JP2005199541A - プリンタ装置 - Google Patents

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Kishiharu Itatsu
岸春 板津
Yasuhiro Otsuka
泰弘 大塚
Shinji Seto
信二 瀬戸
Susumu Watanabe
進 渡辺
Kohei Murakami
浩平 村上
Fuminori Takizawa
文則 滝沢
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Abstract

【課題】 印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトする割り込み処理を可能として利便性を向上させたプリンタ装置を得る。
【解決手段】 プリンタ装置100を構成する1台の印刷ユニット10において、先に入力された印刷ジョブAの印刷処理中に他の印刷ジョブBの割り込み処理を行う場合には、制御部98によりガイド機構54のガイド板56を駆動制御して記録紙Pの排出経路を切り替え、印刷ジョブAによる画像記録済みの記録紙Pは給排紙ホッパ20へ、また、印刷ジョブBによる画像記録済みの記録紙Pは排紙バッファ60へ、交互に振り分けて排出する。給排紙ホッパ20に排出された印刷ジョブAの印刷物は、印刷ジョブBの印刷物が排紙ユニット110の排紙トレイ部118に排出された後に、給排紙ホッパ20から排紙トレイ部118へ排出する。この排紙トレイ部118にまとめて排出された印刷物は、ユーザが取り出して印刷ジョブ毎に容易に仕分けることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明はプリンタ装置に係り、詳細には、印刷ジョブを複数の印字部に振り分け複数の記録媒体に対して並列的な印刷を行うプリンタ装置に関する。
近年、印刷ジョブを複数の印字部に振り分け複数の記録紙に対して並列的な印刷を行うことにより高速印刷を可能とした並列処理型のプリンタ装置が提案されている。このプリンタ装置では、複数ページの印刷物を並列処理によって印刷する場合、各印字部の1ページ(記録紙1枚)当たりの印刷時間には、割り当てられたページの画像情報量に応じて差が生じるため、各印字部により印刷したそれぞれの記録紙をページ順にプリントアウトするには、記録紙間で排出タイミングの調整を図る必要がある。そのため、各印字部(各記録部)の下流側に、印刷済みの記録紙を一時的に停留させることができる停留部を設ける(例えば、特許文献1参照)、あるいは、各印字部の各々に、印刷済みの記録紙を所定の時間保管することができる排紙スタック部を設ける(例えば、特許文献2参照)ことにより、記録紙間の排出タイミングを調整可能として印刷物をページ順に揃えてプリントアウトできるようにしている。
特開2002−302329号公報 特開2002−104724号公報
ところで、上記のプリンタ装置では、例えばパーソナルコンピュータやサーバ等の外部の情報処理装置からネットワークを介して入力される複数の印刷ジョブを同一の印字部に割り当てて処理する場合に、その印字部は先に印刷処理を開始したジョブの印刷を終了しないと他のジョブの印刷を行うことができない。例えば印刷枚数の多いジョブの処理中に、印刷枚数の少ないジョブを優先して又は並行して処理するなどの割り込み処理には対応することができず、利便性が悪い。また、仮にそのような割り込み処理が可能であっても、上述した特許文献1、2の従来技術では、1つの印字部(記録部)に対し、印刷済みの記録紙を排出前に一時待機させるための停留部又は排紙スタック部といった排紙バッファを配設した排紙経路が1つしか設けられていないため、記録紙は印刷順でしか排出できない。そのため、プリントアウトされた印刷物は各ジョブの記録紙が混在した状態となり、ユーザはその印刷物をジョブ毎に仕分けて揃え直す必要がある。
一方、上記のプリンタ装置がインクジェット方式の場合には、排紙バッファに、印刷済みの記録紙を所定時間待機させてインクを乾燥させる機能を持たせている。しかしここでも、1つの印字部に対して排紙バッファが1つであると、排紙バッファで待機する印刷済み記録紙のインクが乾燥しないと次の印刷済み記録紙を排紙バッファに排出することができず、印刷速度を十分に上げることはできない。また、印刷速度の向上を図るために、例えば複数の排紙バッファを排紙経路に沿って直列に配置するなどした場合には、装置が大型化するため好ましくない。
本発明は上記事実を考慮して、印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトする割り込み処理を可能として利便性を向上させると共に、装置の大型化を抑えつつ印刷速度をより向上することができるプリンタ装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、シート状の記録媒体に画像を記録する印字手段と、前記印字手段へ供給される記録媒体が複数収納可能とされると共に外部から記録媒体が補給可能とされた複数の供給部と、前記複数の供給部から前記印字手段へ記録媒体を案内するための複数の供給路と、前記複数の供給部にそれぞれ収納された記録媒体を1枚づつ取り出して前記複数の供給路へ送り出す複数の供給手段と、前記印字手段により画像が記録された記録媒体が排出される排出部と、前記印字手段から前記排出部へ記録媒体を案内するための第1排出路と、前記印字手段から前記複数の供給部のうちの少なくとも1つへ記録媒体を案内するための第2排出路と、記録媒体の排出経路を前記第1排出路側又は前記第2排出路側へ切り替える第1切替手段と、入力された印刷ジョブに基づいて前記印字手段による記録媒体への画像記録を制御する共に、先に入力された第1印刷ジョブの処理中に他の第2印刷ジョブが入力された場合には前記第1印刷ジョブの印刷枚数に応じて前記第2印刷ジョブの割り込み処理を許可しその割り込み処理の実施においては前記第1切替手段を駆動制御して印刷ジョブ毎に記録媒体の排出経路を切り替える制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、供給部に収納された記録媒体は、供給手段により1枚づつ取り出されて供給路へ送り出され、供給路を通して印字手段へ供給される。この供給部、供給手段、及び供給路は複数設けられており、印字手段は、制御手段により印刷ジョブに基づいて制御され、複数の供給部から供給される記録媒体に対して画像を記録する。
また、制御手段は、先に入力された第1印刷ジョブの処理中に他の第2印刷ジョブが入力された場合には、第1印刷ジョブの印刷枚数に応じて第2印刷ジョブの割り込み処理を許可し、その割り込み処理の実施においては第1切替手段を駆動制御して印刷ジョブ毎に記録媒体の排出経路を第1排出路側又は第2排出路側へ切り替える。ここで、排出経路が第1排出路側へ切り替えられると、印字手段により画像が記録された記録媒体は第1排出路に案内され排出部へ排出されて集積され、又、排出経路が第2排出路側へ切り替えられると、画像記録済みの記録媒体は第2排出路に案内され複数の供給部のうちの少なくとも1つへ排出されて集積され、その供給部に画像記録前の記録媒体が収納されている場合には画像記録前の記録媒体上に排出されて集積される。
供給部は、外部から記録媒体の補給ができるよう、例えば、供給部の上面側の開口部が開放され供給部内への記録媒体の装填が可能となる補給位置と、供給部に収納された記録媒体が印字手段へ供給可能となる供給位置(プリンタ装置本体への装着位置)との間でスライド可能などに構成されており、供給部へ排出された画像記録済みの記録媒体は、供給部を供給位置から補給位置へスライドさせることにより、供給部上面側の開口部から取り出すことができる。また、画像記録済みの記録媒体が排出された供給部では、その記録媒体が取り除かれないと、画像記録前の記録媒体を印字手段へ供給することはできないが、印字手段は、画像記録済みの記録媒体が排出されていない他の供給部から記録媒体の供給を受けて画像記録を行うことができる。
また、第1印刷ジョブの処理中に優先的に行う第2印刷ジョブの割り込み処理については、第1印刷ジョブの処理を中断し第2印刷ジョブの処理後に第1印刷ジョブの残りの処理を行う、あるいは、第1及び第2印刷ジョブの画像記録を交互に又は所定枚数づつ繰り返して行うなどが可能であり、さらに、このような複数パターンの割り込み処理を、各印刷ジョブの処理の緊急度等に応じて選択できるようにすることも可能である。
これにより、第1印刷ジョブの印刷処理中に第2印刷ジョブの割り込み処理を行う場合には、第1印刷ジョブによる画像記録済みの記録媒体は排出部へ、第2印刷ジョブによる画像記録済みの記録媒体は供給部へそれぞれ排出され、又はその逆へそれぞれ排出され、このように、印刷物をジョブ毎に分けて複数箇所へプリントアウトする割り込み処理が可能になる。したがって、プリントアウトされた印刷物をユーザがジョブ毎に仕分けて揃え直す必要はなくなり、プリンタ装置の利便性が向上する。
また、画像記録済みの記録媒体を複数箇所へ排出するために、供給部に排出部としての機能も持たせていることにより、記録媒体の排出専用となる排出部を複数設ける場合に比べて装置全体の大型化を抑制できる。また、プリンタ装置がインクジェット方式の場合には、例えば割り込み処理における第1及び第2印刷ジョブの画像記録を交互に行い、画像記録済みの記録媒体を印刷ジョブ毎に第1及び第2排出路へ交互に振り分けて排出するなどにより、記録媒体のインク乾燥時間を確保しつつ、印刷速度の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のプリンタ装置において、前記割り込み処理の可否及び割り込み処理を許可する前記第1印刷ジョブの印刷枚数が変更可能とされていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、プリンタ装置を使用するユーザ等が割り込み処理の可否を変更することができ、また、割り込み処理を許可(実施可能に)した場合には、ユーザ等により予め設定された、割り込み処理を許可する第1印刷ジョブの印刷枚数に応じて、第1印刷ジョブの印刷処理中に入力された第2印刷ジョブの割り込み処理の実施が自動判断される。これらの設定を印刷ジョブの緊急度等に応じて変更することにより、効率のよい印刷処理が可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のプリンタ装置において、前記供給路と一部共有されると共に前記供給部から前記排出部へ記録媒体を案内するための第3排出路と、前記供給部から送り出された記録媒体の搬送経路を前記供給路側又は前記第3排出路側へ切り替える第2切替手段と、を有し、前記制御手段は更に前記第2切替手段を駆動制御することを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、供給部から排出部へ記録媒体を案内するための第3排出路を供給路と一部共有して設けることにより、供給路を通して行う供給部から印字手段への記録媒体の供給に加え、第3排出路を通して行う供給部から排出部への記録媒体の排出が可能になる。そして、制御手段によって第2切替手段を駆動制御し、画像記録前の記録媒体を供給部から印字手段へ供給する場合には記録媒体の搬送経路を供給路側へ切り替え、また、画像記録済みの記録媒体を供給部から排出部へ排出する場合には記録媒体の搬送経路を第3排出路側へ切り替えることにより、供給部へ排出された画像記録済みの記録媒体を排出部へ自動で排出できるようになる。さらに、この自動排出は、第1排出路を通して排出部へ直接排出される印字ジョブの印刷物(画像記録済みの記録媒体)の排出が終了してから行うことにより、同一の排出部へ排出された各印刷ジョブの印刷物は、印刷ジョブ毎に分けられた状態で集積される。これにより、ユーザが供給部を手動操作するなどして供給部から印刷物を取り出す必要はなくなり、また排出部からまとめて取り出した印刷物を印刷ジョブ毎に容易に仕分けられるようになる。したがって、プリンタ装置の利便性が更に向上する。
また、第3排出路を供給路と独立して設ける場合には、第3排出路の占有スペースが大きくなると共に、供給部から第3排出路へ記録媒体を送り出すための専用の排出手段等も必要になるが、第3排出路を供給路と一部共有する構成であれば、第3排出路の占有スペースを縮小することができ、さらに記録媒体の搬送経路を供給路側又は第3排出路側へ切り替え可能とすることで、専用の排出手段等を別途設けなくても、供給手段によって送り出された記録媒体を第3排出路側へも搬送できるようになる。これにより、プリンタ装置が大型化することを抑制できる。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のプリンタ装置において、前記第1印刷ジョブにより画像が記録された記録媒体の排出経路を前記第2排出路側とすることを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、第1印刷ジョブにより画像が記録された記録媒体は第2排出路を通して供給部へ排出され、供給部から排出部への自動排出は、第1印刷ジョブによる画像記録が全て終了し、供給部に印刷物が揃ってからまとめて行う。また、第1印刷ジョブの処理中に第2印刷ジョブの割り込み処理が実施される場合には、第2印刷ジョブにより画像が記録された記録媒体は第1排出路を通して排出部へ排出され、第1印刷ジョブの印刷物は、この第2印刷ジョブの印刷物の排出後に、供給部から排出部へ自動排出される。これにより、通常は緊急で印刷物を得たい場合に行う割り込み処理について、その割り込み処理(第2印刷ジョブ)による印刷物を迅速に印刷しプリントアウトすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3記載のプリンタ装置において、前記制御手段は、入力された印刷ジョブに基づいて前記印字手段により複数の記録媒体に対して連続的に画像記録を行う場合には記録媒体に記録する画像密度に応じて前記第1切替手段を駆動制御し記録媒体の排出経路を切り替え可能であることを特徴としている。
請求項5に記載の発明では、制御手段は、入力された印刷ジョブに基づいて印字手段により複数の記録媒体に対して連続的に画像記録を行う場合には、記録媒体に記録する画像密度に応じて第1切替手段を駆動制御し記録媒体の排出経路を切り替えることができる。例えば、記録媒体に記録する画像密度が予め設定された閾値よりも低く、画像の乾燥時間が短くてよい場合には、記録媒体の排出経路を第1排出路側又は第2排出路側の何れか一方に設定し、その一方の排出経路を通して記録媒体を連続的に排出し、また、画像密度が予め設定された閾値よりも高く、画像の乾燥時間が長くなる場合には、記録媒体を第1及び第2排出路へ交互に振り分けて排出するなどが可能である。これにより、記録媒体に記録された画像の乾燥時間を確保しつつ、印刷速度の低下を抑えた効率のよい印刷処理を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記第1排出路側の排出経路に、前記排出部へ排出される記録媒体が一時待機可能とされる排出バッファが設けられていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明では、印字手段により画像が記録されて排出部へ排出される記録媒体を、第1排出路に設けた排出バッファで一時待機可能とすることにより、プリンタ装置がインクジェット方式の場合には、その画像記録済みの記録媒体をインク乾燥後に排出部へ向けて排出することができる。これにより、排出時に記録媒体の画像記録面が排出経路に設けられた搬送手段等と接触して汚れたりインクが滲むことを防止できる。
また、例えば印字手段が複数設けられたプリンタ装置においては、その複数の印字手段に印刷ジョブを振り分け複数の記録媒体に対して並列的な印刷を行う場合に、各印字手段により画像が記録された記録媒体はそれぞれ排出バッファで一時待機可能であることにより、記録紙間の排出タイミングが調整可能となる。これにより、印刷物をページ順に揃えてプリントアウトすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記第1切替手段は、記録媒体を前記第1排出路へ案内する第1位置及び前記第2排出路へ案内する第2位置の間で移動可能とされたガイド板と、前記ガイド板に設けられ前記印字手段から排出される記録媒体の画像記録面に回転接触してその画像記録面とガイド板との接触を阻止する拍車と、を有することを特徴とすることを特徴としている。
請求項7に記載の発明では、印字手段により画像が記録された記録媒体は、第1切替手段を構成するガイド板が第1位置に配置されると、ガイド板によって第1排出路へ案内され、また、ガイド板が第2位置に配置されると、ガイド板によって第2排出路へ案内される。このガイド板による記録媒体の案内では、ガイド板に設けられた拍車が、印字手段から排出される記録媒体の画像記録面に回転接触するため、画像記録面とガイド板との接触は阻止される。これにより、画像記録直後の記録媒体がガイド板に案内される際に、画像記録面がガイド板と擦れて汚れることを防止できる。さらに、拍車と記録媒体(画像記録面)との接触面積は極めて小さくされるため、特にインクジェット方式では、記録媒体から拍車へのインク転移が防止され、拍車との接触により記録媒体の画像記録面にインクにじみが発生することが防止される。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記印字手段を複数備え、その複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能であることを特徴としている。
請求項8に記載の発明では、プリンタ装置が印字手段を複数備え、複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能であることにより、要求される印刷速度等の印刷能力に応じてプリンタ装置に設置する印字手段の個数を増減すれば、その印字手段の個数に応じて印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できるようになる。
また、複数の印刷ジョブをジョブ毎に各印字手段に振り分けて同時に印刷処理(並列処理)する場合でも、各印字手段により印刷した印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトすることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置において、前記印字手段が設けられた印刷ユニットを複数備え、その複数の印刷ユニットが重ね合わせられて接続されることにより、複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能になることを特徴としている。
請求項9に記載の発明では、印字手段がそれぞれ設けられた複数台の印刷ユニットが重ね合わせられて接続されることにより、複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能になる。これにより、複数台の印刷ユニットを重ね合わせ、又は重ね合わせられた複数台の印刷ユニットから1台以上の印刷ユニットを分離するだけで、プリンタ装置を構成する印刷ユニットの台数を簡単に増減し、印字手段の個数を増減できるので、印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で簡単に調整できるようになる。
また、複数の印刷ジョブをジョブ毎に各印刷ユニットに振り分けて同時に印刷処理(並列処理)する場合でも、各印刷ユニットの印字手段により印刷した印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトすることができる。
本発明のプリンタ装置は上記構成としたので、印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトする割り込み処理が可能となって利便性が向上すると共に、装置の大型化を抑えつつ印刷速度をより向上することができる。
以下、本発明の実施形態に係るプリンタ装置について図面を参照して説明する。
(印刷ユニットの構成)
図1及び図2には本発明の一実施形態に係るプリンタ装置が示され、図3及び図4には本実施形態に係るプリンタ装置に適用される印刷ユニットが示されている。
図3に示されるように、印刷ユニット10は外殻部としてケーシング12を備えており、このケーシング12は、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿って扁平な直方体状に形成されている。ケーシング12には、その底板部13における幅方向(矢印W方向)に沿った一端側(図3では右側、便宜上、この一端側を「先端側」、他端側を「後端側」と呼称する。)にスリット状の給排紙搬入口16が穿設される共に、底板部13における後端側にスリット状の排紙搬入口18が穿設されている。またケーシング12には、その頂板部14における先端側に給排紙搬入口16に正対するようにスリット状の給排紙搬出口17が穿設されると共に、頂板部14における後端側に排紙搬入口18に正対するようにスリット状の排紙搬出口19が穿設されている。
図3に示されるように、ケーシング12内には、底板部13上に上面側が開口した筐体状の給排紙ホッパ20が配置されている。給排紙ホッパ20内には、1枚の記録紙P又は複数枚の記録紙Pが積層された記録紙の束(以下、これを、特に「記録紙P」と区別する必要がある場合には、「紙束B」という。)が収納可能とされている。
また給排紙ホッパ20内には、その底板部に収納した記録紙Pの載置面21が設けられると共に、この載置面21上における先端側に積載板22が配置されており、この積載板22は、後端側の基端部が底板部21に揺動可能に連結されている。これにより、給排紙ホッパ20内に収納された記録紙P(紙束B)は、その後端側の部分が載置面21上に載置されると共に、先端側の部分が積載板22上に載置される。積載板22は、コイルスプリング等の付勢部材24により揺動端側が上方へ付勢されている。
給排紙ホッパ20は、ケーシング12により奥行方向(図4に示される矢印D方向)に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、給排紙ホッパ20は、ケーシング12内の装着位置からケーシング12の側方へ突出する補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して給排紙ホッパに対して記録紙Pを補給し、又は取り出すことが可能になる。
給排紙ホッパ20には、付勢部材24に抗して積載板22を揺動方向に沿って底板部に近接した下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、給排紙ホッパ20の装着位置から補給位置への移動に連動して積載板22を下限位置へ移動させ、また給排紙ホッパ20の補給位置から装着位置への復帰に連動して積載板22を下限位置から解放する。またアクチュエータは、後述する印字部34により画像が記録された記録紙Pを受け入れ収納する際にも、積載板22を下限位置へ拘束し、この記録紙Pの収納完了後に積載板22を下限位置から解放する。
図3に示されるように、給排紙ホッパ20は、幅方向における後端部から先端部へ向って下方へ傾くように支持されている。また給排紙ホッパ20には、載置面21の先端部から上方へ延出する側板部が設けられており、この側板部の内側の面は記録紙Pを所定の格納位置へ位置決めするための位置決め面23とされている。これにより、積載板22が下限位置に拘束された状態で給排紙ホッパ20内へ格納された記録紙Pは、給排紙ホッパ20内における載置面21及び下限位置に拘束された積載板22に沿って給排紙ホッパ20の先端側へ移動し、その先端部が給排紙ホッパ20内で先端側の位置決め面23へ突き当たって所定の格納位置に自動的に位置決めされる。
印刷ユニット10には、給排紙ホッパ20の先端部の上方に円柱状の分離給紙ローラ26が配置されている。この分離給紙ローラ26は、給排紙ホッパ20内に収納され積載板22により上方へ付勢された記録紙P(紙束B)上面の先端側に圧接する。また印刷ユニット10には、分離給紙ローラ26の記録紙Pとの圧接部付近からケーシング12の先端側へ延出すると共に、斜め上方へ向って湾曲したスリット状の第1接続ガイド路28が設けられている。
図3に示されるように、印刷ユニット10内には、第1接続ガイド路28の上方に印字部34が配置されている。この印字部34には、奥行方向と平行な主走査方向(図4に示される矢印S方向)にそれぞれ延在する2本のガイドロッド36,37が設けられると共に、これらのガイドロッド36,37により主走査方向に沿って移動可能に支持されたブロック状のインクジェットヘッド38が設けられている。また印字部34には、記録紙Pに対する画像記録時にインクジェットヘッド38を所定の主走査速度で往復移動させるヘッド駆動機構(図示省略)が設けられている。
図3に示されるように、印字部34には、副走査方向(図4に示される矢印F方向)に沿ってインクジェットヘッド38の上流側及び下流側にそれぞれニップローラ対40及び搬出ローラ対42が配置されると共に、インクジェットヘッド38の下面に対向するように印字ガイド板44が配置されている。この印字ガイド板44は、インクジェットヘッド38の下面との間にスリット状の隙間を形成している。
ニップローラ対40は、記録紙Pに対する画像記録時に、インクジェットヘッド38と印字ガイド板44との間に挿入された記録紙Pを加圧状態で挟持しつつ、所定の副走査速度で下流側へ向かって搬送する。また搬出ローラ対42は、インクジェットヘッド38と印字ガイド板44との間から送り出されてきた記録紙Pを挟持し、この記録紙Pを後述するガイド機構54へ向かって送り出す。ここで、搬出ローラ対42には、そのニップ部を介して下側及び上側にそれぞれ軸支される弾性ローラ50及び拍車ローラ52が設けられている。弾性ローラ50は、その外周層がゴム等の弾性材料により形成されている。また拍車ローラ52には、その外周面に軸方向へ延在する山形の突起部が周方向に沿って連続的に形成されると共に、突起部の表面に撥液性を有するコーティング層が成膜されている。これにより、拍車ローラ52の記録紙Pとの接触面積が極めて小さいものになり、記録紙Pから拍車ローラ52へのインク転移が防止されるので、拍車ローラ52との接触により記録紙Pの画像記録面にインクにじみが発生することが防止される。
ここで、インクジェットヘッド38には、その下面部分に主走査方向に沿って記録すべき画像の画素密度に対応するピッチで配列された複数のノズル(図示省略)が複数列設けられており、これらのノズルと印字ガイド板44との間は、記録紙Pに対してインクジェットヘッド38により画像を記録するための印字位置とされている。インクジェットヘッド38は、ヘッド駆動機構により主走査方向へ移動しつつ、デジタル化された画像情報に基づいて各ノズルからインクを噴射及び噴射停止することで、ニップローラ対40によりインクジェットヘッド38と印字ガイド板44との隙間内を副走査方向へ搬送される記録紙P上に画像情報に対応する画像を形成する。
図3に示されるように、印刷ユニット10内には、副走査方向に沿って印字部34の下流側にガイド機構54が配置されると共に、このガイド機構54の下流側に記録紙Pを一時待機するための排紙バッファ60が配置されている。ガイド機構54には、搬出ローラ対42と排紙バッファ60との間に延在するように支持されたガイド板56が設けられている。ガイド板56は、その先端部を搬出ローラ対42のニップ部付近へ対向させると共に、後端部に設けられた揺動軸57を中心として実線で示されるバッファ搬出位置(第1位置)と2点鎖線で示されるホッパ搬出位置(第2位置)との間で揺動可能とされている。
またガイド機構54には、揺動軸57を介してガイド板56に連結されたロータリアクチュエータ(図示省略)が設けられており、このロータリアクチュエータは、後述する制御部98により駆動制御されてガイド板56をバッファ搬出位置及びホッパ搬出位置の何れかに揺動させる。またガイド機構54には、ガイド板56の先端部に吊下げられるように取り付けられた拍車ローラ58が設けられている。この拍車ローラ58は、搬出ローラ対42における拍車ローラ52と略同一の構造を有している。
ここで、図3に示されるように、ガイド板56がバッファ搬出位置にある場合には、搬出ローラ対42の後側(記録紙排出側)に第1排出路59Aが形成され、搬出ローラ対42から送り出されてきた記録紙Pは、ガイド板56の上面部に接しつつ、この上面部に沿って排紙バッファ60へ第1排出路59Aを通って案内される。またガイド板56がホッパ搬出位置にある場合には、搬出ローラ対42の後側に第2排出路59Bが形成され、搬出ローラ対42から送り出されてきた記録紙Pは、図7(B)〜(C)に示されるように、拍車ローラ58におけるローラ面の下端付近に接しつつ、このローラ面により給排紙ホッパ20内へ第2排出路59Bを通って案内され、搬出ローラ対42から離脱すると共に給排紙ホッパ20内へ収納される。このように、インクジェットヘッド38による画像記録後の記録紙Pの排出経路は、ガイド板56によって第1排出路59A側又は第2排出路59B側へ切り替える。
図3に示されるように、排紙バッファ60は、ガイド機構54における揺動軸57からケーシング12の後端側へ延出する平板状のバッファ板62と、このバッファ板62に沿って配設された第1搬送ローラ対64及び第2搬送ローラ対66とを備えている。これらの搬送ローラ対64,66には、印字部34の搬出ローラ対42と同様に、そのニップ部を介して下側及び上側にそれぞれ軸支される弾性ローラ68及び拍車ローラ70が設けられている。弾性ローラ68は、その外周層がゴム等の弾性材料により形成されている。また拍車ローラ70は、その外周面に軸方向へ延在する山形の突起部が周方向に沿って連続的に形成されると共に、突起部の表面に撥液性を有するコーティング層が成膜されている。これにより、印字部34の搬出ローラ対42による記録紙Pの搬送時と同様に、拍車ローラ70との接触により記録紙Pの画像記録面にインクにじみが発生することが防止される。
印刷ユニット10には、排紙バッファ60の下流側に搬出ローラ対71が配置されると共に、この搬出ローラ対71のニップ部付近からケーシング12の後端側へ延出するスリット状の第2接続ガイド路72が設けられている。
排紙バッファ60は、バッファ搬出位置にあるガイド板56上からバッファ板62上に記録紙Pが搬送されてくると、先ず、この記録紙Pを第1搬送ローラ対64により挟持しつつ、バッファ板62の上面部に沿ってケーシング12の後端側へ搬送し、記録紙Pの先端側を第2搬送ローラ対66のニップ部へ送り込む。このとき、排紙バッファ60は、記録紙Pの画像記録面(図3では上面)に画像を形成したインクが十分に乾燥した後に、記録紙Pがバッファ板62上から搬出ローラ対71へ達するように、必要に応じて搬送ローラ対64,66により記録紙Pをバッファ板62上で搬送停止して保持する。
図3に示されるように、印刷ユニット10内には、その先端部に高さ方向に沿って延在する一対の給排紙ガイド板74,76が一定の間隔を空けて配置されており、この給排紙ガイド板74,76の間には、印刷ユニット10を高さ方向に沿って貫通して、ケーシング12の給排紙搬入口16と給排紙搬出口17とを繋げたスリット状の給排紙ガイド路78が形成されている。この給排紙ガイド路78には、少なくとも下端部及び上端部にそれぞれ搬送ローラ対80が配置されている。また給排紙ガイド路78の中間部には、第1接続ガイド路28の先端部が接続されており、第1接続ガイド路28から給排紙ガイド路78へ送り込まれてきた記録紙Pは、給排紙ガイド路78に沿って給排紙搬出口17側(上側)へ案内される。
印刷ユニット10には、第1接続ガイド路28の上側で給排紙ガイド路78から印字部34側へ分岐する分岐ガイド路84が設けられている。この分岐ガイド路84は、先端部が印字部34のニップローラ対40に面して開口している。また分岐ガイド路84の先端部には、記録紙Pを印字部34へ供給するための給紙ローラ対86が配置されており、この給紙ローラ対86は、分岐ガイド路84内へ送り込まれてきた記録紙Pを印字部34側へ搬出し、記録紙Pのニップローラ対40へ供給する。
図3に示されるように、印刷ユニット10には、給排紙ガイド路78と分岐ガイド路84との分岐部の上側に楔状のガイドレバー88が配置されている。このガイドレバー88には、基端部に回動中心となる支軸部89が設けられており、この支軸部89は、給排紙ガイド板74の内側に配置された軸受部(図示省略)により軸支されている。ガイドレバー88は、実線で示される搬送位置と2点鎖線で示される給紙位置との間で回動可能とされている。またガイドレバー88の支軸部89には、ロータリアクチュエータ(図示省略)が連結されており、このロータリアクチュエータは、後述する印刷ユニット10の制御部98からの制御によりガイドレバー88を搬送位置及び給紙位置の何れかの位置に回動し、保持する。
ここで、給排紙ガイド路78に沿って下方からガイドレバー88に搬送されてきた記録紙Pは、ガイドレバー88が給紙位置にある場合には、ガイドレバー88により給排紙ガイド路78から分岐ガイド路84内へ案内され、またガイドレバー88が搬送位置にある場合には、給排紙ガイド路78に沿って上方へ案内される。
印刷ユニット10では、給排紙ホッパ20内に収納された記録紙Pを印字部34に供給する際には、ガイドレバー88を給紙位置に保持した後、給排紙ホッパ20内の記録紙P(紙束B)に圧接した分離給紙ローラ26を所定量回転させる。これにより、給排紙ホッパ20内からは1枚の記録紙Pが分離され、第1接続ガイド路28内へ送り込まれる。この記録紙Pは、分離給紙ローラ26からの搬送力により第1接続ガイド路28から給排紙ガイド路78内へ送り込まれ、その先端部がガイドレバー88に達すると、図6(A)に示されるように、ガイドレバー88により分岐ガイド路84内へ案内され、分岐ガイド路84を通って給紙ローラ対86に達し、給紙ローラ対86により印字部34のニップローラ対40まで搬送される。
印刷ユニット10では、給排紙ホッパ20内に収納された記録紙Pを後述する排紙ユニット110の排紙トレイ部118へ搬出する際には、ガイドレバー88を搬送位置に保持した後、給排紙ホッパ20内の記録紙P(紙束B)に圧接した分離給紙ローラ26を所定量回転させる。これにより、給排紙ホッパ20内からは1枚の記録紙Pが分離され、第1接続ガイド路28内へ送り込まれる。この記録紙Pは、分離給紙ローラ26からの搬送力により第1接続ガイド路26から給排紙ガイド路78内へ送り込まれ、その先端部がガイドレバー88に達すると、図3に示されるように、ガイドレバー88により給排紙ガイド路78の上部側へ案内され、搬送ローラ対80に達し、この搬送ローラ対80により上段の印刷ユニット10又は排紙ユニット110へ送り出される。
図3に示されるように、印刷ユニット10内には、その後端部に高さ方向へ延在する一対の排紙ガイド板90,92が一定の間隔を空けて配置されており、一対の排紙ガイド板90,92は一定の間隔を空けて互いに対向するように支持されている。この一対の排紙ガイド板90,92の間には、1枚の記録紙Pを後述する排紙ユニット110へ案内するための排紙ガイド路94が形成されている。この排紙ガイド路94は、高さ方向に沿って印刷ユニット10を貫通し、ケーシング12に穿設された排紙搬入口18と排紙搬出口19とを繋げている。また排紙ガイド路94には、その上端部及び下端部に記録紙Pを搬送するための搬送ローラ対96が設けられている。
(プリンタ装置の構成)
図1に示されるように、本実施形態に係るプリンタ装置100は、高さ方向に沿って下側から順に、1台の給紙ユニット160、3台の印刷ユニット10及び1台の排紙ユニット110が積み重ねられて構成されている。ここで、排紙ユニット110は、印刷ユニット10により画像が記録された記録紙Pを受け入れて一時保管するためのものであり、また給紙ユニット160は、記録紙P(紙束B)を収納し、この記録紙Pを各印刷ユニット10における印字部34へ供給するためのものである。
排紙ユニット110は、図3に示されるように、外殻部としてケーシング112を備えており、このケーシング112の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット10のケーシング12と略一致している。図2に示されるように、ケーシング112には、その下面部における先端部及び後端部にそれぞれスリット状の第1受入口116及び第2受入口114がそれぞれ開口している。第1受入口116及び第2受入口114は、排紙ユニット110の下段側に隣接する印刷ユニット10の給排紙搬出口19及び排紙搬出口17にそれぞれ接続される。
ケーシング112の上面部には、複数枚の記録紙Pが積載可能とされた排紙トレイ部118が設けられている。排紙トレイ部118には、幅方向に沿った中央部に略水平に延在する載置面120が設けられると共に、この載置面120の幅方向両端部からそれぞれ略垂直に立ちあがる位置決め面122,124が設けられている。これらの位置決め面122,124の上端側には、スリット状の第1排紙口126及び第2排紙口128がそれぞれ開口しており、ケーシング112内には、第1排紙口126と第1受入口116とを繋ぐ第1受入ガイド路130と、第2排紙口128と第2受入口114とを繋ぐ第2受入ガイド路132とがそれぞれ設けられている。
排紙ユニット110には、第1受入ガイド路130における第1受入口116側の端部に受入ローラ対134が配置されると共に、第1排紙口126側の端部に排紙ローラ対136が配置されている。また排紙ユニット110には、第2受入ガイド路132における第2受入口114側の端部に受入ローラ対138が配置されると共に、第2排紙口128側の端部に排紙ローラ対140が配置されている。
図1に示されるように、排紙トレイ部118の載置面120は、幅方向に沿って両端部から中央部へ向ってなだらかに盛り上がった曲面状とされており、載置面120には、幅方向に沿った中心部と両端部との中央部付近にそれぞれ奥行方向へ延在する2本の溝部142が形成されている。これらの溝部142は、それぞれ奥行方向に沿って載置面120を横断しており、記録紙Pが載置面120上に載置された状態で、記録紙Pと載置面120との間に隙間を形成している。これにより、オペレータが載置面120上から記録紙P(紙束B)を回収する際に、溝部142により形成された隙間内へオペレータが指先を挿入し、指先により記録紙Pを挟持しつつ持ち上げることが可能になる。
また排紙トレイ部118の載置面120は、幅方向に沿った寸法が印刷ユニット10により画像が記録可能な記録紙Pのうち、最大サイズ(例えば、A3サイズ)記録紙Pの全長(長辺寸法)よりも長くされている。具体的には、載置面120の寸法は、最大サイズの記録紙Pの全長に対して1.2〜1.8倍程度に設定されている。
ここで、図5の2点鎖線で示されるように、載置面120には、排紙口126,128を通して排紙トレイ部118へ排出された記録紙Pが載置される領域として一対の載置領域120A及び載置領域120Bが設置されている。一対の載置領域120A,120Bは、載置面120における最も高位となる幅方向の中央位置付近に対し、幅方向に沿って互いに対称的となるように配置されている。一方の載置領域120Aは、幅方向に沿った一端(図5では右端)が位置決め面124に近接し、また他方の載置領域120Bは、幅方向に沿った他端(図5では左端)が位置決め面122に近接している。
図3に示されるように、排紙ユニット110には、排紙ローラ対136及び排紙ローラ対140をそれぞれ駆動するための第1排紙モータ146及び第2排紙モータ148が配置されている。第1排紙モータ146は、減速比が2段階に切り替え可能な変速機付きの第1トルク伝達機構150を介して排紙ローラ対136に連結されており、減速比の切り替えにより排紙ローラ対136を高速及び低速の何れかの速度で選択的に回転可能とされている。
また第2排紙モータ148も、減速比が2段階に切り替え可能な変速機付きの第2トルク伝達機構152を介して排紙ローラ対140に連結されており、減速比の切り替えにより排紙ローラ対140を高速回転及び速度低速回転の何れかの速度で選択的に回転可能とされている。更に、2個の排紙モータ146,148は、それぞれ減速比が固定されたトルク伝達機構(図示省略)を介して受入ローラ対134,138にもそれぞれ連結されており、受入ローラ対134,136を高速でのみ回転可能とされている。
ここで、高速回転する受入ローラ対134及び排紙ローラ対136による記録紙Pの搬送速度は、印刷ユニット10の排紙ガイド路94に配置された搬送ローラ対96による記録紙Pの搬送速度と等しく設定され、また高速回転する受入ローラ対138及び排紙ローラ対140による記録紙Pの搬送速度は、印刷ユニット10の給排紙ガイド路78に配置された搬送ローラ対80による記録紙Pの搬送速度と等しく設定されている。
図1に示されるように、排紙ユニット110は制御部154を内蔵しており、この制御部154は、記録紙Pを排紙トレイ部118へ排紙する際には、プリンタ装置100全体を制御するためのパーソナルコンピュータ、サーバ等の外部の情報処理装置(図示省略)からの制御信号に従って、トルク伝達機構150,152の減速比を切り替えることにより、排紙ローラ対136,140の回転速度を高速及び低速の何れかに切り替える。
図2に示されるように、給紙ユニット160は、外殻部としてケーシング162を備えており、このケーシング162の幅方向及び奥行方向に沿ったサイズは、印刷ユニット10のケーシング12と略一致している。ケーシング162には、その頂板部における先端部にそれぞれスリット状の搬出口164が開口している。この搬出口164は、給紙ユニット160の上段側に隣接する印刷ユニット10の給紙搬入口16に接続される。
給紙ユニット160には、ケーシング162内に複数枚の記録紙Pが積載された紙束Bが収納可能とされたメイン給紙ホッパ180が配置されている。メイン給紙ホッパ180は、上面側が開口した筐体状に形成されており、ケーシング162により奥行方向に沿って装着位置と補給位置との間でスライド可能に支持されている。ここで、メイン給紙ホッパ180は、ケーシング162内の装着位置からケーシング162の側方へ突出する補給位置へスライドすると、上面側の開口部が開放された状態となり、この開口部を通して記録紙P(紙束B)を補給し、又は取り出すことが可能になる。
図1に示されるように、メイン給紙ホッパ180内には、外部から格納された記録紙P(紙束B)が積載される積載トレイ182及び、この積載トレイ182を高さ方向に沿って上方へ付勢する付勢部材184が配置されている。またメイン給紙ホッパ180には、付勢部材184に抗して積載トレイ182を高さ方向に沿って底板部に近接した下限位置に移動させ、拘束するためのアクチュエータ(図示省略)が配置されており、このアクチュエータは、メイン給紙ホッパ180の装着位置から補給位置への移動に連動して積載トレイ182を下限位置へ移動させ、またメイン給紙ホッパ180の補給位置から装着位置への復帰に連動して積載トレイ182を下限位置から解放する。
またケーシング162内には、メイン給紙ホッパ180の上方に分離給紙ローラ186が配置されており、この分離給紙ローラ186は、そのローラ面が積載トレイ182上に積載された紙束B上面の先端部に対向するように支持されている。これにより、給紙ユニット160では、メイン給紙ホッパ180が補給位置から装着位置へスライドし、アクチュエータにより積載トレイ182が下限位置から解放されると、付勢部材184により上方に付勢された積載トレイ182上の紙束Bが所定の圧接力で分離給紙ローラ186に圧接する。
ケーシング162内には、分離給紙ローラ186の紙束Bとの圧接部付近から上方へ向って湾曲しつつ先端側へ延出する搬出ガイド路188が設けられており、この搬出ガイド路188の先端は搬出口164に繋がっている。搬出ガイド路188には、搬出口164側の先端部に搬出ローラ対176が配置されている。これにより、分離給紙ローラ186が所定量回転すると、分離給紙ローラ186により積載トレイ182上の紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、この記録紙Pの先端側が搬出ガイド路188内へ送り込まれ、搬出ローラ対176に達する。
なお、メイン給紙ホッパ180内に配置される積載トレイ182は1個に限定されず、複数個の積載トレイ182をメイン給紙ホッパ180内にそれぞれ配置し、複数個の積載トレイ182にそれぞれ異なる種類の記録紙Pを積載するようにしても良い。この場合には、例えば、複数の積載トレイ182を上下方向に加えて、前後方向(幅方向)に移動させる機構を設け、複数の積載トレイ182の何れかに積載された紙束Bを選択的に分離給紙ローラ186に圧接させることで、複数種類の記録紙Pから選択された1種類の記録紙Pを搬出ガイド路188内へ送り込むことが可能になる。
また、本実施形態に係る印刷ユニット10のケーシング12には、その頂板部14に上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられると共に、底板部13にガイド突起に対応する凹状のガイド受部(図示省略)が設けられている。また排紙ユニット110の下面部には、ガイド突起に対応する凹状のガイド受部(図示省略)が設けられている。給紙ユニット160のケーシング162にも、印刷ユニット10のケーシング12と同様に、その頂板部に上方へ突出するガイド突起(図示省略)が設けられると共に、底板部にガイド突起に対応する凹状のガイド受部(図示省略)が設けられている。
ここで、ガイド突起は、印刷ユニット10及び給紙ユニット160にそれぞれ少なくとも2個ずつ設けられ、ガイド受部は、ガイド突起に対応するように印刷ユニット10、給紙ユニット160及び排紙ユニット110にそれぞれ少なくとも2個ずつ設けられている。
図1に示されるように、給紙ユニット160、印刷ユニット10及び排紙ユニット110が積み重ねられてプリンタ装置100が構成されている状態では、印刷ユニット10及び給紙ユニット160にそれぞれ設けられたガイド突起は、上段側の給紙ユニット160、印刷ユニット10又は排紙ユニット110のガイド受部に嵌挿される。これにより、給紙ユニット160、印刷ユニット10及び排紙ユニット110は、幅方向及び奥行方向に沿って互いに一致するように位置決めされると共に、ユニット10,110,160間での移動が拘束されて一体化される。
なお、プリンタ装置100を構成する印刷ユニット10及び給紙ユニット160は、それぞれ制御部98及び制御部194を備え、また排紙ユニット110も、前述したように制御部154を備えている。プリンタ装置100では、各印刷ユニット10の制御部98の間は相互にデータ通信が可能になるように電気的に接続される。また給紙ユニット160及び排紙ユニット110の制御部154,194は、それぞれ少なくとも1台の印刷ユニット10における制御部98に電気的に接続される。
印刷ユニット10、給紙ユニット160及び排紙ユニット110の制御部98,154,194間を電気的に接続するためには、例えば、各印刷ユニット10、給紙ユニット160及び排紙ユニット110にそれぞれケーブル及びソケットを設けて、ケーブル先端に配置されたプラグを他の印刷ユニット10、給紙ユニット160又は排紙ユニット110のソケットに差し込むことにより電気的に接続しても良く、またガイド突起及びガイド受部の少なくとも1個ずつをそれぞれ互いに適合するプラグ及びソケットとして構成し、給紙ユニット160、印刷ユニット10及び排紙ユニット110を所定の順番で積み重ねることにより、プラグとしてのガイド突起をソケットとしてのガイド受部に差し込むことにより制御部98,154,194間を電気的に接続しても良い。
図1に示されるように、プリンタ装置100では、3台の印刷ユニット10が幅方向に沿って同一方向を向いた状態で、給紙ユニット160上に積み重ねられている。従って、互いに隣接する印刷ユニット10間では、その給排紙ガイド路78同士が接続されると共に、排紙ガイド路94同士が接続される。またプリンタ装置100では、最上段の印刷ユニット10における給排紙ガイド路78及び排紙ガイド路94が排紙ユニット110における受入ガイド路132及び受入ガイド路130にそれぞれ接続され、最下段の印刷ユニット10における給排紙ガイド路78が給紙ユニット160における搬出ガイド路188に接続される。これにより、プリンタ装置100には、幅方向に沿った後端部(図1の左側端部)に排紙ガイド路94及び受入ガイド路130が接続されて1本の第1通紙経路190が構成されると共に、先端部に搬出ガイド路188、給排紙ガイド路78及び受入ガイド路132が接続されて1本の第2通紙経路192が構成される。
本実施形態に係るプリンタ装置100は、以上説明したように、1台の給紙ユニット160上に、複数台(本実施形態では、3台)の印刷ユニット10と、1台の排紙ユニット110が積み重ねられて構成されている。これにより、プリンタ装置100を構成する印刷ユニット10及び排紙ユニット110は、図2に示されるように、上段側の印刷ユニット10又は排紙ユニット110を上方へ持ち上げるだけで、簡単に下段側の印刷ユニット10又は給紙ユニット160から分離できる。従って、プリンタ装置100では、印刷ユニット10又は排紙ユニット110を下段側の印刷ユニット10又は給紙ユニット160から分離した状態とすれば、装置を構成する印刷ユニット10を簡単に4台以上に増設でき、あるいは装置を構成する複数台(本実施形態では、3台)の印刷ユニット10を1台まで減少できる。この結果、プリンタ装置100では、装置を構成する印刷ユニット10の台数を簡単に増減でき、印刷ユニット10の台数を増減することにより、装置全体としての印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で調整できるようになっている。
なお、本実施形態に係るプリンタ装置100は、最小構成として、1台の印刷ユニット10及び1台の排紙ユニット110を備えれば、記録紙Pに対して画像を記録し、この記録紙Pを排紙ユニット110の排紙トレイ部118上に積載するという機能を奏し得る。
また、本実施形態のプリンタ装置100には、1台の印刷ユニット10で、先に入力された印刷ジョブの処理中に他の印刷ジョブが入力された場合に、その割り込み処理を実施可能とする割り込みモード、及び、1つの印字部34(インクジェットヘッド38)により複数枚の記録紙Pに対して連続的に画像記録を行う場合に、記録紙Pに記録する画像密度(印字密度)に応じて記録紙Pの排出経路を切り替えることで印刷速度の低下を抑える速度優先モードが用意されており、これらのモードは、プリンタ装置100の初期設定によって設定及び解除できるようにされている。
(プリンタ装置の動作)
次に、上記のように構成された本実施形態に係る印刷ユニット10及びプリンタ装置100による記録紙Pに対する記録動作について説明する。
なお、プリンタ装置100では、印刷ユニット10の制御部98がパーソナルコンピュータ、サーバ等の外部の情報処理装置(図示省略)とネットワークを介して接続されており、この情報処理装置から印字命令及び画像情報を含む印刷ジョブが入力すると、この印刷ジョブに従って少なくとも1台の印刷ユニット10が記録紙Pに対する画像の記録動作を開始する。
ここで、複数台の印刷ユニット10における制御部98を並列的に情報処理装置に接続しても良く、また複数の制御部98の何れか1個をメインの制御部98として構成し、このメインの制御部98のみを情報処理装置に接続し、このメインの制御部98を通して他の印刷ユニット10の制御部98等へ各種情報を出力するようにしても良い。またメインの制御部98については、他の制御部98とは情報の処理速度、記憶容量等の性能及び機能が異なるものとしても良い。
なお、本実施形態のプリンタ装置100では、印字命令及び画像情報を含む印刷ジョブが時間を空けて複数回に亘って入力すると、3台の印刷ユニット10による記録紙Pに対する記録回数が可能なかぎり平準化するように、各印刷ユニット10を所定の順番で巡回的に作動させる。またプリンタ装置100では、複数の印刷ジョブが一時期に入力した場合等には、可能な限り複数台の印刷ユニット10を同時に作動させ、複数台の印刷ユニット10により複数枚の記録紙Pに並列的に画像を形成させる。このとき、複数台の印刷ユニット10により記録紙Pに記録する画像は、印刷ユニット10毎に異なったものでも、同一のものでも良い。
プリンタ装置100では、情報処理装置からの印刷ジョブが入力すると、少なくとも1台の印刷ユニット10が作動して記録紙Pに対する画像形成を開始する。このとき、作動状態となる印刷ユニット10の印字部34へは、給紙ユニット160から記録紙Pを供給する場合と、作動状態となる印刷ユニット10の給排紙ホッパ20から記録紙Pを供給する場合とがあるが、先ず、給排紙ホッパ20から印字部34へ記録紙Pを供給し画像を記録する場合について説明する。
作動状態となる印刷ユニット10では、印刷ジョブの入力に同期して、先ず、分離給紙ローラ26が回転すると共に、ガイドレバー88が給紙位置に回動する。これにより、分離給紙ローラ26により給排紙ホッパ20内に収納された紙束Bから記録紙Pが1枚分離され、この記録紙Pは、分離給紙ローラ26からの搬送力により第1接続ガイド路28、給排紙ガイド路78及び分岐ガイド路84を通って給紙ローラ対86へ搬送される。給紙ローラ対86は、給排紙ホッパ20から送られてきた記録紙Pを挟持しつつ回転して、この記録紙Pを印字部34のニップローラ対40へ搬送する。
ニップローラ対40は、記録紙Pを挟持しつつ所定の回転速度で回転して、記録紙Pを印字部34におけるインクジェットヘッド38と印字ガイド板44との間に挿入する。印字ガイド板44に沿って搬送される記録紙Pは、ニップローラ対40によりインクジェットヘッド38と印字ガイド板44との間を所定の副走査速度で搬送される。
インクジェットヘッド38は、記録紙Pの副走査方向への移動に連動し、主走査方向へ移動しつつ複数のノズルから画像情報に基づいて選択的にインクを噴射又は噴射停止し、記録紙Pの表面上にインク液滴を噴射してインクにより画像を形成する。この記録紙Pは、その先端側の部分がインクジェットヘッド38と印字ガイド板44との間から抜け出ると、搬出ローラ対42により挟持され、搬出ローラ対42によりガイド機構54へ送り出される。このとき、ガイド機構54におけるガイド板56は、バッファ搬出位置(図3の実線で示される位置)に保持されており、このガイド板56により記録紙Pは排紙バッファ60のバッファ板62上へ案内される。バッファ板62上へ搬送された記録紙Pは、第1搬送ローラ対64及び第2搬送ローラ対66により順次、挟持され、搬送ローラ対64,66によりバッファ板62の上面部に沿って搬出ローラ対71側へ搬送される。
排紙バッファ60では、記録紙Pに画像を形成したインクの乾燥時間に応じて、搬出ローラ対71の手前で記録紙Pをバッファ板62上に保持する時間を調整する。具体的には、搬送ローラ対64,66により記録紙Pを停止することなく所定の搬送速度で搬送したならば、画像記録の完了から記録紙Pが搬出ローラ対71に達するまでの時間がインクの乾燥時間よりも不足する場合には、この不足する時間以上の停止時間に亘って記録紙Pをバッファ板62上で一旦停止させた後、記録紙Pをバッファ板62上から搬出ローラ対71へ送り出す。これにより、搬出ローラ対71との接触により記録紙Pにインクの滲みが発生することが防止されると共に、搬出ローラ対71を介して先行する記録紙Pから後続する記録紙Pへインクが転写されることが防止される。
搬出ローラ対71は、図3に示されるように、第2接続ガイド路72を通して画像記録済み記録紙Pを排紙ガイド路94内へ送り出し、記録紙Pの先端側を排紙ガイド路94に沿って上方へ搬送する。この記録紙Pは、第1通紙経路190に配置された搬送ローラ対96により排紙ユニット110の第1受入ガイド路130内へ送り出される。排紙ユニット110では、記録紙Pが受入ローラ対134により第1排紙口126側へ搬送され、その先端部が排紙ローラ対136に達すると、排紙ローラ対136により第1排紙口126を通して排紙トレイ部118へ排出される。このとき、排紙ユニット110は、記録紙Pが受入ローラ対134及び排紙ローラ対136の双方に挟持されている状態では、排紙ローラ対136を高速で回転させる。
排紙ユニット110の制御部154は、記録紙Pの後端部が受入ローラ対134から離脱すると、記録紙Pを載置すべき載置領域120A,120Bに応じて、排紙ローラ対136の回転速度を高速又は低速の何れかに選択的に制御する。具体的には、制御部154は、記録紙Pを載置領域120A上に載置する場合には、記録紙Pの受入ローラ対134からの離脱後も、排紙ローラ対136の回転速度を高速に維持する。これにより、記録紙Pは、図3の2点鎖線で示されるように、排紙ローラ対136から離脱するまでは、載置面120の上方を片持ち状態で移動し、排紙ローラ対136からの離脱後も、排出方向へ移動して先端部が位置決め面124に当接する。位置決め面124に当接した記録紙Pは、位置決め面124に沿って略真下に落下し、載置面120の載置領域120A(図5参照)上に載置される。
また制御部154は、記録紙Pを載置領域120Bに載置する場合には、記録紙Pが受入ローラ対134から離脱した後に、排紙ローラ対136の回転速度を高速から低速に変化させる。これにより、記録紙Pは、図3の実線で示されるように、排紙ローラ対136から離脱した直後に、位置決め面122に沿って略真下に向って落下し、載置面120の載置領域120B(図5参照)上に載置される。
次に、給紙ユニット160から作動状態となる1台の印刷ユニット10の印字部34へ記録紙Pを供給し画像を記録する場合について説明する。
印刷ジョブを受けて画像記録を行う、すなわち作動状態となる印刷ユニット10の制御部98は、情報処理装置からの印刷ジョブの内容、給排紙ホッパ20内の記録紙Pの残量、種類等に応じて、給紙ユニット160からの記録紙Pの給紙が必要と判断し、かつ給紙ユニット160から給紙が可能と判断した場合に、給紙ユニット160の制御部194に対して記録紙Pの給紙を要求する。これと共に、この制御部98は、作動状態となる印刷ユニット10におけるガイドレバー88を給紙位置へ回動させると共に、他の印刷ユニット10におけるガイドレバー88を搬送位置へ回動させる。
次いで、制御部98は、第2通紙経路192に配置された各搬送ローラ対80をそれぞれ所定の搬送方向へ回転開始させると共に、給紙ユニット160の制御部194に給紙開始信号を出力する。この給紙開始信号を受けた給紙ユニット160の制御部194は、分離給紙ローラ186を所定量回転させる。これにより、メイン給紙ホッパ180の積載トレイ182上に積載された紙束Bから1枚の記録紙Pが分離され、搬出ガイド路188内へ送り込まれる。この記録紙Pは、その先端側が搬出ガイド路188を通って給排紙ガイド路78内へ送り込まれ、給排紙ガイド路78の配置された搬送ローラ対80により第2通紙経路192に沿って上方へ搬送される。この記録紙Pは、作動状態となる印刷ユニット10における給排紙ガイド路78と分岐ガイド路84との分岐部まで搬送されると、図6(A)に示されるように、ガイドレバー88により給排紙ガイド路78内から分岐ガイド路84内へ案内される。
ガイドレバー88により分岐ガイド路84内へ案内された記録紙Pは、搬送ローラ対80からの搬送力により給紙ローラ対86へ達する。給紙ローラ対86は、給紙ユニット160から送られてきた記録紙Pを印字部34のニップローラ対40へ搬送する。この記録紙Pは、給排紙ホッパ20から送られてきた記録紙Pと同様に、印字部34のインクジェットヘッド38により上面側の記録面に画像が記録された後、図6(B)に示されるように、搬出ローラ対42によりガイド機構54へ送り出される。そして、印刷ユニット10の制御部98は、給排紙ホッパ20から記録紙Pを印字部34へ給紙した場合と同様に、搬出ローラ対42によりガイド機構54へ送り出された記録紙Pを、図6(C)〜(D)に示されるように、排紙バッファ60を介して第1通紙経路190へ送り出し、排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出する。
次に、本実施形態のプリンタ装置100に設けられた割り込みモードを用いての割り込み処理について、図8に示されるフローチャートを用いて説明する。なお、この割り込みモードは、1台の印刷ユニット10で、先に入力された印刷ジョブの処理中に他の印刷ジョブが入力された場合に、その割り込み処理を実施可能とするものである。
前述したように、割り込みモードの設定及び解除はプリンタ装置100の初期設定によって行い、これについては、図8のステップ200で、ユーザがパーソナルコンピュータを操作し、モニタに表示させた初期設定の入力画面から行う。ここで、割り込みモードを実施可能に設定する場合は、初期設定の入力画面から、プリンタ装置100の印字動作中に許可する印刷枚数(以下、これを「割り込み対象枚数」と呼ぶ。)を入力することにより行う。なお、割り込み対象枚数(IN)はユーザが任意に指定できるものであり、ここでは、割り込み対象枚数を20枚(IN=20)に設定した場合を例に説明する。
初期設定による割り込みモードの設定後に、ステップ202で、ユーザがプリントしたい文書ファイルや画像ファイル等の印刷を開始するための操作を行うと、ステップ204で、そのファイルの印字命令及び画像情報を含む印刷ジョブAがネットワークを介してプリンタ装置100に入力される。続くステップ206で、プリンタ装置100に入力された印刷ジョブAを3台の印刷ユニット10にどのように振り分けるか判断する。ここで、印刷ジョブAを1台の印刷ユニット10によって処理する判断が下されると、ステップ208で、印刷ジョブAが割り当てられた印刷ユニット10の制御部98は、印刷ジョブAの印刷枚数(AN)が初期設定で設定された割り込み対象枚数(IN)以上であるか否かを判断する。例えば、印刷ジョブAの印刷枚数が5枚(AN=5)の場合には、印刷枚数が割り込み対象枚数よりも少ないため(AN<IN)、否定判定されてステップ210へ移行する。また、印刷ジョブAの印刷枚数が30枚(AN=30)の場合には、印刷枚数が割り込み対象枚数以上であるため(AN≧IN)、肯定判定されてステップ214へ移行する。
ステップ210では、割り込み処理を受け付けない条件で通常の印刷処理を行う。この印刷処理は、上述した給排紙ホッパ20及びメイン給紙ホッパ180の少なくとも一方から印字部34へ記録紙Pを供給することにより画像記録を行う。画像記録済みの記録紙Pは、ステップ212で、上述したように排紙バッファ60を経由して第1通紙経路190へ送り出し、排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出する。そして、印刷ジョブAの全印刷枚数の画像記録を終えると(全5枚)、この印刷ユニット10による印刷処理を終了する。
一方、ステップ214では、印刷ユニット10の印字動作中に他の印刷ジョブが入力された場合のその割り込み処理を許可するか否かの設定を行う。ここで、パーソナルコンピュータのモニタには、割り込み処理の可否を設定する入力画面が自動で表示される。ユーザは、その入力画面から割り込み処理の可否の設定を入力する。
割り込み処理の可否が入力されると、ステップ216で、割り込み処理の設定内容が判断される。ここで、割り込み処理を許可しない設定にされた場合には、ステップ210へ移行し、割り込み処理を受け付けない条件で通常の印刷処理を行う(全30枚)。また、割り込み処理を許可する設定にされた場合には、ステップ218へ移行し、割り込み処理を受け付ける条件での印刷処理を行う。この印刷処理は、メイン給紙ホッパ180から印字部34へ記録紙Pを供給して画像記録を行うと共に、先に入力された印刷ジョブAの画像記録済みの記録紙Pは、給排紙ホッパ20を介して第2通紙経路192へ送り出し、排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出し、また、割り込み処理を行う印刷ジョブBの画像記録済みの記録紙Pは、排紙バッファ60を介して第1通紙経路190へ送り出し、排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出するものである。以下、その詳細を説明する。
印刷ジョブAの印刷処理を行う印刷ユニット10の制御部98は、ステップ214で、割り込み処理を許可する設定がなされると、ガイド機構54におけるガイド板56をホッパ搬出位置(図3の2点鎖線で示される位置)へ回動させて記録紙Pの排出経路を第2排出路59B側へ切り替えると共に、給排紙ホッパ20の積載板22を下限位置へ揺動させ、さらに、給紙ユニット160の制御部194に対して記録紙Pの給紙を要求する。
図7(A)に示されるように、給紙ユニット160から第2通紙経路192(給排紙ガイド路78)を通して印刷ジョブAの印刷処理を行う印刷ユニット10に記録紙Pが供給されると、この印刷ユニット10では、印刷ジョブAに基づき制御部98に制御された印字部34のインクジェットヘッド38が記録紙Pの上面側に画像を記録する。そして、この記録紙Pは、搬出ローラ対42によりガイド機構54へ送り出されると、図7(B)に示されるように、画像記録面(上面)に拍車ローラ58が回転接触し、この拍車ローラ58によって第2排出路59Bへ案内され、搬出ローラ対42から離脱すると、図7(C)に示されるように、給排紙ホッパ20内へ収納される。
このとき、記録紙Pは、給排紙ホッパ20の載置面21上に載置されると共に、載置面21又は積載された記録紙P上を搬出ローラ対42による搬出方向とは反対のスライド方向へ自重により生じる分力の作用によりスライドし、その長さ方向に沿った端部(この場合、記録紙Pの後端部)が位置決め面23と当接する。また給排紙ホッパ20内には、装置の奥行方向へ移動可能に支持された位置決め板(図示省略)が設けられており、この位置決め板は、記録紙Pの幅に応じて奥行方向へ位置調整され、給排紙ホッパ20内へ収納されスライド方向へスライドする記録紙Pを幅方向に沿って所定の位置へ位置決めする。これにより、給排紙ホッパ20内へ収納された記録紙Pは位置決め面23及び位置決め板を基準とする所定の格納位置へ自動的に位置決めされる。
以降、この図7(A)〜(C)の動作を繰り返すことにより、印刷ジョブAにおける画像記録済みの記録紙Pは継続して給排紙ホッパ20内へ排出され蓄積される(ステップ220)。
また、印刷ユニット10の制御部98は、上記の印刷ジョブAの印刷処理中に他の印刷ジョブBの入力についても監視しており(ステップ222)、印刷処理中に印刷ジョブBが入力されない場合には、ステップ224へ移行し、印刷ジョブAの全印刷枚数について記録紙Pに対する画像記録を行い(全30枚)、その印刷処理の終了後に、画像記録済みの記録紙P(印刷物)を給排紙ホッパ20から排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出する。
この排出では、印刷ユニット10の制御部98は、図7(D)に示されるように、ガイドレバー88を搬送位置へ回動させると共に、給排紙ホッパ20の積載板22を下限位置から解放して分離給紙ローラ26を所定量だけ回転させる。これにより、給排紙ホッパ20内に蓄積された画像記録済みの記録紙Pが1枚分離され、この記録紙Pは、第1接続ガイド路28を通じて第2通紙経路192の一部を構成する給排紙ガイド路78へ送り出される。さらに記録紙Pは、搬送位置にあるガイドレバー88により上方へ案内され、搬送ローラ対80により第2通紙経路192に沿って排紙ユニット110の第2受入ガイド路132内へ送り込まれる(図1及び図3参照)。排紙ユニット110は、第2受入ガイド路192内へ送り込まれてきた記録紙Pを、第2排紙口128を通して排紙トレイ部118上へ排紙する。この排出時に、排紙ローラ対140による排出速度が低速又は高速に制御されることより、記録紙Pが載置面120における載置領域120A,120Bの一方に選択的に載置される。
一方、ステップ222で、印刷ジョブAの印刷処理中に、例えば印刷枚数3枚の印刷ジョブBが入力された場合には、ステップ226へ移行し、印刷ジョブBの印刷を優先的に行う割り込み処理を実施する。この割り込み処理は、本実施形態では、印刷ジョブAと印刷ジョブBの画像記録を交互に行うようにしている。
印刷ユニット10の制御部98は、印刷ジョブAの印刷処理中に印刷ジョブBが入力されると、その入力時点での画像記録中の記録紙Pに対する画像記録を終えて給排紙ホッパ20へ排出した後に、ガイド機構54におけるガイド板56をバッファ搬出位置(図3の実線で示される位置)へ回動させ記録紙Pの排出経路を第1排出路59A側へ切り替える(図6(A)参照)。これと共に、次に供給された記録紙Pに対しては、印刷ジョブBに基づき制御部98が印字部34のインクジェットヘッド38を制御して印刷ジョブBの1枚目の画像記録を行う。そして、この記録紙Pは、搬出ローラ対42によりガイド機構54へ送り出されると、ガイド板56によって第1排出路59Aへ案内され(図6(B)参照)、排紙バッファ60を介して第1通紙経路190へ送り出され(図6(C)〜(D)参照)、排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出される。
続いて、この印刷ジョブBの画像記録済みの記録紙Pを排紙バッファ60へ排出した後には、ガイド板56をホッパ搬出位置へ回動すると共に、次に供給された記録紙Pに対しては、印刷ジョブAの続きの画像記録を行い、その印刷ジョブAの画像記録済みの記録紙Pを給排紙ホッパ20へ排出する。
以降、この動作を繰り返すことにより、給排紙ホッパ20内には、印刷ジョブAの印刷物のみが蓄積され、また、排紙ユニット110の排紙トレイ部118上には、印刷ジョブBの印刷物のみが蓄積される。また、印刷ジョブA,Bの何れかが先に全印刷枚数を印刷終了した場合には、印刷が残っている印刷ジョブの残りの枚数を連続して印刷処理する。
そして、印刷ジョブBの全印刷枚数の画像記録を終えると(全3枚)、印刷ジョブBの割り込み処理は終了し、また、印刷ジョブAの全印刷枚数の画像記録を終えると(全30枚)、印刷ジョブAの印刷処理は終了する。最後に、給排紙ホッパ20内に収納された印刷ジョブAの印刷物を、第1接続ガイド路28及び第2通紙経路192を通して排紙ユニット110の排紙トレイ部118へ排出する。これにより、印刷ジョブAの印刷物は、先に排出された印刷ジョブBの印刷物の上に重ねて蓄積される。なお、印刷ジョブA,Bの各印刷物は、排紙トレイ部118の載置面120における載置領域120A,120Bの何れか一方にまとめて排出する、又は、載置領域120A,120Bに分けて排出することが可能であり、この排出箇所の選択については、初期設定時に設定できるようにしてもよい。
次に、本実施形態のプリンタ装置100に設けられた速度優先モードを用いての印刷処理について説明する。
前述したように、速度優先モードの設定及び解除はプリンタ装置100の初期設定によって行い、これについては、割り込みモードの場合と同様に、ユーザがパーソナルコンピュータを操作し、モニタに表示させた初期設定の入力画面から行う。
初期設定によりプリンタ装置100に速度優先モードが設定されると、印刷枚数が複数枚の印刷ジョブが入力された印刷ユニット10では、その複数枚の記録紙Pへの画像記録において、記録紙Pに記録する画像密度が予め設定された閾値よりも低く、インクの乾燥時間が短くてよい場合には、給排紙ホッパ20及びメイン給紙ホッパ180の少なくとも一方から印字部34へ記録紙Pが供給されて連続的に画像記録が行われると共に、記録紙Pの排出経路が第1排出路59A側に設定されて、画像記録済みの記録紙Pは第1排出路59Aへ排出される。そしてこの記録紙Pは、排紙バッファ60を経由して、排紙ユニット110の排紙トレイ部118へ連続的に排出される(図6参照)。
一方、複数枚の記録紙Pへの画像記録において、画像密度が予め設定された閾値よりも高く、インクの乾燥時間が長くなる場合には、メイン給紙ホッパ180から印字部34へ記録紙Pが供給されて画像記録が行われると共に、制御部98によりガイド板56が駆動制御されて、記録紙Pの排出経路が第1排出路59A側及び第2排出路59側Bへ交互に切り替えられ、画像記録済みの記録紙Pは第1排出路59A及び第2排出路59へ交互に排出される(図6及び図7参照)。さらに、第1排出路59Aを通って排紙バッファ60へ排出された記録紙Pは、排紙バッファ60上で所定時間待機した後に排紙ユニット110の排紙トレイ部118へ排出され、第2排出路59Bを通って給排紙ホッパ20へ排出された記録紙Pは、給排紙ホッパ20内で所定時間待機した後に排紙ユニット110の排紙トレイ部118へ排出され、この排紙トレイ部118への排出も、画像記録順に、排紙バッファ60経由の記録紙P及び給排紙ホッパ20経由の記録紙Pが交互に行われる。また、記録紙Pは全て、排紙トレイ部118の載置面120における載置領域120A,120Bの何れか一方にまとめて排出される。
これにより、例えば、高画像密度で4枚の画像記録が行われる場合には、第1排出路59A側へ排出された1枚目の記録紙Pは、2枚目の記録紙Pが給排紙ホッパ20へ排出され、少なくとも3枚目の記録紙Pが排紙バッファ60へ排出される直前まで排紙バッファ60上に待機することができる。また、第2排出路59B側へ排出された2枚目の記録紙Pは、3枚目の記録紙Pが排紙バッファ60へ排出され、給排紙ガイド路78を通して印字部34へ供給される4枚目の記録紙Pがガイドレバー88付近に至る前に、ガイドレバー88の上方へ搬送されるタイミングで給排紙ホッパ20内から排出させればよく、それまでの間は給排紙ホッパ20内に待機することができる。また、排紙トレイ部118に排出された印刷物は、ページ順、各ページの印刷面の向き(下向き)及び上下方向が全て揃った状態で1箇所にまとめられて集積される。
次に、以上説明した本実施形態に係るプリンタ装置100の作用について説明する。
本実施形態に係るプリンタ装置100では、1台の印刷ユニット10で、先に入力された印刷ジョブAの処理中に他の印刷ジョブBが入力された場合には、制御部98は、印刷ジョブAの印刷枚数(割り込み対象枚数)に応じて印刷ジョブBの割り込み処理を許可し、その割り込み処理の実施においてはガイド機構54のガイド板56を駆動制御して印刷ジョブ毎に記録紙Pの排出経路を第1排出路59A側又は第2排出路59B側へ切り替える。そして、第2排出路59Bを通し、給排紙ホッパ20内へ排出した印刷ジョブAの印刷物は、第1排出路59Aを通して先に排紙ユニット110の排紙トレイ部118上へ排出した印刷ジョブBの印刷物の上に重ねて排出することにより、印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトする割り込み処理が可能になる(割り込みモード)。したがって、プリントアウトされた印刷物をユーザがジョブ毎に仕分けて揃え直す必要はなくなり、プリンタ装置100の利便性が向上する。また、画像記録済みの記録紙Pを複数箇所へ排出するために、給排紙ホッパ20に排出部としての機能も持たせていることにより、記録紙Pの排出専用となる排出部を複数設ける場合に比べて装置全体の大型化を抑制できる。また、本実施形態のように、インクジェット方式のプリンタ装置100では、割り込み処理における印刷ジョブA,Bの画像記録を交互に行い、画像記録済みの記録紙Pを印刷ジョブ毎に第1排出路59A及び第2排出路59Bへ交互に振り分けて排出することにより、記録紙Pのインク乾燥時間を確保しつつ、印刷速度の向上を図ることができる。
また、本実施形態のプリンタ装置100では、プリンタ装置100を使用するユーザが割り込み処理の可否を変更することができ、また、割り込み処理を許可(実施可能に)した場合には、ユーザにより予め設定された、印刷ジョブAの割り込み対象枚数に応じて、印刷ジョブAの印刷処理中に入力された印刷ジョブBの割り込み処理の実施が自動判断される。これらの設定を印刷ジョブの緊急度等に応じて変更することにより、効率のよい印刷処理が可能になる。
また、本実施形態の印刷ユニット10では、給排紙ホッパ20から排紙ユニット110の排紙トレイ部118へ記録紙Pを案内するための第1接続ガイド路28及び給排紙ガイド路78(上部側)によって構成される排出路(第3排出路)を、給排紙ホッパ20から印字部34へ記録紙Pを案内するための第1接続ガイド路28、給排紙ガイド路78(中間部)、及び分岐ガイド路84によって構成される供給路と一部共有して設けていることにより、供給路を通して行う給排紙ホッパ20から印字部34への記録紙Pの供給に加え、上記排出路を通して行う給排紙ホッパ20から排紙トレイ部118への記録紙Pの排出が可能になる。そして、制御部98によってガイドレバー88を駆動制御し、画像記録前の記録紙Pを給紙ユニット160のメイン給紙ホッパ180から印字部34へ供給する場合には記録紙Pの搬送経路を供給路側(給紙位置)へ切り替え、また、画像記録済みの記録紙Pを給排紙ホッパ20から排紙トレイ部118へ排出する場合には記録紙Pの搬送経路を上記排出路側(搬送位置)へ切り替えることにより、給排紙ホッパ20へ排出された画像記録済みの記録紙P(印刷ジョブAの印刷物)を排紙トレイ部118へ自動で排出できるようになる。さらに、この印刷ジョブAの印刷物の自動排出は、第1排出路59Aを通して排紙トレイ部118へ直接排出される印字ジョブBの印刷物の排出が終了してから行うことにより、同一の排紙トレイ部118へ排出された印刷ジョブA,Bの各印刷物は、印刷ジョブ毎に分けられた状態で集積される。これにより、ユーザが排紙トレイ部118からまとめて取り出した印刷物を印刷ジョブ毎に容易に仕分けられるようになり、プリンタ装置の利便性が更に向上する。
また、上記排出路を供給路と独立して設ける場合には、排出路の占有スペースが大きくなると共に、供給部から排出路へ記録紙Pを送り出すための専用の排出手段等も必要になるが、排出路を供給路と一部共有した構成であることにより、排出路の占有スペースを縮小することができ、さらに記録紙Pの搬送経路を供給路側又は排出路側へ切り替え可能とすることで、専用の排出手段等を別途設けなくても、分離給紙ローラ26によって送り出された記録紙Pを排出路側へも搬送できるようになる。これにより、印刷ユニット10及びプリンタ装置100が大型化することを抑制できる。
また、本実施形態では、先に入力された印刷ジョブAにより画像が記録された記録紙Pは第2排出路59Bを通して給排紙ホッパ20へ排出し、給排紙ホッパ20から排紙トレイ部118への自動排出は、印刷ジョブAによる画像記録が全て終了し、給排紙ホッパ20に印刷物が揃ってからまとめて行い、印刷ジョブAの処理中に他の印刷ジョブBの割り込み処理を実施する場合には、印刷ジョブBにより画像が記録された記録紙Pは第1排出路59Aを通して排紙トレイ部118へ排出し、印刷ジョブAの印刷物は、この印刷ジョブBの印刷物の排出後に、給排紙ホッパ20から排紙トレイ部118へ自動排出することにより、通常は緊急で印刷物を得たい場合に行う割り込み処理について、その割り込み処理(印刷ジョブB)による印刷物を迅速に印刷しプリントアウトすることができる。
また、本実施形態では、入力された印刷ジョブに基づいて印字部34により複数枚の記録紙Pに対して連続的に画像記録を行う場合には、制御部98が記録紙Pに記録する画像密度に応じてガイド機構54のガイド板56を駆動制御し記録紙Pの排出経路を切り替えることにより(速度優先モード)、記録紙Pに記録されたインクの乾燥時間を確保しつつ、印刷速度の低下を抑えた効率のよい印刷処理を行うことができる。
また、本実施形態では、印字部34により画像が記録されて排紙トレイ部118へ排出される記録紙Pを、第1排出路59A側の排出経路に設けた排紙バッファ60で一時待機可能とすることにより、インクジェット方式のプリンタ装置100においては、その画像記録済みの記録紙Pをインク乾燥後に排紙トレイ部118へ向けて排出することができる。これにより、排出時に記録紙Pの画像記録面が排出経路(第1通紙経路190)に設けられた搬送ローラ対96等と接触して汚れたりインクが滲むことを防止できる。
また、本実施形態のように、印字部34が複数設けられたプリンタ装置100においては、その複数の印字部34に印刷ジョブを振り分け複数枚の記録紙Pに対して並列的な印刷を行う場合に、各印字部34により画像が記録された記録紙Pはそれぞれ排紙バッファ60で一時待機可能であることにより、記録紙間の排出タイミングが調整可能となる。これにより、印刷物をページ順に揃えてプリントアウトすることができる。
また、本実施形態では、印字部34により画像が記録された記録紙Pは、ガイド機構54を構成するガイド板56がバッファ搬出位置(第1位置)に配置されると、ガイド板56によって第1排出路59Aへ案内され、また、ガイド板56がホッパ搬出位置(第2位置)に配置されると、ガイド板56によって第2排出路59Bへ案内される。このガイド板56による記録紙Pの第2排出路59Bへの案内では、ガイド板56に設けられた拍車ローラ58が、印字部34から排出される記録紙Pの画像記録面に回転接触するため、画像記録面とガイド板56との接触は阻止される。これにより、画像記録直後の記録紙Pがガイド板56に案内される際に、画像記録面がガイド板56と擦れて汚れることを防止できる。さらに、拍車ローラ58と記録紙P(画像記録面)との接触面積は極めて小さくされるため、本実施形態のようなインクジェット方式では、記録紙Pから拍車へのインク転移が防止され、拍車ローラ58との接触により記録紙Pの画像記録面にインクにじみが発生することが防止される。
また、本実施形態では、印字部34がそれぞれ設けられた複数台(3台)の印刷ユニット10が重ね合わせられて接続されることにより、複数の印字部34により複数枚の記録紙Pに対して並列的に画像が記録可能になる。これにより、複数台の印刷ユニット10を重ね合わせ、又は重ね合わせられた複数台の印刷ユニット10から1台以上の印刷ユニット10を分離するだけで、プリンタ装置100を構成する印刷ユニット10の台数を簡単に増減し、印字部34の個数を増減できるので、印刷速度を含む印刷能力を広い範囲で簡単に調整できるようになる。
また、複数の印刷ジョブをジョブ毎に各印刷ユニット10に振り分けて同時に印刷処理(並列処理)する場合でも、各印刷ユニット10の印字部34により印刷した印刷物をジョブ毎に分けてプリントアウトすることができる。
なお、本発明の実施形態に係るプリンタ装置100の印字部34では、インクジェットヘッド38を画像記録時に主走査方向へ駆動しつつ、インクジェットヘッド38のノズルからインクを噴射して記録紙Pに画像を形成していたが、印字部34については、駆動式のインクジェットヘッド38以外にも、記録紙Pよりも主走査方向へ広い幅を有するフルサイズの固定式インクジェットヘッドにより記録紙Pを記録するものでも良い。また、本発明の実施形態では印字手段としてインクジェット式を例に説明したが、印字手段はこれに限らず、例えば、溶融型熱転写式、昇華型熱転写式、ドットインパクト式、電子写真方式等の他の方式による種々の印字手段が適用可能であり、印字手段に発明が限定されるものではない。
また本発明は、分離可能とされた複数の印刷ユニットにより複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置に限らず、一つの筐体内に設けられた複数の印字部により複数の記録媒体に対する画像記録を並列処理するプリンタ装置にも適用できる。
本発明の一実施形態に係るプリンタ装置の構成を示す側面図である。 図1に示されるプリンタ装置をユニット単位で分解した状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る印刷ユニット及び排紙ユニットの構成を示す側面断面図である。 図3に示される印刷ユニットの平面図である。 図3に示される排紙ユニットの平面図である。 図3に示される印刷ユニットにおける印字部から排紙ユニット側への排紙バッファ経由での記録紙の排出動作を示す側面断面図である。 図3に示される印刷ユニットにおける印字部から排紙ユニット側への給排紙ホッパ経由での記録紙の排出動作を示す側面断面図である。 本発明の一実施形態に係るプリンタ装置における割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 印刷ユニット
20 給排紙ホッパ(供給部)
26 分離給紙ローラ(供給手段)
28 第1接続ガイド路(供給路/第3排出路)
34 印字部(印字手段)
38 インクジェットヘッド(印字手段)
54 ガイド機構(第1切替手段)
56 ガイド板(第1切替手段/ガイド板)
58 拍車ローラ(拍車)
59A 第1排出路
59B 第2排出路
60 排紙バッファ(排出バッファ)
62 バッファ板
78 給排紙ガイド路(供給路/第3排出路)
84 分岐ガイド路(供給路)
88 ガイドレバー(第2切替手段)
98 制御部(制御手段)
100 プリンタ装置
118 排紙トレイ部(排出部)
180 メイン給紙ホッパ(供給部)
186 分離給紙ローラ(供給手段)
188 搬出ガイド路(供給路)
P 記録紙(記録媒体)

Claims (9)

  1. シート状の記録媒体に画像を記録する印字手段と、
    前記印字手段へ供給される記録媒体が複数収納可能とされると共に外部から記録媒体が補給可能とされた複数の供給部と、
    前記複数の供給部から前記印字手段へ記録媒体を案内するための複数の供給路と、
    前記複数の供給部にそれぞれ収納された記録媒体を1枚づつ取り出して前記複数の供給路へ送り出す複数の供給手段と、
    前記印字手段により画像が記録された記録媒体が排出される排出部と、
    前記印字手段から前記排出部へ記録媒体を案内するための第1排出路と、
    前記印字手段から前記複数の供給部のうちの少なくとも1つへ記録媒体を案内するための第2排出路と、
    記録媒体の排出経路を前記第1排出路側又は前記第2排出路側へ切り替える第1切替手段と、
    入力された印刷ジョブに基づいて前記印字手段による記録媒体への画像記録を制御する共に、先に入力された第1印刷ジョブの処理中に他の第2印刷ジョブが入力された場合には前記第1印刷ジョブの印刷枚数に応じて前記第2印刷ジョブの割り込み処理を許可しその割り込み処理の実施においては前記第1切替手段を駆動制御して印刷ジョブ毎に記録媒体の排出経路を切り替える制御手段と、
    を有することを特徴とするプリンタ装置。
  2. 前記割り込み処理の可否及び割り込み処理を許可する前記第1印刷ジョブの印刷枚数が変更可能とされていることを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  3. 前記供給路と一部共有されると共に前記供給部から前記排出部へ記録媒体を案内するための第3排出路と、前記供給部から送り出された記録媒体の搬送経路を前記供給路側又は前記第3排出路側へ切り替える第2切替手段と、を有し、前記制御手段は更に前記第2切替手段を駆動制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプリンタ装置。
  4. 前記第1印刷ジョブにより画像が記録された記録媒体の排出経路を前記第2排出路側とすることを特徴とする請求項3記載のプリンタ装置。
  5. 前記制御手段は、入力された印刷ジョブに基づいて前記印字手段により複数の記録媒体に対して連続的に画像記録を行う場合には記録媒体に記録する画像密度に応じて前記第1切替手段を駆動制御し記録媒体の排出経路を切り替え可能であることを特徴とする請求項3記載のプリンタ装置。
  6. 前記第1排出路側の排出経路に、前記排出部へ排出される記録媒体が一時待機可能とされる排出バッファが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載のプリンタ装置。
  7. 前記第1切替手段は、記録媒体を前記第1排出路へ案内する第1位置及び前記第2排出路へ案内する第2位置の間で移動可能とされたガイド板と、前記ガイド板に設けられ前記印字手段から排出される記録媒体の画像記録面に回転接触してその画像記録面とガイド板との接触を阻止する拍車と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載のプリンタ装置。
  8. 前記印字手段を複数備え、その複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能であることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置。
  9. 前記印字手段が設けられた印刷ユニットを複数備え、その複数の印刷ユニットが重ね合わせられて接続されることにより、複数の印字手段により複数の記録媒体に対して並列的に画像が記録可能になることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項記載のプリンタ装置。
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Cited By (6)

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