P」と区別する必要がある場合には「紙束B」という。
【0050】
図3に示されるように、給紙ホッパ20内には、底板部13上に平板状の積載板22が配置されており、この積載板22上には給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが載置される。積載板22は、幅方向に沿った片側(図3では右側)の端部が給紙ホッパ20の底板部21に揺動に可能に連結されると共に、コイルスプリング等の付勢部材24により揺動端側が上方へ付勢されている。これにより、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pは、その先端側が積載板22からの押圧力を受けて上方へ付勢される。
【0051】
給紙ホッパ20は、ケーシング12により奥行方向(図4に示される矢印D方向)に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、給紙ホッパ20は、ケーシング12内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙Pを補給し、又は取り出すことが可能になる。また給紙ホッパ20には、付勢部材24に抗して積載板22を拘束するための拘束機構(図示省略)が設けられており、この拘束機構は、給紙ホッパ20の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載板22を底板部21に近接した下限位置に揺動させて拘束する。また拘束機構は、給紙ホッパ20の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載板22を解放する。
【0052】
図3に示されるように、印刷ユニット11内には、給紙ホッパ20の上側に上面側が開口した筐体状の排紙バッファ26が配置されている。この排紙バッファ26内には記録紙Pが収納可能とされている。排紙バッファ26内には、給紙ホッパ20と同様に、その底板部27上に平板状の積載板28が揺動可能に配置されている。この積載板28上には排紙バッファ26内に収納された記録紙Pが載置される。また積載板28は、幅方向に沿って片側(図3では右側)の端部が底板部27に揺動に可能に連結されると共に、コイルスプリング等の付勢部材30により揺動端側が上方へ付勢されている。これにより、排紙バッファ26内に収納された記録紙Pは、その先端側が積載板28からの押圧力を受けて上方へ付勢される。なお、排紙バッファ26内では、記録紙Pの先端の向きが給紙ホッパ20内とは逆になっている。
【0053】
排紙バッファ26には、底板部27の下面側に付勢部材30に抗して積載板28を揺動方向に沿った下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、排紙バッファ26内に画像記録済みの記録紙Pを受け入れる際に、積載板28を底板部27に近接した下限位置に揺動させて拘束し、排紙バッファ26内への記録紙Pの受入完了後に積載板28を解放する。
【0054】
図3及び図4に示されるように、印刷ユニット11内には、給紙ホッパ20の上方であって、幅方向に沿って排紙バッファ26に隣接する部位に印字部34が配置されている。印字部34には、奥行方向と平行な主走査方向(図4に示される矢印S方向)に延在するガイドロッド36が設けられると共に、このガイドロッド36により主走査方向に沿って移動可能に支持されたインクジェットヘッド38が設けられている。また印字部34には、記録紙Pに対する画像記録時にインクジェットヘッド38を所定の主走査速度で往復移動させるヘッド駆動機構(図示省略)が設けられている。
【0055】
図3に示されるように、印字部34には、主走査方向に沿ってインクジェットヘッド38を挟むようにニップローラ対40,ローラ対42が配置されると共に、ニップローラ対40とローラ対42と間にインクジェットヘッド38の下面部との間にスリット状の隙間を形成するガイド板44が配置されている。これらのニップローラ対40及びローラ対42により、インクジェットヘッド38により画像が記録される記録紙Pを所定の副走査速度で副走査方向(図4に示される矢印F方向)へ搬送する。
【0056】
ここで、インクジェットヘッド38には、その下面部分に主走査方向に沿って記録すべき画像の画素密度に対応するピッチで配設された複数のノズル(図示省略)が設けられており、インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、デジタル化された画像情報に基づいて各ノズルからインクを噴射及び噴射停止することで、ニップローラ対40及びローラ対42により副走査方向へ搬送される記録紙P上に画像情報に対応する画像を形成する。
【0057】
図3に示されるように、印刷ユニット11には、給紙口16と排紙口18と間に、一定の間隔を空けて互いに対向する給紙ガイド板50,52及び給紙ガイド板50と一定の間隔を空けて対向する一対の分岐ガイド板54,56が配設されており、分離給紙ローラ88とニップローラ対40との間(分岐ガイド板56と給紙ガイド板52との間)に、一定の間隔を空けて互いに対向する印字ガイド板58及び印字ガイド板60、62が配設されている。分岐ガイド板56と給紙ガイド板52との間に配置された印字ガイド板58はU字状に湾曲しており、この印字ガイド板58の縦壁部は給紙ガイド板50とも一定の間隔を空けて対向している。なお、給紙ガイド板52と印字ガイド板62とは一体化した構成としてもよく、また分岐ガイド板56と印字ガイド板60とは一体化した構成としてもよい。
【0058】
これらの給紙ガイド板50と、分岐ガイド板54,56、印字ガイド板58の縦壁部、給紙ガイド板52との間には、給紙口16と排紙口18とを連通させると共に、1枚の記録紙Pを給紙口16側から排紙口18側へ又は排紙口18側から給紙口16側へ案内するための給紙ガイド路64が形成されている。一対の分岐ガイド板54,56はそれぞれJ字状に湾曲しており、これら一対の分岐ガイド板54,56間には、給紙ガイド路64から給紙ホッパ20側へ分岐する分岐ガイド路66が形成されている。また印字ガイド板58と、印字ガイド板60、62及び給紙ガイド板50との間には、1枚の記録紙Pを給紙ホッパ20から印字部34へ案内するための印字ガイド路68が形成されており、この印字ガイド路68は、通路中間部69Bが給紙ガイド路64に重なり合うと共に、通路上流部69A及び通路下流部69Cが給紙ガイド路64から分岐している。これにより、給紙口16から給紙ガイド路64へ搬入された1枚の記録紙Pを、給紙ガイド路64から印字ガイド路68との重複部である通路中間部69Bを経由し通路下流部69Cへ搬送して印字部34へ案内することができる給紙ガイド路が形成され、印刷ユニット11では、印字ガイド路68とこの給紙ガイド路とが一部共有された構成とされている。
【0059】
給紙ガイド路64の上端部には、搬送ローラ対70が設けられている。また給紙ガイド路64と分岐ガイド路68との分岐点付近にはガイドレバー72が配設され、給紙ガイド路64と印字ガイド路68との分岐点付近にはガイドレバー74が配設されている。
【0060】
ガイドレバー72には、図5(A)に示されるように、一端部に揺動中心となる支軸部76が設けられており、支軸部76は給紙ガイド路64と分岐ガイド路66との分岐点に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー72は、実線で示される待機位置(72A)と2点鎖線で示される搬送位置(72B)、第1給紙位置(72C)、及び第2給紙位置(72D)とに回動可能とされている。またガイドレバー72はロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより待機位置及び第1〜第3給紙位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0061】
これにより、給紙口16を通して給紙ガイド路64に搬入された記録紙Pは、ガイドレバー72が搬送位置(72B)に配置されると分岐ガイド路66が塞がれるため排紙口18側へ案内され、ガイドレバー72が第1給紙位置(72C)に配置されると給紙ガイド路64の上部が塞がれるため分岐ガイド路66側へ案内される。またガイドレバー72が第2給紙位置(72D)に配置されると給紙ガイド路64の下部が塞がれ、この場合、排紙口18を通して給紙ガイド路64に搬入された記録紙Pは分岐ガイド路66側へ案内される。このように、ガイドレバー72は、記録紙Pの搬送経路を給紙ガイド路64と分岐ガイド路66との間で選択的に切り替えるよう構成されている。
【0062】
ガイドレバー74には、図5(B)に示されるように、一端部に揺動中心となる支軸部78が設けられており、支軸部78は給紙ガイド路64と印字ガイド路68との分岐点に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー74は、実線で示される印字位置(74A)と2点鎖線で示される搬送位置(74B)との範囲で回動可能とされている。またガイドレバー74はロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより印字位置及び搬送位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0063】
これにより、給紙ホッパ20から印字ガイド路68へ搬出された記録紙P及び給紙口16を通して給紙ガイド路64に搬入された記録紙Pは、ガイドレバー74が印字位置(74A)に配置されると給紙ガイド路64の上部が塞がれるためニップローラ対40側へ案内され、ガイドレバー74が搬送位置(74B)に配置されると印字ガイド路68が塞がれるため排紙口18側へ案内される。このように、ガイドレバー74は、記録紙Pの搬送経路を給紙ガイド路64と印字ガイド路68との間で選択的に切り替えるよう構成されている。
【0064】
一方、給紙ホッパ20には、図6に示されるように、側板部の先端側の部分に分岐ガイド路66側へ延出する受入ガイド部80が一体的に形成されており、この受入ガイド部80内には、記録紙Pが通過可能なスリット状の受入ガイド路82が形成されている。この受入ガイド路82には、一端部に給紙ホッパ20内へ開口する排紙口84が設けられると共に、先端部に分岐ガイド路66の先端部と相対向する給紙口86が設けられている。これにより、分岐ガイド路66の先端部から排出された記録紙Pは、図6(A)に示されるように、給紙口86を通して受入ガイド路82へ搬送される。また受入ガイド路82へ搬送された記録紙Pは、搬送ローラ対70又は後述する分離給紙ローラ120からの搬送力を受けて受入ガイド路82から排紙口84を通して給紙ホッパ20内へ排出され、給紙ホッパ20内へ収納される。
【0065】
また印刷ユニット11には、給紙ホッパ20の上方に円筒状の分離給紙ローラ88が配置されている。この分離給紙ローラ88は、給紙ホッパ20内に収納され積載板22により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。
【0066】
印刷ユニット11では、インクジェットヘッド38に記録紙Pを供給する際には、給紙ホッパ20内の記録紙Pに圧接した分離給紙ローラ88を所定量回転させる。これにより、給紙ホッパ20内からは1枚の記録紙Pが分離され、この1枚の記録紙Pは分離給紙ローラ88からの搬送力により印字ガイド路68に沿ってニップローラ対40へ搬送される。なお、印字ガイド路68の路長が比較的長く、分離給紙ローラ88からの搬送力だけでは記録紙Pを確実にニップローラ対40まで搬送できない場合には、印字ガイド路68にはその途中に搬送ローラ対を配置し、この搬送ローラ対により印字ガイド路68の途中まで搬送されてきた記録紙Pをニップローラ対40まで搬送するようにしても良い。
【0067】
図3に示されるように、印刷ユニット11には、排紙バッファ26の上方に円筒状の分離排紙ローラ90が配置されている。この分離排紙ローラ90は、排紙バッファ26内に収納され積載板28により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。また印刷ユニット11には、分離排紙ローラ90から後端側へ延出する一対の分岐ガイド板92,94が配置されており、一対の分岐ガイド板92,94は、一定の間隔を空けて互いに対向するように支持されている。これら一対の分岐ガイド板92,94間には、1枚の記録紙Pを後述する排紙ガイド路102へ案内するための分岐ガイド路96が形成されている。
【0068】
印刷ユニット11内には、後端部に上下方向へ延在する一対の排紙ガイド板98,100が配置されており、一対の排紙ガイド板98,100は一定の間隔を空けて互いに対向するように支持されている、これらの一対の排紙ガイド板98,100間には、1枚の記録紙Pを後述する排紙ユニット130へ案内するための排紙ガイド路102が形成されている。排紙ガイド路102は、ケーシング12に形成された給紙口17と排紙口19とを繋げている。また印刷ユニット11には、排紙ガイド路102に沿って記録紙Pを排紙ユニット130側へ搬送するための搬送ローラ対104が設置されている。この搬送ローラ対104は、少なくとも排紙ガイド路102の上端部及び下端部にそれぞれ配置されており、排紙ガイド路102の路長、記録紙Pの長さ等に応じて排紙ガイド路102の上端部と下端部との間に適宜配置される。
【0069】
図1に示されるように、本実施形態に係るプリンタ装置10は、1台以上(図1では3台)の印刷ユニット11と、給紙ユニット110及び排紙ユニット130とが高さ方向に沿って積み重ねられて構成されている。ここで、給紙ユニット110は、記録紙Pを各印刷ユニット11における給紙ホッパ20内へ自動補給するためのものであり、プリンタ装置10における最下段に配置される。排紙ユニット130は、印刷ユニット11に画像が記録された記録紙Pを受け入れて一時保管するためのものであり、プリンタ装置10における最上段に配置される。
【0070】
図1に示されるように、給紙ユニット110は外殻部としてケーシング112を備えており、このケーシング112の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット11のケーシング12と略一致している。ケーシング112には、その上面部における先端側にスリット状の排紙口114(図2参照)が開口しており、この排紙口114は、給紙ユニット110の上段側に隣接する印刷ユニット11の給紙口16に接続される。
【0071】
ケーシング112内部には、複数枚の記録紙Pが積載された紙束Bが収納可能とされたメイン給紙ホッパ116が配置されている。このメイン給紙ホッパ116は、各印刷ユニット11の給紙ホッパ20と同様に、ケーシング112により奥行方向に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、メイン給紙ホッパ116は、ケーシング112内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙P(紙束B)を補給し、又は取り出すことが可能になる。
【0072】
メイン給紙ホッパ116内には、収納した紙束Bが積載される積載トレー118及び、この積載トレー118を高さ方向に沿って昇降可能に支持した昇降機構(図示省略)が配置されている。またケーシング112内には、メイン給紙ホッパ116の上方に分離給紙ローラ120が配置されており、この分離給紙ローラ120は、そのローラ面が積載トレー118上に積載された紙束B上面の先端部に対向するように支持されている。昇降機構は、メイン給紙ホッパ116の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載トレー118をメイン給紙ホッパ116の底板部に近接した下限位置に移動させ、またメイン給紙ホッパ116の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載トレー118を上昇させ、積載トレー118上の紙束Bを所定の圧接力で分離給紙ローラ120に圧接させる。
【0073】
図1及び図2に示されるように、ケーシング112内には、排紙口114から分離給紙ローラ120側へ延出する接続ガイド路122が設けられており、この接続ガイド路122の先端部は、分離給紙ローラ120の紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、分離給紙ローラ120が所定量だけ回転すると、分離給紙ローラ120により積載トレー118上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が接続ガイド路122へ送り込まれる。
【0074】
なお、メイン給紙ホッパ116内に配置される積載トレー118は1個に限定されず、複数個の積載トレー118をメイン給紙ホッパ116内に配置し、各積載トレー118にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを積載するようにしても良い。この場合には、例えば、昇降機構により複数の積載トレー118を上下方向に加えて、前後方向(幅方向)に移動させ、複数の積載トレー118の何れかに積載された紙束Bを選択的に分離給紙ローラ120に圧接させることで、複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pを接続ガイド路122へ送り込むことが可能になる。
【0075】
図1に示されるように、排紙ユニット130は外殻部としてケーシング132を備えており、このケーシング132の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット11のケーシング12と略一致している。ケーシング132には、その下面部における先端側及び後端側にスリット状の受入口134,136(図2参照)が開口しており、この受入口134,136は、排紙ユニット130の下段側に隣接するように配置された印刷ユニット11の排紙口18,19に接続される。
【0076】
ケーシング132の上面部における先端側にはスリット状の排紙口138が開口しており、ケーシング132内には、排紙口138と受入口134とを繋ぐ受入ガイド路140が設けられている。またケーシング132の上面部には、複数枚の記録紙Pが積載可能とされた排紙トレー部142が設けられている。排紙トレー部142には、受入口136側の一端部から他端側へ向って上方へ傾斜する積載面144が形成されると共に、この積載面144の一端部から略垂直に立ちあがる位置決め面146が形成されている。この位置決め面146の上端側にはスリット状の排紙口148が開口しており、ケーシング132内には、排紙口148と受入口136とを繋ぐ受入ガイド路150が設けられている。また排紙ユニット130には、受入ガイド路150の排紙口148側の端部に搬出ローラ対152が配置されている。
【0077】
図1に示されるように、給紙ユニット110の上段側に配置された印刷ユニット11は、上段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その排紙口18が上段側の印刷ユニット11の給紙口16に接続され、また上段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その排紙口18が上段側の印刷ユニット11の給紙口16に接続される。これにより、給紙ユニット110の上段側に複数の印刷ユニット11が配置されている場合には、各印刷ユニット11の給紙ガイド路64が互いに接続され、これらの給紙ガイド路64は、各印刷ユニット11を貫通するように高さ方向に延在し、上端部が排紙ユニット130の受入ガイド路140に接続される1本の給紙経路を構成する。
【0078】
また排紙ユニット130の下段側に配置された印刷ユニット11は、下段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その給紙口17が下段側の印刷ユニット11の排紙口19に接続され、また下段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その給紙口17が下段側の印刷ユニット11の排紙口19に接続される。これにより、排紙ユニット130の下段側に複数の印刷ユニット11が配置されている場合には、各印刷ユニット11の排紙ガイド路102が互いに接続され、これらの排紙ガイド路102は、各印刷ユニット11貫通するように高さ方向に延在し、上端部が排紙ユニット130の受入ガイド路150に接続される1本の排紙経路を構成する。
【0079】
また、印刷ユニット11のケーシング12には、その頂板部14に上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられると共に、底板部13にガイド突起に対応する凹状のガイド受部(図示省略)が設けられている。また給紙ユニット110のケーシング112には、その頂板部にガイド受部に対応する上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられており、排紙ユニット130のケーシング132には、その下面部にガイド突起に対応する凹状のガイド受部が設けられている。これらのガイド突起及びガイド受部は1台の印刷ユニット11に少なくとも2個ずつ設けられ、給紙ユニット110には少なくとも2個のガイド突起が設けられ、排紙ユニット130には少なくとも2個のガイド受部が設けられている。ここで、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130が積み重ねられてプリンタ装置10を構成している状態では、何れかの印刷ユニット11に設けられたガイド突起は、上段側の印刷ユニット11又は排紙ユニット130のガイド受部に嵌挿し、ガイド受部内には下段側の印刷ユニット11又は給紙ユニット110のガイド突起が挿入される。これにより、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130は、幅方向及び奥行方向に沿って互いに一致するように位置決めされると共に、ユニット11,110,130間での移動が拘束されて一体化される。
【0080】
なお、プリンタ装置10を構成する複数台の印刷ユニット11は、それぞれ制御部32を備えており、給紙ユニット110も、各印刷ユニット11と同様に制御部124を備えている。各印刷ユニット11の制御部32の間は電気的に接続されており、給紙ユニット110の制御部124も、各印刷ユニット11の制御部32に電気的に接続されている。各印刷ユニット11の制御部32の間を電気的に接続するためには、例えば、各印刷ユニット11にケーブル及びソケットを設けて、ケーブル先端に配置されたコネクタを他の印刷ユニット11のソケットに差し込むことにより電気的に接続しても良く、またガイド突起及びガイド受部の少なくと1個ずつをそれぞれ互いに適合するコネクタ及びソケットとして構成し、印刷ユニット11を積み重ねると共に、コネクタとしてのガイド突起をソケットとしてのガイド受部に差し込むことにより電気的に接続しても良い。また給紙ユニット110の制御部124を印刷ユニット11の制御部32に電気的に接続するための構成も、印刷ユニット11の制御部32間を接続する場合と同様に、ケーブル及びソケットによる接続や、ガイド突起及びガイド受部をそれぞれコネクタ及びソケットとして接続することが可能である。
【0081】
プリンタ装置10は、前述したように、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130が積み重ねられて構成されている。これにより、プリンタ装置10を構成する印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130は、図2に示されるように、上段側のユニット11,130を上方へ持ち上げるだけで、簡単に下段側のユニット11,110から分離できる。従って、プリンタ装置10では、印刷ユニット11を他の印刷ユニット11又は給紙ユニット110から分離し、又は排紙ユニット130を下段側の印刷ユニット11から分離した状態とすれば、1台乃至複数台の印刷ユニット11を他の印刷ユニット11との間又は印刷ユニット11と給紙ユニット110との間又は印刷ユニット11と排紙ユニット130との間に挿入し、あるいは印刷ユニット11の間又は印刷ユニット11と給紙ユニット110との間又は印刷ユニット11と排紙ユニット130との間から1台乃至複数台の印刷ユニット11を抜き取ることが可能になっている。これにより、プリンタ装置10では、装置を構成する印刷ユニット11の台数を簡単に増減でき、印刷ユニット11の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度を含む印刷能力を調整できる。
【0082】
次に、上記のように構成された本実施形態に係る印刷ユニット11及びプリンタ装置10による動作について説明する。
【0083】
プリンタ装置10では、印刷ユニット11の制御部32がパーソナルコンピュータ、サーバ等の外部の情報処理装置(図示省略)と接続されており、この情報処理装置からプリント命令及び画像情報が入力すると、印刷ユニット11が記録紙Pに対する画像の記録動作を開始する。
【0084】
ここで、プリンタ装置10に複数台の印刷ユニット11が配置されている場合には、各印刷ユニット11の制御部32を並列的に情報処理装置に接続しても良く、また複数台の印刷ユニット11の何れか1台をメインの印刷ユニット11として構成し、このメインの印刷ユニット11の制御部32のみを情報処理装置に接続し、このメインの印刷ユニットの制御部32を通して他の印刷ユニット11の制御部32から各種の情報を出力するようにしても良い。またメインの印刷ユニット11の制御部32については、他の印刷ユニット11とは情報の処理速度、記憶容量等の性能及び機能が異なるものであっても良い。
【0085】
また、本実施形態のプリンタ装置10では、印字命令及び画像情報が入力すると、各印刷ユニット11による記録紙Pに対する記録回数が可能なかぎり平準化するように、各印刷ユニット11を所定の順番で巡回的に作動させる。またプリンタ装置10では、複数枚数分の印字命令及び画像情報が一度に入力した場合には、可能な限り多数台の印刷ユニット11を同時に作動させ、同時に作動する複数台の印刷ユニット11によりそれぞれ記録紙Pに画像を形成させる。このとき、各印刷ユニット11が記録紙Pに記録する画像は、印刷ユニット11毎に異なったものでも、同一のものでも良い。
【0086】
先ず、各印刷ユニット11における記録紙Pに対する画像の記録動作について説明する。
【0087】
プリンタ装置10では、情報処理装置からの印字命令及び画像情報が入力すると、少なくとも1台の印刷ユニット11が作動して記録紙Pに対する画像形成を開始する。このとき、作動状態となる印刷ユニット11では、先ず、ガイドレバー74をロータリアクチュエータにより搬送位置から印字位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、分離給紙ローラ88を所定量回転させる。これにより、積載板22上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、印字ガイド路68内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が印字ガイド路68を通って給紙ガイド路64との重複部(通路中間部69B)へ送り込まれ、給紙ガイド路64と印字ガイド路68との分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74により重複部から印字ガイド路68内へ案内され、印字部34のニップローラ対40へ搬送される。これにより、印刷ユニット11では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが印字部34へ給紙可能になる。
【0088】
記録紙Pが搬入されたニップローラ対40は、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pをインクジェットヘッド38とガイド板44との間に送り込み、ガイド板44に沿って記録紙Pを搬送し、記録紙Pの先端部をローラ対42の間に挿入する。これにより、記録紙Pは、ニップローラ対40及びローラ対42により挟持されつつ、副走査方向へ副走査速度で搬送される。
【0089】
インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、主走査方向へ配列された複数のノズルから画像情報に基づいて選択的にインクを噴射又は噴射停止し、副走査方向へ移動する記録紙P上にインクにより画像を形成して行く。このインクジェットヘッド38の画像の記録動作に並行し、ローラ対42は、画像が記録された記録紙Pの先端側の部分を排紙バッファ26内へ送り込む。このとき、排紙バッファ26内の積載板28は、アクチュエータにより下限位置に拘束されている。これにより、記録紙Pは、その先端部が分離排紙ローラ90に衝突することなく、ローラ対42からの搬送力により排紙バッファ26内へ送り込まれ、その後端部がローラ対42から離脱すると共に排紙バッファ26へ収納される。
【0090】
印刷ユニット11の制御部32は、画像が記録された記録紙Pが排紙バッファ26内に収納される時点までに、この記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102へ搬出するか否かを判断する。この判断は、例えば、各印刷ユニット11の排紙ガイド路102により構成された排紙経路内を記録紙Pが搬送されているか否か、各印刷ユニット11により記録紙Pに対してそれぞれ異なる頁(画像情報)の印刷が行われており、頁数が小さい頁の画像が記録された記録紙Pを先行して他の印刷ユニット11から排紙ユニット130へ搬送するために、排紙バッファ26からの記録紙Pの搬出タイミングを調整する必要があるか否か、さらには記録密度、記録紙種類等を考慮した上でインク乾燥時間が必要か否か、等の各種の状況に基づいて判断される。
【0091】
印刷ユニット11の制御部32は、記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102へ搬出すると判断した場合には、記録紙Pが排紙バッファ26内へ収納されると同時に、アクチュエータにより積載板28を下限位置から解放する。これにより、積載板28は、付勢部材30の付勢力により上方へ揺動し記録紙Pの先端側を分離排紙ローラ90へ圧接させる。これに同期して、制御部32は、分離排紙ローラ90を回転開始させて排紙バッファ26内に収納された記録紙Pを分岐ガイド路96へ送り出す。このとき、排紙バッファ26内に複数枚の記録紙Pが収納されて紙束Bが構成されている場合には、分離排紙ローラ90は、最上部に積載された1枚の記録紙Pのみを紙束Bから分離し、この記録紙Pを分岐ガイド路96へ送り出す。分岐ガイド路96へ送り出された記録紙Pは、その先端側が分離排紙ローラ90からの搬送力により排紙ガイド路102へ送り込まれる。この記録紙Pは、排紙ガイド路102内で先端側が搬送ローラ対104により挟持され、この搬送ローラ対104により排紙ユニット130側へ搬送される。
【0092】
また印刷ユニット11の制御部32は、画像が記録された記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102へ搬出しないと判断した場合には、記録紙Pが排紙バッファ26内へ収納されても、アクチュエータにより積載板28を下限位置に拘束し続ける。これにより、引き続き、インクジェットヘッド38により画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内へ送り込み、この記録紙Pを既に排紙バッファ26内に収納された記録紙P上に積載可能になる。
【0093】
一方、プリンタ装置10では、作動状態にある印刷ユニット11で記録紙Pの先端側が分岐ガイド路96内から排紙ガイド路102内へ送り込まれ、搬送ローラ対104により排紙ユニット130側へ搬送開始されると、この印刷ユニット11に対して上段側に配置された印刷ユニット11の搬送ローラ対104及び排紙ユニット130の搬出ローラ対152をそれぞれ回転させる。これにより、作動状態にある印刷ユニット11の排紙ガイド路102内へ送り込まれた記録紙Pは、上段側の排紙ガイド路102でも搬送ローラ対104により排紙ユニット130側への搬送が継続され、最上段の印刷ユニット11における排紙ガイド路102から排紙ユニット130の受入ガイド路150へ送り込まれる。
【0094】
受入ガイド路150へ送り込まれた記録紙Pは排紙口148側へ搬送され、搬出ローラ対152により挟持される。搬出ローラ対152は、記録紙Pを挟持しつつ排紙口148を通して受入ガイド路150内から排紙トレー部142上へ搬出する。記録紙Pは、その後端部が搬出ローラ対152から離脱すると、排紙トレー部142の積載面144上に落下し載置される。このとき、積載面144には位置決め面146側へ下がるような傾斜が付けられているので、積載面144上に落下した記録紙Pは、積載面144又は積載面144上に載置された記録紙P上を滑って後端が位置決め面146に当接し、積載面144上で所定の積載位置に位置決めされる。
【0095】
以上説明した印刷ユニット11による記録紙Pに対する画像の記録動作は、同一期に1台の印刷ユニット11のみを作動させて1枚の記録紙Pのみに画像を記録しても良く、また同一時期に複数台(本実施形態では、最大3台)の印刷ユニット11をそれぞれ作動させて複数枚の記録紙Pに並列的に画像を記録するようにしても良い。
【0096】
次に、給紙ユニット110から各印刷ユニット11への記録紙Pの補給動作及び印刷ユニット11間での記録紙Pの補給動作について図7〜図10を用いて説明する。なお、図7〜図10に示されるプリンタ装置10では、積み重ねられた3台の印刷ユニット11を上から順に印刷ユニット11A,11B,11Cとして区別すると共に、各印刷ユニットに内蔵された図示の構成部品についても同様にA,B,Cの末尾によって区別している。
【0097】
本実施形態のプリンタ装置10では、給紙ユニット110を装備していることにより、給紙ユニット110から各印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを自動補給することが可能になっている。この給紙ユニット110から給紙ホッパ20への補給動作について図7を用いて説明する。
【0098】
印刷ユニット11の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ給紙ユニット110から補給が可能と判断した場合に、給紙ユニット110からの記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット110に対して記録紙Pの補給を要求する。このとき、制御部32が、給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び印字命令により給紙ユニット110内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合がある。
【0099】
また制御部32は、給紙ユニット110との間の給紙ガイド路64が記録紙Pにより塞がれていない時に、給紙ユニット110から給紙ホッパ20へ記録紙Pの補給が可能と判断する。
【0100】
図7には、給紙ユニット110から印刷ユニット11Bの給紙ホッパ20B内へ記録紙Pを補給する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ給紙ユニット110からの補給が可能と判断すると、先ず、積載板22(図3参照)をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー72Bをロータリアクチュエータにより待機位置から第1給紙位置(図5(A)参照)へ回動させる。
【0101】
次いで、制御部32Bは、給紙ユニット110の制御部124に給紙信号を出力する。さらに給紙ユニット110との間に配置されている印刷ユニット11Cの制御部32Cにガイドレバー72C,74Cを所定の位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64Cに配置された搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。なお、補給を必要とする印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11に上記の作動信号を出力する。
【0102】
給紙信号を受けた給紙ユニット110の制御部124は、分離給紙ローラ120を所定量回転させる。これにより、積載トレー118上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、接続ガイド路122内へ送り込まれる。また作動信号が入力された印刷ユニット11Cの制御部32Cは、ガイドレバー72Cを待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74Cを印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転させる。これにより、印刷ユニット11Cでは給紙ガイド路64Cが開通状態になる。
【0103】
接続ガイド路122内へ送り込まれた記録紙Pは、その先端側が接続ガイド路122を通って給紙ガイド路64C内へ送り込まれ、ここでは分岐ガイド路66Cがガイドレバー72Cにより塞がれ、印字ガイド路68Cの通路下流部69Cがガイドレバー72Cにより塞がれているためこれらの分岐点を通過し上方へ搬送され搬送ローラ対70Cまで送り込まれる。さらに記録紙Pは搬送ローラ対70Cにより挟持され上方へ搬送されて、印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64B内へ送り込まれ、給紙ガイド路64Bと分岐ガイド路66Bとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー72Bにより給紙ガイド路64Bから分岐ガイド路66B内へ案内される。この記録紙Pは、搬送ローラ対70Cからの搬送力により給紙ホッパ20B内へ搬出され、積載板22上に収納される。なお、ここでは補給を必要とする印刷ユニット11の下段側に他の印刷ユニット11が隣接しているため、記録紙Pは他の印刷ユニット11の搬送ローラ対70からの搬送力により給紙ホッパ20内へ搬出されるが、補給を必要とする印刷ユニット11が給紙ユニット110と隣接する場合には、記録紙Pは給紙ユニット110の分離給紙ローラ120からの搬送力により給紙ホッパ20内へ搬出される。これにより、印刷ユニット11では、給紙ユニット110内に収納された記録紙Pが給紙ホッパ20へ給紙可能になる。
【0104】
給紙ユニット110の制御部124は、制御部32Bからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ120を回転させて後続する記録紙Pを接続ガイド路122へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0105】
一方、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されると、積載板22を下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72Bを第1給紙位置から待機位置へ復帰させ、ガイドレバー74Bを印字位置に配置する。これにより、印刷ユニット11Bでは、給紙ユニット110から補給された記録紙Pを給紙ホッパ20B内から優先的に印字部34Bへ給紙し、その記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また印刷ユニット11Cは、ガイドレバー72Cを搬送位置から待機位置へ復帰させ、ガイドレバー74Cを搬送位置から印字位置へ復帰させると共に、搬送ローラ対70Cを回転停止させる。これにより、印刷ユニット11Cでは印字ガイド路68Cが開通状態になり、給紙ホッパ20Cに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また上述した例では、図7に示されように、印刷ユニット11Bへの記録紙Pの補給動作中でも、印刷ユニット11Bよりも上段側の印刷ユニット11Aでは、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能である。
【0106】
本実施形態の印刷ユニット11では、印字ガイド路68と給紙ガイド路64とが一部共有されていることにより、給紙ユニット110から各印刷ユニット11の印字部34へ記録紙Pを直接給紙し画像記録することが可能になっている。この給紙ユニット110から印字部34への給紙動作について図8を用いて説明する。
【0107】
印刷ユニット11の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット110からの印字部34への記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット110から印字部34への給紙が可能と判断した場合に、給紙ユニット110からの印字部34への記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット110に対して印字部34への記録紙Pの給紙を要求する。このとき、制御部32が、給紙ユニット110から印字部34への記録紙Pの給紙が必要と判断する場合としては、印字命令により給紙ユニット110内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合、及び記録紙Pを印字部34に直接給紙して画像を記録する方が印字処理時間を短縮できる場合がある。
【0108】
また制御部32は、給紙ユニット110との間の給紙ガイド路64が記録紙Pにより塞がれていない時に、給紙ユニット110から印字部34へ記録紙Pの給紙が可能と判断する。
【0109】
図8には、給紙ユニット110から印刷ユニット11Cの印字部34Cへ記録紙Pを直接給紙する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Cの制御部32Cは、給紙ユニット110からの印字部34Cへの記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット110からの印字部34Cへの給紙が可能と判断すると、先ず、ガイドレバー72Cをロータリアクチュエータにより待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させると共に、ガイドレバー74Cをロータリアクチュエータにより搬送位置から印字位置(図5(B)参照)へ回動させる。
【0110】
次いで、制御部32Cは、給紙ユニット110の制御部124に給紙信号を出力する。なお、印字部34への給紙を要求する印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に1台又は複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11にガイドレバー72を待機位置から搬送位置へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64に配置された搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。
【0111】
給紙信号を受けた給紙ユニット110の制御部124は、分離給紙ローラ120を所定量回転させる。これにより、積載トレー118上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、接続ガイド路122内へ送り込まれる。また中間の印刷ユニット11への作動信号の入力があると、その中間の印刷ユニット11の制御部32は、ガイドレバー72を待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転させる。これにより、中間の印刷ユニット11では給紙ガイド路64が開通状態になる。
【0112】
接続ガイド路122内へ送り込まれた記録紙Pは、その先端側が接続ガイド路122を通って給紙ガイド路64C内へ送り込まれ、ここでは分岐ガイド路66Cがガイドレバー72Cにより塞がれているためこの分岐点を通過し上方へ搬送される。さらに記録紙Pは分離給紙ローラ120からの搬送力により給紙ガイド路64Cと印字ガイド路68Cとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74Cにより給紙ガイド路64Cから印字ガイド路68Cの通路下流部69C内(図3参照)へ案内されニップローラ対40Cまで送り込まれる。なお、ここでは印字部34への給紙を要求する印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に他の印刷ユニット11が配置されていないため、記録紙Pは給紙ユニット110の分離給紙ローラ120からの搬送力によりニップローラ対40へ送り込まれるが、印字部34への給紙を要求する印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、記録紙Pは他の印刷ユニット11の搬送ローラ対70からの搬送力によりニップローラ対40へ送り込まれる。これにより、印刷ユニット11では、給紙ユニット110内に収納された記録紙Pが印字部34へ給紙可能になり、その直接給紙された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。
【0113】
給紙ユニット110の制御部124は、制御部32Cからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが印字部34Cにより画像記録されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ120を回転させて後続する記録紙Pを接続ガイド路122へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0114】
一方、印刷ユニット11Cの制御部32Cは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pに対する画像記録を終えると、ガイドレバー72Cを搬送位置から待機位置へ復帰させ、給紙ホッパ20Cに収納されている記録紙Pへの画像記録を行わない場合にはガイドレバー74Cを印字位置から搬送位置からへ復帰させる。また上述した例では、図8に示されように、印刷ユニット11Cの印字部34Cへの記録紙Pの給紙動作中でも、印刷ユニット11Cよりも上段側の印刷ユニット11A,11Bでは、給紙ホッパ20A,20Bに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能である。
【0115】
本実施形態の印刷ユニット11では、各印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの自動補給が可能になっている。この給紙ホッパ20間での補給動作について図9を用いて説明する。
【0116】
印刷ユニット11の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ他の印刷ユニット11から補給が可能と判断した場合に、その補給元の印刷ユニット11からの記録紙Pの受入を準備すると共に、補給元の印刷ユニット11に対して記録紙Pの補給を要求する。このとき、制御部32が、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び印字命令により他の印刷ユニット11内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合がある。
【0117】
また制御部32は、他の印刷ユニット11との間の給紙ガイド路64が記録紙Pにより塞がれていない時に、他の印刷ユニット11から給紙ホッパ20へ記録紙Pの補給が可能と判断すると共に、その補給動作については、補給元となる他の印刷ユニット11と補給先となる自己の印刷ユニット11との上下配置関係に応じて制御内容を変更する。
【0118】
先に、下段側から上段側への給紙ホッパ20間での補給動作を説明する。図9には、印刷ユニット11Cから印刷ユニット11Bの給紙ホッパ20B内へ記録紙Pを補給する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ印刷ユニット11Cからの補給が可能と判断すると、先ず、積載板22(図3参照)をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー72Bをロータリアクチュエータにより待機位置から第1給紙位置(図5(A)参照)へ回動させる。
【0119】
次いで、制御部32Bは、印刷ユニット11Cの制御部32Cに給紙信号及びガイドレバー74Cを所定の位置へ回動させると共に給紙ガイド路64Cに配置された搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。なお、補給を必要とする印刷ユニット11と補給元の印刷ユニット11との間に1台又は複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11にガイドレバー72を待機位置から搬送位置へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64に配置された搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。
【0120】
給紙信号及び作動信号を受けた印刷ユニット11Cの制御部32Cは、ガイドレバー74Cを印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転させ、分離給紙ローラ88Cを所定量回転させる。これにより、積載板22上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、印字ガイド路68C内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が印字ガイド路68Cを通って給紙ガイド路64Cとの重複部(通路中間部69B)へ送り込まれ、給紙ガイド路64Cと印字ガイド路68Cとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74Cにより重複部から給紙ガイド路64C側へ案内され、搬送ローラ対70Cへ送り込まれる。記録紙Pが送り込まれた搬送ローラ対70Cは、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pを上段側に配置された印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bに送り込む。これにより、印刷ユニット11では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが上段側に配置された他の印刷ユニット11へ給紙可能になる。
【0121】
また補給元と補給先との間に配置された中間の印刷ユニット11への作動信号の入力があると、その中間の印刷ユニット11の制御部32は、ガイドレバー72を待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転させる。これにより、中間の印刷ユニット11では給紙ガイド路64が開通状態になり、給紙ガイド路64に送り込まれた記録紙Pを搬送ローラ対70により挟持し搬送して、上段側の印刷ユニット11の給紙ガイド路64に送り込む。
【0122】
このようにして、補給先となる印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bへ送り込まれた記録紙Pは、先端部が給紙ガイド路64Bと分岐ガイド路66Bとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー72Bにより給紙ガイド路64Bから分岐ガイド路66B内へ案内され、下段側に配置された印刷ユニット11Cの搬送ローラ対70Cからの搬送力により給紙ホッパ20B内へ搬出され、積載板22上に収納される。
【0123】
補給元となる印刷ユニット11Cの制御部32Cは、印刷ユニット11Bの制御部32Bからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ88C及び搬送ローラ対70Cを回転させて後続する記録紙Pを印字ガイド路68Cから給紙ガイド路64Cへ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0124】
一方、補給先となる印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されると、積載板22を下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72Bを第1給紙位置から待機位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット11では、下段側の他の印刷ユニット11から補給された記録紙Pを給紙ホッパ20B内から優先的に印字部34Bへ給紙し、その記録紙Pに対する画像記録が可能になる。
【0125】
また印刷ユニット11Cは、給紙信号により要求された枚数の記録紙Pの補給を終えると、搬送ローラ対70Cを回転停止させ、給紙ホッパ20Cに収納されている記録紙Pへの画像記録を行う場合にはガイドレバー74Cを搬送位置から印字位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット11Cでは印字ガイド路68Cが開通状態になり、給紙ホッパ20Cに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また上述した例では、図9に示されように、印刷ユニット11Bへの記録紙Pの補給動作中でも、印刷ユニット11Bよりも上段側の印刷ユニット11Aでは、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能である。
【0126】
次に、上段側から下段側への給紙ホッパ20間での補給動作を説明する。図10には、印刷ユニット11Aから印刷ユニット11Bの給紙ホッパ20B内へ記録紙Pを補給する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ印刷ユニット11Aからの補給が可能と判断すると、先ず、積載板22(図3参照)をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー72Bをロータリアクチュエータにより待機位置から第2給紙位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74Bをロータリアクチュエータにより印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させ、搬送ローラ対70Bを所定の搬送方向へ回転させる。
【0127】
次いで、制御部32Bは、印刷ユニット11Aの制御部32Aに給紙信号及びガイドレバー72A,74Aを所定の位置へ回動させると共に給紙ガイド路64Aに配置された搬送ローラ対70Aを所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。なお、補給を必要とする印刷ユニット11と補給元の印刷ユニット11との間に1台又は複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11にガイドレバー72を待機位置から搬送位置へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64に配置された搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。
【0128】
給紙信号及び作動信号を受けた印刷ユニット11Aの制御部32Aは、ガイドレバー72Aを待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74Aを印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70Aを所定の搬送方向へ回転させ、分離給紙ローラ88Aを所定量回転させる。これにより、積載板22上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、印字ガイド路68A内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が印字ガイド路68Aを通って給紙ガイド路64Aとの重複部(通路中間部69B)へ送り込まれ、給紙ガイド路64Aと給紙ガイド路64Aとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74Aにより重複部から給紙ガイド路64A側へ案内され、搬送ローラ対70Aへ送り込まれる。記録紙Pが送り込まれた搬送ローラ対70Aは、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pを上段側に配置された排紙ユニット130の受入ガイド路140に送り込む。なお、補給元の印刷ユニット11と排紙ユニット130の間に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、記録紙Pは上段側に配置された他の印刷ユニット11の給紙ガイド路64に送り込まれる。
【0129】
さらに搬送ローラ対70Aが所定量回転し、記録紙Pの後端側が印字ガイド路68Aと給紙ガイド路64Aとの重複部に達すると、搬送ローラ対70Aは逆回転して記録紙Pを下方に搬送し、記録紙Pを後端側から下段側に配置された印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bに送り込む。これにより、印刷ユニット11では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが下段側に配置された他の印刷ユニット11へ給紙可能になる。
【0130】
また補給元と補給先との間に配置された中間の印刷ユニット11への作動信号の入力があると、その中間の印刷ユニット11の制御部32は、ガイドレバー72を待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転させる。これにより、中間の印刷ユニット11では給紙ガイド路64が開通状態になり、給紙ガイド路64に送り込まれた記録紙Pを搬送ローラ対70により挟持し搬送して、下段側の印刷ユニット11の給紙ガイド路64に送り込む。
【0131】
このようにして、補給先となる印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bへ送り込まれた記録紙Pは、搬送ローラ対70Bへ送り込まれる。記録紙Pが送り込まれた搬送ローラ対70Bは、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pを下方に搬送する(スイッチバック搬送)。この記録紙Pは、その後端部が給紙ガイド路64Bと分岐ガイド路66Bとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー72Bにより給紙ガイド路64Bから分岐ガイド路66B内へ案内され、搬送ローラ対70Bからの搬送力により給紙ホッパ20B内へ搬出され、積載板22上に収納される。
【0132】
補給元となる印刷ユニット11Aの制御部32Aは、印刷ユニット11Bの制御部32Bからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ88A及び搬送ローラ対70Aを回転させて後続する記録紙Pを印字ガイド路68Aから給紙ガイド路64Aへ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0133】
一方、補給先となる印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されると、積載板22を下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72Bを第2給紙位置から待機位置へ復帰させ、ガイドレバー74Bを搬送位置から印字位置へ復帰させ、搬送ローラ対70Bを回転停止させる。これにより、印刷ユニット11では、上段側の他の印刷ユニット11から補給された記録紙Pを給紙ホッパ20B内から優先的に印字部34Bへ給紙し、その記録紙Pに対する画像記録が可能になる。
【0134】
また印刷ユニット11Aは、給紙信号により要求された枚数の記録紙Pの補給を終えると、搬送ローラ対70Aを回転停止させ、給紙ホッパ20Aに収納されている記録紙Pへの画像記録を行う場合にはガイドレバー74Aを搬送位置から印字位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット11Aでは印字ガイド路68Aが開通状態になり、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また上述した例では、図10に示されように、印刷ユニット11Bへの記録紙Pの補給動作中でも、印刷ユニット11Bよりも下段側の印刷ユニット11Cでは、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録及び給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が可能である。
【0135】
また本実施形態のプリンタ装置10では、上述した記録紙Pの搬送方向を反転させるスイッチバック搬送は、上段側から下段側への給紙ホッパ20間での補給動作に限らず、下段側から上段側への給紙ホッパ20間での補給動作及び給紙ユニット110から印刷ユニット11の給紙ホッパ20への補給動作に用いることも可能である。このスイッチバック搬送では、補給元の印刷ユニット11の給紙ホッパ20又は給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116に収納された記録紙Pの裏表の向きと、補給先の印刷ユニット11の給紙ホッパ20に収納された記録紙Pの裏表の向きとが合わせられる。そのため、裏表を区別して使用する種類の記録紙Pの補給に対応することができる。
【0136】
また本実施形態のプリンタ装置10では、他のユニットに収納されている記録紙Pを特定の印刷ユニット11の印字部34へ給紙する直接給紙動作は、前述した給紙ユニット110内から特定の印刷ユニット11の印字部34へ直接給紙する以外に、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から特定の印刷ユニット11の印字部34へ直接給紙することも可能である。
【0137】
次に、プリンタ装置10の給紙動作及び印字動作と記録紙Pの補給動作との関係を図11に示されるフローチャートを用いて説明する。
【0138】
図11に示されるように、プリンタ装置10では、ステップ160で情報処理装置からの印字命令が入力すると、ステップ162で印刷ユニット11(11A,11B,11C)の制御部32(32A,32B,32C)は自己の給紙ホッパ20(20A,20B,20C)にストックされた記録紙Pで印字可能か否かを判断する。この判断条件は、記録紙Pの種類(サイズ)、必要枚数等である。ここで、全印刷ユニットが肯定判定の場合、例えば給紙ホッパ20A,20B,20CにA4サイズの記録紙Pがそれぞれ10枚以上ストックされているのに対し、印刷ユニット11A,11B,11CにA4サイズの記録紙を10枚以下の枚数でそれぞれ印字実行させる指令の場合等には、ステップ164の印字処理へ移行し印刷ユニット11A,11B,11Cは自己の給紙ホッパ20A,20B,20Cにストックされている記録紙Pを自己の印字部34A,34,34Cに給紙し、記録紙Pに対する画像記録を開始する(並列処理)。
【0139】
ステップ162で、特定の印刷ユニット11が否定判定となった場合、例えば特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にA4サイズの記録紙Pが10枚未満ストックされているのに対し、特定の印刷ユニット11にA4サイズの記録紙を10枚以上の枚数で印字実行させる指令の場合あるいはB4サイズやA3サイズ等の記録紙への印字実行を含む指令の場合等には、ステップ166へ移行し他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを、特定の印刷ユニット11に補給することにより特定の印刷ユニット11の印字処理が実行可能か否かを判断する。
【0140】
ステップ166で否定判定の場合には、ステップ168へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116にストックされている記録紙Pを、特定の印刷ユニット11に補給することにより特定の印刷ユニット11の印字処理が実行可能か否かを判断する。ステップ168で否定判定の場合、上記の例であればメイン給紙ホッパ116にストックされているA4サイズの記録紙Pを特定の印刷ユニット11に補給しても要求された印字枚数に満たない場合あるいは要求されたB4サイズやA3サイズ等の記録紙Pがメイン給紙ホッパ116にストックされていない場合等には、ステップ170へ移行し記録紙Pをプリンタ装置10に補給する必要があることをユーザーに報知する。
【0141】
この報知動作では、プリンタ装置10は、例えば、A4サイズの記録紙Pが不足している場合には特定の印刷ユニット11及び給紙ユニット110の少なくとも何れかにA4サイズの記録紙Pの補給を促すメッセージを、又、要求されたサイズ(B4サイズやA3サイズ等)の記録紙Pがストックされていない場合には特定の印刷ユニット11及び給紙ユニット110の少なくとも何れかにその要求されたサイズの記録紙Pの補給を促すメッセージ等を表示部(図示省略)に表示し、この表示に伴いスピーカ(図示省略)からアラーム音を発生する。
【0142】
報知後には、ステップ172へ移行し必要とされる記録紙Pが補給されたか否かを判断する。ステップ172で否定判定の場合には、ステップ170へ戻り、報知動作が所定時間継続される。さらに記録紙Pが補給されずに所定時間経過すると、報知動作が停止してプリンタ装置10はスタンバイ状態になる。
【0143】
ステップ172で肯定判定の場合には、ステップ162へ戻り、特定の印刷ユニット11の制御部32は、再度、自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pで印字可能か否かを判断する。このステップ162では、例えば特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にA4サイズの記録紙Pが足りない場合、その給紙ホッパ20にユーザーがA4サイズの記録紙Pを印字要求された枚数以上補給していれば肯定判定になり(ステップ164へ移行し印字処理を実行)、補給枚数が足りないと否定判定になる(ステップ166へ移行)。
【0144】
一方、ステップ168で肯定判定となった場合には、ステップ174へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116から特定の印刷ユニット11に記録紙Pを補給するに当たり、記録紙Pを給紙ホッパ20に補給してから画像記録する場合の印字処理時間と、記録紙を印字部34に直接給紙して画像記録する場合の印字処理時間とを比較し、何れの印字処理時間が短く効率が高いかを判断する。
【0145】
判断の結果が、記録紙Pを給紙ホッパ20を経由させる方が印字処理時間を短縮できるとなった場合、例えばA4サイズの記録紙Pを多数枚補給する必要があり、その必要枚数の記録紙Pを給紙ホッパ20に連続的に補給してから印字処理を実行した方が処理時間を短縮できるような場合等には、ステップ176へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116から特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する(図7参照)。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット11の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0146】
またステップ174で、判断の結果が、記録紙Pを印字部34へ直接給紙する方が印字処理時間を短縮できるとなった場合、例えばA4サイズ又はB4サイズやA3サイズ等の記録紙Pを1枚乃至は少数枚給紙する必要があり、その1枚乃至は少数枚の記録紙Pを印字部34へ直接給紙して印字処理を実行した方が処理時間を短縮できるような場合等には、ステップ178へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116から特定の印刷ユニット11の印字部34へ記録紙Pを給紙する。給紙後はステップ164へ移行し、ここで特定の印刷ユニット11の印字部34はメイン給紙ホッパ116から直接給紙された記録紙Pに対する画像記録を開始する(図8参照)。
【0147】
他方、ステップ166で肯定判定となった場合(特定の印刷ユニット11に、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを補給する場合)には、ステップ180へ移行する。ステップ180では、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pが、裏表を区別して使用する種類であるか否かを判断する。ここで、記録紙Pが普通紙等の裏表を区別せずに使用できる種類であり、否定判定となった場合には、ステップ182へ移行する。ステップ182では、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20に補給するに当たり、上段側及び下段側に関わらずその補給時間が最も短くされる他の印刷ユニット11を選択し、その選択した印刷ユニット11から給紙ホッパ20への補給を行う(図9及び図10参照)。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット11の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0148】
ステップ180で、記録紙Pが裏表を区別して使用する種類であり、肯定判定となった場合には、ステップ184へ移行する。ステップ184では、上段側及び下段側に関わらず他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを、スイッチバック搬送により裏表の向きを合わせて特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20への補給を行う(図10参照)。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット11の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0149】
以上が、プリンタ装置10の基本的な給紙動作及び印字動作と記録紙Pの補給動作との関係である。但し、印刷ユニット11間での記録紙Pの補給動作については、上述したような特定の1台の印刷ユニット11へ他の1台の印刷ユニット11から記録紙Pを補給する以外に、特定の1台の印刷ユニット11へ他の複数台の印刷ユニット11から給紙する、又は、特定の複数台の印刷ユニット11へ他の1台の印刷ユニット11から給紙する、又は、特定の複数台の印刷ユニット11へ他の複数台の印刷ユニット11から給紙することが可能である。また上述した動作例では、特定の印刷ユニット11への記録紙Pの補給は、給紙ユニット110よりも他の印刷ユニット11を優先させているが、他の印刷ユニット11よりも給紙ユニット110から補給した方が補給時間を短縮できる場合には、他の印刷ユニット11よりも給紙ユニット110を優先させるようにしてもよい。
【0150】
次に、以上説明した本実施形態に係るプリンタ装置10の作用について説明する。
【0151】
本実施形態に係るプリンタ装置10では、複数の印刷ユニット11は、分離給紙ローラ88及び搬送ローラ対70により、給紙ホッパ20に収納された記録紙Pを隣接する他の印刷ユニット11へ搬出するための印字ガイド路68(通路上流部69A、通路中間部69B)、給紙ガイド路64、及び、隣接する他の印刷ユニット11から搬入された記録紙Pを給紙ホッパ20に搬入するための給紙ガイド路64、分岐ガイド路66を通して、給紙ホッパ20間での記録紙Pの受け渡しを行うことができる。
【0152】
これにより、何れかの印刷ユニット11の給紙ホッパ20が記録紙不足となった場合に、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から記録紙Pの自動補給が受けられる。従って、並列処理における複数の印字部34(印刷ユニット11)の稼働率低下が抑えられ、プリンタ装置10のスループットを向上できる。また紙ジャムや印字部34の故障等のトラブルが発生した場合には、トラブル発生した印刷ユニット11から印字データ及び場合によっては記録紙Pを他の印刷ユニット11へ受け渡すことにより、印字処理を継続することが可能になる。これにより、プリンタ装置10の動作保証を向上できる。
【0153】
またプリンタ装置10では、給紙ホッパ20からの記録紙Pの搬出路(第1搬出路)を構成する印字ガイド路68(通路上流部69A、通路中間部69B)及び給紙ガイド路64と、給紙ホッパ20への記録紙Pの搬入路(第1搬入路)を構成する給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66とが印刷ユニット11内で接続され一つの搬送路を構成していることにより、この記録紙Pの搬送路の構成が簡素化され印刷ユニット11を小型化できている。
【0154】
またプリンタ装置10では、記録紙Pの搬送経路を上記搬送路(給紙ガイド路64)と分岐ガイド路66との間で選択的に切り替えるガイドレバー72を有することにより、給紙ガイド路64を搬送される記録紙Pを分岐ガイド路66へ確実に案内することができる。また給紙ガイド路64を通してスイッチバック搬送される記録紙Pをガイドレバー72により分岐ガイド路66に案内して給紙ホッパ20へ搬入できるため、各印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの自動補給、又は、給紙ユニット110から印刷ユニット11の給紙ホッパ20への記録紙Pの自動補給において、スイッチバック搬送を利用して行う、裏表を区別して使用する種類の記録紙Pの補給に対応することができる。
【0155】
またプリンタ装置10では、給紙ホッパ20に収納された記録紙Pを印字部34へ供給するための印字ガイド路68を有し、この印字ガイド路68が上記搬送路(給紙ガイド路64)と一部共有されていることにより、給紙ユニット110から印字部34への直接給紙、又は、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から特定の印刷ユニット11の印字部34への直接給紙が可能になり、プリンタ装置10のスループットを更に向上できる。
【0156】
またプリンタ装置10では、記録紙Pの搬送経路を上記搬送路(給紙ガイド路64)と印字ガイド路68(通路下流部69C)との間で選択的に切り替えるガイドレバー74を有することにより、給紙ガイド路64を搬送される記録紙Pを印字ガイド路68の通路下流部69Cへ確実に案内することができる。
【0157】
またプリンタ装置10では、給紙ホッパ20から印字部34へ記録紙Pを供給する分離給紙ローラ88を、複数の印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの受け渡しを行う搬送手段としても用いていることにより、その搬送手段の構成を簡素化できる。
【0158】
また本実施形態に係る印刷ユニット11では、印字部34による画像記録開始時に、分離給紙ローラ88が給紙ホッパ20に収納された紙束Bから1枚の記録紙Pを分離して印字部34に給紙することにより、印刷ユニット11内の給紙ホッパ20に予め収納されていた記録紙Pを印字部34による画像の記録開始に同期して印字部34に供給できる。このとき、記録紙Pを印刷ユニット11の外部から印字部まで供給するプリンタ装置と比較して、記録紙Pを収納する給紙ホッパ等の記録紙の収納部から印字部までの距離(搬送距離)を短縮できるので、記録紙Pを搬送開始してから印字部34に達するまでの時間(給紙時間)を短縮し、結果として、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pにインクジェットヘッド38により画像の記録が開始されるまでの時間を短縮できる。
【0159】
また本実施形態に係る印刷ユニット11では、印字部34により画像が記録された記録紙Pが排紙バッファ26内に一時収納され、この排紙バッファ26内に一時収納された記録紙Pが所定のタイミングで分離排紙ローラ90により分離されると、この記録紙Pが搬送ローラ対104により排紙ガイド路102に沿って搬送され排紙ユニット130へ排出されて、排紙ユニット130に保持される。このように、画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内に一時収納しておけば、この記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102内へ搬出して、排紙ガイド路102に沿って排紙ユニット130に搬送開始しなくても、引き続き給紙ホッパ20から印字部34に後続する他の記録紙Pを給紙し、この記録紙Pに対してインクジェットヘッド38により画像記録を開始できるので、例えば、他の印刷ユニット11により画像が記録された記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34による記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなり、かつ排紙バッファ26に一時収納された記録紙については排紙ガイド路102が空いたタイミングで排紙ユニット130へ搬送開始すれば、印字部34による記録動作に影響を与えることなく、画像が記録された記録紙Pを排紙ユニット130に排出し、排紙ユニット130の排紙トレー部142上に積載できる。
【0160】
従って、本実施形態に係る印刷ユニット11によれば、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pに画像が記録開始されるまでの時間を短縮でき、かつ先行する記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34による記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなる。
【0161】
この結果、本実施形態に係るプリンタ装置10では、印刷ユニット11を複数台備えていることにより、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pに画像が記録開始されるまでの時間を短縮でき、かつ先行する記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34による記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなるので、記録紙Pに対する平均的な印刷速度を向上できる。
【0162】
またプリンタ装置10では、排紙ユニット130と共に積み重ねられて装置を構成する印刷ユニット11の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度(単位時間当たりに画像を記録できる記録紙の枚数)を増減できるので、ユーザの求めに応じて印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できる。このとき、各印刷ユニット11では、先行する記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34により画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内に一時収納しておくことにより、記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなるので、印刷ユニット11の台数を増加しても待ち時間の増加による印刷能力の低下が殆ど生じなくなり、印刷ユニット11の台数を増加すれば、その増加台数に応じて効果的に印刷能力を増加できる。
【0163】
またプリンタ装置10では、各印刷ユニット11にそれぞれ給紙ホッパ20が設けられているので、例えば、印刷ユニット11における給紙ホッパ20にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを収納しておき、所望の記録紙Pを給紙ホッパ20内に収納した印刷ユニット11により印刷を実行させれば、複数種類の記録紙Pから所望の記録紙Pを選択し、この記録紙Pに画像を自動的に記録できるようになる。
【0164】
またプリンタ装置10では、所定のタイミングで、給紙ユニット110により記録紙Pを給紙ガイド路64内へ送り込み、この記録紙Pを給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66を通して印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ送り込み、給紙ホッパ20内へ収納することにより、給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116内に記録紙Pを予め収納しておけば、印刷ユニット11の制御部32からの要求に応じてメイン給紙ホッパ116内から給紙ホッパ20内に記録紙を自動的に供給できるので、例えば、印刷ユニット11又はプリンタ装置10を停止させたまま、オペレータにより印刷ユニット11における給紙ホッパ20内にそれぞれ記録紙Pを手作業により補給する必要がなくなり、結果として、記録紙Pを補給するために印刷ユニット又はプリンタ装置を停止させる時間を減少できるので、記録紙Pに対する平均的な印刷能力を向上できる。
【0165】
またプリンタ装置10では、各印刷ユニット11に給紙ホッパ20が設けられているので、例えば、給紙ユニット110におけるメイン給紙ホッパ116と各印刷ユニット11における給紙ホッパ20とにそれぞれ異なる種類の記録紙Pを収納しておけば、この種類が異なる記録紙Pに画像を記録する必要がある場合には、メイン給紙ホッパ116から各給紙ホッパ20へ種類が異なる記録紙Pを供給し、この記録紙Pに印字部34により画像を記録できるようになる。また給紙ユニット110により複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pを印刷ユニット11へ供給可能とすれば、更に多種類の記録紙Pに対して印刷ユニット11における印字部34により自動的に画像を記録できるようになる。
【0166】
またプリンタ装置10では、給紙ユニット110から供給される記録紙Pを各印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ案内するための給紙経路(給紙ガイド路64、分岐ガイド路66)が排紙経路(分岐ガイド路96、排紙ガイド路102)とは完全に独立して設けられていることにより、排紙ガイド路102内が画像記録済みの記録紙Pにより塞がっている時でも、給紙ユニット110から記録紙Pに画像を記録していない任意の印刷ユニット11に記録紙Pを補給できるので、給紙ユニット110から印刷ユニット11への記録紙Pの補給完了を待つための装置の停止時間を減少できる。このことは、特に、プリンタ装置10における印刷ユニット11の台数が多い場合に顕著な効果を奏し、記録紙Pに対する平均的な印刷速度を効率的に向上できるようになる。
【0167】
なお、本実施形態に係るプリンタ装置10は、最小構成として、1台の印刷ユニット11及び1台の排紙ユニット130を備えれば、記録紙Pに対して画像を記録し、この記録紙Pを排紙ユニット130の排紙トレー部142上に積載するという機能を奏し得る。
【0168】
(第2の実施形態)
図12には本発明の第2の実施形態に係るプリンタ装置が示されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置200及び印刷ユニット202では、第1の実施形態に係るプリンタ装置10及び印刷ユニット11と共通の部分に同一符合を付して説明を省略する。
【0169】
本実施形態に係るプリンタ装置200及び印刷ユニット202が第1の実施形態に係るプリンタ装置10及び印刷ユニット11と異なる点は、図12に示されるように、給紙ガイド路64の幅方向外側に給紙ガイド路204が高さ方向へ延在するように設けられる点である。
【0170】
図12に示されるように、印刷ユニット202には、給紙ガイド路64の幅方向外側に高さ方向へ延在する給紙ガイド路204が設けられている。この給紙ガイド路204は、印刷ユニット202を給紙ユニット110に積み重ねてプリンタ装置200を構成すると、給紙ユニット110の接続ガイド路122に接続される。
【0171】
給紙ガイド路204の下部には、給紙ガイド路204から給紙ガイド路64側へ分岐する分岐ガイド路206が設けられており、分岐ガイド路206は分岐ガイド路66に幅方向に沿って直線状の1本のガイド路を形成するように接続されている。給紙ガイド路204の中間部よりも少し上部には、給紙ガイド路204から給紙ガイド路64側へ分岐する分岐ガイド路208が設けられており、分岐ガイド路208は印字ガイド路68の通路下流部69C(図3参照)に幅方向に沿って直線状の1本のガイド路を形成するように接続されている。また給紙ガイド路204の上端部には、搬送ローラ対210が設けられている。
【0172】
給紙ガイド路204と分岐ガイド路206との分岐点付近にはガイドレバー212が配設されている。このガイドレバー212はガイドレバー72と同じ構成とされており、ロータリアクチュエータ(図示省略)からの駆動力により記録紙Pを給紙ガイド路204の下流側へ案内する搬送位置と、給紙ガイド路204の上流側から搬送される記録紙Pを分岐ガイド路206へ案内する第1給紙位置と、給紙ガイド路204の下流側から搬送(スイッチバック搬送)される記録紙Pを分岐ガイド路206へ案内する第2給紙位置との何れかの位置に回動し保持される(図5(A)参照)。
【0173】
給紙ガイド路204と分岐ガイド路208との分岐点付近にはガイドレバー214が配設されている。このガイドレバー214はガイドレバー74と同じ構成とされており、ロータリアクチュエータ(図示省略)からの駆動力により記録紙Pを給紙ガイド路204の下流側へ案内する搬送位置と、記録紙Pを分岐ガイド路208へ案内し印字部34へ給紙する印字位置との何れかの位置に回動し保持される(図5(B)参照)。
【0174】
また印刷ユニット202では、ガイドレバー74の回動範囲が拡大されており、ここでのガイドレバー74は印字位置から反時計回転方向へ略水平となる位置まで回動可能とされてその略水平位置にも保持される。
【0175】
これにより、プリンタ装置200の先端部には、各印刷ユニット202の給紙ガイド路64が互いに接続され高さ方向に沿って各印刷ユニット202を貫通すると共に上端部が排紙ユニット130の受入ガイド路140に繋がった第1給紙経路と、第1給紙経路の幅方向外側に配置され、各印刷ユニット202の給紙ガイド路64が互いに接続され高さ方向に沿って各印刷ユニット202を貫通すると共に下端部が給紙ユニット110の接続ガイド路122に繋がった第2給紙経路と、の2本の給紙経路(搬送路)が形成される。
【0176】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置200による動作について説明する。
【0177】
プリンタ装置200における各印刷ユニット11による記録紙Pに対する画像の記録動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10による記録紙Pに対する画像の記録動作と共通なので説明を省略する。
【0178】
プリンタ装置200では、給紙ユニット110から各印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを補給する場合には、記録紙Pは、給紙ユニット110の接続ガイド路122から印刷ユニット202の給紙ガイド路204に搬入されると、第1給紙位置に配置されたガイドレバー212により分岐ガイド路206へ案内され、待機位置に配置されたガイドレバー72により分岐ガイド路66へ案内されて給紙ホッパ20に送り込まれる。
【0179】
給紙ユニット110から各印刷ユニット11の印字部34へ記録紙Pを直接給紙する場合には、記録紙Pは、給紙ユニット110の接続ガイド路122から印刷ユニット202の給紙ガイド路204に搬入されると、印字位置に配置されたガイドレバー214により分岐ガイド路208へ案内され、略水平位置に配置されたガイドレバー74により印字ガイド路68の通路下流部69Cへ案内されて印字部34に送り込まれる。
【0180】
またスイッチバック搬送においては、第1実施形態の搬送方法に加えて、給紙ガイド路64を上流側(下方)へ搬送される記録紙Pを、印字位置に配置したガイドレバー74により分岐ガイド路208へ案内し、印字位置に配置したガイドレバー214により分岐ガイド路208から給紙ガイド路204の上流側(下方)へ案内する、又は、第1給紙位置に配置したガイドレバー72により分岐ガイド路66へ案内し、第1給紙位置に配置したガイドレバー212により分岐ガイド路66から給紙ガイド路204の上流側(下方)へ案内すると共に、給紙ガイド路204の上流側へ搬送される記録紙Pを、第2給紙位置に配置したガイドレバー212により分岐ガイド路206へ案内し、待機位置に配置したガイドレバー72により分岐ガイド路66へ案内して給紙ホッパ20に送り込むことができる。
【0181】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置200の作用について説明する。
【0182】
本実施形態に係るプリンタ装置200では、2本の給紙経路(搬送路)を有することにより、上段側に配置された印刷ユニット11の給紙ホッパ20への給紙ユニット110からの記録紙Pの補給動作又は印字部34への記録紙Pの直接給紙動作と、下段側に配置された印刷ユニット11の記録紙Pに対する画像記録動作、給紙ホッパ20間での記録紙Pの補給動作、及び特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から他の印刷ユニット11の印字部34への記録紙Pの直接給紙動作とを並行して行うことができる。
【0183】
またプリンタ装置200では、上段側に配置された印刷ユニット11の給紙ホッパ20から下段側に配置された印刷ユニット11の給紙ホッパ20へのスイッチバック搬送による記録紙Pの補給動作と、それら上段側及び下段側の各印刷ユニット11の間に配置された印刷ユニット11の記録紙Pに対する画像記録動作、給紙ホッパ20間での記録紙Pの補給動作、及び特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から他の印刷ユニット11の印字部34への記録紙Pの直接給紙動作とを並行して行うことができる。
【0184】
このように、プリンタ装置200では、各印刷ユニット11の画像記録動作、給紙ホッパ20への給紙ユニット110から又は他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給動作、給紙ユニット110から又は他の印刷ユニット11からの印字部34への記録紙Pの直接給紙動作をより多く並行させて行うことができるため、スループットを更に向上できる。
【0185】
(第3の実施形態)
図13及び図14には本発明の第3の実施形態に係るプリンタ装置が示され、図15には本実施形態に係るプリンタ装置に適用される印刷ユニットが示されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置220及び印刷ユニット222では、第1の実施形態に係るプリンタ装置10及び印刷ユニット11と共通の部分に同一符合を付して説明を省略する。
【0186】
本実施形態に係るプリンタ装置220が第1の実施形態に係るプリンタ装置10と異なる点は、図13に示されるように、最下段の印刷ユニット222の下側に給紙ユニット240が配置されている点であり、また本実施形態に係る印刷ユニット222が第1の実施形態に係る印刷ユニット11と異なる点は、図15に示されるように、印刷ユニット222内に排紙ガイド路102と給紙ホッパ20とを繋げる分岐ガイド路224及び、排紙ガイド路102内の記録紙Pを分岐ガイド路224内へ選択的に案内するためのガイドレバー236がそれぞれ設けられている点である。
【0187】
図15(A)及び(B)に示されるように、印刷ユニット222には、給紙ホッパ20を挟んだ分岐ガイド路66の反対側に、排紙ガイド路102の下部から給紙ホッパ20側へ分岐する分岐ガイド路224が設けられている。この分岐ガイド路224の先端部は給紙ホッパ20内へ開口しており、分岐ガイド路224の先端部から排出された記録紙Pは給紙ホッパ20内へ収納される。
【0188】
図16(A)及び(B)に示されるように、給紙ホッパ20内には、底板部21上に幅方向に沿って一対の積載板226,228が互いに隣接するように配置されており、これらの積載板226,228は、それぞれ幅方向中心側の端部が底板部21に揺動可能に連結されている。これにより、給紙ホッパ20内に収納された記録紙P(紙束B)は、その先端側の部分が積載板226上に載置されると共に、後端側の部分が積載板228上に載置される。積載板226,228は、コイルスプリング等の付勢部材230,232(図16(B)参照)により揺動端側がそれぞれ上方へ付勢されている。また印刷ユニット222には、給紙ホッパ20の上方に分離給紙ローラ88及び押えローラ234がそれぞれ配置されており、分離給紙ローラ88は積載板226の先端部に正対するように支持され、また押えローラ234は積載板228の中間部に正対するように支持されている。
【0189】
給紙ホッパ20には、付勢部材230,232に抗して積載板226,228を揺動方向に沿った下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、分岐ガイド路224内から給紙ホッパ20内に記録紙Pを受け入れる際には、図16(A)に示されるように、一対の積載板226,228をそれぞれ底板部21に近接した下限位置に揺動させて拘束し、給紙ホッパ20内への記録紙Pの受入完了後には、一対の積載板226,228をそれぞれ解放する。これにより、積載板226,228は、付勢部材230,232の付勢力により上方へ揺動し、図16(B)に示されるように、記録紙Pの先端部を分離給紙ローラ88に圧接させると共に、記録紙Pの後端側を押えローラ234に圧接させる。またアクチュエータは、給紙ホッパ20を装着位置から補給位置へスライドさせる際にも、付勢部材230,232を下限位置に揺動させ拘束する。
【0190】
印刷ユニット222には、排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との分岐点付近にガイドレバー236が設けられている。このガイドレバー236には、図15(B)に示されるように、一端部に揺動中心となる支軸部238が設けられており、この支軸部238は排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との分岐点に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー236は、実線で示される給紙位置(236A)と2点鎖線で示される排紙位置(236B)との範囲で回動可能とされている。またガイドレバー236はロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより給紙位置及び排紙位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0191】
これにより、給紙口17を通して排紙ガイド路102に搬入された記録紙Pは、ガイドレバー236が給紙位置(236A)に配置されると排紙ガイド路102の上部が塞がれるため分岐ガイド路224側へ案内され、ガイドレバー236が排紙位置(236B)に配置されると分岐ガイド路224が塞がれるため排紙口19側へ案内される。このように、ガイドレバー236は、記録紙Pの搬送経路を排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との間で選択的に切り替えるよう構成されている。
【0192】
プリンタ装置220は、前述したように、最下段に給紙ユニット240を備えており、この給紙ユニット240上に印刷ユニット222及び排紙ユニット130が積み重ねられて構成されている。ここで、給紙ユニット240は、記録紙Pを収納し、この記録紙Pを各印刷ユニット222における給紙ホッパ20内へ自動補給するためのものである。
【0193】
図13に示されるように、給紙ユニット240は外殻部としてケーシング242を備えており、このケーシング242の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット222のケーシング12と略一致している。ケーシング242には、その上面部における後端側及び先端側にそれぞれスリット状の第1排紙口244及び第2排紙口246(図14参照)が開口しており、これらの排紙口244,246は、給紙ユニット240の上段側に隣接する印刷ユニット222における給紙口16,17にそれぞれ接続される。
【0194】
ケーシング242内には、複数枚の記録紙Pが積載された紙束Bが収納可能とされた第1メイン給紙ホッパ248が配置されると共に、この第1メイン給紙ホッパ248の下方に第2メイン給紙ホッパ250が配置されている。これらのメイン給紙ホッパ248,250は、それぞれケーシング242により奥行方向に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、メイン給紙ホッパ248,250は、ケーシング242内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙P(紙束B)を補給し、又は取り出すことが可能になる。
【0195】
メイン給紙ホッパ248,250内には、それぞれ収納した紙束Bが積載される第1及び第2積載トレー252,254、及び、第1及び第2積載トレー252,254を高さ方向に沿って昇降可能に支持した昇降機構(図示省略)が配置されている。またケーシング242内には、メイン給紙ホッパ248,250の上方にそれぞれ第1及び第2分離給紙ローラ256,258が配置されており、第1分離給紙ローラ256は、そのローラ面が第1積載トレー252上に積載された紙束B上面の後端部に対向するように支持され、また第2分離給紙ローラ258は、そのローラ面が第2積載トレー254上に積載された紙束B上面の先端部に対向するように支持されている。
【0196】
昇降機構は、メイン給紙ホッパ248,250の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載トレー252,254をメイン給紙ホッパ248,250の底板部に近接した下限位置に移動させ、またメイン給紙ホッパ248,250の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載トレー252,254を上昇させ、積載トレー252,254上の紙束Bを所定の圧接力で分離給紙ローラ256,258に圧接させる。
【0197】
図13に示されるように、ケーシング242内には、第1排紙口244から第1分離給紙ローラ256側へ延出する第1接続ガイド路260が設けられており、この第1接続ガイド路260の先端部は、第1分離給紙ローラ256の紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、第1分離給紙ローラ256が所定量だけ回転すると、第1分離給紙ローラ256により第1積載トレー252上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が第1接続ガイド路260内へ送り込まれる。
【0198】
またケーシング242内には、第2排紙口246から第2分離給紙ローラ258側へ延出する第2接続ガイド路262が設けられており、この第2接続ガイド路262の先端部は、第2分離給紙ローラ258の紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、第2分離給紙ローラ258が所定量だけ回転すると、第2分離給紙ローラ258により第2積載トレー254上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が第2接続ガイド路262内へ送り込まれる。
【0199】
なお、メイン給紙ホッパ248,250内にそれぞれ配置される積載トレー252,254は1個に限定されず、複数個の積載トレー252,254をメイン給紙ホッパ248,250内にそれぞれ配置し、各積載トレー252,254にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを積載するようにしても良い。この場合には、例えば、昇降機構により複数の積載トレー252,254を上下方向に加えて、前後方向(幅方向)に移動させ、複数の積載トレー252,254の何れかに積載された紙束Bを選択的に分離給紙ローラ256,258に圧接させることで、複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pをそれぞれ接続ガイド路260,262内へ送り込むことが可能になる。
【0200】
また給紙ユニット240のケーシング242には、その頂板部に上方へ突出する複数のガイド突起(図示省略)が設けられている。これらのガイド突起は、印刷ユニット222における複数のガイド受部(図示省略)にそれぞれ対応して配置されており、給紙ユニット240上に印刷ユニット222及び排紙ユニット130が積み重ねられてプリンタ装置220を構成している状態では、給紙ユニット240のガイド突起は、上段側の印刷ユニット222のガイド受部に嵌挿する。これにより、給紙ユニット240、印刷ユニット222及び排紙ユニット130は、幅方向及び奥行方向に沿って互いに一致するように位置決めされると共に、ユニット130,222,240間での移動が拘束されて一体化される。なお、給紙ユニット240も、各印刷ユニット222と同様に制御部266を備えており、この制御部266は、各印刷ユニット222の制御部32に電気的に接続される。給紙ユニット240の制御部266を印刷ユニット222の制御部32に電気的に接続するための構成としては、印刷ユニット222の制御部32間を接続する場合と同様に、ケーブル及びソケットによる接続や、ガイド突起及びガイド受部をそれぞれコネクタ及びソケットとして接続することが可能である。
【0201】
また本実施形態に係るプリンタ装置220では、各印刷ユニット222の排紙ガイド路102が互いに接続されて構成された1本の排紙経路(排出路)が、給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から記録紙Pを各印刷ユニット222に供給するための給紙経路の一部を構成している。すなわち、プリンタ装置220では、後端側に設けられた給紙経路が印刷ユニット222における排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224により構成されており、この給紙経路(第2搬入路)が排紙経路(排出路)と一部共有されている。
【0202】
本実施形態に係るプリンタ装置220も、図14に示されるように、上段側のユニット130,222を上方へ持ち上げるだけで、簡単に下段側のユニット222,220から分離できる。従って、プリンタ装置220では、印刷ユニット222を他の印刷ユニット222から分離し、又は排紙ユニット130を下段側の印刷ユニット222から分離した状態とすれば、1台乃至複数台の印刷ユニット222を他の印刷ユニット222の間又は印刷ユニット222と排紙ユニット130との間に挿入し、あるいは印刷ユニット222の間又は印刷ユニット222と排紙ユニット130との間から1台乃至複数台の印刷ユニット222を抜き取ることが可能になっている。これにより、プリンタ装置220では、装置を構成する印刷ユニット222の台数を簡単に増減でき、印刷ユニット222の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度を含む印刷能力を調整できる。
【0203】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置220による動作について説明する。
【0204】
プリンタ装置220における各印刷ユニット222による記録紙Pに対する画像の記録動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10による記録紙Pに対する画像の記録動作と共通なので説明を省略する。またプリンタ装置220における給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248からの給紙ホッパ20への記録紙Pの補給動作及び印字部34への記録紙Pの直接給紙動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10の給紙ユニット110による給紙ホッパ20への記録紙Pの補給動作及び印字部34への直接給紙動作と共通なので説明を省略する。但し、本実施形態に係るプリンタ装置220では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pを印字部34へ給紙する際には、一対の積載板226,228により付勢された記録紙P(紙束B)に分離給紙ローラ88及び押えローラ234が圧接する。給紙ホッパ20から印字部34への記録紙Pの給送時には、分離給紙ローラ88が所定量回転することにより、給紙ホッパ20内に収納された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され印字ガイド路68内へ送り込まれるが、このとき、押えローラ234は、分離給紙ローラ88により最上部の1枚の記録紙Pが紙束Bから分離される際、2枚目以下の記録紙Pの移動を阻止するレジストローラとして機能する。
【0205】
本実施形態のプリンタ装置220では、第1の実施形態に係るプリンタ装置10の給紙ユニット110に対して第2メイン給紙ホッパ250が追加されていることにより、給紙ユニット240から各印刷ユニット222の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを独立した2つの給紙経路により記録紙Pを自動補給することが可能になっている。この給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から給紙ホッパ20への記録紙Pの補給動作について説明する。
【0206】
印刷ユニット222の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット240からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ給紙ユニット240から補給が可能と判断した場合に、給紙ユニット240からの記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット240に対して記録紙Pの補給を要求する。このとき、制御部32が、給紙ユニット240からの記録紙Pの補給が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び印字命令により給紙ユニット240内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合がある。
【0207】
また制御部32は、印字部34により記録紙Pに対する画像記録が行われておらず、かつ給紙ユニット240との間の排紙ガイド路102が記録紙Pにより塞がれていない時に、給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から給紙ホッパ20へ記録紙Pの補給が可能と判断する。
【0208】
制御部32は、給紙ユニット240からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ排紙ガイド路102を通じて給紙ユニット240からの補給が可能と判断すると、先ず、積載板226,228をそれぞれアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー236をロータリアクチュエータにより排紙位置から給紙位置へ回動させる。
【0209】
次いで、制御部32は、給紙ユニット240との間の排紙ガイド路102に配置された各搬送ローラ対104をそれぞれ所定の搬送方向へ回転開始させると共に、給紙ユニット240の制御部266に給紙信号を出力する。この給紙信号を受けた給紙ユニット240の制御部266は、第2分離給紙ローラ258を所定量回転させる。これにより、第2積載トレー254上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、第2接続ガイド路262内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が第2接続ガイド路262を通って排紙ガイド路102内へ送り込まれ、搬送ローラ対104により挟持されて搬送され、排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との分岐点まで搬送されると、ガイドレバー236により排紙ガイド路102から分岐ガイド路224内へ案内される。この記録紙Pは、搬送ローラ対104からの搬送力により給紙ホッパ20内へ搬出され、積載板226,228上に収納される。
【0210】
給紙ユニット240の制御部266は、制御部32からの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20内へ収納されたタイミングに同期して、第2分離給紙ローラ258を回転させて後続する記録紙Pを第2接続ガイド路262へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0211】
一方、印刷ユニット222の制御部32は、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20内へ収納されると、積載板226,228をそれぞれ下限位置から解放すると共に、ガイドレバー236を給紙位置から排紙位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット222では、給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から補給された記録紙Pが給紙ホッパ20内から優先的に印字部34へ給紙可能になり、また印刷ユニット222から排紙ガイド路102内へ送り込まれた記録紙Pが排紙ユニット130へ搬送可能になる。
【0212】
次に、プリンタ装置220の給紙動作及び印字動作と記録紙Pの補給動作との関係を図17に示されるフローチャートを用いて説明する。
【0213】
プリンタ装置220の給紙動作、印字動作、及び記録紙Pの補給動作において、図17に示されるステップ160〜ステップ166、及び、ステップ180〜ステップ184による各動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10による各動作と共通なので説明を省略する(図11参照)。
【0214】
図17に示されるように、ステップ166で、自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pで印字不可能となった特定の印刷ユニット222に、他の印刷ユニット222の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを補給することにより特定の印刷ユニット222の印字処理が実行可能か否かを判断し、否定判定となった場合には、ステップ270へ移行する。
【0215】
ステップ270では、給紙ユニット240の第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250にストックされている記録紙Pを、特定の印刷ユニット222に補給することにより特定の印刷ユニット222の印字処理が実行可能か否かを判断し、ここで、第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250の何れか一方又は両方が記録紙Pを補給できない場合に否定判定となる。ステップ270で否定判定の場合には、ステップ274へ移行し記録紙Pをプリンタ装置10に補給する必要があることをユーザーに報知する。
【0216】
この報知動作では、プリンタ装置220は、特定の印刷ユニット222及び給紙ユニット240の第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250の少なくとも何れかに、不足している種類(A4サイズ等)の記録紙P又は要求されたサイズ(B4サイズやA3サイズ等)の記録紙Pの補給を促すメッセージ等を表示部(図示省略)に表示し、この表示に伴いスピーカ(図示省略)からアラーム音を発生する。
【0217】
報知後には、ステップ276へ移行し必要とされる記録紙Pが補給されたか否かを判断する。ステップ276で否定判定の場合には、ステップ274へ戻り、報知動作が所定時間継続される。さらに記録紙Pが補給されずに所定時間経過すると、報知動作が停止してプリンタ装置220はスタンバイ状態になる。ステップ276で肯定判定の場合には、ステップ162へ戻る。
【0218】
またステップ272で肯定判定となった場合には、ステップ278へ移行し給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から第2給紙経路(排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224)を通して特定の印刷ユニット222の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット222の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0219】
一方、ステップ270で肯定判定となった場合には、ステップ280へ移行し給紙ユニット240の第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250から特定の印刷ユニット222に記録紙Pを補給するに当たり、第1メイン給紙ホッパ248の記録紙Pを給紙ホッパ20に補給する場合の給紙時間と、第2メイン給紙ホッパ250の記録紙Pを給紙ホッパ20に補給する場合の給紙時間とを比較し、何れの給紙時間が短く効率が高いかを判断する。
【0220】
判断の結果が、第2メイン給紙ホッパ250から記録紙Pを補給する方が給紙時間を短縮できるとなった場合には、ステップ278へ移行し給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から特定の印刷ユニット222の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する。またステップ280で、判断の結果が、第1メイン給紙ホッパ248から記録紙Pを補給する方が給紙時間を短縮できるとなった場合には、ステップ280へ移行する。
【0221】
ステップ280では、給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248から特定の印刷ユニット222に記録紙Pを補給するに当たり、記録紙Pを給紙ホッパ20に補給してから画像記録する場合の印字処理時間と、記録紙を印字部34に直接給紙して画像記録する場合の印字処理時間とを比較し、何れの印字処理時間が短く効率が高いかを判断する。
【0222】
判断の結果が、記録紙Pを給紙ホッパ20を経由させる方が印字処理時間を短縮できるとなった場合には、ステップ284へ移行し給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248から特定の印刷ユニット222の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット222の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0223】
またステップ282で、判断の結果が、記録紙Pを印字部34へ直接給紙する方が印字処理時間を短縮できるとなった場合には、ステップ286へ移行し給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248から第1給紙経路(給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66)を通して特定の印刷ユニット222の印字部34へ記録紙Pを給紙する。給紙後はステップ164へ移行し、ここで特定の印刷ユニット222の印字部34は第1メイン給紙ホッパ248から直接給紙された記録紙Pに対する画像記録を開始する。
【0224】
次に、以上説明した本実施形態に係るプリンタ装置220の作用について説明する。
【0225】
本実施形態に係るプリンタ装置220では、独立した2本の給紙経路を有し、これら2本の給紙経路と対応する独立した2つのメイン給紙ホッパ248,250をプリンタ装置220が有することにより、特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20へのプリンタ装置220の第2メイン給紙ホッパ250からの記録紙Pの補給動作と、他の印刷ユニット11の記録紙Pに対する画像記録動作、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの補給動作、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20へのプリンタ装置220の第1メイン給紙ホッパ248からの記録紙Pの補給動作、他の印刷ユニット11の印字部34へのプリンタ装置220の第1メイン給紙ホッパ248からの記録紙Pの直接給紙動作、及び給紙ホッパ20から他の印刷ユニット11の印字部34への記録紙Pの直接給紙動作とを並行して行うことができる。
【0226】
このように、プリンタ装置220では、各印刷ユニット11の画像記録動作、給紙ホッパ20への給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給動作、給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット11からの印字部34への記録紙Pの直接給紙動作をより多く並行させて行うことができるため、スループットを更に向上できる。
【0227】
またプリンタ装置220では、後端側に設けられた給紙経路が印刷ユニット222における排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224により構成されており、この給紙経路(第2搬入路)が排紙経路(排出路)と一部共有されていることにより、給紙経路及び排紙経路の構成が簡素化され印刷ユニット222を小型化できている。
【0228】
またプリンタ装置220では、記録紙Pの搬送経路を記録紙搬送路(排紙ガイド路102)と分岐ガイド路224との間で選択的に切り替えるガイドレバー236を有することにより、排紙ガイド路102を搬送される記録紙Pをガイドレバー236へ確実に案内することができる。
【0229】
またプリンタ装置220では、給紙ユニット240から供給される記録紙Pを給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66と、排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224との何れを通しても各印刷ユニット222の給紙ホッパ20内へ給紙可能とされていることにより、例えば、排紙ガイド路102内が画像記録済みの記録紙Pにより塞がっている時でも、給紙ユニット240から記録紙Pに画像を記録していない任意の印刷ユニット222に記録紙Pを補給でき、給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66を通して特定の印刷ユニット222に記録紙Pが給紙されていても、排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224を通して他の印刷ユニット222に記録紙Pを補給できるので、第1の実施形態に係るプリンタ装置10と比較し、給紙ユニット240から印刷ユニット222への記録紙Pの補給完了を待つための装置の停止時間を減少できると共に、複数台の印刷ユニット222に対する記録紙Pの補給時間を短縮できる。
【0230】
またプリンタ装置220では、各印刷ユニット222に給紙ホッパ20が設けられると共に、給紙ユニット240には2台のメイン給紙ホッパ248,250が設けられていることにより、第1及び第2の実施形態に係るプリンタ装置10,200と比較し、更に多種類の記録紙Pから必要な記録紙Pを選択し、この記録紙Pに対して印刷ユニット222における印字部34により自動的に画像を記録できるようになる。
【0231】
(第4の実施形態)
図18には本発明の第4の実施形態に係るプリンタ装置が示されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置290及び印刷ユニット292では、第1〜第3の実施形態に係るプリンタ装置10,200,220及び印刷ユニット11,202,222と共通の部分に同一符合を付して説明を省略する。
【0232】
図18に示されるように、本実施形態に係るプリンタ装置290は、第2実施形態のプリンタ装置200と第3実施形態のプリンタ装置220とを組み合わせた構成とされている。すなわち、プリンタ装置290では、先端側に2本の給紙経路(搬送路)が設けられ、後端側に上記2本の給紙経路とは独立した1本の給紙経路が設けられており、これら計3本の給紙経路により、最下段に配設された給紙ユニット240から各印刷ユニット292へ記録紙Pを補給できるよう構成されている。
【0233】
これにより、プリンタ装置290では、各印刷ユニット292の画像記録動作、給紙ホッパ20への給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット292からの記録紙Pの補給動作、給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット292からの印字部34への記録紙Pの直接給紙動作を、第1〜第3実施形態のプリンタ装置10,200,220と比較してより多く並行させて行うことができるため、スループットを更に向上できる。
【0234】
なお、本発明の実施形態に係る印刷ユニット11,202,222,272の印字部34では、インクジェットヘッド38を画像記録時に主走査方向へ駆動しつつ、インクジェットヘッド38のノズルからインクを噴射して記録紙Pに画像を形成していたが、印字部34については、駆動式のインクジェットヘッド38以外にも、記録紙Pよりも主走査方向へ広い幅を有するフルサイズの固定式インクジェットヘッドにより記録紙Pを記録するものでも、また電子写真感光体上にトナー像を形成し、このトナーを記録紙Pに転写する、所謂電子写真方式により記録紙Pに画像を形成するものでも良く、無論、これ以外の方法で記録紙Pに画像を形成するものであっても良い。
【0235】
また本発明は、分離可能とされた複数の印刷ユニットにより複数の記録紙に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置に限らず、一つの筐体内に設けられた複数の印字手段により複数の記録紙に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置にも適用できる。
【0236】
【発明の効果】
本発明のプリンタ装置は上記構成としたので、複数の記録媒体に対して並列的に画像を記録する並列処理における複数の印字手段の稼働率低下を抑え、スループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示されるプリンタ装置をユニット単位で分解した状態を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るプリンタ装置における印刷ユニットの構成を示す側面断面図である。
【図4】図3に示される印刷ユニットの構成を示す平面図である。
【図5】(A)、(B)は図3に示される印刷ユニットにおけるガイドレバーの動作を示す側面図である。
【図6】図3に示される印刷ユニットにおける給紙ホッパの構成を示す側面図であり、(A)は積載板が下限位置に拘束されている状態を示し、(B)は積載板が下限位置から解放されている状態を示している。
【図7】図1に示されるプリンタ装置における給紙ユニットから印刷ユニットの給紙ホッパへの記録紙の補給動作を示す側面図である。
【図8】図1に示されるプリンタ装置における給紙ユニットから印刷ユニットの印字部への記録紙の直接給紙動作を示す側面図である。
【図9】図1に示されるプリンタ装置における下段側の印刷ユニットの給紙ホッパから上段側の印刷ユニットの給紙ホッパへの記録紙の補給動作を示す側面図である。
【図10】図1に示されるプリンタ装置における上段側の印刷ユニットの給紙ホッパから下段側の印刷ユニットの給紙ホッパへの記録紙の補給動作を示す側面図である。
【図11】図1に示されるプリンタ装置における給紙動作及び印字動作と記録紙の補給動作との関係を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図14】図13に示されるプリンタ装置をユニット単位で分解した状態を示す側面図である。
【図15】(A)は本発明の第2の実施形態に係るプリンタ装置における印刷ユニットの構成を示す側面断面図、(B)は印刷ユニットにおけるガイドレバーの動作を示す側面図である。
【図16】図15(A)に示される印刷ユニットにおける給紙ホッパの構成を示す側面図であり、(A)は積載板が下限位置に拘束されている状態を示し、(B)は積載板が下限位置から解放されている状態を示している。
【図17】図13に示されるプリンタ装置における給紙動作及び印字動作と記録紙の補給動作との関係を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
10 プリンタ装置
11 印刷ユニット
20 給紙ホッパ(第1収納部)
26 排紙バッファ(バッファ収納部)
34 印字部(印字手段)
38 インクジェットヘッド(印字手段)
64 給紙ガイド路(搬送路/第1搬出路/第1搬入路/供給路)
66 分岐ガイド路(搬送路/第1搬入路)
68 印字ガイド路(搬送路/第1搬出路/供給路)
69A 通路上流部(搬送路/第1搬出路/供給路)
69B 通路中間部(搬送路/第1搬出路/第1搬入路/供給路)
69C 通路下流部(搬送路/供給路)
70 搬送ローラ対(搬送手段)
72 ガイドレバー(第1搬送経路切替手段)
74 ガイドレバー(第2搬送経路切替手段)
88 分離給紙ローラ(搬送手段/供給手段)
90 分離排紙ローラ(排出手段)
102 排紙ガイド路(搬出路)
130 排紙ユニット(排出ユニット)
200 プリンタ装置
202 印刷ユニット
204 給紙ガイド路(搬送路/第1搬出路/第1搬入路)
206 分岐ガイド路(搬送路/第1搬入路)
208 分岐ガイド路(搬送路)
210 搬送ローラ対(搬送手段)
212 ガイドレバー(第1搬送経路切替手段)
214 ガイドレバー(第2搬送経路切替手段)
220 プリンタ装置
222 印刷ユニット
224 分岐ガイド路(第2搬入路)
236 ガイドレバー(第3搬送経路切替手段)
240 給紙ユニット
250 メイン給紙ホッパ(第2収納部)
258 分離給紙ローラ(搬出手段)
262 接続ガイド路(第2搬出路)
P 記録紙(記録媒体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の収納部に収納された記録媒体を複数の印字手段に供給し、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大量の印刷物を作成する場合などにおいて、複数台の印刷ユニットを並列的に配置し、これらの印刷ユニットに印刷ジョブを振り分け、これらの印刷ユニットを並列に動作させることにより、高速印刷を実現する並列処理型のプリンタ装置が、例えば、特許文献1に示されている。
【0003】
特許文献1に示されたプリンタ装置は、印刷ユニットと、この印刷ユニットから搬出される印刷済みの記録紙を排紙する排紙部、印刷ユニットに記録紙を収納し、この記録紙を印刷ユニットへ供給する給紙部、及び制御部により構成されるベースユニットとを有しており、このベースユニット上に印刷ユニットが少なくとも1台以上積み重ねられて構成されている。
【0004】
ここで、特許文献1の各印刷ユニットは、記録紙へ印刷を行うインクジェットヘッド等からなる印刷部(印字手段)と、印刷部への搬入口から搬入される記録紙を印刷部へ供給する第1給紙部(第1給紙路)と、搬入口から搬入される記録紙を他段の印刷ユニットへ供給する第2給紙部(第2給紙路)と、印刷部にて印刷された記録紙を搬出口へ排紙する第1排紙部(第1排紙路)と、他段の印刷ユニットで印刷された記録紙を搬出口へ排出する第2排紙部(第2排紙路)とを有している。
【0005】
特許文献1のプリンタ装置では、最下段の印刷ユニットの搬出口はベースユニットの排紙部に接続する共に、搬入口はベースユニットの給紙部に接続され、また下段側の印刷ユニットの第2給紙路及び第2排紙路が、上段側の印刷ユニットの搬入口及び排出口にそれぞれ接続される。これにより、各印刷ユニットが搬送可能な第2給紙路及び第2排紙路により接続される共に、第2給紙路を通して任意の印刷ユニットに給紙された記録紙が第1給紙路により印字部へ給紙可能になり、また印字部により印刷された記録紙が第1排紙路及び第2排紙路を通してベースユニットの排紙部へ搬出できる。
【0006】
また、特許文献1には、ベースユニット上に積み重ねる印刷ユニットの段数(台数)を増減することにより、ユーザの求めに応じてプリンタ装置による印刷速度等の印刷能力が広い範囲で調整可能になると記載されている。
【0007】
一方、特許文献2に示されたプリンタ装置(印刷装置)は、記録紙を積載可能な複数の給紙トレイと、各給紙トレイから1枚づつ記録紙を給紙する複数の給紙部と、各給紙部から給紙された記録紙に、外部より供給される画像情報を基に画像を形成する複数のインクジェットヘッド等からなる印字部(印字手段)と、各印字部により画像が形成された印刷済み記録紙を所定の時間保管し、所定の時間経過後に印刷済み記録紙を排出する複数の排紙スタック部と、各排紙スタック部から排出された印刷済み記録紙を所定の順番で1ヶ所に集めるべく搬送する排紙搬送部と、排紙搬送部により搬送された印刷済み記録紙を積載可能な排紙トレイと、を有しており、またこの構成に加えて、記録紙を1ヶ所に集中して積載可能な第2給紙部(架台給紙トレイ)と、第2給紙部に積載された記録紙を各給紙トレイに搬送分配するか又は給紙部に直接搬送分配する、記録紙をエア吸引しつつ搬送するベルト等からなる給紙搬送部とを有している。これにより、特許文献2のプリンタ装置では、第2給紙部に積載された記録紙を給紙搬送部によって各給紙トレイに搬送分配し補給できる。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−103735号公報
【特許文献2】
特開2002−104724号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のプリンタ装置では、未使用の記録紙を収納する給紙部がベースユニットにのみ配置されており、この給紙部から送り出された記録紙が1本の給紙経路を通って各印刷ユニットに供給されるため、各印刷ユニットの印刷処理時間と給紙タイミングの兼ね合いにより、印刷ユニットが印刷開始するまでの待ち時間(給紙待ち時間)が増加する可能性がある。特にこの現象は、印刷ユニットの段数を多くした構成において上段側の印刷ユニットに発生しやすくなる。従って、プリンタ装置全体の印刷処理速度は低下し、スループットが悪化する。
【0010】
一方、特許文献2のプリンタ装置では、複数の印字部に対応する複数の給紙トレイを備えていることにより、特許文献1のプリンタ装置に生じるような給紙待ちは低減される。しかし、各給紙トレイは、架台給紙トレイの記録紙がなくなると、又は架台給紙トレイを省いた構成では、記録紙の自動補給が受けられなくなる。そのため、給紙トレイの記録紙を全て使用した印字部は印刷処理が継続できなくなり、印刷の並列処理は、給紙トレイに記録紙が残されている印字部のみで行われることになる。従って、このプリンタ装置においても、架台給紙トレイに記録紙がない状態又は架台給紙トレイを省いた構成では、並列処理における複数の印字部の稼働率低下を招くため、スループットを低下させる問題がある。
【0011】
本発明は上記事実を考慮して、複数の記録媒体に対して並列的に画像を記録する並列処理における複数の印字手段の稼働率低下を抑え、スループットを向上できるプリンタ装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、記録媒体に画像を記録する印字手段を複数備え、この複数の印字手段が並列的に作動されることにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置であって、前記複数の印字手段に対応して設けられ、印字手段に供給する記録媒体を収納する複数の第1収納部と、前記複数の第1収納部の間に設けられ、記録媒体を搬送するための搬送路と、前記搬送路を通し前記複数の第1収納部の間で記録媒体の受け渡しを行う搬送手段と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明では、複数の印字手段に対応して設けられた複数の第1収納部から各印字手段へ記録媒体が供給され、各印字手段が並列的に作動されてそれぞれ記録媒体に対し画像を記録することにより、プリンタ装置は複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理する。また複数の第1収納部間では、搬送手段により、複数の第1収納部の間に設けられた搬送路を通して記録媒体の受け渡しを行うことができる。
【0014】
これにより、何れかの第1収納部が記録媒体不足となった場合に、他の第1収納部から記録媒体の自動補給が受けられるようになる。従って、並列処理における複数の印字手段の稼働率低下が抑えられ、プリンタ装置のスループットを向上できる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、記録媒体を収納する第1収納部と、少なくともこの第1収納部から供給される記録媒体に対して画像を記録する印字手段と、を有する印刷ユニットを複数備え、この複数の印刷ユニットが重ね合わせられて接続され並列的に作動されることにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置であって、前記第1収納部に収納された記録媒体を隣接する他の印刷ユニットへ搬出するための第1搬出路と、隣接する他の印刷ユニットから搬入された記録媒体を前記第1収納部に搬入するための第1搬入路と、前記第1搬出路及び前記第1搬入路を通し記録媒体の受け渡しを行う搬送手段と、を有することを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の発明では、記録媒体を収納する第1収納部と、少なくともこの第1収納部から供給される記録媒体に対して画像を記録する印字手段と、を有する印刷ユニットが複数重ね合わせられて接続されることによりプリンタ装置が構成され、このプリンタ装置は、各印刷ユニットがそれぞれ第1収納部から供給される記録媒体に対して印字手段により画像を記録することにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理する。また複数の印刷ユニットは、搬送手段により、第1収納部に収納された記録媒体を隣接する他の印刷ユニットへ搬出するための第1搬出路、及び、隣接する他の印刷ユニットから搬入された記録媒体を第1収納部に搬入するための第1搬入路を通して、第1収納部間での記録媒体の受け渡しを行うことができる。
【0017】
これにより、何れかの印刷ユニットの第1収納部が記録媒体不足となった場合に、他の印刷ユニットの第1収納部から記録媒体の自動補給が受けられるようになる。従って、並列処理における複数の印字手段(印刷ユニット)の稼働率低下が抑えられ、プリンタ装置のスループットを向上できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のプリンタ装置において、前記第1搬出路及び前記第1搬入路が前記印刷ユニット内で接続され一つの搬送路を構成していることを特徴としている。
【0019】
請求項3に記載の発明では、第1搬出路及び第1搬入路が印刷ユニット内で接続され一つの搬送路を構成していることにより、この記録媒体の搬送路の構成が簡素化され印刷ユニットを小型化できる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のプリンタ装置において、記録媒体の搬送経路を前記搬送路と前記第1搬入路との間で選択的に切り替える第1搬送経路切替手段を有することを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明では、第1搬送経路切替手段により、搬送路を搬送される記録媒体を第1搬入路へ確実に案内することができる。また例えば、搬送路を通してスイッチバック搬送される記録媒体を第1搬送経路切替手段により第1搬入路に案内して第1収納部へ搬入できるため、各印刷ユニットの第1収納部間での記録媒体の自動補給、又は、供給ユニット等から印刷ユニットの第1収納部への記録媒体の自動補給において、スイッチバック搬送を利用して行う、裏表を区別して使用する種類の記録媒体の補給に対応することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項3記載のプリンタ装置において、前記第1収納部に収納された記録媒体を前記印字手段へ供給するための供給路と、前記供給路を通し前記第1収納部から前記印字手段へ記録媒体を供給する供給手段と、を有し、前記供給路が前記搬送路と一部共有されていることを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明では、第1収納部に収納された記録媒体を印字手段へ供給するための供給路が搬送路と一部共有されていることにより、他の印刷ユニットの第1収納部から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給が可能になり、また例えば、供給ユニット等から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給が可能になり、プリンタ装置のスループットを更に向上できる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のプリンタ装置において、記録媒体の搬送経路を前記搬送路と前記供給路との間で選択的に切り替える第2搬送経路切替手段を有することを特徴としている。
【0025】
請求項6に記載の発明では、第2搬送経路切替手段により、搬送路を搬送される記録媒体を供給路へ確実に案内することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6記載のプリンタ装置において、前記搬送手段は前記供給手段を含むことを特徴としている。
【0027】
請求項7に記載の発明では、第1収納部から印字手段へ記録媒体を供給する供給手段を、複数の第1収納部間での記録媒体の受け渡しを行う搬送手段にも用いることにより、搬送手段の構成を簡素化できる。
【0028】
請求項8に記載の発明は、請求項1、請求項3〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記搬送路を複数有することを特徴としている。
【0029】
請求項8に記載の発明では、搬送路を複数有することにより、複数の第1収納部間で行われる記録媒体の受け渡し(自動補給)をより多く並行させて行うことができる。またこれに加え、例えば、他の印刷ユニットの第1収納部から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給、又は、供給ユニット等から特定の印刷ユニットの印字手段への記録媒体の直接的な供給をより多く並行させて行うことができる。これにより、プリンタ装置のスループットを更に向上できる。
【0030】
請求項9に記載の発明は、請求項1記載のプリンタ装置において、前記複数の第1収納部に供給する記録媒体を収納する第2収納部と、前記第1収納部を挟んだ前記搬送路の反対側に配置され、前記第2収納部から搬出された記録媒体を第1収納部に搬入するための第2搬入路と、前記第2収納部から記録媒体を搬出する搬出手段と、を有することを特徴としている。
【0031】
請求項9に記載の発明では、第2収納部に収納された記録媒体は搬出手段により搬出され、第1収納部を挟んだ搬送路の反対側に配置された第2搬入路を通して第1収納部に搬入される。
【0032】
これにより、第1収納部へ第2収納部から記録媒体が自動補給され、印字手段の稼働率低下が抑えられる。また第2収納部に、第1収納部に収納された記録媒体とは異なる種類の記録媒体を収納しておくことにより、多種類の記録媒体から必要な記録媒体を選択し、この記録媒体に対して印字手段により自動的に画像を記録できるようになる。
【0033】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載のプリンタ装置において、画像が記録された記録媒体を外部へ排出する排出路を有し、前記第2搬入路が前記排出路と一部共有されていることを特徴としている。
【0034】
請求項10に記載の発明では、第2搬入路が排出路と一部共有されていることにより、第2搬入路及び排出路を個別に設ける場合に比べて構成が簡素化される。
【0035】
請求項11に記載の発明は、請求項2〜請求項8の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットと重ね合わせられた状態でプリンタ装置を構成すると共に、前記第1収納部に供給する記録媒体を収納する第2収納部と、前記第2収納部に収納された記録媒体を印刷ユニットへ搬出するための第2搬出路と、前記第2収納部から記録媒体を搬出する搬出手段と、を有する供給ユニットを備え、前記印刷ユニットは、前記第1収納部を挟んだ前記第1搬入路の反対側に配置されると共に前記供給ユニットと重ね合わせられた状態で前記第2搬出路に接続され、供給ユニットから搬入された記録媒体を第1収納部に搬入するための第2搬入路を有することを特徴としている。
【0036】
請求項11に記載の発明では、供給ユニットの第2収納部に収納された記録媒体は搬出手段により搬出され、印刷ユニットの第1収納部を挟んだ搬送路の反対側に配置された第2搬入路に搬入され、この第2搬入路を通して第1収納部に搬入される。
【0037】
これにより、印刷ユニットの第1収納部へ供給ユニットの第2収納部から記録媒体が自動補給され、印字手段(印刷ユニット)の稼働率低下が抑えられる。また供給ユニットの第2収納部に、印刷ユニットの第1収納部に収納された記録媒体とは異なる種類の記録媒体を収納しておくことにより、多種類の記録媒体から必要な記録媒体を選択し、この記録媒体に対して印字手段(印刷ユニット)により自動的に画像を記録できるようになる。
【0038】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットは、画像が記録された記録媒体を外部へ排出する排出路を有し、前記第2搬入路が前記排出路と一部共有されていることを特徴とする。
【0039】
請求項12に記載の発明では、第2搬入路が排出路と一部共有されていることにより、第2搬入路及び排出路を個別に設ける場合に比べて構成が簡素化され印刷ユニットを小型化できる。
【0040】
請求項13に記載の発明は、請求項10又は請求項12記載のプリンタ装置において、記録媒体の搬送経路を前記第2搬入路と前記排出路との間で選択的に切り替える第3搬送経路切替手段を有することを特徴としている。
【0041】
請求項13に記載の発明では、第3搬送経路切替手段により、排出路を搬送される記録媒体を第2搬入路へ確実に案内することができる。
【0042】
請求項14に記載の発明は、請求項10又は請求項13記載のプリンタ装置において、前記複数の印字手段に対応して設けられ、印字手段により画像が記録された記録媒体を一時収納する複数のバッファ収納部と、前記複数のバッファ収納部から前記排出路へ記録媒体をそれぞれ排出する複数の排出手段と、を有することを特徴としている。
【0043】
請求項14に記載の発明では、複数の印字手段により画像が記録されたそれぞれの記録媒体は、各印字手段に対応する複数のバッファ収納部に一時収納され、各バッファ収納部から各排出手段により所定のタイミングで排出路へ排出される。このように、画像が記録された記録媒体をバッファ収納部に一時収納しておけば、この記録媒体を直ちに排出路へ排出しなくても、引き続き第1収納部から印字手段に後続する他の記録媒体を供給し、この記録媒体に対して画像記録を開始できるので、例えば、他の印字手段により画像が記録された記録媒体により排出路が塞がっていても、印字手段による記録媒体に対する画像の記録動作を中断する必要がなくなり、かつバッファ収納部に一時収納された記録媒体については排出路が空いたタイミングで排出開始すれば、印字手段による記録動作に影響を与えることなく、画像が記録された記録媒体を排出できる。
【0044】
請求項15に記載の発明は、請求項12又は請求項13記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットは、前記印字手段により画像が記録された記録媒体を一時収納するバッファ収納部と、前記バッファ収納部から前記排出路へ記録媒体を排出する排出手段と、を有することを特徴としている。
【0045】
請求項15に記載の発明では、印刷ユニットの印字手段により画像が記録された記録媒体は、バッファ収納部に一時収納され、バッファ収納部から排出手段により所定のタイミングで排出路へ排出される。このように、画像が記録された記録媒体をバッファ収納部に一時収納しておけば、この記録媒体を直ちに排出路へ排出しなくても、引き続き第1収納部から印字手段に後続する他の記録媒体を供給し、この記録媒体に対して画像記録を開始できるので、例えば、他の印刷ユニットの印字手段により画像が記録された記録媒体により排出路が塞がっていても、印字手段による記録媒体に対する画像の記録動作を中断する必要がなくなり、かつバッファ収納部に一時収納された記録媒体については排出路が空いたタイミングで排出開始すれば、印字手段による記録動作に影響を与えることなく、画像が記録された記録媒体を排出できる。
【0046】
請求項16に記載の発明は、請求項11〜請求項13、請求項15の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記印刷ユニットと重ね合わせられた状態でプリンタ装置を構成すると共に、前記排出路を通して前記印刷ユニットから排出された記録媒体を保持する排出ユニットを有することを特徴としている。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る印刷ユニット及びプリンタ装置について図面を参照して説明する。
【0048】
(第1の実施形態)
図1及び図2には本発明の第1の実施形態に係るプリンタ装置が示され、図3及び図4には本実施形態に係るプリンタ装置に適用される印刷ユニットが示されている。
【0049】
図3に示されるように、印刷ユニット11は外殻部としてケーシング12を備えており、このケーシング12は、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿って扁平な直方体状に形成されている。ケーシング12には、その底板部13における幅方向(矢印W方向)に沿った一端側(図3では右側)及び他端側(図3では左側)にスリット状の給紙口16,17が穿設される共に、頂板部14に給紙口16,17と正対するようにスリット状の排紙口18,19が穿設されている。これらの給紙口16,17及び排紙口18,19は互いに、ケーシング12の奥行方向に沿って平行とされている。なお、以下では、便宜上、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130において右側を先端側、左側を後端側と呼称する。またケーシング12内には、底板部13上に上面側が開口した筐体状のトレイである給紙ホッパ20が配置されている。給紙ホッパ20内には、1枚の記録紙P又は複数枚の記録紙Pが積層された記録紙の束が収納可能とされている。なお、以下では、特に「記録紙P」と区別する必要がある場合には「紙束B」という。
【0050】
図3に示されるように、給紙ホッパ20内には、底板部13上に平板状の積載板22が配置されており、この積載板22上には給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが載置される。積載板22は、幅方向に沿った片側(図3では右側)の端部が給紙ホッパ20の底板部21に揺動に可能に連結されると共に、コイルスプリング等の付勢部材24により揺動端側が上方へ付勢されている。これにより、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pは、その先端側が積載板22からの押圧力を受けて上方へ付勢される。
【0051】
給紙ホッパ20は、ケーシング12により奥行方向(図4に示される矢印D方向)に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、給紙ホッパ20は、ケーシング12内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙Pを補給し、又は取り出すことが可能になる。また給紙ホッパ20には、付勢部材24に抗して積載板22を拘束するための拘束機構(図示省略)が設けられており、この拘束機構は、給紙ホッパ20の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載板22を底板部21に近接した下限位置に揺動させて拘束する。また拘束機構は、給紙ホッパ20の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載板22を解放する。
【0052】
図3に示されるように、印刷ユニット11内には、給紙ホッパ20の上側に上面側が開口した筐体状の排紙バッファ26が配置されている。この排紙バッファ26内には記録紙Pが収納可能とされている。排紙バッファ26内には、給紙ホッパ20と同様に、その底板部27上に平板状の積載板28が揺動可能に配置されている。この積載板28上には排紙バッファ26内に収納された記録紙Pが載置される。また積載板28は、幅方向に沿って片側(図3では右側)の端部が底板部27に揺動に可能に連結されると共に、コイルスプリング等の付勢部材30により揺動端側が上方へ付勢されている。これにより、排紙バッファ26内に収納された記録紙Pは、その先端側が積載板28からの押圧力を受けて上方へ付勢される。なお、排紙バッファ26内では、記録紙Pの先端の向きが給紙ホッパ20内とは逆になっている。
【0053】
排紙バッファ26には、底板部27の下面側に付勢部材30に抗して積載板28を揺動方向に沿った下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、排紙バッファ26内に画像記録済みの記録紙Pを受け入れる際に、積載板28を底板部27に近接した下限位置に揺動させて拘束し、排紙バッファ26内への記録紙Pの受入完了後に積載板28を解放する。
【0054】
図3及び図4に示されるように、印刷ユニット11内には、給紙ホッパ20の上方であって、幅方向に沿って排紙バッファ26に隣接する部位に印字部34が配置されている。印字部34には、奥行方向と平行な主走査方向(図4に示される矢印S方向)に延在するガイドロッド36が設けられると共に、このガイドロッド36により主走査方向に沿って移動可能に支持されたインクジェットヘッド38が設けられている。また印字部34には、記録紙Pに対する画像記録時にインクジェットヘッド38を所定の主走査速度で往復移動させるヘッド駆動機構(図示省略)が設けられている。
【0055】
図3に示されるように、印字部34には、主走査方向に沿ってインクジェットヘッド38を挟むようにニップローラ対40,ローラ対42が配置されると共に、ニップローラ対40とローラ対42と間にインクジェットヘッド38の下面部との間にスリット状の隙間を形成するガイド板44が配置されている。これらのニップローラ対40及びローラ対42により、インクジェットヘッド38により画像が記録される記録紙Pを所定の副走査速度で副走査方向(図4に示される矢印F方向)へ搬送する。
【0056】
ここで、インクジェットヘッド38には、その下面部分に主走査方向に沿って記録すべき画像の画素密度に対応するピッチで配設された複数のノズル(図示省略)が設けられており、インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、デジタル化された画像情報に基づいて各ノズルからインクを噴射及び噴射停止することで、ニップローラ対40及びローラ対42により副走査方向へ搬送される記録紙P上に画像情報に対応する画像を形成する。
【0057】
図3に示されるように、印刷ユニット11には、給紙口16と排紙口18と間に、一定の間隔を空けて互いに対向する給紙ガイド板50,52及び給紙ガイド板50と一定の間隔を空けて対向する一対の分岐ガイド板54,56が配設されており、分離給紙ローラ88とニップローラ対40との間(分岐ガイド板56と給紙ガイド板52との間)に、一定の間隔を空けて互いに対向する印字ガイド板58及び印字ガイド板60、62が配設されている。分岐ガイド板56と給紙ガイド板52との間に配置された印字ガイド板58はU字状に湾曲しており、この印字ガイド板58の縦壁部は給紙ガイド板50とも一定の間隔を空けて対向している。なお、給紙ガイド板52と印字ガイド板62とは一体化した構成としてもよく、また分岐ガイド板56と印字ガイド板60とは一体化した構成としてもよい。
【0058】
これらの給紙ガイド板50と、分岐ガイド板54,56、印字ガイド板58の縦壁部、給紙ガイド板52との間には、給紙口16と排紙口18とを連通させると共に、1枚の記録紙Pを給紙口16側から排紙口18側へ又は排紙口18側から給紙口16側へ案内するための給紙ガイド路64が形成されている。一対の分岐ガイド板54,56はそれぞれJ字状に湾曲しており、これら一対の分岐ガイド板54,56間には、給紙ガイド路64から給紙ホッパ20側へ分岐する分岐ガイド路66が形成されている。また印字ガイド板58と、印字ガイド板60、62及び給紙ガイド板50との間には、1枚の記録紙Pを給紙ホッパ20から印字部34へ案内するための印字ガイド路68が形成されており、この印字ガイド路68は、通路中間部69Bが給紙ガイド路64に重なり合うと共に、通路上流部69A及び通路下流部69Cが給紙ガイド路64から分岐している。これにより、給紙口16から給紙ガイド路64へ搬入された1枚の記録紙Pを、給紙ガイド路64から印字ガイド路68との重複部である通路中間部69Bを経由し通路下流部69Cへ搬送して印字部34へ案内することができる給紙ガイド路が形成され、印刷ユニット11では、印字ガイド路68とこの給紙ガイド路とが一部共有された構成とされている。
【0059】
給紙ガイド路64の上端部には、搬送ローラ対70が設けられている。また給紙ガイド路64と分岐ガイド路68との分岐点付近にはガイドレバー72が配設され、給紙ガイド路64と印字ガイド路68との分岐点付近にはガイドレバー74が配設されている。
【0060】
ガイドレバー72には、図5(A)に示されるように、一端部に揺動中心となる支軸部76が設けられており、支軸部76は給紙ガイド路64と分岐ガイド路66との分岐点に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー72は、実線で示される待機位置(72A)と2点鎖線で示される搬送位置(72B)、第1給紙位置(72C)、及び第2給紙位置(72D)とに回動可能とされている。またガイドレバー72はロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより待機位置及び第1〜第3給紙位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0061】
これにより、給紙口16を通して給紙ガイド路64に搬入された記録紙Pは、ガイドレバー72が搬送位置(72B)に配置されると分岐ガイド路66が塞がれるため排紙口18側へ案内され、ガイドレバー72が第1給紙位置(72C)に配置されると給紙ガイド路64の上部が塞がれるため分岐ガイド路66側へ案内される。またガイドレバー72が第2給紙位置(72D)に配置されると給紙ガイド路64の下部が塞がれ、この場合、排紙口18を通して給紙ガイド路64に搬入された記録紙Pは分岐ガイド路66側へ案内される。このように、ガイドレバー72は、記録紙Pの搬送経路を給紙ガイド路64と分岐ガイド路66との間で選択的に切り替えるよう構成されている。
【0062】
ガイドレバー74には、図5(B)に示されるように、一端部に揺動中心となる支軸部78が設けられており、支軸部78は給紙ガイド路64と印字ガイド路68との分岐点に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー74は、実線で示される印字位置(74A)と2点鎖線で示される搬送位置(74B)との範囲で回動可能とされている。またガイドレバー74はロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより印字位置及び搬送位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0063】
これにより、給紙ホッパ20から印字ガイド路68へ搬出された記録紙P及び給紙口16を通して給紙ガイド路64に搬入された記録紙Pは、ガイドレバー74が印字位置(74A)に配置されると給紙ガイド路64の上部が塞がれるためニップローラ対40側へ案内され、ガイドレバー74が搬送位置(74B)に配置されると印字ガイド路68が塞がれるため排紙口18側へ案内される。このように、ガイドレバー74は、記録紙Pの搬送経路を給紙ガイド路64と印字ガイド路68との間で選択的に切り替えるよう構成されている。
【0064】
一方、給紙ホッパ20には、図6に示されるように、側板部の先端側の部分に分岐ガイド路66側へ延出する受入ガイド部80が一体的に形成されており、この受入ガイド部80内には、記録紙Pが通過可能なスリット状の受入ガイド路82が形成されている。この受入ガイド路82には、一端部に給紙ホッパ20内へ開口する排紙口84が設けられると共に、先端部に分岐ガイド路66の先端部と相対向する給紙口86が設けられている。これにより、分岐ガイド路66の先端部から排出された記録紙Pは、図6(A)に示されるように、給紙口86を通して受入ガイド路82へ搬送される。また受入ガイド路82へ搬送された記録紙Pは、搬送ローラ対70又は後述する分離給紙ローラ120からの搬送力を受けて受入ガイド路82から排紙口84を通して給紙ホッパ20内へ排出され、給紙ホッパ20内へ収納される。
【0065】
また印刷ユニット11には、給紙ホッパ20の上方に円筒状の分離給紙ローラ88が配置されている。この分離給紙ローラ88は、給紙ホッパ20内に収納され積載板22により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。
【0066】
印刷ユニット11では、インクジェットヘッド38に記録紙Pを供給する際には、給紙ホッパ20内の記録紙Pに圧接した分離給紙ローラ88を所定量回転させる。これにより、給紙ホッパ20内からは1枚の記録紙Pが分離され、この1枚の記録紙Pは分離給紙ローラ88からの搬送力により印字ガイド路68に沿ってニップローラ対40へ搬送される。なお、印字ガイド路68の路長が比較的長く、分離給紙ローラ88からの搬送力だけでは記録紙Pを確実にニップローラ対40まで搬送できない場合には、印字ガイド路68にはその途中に搬送ローラ対を配置し、この搬送ローラ対により印字ガイド路68の途中まで搬送されてきた記録紙Pをニップローラ対40まで搬送するようにしても良い。
【0067】
図3に示されるように、印刷ユニット11には、排紙バッファ26の上方に円筒状の分離排紙ローラ90が配置されている。この分離排紙ローラ90は、排紙バッファ26内に収納され積載板28により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。また印刷ユニット11には、分離排紙ローラ90から後端側へ延出する一対の分岐ガイド板92,94が配置されており、一対の分岐ガイド板92,94は、一定の間隔を空けて互いに対向するように支持されている。これら一対の分岐ガイド板92,94間には、1枚の記録紙Pを後述する排紙ガイド路102へ案内するための分岐ガイド路96が形成されている。
【0068】
印刷ユニット11内には、後端部に上下方向へ延在する一対の排紙ガイド板98,100が配置されており、一対の排紙ガイド板98,100は一定の間隔を空けて互いに対向するように支持されている、これらの一対の排紙ガイド板98,100間には、1枚の記録紙Pを後述する排紙ユニット130へ案内するための排紙ガイド路102が形成されている。排紙ガイド路102は、ケーシング12に形成された給紙口17と排紙口19とを繋げている。また印刷ユニット11には、排紙ガイド路102に沿って記録紙Pを排紙ユニット130側へ搬送するための搬送ローラ対104が設置されている。この搬送ローラ対104は、少なくとも排紙ガイド路102の上端部及び下端部にそれぞれ配置されており、排紙ガイド路102の路長、記録紙Pの長さ等に応じて排紙ガイド路102の上端部と下端部との間に適宜配置される。
【0069】
図1に示されるように、本実施形態に係るプリンタ装置10は、1台以上(図1では3台)の印刷ユニット11と、給紙ユニット110及び排紙ユニット130とが高さ方向に沿って積み重ねられて構成されている。ここで、給紙ユニット110は、記録紙Pを各印刷ユニット11における給紙ホッパ20内へ自動補給するためのものであり、プリンタ装置10における最下段に配置される。排紙ユニット130は、印刷ユニット11に画像が記録された記録紙Pを受け入れて一時保管するためのものであり、プリンタ装置10における最上段に配置される。
【0070】
図1に示されるように、給紙ユニット110は外殻部としてケーシング112を備えており、このケーシング112の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット11のケーシング12と略一致している。ケーシング112には、その上面部における先端側にスリット状の排紙口114(図2参照)が開口しており、この排紙口114は、給紙ユニット110の上段側に隣接する印刷ユニット11の給紙口16に接続される。
【0071】
ケーシング112内部には、複数枚の記録紙Pが積載された紙束Bが収納可能とされたメイン給紙ホッパ116が配置されている。このメイン給紙ホッパ116は、各印刷ユニット11の給紙ホッパ20と同様に、ケーシング112により奥行方向に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、メイン給紙ホッパ116は、ケーシング112内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙P(紙束B)を補給し、又は取り出すことが可能になる。
【0072】
メイン給紙ホッパ116内には、収納した紙束Bが積載される積載トレー118及び、この積載トレー118を高さ方向に沿って昇降可能に支持した昇降機構(図示省略)が配置されている。またケーシング112内には、メイン給紙ホッパ116の上方に分離給紙ローラ120が配置されており、この分離給紙ローラ120は、そのローラ面が積載トレー118上に積載された紙束B上面の先端部に対向するように支持されている。昇降機構は、メイン給紙ホッパ116の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載トレー118をメイン給紙ホッパ116の底板部に近接した下限位置に移動させ、またメイン給紙ホッパ116の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載トレー118を上昇させ、積載トレー118上の紙束Bを所定の圧接力で分離給紙ローラ120に圧接させる。
【0073】
図1及び図2に示されるように、ケーシング112内には、排紙口114から分離給紙ローラ120側へ延出する接続ガイド路122が設けられており、この接続ガイド路122の先端部は、分離給紙ローラ120の紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、分離給紙ローラ120が所定量だけ回転すると、分離給紙ローラ120により積載トレー118上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が接続ガイド路122へ送り込まれる。
【0074】
なお、メイン給紙ホッパ116内に配置される積載トレー118は1個に限定されず、複数個の積載トレー118をメイン給紙ホッパ116内に配置し、各積載トレー118にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを積載するようにしても良い。この場合には、例えば、昇降機構により複数の積載トレー118を上下方向に加えて、前後方向(幅方向)に移動させ、複数の積載トレー118の何れかに積載された紙束Bを選択的に分離給紙ローラ120に圧接させることで、複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pを接続ガイド路122へ送り込むことが可能になる。
【0075】
図1に示されるように、排紙ユニット130は外殻部としてケーシング132を備えており、このケーシング132の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット11のケーシング12と略一致している。ケーシング132には、その下面部における先端側及び後端側にスリット状の受入口134,136(図2参照)が開口しており、この受入口134,136は、排紙ユニット130の下段側に隣接するように配置された印刷ユニット11の排紙口18,19に接続される。
【0076】
ケーシング132の上面部における先端側にはスリット状の排紙口138が開口しており、ケーシング132内には、排紙口138と受入口134とを繋ぐ受入ガイド路140が設けられている。またケーシング132の上面部には、複数枚の記録紙Pが積載可能とされた排紙トレー部142が設けられている。排紙トレー部142には、受入口136側の一端部から他端側へ向って上方へ傾斜する積載面144が形成されると共に、この積載面144の一端部から略垂直に立ちあがる位置決め面146が形成されている。この位置決め面146の上端側にはスリット状の排紙口148が開口しており、ケーシング132内には、排紙口148と受入口136とを繋ぐ受入ガイド路150が設けられている。また排紙ユニット130には、受入ガイド路150の排紙口148側の端部に搬出ローラ対152が配置されている。
【0077】
図1に示されるように、給紙ユニット110の上段側に配置された印刷ユニット11は、上段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その排紙口18が上段側の印刷ユニット11の給紙口16に接続され、また上段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その排紙口18が上段側の印刷ユニット11の給紙口16に接続される。これにより、給紙ユニット110の上段側に複数の印刷ユニット11が配置されている場合には、各印刷ユニット11の給紙ガイド路64が互いに接続され、これらの給紙ガイド路64は、各印刷ユニット11を貫通するように高さ方向に延在し、上端部が排紙ユニット130の受入ガイド路140に接続される1本の給紙経路を構成する。
【0078】
また排紙ユニット130の下段側に配置された印刷ユニット11は、下段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その給紙口17が下段側の印刷ユニット11の排紙口19に接続され、また下段側に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、その給紙口17が下段側の印刷ユニット11の排紙口19に接続される。これにより、排紙ユニット130の下段側に複数の印刷ユニット11が配置されている場合には、各印刷ユニット11の排紙ガイド路102が互いに接続され、これらの排紙ガイド路102は、各印刷ユニット11貫通するように高さ方向に延在し、上端部が排紙ユニット130の受入ガイド路150に接続される1本の排紙経路を構成する。
【0079】
また、印刷ユニット11のケーシング12には、その頂板部14に上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられると共に、底板部13にガイド突起に対応する凹状のガイド受部(図示省略)が設けられている。また給紙ユニット110のケーシング112には、その頂板部にガイド受部に対応する上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられており、排紙ユニット130のケーシング132には、その下面部にガイド突起に対応する凹状のガイド受部が設けられている。これらのガイド突起及びガイド受部は1台の印刷ユニット11に少なくとも2個ずつ設けられ、給紙ユニット110には少なくとも2個のガイド突起が設けられ、排紙ユニット130には少なくとも2個のガイド受部が設けられている。ここで、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130が積み重ねられてプリンタ装置10を構成している状態では、何れかの印刷ユニット11に設けられたガイド突起は、上段側の印刷ユニット11又は排紙ユニット130のガイド受部に嵌挿し、ガイド受部内には下段側の印刷ユニット11又は給紙ユニット110のガイド突起が挿入される。これにより、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130は、幅方向及び奥行方向に沿って互いに一致するように位置決めされると共に、ユニット11,110,130間での移動が拘束されて一体化される。
【0080】
なお、プリンタ装置10を構成する複数台の印刷ユニット11は、それぞれ制御部32を備えており、給紙ユニット110も、各印刷ユニット11と同様に制御部124を備えている。各印刷ユニット11の制御部32の間は電気的に接続されており、給紙ユニット110の制御部124も、各印刷ユニット11の制御部32に電気的に接続されている。各印刷ユニット11の制御部32の間を電気的に接続するためには、例えば、各印刷ユニット11にケーブル及びソケットを設けて、ケーブル先端に配置されたコネクタを他の印刷ユニット11のソケットに差し込むことにより電気的に接続しても良く、またガイド突起及びガイド受部の少なくと1個ずつをそれぞれ互いに適合するコネクタ及びソケットとして構成し、印刷ユニット11を積み重ねると共に、コネクタとしてのガイド突起をソケットとしてのガイド受部に差し込むことにより電気的に接続しても良い。また給紙ユニット110の制御部124を印刷ユニット11の制御部32に電気的に接続するための構成も、印刷ユニット11の制御部32間を接続する場合と同様に、ケーブル及びソケットによる接続や、ガイド突起及びガイド受部をそれぞれコネクタ及びソケットとして接続することが可能である。
【0081】
プリンタ装置10は、前述したように、印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130が積み重ねられて構成されている。これにより、プリンタ装置10を構成する印刷ユニット11、給紙ユニット110及び排紙ユニット130は、図2に示されるように、上段側のユニット11,130を上方へ持ち上げるだけで、簡単に下段側のユニット11,110から分離できる。従って、プリンタ装置10では、印刷ユニット11を他の印刷ユニット11又は給紙ユニット110から分離し、又は排紙ユニット130を下段側の印刷ユニット11から分離した状態とすれば、1台乃至複数台の印刷ユニット11を他の印刷ユニット11との間又は印刷ユニット11と給紙ユニット110との間又は印刷ユニット11と排紙ユニット130との間に挿入し、あるいは印刷ユニット11の間又は印刷ユニット11と給紙ユニット110との間又は印刷ユニット11と排紙ユニット130との間から1台乃至複数台の印刷ユニット11を抜き取ることが可能になっている。これにより、プリンタ装置10では、装置を構成する印刷ユニット11の台数を簡単に増減でき、印刷ユニット11の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度を含む印刷能力を調整できる。
【0082】
次に、上記のように構成された本実施形態に係る印刷ユニット11及びプリンタ装置10による動作について説明する。
【0083】
プリンタ装置10では、印刷ユニット11の制御部32がパーソナルコンピュータ、サーバ等の外部の情報処理装置(図示省略)と接続されており、この情報処理装置からプリント命令及び画像情報が入力すると、印刷ユニット11が記録紙Pに対する画像の記録動作を開始する。
【0084】
ここで、プリンタ装置10に複数台の印刷ユニット11が配置されている場合には、各印刷ユニット11の制御部32を並列的に情報処理装置に接続しても良く、また複数台の印刷ユニット11の何れか1台をメインの印刷ユニット11として構成し、このメインの印刷ユニット11の制御部32のみを情報処理装置に接続し、このメインの印刷ユニットの制御部32を通して他の印刷ユニット11の制御部32から各種の情報を出力するようにしても良い。またメインの印刷ユニット11の制御部32については、他の印刷ユニット11とは情報の処理速度、記憶容量等の性能及び機能が異なるものであっても良い。
【0085】
また、本実施形態のプリンタ装置10では、印字命令及び画像情報が入力すると、各印刷ユニット11による記録紙Pに対する記録回数が可能なかぎり平準化するように、各印刷ユニット11を所定の順番で巡回的に作動させる。またプリンタ装置10では、複数枚数分の印字命令及び画像情報が一度に入力した場合には、可能な限り多数台の印刷ユニット11を同時に作動させ、同時に作動する複数台の印刷ユニット11によりそれぞれ記録紙Pに画像を形成させる。このとき、各印刷ユニット11が記録紙Pに記録する画像は、印刷ユニット11毎に異なったものでも、同一のものでも良い。
【0086】
先ず、各印刷ユニット11における記録紙Pに対する画像の記録動作について説明する。
【0087】
プリンタ装置10では、情報処理装置からの印字命令及び画像情報が入力すると、少なくとも1台の印刷ユニット11が作動して記録紙Pに対する画像形成を開始する。このとき、作動状態となる印刷ユニット11では、先ず、ガイドレバー74をロータリアクチュエータにより搬送位置から印字位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、分離給紙ローラ88を所定量回転させる。これにより、積載板22上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、印字ガイド路68内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が印字ガイド路68を通って給紙ガイド路64との重複部(通路中間部69B)へ送り込まれ、給紙ガイド路64と印字ガイド路68との分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74により重複部から印字ガイド路68内へ案内され、印字部34のニップローラ対40へ搬送される。これにより、印刷ユニット11では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが印字部34へ給紙可能になる。
【0088】
記録紙Pが搬入されたニップローラ対40は、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pをインクジェットヘッド38とガイド板44との間に送り込み、ガイド板44に沿って記録紙Pを搬送し、記録紙Pの先端部をローラ対42の間に挿入する。これにより、記録紙Pは、ニップローラ対40及びローラ対42により挟持されつつ、副走査方向へ副走査速度で搬送される。
【0089】
インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、主走査方向へ配列された複数のノズルから画像情報に基づいて選択的にインクを噴射又は噴射停止し、副走査方向へ移動する記録紙P上にインクにより画像を形成して行く。このインクジェットヘッド38の画像の記録動作に並行し、ローラ対42は、画像が記録された記録紙Pの先端側の部分を排紙バッファ26内へ送り込む。このとき、排紙バッファ26内の積載板28は、アクチュエータにより下限位置に拘束されている。これにより、記録紙Pは、その先端部が分離排紙ローラ90に衝突することなく、ローラ対42からの搬送力により排紙バッファ26内へ送り込まれ、その後端部がローラ対42から離脱すると共に排紙バッファ26へ収納される。
【0090】
印刷ユニット11の制御部32は、画像が記録された記録紙Pが排紙バッファ26内に収納される時点までに、この記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102へ搬出するか否かを判断する。この判断は、例えば、各印刷ユニット11の排紙ガイド路102により構成された排紙経路内を記録紙Pが搬送されているか否か、各印刷ユニット11により記録紙Pに対してそれぞれ異なる頁(画像情報)の印刷が行われており、頁数が小さい頁の画像が記録された記録紙Pを先行して他の印刷ユニット11から排紙ユニット130へ搬送するために、排紙バッファ26からの記録紙Pの搬出タイミングを調整する必要があるか否か、さらには記録密度、記録紙種類等を考慮した上でインク乾燥時間が必要か否か、等の各種の状況に基づいて判断される。
【0091】
印刷ユニット11の制御部32は、記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102へ搬出すると判断した場合には、記録紙Pが排紙バッファ26内へ収納されると同時に、アクチュエータにより積載板28を下限位置から解放する。これにより、積載板28は、付勢部材30の付勢力により上方へ揺動し記録紙Pの先端側を分離排紙ローラ90へ圧接させる。これに同期して、制御部32は、分離排紙ローラ90を回転開始させて排紙バッファ26内に収納された記録紙Pを分岐ガイド路96へ送り出す。このとき、排紙バッファ26内に複数枚の記録紙Pが収納されて紙束Bが構成されている場合には、分離排紙ローラ90は、最上部に積載された1枚の記録紙Pのみを紙束Bから分離し、この記録紙Pを分岐ガイド路96へ送り出す。分岐ガイド路96へ送り出された記録紙Pは、その先端側が分離排紙ローラ90からの搬送力により排紙ガイド路102へ送り込まれる。この記録紙Pは、排紙ガイド路102内で先端側が搬送ローラ対104により挟持され、この搬送ローラ対104により排紙ユニット130側へ搬送される。
【0092】
また印刷ユニット11の制御部32は、画像が記録された記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102へ搬出しないと判断した場合には、記録紙Pが排紙バッファ26内へ収納されても、アクチュエータにより積載板28を下限位置に拘束し続ける。これにより、引き続き、インクジェットヘッド38により画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内へ送り込み、この記録紙Pを既に排紙バッファ26内に収納された記録紙P上に積載可能になる。
【0093】
一方、プリンタ装置10では、作動状態にある印刷ユニット11で記録紙Pの先端側が分岐ガイド路96内から排紙ガイド路102内へ送り込まれ、搬送ローラ対104により排紙ユニット130側へ搬送開始されると、この印刷ユニット11に対して上段側に配置された印刷ユニット11の搬送ローラ対104及び排紙ユニット130の搬出ローラ対152をそれぞれ回転させる。これにより、作動状態にある印刷ユニット11の排紙ガイド路102内へ送り込まれた記録紙Pは、上段側の排紙ガイド路102でも搬送ローラ対104により排紙ユニット130側への搬送が継続され、最上段の印刷ユニット11における排紙ガイド路102から排紙ユニット130の受入ガイド路150へ送り込まれる。
【0094】
受入ガイド路150へ送り込まれた記録紙Pは排紙口148側へ搬送され、搬出ローラ対152により挟持される。搬出ローラ対152は、記録紙Pを挟持しつつ排紙口148を通して受入ガイド路150内から排紙トレー部142上へ搬出する。記録紙Pは、その後端部が搬出ローラ対152から離脱すると、排紙トレー部142の積載面144上に落下し載置される。このとき、積載面144には位置決め面146側へ下がるような傾斜が付けられているので、積載面144上に落下した記録紙Pは、積載面144又は積載面144上に載置された記録紙P上を滑って後端が位置決め面146に当接し、積載面144上で所定の積載位置に位置決めされる。
【0095】
以上説明した印刷ユニット11による記録紙Pに対する画像の記録動作は、同一期に1台の印刷ユニット11のみを作動させて1枚の記録紙Pのみに画像を記録しても良く、また同一時期に複数台(本実施形態では、最大3台)の印刷ユニット11をそれぞれ作動させて複数枚の記録紙Pに並列的に画像を記録するようにしても良い。
【0096】
次に、給紙ユニット110から各印刷ユニット11への記録紙Pの補給動作及び印刷ユニット11間での記録紙Pの補給動作について図7〜図10を用いて説明する。なお、図7〜図10に示されるプリンタ装置10では、積み重ねられた3台の印刷ユニット11を上から順に印刷ユニット11A,11B,11Cとして区別すると共に、各印刷ユニットに内蔵された図示の構成部品についても同様にA,B,Cの末尾によって区別している。
【0097】
本実施形態のプリンタ装置10では、給紙ユニット110を装備していることにより、給紙ユニット110から各印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを自動補給することが可能になっている。この給紙ユニット110から給紙ホッパ20への補給動作について図7を用いて説明する。
【0098】
印刷ユニット11の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ給紙ユニット110から補給が可能と判断した場合に、給紙ユニット110からの記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット110に対して記録紙Pの補給を要求する。このとき、制御部32が、給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び印字命令により給紙ユニット110内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合がある。
【0099】
また制御部32は、給紙ユニット110との間の給紙ガイド路64が記録紙Pにより塞がれていない時に、給紙ユニット110から給紙ホッパ20へ記録紙Pの補給が可能と判断する。
【0100】
図7には、給紙ユニット110から印刷ユニット11Bの給紙ホッパ20B内へ記録紙Pを補給する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ給紙ユニット110からの補給が可能と判断すると、先ず、積載板22(図3参照)をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー72Bをロータリアクチュエータにより待機位置から第1給紙位置(図5(A)参照)へ回動させる。
【0101】
次いで、制御部32Bは、給紙ユニット110の制御部124に給紙信号を出力する。さらに給紙ユニット110との間に配置されている印刷ユニット11Cの制御部32Cにガイドレバー72C,74Cを所定の位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64Cに配置された搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。なお、補給を必要とする印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11に上記の作動信号を出力する。
【0102】
給紙信号を受けた給紙ユニット110の制御部124は、分離給紙ローラ120を所定量回転させる。これにより、積載トレー118上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、接続ガイド路122内へ送り込まれる。また作動信号が入力された印刷ユニット11Cの制御部32Cは、ガイドレバー72Cを待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74Cを印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転させる。これにより、印刷ユニット11Cでは給紙ガイド路64Cが開通状態になる。
【0103】
接続ガイド路122内へ送り込まれた記録紙Pは、その先端側が接続ガイド路122を通って給紙ガイド路64C内へ送り込まれ、ここでは分岐ガイド路66Cがガイドレバー72Cにより塞がれ、印字ガイド路68Cの通路下流部69Cがガイドレバー72Cにより塞がれているためこれらの分岐点を通過し上方へ搬送され搬送ローラ対70Cまで送り込まれる。さらに記録紙Pは搬送ローラ対70Cにより挟持され上方へ搬送されて、印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64B内へ送り込まれ、給紙ガイド路64Bと分岐ガイド路66Bとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー72Bにより給紙ガイド路64Bから分岐ガイド路66B内へ案内される。この記録紙Pは、搬送ローラ対70Cからの搬送力により給紙ホッパ20B内へ搬出され、積載板22上に収納される。なお、ここでは補給を必要とする印刷ユニット11の下段側に他の印刷ユニット11が隣接しているため、記録紙Pは他の印刷ユニット11の搬送ローラ対70からの搬送力により給紙ホッパ20内へ搬出されるが、補給を必要とする印刷ユニット11が給紙ユニット110と隣接する場合には、記録紙Pは給紙ユニット110の分離給紙ローラ120からの搬送力により給紙ホッパ20内へ搬出される。これにより、印刷ユニット11では、給紙ユニット110内に収納された記録紙Pが給紙ホッパ20へ給紙可能になる。
【0104】
給紙ユニット110の制御部124は、制御部32Bからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ120を回転させて後続する記録紙Pを接続ガイド路122へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0105】
一方、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されると、積載板22を下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72Bを第1給紙位置から待機位置へ復帰させ、ガイドレバー74Bを印字位置に配置する。これにより、印刷ユニット11Bでは、給紙ユニット110から補給された記録紙Pを給紙ホッパ20B内から優先的に印字部34Bへ給紙し、その記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また印刷ユニット11Cは、ガイドレバー72Cを搬送位置から待機位置へ復帰させ、ガイドレバー74Cを搬送位置から印字位置へ復帰させると共に、搬送ローラ対70Cを回転停止させる。これにより、印刷ユニット11Cでは印字ガイド路68Cが開通状態になり、給紙ホッパ20Cに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また上述した例では、図7に示されように、印刷ユニット11Bへの記録紙Pの補給動作中でも、印刷ユニット11Bよりも上段側の印刷ユニット11Aでは、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能である。
【0106】
本実施形態の印刷ユニット11では、印字ガイド路68と給紙ガイド路64とが一部共有されていることにより、給紙ユニット110から各印刷ユニット11の印字部34へ記録紙Pを直接給紙し画像記録することが可能になっている。この給紙ユニット110から印字部34への給紙動作について図8を用いて説明する。
【0107】
印刷ユニット11の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット110からの印字部34への記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット110から印字部34への給紙が可能と判断した場合に、給紙ユニット110からの印字部34への記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット110に対して印字部34への記録紙Pの給紙を要求する。このとき、制御部32が、給紙ユニット110から印字部34への記録紙Pの給紙が必要と判断する場合としては、印字命令により給紙ユニット110内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合、及び記録紙Pを印字部34に直接給紙して画像を記録する方が印字処理時間を短縮できる場合がある。
【0108】
また制御部32は、給紙ユニット110との間の給紙ガイド路64が記録紙Pにより塞がれていない時に、給紙ユニット110から印字部34へ記録紙Pの給紙が可能と判断する。
【0109】
図8には、給紙ユニット110から印刷ユニット11Cの印字部34Cへ記録紙Pを直接給紙する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Cの制御部32Cは、給紙ユニット110からの印字部34Cへの記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット110からの印字部34Cへの給紙が可能と判断すると、先ず、ガイドレバー72Cをロータリアクチュエータにより待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させると共に、ガイドレバー74Cをロータリアクチュエータにより搬送位置から印字位置(図5(B)参照)へ回動させる。
【0110】
次いで、制御部32Cは、給紙ユニット110の制御部124に給紙信号を出力する。なお、印字部34への給紙を要求する印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に1台又は複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11にガイドレバー72を待機位置から搬送位置へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64に配置された搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。
【0111】
給紙信号を受けた給紙ユニット110の制御部124は、分離給紙ローラ120を所定量回転させる。これにより、積載トレー118上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、接続ガイド路122内へ送り込まれる。また中間の印刷ユニット11への作動信号の入力があると、その中間の印刷ユニット11の制御部32は、ガイドレバー72を待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転させる。これにより、中間の印刷ユニット11では給紙ガイド路64が開通状態になる。
【0112】
接続ガイド路122内へ送り込まれた記録紙Pは、その先端側が接続ガイド路122を通って給紙ガイド路64C内へ送り込まれ、ここでは分岐ガイド路66Cがガイドレバー72Cにより塞がれているためこの分岐点を通過し上方へ搬送される。さらに記録紙Pは分離給紙ローラ120からの搬送力により給紙ガイド路64Cと印字ガイド路68Cとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74Cにより給紙ガイド路64Cから印字ガイド路68Cの通路下流部69C内(図3参照)へ案内されニップローラ対40Cまで送り込まれる。なお、ここでは印字部34への給紙を要求する印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に他の印刷ユニット11が配置されていないため、記録紙Pは給紙ユニット110の分離給紙ローラ120からの搬送力によりニップローラ対40へ送り込まれるが、印字部34への給紙を要求する印刷ユニット11と給紙ユニット110との間に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、記録紙Pは他の印刷ユニット11の搬送ローラ対70からの搬送力によりニップローラ対40へ送り込まれる。これにより、印刷ユニット11では、給紙ユニット110内に収納された記録紙Pが印字部34へ給紙可能になり、その直接給紙された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。
【0113】
給紙ユニット110の制御部124は、制御部32Cからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが印字部34Cにより画像記録されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ120を回転させて後続する記録紙Pを接続ガイド路122へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0114】
一方、印刷ユニット11Cの制御部32Cは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pに対する画像記録を終えると、ガイドレバー72Cを搬送位置から待機位置へ復帰させ、給紙ホッパ20Cに収納されている記録紙Pへの画像記録を行わない場合にはガイドレバー74Cを印字位置から搬送位置からへ復帰させる。また上述した例では、図8に示されように、印刷ユニット11Cの印字部34Cへの記録紙Pの給紙動作中でも、印刷ユニット11Cよりも上段側の印刷ユニット11A,11Bでは、給紙ホッパ20A,20Bに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能である。
【0115】
本実施形態の印刷ユニット11では、各印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの自動補給が可能になっている。この給紙ホッパ20間での補給動作について図9を用いて説明する。
【0116】
印刷ユニット11の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ他の印刷ユニット11から補給が可能と判断した場合に、その補給元の印刷ユニット11からの記録紙Pの受入を準備すると共に、補給元の印刷ユニット11に対して記録紙Pの補給を要求する。このとき、制御部32が、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び印字命令により他の印刷ユニット11内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合がある。
【0117】
また制御部32は、他の印刷ユニット11との間の給紙ガイド路64が記録紙Pにより塞がれていない時に、他の印刷ユニット11から給紙ホッパ20へ記録紙Pの補給が可能と判断すると共に、その補給動作については、補給元となる他の印刷ユニット11と補給先となる自己の印刷ユニット11との上下配置関係に応じて制御内容を変更する。
【0118】
先に、下段側から上段側への給紙ホッパ20間での補給動作を説明する。図9には、印刷ユニット11Cから印刷ユニット11Bの給紙ホッパ20B内へ記録紙Pを補給する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ印刷ユニット11Cからの補給が可能と判断すると、先ず、積載板22(図3参照)をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー72Bをロータリアクチュエータにより待機位置から第1給紙位置(図5(A)参照)へ回動させる。
【0119】
次いで、制御部32Bは、印刷ユニット11Cの制御部32Cに給紙信号及びガイドレバー74Cを所定の位置へ回動させると共に給紙ガイド路64Cに配置された搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。なお、補給を必要とする印刷ユニット11と補給元の印刷ユニット11との間に1台又は複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11にガイドレバー72を待機位置から搬送位置へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64に配置された搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。
【0120】
給紙信号及び作動信号を受けた印刷ユニット11Cの制御部32Cは、ガイドレバー74Cを印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に搬送ローラ対70Cを所定の搬送方向へ回転させ、分離給紙ローラ88Cを所定量回転させる。これにより、積載板22上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、印字ガイド路68C内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が印字ガイド路68Cを通って給紙ガイド路64Cとの重複部(通路中間部69B)へ送り込まれ、給紙ガイド路64Cと印字ガイド路68Cとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74Cにより重複部から給紙ガイド路64C側へ案内され、搬送ローラ対70Cへ送り込まれる。記録紙Pが送り込まれた搬送ローラ対70Cは、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pを上段側に配置された印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bに送り込む。これにより、印刷ユニット11では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが上段側に配置された他の印刷ユニット11へ給紙可能になる。
【0121】
また補給元と補給先との間に配置された中間の印刷ユニット11への作動信号の入力があると、その中間の印刷ユニット11の制御部32は、ガイドレバー72を待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転させる。これにより、中間の印刷ユニット11では給紙ガイド路64が開通状態になり、給紙ガイド路64に送り込まれた記録紙Pを搬送ローラ対70により挟持し搬送して、上段側の印刷ユニット11の給紙ガイド路64に送り込む。
【0122】
このようにして、補給先となる印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bへ送り込まれた記録紙Pは、先端部が給紙ガイド路64Bと分岐ガイド路66Bとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー72Bにより給紙ガイド路64Bから分岐ガイド路66B内へ案内され、下段側に配置された印刷ユニット11Cの搬送ローラ対70Cからの搬送力により給紙ホッパ20B内へ搬出され、積載板22上に収納される。
【0123】
補給元となる印刷ユニット11Cの制御部32Cは、印刷ユニット11Bの制御部32Bからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ88C及び搬送ローラ対70Cを回転させて後続する記録紙Pを印字ガイド路68Cから給紙ガイド路64Cへ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0124】
一方、補給先となる印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されると、積載板22を下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72Bを第1給紙位置から待機位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット11では、下段側の他の印刷ユニット11から補給された記録紙Pを給紙ホッパ20B内から優先的に印字部34Bへ給紙し、その記録紙Pに対する画像記録が可能になる。
【0125】
また印刷ユニット11Cは、給紙信号により要求された枚数の記録紙Pの補給を終えると、搬送ローラ対70Cを回転停止させ、給紙ホッパ20Cに収納されている記録紙Pへの画像記録を行う場合にはガイドレバー74Cを搬送位置から印字位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット11Cでは印字ガイド路68Cが開通状態になり、給紙ホッパ20Cに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また上述した例では、図9に示されように、印刷ユニット11Bへの記録紙Pの補給動作中でも、印刷ユニット11Bよりも上段側の印刷ユニット11Aでは、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能である。
【0126】
次に、上段側から下段側への給紙ホッパ20間での補給動作を説明する。図10には、印刷ユニット11Aから印刷ユニット11Bの給紙ホッパ20B内へ記録紙Pを補給する例が示されており、この場合には、印刷ユニット11Bの制御部32Bは、他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ印刷ユニット11Aからの補給が可能と判断すると、先ず、積載板22(図3参照)をアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー72Bをロータリアクチュエータにより待機位置から第2給紙位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74Bをロータリアクチュエータにより印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させ、搬送ローラ対70Bを所定の搬送方向へ回転させる。
【0127】
次いで、制御部32Bは、印刷ユニット11Aの制御部32Aに給紙信号及びガイドレバー72A,74Aを所定の位置へ回動させると共に給紙ガイド路64Aに配置された搬送ローラ対70Aを所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。なお、補給を必要とする印刷ユニット11と補給元の印刷ユニット11との間に1台又は複数台の他の印刷ユニット11が配置されている場合には、それら中間の全ての印刷ユニット11にガイドレバー72を待機位置から搬送位置へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置へ回動させると共に、給紙ガイド路64に配置された搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転開始させる作動信号を出力する。
【0128】
給紙信号及び作動信号を受けた印刷ユニット11Aの制御部32Aは、ガイドレバー72Aを待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74Aを印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70Aを所定の搬送方向へ回転させ、分離給紙ローラ88Aを所定量回転させる。これにより、積載板22上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、印字ガイド路68A内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が印字ガイド路68Aを通って給紙ガイド路64Aとの重複部(通路中間部69B)へ送り込まれ、給紙ガイド路64Aと給紙ガイド路64Aとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー74Aにより重複部から給紙ガイド路64A側へ案内され、搬送ローラ対70Aへ送り込まれる。記録紙Pが送り込まれた搬送ローラ対70Aは、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pを上段側に配置された排紙ユニット130の受入ガイド路140に送り込む。なお、補給元の印刷ユニット11と排紙ユニット130の間に他の印刷ユニット11が配置されている場合には、記録紙Pは上段側に配置された他の印刷ユニット11の給紙ガイド路64に送り込まれる。
【0129】
さらに搬送ローラ対70Aが所定量回転し、記録紙Pの後端側が印字ガイド路68Aと給紙ガイド路64Aとの重複部に達すると、搬送ローラ対70Aは逆回転して記録紙Pを下方に搬送し、記録紙Pを後端側から下段側に配置された印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bに送り込む。これにより、印刷ユニット11では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pが下段側に配置された他の印刷ユニット11へ給紙可能になる。
【0130】
また補給元と補給先との間に配置された中間の印刷ユニット11への作動信号の入力があると、その中間の印刷ユニット11の制御部32は、ガイドレバー72を待機位置から搬送位置(図5(A)参照)へ回動させ、ガイドレバー74を印字位置から搬送位置(図5(B)参照)へ回動させると共に、搬送ローラ対70を所定の搬送方向へ回転させる。これにより、中間の印刷ユニット11では給紙ガイド路64が開通状態になり、給紙ガイド路64に送り込まれた記録紙Pを搬送ローラ対70により挟持し搬送して、下段側の印刷ユニット11の給紙ガイド路64に送り込む。
【0131】
このようにして、補給先となる印刷ユニット11Bの給紙ガイド路64Bへ送り込まれた記録紙Pは、搬送ローラ対70Bへ送り込まれる。記録紙Pが送り込まれた搬送ローラ対70Bは、記録紙Pを挟持しつつ回転して記録紙Pを下方に搬送する(スイッチバック搬送)。この記録紙Pは、その後端部が給紙ガイド路64Bと分岐ガイド路66Bとの分岐点まで搬送されると、ガイドレバー72Bにより給紙ガイド路64Bから分岐ガイド路66B内へ案内され、搬送ローラ対70Bからの搬送力により給紙ホッパ20B内へ搬出され、積載板22上に収納される。
【0132】
補給元となる印刷ユニット11Aの制御部32Aは、印刷ユニット11Bの制御部32Bからの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されたタイミングに同期して、分離給紙ローラ88A及び搬送ローラ対70Aを回転させて後続する記録紙Pを印字ガイド路68Aから給紙ガイド路64Aへ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0133】
一方、補給先となる印刷ユニット11Bの制御部32Bは、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20B内へ収納されると、積載板22を下限位置から解放すると共に、ガイドレバー72Bを第2給紙位置から待機位置へ復帰させ、ガイドレバー74Bを搬送位置から印字位置へ復帰させ、搬送ローラ対70Bを回転停止させる。これにより、印刷ユニット11では、上段側の他の印刷ユニット11から補給された記録紙Pを給紙ホッパ20B内から優先的に印字部34Bへ給紙し、その記録紙Pに対する画像記録が可能になる。
【0134】
また印刷ユニット11Aは、給紙信号により要求された枚数の記録紙Pの補給を終えると、搬送ローラ対70Aを回転停止させ、給紙ホッパ20Aに収納されている記録紙Pへの画像記録を行う場合にはガイドレバー74Aを搬送位置から印字位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット11Aでは印字ガイド路68Aが開通状態になり、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録が可能になる。また上述した例では、図10に示されように、印刷ユニット11Bへの記録紙Pの補給動作中でも、印刷ユニット11Bよりも下段側の印刷ユニット11Cでは、給紙ホッパ20Aに収納された記録紙Pに対する画像記録及び給紙ユニット110からの記録紙Pの補給が可能である。
【0135】
また本実施形態のプリンタ装置10では、上述した記録紙Pの搬送方向を反転させるスイッチバック搬送は、上段側から下段側への給紙ホッパ20間での補給動作に限らず、下段側から上段側への給紙ホッパ20間での補給動作及び給紙ユニット110から印刷ユニット11の給紙ホッパ20への補給動作に用いることも可能である。このスイッチバック搬送では、補給元の印刷ユニット11の給紙ホッパ20又は給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116に収納された記録紙Pの裏表の向きと、補給先の印刷ユニット11の給紙ホッパ20に収納された記録紙Pの裏表の向きとが合わせられる。そのため、裏表を区別して使用する種類の記録紙Pの補給に対応することができる。
【0136】
また本実施形態のプリンタ装置10では、他のユニットに収納されている記録紙Pを特定の印刷ユニット11の印字部34へ給紙する直接給紙動作は、前述した給紙ユニット110内から特定の印刷ユニット11の印字部34へ直接給紙する以外に、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から特定の印刷ユニット11の印字部34へ直接給紙することも可能である。
【0137】
次に、プリンタ装置10の給紙動作及び印字動作と記録紙Pの補給動作との関係を図11に示されるフローチャートを用いて説明する。
【0138】
図11に示されるように、プリンタ装置10では、ステップ160で情報処理装置からの印字命令が入力すると、ステップ162で印刷ユニット11(11A,11B,11C)の制御部32(32A,32B,32C)は自己の給紙ホッパ20(20A,20B,20C)にストックされた記録紙Pで印字可能か否かを判断する。この判断条件は、記録紙Pの種類(サイズ)、必要枚数等である。ここで、全印刷ユニットが肯定判定の場合、例えば給紙ホッパ20A,20B,20CにA4サイズの記録紙Pがそれぞれ10枚以上ストックされているのに対し、印刷ユニット11A,11B,11CにA4サイズの記録紙を10枚以下の枚数でそれぞれ印字実行させる指令の場合等には、ステップ164の印字処理へ移行し印刷ユニット11A,11B,11Cは自己の給紙ホッパ20A,20B,20Cにストックされている記録紙Pを自己の印字部34A,34,34Cに給紙し、記録紙Pに対する画像記録を開始する(並列処理)。
【0139】
ステップ162で、特定の印刷ユニット11が否定判定となった場合、例えば特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にA4サイズの記録紙Pが10枚未満ストックされているのに対し、特定の印刷ユニット11にA4サイズの記録紙を10枚以上の枚数で印字実行させる指令の場合あるいはB4サイズやA3サイズ等の記録紙への印字実行を含む指令の場合等には、ステップ166へ移行し他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを、特定の印刷ユニット11に補給することにより特定の印刷ユニット11の印字処理が実行可能か否かを判断する。
【0140】
ステップ166で否定判定の場合には、ステップ168へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116にストックされている記録紙Pを、特定の印刷ユニット11に補給することにより特定の印刷ユニット11の印字処理が実行可能か否かを判断する。ステップ168で否定判定の場合、上記の例であればメイン給紙ホッパ116にストックされているA4サイズの記録紙Pを特定の印刷ユニット11に補給しても要求された印字枚数に満たない場合あるいは要求されたB4サイズやA3サイズ等の記録紙Pがメイン給紙ホッパ116にストックされていない場合等には、ステップ170へ移行し記録紙Pをプリンタ装置10に補給する必要があることをユーザーに報知する。
【0141】
この報知動作では、プリンタ装置10は、例えば、A4サイズの記録紙Pが不足している場合には特定の印刷ユニット11及び給紙ユニット110の少なくとも何れかにA4サイズの記録紙Pの補給を促すメッセージを、又、要求されたサイズ(B4サイズやA3サイズ等)の記録紙Pがストックされていない場合には特定の印刷ユニット11及び給紙ユニット110の少なくとも何れかにその要求されたサイズの記録紙Pの補給を促すメッセージ等を表示部(図示省略)に表示し、この表示に伴いスピーカ(図示省略)からアラーム音を発生する。
【0142】
報知後には、ステップ172へ移行し必要とされる記録紙Pが補給されたか否かを判断する。ステップ172で否定判定の場合には、ステップ170へ戻り、報知動作が所定時間継続される。さらに記録紙Pが補給されずに所定時間経過すると、報知動作が停止してプリンタ装置10はスタンバイ状態になる。
【0143】
ステップ172で肯定判定の場合には、ステップ162へ戻り、特定の印刷ユニット11の制御部32は、再度、自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pで印字可能か否かを判断する。このステップ162では、例えば特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にA4サイズの記録紙Pが足りない場合、その給紙ホッパ20にユーザーがA4サイズの記録紙Pを印字要求された枚数以上補給していれば肯定判定になり(ステップ164へ移行し印字処理を実行)、補給枚数が足りないと否定判定になる(ステップ166へ移行)。
【0144】
一方、ステップ168で肯定判定となった場合には、ステップ174へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116から特定の印刷ユニット11に記録紙Pを補給するに当たり、記録紙Pを給紙ホッパ20に補給してから画像記録する場合の印字処理時間と、記録紙を印字部34に直接給紙して画像記録する場合の印字処理時間とを比較し、何れの印字処理時間が短く効率が高いかを判断する。
【0145】
判断の結果が、記録紙Pを給紙ホッパ20を経由させる方が印字処理時間を短縮できるとなった場合、例えばA4サイズの記録紙Pを多数枚補給する必要があり、その必要枚数の記録紙Pを給紙ホッパ20に連続的に補給してから印字処理を実行した方が処理時間を短縮できるような場合等には、ステップ176へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116から特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する(図7参照)。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット11の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0146】
またステップ174で、判断の結果が、記録紙Pを印字部34へ直接給紙する方が印字処理時間を短縮できるとなった場合、例えばA4サイズ又はB4サイズやA3サイズ等の記録紙Pを1枚乃至は少数枚給紙する必要があり、その1枚乃至は少数枚の記録紙Pを印字部34へ直接給紙して印字処理を実行した方が処理時間を短縮できるような場合等には、ステップ178へ移行し給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116から特定の印刷ユニット11の印字部34へ記録紙Pを給紙する。給紙後はステップ164へ移行し、ここで特定の印刷ユニット11の印字部34はメイン給紙ホッパ116から直接給紙された記録紙Pに対する画像記録を開始する(図8参照)。
【0147】
他方、ステップ166で肯定判定となった場合(特定の印刷ユニット11に、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを補給する場合)には、ステップ180へ移行する。ステップ180では、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pが、裏表を区別して使用する種類であるか否かを判断する。ここで、記録紙Pが普通紙等の裏表を区別せずに使用できる種類であり、否定判定となった場合には、ステップ182へ移行する。ステップ182では、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20に補給するに当たり、上段側及び下段側に関わらずその補給時間が最も短くされる他の印刷ユニット11を選択し、その選択した印刷ユニット11から給紙ホッパ20への補給を行う(図9及び図10参照)。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット11の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0148】
ステップ180で、記録紙Pが裏表を区別して使用する種類であり、肯定判定となった場合には、ステップ184へ移行する。ステップ184では、上段側及び下段側に関わらず他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを、スイッチバック搬送により裏表の向きを合わせて特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20への補給を行う(図10参照)。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット11の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0149】
以上が、プリンタ装置10の基本的な給紙動作及び印字動作と記録紙Pの補給動作との関係である。但し、印刷ユニット11間での記録紙Pの補給動作については、上述したような特定の1台の印刷ユニット11へ他の1台の印刷ユニット11から記録紙Pを補給する以外に、特定の1台の印刷ユニット11へ他の複数台の印刷ユニット11から給紙する、又は、特定の複数台の印刷ユニット11へ他の1台の印刷ユニット11から給紙する、又は、特定の複数台の印刷ユニット11へ他の複数台の印刷ユニット11から給紙することが可能である。また上述した動作例では、特定の印刷ユニット11への記録紙Pの補給は、給紙ユニット110よりも他の印刷ユニット11を優先させているが、他の印刷ユニット11よりも給紙ユニット110から補給した方が補給時間を短縮できる場合には、他の印刷ユニット11よりも給紙ユニット110を優先させるようにしてもよい。
【0150】
次に、以上説明した本実施形態に係るプリンタ装置10の作用について説明する。
【0151】
本実施形態に係るプリンタ装置10では、複数の印刷ユニット11は、分離給紙ローラ88及び搬送ローラ対70により、給紙ホッパ20に収納された記録紙Pを隣接する他の印刷ユニット11へ搬出するための印字ガイド路68(通路上流部69A、通路中間部69B)、給紙ガイド路64、及び、隣接する他の印刷ユニット11から搬入された記録紙Pを給紙ホッパ20に搬入するための給紙ガイド路64、分岐ガイド路66を通して、給紙ホッパ20間での記録紙Pの受け渡しを行うことができる。
【0152】
これにより、何れかの印刷ユニット11の給紙ホッパ20が記録紙不足となった場合に、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から記録紙Pの自動補給が受けられる。従って、並列処理における複数の印字部34(印刷ユニット11)の稼働率低下が抑えられ、プリンタ装置10のスループットを向上できる。また紙ジャムや印字部34の故障等のトラブルが発生した場合には、トラブル発生した印刷ユニット11から印字データ及び場合によっては記録紙Pを他の印刷ユニット11へ受け渡すことにより、印字処理を継続することが可能になる。これにより、プリンタ装置10の動作保証を向上できる。
【0153】
またプリンタ装置10では、給紙ホッパ20からの記録紙Pの搬出路(第1搬出路)を構成する印字ガイド路68(通路上流部69A、通路中間部69B)及び給紙ガイド路64と、給紙ホッパ20への記録紙Pの搬入路(第1搬入路)を構成する給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66とが印刷ユニット11内で接続され一つの搬送路を構成していることにより、この記録紙Pの搬送路の構成が簡素化され印刷ユニット11を小型化できている。
【0154】
またプリンタ装置10では、記録紙Pの搬送経路を上記搬送路(給紙ガイド路64)と分岐ガイド路66との間で選択的に切り替えるガイドレバー72を有することにより、給紙ガイド路64を搬送される記録紙Pを分岐ガイド路66へ確実に案内することができる。また給紙ガイド路64を通してスイッチバック搬送される記録紙Pをガイドレバー72により分岐ガイド路66に案内して給紙ホッパ20へ搬入できるため、各印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの自動補給、又は、給紙ユニット110から印刷ユニット11の給紙ホッパ20への記録紙Pの自動補給において、スイッチバック搬送を利用して行う、裏表を区別して使用する種類の記録紙Pの補給に対応することができる。
【0155】
またプリンタ装置10では、給紙ホッパ20に収納された記録紙Pを印字部34へ供給するための印字ガイド路68を有し、この印字ガイド路68が上記搬送路(給紙ガイド路64)と一部共有されていることにより、給紙ユニット110から印字部34への直接給紙、又は、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から特定の印刷ユニット11の印字部34への直接給紙が可能になり、プリンタ装置10のスループットを更に向上できる。
【0156】
またプリンタ装置10では、記録紙Pの搬送経路を上記搬送路(給紙ガイド路64)と印字ガイド路68(通路下流部69C)との間で選択的に切り替えるガイドレバー74を有することにより、給紙ガイド路64を搬送される記録紙Pを印字ガイド路68の通路下流部69Cへ確実に案内することができる。
【0157】
またプリンタ装置10では、給紙ホッパ20から印字部34へ記録紙Pを供給する分離給紙ローラ88を、複数の印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの受け渡しを行う搬送手段としても用いていることにより、その搬送手段の構成を簡素化できる。
【0158】
また本実施形態に係る印刷ユニット11では、印字部34による画像記録開始時に、分離給紙ローラ88が給紙ホッパ20に収納された紙束Bから1枚の記録紙Pを分離して印字部34に給紙することにより、印刷ユニット11内の給紙ホッパ20に予め収納されていた記録紙Pを印字部34による画像の記録開始に同期して印字部34に供給できる。このとき、記録紙Pを印刷ユニット11の外部から印字部まで供給するプリンタ装置と比較して、記録紙Pを収納する給紙ホッパ等の記録紙の収納部から印字部までの距離(搬送距離)を短縮できるので、記録紙Pを搬送開始してから印字部34に達するまでの時間(給紙時間)を短縮し、結果として、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pにインクジェットヘッド38により画像の記録が開始されるまでの時間を短縮できる。
【0159】
また本実施形態に係る印刷ユニット11では、印字部34により画像が記録された記録紙Pが排紙バッファ26内に一時収納され、この排紙バッファ26内に一時収納された記録紙Pが所定のタイミングで分離排紙ローラ90により分離されると、この記録紙Pが搬送ローラ対104により排紙ガイド路102に沿って搬送され排紙ユニット130へ排出されて、排紙ユニット130に保持される。このように、画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内に一時収納しておけば、この記録紙Pを直ちに排紙バッファ26内から排紙ガイド路102内へ搬出して、排紙ガイド路102に沿って排紙ユニット130に搬送開始しなくても、引き続き給紙ホッパ20から印字部34に後続する他の記録紙Pを給紙し、この記録紙Pに対してインクジェットヘッド38により画像記録を開始できるので、例えば、他の印刷ユニット11により画像が記録された記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34による記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなり、かつ排紙バッファ26に一時収納された記録紙については排紙ガイド路102が空いたタイミングで排紙ユニット130へ搬送開始すれば、印字部34による記録動作に影響を与えることなく、画像が記録された記録紙Pを排紙ユニット130に排出し、排紙ユニット130の排紙トレー部142上に積載できる。
【0160】
従って、本実施形態に係る印刷ユニット11によれば、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pに画像が記録開始されるまでの時間を短縮でき、かつ先行する記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34による記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなる。
【0161】
この結果、本実施形態に係るプリンタ装置10では、印刷ユニット11を複数台備えていることにより、情報処理装置からの印字命令の入力から記録紙Pに画像が記録開始されるまでの時間を短縮でき、かつ先行する記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34による記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなるので、記録紙Pに対する平均的な印刷速度を向上できる。
【0162】
またプリンタ装置10では、排紙ユニット130と共に積み重ねられて装置を構成する印刷ユニット11の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度(単位時間当たりに画像を記録できる記録紙の枚数)を増減できるので、ユーザの求めに応じて印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できる。このとき、各印刷ユニット11では、先行する記録紙Pにより排紙ガイド路102が塞がっていても、印字部34により画像が記録された記録紙Pを排紙バッファ26内に一時収納しておくことにより、記録紙Pに対する画像の記録動作を中断する必要がなくなるので、印刷ユニット11の台数を増加しても待ち時間の増加による印刷能力の低下が殆ど生じなくなり、印刷ユニット11の台数を増加すれば、その増加台数に応じて効果的に印刷能力を増加できる。
【0163】
またプリンタ装置10では、各印刷ユニット11にそれぞれ給紙ホッパ20が設けられているので、例えば、印刷ユニット11における給紙ホッパ20にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを収納しておき、所望の記録紙Pを給紙ホッパ20内に収納した印刷ユニット11により印刷を実行させれば、複数種類の記録紙Pから所望の記録紙Pを選択し、この記録紙Pに画像を自動的に記録できるようになる。
【0164】
またプリンタ装置10では、所定のタイミングで、給紙ユニット110により記録紙Pを給紙ガイド路64内へ送り込み、この記録紙Pを給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66を通して印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ送り込み、給紙ホッパ20内へ収納することにより、給紙ユニット110のメイン給紙ホッパ116内に記録紙Pを予め収納しておけば、印刷ユニット11の制御部32からの要求に応じてメイン給紙ホッパ116内から給紙ホッパ20内に記録紙を自動的に供給できるので、例えば、印刷ユニット11又はプリンタ装置10を停止させたまま、オペレータにより印刷ユニット11における給紙ホッパ20内にそれぞれ記録紙Pを手作業により補給する必要がなくなり、結果として、記録紙Pを補給するために印刷ユニット又はプリンタ装置を停止させる時間を減少できるので、記録紙Pに対する平均的な印刷能力を向上できる。
【0165】
またプリンタ装置10では、各印刷ユニット11に給紙ホッパ20が設けられているので、例えば、給紙ユニット110におけるメイン給紙ホッパ116と各印刷ユニット11における給紙ホッパ20とにそれぞれ異なる種類の記録紙Pを収納しておけば、この種類が異なる記録紙Pに画像を記録する必要がある場合には、メイン給紙ホッパ116から各給紙ホッパ20へ種類が異なる記録紙Pを供給し、この記録紙Pに印字部34により画像を記録できるようになる。また給紙ユニット110により複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pを印刷ユニット11へ供給可能とすれば、更に多種類の記録紙Pに対して印刷ユニット11における印字部34により自動的に画像を記録できるようになる。
【0166】
またプリンタ装置10では、給紙ユニット110から供給される記録紙Pを各印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ案内するための給紙経路(給紙ガイド路64、分岐ガイド路66)が排紙経路(分岐ガイド路96、排紙ガイド路102)とは完全に独立して設けられていることにより、排紙ガイド路102内が画像記録済みの記録紙Pにより塞がっている時でも、給紙ユニット110から記録紙Pに画像を記録していない任意の印刷ユニット11に記録紙Pを補給できるので、給紙ユニット110から印刷ユニット11への記録紙Pの補給完了を待つための装置の停止時間を減少できる。このことは、特に、プリンタ装置10における印刷ユニット11の台数が多い場合に顕著な効果を奏し、記録紙Pに対する平均的な印刷速度を効率的に向上できるようになる。
【0167】
なお、本実施形態に係るプリンタ装置10は、最小構成として、1台の印刷ユニット11及び1台の排紙ユニット130を備えれば、記録紙Pに対して画像を記録し、この記録紙Pを排紙ユニット130の排紙トレー部142上に積載するという機能を奏し得る。
【0168】
(第2の実施形態)
図12には本発明の第2の実施形態に係るプリンタ装置が示されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置200及び印刷ユニット202では、第1の実施形態に係るプリンタ装置10及び印刷ユニット11と共通の部分に同一符合を付して説明を省略する。
【0169】
本実施形態に係るプリンタ装置200及び印刷ユニット202が第1の実施形態に係るプリンタ装置10及び印刷ユニット11と異なる点は、図12に示されるように、給紙ガイド路64の幅方向外側に給紙ガイド路204が高さ方向へ延在するように設けられる点である。
【0170】
図12に示されるように、印刷ユニット202には、給紙ガイド路64の幅方向外側に高さ方向へ延在する給紙ガイド路204が設けられている。この給紙ガイド路204は、印刷ユニット202を給紙ユニット110に積み重ねてプリンタ装置200を構成すると、給紙ユニット110の接続ガイド路122に接続される。
【0171】
給紙ガイド路204の下部には、給紙ガイド路204から給紙ガイド路64側へ分岐する分岐ガイド路206が設けられており、分岐ガイド路206は分岐ガイド路66に幅方向に沿って直線状の1本のガイド路を形成するように接続されている。給紙ガイド路204の中間部よりも少し上部には、給紙ガイド路204から給紙ガイド路64側へ分岐する分岐ガイド路208が設けられており、分岐ガイド路208は印字ガイド路68の通路下流部69C(図3参照)に幅方向に沿って直線状の1本のガイド路を形成するように接続されている。また給紙ガイド路204の上端部には、搬送ローラ対210が設けられている。
【0172】
給紙ガイド路204と分岐ガイド路206との分岐点付近にはガイドレバー212が配設されている。このガイドレバー212はガイドレバー72と同じ構成とされており、ロータリアクチュエータ(図示省略)からの駆動力により記録紙Pを給紙ガイド路204の下流側へ案内する搬送位置と、給紙ガイド路204の上流側から搬送される記録紙Pを分岐ガイド路206へ案内する第1給紙位置と、給紙ガイド路204の下流側から搬送(スイッチバック搬送)される記録紙Pを分岐ガイド路206へ案内する第2給紙位置との何れかの位置に回動し保持される(図5(A)参照)。
【0173】
給紙ガイド路204と分岐ガイド路208との分岐点付近にはガイドレバー214が配設されている。このガイドレバー214はガイドレバー74と同じ構成とされており、ロータリアクチュエータ(図示省略)からの駆動力により記録紙Pを給紙ガイド路204の下流側へ案内する搬送位置と、記録紙Pを分岐ガイド路208へ案内し印字部34へ給紙する印字位置との何れかの位置に回動し保持される(図5(B)参照)。
【0174】
また印刷ユニット202では、ガイドレバー74の回動範囲が拡大されており、ここでのガイドレバー74は印字位置から反時計回転方向へ略水平となる位置まで回動可能とされてその略水平位置にも保持される。
【0175】
これにより、プリンタ装置200の先端部には、各印刷ユニット202の給紙ガイド路64が互いに接続され高さ方向に沿って各印刷ユニット202を貫通すると共に上端部が排紙ユニット130の受入ガイド路140に繋がった第1給紙経路と、第1給紙経路の幅方向外側に配置され、各印刷ユニット202の給紙ガイド路64が互いに接続され高さ方向に沿って各印刷ユニット202を貫通すると共に下端部が給紙ユニット110の接続ガイド路122に繋がった第2給紙経路と、の2本の給紙経路(搬送路)が形成される。
【0176】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置200による動作について説明する。
【0177】
プリンタ装置200における各印刷ユニット11による記録紙Pに対する画像の記録動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10による記録紙Pに対する画像の記録動作と共通なので説明を省略する。
【0178】
プリンタ装置200では、給紙ユニット110から各印刷ユニット11の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを補給する場合には、記録紙Pは、給紙ユニット110の接続ガイド路122から印刷ユニット202の給紙ガイド路204に搬入されると、第1給紙位置に配置されたガイドレバー212により分岐ガイド路206へ案内され、待機位置に配置されたガイドレバー72により分岐ガイド路66へ案内されて給紙ホッパ20に送り込まれる。
【0179】
給紙ユニット110から各印刷ユニット11の印字部34へ記録紙Pを直接給紙する場合には、記録紙Pは、給紙ユニット110の接続ガイド路122から印刷ユニット202の給紙ガイド路204に搬入されると、印字位置に配置されたガイドレバー214により分岐ガイド路208へ案内され、略水平位置に配置されたガイドレバー74により印字ガイド路68の通路下流部69Cへ案内されて印字部34に送り込まれる。
【0180】
またスイッチバック搬送においては、第1実施形態の搬送方法に加えて、給紙ガイド路64を上流側(下方)へ搬送される記録紙Pを、印字位置に配置したガイドレバー74により分岐ガイド路208へ案内し、印字位置に配置したガイドレバー214により分岐ガイド路208から給紙ガイド路204の上流側(下方)へ案内する、又は、第1給紙位置に配置したガイドレバー72により分岐ガイド路66へ案内し、第1給紙位置に配置したガイドレバー212により分岐ガイド路66から給紙ガイド路204の上流側(下方)へ案内すると共に、給紙ガイド路204の上流側へ搬送される記録紙Pを、第2給紙位置に配置したガイドレバー212により分岐ガイド路206へ案内し、待機位置に配置したガイドレバー72により分岐ガイド路66へ案内して給紙ホッパ20に送り込むことができる。
【0181】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置200の作用について説明する。
【0182】
本実施形態に係るプリンタ装置200では、2本の給紙経路(搬送路)を有することにより、上段側に配置された印刷ユニット11の給紙ホッパ20への給紙ユニット110からの記録紙Pの補給動作又は印字部34への記録紙Pの直接給紙動作と、下段側に配置された印刷ユニット11の記録紙Pに対する画像記録動作、給紙ホッパ20間での記録紙Pの補給動作、及び特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から他の印刷ユニット11の印字部34への記録紙Pの直接給紙動作とを並行して行うことができる。
【0183】
またプリンタ装置200では、上段側に配置された印刷ユニット11の給紙ホッパ20から下段側に配置された印刷ユニット11の給紙ホッパ20へのスイッチバック搬送による記録紙Pの補給動作と、それら上段側及び下段側の各印刷ユニット11の間に配置された印刷ユニット11の記録紙Pに対する画像記録動作、給紙ホッパ20間での記録紙Pの補給動作、及び特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20から他の印刷ユニット11の印字部34への記録紙Pの直接給紙動作とを並行して行うことができる。
【0184】
このように、プリンタ装置200では、各印刷ユニット11の画像記録動作、給紙ホッパ20への給紙ユニット110から又は他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給動作、給紙ユニット110から又は他の印刷ユニット11からの印字部34への記録紙Pの直接給紙動作をより多く並行させて行うことができるため、スループットを更に向上できる。
【0185】
(第3の実施形態)
図13及び図14には本発明の第3の実施形態に係るプリンタ装置が示され、図15には本実施形態に係るプリンタ装置に適用される印刷ユニットが示されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置220及び印刷ユニット222では、第1の実施形態に係るプリンタ装置10及び印刷ユニット11と共通の部分に同一符合を付して説明を省略する。
【0186】
本実施形態に係るプリンタ装置220が第1の実施形態に係るプリンタ装置10と異なる点は、図13に示されるように、最下段の印刷ユニット222の下側に給紙ユニット240が配置されている点であり、また本実施形態に係る印刷ユニット222が第1の実施形態に係る印刷ユニット11と異なる点は、図15に示されるように、印刷ユニット222内に排紙ガイド路102と給紙ホッパ20とを繋げる分岐ガイド路224及び、排紙ガイド路102内の記録紙Pを分岐ガイド路224内へ選択的に案内するためのガイドレバー236がそれぞれ設けられている点である。
【0187】
図15(A)及び(B)に示されるように、印刷ユニット222には、給紙ホッパ20を挟んだ分岐ガイド路66の反対側に、排紙ガイド路102の下部から給紙ホッパ20側へ分岐する分岐ガイド路224が設けられている。この分岐ガイド路224の先端部は給紙ホッパ20内へ開口しており、分岐ガイド路224の先端部から排出された記録紙Pは給紙ホッパ20内へ収納される。
【0188】
図16(A)及び(B)に示されるように、給紙ホッパ20内には、底板部21上に幅方向に沿って一対の積載板226,228が互いに隣接するように配置されており、これらの積載板226,228は、それぞれ幅方向中心側の端部が底板部21に揺動可能に連結されている。これにより、給紙ホッパ20内に収納された記録紙P(紙束B)は、その先端側の部分が積載板226上に載置されると共に、後端側の部分が積載板228上に載置される。積載板226,228は、コイルスプリング等の付勢部材230,232(図16(B)参照)により揺動端側がそれぞれ上方へ付勢されている。また印刷ユニット222には、給紙ホッパ20の上方に分離給紙ローラ88及び押えローラ234がそれぞれ配置されており、分離給紙ローラ88は積載板226の先端部に正対するように支持され、また押えローラ234は積載板228の中間部に正対するように支持されている。
【0189】
給紙ホッパ20には、付勢部材230,232に抗して積載板226,228を揺動方向に沿った下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、分岐ガイド路224内から給紙ホッパ20内に記録紙Pを受け入れる際には、図16(A)に示されるように、一対の積載板226,228をそれぞれ底板部21に近接した下限位置に揺動させて拘束し、給紙ホッパ20内への記録紙Pの受入完了後には、一対の積載板226,228をそれぞれ解放する。これにより、積載板226,228は、付勢部材230,232の付勢力により上方へ揺動し、図16(B)に示されるように、記録紙Pの先端部を分離給紙ローラ88に圧接させると共に、記録紙Pの後端側を押えローラ234に圧接させる。またアクチュエータは、給紙ホッパ20を装着位置から補給位置へスライドさせる際にも、付勢部材230,232を下限位置に揺動させ拘束する。
【0190】
印刷ユニット222には、排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との分岐点付近にガイドレバー236が設けられている。このガイドレバー236には、図15(B)に示されるように、一端部に揺動中心となる支軸部238が設けられており、この支軸部238は排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との分岐点に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ここで、ガイドレバー236は、実線で示される給紙位置(236A)と2点鎖線で示される排紙位置(236B)との範囲で回動可能とされている。またガイドレバー236はロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータにより給紙位置及び排紙位置の何れかの位置に回動し保持される。
【0191】
これにより、給紙口17を通して排紙ガイド路102に搬入された記録紙Pは、ガイドレバー236が給紙位置(236A)に配置されると排紙ガイド路102の上部が塞がれるため分岐ガイド路224側へ案内され、ガイドレバー236が排紙位置(236B)に配置されると分岐ガイド路224が塞がれるため排紙口19側へ案内される。このように、ガイドレバー236は、記録紙Pの搬送経路を排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との間で選択的に切り替えるよう構成されている。
【0192】
プリンタ装置220は、前述したように、最下段に給紙ユニット240を備えており、この給紙ユニット240上に印刷ユニット222及び排紙ユニット130が積み重ねられて構成されている。ここで、給紙ユニット240は、記録紙Pを収納し、この記録紙Pを各印刷ユニット222における給紙ホッパ20内へ自動補給するためのものである。
【0193】
図13に示されるように、給紙ユニット240は外殻部としてケーシング242を備えており、このケーシング242の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット222のケーシング12と略一致している。ケーシング242には、その上面部における後端側及び先端側にそれぞれスリット状の第1排紙口244及び第2排紙口246(図14参照)が開口しており、これらの排紙口244,246は、給紙ユニット240の上段側に隣接する印刷ユニット222における給紙口16,17にそれぞれ接続される。
【0194】
ケーシング242内には、複数枚の記録紙Pが積載された紙束Bが収納可能とされた第1メイン給紙ホッパ248が配置されると共に、この第1メイン給紙ホッパ248の下方に第2メイン給紙ホッパ250が配置されている。これらのメイン給紙ホッパ248,250は、それぞれケーシング242により奥行方向に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、メイン給紙ホッパ248,250は、ケーシング242内の装着位置から補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙P(紙束B)を補給し、又は取り出すことが可能になる。
【0195】
メイン給紙ホッパ248,250内には、それぞれ収納した紙束Bが積載される第1及び第2積載トレー252,254、及び、第1及び第2積載トレー252,254を高さ方向に沿って昇降可能に支持した昇降機構(図示省略)が配置されている。またケーシング242内には、メイン給紙ホッパ248,250の上方にそれぞれ第1及び第2分離給紙ローラ256,258が配置されており、第1分離給紙ローラ256は、そのローラ面が第1積載トレー252上に積載された紙束B上面の後端部に対向するように支持され、また第2分離給紙ローラ258は、そのローラ面が第2積載トレー254上に積載された紙束B上面の先端部に対向するように支持されている。
【0196】
昇降機構は、メイン給紙ホッパ248,250の装着位置から補給位置へのスライドに連動して、積載トレー252,254をメイン給紙ホッパ248,250の底板部に近接した下限位置に移動させ、またメイン給紙ホッパ248,250の補給位置から装着位置へのスライドに連動して積載トレー252,254を上昇させ、積載トレー252,254上の紙束Bを所定の圧接力で分離給紙ローラ256,258に圧接させる。
【0197】
図13に示されるように、ケーシング242内には、第1排紙口244から第1分離給紙ローラ256側へ延出する第1接続ガイド路260が設けられており、この第1接続ガイド路260の先端部は、第1分離給紙ローラ256の紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、第1分離給紙ローラ256が所定量だけ回転すると、第1分離給紙ローラ256により第1積載トレー252上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が第1接続ガイド路260内へ送り込まれる。
【0198】
またケーシング242内には、第2排紙口246から第2分離給紙ローラ258側へ延出する第2接続ガイド路262が設けられており、この第2接続ガイド路262の先端部は、第2分離給紙ローラ258の紙束Bとの圧接部に面して開口している。これにより、第2分離給紙ローラ258が所定量だけ回転すると、第2分離給紙ローラ258により第2積載トレー254上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が第2接続ガイド路262内へ送り込まれる。
【0199】
なお、メイン給紙ホッパ248,250内にそれぞれ配置される積載トレー252,254は1個に限定されず、複数個の積載トレー252,254をメイン給紙ホッパ248,250内にそれぞれ配置し、各積載トレー252,254にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを積載するようにしても良い。この場合には、例えば、昇降機構により複数の積載トレー252,254を上下方向に加えて、前後方向(幅方向)に移動させ、複数の積載トレー252,254の何れかに積載された紙束Bを選択的に分離給紙ローラ256,258に圧接させることで、複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pをそれぞれ接続ガイド路260,262内へ送り込むことが可能になる。
【0200】
また給紙ユニット240のケーシング242には、その頂板部に上方へ突出する複数のガイド突起(図示省略)が設けられている。これらのガイド突起は、印刷ユニット222における複数のガイド受部(図示省略)にそれぞれ対応して配置されており、給紙ユニット240上に印刷ユニット222及び排紙ユニット130が積み重ねられてプリンタ装置220を構成している状態では、給紙ユニット240のガイド突起は、上段側の印刷ユニット222のガイド受部に嵌挿する。これにより、給紙ユニット240、印刷ユニット222及び排紙ユニット130は、幅方向及び奥行方向に沿って互いに一致するように位置決めされると共に、ユニット130,222,240間での移動が拘束されて一体化される。なお、給紙ユニット240も、各印刷ユニット222と同様に制御部266を備えており、この制御部266は、各印刷ユニット222の制御部32に電気的に接続される。給紙ユニット240の制御部266を印刷ユニット222の制御部32に電気的に接続するための構成としては、印刷ユニット222の制御部32間を接続する場合と同様に、ケーブル及びソケットによる接続や、ガイド突起及びガイド受部をそれぞれコネクタ及びソケットとして接続することが可能である。
【0201】
また本実施形態に係るプリンタ装置220では、各印刷ユニット222の排紙ガイド路102が互いに接続されて構成された1本の排紙経路(排出路)が、給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から記録紙Pを各印刷ユニット222に供給するための給紙経路の一部を構成している。すなわち、プリンタ装置220では、後端側に設けられた給紙経路が印刷ユニット222における排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224により構成されており、この給紙経路(第2搬入路)が排紙経路(排出路)と一部共有されている。
【0202】
本実施形態に係るプリンタ装置220も、図14に示されるように、上段側のユニット130,222を上方へ持ち上げるだけで、簡単に下段側のユニット222,220から分離できる。従って、プリンタ装置220では、印刷ユニット222を他の印刷ユニット222から分離し、又は排紙ユニット130を下段側の印刷ユニット222から分離した状態とすれば、1台乃至複数台の印刷ユニット222を他の印刷ユニット222の間又は印刷ユニット222と排紙ユニット130との間に挿入し、あるいは印刷ユニット222の間又は印刷ユニット222と排紙ユニット130との間から1台乃至複数台の印刷ユニット222を抜き取ることが可能になっている。これにより、プリンタ装置220では、装置を構成する印刷ユニット222の台数を簡単に増減でき、印刷ユニット222の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度を含む印刷能力を調整できる。
【0203】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るプリンタ装置220による動作について説明する。
【0204】
プリンタ装置220における各印刷ユニット222による記録紙Pに対する画像の記録動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10による記録紙Pに対する画像の記録動作と共通なので説明を省略する。またプリンタ装置220における給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248からの給紙ホッパ20への記録紙Pの補給動作及び印字部34への記録紙Pの直接給紙動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10の給紙ユニット110による給紙ホッパ20への記録紙Pの補給動作及び印字部34への直接給紙動作と共通なので説明を省略する。但し、本実施形態に係るプリンタ装置220では、給紙ホッパ20内に収納された記録紙Pを印字部34へ給紙する際には、一対の積載板226,228により付勢された記録紙P(紙束B)に分離給紙ローラ88及び押えローラ234が圧接する。給紙ホッパ20から印字部34への記録紙Pの給送時には、分離給紙ローラ88が所定量回転することにより、給紙ホッパ20内に収納された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され印字ガイド路68内へ送り込まれるが、このとき、押えローラ234は、分離給紙ローラ88により最上部の1枚の記録紙Pが紙束Bから分離される際、2枚目以下の記録紙Pの移動を阻止するレジストローラとして機能する。
【0205】
本実施形態のプリンタ装置220では、第1の実施形態に係るプリンタ装置10の給紙ユニット110に対して第2メイン給紙ホッパ250が追加されていることにより、給紙ユニット240から各印刷ユニット222の給紙ホッパ20内へ記録紙Pを独立した2つの給紙経路により記録紙Pを自動補給することが可能になっている。この給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から給紙ホッパ20への記録紙Pの補給動作について説明する。
【0206】
印刷ユニット222の制御部32は、情報処理装置からの印字命令の内容、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量等に応じて、給紙ユニット240からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ給紙ユニット240から補給が可能と判断した場合に、給紙ユニット240からの記録紙Pの受入を準備すると共に、給紙ユニット240に対して記録紙Pの補給を要求する。このとき、制御部32が、給紙ユニット240からの記録紙Pの補給が必要と判断する場合としては、給紙ホッパ20内の記録紙Pの残量が少ない場合、及び印字命令により給紙ユニット240内に収納された記録紙Pに画像を記録する必要がある場合がある。
【0207】
また制御部32は、印字部34により記録紙Pに対する画像記録が行われておらず、かつ給紙ユニット240との間の排紙ガイド路102が記録紙Pにより塞がれていない時に、給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から給紙ホッパ20へ記録紙Pの補給が可能と判断する。
【0208】
制御部32は、給紙ユニット240からの記録紙Pの補給が必要と判断し、かつ排紙ガイド路102を通じて給紙ユニット240からの補給が可能と判断すると、先ず、積載板226,228をそれぞれアクチュエータにより下限位置に揺動させ拘束すると共に、ガイドレバー236をロータリアクチュエータにより排紙位置から給紙位置へ回動させる。
【0209】
次いで、制御部32は、給紙ユニット240との間の排紙ガイド路102に配置された各搬送ローラ対104をそれぞれ所定の搬送方向へ回転開始させると共に、給紙ユニット240の制御部266に給紙信号を出力する。この給紙信号を受けた給紙ユニット240の制御部266は、第2分離給紙ローラ258を所定量回転させる。これにより、第2積載トレー254上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、第2接続ガイド路262内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が第2接続ガイド路262を通って排紙ガイド路102内へ送り込まれ、搬送ローラ対104により挟持されて搬送され、排紙ガイド路102と分岐ガイド路224との分岐点まで搬送されると、ガイドレバー236により排紙ガイド路102から分岐ガイド路224内へ案内される。この記録紙Pは、搬送ローラ対104からの搬送力により給紙ホッパ20内へ搬出され、積載板226,228上に収納される。
【0210】
給紙ユニット240の制御部266は、制御部32からの給紙信号により複数枚の記録紙Pを要求されている場合は、先行して給紙された記録紙Pが給紙ホッパ20内へ収納されたタイミングに同期して、第2分離給紙ローラ258を回転させて後続する記録紙Pを第2接続ガイド路262へ送り込む分離給紙動作を要求された記録紙Pの枚数分だけ繰り返す。
【0211】
一方、印刷ユニット222の制御部32は、給紙信号により要求した枚数の記録紙Pが給紙ホッパ20内へ収納されると、積載板226,228をそれぞれ下限位置から解放すると共に、ガイドレバー236を給紙位置から排紙位置へ復帰させる。これにより、印刷ユニット222では、給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から補給された記録紙Pが給紙ホッパ20内から優先的に印字部34へ給紙可能になり、また印刷ユニット222から排紙ガイド路102内へ送り込まれた記録紙Pが排紙ユニット130へ搬送可能になる。
【0212】
次に、プリンタ装置220の給紙動作及び印字動作と記録紙Pの補給動作との関係を図17に示されるフローチャートを用いて説明する。
【0213】
プリンタ装置220の給紙動作、印字動作、及び記録紙Pの補給動作において、図17に示されるステップ160〜ステップ166、及び、ステップ180〜ステップ184による各動作については、基本的に、第1の実施形態に係るプリンタ装置10による各動作と共通なので説明を省略する(図11参照)。
【0214】
図17に示されるように、ステップ166で、自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pで印字不可能となった特定の印刷ユニット222に、他の印刷ユニット222の給紙ホッパ20にストックされている記録紙Pを補給することにより特定の印刷ユニット222の印字処理が実行可能か否かを判断し、否定判定となった場合には、ステップ270へ移行する。
【0215】
ステップ270では、給紙ユニット240の第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250にストックされている記録紙Pを、特定の印刷ユニット222に補給することにより特定の印刷ユニット222の印字処理が実行可能か否かを判断し、ここで、第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250の何れか一方又は両方が記録紙Pを補給できない場合に否定判定となる。ステップ270で否定判定の場合には、ステップ274へ移行し記録紙Pをプリンタ装置10に補給する必要があることをユーザーに報知する。
【0216】
この報知動作では、プリンタ装置220は、特定の印刷ユニット222及び給紙ユニット240の第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250の少なくとも何れかに、不足している種類(A4サイズ等)の記録紙P又は要求されたサイズ(B4サイズやA3サイズ等)の記録紙Pの補給を促すメッセージ等を表示部(図示省略)に表示し、この表示に伴いスピーカ(図示省略)からアラーム音を発生する。
【0217】
報知後には、ステップ276へ移行し必要とされる記録紙Pが補給されたか否かを判断する。ステップ276で否定判定の場合には、ステップ274へ戻り、報知動作が所定時間継続される。さらに記録紙Pが補給されずに所定時間経過すると、報知動作が停止してプリンタ装置220はスタンバイ状態になる。ステップ276で肯定判定の場合には、ステップ162へ戻る。
【0218】
またステップ272で肯定判定となった場合には、ステップ278へ移行し給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から第2給紙経路(排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224)を通して特定の印刷ユニット222の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット222の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0219】
一方、ステップ270で肯定判定となった場合には、ステップ280へ移行し給紙ユニット240の第1及び第2メイン給紙ホッパ248,250から特定の印刷ユニット222に記録紙Pを補給するに当たり、第1メイン給紙ホッパ248の記録紙Pを給紙ホッパ20に補給する場合の給紙時間と、第2メイン給紙ホッパ250の記録紙Pを給紙ホッパ20に補給する場合の給紙時間とを比較し、何れの給紙時間が短く効率が高いかを判断する。
【0220】
判断の結果が、第2メイン給紙ホッパ250から記録紙Pを補給する方が給紙時間を短縮できるとなった場合には、ステップ278へ移行し給紙ユニット240の第2メイン給紙ホッパ250から特定の印刷ユニット222の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する。またステップ280で、判断の結果が、第1メイン給紙ホッパ248から記録紙Pを補給する方が給紙時間を短縮できるとなった場合には、ステップ280へ移行する。
【0221】
ステップ280では、給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248から特定の印刷ユニット222に記録紙Pを補給するに当たり、記録紙Pを給紙ホッパ20に補給してから画像記録する場合の印字処理時間と、記録紙を印字部34に直接給紙して画像記録する場合の印字処理時間とを比較し、何れの印字処理時間が短く効率が高いかを判断する。
【0222】
判断の結果が、記録紙Pを給紙ホッパ20を経由させる方が印字処理時間を短縮できるとなった場合には、ステップ284へ移行し給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248から特定の印刷ユニット222の給紙ホッパ20に記録紙Pを補給する。補給後はステップ162へ戻り、このステップ162では、特定の印刷ユニット222の制御部32は自己の給紙ホッパ20にストックされた記録紙Pにより印字可能であると肯定判定する(ステップ164へ移行し印字処理を実行)。
【0223】
またステップ282で、判断の結果が、記録紙Pを印字部34へ直接給紙する方が印字処理時間を短縮できるとなった場合には、ステップ286へ移行し給紙ユニット240の第1メイン給紙ホッパ248から第1給紙経路(給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66)を通して特定の印刷ユニット222の印字部34へ記録紙Pを給紙する。給紙後はステップ164へ移行し、ここで特定の印刷ユニット222の印字部34は第1メイン給紙ホッパ248から直接給紙された記録紙Pに対する画像記録を開始する。
【0224】
次に、以上説明した本実施形態に係るプリンタ装置220の作用について説明する。
【0225】
本実施形態に係るプリンタ装置220では、独立した2本の給紙経路を有し、これら2本の給紙経路と対応する独立した2つのメイン給紙ホッパ248,250をプリンタ装置220が有することにより、特定の印刷ユニット11の給紙ホッパ20へのプリンタ装置220の第2メイン給紙ホッパ250からの記録紙Pの補給動作と、他の印刷ユニット11の記録紙Pに対する画像記録動作、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20間での記録紙Pの補給動作、他の印刷ユニット11の給紙ホッパ20へのプリンタ装置220の第1メイン給紙ホッパ248からの記録紙Pの補給動作、他の印刷ユニット11の印字部34へのプリンタ装置220の第1メイン給紙ホッパ248からの記録紙Pの直接給紙動作、及び給紙ホッパ20から他の印刷ユニット11の印字部34への記録紙Pの直接給紙動作とを並行して行うことができる。
【0226】
このように、プリンタ装置220では、各印刷ユニット11の画像記録動作、給紙ホッパ20への給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット11からの記録紙Pの補給動作、給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット11からの印字部34への記録紙Pの直接給紙動作をより多く並行させて行うことができるため、スループットを更に向上できる。
【0227】
またプリンタ装置220では、後端側に設けられた給紙経路が印刷ユニット222における排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224により構成されており、この給紙経路(第2搬入路)が排紙経路(排出路)と一部共有されていることにより、給紙経路及び排紙経路の構成が簡素化され印刷ユニット222を小型化できている。
【0228】
またプリンタ装置220では、記録紙Pの搬送経路を記録紙搬送路(排紙ガイド路102)と分岐ガイド路224との間で選択的に切り替えるガイドレバー236を有することにより、排紙ガイド路102を搬送される記録紙Pをガイドレバー236へ確実に案内することができる。
【0229】
またプリンタ装置220では、給紙ユニット240から供給される記録紙Pを給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66と、排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224との何れを通しても各印刷ユニット222の給紙ホッパ20内へ給紙可能とされていることにより、例えば、排紙ガイド路102内が画像記録済みの記録紙Pにより塞がっている時でも、給紙ユニット240から記録紙Pに画像を記録していない任意の印刷ユニット222に記録紙Pを補給でき、給紙ガイド路64及び分岐ガイド路66を通して特定の印刷ユニット222に記録紙Pが給紙されていても、排紙ガイド路102及び分岐ガイド路224を通して他の印刷ユニット222に記録紙Pを補給できるので、第1の実施形態に係るプリンタ装置10と比較し、給紙ユニット240から印刷ユニット222への記録紙Pの補給完了を待つための装置の停止時間を減少できると共に、複数台の印刷ユニット222に対する記録紙Pの補給時間を短縮できる。
【0230】
またプリンタ装置220では、各印刷ユニット222に給紙ホッパ20が設けられると共に、給紙ユニット240には2台のメイン給紙ホッパ248,250が設けられていることにより、第1及び第2の実施形態に係るプリンタ装置10,200と比較し、更に多種類の記録紙Pから必要な記録紙Pを選択し、この記録紙Pに対して印刷ユニット222における印字部34により自動的に画像を記録できるようになる。
【0231】
(第4の実施形態)
図18には本発明の第4の実施形態に係るプリンタ装置が示されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置290及び印刷ユニット292では、第1〜第3の実施形態に係るプリンタ装置10,200,220及び印刷ユニット11,202,222と共通の部分に同一符合を付して説明を省略する。
【0232】
図18に示されるように、本実施形態に係るプリンタ装置290は、第2実施形態のプリンタ装置200と第3実施形態のプリンタ装置220とを組み合わせた構成とされている。すなわち、プリンタ装置290では、先端側に2本の給紙経路(搬送路)が設けられ、後端側に上記2本の給紙経路とは独立した1本の給紙経路が設けられており、これら計3本の給紙経路により、最下段に配設された給紙ユニット240から各印刷ユニット292へ記録紙Pを補給できるよう構成されている。
【0233】
これにより、プリンタ装置290では、各印刷ユニット292の画像記録動作、給紙ホッパ20への給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット292からの記録紙Pの補給動作、給紙ユニット240から又は他の印刷ユニット292からの印字部34への記録紙Pの直接給紙動作を、第1〜第3実施形態のプリンタ装置10,200,220と比較してより多く並行させて行うことができるため、スループットを更に向上できる。
【0234】
なお、本発明の実施形態に係る印刷ユニット11,202,222,272の印字部34では、インクジェットヘッド38を画像記録時に主走査方向へ駆動しつつ、インクジェットヘッド38のノズルからインクを噴射して記録紙Pに画像を形成していたが、印字部34については、駆動式のインクジェットヘッド38以外にも、記録紙Pよりも主走査方向へ広い幅を有するフルサイズの固定式インクジェットヘッドにより記録紙Pを記録するものでも、また電子写真感光体上にトナー像を形成し、このトナーを記録紙Pに転写する、所謂電子写真方式により記録紙Pに画像を形成するものでも良く、無論、これ以外の方法で記録紙Pに画像を形成するものであっても良い。
【0235】
また本発明は、分離可能とされた複数の印刷ユニットにより複数の記録紙に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置に限らず、一つの筐体内に設けられた複数の印字手段により複数の記録紙に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置にも適用できる。
【0236】
【発明の効果】
本発明のプリンタ装置は上記構成としたので、複数の記録媒体に対して並列的に画像を記録する並列処理における複数の印字手段の稼働率低下を抑え、スループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示されるプリンタ装置をユニット単位で分解した状態を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るプリンタ装置における印刷ユニットの構成を示す側面断面図である。
【図4】図3に示される印刷ユニットの構成を示す平面図である。
【図5】(A)、(B)は図3に示される印刷ユニットにおけるガイドレバーの動作を示す側面図である。
【図6】図3に示される印刷ユニットにおける給紙ホッパの構成を示す側面図であり、(A)は積載板が下限位置に拘束されている状態を示し、(B)は積載板が下限位置から解放されている状態を示している。
【図7】図1に示されるプリンタ装置における給紙ユニットから印刷ユニットの給紙ホッパへの記録紙の補給動作を示す側面図である。
【図8】図1に示されるプリンタ装置における給紙ユニットから印刷ユニットの印字部への記録紙の直接給紙動作を示す側面図である。
【図9】図1に示されるプリンタ装置における下段側の印刷ユニットの給紙ホッパから上段側の印刷ユニットの給紙ホッパへの記録紙の補給動作を示す側面図である。
【図10】図1に示されるプリンタ装置における上段側の印刷ユニットの給紙ホッパから下段側の印刷ユニットの給紙ホッパへの記録紙の補給動作を示す側面図である。
【図11】図1に示されるプリンタ装置における給紙動作及び印字動作と記録紙の補給動作との関係を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【図14】図13に示されるプリンタ装置をユニット単位で分解した状態を示す側面図である。
【図15】(A)は本発明の第2の実施形態に係るプリンタ装置における印刷ユニットの構成を示す側面断面図、(B)は印刷ユニットにおけるガイドレバーの動作を示す側面図である。
【図16】図15(A)に示される印刷ユニットにおける給紙ホッパの構成を示す側面図であり、(A)は積載板が下限位置に拘束されている状態を示し、(B)は積載板が下限位置から解放されている状態を示している。
【図17】図13に示されるプリンタ装置における給紙動作及び印字動作と記録紙の補給動作との関係を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
10 プリンタ装置
11 印刷ユニット
20 給紙ホッパ(第1収納部)
26 排紙バッファ(バッファ収納部)
34 印字部(印字手段)
38 インクジェットヘッド(印字手段)
64 給紙ガイド路(搬送路/第1搬出路/第1搬入路/供給路)
66 分岐ガイド路(搬送路/第1搬入路)
68 印字ガイド路(搬送路/第1搬出路/供給路)
69A 通路上流部(搬送路/第1搬出路/供給路)
69B 通路中間部(搬送路/第1搬出路/第1搬入路/供給路)
69C 通路下流部(搬送路/供給路)
70 搬送ローラ対(搬送手段)
72 ガイドレバー(第1搬送経路切替手段)
74 ガイドレバー(第2搬送経路切替手段)
88 分離給紙ローラ(搬送手段/供給手段)
90 分離排紙ローラ(排出手段)
102 排紙ガイド路(搬出路)
130 排紙ユニット(排出ユニット)
200 プリンタ装置
202 印刷ユニット
204 給紙ガイド路(搬送路/第1搬出路/第1搬入路)
206 分岐ガイド路(搬送路/第1搬入路)
208 分岐ガイド路(搬送路)
210 搬送ローラ対(搬送手段)
212 ガイドレバー(第1搬送経路切替手段)
214 ガイドレバー(第2搬送経路切替手段)
220 プリンタ装置
222 印刷ユニット
224 分岐ガイド路(第2搬入路)
236 ガイドレバー(第3搬送経路切替手段)
240 給紙ユニット
250 メイン給紙ホッパ(第2収納部)
258 分離給紙ローラ(搬出手段)
262 接続ガイド路(第2搬出路)
P 記録紙(記録媒体)
Claims (16)
- 記録媒体に画像を記録する印字手段を複数備え、この複数の印字手段が並列的に作動されることにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置であって、
前記複数の印字手段に対応して設けられ、印字手段に供給する記録媒体を収納する複数の第1収納部と、
前記複数の第1収納部の間に設けられ、記録媒体を搬送するための搬送路と、
前記搬送路を通し前記複数の第1収納部の間で記録媒体の受け渡しを行う搬送手段と、
を有することを特徴とするプリンタ装置。 - 記録媒体を収納する第1収納部と、少なくともこの第1収納部から供給される記録媒体に対して画像を記録する印字手段と、を有する印刷ユニットを複数備え、この複数の印刷ユニットが重ね合わせられて接続され並列的に作動されることにより、複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置であって、
前記第1収納部に収納された記録媒体を隣接する他の印刷ユニットへ搬出するための第1搬出路と、
隣接する他の印刷ユニットから搬入された記録媒体を前記第1収納部に搬入するための第1搬入路と、
前記第1搬出路及び前記第1搬入路を通し記録媒体の受け渡しを行う搬送手段と、
を有することを特徴とするプリンタ装置。 - 前記第1搬出路及び前記第1搬入路が前記印刷ユニット内で接続され一つの搬送路を構成していることを特徴とする請求項2記載のプリンタ装置。
- 記録媒体の搬送経路を前記搬送路と前記第1搬入路との間で選択的に切り替える第1搬送経路切替手段を有することを特徴とする請求項3記載のプリンタ装置。
- 前記第1収納部に収納された記録媒体を前記印字手段へ供給するための供給路と、前記供給路を通し前記第1収納部から前記印字手段へ記録媒体を供給する供給手段と、を有し、前記供給路が前記搬送路と一部共有されていることを特徴とする請求項1又は請求項3記載のプリンタ装置。
- 記録媒体の搬送経路を前記搬送路と前記供給路との間で選択的に切り替える第2搬送経路切替手段を有することを特徴とする請求項5記載のプリンタ装置。
- 前記搬送手段は前記供給手段を含むことを特徴とする請求項5又は請求項6記載のプリンタ装置。
- 前記搬送路を複数有することを特徴とする請求項1、請求項3〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置。
- 前記複数の第1収納部に供給する記録媒体を収納する第2収納部と、
前記第1収納部を挟んだ前記搬送路の反対側に配置され、前記第2収納部から搬出された記録媒体を第1収納部に搬入するための第2搬入路と、
前記第2収納部から記録媒体を搬出する搬出手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。 - 画像が記録された記録媒体を外部へ排出する排出路を有し、前記第2搬入路が前記排出路と一部共有されていることを特徴とする請求項9記載のプリンタ装置。
- 前記印刷ユニットと重ね合わせられた状態でプリンタ装置を構成すると共に、
前記第1収納部に供給する記録媒体を収納する第2収納部と、
前記第2収納部に収納された記録媒体を印刷ユニットへ搬出するための第2搬出路と、
前記第2収納部から記録媒体を搬出する搬出手段と、
を有する供給ユニットを備え、
前記印刷ユニットは、前記第1収納部を挟んだ前記第1搬入路の反対側に配置されると共に前記供給ユニットと重ね合わせられた状態で前記第2搬出路に接続され、供給ユニットから搬入された記録媒体を第1収納部に搬入するための第2搬入路を有することを特徴とする請求項2〜請求項8の何れか1項記載のプリンタ装置。 - 前記印刷ユニットは、画像が記録された記録媒体を外部へ排出する排出路を有し、前記第2搬入路が前記排出路と一部共有されていることを特徴とする請求項11記載のプリンタ装置。
- 記録媒体の搬送経路を前記第2搬入路と前記排出路との間で選択的に切り替える第3搬送経路切替手段を有することを特徴とする請求項10又は請求項12記載のプリンタ装置。
- 前記複数の印字手段に対応して設けられ、印字手段により画像が記録された記録媒体を一時収納する複数のバッファ収納部と、前記複数のバッファ収納部から前記排出路へ記録媒体をそれぞれ排出する複数の排出手段と、を有することを特徴とする請求項10又は請求項13記載のプリンタ装置。
- 前記印刷ユニットは、前記印字手段により画像が記録された記録媒体を一時収納するバッファ収納部と、前記バッファ収納部から前記排出路へ記録媒体を排出する排出手段と、を有することを特徴とする請求項12又は請求項13記載のプリンタ装置。
- 前記印刷ユニットと重ね合わせられた状態でプリンタ装置を構成すると共に、前記排出路を通して前記印刷ユニットから排出された記録媒体を保持する排出ユニットを有することを特徴とする請求項11〜請求項13、請求項15の何れか1項記載のプリンタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003193885A JP2005028642A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | プリンタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003193885A JP2005028642A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | プリンタ装置 |
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JP2005028642A true JP2005028642A (ja) | 2005-02-03 |
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ID=34205226
Family Applications (1)
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JP2003193885A Pending JP2005028642A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | プリンタ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014028467A (ja) * | 2012-07-31 | 2014-02-13 | Brother Ind Ltd | 記録システム、記録装置、オプション機器、及び記録システムの制御方法 |
-
2003
- 2003-07-08 JP JP2003193885A patent/JP2005028642A/ja active Pending
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