JP4320152B2 - 光学補償シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体、配向膜および光学異方性層がこの順に積層されてなる光学補償シートに関する。さらに本発明は、光学補償シートを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学異方性層が透明支持体との距離に伴って傾斜角が変化するように配向(ハイブリッド配向)している光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モード等の液晶表示装置の視野角の拡大に有用である。米国特許第5,583,679号明細書および同5,646,703号明細書には、5〜50度の傾斜角で配向させたディスコティック液晶からなる光学異方性層を有する光学補償シートが開示されている。特開2000−344734号公報および特開2002−20363号公報には、疎水性排除体積効果を有する化合物を添加することによって、ディスコティック液晶性が垂直配向した光学異方性層が開示されている。更に、特開2000−344734号公報には、ディスコティック液晶が垂直配向した光学補償シートを用いることによって、STN型液晶表示装置の視野角が改善されることが記載されている。しかし、ディスコティック液晶が垂直配向した光学補償シートでは、棒状液晶性化合物がホメオトロピック配向したTNモードやOCBモードの液晶表示装置の視野角を改善することができない。
【0003】
また、ハイブリッド配向した光学補償シートであっても、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視野角が充分に拡大しないものがある。光学補償機能が不充分になる理由として、ディスコティック液晶の傾斜角が小さいということが挙げられ、ディスコティック液晶の傾斜角を増加させることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、透明支持体から他方の面に向かって傾斜角が増加しているようにハイブリッド配向している液晶性分子の傾斜角を増加させることを課題とする。さらに本発明は、光学補償機能に優れた新規な光学補償シート、特にTNモードやOCBモードの液晶表示装置の視野角の改善に寄与する光学補償シートを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(7)の光学補償シート下記(8)の液晶表示装置により達成された。
(1) 透明支持体および光学異方性層を有する光学補償シートであって、前記光学異方性層において、ディスコティック液晶が前記透明支持体から他方の面に向かって傾斜角が増加するようにハイブリッド配向しており、かつ前記光学異方性層が下記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物の少なくとも一種を含む光学補償シート。
【0006】
一般式(Ia)
【化3】
【0007】
式中、Hbはアルキル基を表し、Buは2個以上の環状構造を含む置換基を表し、Lは(m+n)価の連結基を表し、mおよびnは各々独立に1〜12のいずれかの整数を表す。
【0008】
一般式(Ib)
【化4】
【0009】
式中、Hcはアルキル基を表し、Bu1は2個以上の環状構造を含む置換基を表し、L1は(p)価の連結基を表し、L2は単結合または2価の連結基を表し、pは2〜12の整数を表す。
【0010】
(2) 前記光学異方性層が、配向膜上に形成されており、該配向膜が前記ディスコティック液晶の配向膜側の傾斜角を20度以下に制御する機能を有する前記(1)に記載の光学補償シート。
(3) 前記配向膜が、アルキル変性ポリビニルアルコールおよびその誘導体からなる前記(2)に記載の光学補償シート。
(4) 前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物において、LおよびL1が1,3,5−トリアジン環またはベンゼン環である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学補償シート。
(5) 前記一般式(Ia)で表される化合物が下記一般式(Ic)で表される化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学補償シート。
【0011】
一般式(Ic)
【化5】
【0012】
[式中、Hbはアルキル基を表し、Buは2個以上の環状構造を含む置換基を表す。]
【0013】
(6)前記Buが下記式で表される前記(1)〜(5)のいずれかに記載の光学補償シート。
【0014】
【化6】
【0015】
(7)前記一般式(Ib)で表される化合物が下記一般式(Id)または(Ie)で表される化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学補償シート。
【0016】
一般式(Id)
【化7】
【0017】
[式中、Xは、−NH−、−NHCO−、−NHSO2−、−CO2−、−OCO−、−O−または−S−を表し、Bu1は2個以上の環状構造を含む置換基を表し、L2は単結合または二価の連結基を表し、Hcはアルキル基を表す。]
【0018】
一般式(Ie)
【化8】
【0019】
[式中、Xは、−NH−、−NHCO−、−NHSO2−、−CO2−、−OCO−、−O−、または−S−を表し、Bu1は2個以上の環状構造を含む置換基を表し、L2は単結合または二価の連結基を表し、Hcはアルキル基を表す。]
【0020】
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の光学補償シートを有するTNまたはOCBモードの液晶表示装置。
【0021】
なお、本発明における「ハイブリッド配向」は、液晶分子の長軸方向(例えば、ディスコティック液晶分子の場合はコアの円盤面)と液晶層の水平面(例えば液晶層が透明支持体上に形成されている場合は透明支持体の表面)とのなす角度(以下、「傾斜角」という)が、透明支持体から他方の面(空気界面を含む)に向かって増加する配向をいう。本明細書では、傾斜角の増加の態様には、連続的増加および間欠的増加のいずれも含まれるものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[光学補償シート]
本発明の光学補償シートは、透明支持体と、その上方に液晶性化合物が透明支持体から他方の面に向かって傾斜角が増加するようにハイブリッド配向してなる光学異方性層とを有し、前記光学異方性層が下記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物を含有することを特徴とする。本発明では、液晶性化合物を、下記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物の存在化でハイブリッド配向させることにより、液晶性化合物の傾斜角を増加させ、光学補償機能を格段に改良している。
【0023】
本発明の好ましい実施形態は、前記光学異方性層において、ディスコティック液晶性化合物が透明支持体から他方の面に向かって傾斜角が増加するようにハイブリッド配向してなる光学補償シートである。前記ディスコティック液晶の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載と同様である。また、ディスコティック液晶の重合については、特開平8−27284公報に記載の方法および材料などを参考にできる。
【0024】
ディスコティック液晶を重合により固定するためには、ディスコティック液晶の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる傾向にある。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましく、重合性基を有する好ましいディスコティック液晶は、下記式(II)で表わされる。
【0025】
一般式(II)
【化9】
【0026】
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、そして、nは2〜12のいずれかの整数である。ディスコティック液晶についてもWO01/88574A1の58頁6行〜65頁8行に記載されている。
【0027】
本実施形態では、前記ディスコティック液晶は、円盤状構造単位の面が、透明支持体表面に対して傾き、且つ円盤状構造単位の面と透明支持体表面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向に増加している。
円盤状構造単位の面の角度(傾斜角)は、一般に、光学異方性層の深さ方向でかつ光学異方性層の底面からの距離の増加と共に増加している。傾斜角は、距離の増加と共に増加することが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加および間欠的増加を挙げることができる。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。傾斜角は、傾斜角が変化しない領域を含んでいても、全体として増加していることが好ましい。特に連続的に増加していることが好ましい。
【0028】
本実施の形態において、前記ディスコティック液晶の円盤面と透明支持体表面とのなすプレチルト角度が0度以上20度以下であることが好ましく、5度以上20度以下であることがより好ましく、10度以上20度以下であることが特に好ましい。また、空気界面表面とのなすプレチルト角度は50度以上90度以下であることが好ましく、60度以上90度以下であることがより好ましく、60度以上80度以下であることが特に好ましい。
【0029】
支持体側の円盤状単位の傾斜角は、一般にディスコティック液晶あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の円盤状単位の傾斜角は、一般にディスコティック液晶あるいはディスコティック液晶とともに使用する他の化合物(例えば、本発明の一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物)を選択することにより調整することができる。ディスコティック液晶とともに使用する化合物の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。更に、傾斜角の変化の程度も、上記と同様の選択により調整できる。
【0030】
なお、光学異方性層に用いる液晶性化合物として、ディスコティック液晶性化合物の例を示したが、他の種類の液晶性化合物を用いてもよい。また、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
【0031】
本発明においては、光学異方性層は、液晶性化合物とともに下記一般式(Ia)、または(Ib)で表される化合物を含有する。下記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物は、液晶性化合物を安定的に、傾斜角の大きなハイブリッド配向状態とするのに寄与する。また、下記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物を用いることによって、液晶層(光学異方性層)と支持体との濡れ性が改善される(ハジキが防止できる)などの効果も得られる。
【0032】
一般式(Ia)
【化10】
【0033】
式中、Hbはアルキル基を表し、Buは2個以上の環状構造を含む置換基を表し、Lは(m+n)価の連結基を表し、mおよびnは各々独立に1〜12の整数を表す。
【0034】
前記一般式(Ia)中、Hbで表されるアルキル基は環状構造もしくは分岐構造を有していてもよく、炭素数6〜60のアルキル基が好ましく、炭素数7〜50のアルキル基がより好ましく、炭素数8〜40のアルキル基がさらに好ましく、炭素数9〜30のアルキル基が特に好ましく、炭素数10〜20のアルキル基が最も好ましい。Hbで表されるアルキル基は、可能であれば後述の置換基群Dとして例示された基によって置換されていてもよい。置換基としてはハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。以下に、Hbの例を示す。
【0035】
【化11】
【0036】
前記一般式(Ia)中、Buは2個以上の環状構造を含む置換基を表す。2個以上含まれる環状構造は同一であっても異なっていてもよい。前記環状構造には、脂肪族環、芳香族環および複素環が含まれる。環状構造の環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。2つの環状構造の関係には、縮合環形成、スピロ結合、単結合および二価の連結基を介する結合の態様のいずれも含まれ、縮合環形成、単結合および二価の連結基を介する結合の態様が好ましい。2個以上の環状構造が縮合環を形成する場合は、二環式縮合環、三環式縮合環または四環式縮合環であることが好ましい。
以下に置換基Buの例を示す。
【0037】
【化12】
【0038】
Buが、二価の連結基を介して2個以上の環状構造を結合した置換基を表す場合、前記二価の連結基の例には、−O−、−CO−、−アルキレン−、ビニレン(−CH=CH−)、エチニレン(−C三C−)およびこれらの組合せが含まれる。前記二価の連結基は、ビニレン結合またはエチニレン結合であることが好ましく、エチニレン結合であることがさらに好ましい。
【0039】
前記Buに含まれる環は、後述の置換基群Dとして例示された基によって置換されていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル基(好ましくは、炭素原子数が1〜5のアルキル基)、置換アルキル基(例えば、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基)、アルコキシ基、置換アルコキシ基(例えば、オリゴアルコキシ基)、アルケニルオキシ基(例、ビニルオキシ)、アシル基(例、アクリロイル、メタクリロイル)、アシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)およびエポキシ基(例、エポキシエチル)が好ましく、
【0040】
【化13】
【0041】
の群から選ばれる置換基であることがより好ましい。
【0042】
前記一般式(Ia)中、Lは(m+n)価の連結基を表す。前記一般式(Ia)において、mおよびnはそれぞれ独立に1〜12のいずれかの整数を表す。mは2〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。nは1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましく、1〜3であることが最も好ましい。前記一般式(Ia)において、mおよびnがそれぞれ1である場合、Lは−アリール基−、−アルキレン基−、−O−、−CO−、−NR−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは、水素原子またはアルキル基を表す。
【0043】
Lは、極性基(−アリール基−およびアルキレン基−以外の基)を少なくとも一つ含むことが好ましい。上記アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましく、6〜12であることが最も好ましい。上記アルキレン基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。上記アルキル基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。
【0044】
mが2以上の場合、複数のHbは異なっていてもよい。nが2以上の場合、複数のBuは、異なっていてもよい。mまたはnが2以上の場合、連結基(L)は鎖状構造または環状構造を形成できる。連結基(L)が鎖状構造の場合、複数のHbまたは複数のBuは、主鎖である連結基(L)に側鎖として結合できる。連結基(L)が環状構造の場合、複数のHbまたは複数のBuは、環状構造の連結基(L)に置換基として結合できる。mまたはnの少なくとも一つが、2〜12の整数である場合、Lは環状構造を含む連結基であることが好ましい。以下に、連結基(L)の例を示す。二価の連結基である(L−1)〜(L−13)では、左側がHbに結合し、右側がBuに結合する。多価の連結基である(L−14)〜(L−19)には、HbとBuを表示する。
【0045】
(L−1):−SO2−N(n−C3H7)−C2H4−O−CO−O−
(L−2):−SO2−N(n−C3H7)−C2H4−O−CO−NH−
(L−3):−SO2−N(n−C3H7)−C2H4−O−CO−O−CH2−
(L−4):−SO2−NH−C2H4−O−CO−NH−
(L−5):−SO2−NH−C2H4−O−CO−O−
(L−6):−CO−NH−C2H4−O−CO−O−
(L−7):−CO−NH−
(L−8):−NH−C2H4−O−CO−O−
(L−9):−CO−NH−C2H4−O−CO−NH−
(L−10):−SO2−N(n−C3H7)−C6H12−O−CO−NH−
(L−11):−C2H4−O−CO−O−
(L−12):−SO2−N(n−C3H7)−C2H4−O−
(L−13):−CO−N(n−C3H7)−C2H4−O−
【0046】
【化14】
【0047】
前記一般式(Ia)または後に詳細に説明する一般式(Ib)中の各基は、可能な場合は、さらに1以上の置換基によって置換されていてもよい。該置換基は、以下の置換基からなる置換基群Dから選択することができる。置換基群Dとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
【0048】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12アシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
【0049】
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
【0050】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、複素環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12の複素環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有する複素環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が挙げられる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
【0051】
本発明の前記一般式(Ia)で表される化合物は、以上述べたアルキル基(Hb)、置換基(Bu)および連結基(L)を組み合わせた化合物である。これらの組み合わせについて、特に制限はない。また、前記一般式(Ia)で表される化合物は、配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有していてもよい。
以下に、前記一般式(Ia)で表される化合物の具体例を示す。各例におけるHb、BuおよびLは、前述した例示の番号である。例えば、以下に、化合物Ia−1の例を挙げて説明する。化合物(Ia−1)〔アルキル基(Hb−5)/連結基(L−1)/置換基(Bu−1)〕で示される化合物例は、下記構造式で表される。
【0052】
Ia−1:(Hb−5)−(L−1)−(Bu−1)
【化15】
【0053】
なお、化合物(Ia−2)以降の化合物例についても同様な意味である。
【0054】
Ia−2:(Hb−5)−(L−2)−(Bu−2)
Ia−3:(Hb−5)−(L−1)−(Bu−3)
Ia−4:(Hb−5)−(L−1)−(Bu−4)
Ia−5:(Hb−5)−(L−3)−(Bu−5)
Ia−6:(Hb−5)−(L−1)−(Bu−7)
Ia−7:(Hb−5)−(L−1)−(Bu−9)
Ia−8:(Hb−5)−(L−3)−(Bu−1)
Ia−9:(Hb−5)−(L−4)−(Bu−2)
Ia−10:(Hb−5)−(L−5)−(Bu−10)
Ia−11:(Hb−5)−(L−2)−(Bu−11)
Ia−12:(Hb−5)−(L−5)−(Bu−12)
Ia−13:(Hb−5)−(L−6)−(Bu−13)
【0055】
Ia−14:(Hb−6)−(L−7)−(Bu−9)
Ia−15:(Hb−7)−(L−8)−(Bu−1)
Ia−16:(Hb−8)−(L−9)−(Bu−2)
Ia−17:(Hb−9)−(L−6)−(Bu−10)
Ia−18:(Hb−5)−(L−10)−(Bu−11)
Ia−19:(Hb−5)−(L−5)−(Bu−14)
Ia−20:(Hb−6)−(L−11)−(Bu−14)
Ia−21:(Hb−1)−(L−7)−(Bu−9)
【0056】
Ia−22:(Hb−1)4−(L−14)−(Bu−1)
Ia−23:(Hb−5)2−(L−15)−(Bu−1)
Ia−24:(Hb−9)−(L−7)−(Bu−2)
【0057】
次に、下記一般式(Ib)で表される化合物について詳しく説明する。
【0058】
一般式(Ib)
【化16】
【0059】
式中、Hcはアルキル基を表し、Bu1は2以上の環状構造を含む置換基を表し、L1は(p)価の連結基を表し、L2は単結合または2価の連結基を表し、pは2〜12の整数を表す。
【0060】
前記一般式(Ib)中、Hcで表されるアルキル基は、前記一般式(Ia)におけるHbと同義であり、その好ましい範囲も同一である。以下に、Hcの例を示す。
【0061】
【化17】
【0062】
前記一般式(Ib)中、L1は(p)価の連結基を表す。前記一般式(Ib)において、pは2〜12のいずれかの整数を表す。pは2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、3であることが最も好ましい。前記一般式(Ib)において、pが2である場合、L1は−アリール基−、−アルキレン基−、−O−、−CO−、−NR−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは、水素原子またはアルキル基である。L1は、極性基(−アリール基−およびアルキレン基−以外の基)を少なくとも一つ含むことが好ましい。上記アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましく、6〜12であることが最も好ましい。上記アルキレン基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。上記アルキル基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。
【0063】
pが3以上の場合、連結基(L1)は鎖状構造または環状構造を形成できる。pが3以上の場合、L1は環状構造を含む(p)価の連結基であることが好ましい。L1は、芳香族環または複素環を含む連結基であることのが特に好ましい。前記芳香族環の例には、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環およびピレン環が含まれる。ベンゼン環およびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。前記芳香族環は前述の置換基群Dとして例示された基によって置換されていてもよい。置換基の例には、脂肪族基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(例、、フェノキシ)、アリールアゾ基(例、フェニルアゾ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、プロピルアミノ)、アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、アシル基(例、アセチル、プロパノイル、オクタノイル、ベンゾイル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、スルホ、カルバモイル、スルファモイルおよびウレイドを挙げることができる。
【0064】
前記複素環としては、5員、6員または7員の複素環を有することが好ましい。5員環または6員環がさらに好ましく、6員環が最も好ましい。複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましい。複素環は、芳香族性複素環であることが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環である。最多二重結合を有する不飽和複素環がさらに好ましい。前記複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環が含まれる。中でも、トリアジン環が好ましく、1,3,5−トリアジン環が特に好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよいが、単環式複素環が好ましい。
以下に、L1の例を示す。
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】
前記一般式(Ib)において、L2は単結合または二価の連結基を表す。二価の連結基としては、アルキレン基−、−フッ素置換アルキレン基−、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基が好ましい。Rは水素原子または炭素原子数が1〜20のアルキル基である。L2は−アルキレン基−、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1〜20のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数が1〜15のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子または炭素原子数が1〜12のアルキル基であることが最も好ましい。
上記アルキレン基またはフッ素置換アルキレン基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。
以下に、L2の例を示す。左側がBu1に結合し、右側がHcに結合するものとする。
【0068】
L2−1:単結合
L2−2:−O−
L2−3:−O−CO−
L2−4:−O−C4H8−CO−
L2−5:−O−C2H4−O−C2H4−O−
L2−6:−S−
L2−7:−N(n−C12H25)−
L2−8:−O−CH2CH2−N(n−C3H7)−SO2−
【0069】
前記一般式(Ib)中、Bu1で表される2個以上の環状構造を含む置換基については、一般式(Ia)におけるBuと同義であり、その好ましい範囲も同一である。以下に、Bu1の例を示す。
【0070】
【化20】
【0071】
本発明の一般式(Ib)で表される化合物は、以上述べたアルキル基(Hc)、置換基(Bu1)および連結基(L1、L2)を組み合わせた化合物である。これらの組み合わせについては、特に制限はない。また、前記一般式(Ib)で表される化合物は、配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有していてもよい。
以下に、前記一般式(Ib)で表される化合物の具体例を示す。各例におけるHc、Bu1、L1およびL2は、前述した例示の番号である。例えば、以下に、化合物(Ib−1)の例を挙げて説明する。化合物(Ib−1)〔連結基(L1−1)/置換基(Bu1−1)/連結基(L2−8)/アルキル基(Hc−5)〕で示される化合物例は、下記構造式で示される。
【0072】
Ib−1:(L1−1){(Bu1−1)−(L2−8)−(Hc−5)}3
【化21】
【0073】
なお、化合物(Ib−2)以降の化合物例についても同様な意味である。
【0074】
Ib−2:(L1−3){(Bu1−8)−(L2−2)−(Hc−4)}3
Ib−3:(L1−7){(Bu1−1)−(L2−8)−(Hc−5)}3
Ib−4:(L1−7){(Bu1−1)−(L2−2)−(Hc−4)}3
Ib−5:(L1−7){(Bu1−4)−(L2−8)−(Hc−5)}3
Ib−6:(L1−7){(Bu1−5)−(L2−8)−(Hc−5)}3
Ib−7:(L1−7){(Bu1−6)−(L2−8)−(Hc−5)}3
Ib−8:(L1−7){(Bu1−8)−(L2−8)−(Hc−5)}3
Ib−9:(L1−7){(Bu1−8)−(L2−8)−(Hc−4)}3
Ib−10:(L1−7){(Bu1−8)−(L2−2)−(Hc−10)}3
Ib−11:(L1−7){(Bu1−8)−(L2−2)−(Hc−1)}3
Ib−12:(L1−10){(Bu1−1)−(L2−8)−(Hc−5)}2
Ib−13:(L1−11){(Bu1−1)−(L2−8)−(Hc−5)}2
Ib−14:(L1−11){(Bu1−1)−(L2−2)−(Hc−1)}2
Ib−15:(L1−11){(Bu1−8)−(L2−2)−(Hc−4)}2
【0075】
前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物は、特開2000−344734号または特開2002−20363号等の各公報に記載の方法に基づいて、容易に合成することができる。
【0076】
前記光学異方性層において、液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。また、前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物の含有量は、液晶性化合物の含有量に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましく、0.1〜5質量%が最も好ましい。
なお、液晶性化合物および前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物を、各々単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0077】
また、前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
【0078】
光学異方性層中には、前述した様に、さらに傾斜角を拡大すること等を目的として、前記液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)および前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物とともに、可塑剤、界面活性剤および重合性モノマー等の他の成分を含有させることができる。使用可能な可塑剤、界面活性剤および重合性モノマーとしては、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶)と相溶性を有し、液晶に傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物の添加量は、ディスコティック液晶に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2個以上のモノマーを混合して用いることで配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることができる。
【0079】
本発明において、光学異方性層に添加可能なポリマーとしては、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶)と相溶性を有し、液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられる限り、どのようなポリマーでも使用することができる。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
上記ポリマーの添加量は、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶)に対して、一般的には0.1〜10質量%であるのが好ましく、0.1〜8質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのがさらに好ましい。
【0080】
前記光学異方性層の作製方法の好ましい態様は以下の通りである。
液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)、前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物、および適宜光学異方性層の形成に必要な化合物を塗布溶剤に溶解し、光学異方性層形成用塗布液を調製する塗布液調製工程と、前記塗布液を透明支持体の上に形成された配向膜上に塗布した後、乾燥して塗布層を形成する塗布層形成工程と、前記塗布層を、ネマテイック配向状態(好ましくはディスコティックネマチック配向状態)をとる温度範囲まで昇温し、液晶性化合物がハイブリッド配向状態になるまで加熱する配向工程と、液晶性化合物をハイブリッド配向状態に固定する{好ましくは、UV光の照射等により前記塗布液中の重合性成分(例えば、その他の成分として添加される重合性モノマー、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物等)を重合し、固定する}固定化工程とを含む作製方法である。この作製方法によれば、ディスコティック液晶性化合物は配向膜の界面では配向膜の傾斜角で配向し、空気との界面では空気界面の傾斜角で配向する。従って、本発明の一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物を併用すれば、塗布後、ディスコティック液晶を均一配向させることで、配向膜界面から空気界面に向けて、ディスコティック液晶の傾斜角が連続的に増加するようにハイブリッド配向してなる光学異方性層を作製できる。
【0081】
前記塗布液調製工程において、塗布液の調製に用いる溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、複素環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0082】
前記塗布液調製工程において調製する塗布液は、光学異方性層を構成することになるので、塗布液中のディスコティック液晶性化合物および前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物の含有量は、形成される光学異方性層中の最終的な各成分の含有量と同一とする。即ち、前記塗布液中のディスコティック液晶性化合物の含有量は、1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。また、塗布液中の前記一般式(Ia)または(Ib)で表される化合物の含有量は、液晶性化合物の含有量に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましく、0.1〜5質量%が最も好ましい。
【0083】
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0084】
前記配向工程において、ディスコティック液晶をハイブリッド配向させるために加熱する際の温度としては、50〜200℃が好ましく、70〜200℃が特に好ましく、90〜150℃が最も好ましい。
【0085】
前記固定化工程において、ハイブリッド配向させたディスコティック液晶を、配向状態を維持して固定する。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
【0086】
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
【0087】
本発明において、前記光学異方性層は、配向膜上に形成するのが好ましい。配向膜は本発明で用いる液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶)を塗布時に一定の方向に配向させる働きをする。従って、配向膜は本発明の好ましい態様を実現する上では必須である。しかし、液晶性化合物を配向させた後に、その配向状態を固定してしまえば、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。すなわち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光膜などに転写して本発明の光学補償シートを作製することも可能である。
【0088】
前記配向膜は、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)の配向方向を規定する機能を有する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
【0089】
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。ポリビニルアルコールが好ましく、疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。なお、本明細書においては、変性とは重合性基が連結している形態を意味する。配向膜についてはWO01/88574A1号43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
【0090】
本発明において、透明支持体としては、光透過率が80%以上である支持体を用いるのが好ましく、ポリマーフィルムを用いるのがさらに好ましい。フィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン、ゼオネックス)を用いてもよい。このうちセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。脂肪酸の炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来公知のポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマー、およびWO00/26705号明細書に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
【0091】
前記ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
【0092】
セルロースエステルでは、セルロースの2位、3位、6位の水酸基が全体の置換度の1/3ずつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースの6位水酸基の置換度が、2位、3位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して6位の水酸基が30%以上40%以下の範囲でアシル基によって置換されていることが好ましく、更には31%以上、特に32%以上であることが好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基(例、プロピオニル、ブチリル、バレロイル、ベンゾイル、アクリロイル)で置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。6位水酸基の置換度が高いセルロースエステルは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
【0093】
セルロースエステルフィルムの厚み方向のレターデーション値は、厚み方向の複屈折率にフィルムの厚みを乗じた値である。具体的には、測定光の入射方向をフィルム膜面に対して鉛直方向として、遅相軸を基準とする面内レターデーションの測定結果と、入射方向をフィルム膜面に対する鉛直方向に対して傾斜させた測定結果から外挿して求めることができる。測定は、エリプソメーター(例えば、M−150:日本分光(株)製)を用いて実施できる。厚み方向のレターデーション値(Rth)と面内レターデーション値(Re)とは、それぞれ下記式(1)および(2)に従って算出することができる。
式(1)
厚み方向のレターデーション値(Rth)={(nx+ny)/2−nz}×d
式(2)
面内レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
式中、nxはフィルム平面内のx方向の屈折率であり、nyはフィルム平面内のy方向の屈折率であり、nzはフィルム面に垂直な方向の屈折率であり、そしてdはフィルムの厚み(nm)である。
【0094】
透明支持体に用いるポリマー基材は、Reレターデーション値が20〜70nm、Rthレターデーション値が70〜400nmの範囲であるのが好ましい。
液晶表示装置に二枚の光学的異方性層を使用する場合、基材のRthレターデーション値は70〜250nmであるのが好ましい。
液晶表示装置に一枚の光学的異方性層を使用する場合、基材のRthレターデーション値は150〜400nmであるのが好ましい。
なお、基材フィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00028〜0.020の範囲にあることが好ましい。また、厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.001〜0.04の範囲にあることが好ましい。
【0095】
本発明において、透明支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアセテートフィルムのレターデーションを調整するために、2個以上の芳香族環(芳香族炭化水素環および芳香族性複素環)を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。前記芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用するのが好ましい。前記芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
【0096】
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性複素環は一般に、不飽和複素環である。芳香族性複素環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性複素環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
【0097】
前記芳香族化合物としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環から選ばれる芳香族環を含んでいるのが好ましく、ベンゼン環および1,3,5−トリアジン環を含んでいるのがさらに好ましい。
前記芳香族化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有することが特に好ましい。
【0098】
前記芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましく、2〜6であることが最も好ましい。
2つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。この様なレターデーション上昇剤については、WO01/88574A1、WO00/2619A1、特開2000−111914号、同2000−275434号各公報、特願2002−70009号明細書等に記載されている。
【0099】
透明支持体として使用可能なセルロースアセテートフィルムは、調製されたセルロースアセテート溶液(ドープ)を用いて、ソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ドープには、前記芳香族化合物であるレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。
ドープをドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成することができる。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して、残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度において、ドープがゲル化することが必要である。
【0100】
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)を用いて、ドープを2層以上流延することによりフィルム化することもできる。2層以上とする場合も、ドープをドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成することができる。流延前のドープは、固形分量が10〜40%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
複数のセルロースアセテート溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔をおいて設けた複数の流延口から、セルロースアセテートを含む溶液をそれぞれ流延させて、それらを積層させながらフィルムを作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延することによりフィルム化してもよい。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56−162617号公報に記載の、高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、高粘度および低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押出すセルロースアセテートフィルムの流延方法を用いてもよい。
【0101】
セルロースアセテートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%の範囲にあることが好ましい。セルロースアセテートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸によるのが好ましく、遅相軸を高精度に制御するために、テンター延伸時に、左右のテンタークリップ速度および離脱タイミング等の差を、できる限り小さくすることが好ましい。
【0102】
本発明において、透明支持体として使用するセルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることが最も好ましい。
【0103】
透明支持体として用いるセルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。
特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
【0104】
透明支持体として用いるセルロースアセテートフィルムには、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフィルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
【0105】
セルロースアセテートフィルムの表面処理は、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60〜75mN/mの範囲にあることが更に好ましい。以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に説明する。
アルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられる。水酸化イオンの規定濃度は、0.1〜3.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜2.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
【0106】
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社、1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアセテートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアセテートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
【0107】
透明支持体として用いるセルロースアセテートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好ましい。
【0108】
本発明の光学補償シートでは、光学異方性層の上に保護層を設けてもよい。またマット層(バック層)を透明支持体の光学異方性層とは反対の面に設けてもよい。
【0109】
本発明の光学補償シートは、偏光膜と組み合わせて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組み合わせて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。
以下に、本発明の光学補償シートを利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
【0110】
[楕円偏光板]
本発明の光学補償シートと偏光膜とを積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大し得る楕円偏光板を提供することができる。
本発明に使用可能な偏光膜としては、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜およびポリエン系偏光膜が挙げられる。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造することができる。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
【0111】
偏光膜は前記光学補償シートの光学異方性層側に積層する。偏光膜の光学補償シートを積層した側と反対側の面に透明保護膜を形成することが好ましい。透明保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフィルム、好ましくはトリアセチルセルロースフィルムが用いられる。セルロースエステルフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
【0112】
[液晶表示装置]
本発明の光学補償シートを利用することにより、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。
本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードなど、種々のモードで駆動される液晶セルと組み合わせて、液晶表示装置に適用することができる。本発明の光学補償シートは、TNまたはOCBモードの液晶表示装置において特に効果がある。
【0113】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(光学補償シートの作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持体として用いた。透明支持体上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の上に、以下の組成の塗布液をバーコーターを用いて塗布した。
【0114】
光学異方性層塗布液
例示化合物(Ia−22) 1.5質量部
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3.3質量部
メチルエチルケトン 300質量部
【0115】
ディスコティック液晶性化合物(1)
【化22】
【0116】
以下に本発明の配向方法を示す。
まず、上記塗布層を約20秒間で120℃まで加熱した。同温度にて更に100秒間加熱した後、80℃まで冷却し、400mJの紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは1.75μmであった。以上の如く光学異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
【0117】
(光学補償シートの評価)
光学異方性層の配向膜近傍における液晶分子の傾斜角、空気界面近傍の傾斜角および平均傾斜角は、エリプソメーター(APE−100、島津製作所(株)製)を用いて観察角度を変えてレターデーションを測定し、屈折率楕円体モデルと仮想し、Designing Concepts of the Discotic Negative Birefringence Compensation Films SID98 DIGEST に記載されている手法にて算出した。測定波長は632.8nmであり、結果を第1表に示す。
【0118】
[実施例3〜6、参考例2、比較例1]
実施例1で用いた例示化合物(Ia−22)を、第1表の如く変更した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、同様に傾斜角を測定した。
結果を第1表に示す。
【0119】
第1表
【表1】
【0120】
上記第1表に示した実施例1、3〜6、参考例2、および比較例1の結果からわかる様に、本発明に係る前記一般式(Ic)、(Id)または(Ie)で表される化合物を含有する光学異方性層は、液晶分子の傾斜角、特に空気界面側の傾斜角が大きいハイブリッド配向を実現している。
【0121】
次に、液晶表示装置としての応用例を示す。
[実施例7]
(透明支持体の作製)
下記の成分をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌して、セルロースアセテート溶液(ドープ)を調製した。
【0122】
セルロースアセテート溶液組成
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート 6.5質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 5.2質量部
下記のレターデーション上昇剤(1) 0.1質量部
下記のレターデーション上昇剤(2) 0.2質量部
メチレンクロライド 310.25質量部
メタノール 54.75質量部
1−ブタノール 10.95質量部
【0123】
レターデーション上昇剤(1)
【化23】
【0124】
レターデーション上昇剤(2)
【化24】
【0125】
得られたドープを、流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の領域で、幅方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ、乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、120℃を越える領域で機械方向の延伸率が実質0%、(剥ぎ取り時に機械方向に4%延伸することを考慮して)幅方向の延伸率と機械方向の延伸率との比が0.75となるように調整して、厚さ100μmのセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したフィルムのレターデーションを波長632.8nmで測定したところ、厚み方向のレターデーションが40nm、面内のレターデーションが4nmであった。作製したセルロースアセテートフィルムを透明支持体として用いた。
【0126】
(第1下塗り層の形成)
透明支持体の上に、下記の組成の塗布液を28mL/m2塗布し、乾燥し、第1下塗り層を形成した。
【0127】
第1下塗り層塗布液組成
ゼラチン 5.42質量部
ホルムアルデヒド 1.36質量部
サ 1.60質量部
アセトン 391質量部
メタノール 158質量部
メチレンクロライド 406質量部
水 12質量部
【0128】
(第2下塗り層の形成)
第1下塗り層の上に、下記の組成の塗布液を7mL/m2塗布し、乾燥して、第2下塗り層を形成した。
【0129】
第2下塗り層塗布液組成
下記のアニオン性ポリマー 0.79質量部
クエン酸モノエチルエステル 10.1質量部
アセトン 200質量部
メタノール 877質量部
水 40.5質量部
【0130】
アニオン性ポリマー
【化25】
【0131】
(バック層の形成)
透明支持体の反対側の面に、下記の組成の塗布液を25mL/m2塗布し、乾燥して、バック層を形成した。
【0132】
バック層塗布液組成
酢化度55%のセルロースジアセテート 6.56質量部
シリカ系マット剤(平均粒径:1μm) 0.65質量部
アセトン 679質量部
メタノール 104質量部
【0133】
(配向膜の形成)
第2下塗り層の上に、長鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203;クラレ(株)製)の水溶液を塗布し、60℃の温風で90秒間乾燥した後、ラビング処理を行い、配向膜を形成した。配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行であった。
【0134】
(光学異方性層の形成)
配向膜の上に、前記実施例1にて示した光学異方性層塗布液を、#4のワイヤーバーを用いて塗布した。形成した光学異方性層の厚さは1.74μmであった。
【0135】
塗布層を130℃の恒温槽中で30秒間かけて膜面温度120℃まで加熱した。さらに同温度にて100秒間加熱した後、80℃まで冷却し、120W/cmの高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し、ハイブリッド配向したディスコティック液晶を重合させ、配向状態を固定した。室温まで放冷して、光学補償シートを作製した。作製した光学補償シートについて、実施例1の方法と同様にして、光学補償シート全体の平均傾斜角(β)を測定した。
結果は第2表に示す。
【0136】
(液晶表示装置の作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板を、配向膜のラビング方向が直交するように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZL4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。棒状液晶性分子のΔnは0.0969であった。以上の様にして作製したTN液晶セルの両側に、作製した光学補償シート二枚を光学異方性層が液晶セルの基板と対面するように貼り付けた。さらに、それらの外側に、偏光板二枚を貼り付けて液晶表示装置を作製した。光学補償シートの配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行になるように配置した。また、偏光板の吸収軸と液晶セルのラビング方向とが、平行になるように配置した。液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10、かつ階調反転のない領域を視野角として測定した。
結果を第2表に示す。
【0137】
[実施例7及び10〜12、参考例8及び9、ならびに比較例2]
実施例で用いた例示化合物(Ia−22)を第2表の如く変更した以外は、実施例7と同様にして、光学補償シートを作製した。
結果を第2表に示す。
【0138】
第2表
【表2】
【0139】
表2に示した実施例7及び10〜12、参考例8及び9、ならびに比較例2の結果からわかる様に、本発明に係る前記一般式(Ic)、(Id)または(Ie)で表される化合物を含有する光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に大きく寄与する。これは、実施例の光学補償シートでは、光学異方性層において、液晶分子の平均傾斜角が増加しているためと考えられる。
【0140】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、液晶性化合物と特定の構造の化合物とを併用することによって、液晶性化合物が傾斜角、特に空気界面側の傾斜角が大きいハイブリッド配向状態にある光学異方性層を有する光学補償シートを作製することができる。その結果、光学補償機能に優れた光学補償シートを提供することができる。また、本発明によれば、画像表示装置に適用した場合に、光学異方性層の視野角を拡大し得る新規な光学補償シートを提供することができる。
Claims (1)
- 透明支持体および光学異方性層を有する光学補償シートであって、前記光学異方性層において、ディスコティック液晶が前記透明支持体から他方の面に向かって傾斜角が増加するようにハイブリッド配向しており、かつ前記光学異方性層が下記一般式(Ic)、(Id)または(Ie)で表される化合物の少なくとも一種を含み、前記光学異方性層が、アルキル変性ポリビニルアルコールを含む配向膜上に配置され、前記光学異方性層中のディスコティック液晶の配向膜界面でのプレチルト角(ディスコティック液晶の円盤面と膜面とのなす角)が10〜20度で、且つ他方の界面でのプレチルト角が60〜80度である光学補償シート。
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