JP4318164B2 - 小型電気機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体ケースがプラスチック製の内ケースと、内ケースの外面を覆う金属製の外ケースとで構成してある小型電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関して、プラスチック製の内ケースと金属製の外ケースとで本体ケースを構成することは、特許文献1に公知である。そこでは、内ケースの外面に円筒状の外ケースを装着し、外ケースの周方向の端縁どうしをくさびでかしめ固定している。具体的には、内ケースの周方向1箇所に縦長の固定溝を凹み形成し、外ケースの周方向の端縁どうしを固定溝内へ折り込んだうえで、この折り込み部分にくさびを圧入して外ケースを固定している。外ケースはアルミニウム板材にプレス加工を施して形成してある。
【0003】
【特許文献1】
実開昭47−36886号公報(4〜5頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように内ケースの外面を金属製の外ケースで覆うと、本体ケースに金属特有の質感を与えることができ、例えばプラスチック成形のみからなる本体ケースに比べて、重厚な印象や、金属に特有の手触りを付与できる。落下や他物との衝突に伴う傷付きもよく防止できるうえ、外ケースによって本体ケースの構造強度を向上できる利点もある。
【0005】
外ケースが単純な円筒構造である場合には、その加工は問題なく行える。しかし、本体ケースの構造や形状が複雑になると、外ケースのプレス加工が困難になり、形状にばらつきを生じやすい。例えば、3次元平面を含む非回転体状の外ケースは、1個のプレス部品として形成することが極めて困難になる。そのため、従来はケースの一部、例えば表示パネル部分に金属プレートやモールを組み込むなど、局部的に金属部品が使用されることはあっても、3次元平面を含む非回転体状の金属製外ケースが実用化されることは無かった。
【0006】
本発明の目的は、本体ケースが、プラスチック製の内ケースと、3次元平面を含む非回転体状の金属製の外ケースとで構成してあり、本体ケースの外観上の印象が重厚で高級感に富む小型電気機器を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、3次元平面を含む壁構造や、隣接する平面間の稜線が明確に形成された外ケースを確実に形成でき、従ってメタリックケースをケースデザインに取り込むことが可能であるうえに、本体ケースの構造強度を格段に強化できる小型電気機器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る小型電気機器の本体ケース1は、図1に示すようにプラスチック製の内ケース181と、内ケース181の外面を覆うステンレス板材を素材とする外ケース182とで構成される。本体ケース1は、その大半を占める下方のグリップ部1Aと、グリップ部1Aより左右幅が大きな上方のヘッド支持部1Bとを有する。内ケース181は、上下両面が開口する筒体からなり、左右幅寸法および厚み寸法が略均一なグリップ部1Aに対応する下半部分と、当該下半部分よりも左右幅および厚み寸法が大きなヘッド支持部1Bに対応する上半部分とで構成する。外ケース182は、それぞれ3次元平面を含む状態でプレス成形された前後一対の分割ケース191・192で構成する。両分割ケース191・192を内ケース181に対してその前後から対向状に接合固定することにより、本体ケース1が構成されている。
【0009】
分割ケース191・192は、内ケース181の下半部分を覆う樋状の主壁193・205と、主壁193・205に連続して外側方に折り曲げられて、内ケース181の上半部分の左右縁を覆う一対の分岐壁194・206とを一体に備えている。左右の分岐壁194・206は切欠198・208を介して左右に分岐している。主壁193・205は、複数の湾曲壁と傾斜壁とを組み合わせて多段状の屈曲断面形状に形成する。
【0010】
分割ケース191・192の周縁複数箇所に締結座199・200・211・212を設ける。この締結座199・200・211・212をビス225で内ケース181に締結することにより、外ケース182を内ケース181に密着固定する。
【0011】
分岐壁194・206の突端側面のそれぞれに締結座199・211を形成する。両分割ケース191・192の接合縁を挟んで前後に隣接する締結座199・211の外面を化粧カバー227で覆う。
【0013】
分割ケース191・192の締結座199・211と、この締結座199・211が接合される内ケース181の取付壁189とを化粧カバー227で内外に挟持して、分割ケース191・192の左右方向の分離を化粧カバー227で阻止する。
【0014】
締結座199・211と、この締結座199・211が接合される内ケース181との間に、互いに係合して分割ケース191・192の前後方向の分離を阻止する係合構造を設ける。
【0015】
係合構造は、内ケース181の外側面に突設した係合突起222と、締結座199・211に形成した係合凹部223とで構成し、化粧カバー227は、係合突起222を利用して内ケース181に対して分離不能に装着固定する。
【0017】
【発明の作用効果】
本発明では、プラスチック製の内ケース181と、内ケース181の外面を覆う金属板製の外ケース182とで本体ケース1を構成した。そのうえで、外ケース182は、それぞれ3次元平面を含む状態でプレス成形された前後一対の分割ケース191・192で構成するので、3次元平面を含む壁構造や、隣接する平面の境界に沿う稜線197・207が明確に形成された外ケース182を確実に形成できる。従って、外観上の印象が重厚で高級感に富む小型電気機器を提供できるうえ、ケースデザインの幅を拡大できる。内ケース181と金属板材製の外ケース182とで本体ケース1を内外2重に構成するので、プラスチック成形品のみで本体ケースを構成する場合に比べて、本体ケース1の構造強度が格段にアップし、その分だけ小型電気機器の耐久性が向上する。
【0018】
各分割ケース191・192は、樋状の主壁193・205と、主壁193・205に連続して外側方に折り曲げられた一対の分岐壁194・206とで構成するが、左右の分岐壁194・206間には切欠198・208を設けてあるので、分岐壁194を主壁193に連続して外側方へ折り曲げる際の3次元曲げ加工が無理なく容易に行え、分岐壁194を精度よく形成できる。3次元の面壁を含む分岐壁194・206は、分割ケース191・192の構造強度を向上することにも役立っており、例えば分岐壁194・206の周縁が外力を受けて外面側へめくれ変形するのをよく防止できる。
【0019】
周縁複数箇所に設けた締結座199・200・211・212をビス225で内ケース181に締結する分割ケース191・192の取付構造によれば、分割ケース191・192を内ケース181に対して、強固にしかも隙間のない状態で密着固定できるので、本体ケース1の構造強度が向上できる。一対の分割ケース191・192を、内ケース181に対してその前後から対向状に接合したうえで、その周縁複数箇所に設けた締結座199・200・211・212をビス225で内ケース181に締結固定するので、分割ケース191・192の周縁部分が内ケース181から浮き離れるのを確実に防止でき、使用状態において、モーター31やその動力伝導機構の振動を受けて分割ケース191・192が共振し、あるいはがた付くこともない。
【0020】
分割ケース191・192の接合縁を挟んで前後に隣接する締結座199・211の外面を化粧カバー227で覆うと、締結座199・211の外面に露出するビス225の頭部を化粧カバー227で隠蔽できるので、本体ケース1の外観がすっきりしたものになる。外ケース182と内ケース181との上端の隙間を化粧カバー227で覆うことができるので、両ケース181・182の間に異物が侵入するのを確実に防止できる。例えば、電気かみそりの本体ケース1の場合には、先の隙間に毛屑が入り込むのを防止できるので、長期にわたって清潔さを維持できる。
【0021】
前後の分割ケース191・192と化粧カバー227との間に係合構造を設けてあると、ビス225で分割ケース191・192を固定できることに加えて、化粧カバー227によっても分割ケース191・192の前後分離を阻止できるので、分割ケース191・192の内ケース181に対する取り付けがさらに強固なものになる。例えば、ビス225が緩むことがあったとしても、分割ケース191・192の前後方向の分離を化粧カバー227で阻止できる。
【0022】
分割ケース191・192の締結座199・211と、内ケース181の取付壁189とを化粧カバー227で内外に挟持固定する、化粧カバー227の固定構造によれば、分割ケース191・192の左右方向の分離を化粧カバー227で阻止できるので、例えば落下衝撃を受けた場合にでも、分割ケース191・192が内ケース181から浮き離れるのを確実に防止して、本体ケース1の強度を維持できる。
【0023】
締結座199・211と内ケース181との間に、互いに係合して分割ケース191・192の前後方向の分離を阻止する係合構造を設けた本体ケース1によれば、分割ケース191・192を内ケース181に仮組みした状態において、分割ケース191・192の前後方向の位置決めを行えるうえ、両ケース191・192の分離を阻止できるので、ビス225による締結座199・211の締結を、迅速にしかも適正に行うことができる。
【0024】
内ケース181の外側面に突設した係合突起222と、締結座199・211に形成した係合凹部223とで係合構造を構成し、係合突起222を利用して化粧カバー227を分離不能に装着固定するケース構造によれば、係合突起222を利用して分割ケース191・192の分離阻止と、化粧カバー227の分離阻止とが同時に行えるので、構造の無駄がなく、その分だけ化粧カバー227の固定構造を簡素化できる。
【0026】
【実施例】
図1ないし図26は、本発明をロータリー式電気かみそりに適用した実施例を示す。図2ないし図4において電気かみそりは、本体ケース1と、その上部に設けたかみそりヘッド2と、本体ケース1に収容される電装品ユニット3とを含む。
【0027】
図2において本体ケース1の前面には、モーター起動用のスイッチボタン5と、そのロックボタン6と、運転モードを切り換るセレクトボタン7と、表示具とが設けてある。
【0028】
表示具は、セレクトボタン7の上側に設けた充電灯8と、電池残量表示灯9と、ケース上部に設けられて運転モードに応じて色が変化する逆U字状のモード表示灯10と、ひげセンサーのオンオフに連動して点灯するセンサー灯11の4種を含む。
【0029】
図3において本体ケース1の背面側には、きわぞり刃(往復動刃)13と、きわぞり刃13を駆動位置へ押し上げ操作するスライドノブ14とが設けられている。かみそりヘッド2の内部には、前後一対ずつの内刃15および外刃16と、センター刃(往復動刃)17と、これらを駆動する駆動機構などが配置してある。かみそりヘッド2の左右には、かみそりヘッド2を前後揺動不能にロック固定するためのロックノブ18と、外刃ホルダー12をロック解除操作する左右一対の解除ボタン19とが設けてある。
【0030】
図4において電装品ユニット3は、内フレーム25と、内フレーム25の前面に装着される回路基板26と、回路基板26の背面側に配置される左右一対の2次電池27と、回路基板26に組み付けられる電源スイッチと、各種の表示用LEDとを含む。
【0031】
内フレーム25の上部内面には、後述する浮動フレーム34を係合保持する4個の係合爪28が、左右に対向する状態で形成されており、フレーム上端に後述するケースパッキン100の外周縁を装着するためのシール枠29が形成されている。
【0032】
図5においてかみそりヘッド2は、その下半分を占める動力モジュールMと、上半分側の首振り構造と、動力モジュールMで減速されたモーター動力を内刃15に伝える次段伝動機構Eと、モーター動力を左右方向の往復動力に変換する起振構造と、起振構造で変換された往復動力をセンター刃17およびきわぞり刃13に伝える往復動力伝動機構などからなる。
【0033】
(動力モジュール) 図6および図7において動力モジュールMは、横置き配置されるモーター31と、モーター31を収容するモーターハウジング33と、モーターハウジング33の側端に一体に装着される減速伝動機構Dと、モーター31の出力軸32からモーターハウジング32の上面にわたって組み付けた起振構造とを含む。モーターハウジング32の下面には、浮動フレーム34が固定されている。
【0034】
図8においてモーターハウジング33は、モーター31の殆どの部分を収容するモーターホルダー38と、モーターホルダー38の開口を塞ぐホルダーカバー39と、ホルダーカバー39に装着されて出力軸32を水密状に封止する軸用パッキン40と、モーターホルダー38とホルダーカバー39との接合部を封止するリング状のホルダーパッキン41とを含んでいる。モーターホルダー38の中央下面には導線口44を開口してあり、この導線口44からモーター31に接続されたリード線45を導出して回路基板26に接続してある(図7および図8参照)。
【0035】
減速伝動機構Dは遊星歯車機構で構成する。図10において、遊星歯車機構は、モーター31の出力軸32に固定される太陽ギヤ50と、太陽ギヤ50に噛み合う3個の遊星ギヤ51と、各遊星ギヤ51を回転自在に軸支するギヤフレーム52と、遊星ギヤ51に噛み合う内歯ギヤ53を備えた減速ケース54と、減速ケース54に軸支されて、ギヤフレーム52の回転動力を出力する出力軸55とを含む。
【0036】
図11においてギヤフレーム52は、板面の左右に出力軸55および3個の遊星ギヤ軸60が固定してある金属円板からなる第1フレーム52aと、第1フレーム52aにビス77で締結固定され、プラスチック製の円板からなる第2フレーム52bとで形成してある。第2フレーム52bにおける第1フレーム52aとの対向面の3箇所には、スペーサーを兼ねる締結用のボス78を突設してあり、これらのボス78の間に配置した遊星ギヤ51が遊星ギヤ軸60で遊転自在に軸支されている。減速ケース54は、ホルダーカバー39との接合面側が開口するキャップ状のプラスチック成形品からなり、その内周面に内歯ギヤ53を形成してある(図10参照)。
【0037】
図8に示すように、ギヤフレーム52の出力軸55を、ブッシュ63を介して減速ケース54に組み付けた後、減速ケース54をホルダーカバー39に接合して、モーターホルダー38とホルダーカバー39と減速ケース54との三者をビスで締結することにより、モーター31、モーターハウジング33、減速伝動機構D、および後述する起振構造とを1個の動力モジュールとして構成することができる。
【0038】
太陽ギヤ50の回転動力を受けた遊星ギヤ51は、太陽ギヤ50と逆向きに回転(自転)しながら、固定された内歯ギヤ53との噛み合いによって、太陽ギヤ50の周りを同ギヤ50の回転方向と同じ方向へ回転(公転)する。この公転動作はギヤフレーム52を介して出力軸55に伝動されるが、公転回転数は太陽ギヤ50と内歯ギヤ53との歯数比に比例している。
【0039】
従って、多数個の平歯車で減速する場合に比べて、3種のギヤ50・51・53のみの簡単な構造で、大きな減速比を得ることができる。例えば、モーター31の駆動回転数が8000rpmであるとき、出力軸55の回転数を2000rpmにまで一気に減速して、その分だけ駆動トルクを大きくできる。
【0040】
(起振構造) 起振構造は、モーター31の回転動力を左右方向の往復動作に変換するために設けられる。図9において起振構造は、ホルダーカバー39の側面に固定されるガイド板66と、太陽ギヤ50に一体に形成された駆動カム67と、駆動カム67で上下に往復駆動される受動ピース68と、受動ピース68の上下動作を左右動作に直接変換する逆L字状の伝動ベルト69と、伝動ベルト69の左右動作を受け継ぐスライド片70とを含む。
【0041】
ガイド板66は、ステンレス板材を素材とする円盤状のプレス成形品からなり、板面中央に先の受動ピース68をスライド案内するガイド面72が凹み形成されている(図10参照)。ガイド面62の上部には、左右の締結座71から切り離された弾性腕73を形成してあり、この弾性腕73の中途部に伝動ベルト69の平坦面を受け止める突起74と、後述するローラー81を遊転自在に支持する転動壁75とが形成してある。
【0042】
受動ピース68およびスライド片70は、それぞれプラスチック成形品からなり、これらの成形時に伝動ベルト69がインサート固定される。伝動ベルト69は、ポリイミド繊維で強化されたポリウレタン製のタイミングベルト(歯付ベルト)からなり、その中途部が屈曲する状態で受動ピース68およびスライド片70のスライド平面に沿って配置する。受動ピース68には、左右に長い長円状のカム溝76を形成してあり、このカム溝76に駆動カム67が係合する。伝動ベルト69の変向動作を円滑化するために、伝動ベルト69の屈曲部の歯面側を変向ギヤ80で直角に変向案内し、屈曲部の外面を遊転ローラー81で移行案内している。
【0043】
図9において変向ギヤ80は、ホルダーカバー39に装着した軸82で遊転自在に支持されており、そのギヤ歯は伝動ベルト69のギヤ歯と常時噛み合っている。伝動ベルト69が時計回転方向へ移動するとき、その一部がガイド板66側へ膨らみ変形しようとするのを防止して、伝動ベルト69と変向ギヤ80との噛み合いをより確実なものとするために、ガイド板66の突起74で伝動ベルト69の平坦面を受け止めている。
【0044】
ローラー81は、ガイド板66の転動壁75と伝動ベルト69の屈曲部との間に挟持されて、伝動ベルト69に線接触状態で外接している。この組み付け状態において、ローラー81は転動壁75を含む弾性腕73の弾性によって伝動ベルト69に押し付けられている。従って、伝動ベルト69の屈曲部が変向ギヤ80に沿って往復移動するとき、ローラー81は伝動ベルト69の移動方向と同じ方向へ回転して、伝動ベルト69の変向移動を円滑化する。なお、ローラー81と変向ギヤ80の中心どうしを結ぶ線は、伝動ベルト69の屈曲部のほぼ中央に位置する。
【0045】
図9においてスライド片70は、左右横長の本体部85を有し、その上面中央寄りに突設したボスに駆動ピン86をインサート固定してある。本体部85およびボスの後面に連続して、きわぞり刃13を往復駆動する駆動腕87が一体に設けられている(図7参照)。
【0046】
図9においてスライド片70の上面は、後述するヘッドフレーム103の上面壁88で覆ってあるので、毛屑がスライド片70の動作領域に侵入することはない。上面壁88はスライド片70が浮上がるのを規制する機能も発揮する。スライド片70の左右スライドを円滑化するために、ホルダー本体34の上面にガイド体90を固定し、このガイド体90でスライド片70を案内支持している。
【0047】
以上のように構成した起振構造によれば、受動ピース68の上下動作を伝動ベルト69で左右動作に直接変換してスライド片70を左右方向へ往復駆動できるので、従来のこの種の動作変換機構に比べて起振構造これ全体を簡素化できるうえ、周辺部に動作スペースを確保する必要がないので、起振機構の周辺部における部品の集約配置が可能になり、かみそりヘッド2のコンパクト化を実現できる。起振構造を含む動力モジュールMは、後述するヘッドフレーム103に下面側から組まれて一体化される(図7、図8参照)。
【0048】
(浮動構造) かみそりヘッド2の全体は、本体ケース1で前後、左右、上下の各方向を含む全方位方向へ浮動可能に支持する。詳しくは図6および図7に示すように、モーターハウジング33の下面に、上下面が開口する筒状の浮動フレーム34を固定し、浮動フレーム34の4隅外面に突設した係合脚97を内フレーム25の係合爪28に係合したうえで、内フレーム25と浮動フレーム34との間に配置した左右一対の圧縮コイル形のフロートばね98で、かみそりヘッド2の全体を浮動支持する。
【0049】
これにより、かみそりヘッド2の浮動支持位置はモーター31より下方に位置することになる。浮動フレーム34は、導線口44に外嵌する状態でモーターホルダー38に締結してあり、導線口44から導出したリード線45は、筒内空間を介して回路基板26側のコネクターに接続される。
【0050】
上記のように、かみそりヘッド2を全方位方向へ浮動可能に支持すると、かみそりヘッド2の姿勢をあごや頬などの肌の面変化に応じて円滑に追随させ、フィットさせることができるうえ、かみそりヘッド2が局部的に過剰に押し付けられるのを緩和して、肌に対する接触状態がソフトなものになる。
【0051】
かみそりヘッド2が傾動姿勢から中立姿勢に戻るときの復帰操作力と、かみそりヘッド2を中立姿勢に維持する力とは、主としてフロートばね98の弾性力によって得られるが、ケースパッキン100の弾性力も、かみそりヘッド2の復帰動作を補助することに役立っており、さらにかみそりヘッド2を中立姿勢に維持することにも役立っている。
【0052】
かみそりヘッド2のフロート動作を阻害することなく、電装品ユニット3を防水するために、モーターハウジング33の下面と、本体ケース1の内面の筒壁99との間はケースパッキン100で封止する。詳しくは、図6および図7に示すようにモーターホルダー38の下面と浮動フレーム34との間に、ケースパッキン100の内周縁を挟持固定し、ケースパッキン100の外周縁を内フレーム25の上端のシール枠29に装着したうえで、ケースパッキン100の外周縁の外面を筒壁99の内面に密着させる。
【0053】
(首振り構造) 図5、図7、図12の各図において先の首振り構造は、モーターハウジング33の上面に装着固定されるヘッドフレーム103と、ヘッドフレーム103に前後揺動可能に支持される揺動枠104、および内刃支持枠105と、内刃支持枠105に対して前後面からそれぞれ着脱可能に装着される内刃ユニット106と、内刃支持枠105に着脱自在に装着される外刃ホルダー12と、内刃支持枠105の内部に収容される振動子107などで構成する。
【0054】
ヘッドフレーム103は、下向きに開口するケース部110と、ケース部110の上面両側に立設した側壁111とを備えており、左右の側壁111で揺動枠104を前後揺動可能に軸支する。そのために、ケース部110の上面壁は揺動枠104の揺動軌跡に沿って下凹み円弧状に形成されている。
【0055】
四角枠状に形成される揺動枠104の上面左右には、上端に揺動ボス113を備えた揺動腕114が立設されており、先の側壁111で揺動ボス113を前後揺動自在に軸支する。これにより、ヘッドフレーム103を除く、揺動枠104および内刃支持枠105などの各部材は、前後方向に揺動できるが、ロックノブ18を押し下げると揺動できない状態になる。揺動ボス113に、終段軸115と終段ギヤ116とが組み込まれる(図5参照)。
【0056】
図7、図8に示すように揺動枠104の枠開口内に振動子107を配置してある。先のスライド片70の駆動ピン86は、振動子107の下面に設けた係合溝118と係合して、往復動力を振動子107に伝える。
【0057】
図13に示すように揺動枠104の左右には、内刃支持枠105に装着した内刃ユニット106を係合捕捉するための係合アーム119が配置されて、係合アーム119が圧縮コイル形のばね120で上向きに係合付勢されている。係合アーム119の前後端には、上向きの係合爪121を形成してある。
【0058】
内刃支持枠105は、揺動枠104に上面側から係合装着されてヘッドフレーム103の上面を側壁111ごとカバーする。これにより振動子107の駆動軸109のみが内刃支持枠105の上壁の開口から上方へ突出する。
【0059】
内刃支持枠105の開口と駆動軸109との間はパッキン122で封止する(図8参照)。内刃支持枠105の左右側壁には、先に挙げたロックノブ18と解除ボタン19とが組み込まれている。
【0060】
図5、図7において外刃ホルダー12は、前後一対の外刃16とセンター刃17を支持する内ケース12bと、内ケース12bを支持する外ケース12aとに分けて構成してあり、内ケース12bを外ケース12aに対して下面側から係合装着することにより、両ケース12a・12bが一体化している。
【0061】
外刃16は逆U字状に湾曲保持した金属薄板からなり、その板面には一群の刃孔が網目状に形成されている。外刃ホルダー12をかみそりヘッド2に装着した状態においては、内外の両ケース12a・12bが、内刃支持枠105の前後面を覆い隠してしまう。
【0062】
図13および図14において、内刃ユニット106は、左右に長いH字状の内刃フレーム125と、内刃フレーム125で回転自在に軸支される内刃15と、内刃73の側端に固定した内刃ギヤ126とからなる。内刃フレーム125の両側下端には係合レール127を左右対向状に設けてあり、この係合レール127を内刃支持枠105の上面左右に形成した係合壁128に差し込み係合することにより、内刃ユニット106を内刃支持枠105と一体化できる。内刃15は、円柱状のプラスチック製ホルダーの周面に、一群の金属切刃をスパイラル状に埋設固定して構成してある。
【0063】
内刃ユニット106を内刃支持枠105に装着した状態において、図13に示すように係合アーム119の係合爪121が、係合レール127の差し込み終端部を係合捕捉するので、内刃ユニット106が内刃支持枠105から分離することはない。
【0064】
前後の内刃ギヤ126は、それぞれ終段ギヤ116に噛み合っている。終段ギヤ116と内刃ギヤ126との間では、終段軸115の回転数が僅かに増速される。内刃15の交換のために、内刃ユニット106は内刃支持枠105から抜き外すことができ、その場合には先の係合爪121を押し下げながら、内刃フレーム125を差し込み方向と逆に抜き出し操作することにより、内刃ユニット106の全体を内刃支持枠105から分離できる。
【0065】
(次段伝動機構) 図5、図15において次段伝動機構Eは、減速伝動機構Dの出力軸55に圧入固定される原動プーリー132と、終段軸115に固定される従動プーリー133と、両プーリー132・133に巻掛け装着されるタイミングベルト135と、タイミングベルト135の弛みを吸収するテンションローラー136と、これらの構成部品を収容する伝動室137とからなる。
【0066】
タイミングベルト135は、ポリイミド繊維で強化されたポリウレタン製のタイミングベルトからなる。なお、従動プーリー133の歯数は、原動プーリー132の歯数より僅かに大きく設定してあり、出力軸55の動力をさらに減速する。
【0067】
(往復動力伝動機構) 起振構造によって変換された左右方向の往復動力は、図7に示すように、駆動ピン86の左右往復動作が、振動子107を介してセンター刃17に伝動される。さらに、駆動腕87(駆動体)と、きわぞり刃ユニットの内面に設けられて軸145まわりに左右揺動する伝動アーム146とを介してきわぞり刃13に伝動される。
【0068】
図7においてきわぞり刃13は、きわぞりケース147の上端内面に固定される櫛刃状の固定刃148と、固定刃148に対して左右摺動する櫛刃状の可動刃149とで構成してあり、主として長毛やくせ毛を切断する際に使用する。
【0069】
駆動腕87の後端部には、縦方向の操作溝151を形成してあり、この操作溝151に伝動アーム146の下端に設けた受動突起152が係合することにより、駆動腕87が往復揺動して可動刃149を左右に往復駆動する。
【0070】
図3に示すように、スライドノブ14が実線で示す位置にあるとき、受動突起152は操作溝151と係合しておらず、従って可動刃149は停止している。この状態から、スライドノブ14を想像線で示す位置まで押し上げ操作すると、図7に示すように受動突起152が操作溝151に係合して、伝動アーム146の全体が軸145まわりに左右揺動するので、可動刃149をスライド片70に同期して往復駆動できる。
【0071】
図7および図8においてセンター刃17は、外刃ホルダー3に固定される断面逆U字状の固定外刃156と、固定外刃156の内面に配置される可動内刃157とからなり、振動子107の駆動軸109で可動内刃157を左右に往復駆動することにより、主として長毛やくせ毛を切断する。
【0072】
固定外刃156および可動内刃157は、それぞれ溝状の刃孔が形成されたスリット刃からなる。可動内刃157の内面にプラスチック製の連結片158を固定してあり、先の駆動軸109が連結片158に設けた連結溝159と係合することにより、可動内刃157をスライド片70に同期して往復駆動できる。
【0073】
(安全スイッチ構造) 図16は安全スイッチ構造を示しており、外刃ホルダー12がヘッドフレーム103から取り外された状態において、モーター31の給電路をオフ状態に切り換えて、内刃15が回転駆動されるのを規制する。
【0074】
具体的には、揺動枠104の内部に上下スライド自在に組まれた受動片161と、モーターハウジング33の周囲に設けられて、受動片161の上下変位を安全スイッチ162に伝える中継リング163と、中継リング163の上部内面を押し上げ付勢する圧縮コイル形のばね164と、浮動フレーム34の側面に組み込まれる安全スイッチ162とを含む。
【0075】
図16において受動片161は、逆T状のプラスチック成形品からなり、揺動枠104の内部を前後に横断する腕の上面前後端に、外刃ホルダー12で押し下げ操作される受動部165を有し、腕の下面中央に部分円弧状の操作部166を備えている。受動部165は、内刃支持枠105に設けたスリット168から前後面に突出している。
【0076】
従って、外刃ホルダー12をかみそりヘッド2に装着すると、受動片161の全体が、ばね164の付勢力に抗して押し下げ操作される。操作部166を部分円弧状に形成したのは、かみそりヘッド2が前後いずれかに傾動する状態、すなわち首振り状態においても、受動片161と中継リング12との接当状態を維持して、外刃ホルダー12がかみそりヘッド2から取り外されたことを検知できるようにするためである。
【0077】
中継リング163は、モーターハウジング33を前後から挟む前後一対の前リング163aおよび後リング163bとからなり、それぞれ半円枠状に形成された前リング163aおよび後リング163bの上下端どうしを連結固定して構成する。前後の両リング163a・163bの内法上下寸法は、モーターハウジング33の上下寸法より大きく設定してあるので、中継リング163はモーターハウジング33の周囲を支障なく上下移動できる。
【0078】
図16に示すように、外刃ホルダー12をかみそりヘッド2から取り外した状態では、中継リング163の全体がばね164で押し上げられる。この状態では、中継リング163の下端に設けた操作突起171は安全スイッチ162から離れている。従って、安全スイッチ162は、制御回路に対してオン信号を発信する。
【0079】
外刃ホルダー12をかみそりヘッド2に装着すると、中継リング163が受動片161を介して押し下げ操作され、その下端に設けた操作突起171で安全スイッチ162をオフ操作する。安全スイッチ162はケースパッキン100の内部に配置されているので、操作突起171はケースパッキン100の上壁を介して安全スイッチ162をオンオフ操作することになる。
【0080】
以上のように構成した動力モジュールMは、例えば内刃15の使用個数が異なる電気かみそりの動力源として共用できる。例えば、2個の内刃15を備えているかみそりヘッド2と、内刃15を1個だけ備えたかみそりヘッド2Aにおいて、動力モジュールMと次段伝動機構Eとを共用して、設計や製造の手間とコストとを省くことができる。動力モジュールMから起振構造を省けば、きわぞり刃とセンター刃とが省略された電気かみそりを構成でき、必要があればきわぞり刃とセンター刃との片方のみを備えた電気かみそりを構成できる。
【0081】
電気かみそりの外観上の印象を重厚で高級感に富むものとするために、図1に示すように、本体ケース1はプラスチック製の内ケース181と、内ケース181の外面を覆う金属製の外ケース182と、外ケース182に連続してモード表示灯10の周囲を囲む化粧パネル183などで構成されている。
【0082】
図2において本体ケース1は、その大半を占める下方のグリップ部1Aと、グリップ部1Aより左右幅が大きな上方のヘッド支持部1Bとを有し、ヘッド支持部1B内に先の動力モジュールMやヘッドフレーム103を収容してある。
【0083】
図4において内ケース181は、上下両面が開口する筒体からなり、下面開口が底ケース21で塞がれている。図17に示すように、底ケース21を左右一対のビス22で内フレーム25に締結することにより、本体ケース1と、電装品ユニット3と、底ケース21との3者は分離不能に一体化できる。底ケース21と本体ケース1の接合部、および底ケース21を貫通する先のビス22、および充電プラグ23は、それぞれシールリング24・22a・23aで水密状に防水してある。
【0084】
内ケース181の前壁上部には、化粧パネル183を受け止める逆三角形状のパネル受壁185が膨出形成されており、その中央下部からケース下端にわたって縦長のリブ状壁186が膨出形成されている(図1参照)。内ケース181の上開口の左右両側には、後述する分割ケース191・192を締結するための新月形状の取付壁189が左右平行に形成されている。
【0085】
外ケース182は、それぞれステンレス板材を素材にしてプレス成形した、3次元平面を含む前後一対の分割ケース191・192で構成する。図1、図18、図19の各図に示すように前側の分割ケース191は、断面が樋状の主壁193と、主壁193に連続して外側方へ折り曲げられる左右一対の分岐壁194とを一体に備えている。主壁193は先のグリップ部1Aの外面を覆う。分岐壁194はヘッド支持部1Bの下半部を覆う。主壁193には、先のリブ状壁186の外面に沿う前壁195が膨出形成されており、その面壁に制御パネルユニット用の窓196が開口している。
【0086】
図19において主壁193の断面形状は、前壁195を含む複数の湾曲壁と傾斜壁とを組み合わせて多段状の屈曲断面形状に形成してあり、こうした断面形状を採用することにより、主壁193の構造強度が向上している。図18において符号197は、複数の湾曲壁と傾斜壁との境界に形成された稜線を示す。
【0087】
左右の分岐壁194は、パネル受壁185の下縁形状に一致するV字状の切欠198を介して左右逆向きに折り曲げ形成されている。このように、分岐壁194の間に切欠198が設けられていると、分岐壁194を主壁193に連続して外側方へ折り曲げる際の3次元曲げ加工が容易になり、分岐壁194を精度よく形成できる。3次元の面壁を含む分岐壁194は、分割ケース191の構造強度を向上することにも役立っており、例えば分岐壁194の周縁が外力を受けてめくれ変形するのをよく防止する。分岐壁194を左右逆向きに折り曲げ形成することにより、分割ケース191の構造強度を向上できる。また、分岐壁194で手指を受け止めることができるので、ひげそり時に本体ケース1が手から滑り落ちるのをよく防止できる。
【0088】
前側の分割ケース191の周縁複数箇所には締結座199・200が形成されている。詳しくは図18に示すように、分岐壁194の上端両側に垂直の締結座199を形成し、主壁193の両側縁の中途部に位置決め片203を形成し、下端寄りに締結座200を形成する。主壁193の両側縁の上部には規制爪201を内向きに折り曲げてあり、主壁193の下端縁には、内ケース181の下端面で受け止められる接当壁202が後向きに折り曲げ形成されている。
【0089】
図1、図20、図21の各図に示すように後側の分割ケース192は、前側の分割ケース191と同様に形成され、グリップ部1Aの外面を覆う断面が樋状の主壁205と、主壁205に連続して外側方へ折り曲げられて、ヘッド支持部1Bの下半部を覆う左右一対の分岐壁206とを一体に備えている。但し、前壁195に相当する膨出部は省略してある。
【0090】
図21に示すように、主壁205の断面形状は、複数の湾曲壁と傾斜壁とを組み合わせて多段状の屈曲断面形状に形成してあり、こうした断面形状を採用することにより、主壁205の構造強度を向上できるようにしている。図20において符号207は、複数の湾曲壁と傾斜壁との境界に形成される稜線を示す。
【0091】
左右の分岐壁206は、切欠208を介して左右逆向きに折り曲げ形成し、その上端に台形状のカバー部209を膨出形成する。この分割ケース192における切欠208は、スライドノブ14の周縁形状に一致する形状に形成してあり、先の切欠198と同様に、分岐壁206を主壁205に連続して外側方へ折り曲げる際の3次元曲げ加工を容易化すること、および分岐壁206を精度よく形成できることに寄与している。3次元の面壁と膨出形成されるカバー部209を含む分岐壁206は、分割ケース192の構造強度を向上することにも役立っており、例えば分岐壁206の周縁が外力を受けてめくれ変形するのをよく防止できる。
【0092】
後側の分割ケース192の周縁複数箇所には締結座211・212が形成されている。詳しくは図20に示すように、分岐壁206の上端両側に垂直の締結座211を形成し、主壁205の両側縁の中途部に位置決め片216を形成し、下端寄りに締結座212を形成する。主壁205の両側縁の上部には上下一対の規制爪213を内向きに折り曲げてある。主壁205の下端縁には、内ケース181の下端面で受け止められる接当壁214を前向きに折り曲げてある。切欠208に臨むカバー壁209の上端後縁には、内ケース181の上縁に係止する係止爪215を下向きに折り曲げてある。
【0093】
図1において制御パネルユニット218は、ベース219にスイッチボタン5、ロックボタン6、セレクトボタン7、充電灯8、および電池残量表示灯9を組み付け、その外面を半透明のパネルカバー220で覆って構成してあり、ベース219が内ケース181に装着固定されている。化粧パネル183はアルミニウム板材をプレス成形して形成してあり、外ケース182と異なる金属材で形成することにより、外観上の質感の違いを意識させデザイン性を向上することに役立っている。
【0094】
図1において前後の分割ケース191・192は、内ケース181の前後から対向状に接合されて、後側の分割ケース192、前側の分割ケース191の順で内ケース181に仮組みする。この仮組み状態における位置決めと、仮組み状態を維持するために、図13に示すように内ケース181の取付壁189には係合突起222を形成し、前後の分割ケース191・192の締結座199・211には、それぞれ係合突起222と係合する係合凹部223を形成してある。
【0095】
係合凹部223を係合突起222に係合することにより、前後の分割ケース191・192が前後方向へ分離するのを規制し、同時に位置決めできる。このとき、位置決め片203・216は、図17に示すように内ケース181のピン217と係合して、前後の分割ケース191・192を位置決めしている。
【0096】
後側の分割ケース192の上下端に設けた係止爪215と接当壁214とは、内ケース181で受け止められて、分割ケース192の上下方向の移動を規制する。同様に、前側の分割ケース191の下端に設けた接当壁202は、内ケース181で受け止められて、分割ケース191の上方への移動を規制する。さらに、図13に示すように両分割ケース191・192に設けた上下一対の規制爪213と、規制爪201とが互いに係合することにより、前側の分割ケース191の上下方向への移動を、後側の分割ケース192で規制できる。
【0097】
仮組み状態における前後の分割ケース191・192は、それぞれの主壁193・205、および分岐壁194・206の両側縁が左右方向へ僅かに弾性変形するが、この弾性力も装着状態を保持することに役立っている。
【0098】
両分割ケース191・192を仮組みした後、それぞれの締結座199・200・211・212に挿通したビス225を内ケース181にねじ込むことにより、両分割ケース191・192が内ケース181と一体化される。このとき、各分割ケース191・192の上端、および下端寄りに設けた締結座199・200・211・212をビス225で締結するので、分割ケース191・192を内ケース181に対して密着する状態で確実に固定できる。例えば、主壁193・205の面壁中途部をビスで締結する場合に比べて、両分割ケース191・192の周縁がずれ、あるいは内ケース181から浮き離れるのを確実に防止できる。
【0099】
上記のビス225の外面を覆い隠して本体ケース1の外観を向上するために、上端の締結座199・211の外面を化粧カバー227で覆い隠し、下側の締結座200・212の外面を化粧ピース228で覆い隠している。
【0100】
図13、図22、図23の各図において化粧カバー227は、締結座199・211の外面を覆う新月形状のカバー壁230と、カバー壁230の上縁に連続する上壁231と、上壁231の内縁から下向きに突設された4個の係止爪232とを一体に形成したプラスチック成形品からなる。
【0101】
カバー壁230の内面には、ビス225の頭部を受け入れる浅い逃げ凹部233と、先の係合突起222に係合する抜止凹部234とを形成してある。化粧カバー227を取付壁189と締結座199・211に上方から差し込み、図23に示すように抜止凹部234を係合突起222と係合させることにより、化粧カバー227は内ケース181に対して分離不能に固定される。
【0102】
両分割ケース191・192を内ケース181に固定した状態においては、図3に示すように、両分割ケース191・192の周縁の上部のみが接合し、下半側周縁は徐々に離れてくさび状の隙間を生じる。この隙間に化粧ピース228を装着固定して、位置決め壁203・216と、下側の締結座200・212にねじ込まれたビス225の外面を覆い隠す(図24参照)。
【0103】
化粧ピース228は、隙間形状に合致して上すぼまりくさび形状に形成するが、滑り止めを兼ねるために大きな摩擦抵抗を発揮できるゴム、またはエラストマー樹脂で形成する。このように、本体ケース1の左右両側に滑り止めを兼ねる化粧ピース228が設けられていると、金属製の外ケース182が滑りやすい点を補って、外ケース182に水や洗剤が付着した状態であっても、本体ケース1を確りと掴み保持できる。
【0104】
図25は化粧カバー227の変形例を示す。そこでの化粧カバー227は、内外一対のカバー壁230・230aと、両カバー壁230の上縁どうしを連続する上壁231とで形成し、上壁231の内面前後に下向きの係合突起236を突設してある。
【0105】
内ケース181の取付壁189には、係合凹部223と同形の係合溝237を形成してあり、化粧カバー227を装着した状態において、係合突起236が係合凹部223および係合溝237と同時に係合することにより、前後の分割ケース191・192が前後方向へ分離するのを阻止できるようにしてある。換言すると、係合突起236、係合凹部223、および係合溝237の三者からなる係合構造によって、前後の分割ケース191・192の前後分離を阻止している。他は、先の実施例と同じであるので、同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に扱う。
【0106】
図26は化粧カバー227の変形例を示す。そこでは、かみそりヘッド2が、本体ケース1に対して固定されるヘッドフレーム103と、ヘッドフレーム103で前後揺動可能に支持されるかみそりユニット240とで構成してあり、ヘッドフレーム103のケース部110が、分割ケース191・192の締結座199・211に隣接している。
【0107】
そこで、ケース部110の下縁に沿って化粧カバー227を一体に設け、化粧カバー227で両締結座199・211の外面を覆って、ビス225の外面を隠すようにした。この実施例から理解できるように、化粧カバー227は独立した部品である必要はなく、かみそりヘッド2側の構造体を利用して構成することができる。
【0108】
上記の実施例以外に、切欠198・208の形状は、本体ケース1の構造やデザインに応じて多様に変更することができ、必ずしもV字状やU字状であることを要しない。要は、分岐壁194・206の3次元曲げ加工の加工負荷を軽減できる湾曲形状であればよい。分割ケース191・192はステンレス板材以外の金属板材で形成でき、必要に応じてチタン板やアルミニウム板で形成できる。
【0109】
外ケース182の表面は、必要に応じて梨地状に形成し、あるいはケース表面にメッキを施すことができる。内ケース181は筒構造である必要はなく、外ケース182と同様に、前後あるいは左右に分割して形成してもよい。本発明は、電気かみそり以外の小型電気機器、例えばバリカンや脱毛器などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本体ケースの分解斜視図
【図2】電気かみそりの正面図
【図3】電気かみそりの側面図
【図4】電気かみそりの分解正面図
【図5】かみそりヘッドと動力モジュールの分解斜視図
【図6】かみそりヘッドの縦断正面図
【図7】かみそりヘッドの縦断側面図
【図8】かみそりヘッドの中央縦断正面図
【図9】動力モジュールの縦断正面図
【図10】動力モジュールの分解斜視図
【図11】遊星歯車機構の分解斜視図
【図12】かみそりヘッドの分解正面図
【図13】内刃ユニットの係合構造を示す縦断側面図
【図14】内刃ユニットを分離したかみそりヘッドの分解斜視図
【図15】次段伝動機構を示す縦断側面図
【図16】外刃ホルダーと安全スイッチ機構の関係を示す縦断側面図
【図17】本体ケース底部の断面図
【図18】前側の分割ケースの正面図、および縦断側面図
【図19】図18におけるa〜d部の断面図
【図20】後側の分割ケースの背面図、および縦断側面図
【図21】図20におけるa〜d部の断面図
【図22】図13におけるP−P線断面図
【図23】図13におけるQ−Q線断面図
【図24】図3におけるR−R線断面図
【図25】化粧カバーの別実施例を示す一部破断側面図
【図26】化粧カバーのさらに異なる別実施例を示す側面図
【符合の説明】
1 本体ケース
181 内ケース
182 外ケース
191 分割ケース(前)
192 分割ケース(後)
193 分割ケース(前)の主壁
194 分割ケース(前)の分岐壁
205 分割ケース(後)の主壁
206 分割ケース(後)の分岐壁
Claims (1)
- 本体ケース(1)が、プラスチック製の内ケース(181)と、内ケース(181)の外面を覆うステンレス板材を素材とする外ケース(182)とで構成されており、
本体ケース(1)は、その大半を占める下方のグリップ部(1A)と、グリップ部(1A)より左右幅が大きな上方のヘッド支持部(1B)とを有しており、
内ケース(181)は、上下両面が開口する筒体からなり、左右幅寸法および厚み寸法が略均一なグリップ部(1A)に対応する下半部分と、当該下半部分よりも左右幅および厚み寸法が大きなヘッド支持部(1B)に対応する上半部分とで構成されており、
外ケース(182)が、それぞれ3次元平面を含む状態でプレス成形された前後一対の分割ケース(191・192)で構成されており、
両分割ケース(191・192)を、内ケース(181)に対してその前後から対向状に接合固定して、本体ケース(1)が構成されており、
各分割ケース(191・192)が、内ケース(181)の下半部分を覆う樋状の主壁(193・205)と、主壁(193・205)に連続して外側方に折り曲げられて、内ケース(181)の上半部分の左右縁を覆う左右一対の分岐壁(194・206)とを一体に備えており、
左右の分岐壁(194・206)が、切欠(198・208)を介して左右に分岐しており、
主壁(193・205)が、複数の湾曲壁と傾斜壁とを組み合わせて多段状の屈曲断面形状に形成してあり、
分割ケース(191・192)の周縁複数箇所に、締結座(199・200・211・212)が設けられており、
締結座(199・200・211・212)をビス(225)で内ケース(181)に締結することにより、外ケース(182)が内ケース(181)に密着固定されており、
分岐壁(194・206)の突端側面のそれぞれに、締結座(199・211)が形成されており、
両分割ケース(191・192)の接合縁を挟んで前後に隣接する締結座(199・211)の外面が、化粧カバー(227)で覆われており、
分割ケース(191・192)の締結座(199・211)と、この締結座(199・211)が接合される内ケース(181)の取付壁(189)とを化粧カバー(227)で内外に挟持して、分割ケース(191・192)の左右方向の分離を阻止しており、
締結座(199・211)と、この締結座(199・211)が接合される内ケース(181)との間に、互いに係合して分割ケース(191・192)の前後方向の分離を阻止する係合構造が設けられており、
前記係合構造が、内ケース(181)の外側面に突設した係合突起(222)と、締結座(199・211)に形成した係合凹部(223)とで構成されており、
化粧カバー(227)が、係合突起(222)を利用して内ケース(181)に対して分離不能に装着固定されていることを特徴とする小型電気機器。
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