JP4317734B2 - 液体圧力車高調整機構 - Google Patents
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また、前輪部液体移動防止手段によって、前輪部に備わる2つの単動式シリンダ内の液体が液体圧力回路を介して1の単動式シリンダから他の3つの単動式シリンダへ移動することを防止すると共に、後輪部液体移動防止手段によって、後輪部に備わる2つの単動式シリンダ内の液体が液体圧力回路を介して1の単動式シリンダから他の3つの単動式シリンダへの移動することを防止する作用によって、前記1の単動式シリンダと前記他の単動式シリンダの液体量を等しくすることが可能となり、車体左側の車高と車体右側の車高とが不均衡となることを防止する効果を奏する。また、上記現象による操縦安定性の低下を防止することが可能となる。
請求項4記載の発明によると、前記液体に圧油を使用することによって請求項1から3に記載の発明と同様の効果を奏する。
また、前輪部気体移動防止手段によって、前輪部に備わる2つの単動式シリンダもしくはダイヤフラム内の気体が気体圧力回路を介して1の単動式シリンダもしくはダイヤフラムから他の3つの単動式シリンダもしくはダイヤフラムへ移動することを防止すると共に、後輪部気体移動防止手段によって、後輪部に備わる2つの単動式シリンダもしくはダイヤフラム内の気体が気体圧力回路を介して1の単動式シリンダもしくはダイヤフラムから他の3つの単動式シリンダもしくはダイヤフラムへの移動することを防止する作用によって、前記1の単動式シリンダもしくはダイヤフラムと前記他の単動式シリンダもしくはダイヤフラムの気体量を等しくすることが可能となり、車体左側の車高と車体右側の車高とが不均衡となることを防止する効果を奏する。また、上記現象による操縦安定性の低下を防止することが可能となる。
図1は、実施例の構成例の概要を示すブロック図である。
電子制御装置(ECU)1は、圧力推定手段2と、温度補正手段3と、ポンプ・電磁弁制御手段4とを少なくとも有し、ポンプ・電磁弁を含む油圧回路8においてポンプの駆動及び電磁弁の開閉を制御することによって前輪部車高上昇手段9、前輪部車高下降手段10、後輪部車高上昇手段11、及び後輪部車高下降手段12を用いて単動式の油圧シリンダ13(以下では単に、油圧シリンダという)を制御し、車高の調整を行なう。同図においては、さらに制御要否決定手段5が設けられている。
温度補正手段3は、圧力センサ7を用いて計測した図示しないリザーバタンク内の空気圧及び前回車高調整した時の前記リザーバタンク内の空気圧に基づいて温度変化を推定して、圧力推定手段2で使用する温度変化に依存するパラメータについての補正処理を行なう。
また、ポンプ・電磁弁を含む油圧回路8は、少なくとも前輪部車高上昇手段9と前輪部車高下降手段10と後輪部車高上昇手段11と後輪部車高下降手段12とからなり、各手段は油圧回路を構成するポンプの駆動及び電磁弁の開閉をポンプ・電磁弁制御手段によって制御することで実現することことができる。
車高調整しようとする者が、例えば車内に取付けられた車高調整SW6を操作することにより、車高調整SW6から車高指示信号がECU1に送られる。ECU1は、車高調整SW6から指示された車高に調整した場合の圧力を圧力推定手段2によって算出して目標圧力とする。この目標圧力と圧力センサ7によって計測したタンク(リザーバタンク)17内の圧力とが一致しない場合には、ポンプ8aによる油圧回路内の油圧及び油圧シリンダ13へ圧油を供給・排出するための電磁弁8bの開閉を制御する。
油圧の供給、排出により車高を上昇、下降させる前輪右部、前輪左部、後輪右部、後輪左部に取付けられる各油圧シリンダ18〜21と、それぞれの油圧シリンダ内に圧油を供給、排出するための流路の開閉を行なうソレノイドバルブ22〜25と、逆止め弁33〜36及び逆止め弁39〜42と、密閉されたリザーバタンク30と、電気モータ28により駆動されて油圧シリンダ18〜21に圧油を供給するための油圧ポンプ29と、上記ソレノイドバルブ22〜25のバルブの開閉を制御するためのECU(電子制御装置)26とを少なくとも備えている。
リザーバタンク30は、油圧シリンダ18〜21へ供給するための圧油を格納し、油圧シリンダ18〜21から排出された圧油を収納する。このリザーバタンク30は、圧油を格納する油室と空気室とが揺動可能な仕切りによって分割されている。また、リザーバタンク30には、密閉されたリザーバタンク30の空気室内の圧力を測定するための圧力センサ31が備わっている。
ステップS1において、車高調整操作が行なわれたかをチェックする。車高調整操作がない場合には、車高調整操作待ち状態となる。車高調整操作が行なわれると、ECU26内のCPUは、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)に格納されている前回車高調整した時の車高値を読出す(ステップS2)。
ステップS9において、車高の上昇指示である場合には、CPUはソレノイドバルブ22を開状態とすると同時に、電気モータ28を動作させ圧油を油圧シリンダ18及び油圧シリンダ19に供給する(ステップS10)。
ステップS9において、車高の下降指示である場合には、CPUはソレノイドバルブ23を開状態にして、油圧シリンダ18及び油圧シリンダ19内の圧油をリザーバタンク30に排出する(ステップS14)。
ステップS8において、車高調整対象が後輪部の油圧シリンダである場合には、ステップS17に処理が移行し、さらに上昇指示であるか下降指示であるかがチェックされる。
ステップS19では、CPUはリザーバタンク30の空気圧を圧力センサ31から取得し、取得した現在の空気圧値とステップS7で算出した目標空気圧値とを比較する。現在の空気圧値と目標空気圧値とが一致しない場合には、一致するまでステップS19の処理を繰り返す。
ステップS17において、車高の下降指示である場合には、CPUはソレノイドバルブ25を開状態にして、油圧シリンダ20及び油圧シリンダ21内の圧油をリザーバタンク30に排出する(ステップS21)。
以上より、本発明によると、車高の上昇量及び下降量が、リザーバタンク30内の空気圧から求めることができるため、リザーバタンク30内の空気圧を計測するセンサを1つ設けるだけで車高調整機構を実現することが可能となり、さらに、図4に示したECUの制御によって容易に任意の高さに車高を調整することが可能となる。
以上の説明において、本発明の実施例では、油圧シリンダ18〜21の上昇、下降のために図3に示した油圧回路を使用したが、これに限定するものではない。前輪左部と前輪右部、及び後輪左部と後輪右部に設けられる各油圧シリンダに圧油を供給し、あるいは排出することが出来る回路構成であればよい。
図4では、例えばステップS7において、所定の車高位置に調整後のリザーバタンク30内の目標空気圧を算出し、ステップS8〜ステップS23で目標空気圧と一致するようにリザーバタンク30内の空気圧を制御しているが、リザーバタンク30内の空気圧から現在の車高位置を算出し、この車高位置を所定の車高位置と一致するように、ステップS8〜ステップS23で制御してもよい。
ステップS6では、ステップS5で算出した温度変化に基づいて式2によって最大空気室体積値を補正する。
さらに、ステップS11では、CPUは圧力センサ31から得るリザーバタンク30内の空気圧値を、式4を用いて現在の車高位置量(例えば、単位をmmであって、アウターケース及びインナーチューブ18bの全長)に変換する。この現在の車高位置と、ステップS1で指示のあった目標車高位置値とを比較する。現在の車高位置と目標車高位置とが一致しない場合には、一致するまでステップS11の処理を繰り返す。
同様にして、ステップS14〜ステップS23の処理によって前輪部の下降処理、後輪部の上昇及び下降処理が可能となる。
2 ・・・ 圧力推定手段
3 ・・・ 温度補正手段
4 ・・・ ポンプ・電磁弁制御手段
5 ・・・ 制御要否決定手段
6 ・・・ 車高調整SW
7 ・・・ 圧力センサ
8 ・・・ ポンプ・電磁弁を含む油圧回路
8a ・・・ ポンプ
8b ・・・ 電磁弁
9 ・・・ 前輪部車高上昇手段
10 ・・・ 前輪部車高下降手段
11 ・・・ 後輪部車高上昇手段
12 ・・・ 後輪部車高下降手段
13 ・・・ 油圧シリンダ
14 ・・・ 圧力SW
15 ・・・ 車高センサ
16 ・・・ サイドブレーキセンサ
17 ・・・ タンク(リザーバタンク)
18 ・・・ 前輪右部の油圧シリンダ
18a ・・・ 油室
18b ・・・ インナーチューブ
18c ・・・ スプリング
19 ・・・ 前輪左部の油圧シリンダ
20 ・・・ 後輪右部の油圧シリンダ
21 ・・・ 後輪左部の油圧シリンダ
22〜25・・・ ソレノイドバルブ
26 ・・・ 電子制御装置(ECU)
27 ・・・ 減圧弁
28 ・・・ 電気モータ
29 ・・・ 油圧ポンプ
30 ・・・ リザーバタンク
31 ・・・ 油圧センサ
32 ・・・ リレー
33〜44・・・ 逆止め弁
50〜53・・・ ダイヤフラム
54〜57・・・ ソレノイドバルブ
58 ・・・ 電子制御装置(ECU)
59 ・・・ 電気モータ
60 ・・・ エアコンプレッサ
61 ・・・ 吸排口
62 ・・・ リレー
63 ・・・ ドライヤー
64〜71・・・ 逆止め弁
Claims (3)
- 液体供給手段を介してリザーバタンクから単動式シリンダに対して液体の供給排出をすることによって車高を上昇下降させる液体圧力車高調整機構において、
前輪部の前記単動式シリンダに液体を供給して車高を上昇させるための前輪部車高上昇手段と、
前記前輪部の単動式シリンダから液体を排出して車高を下降させるための前輪部車高下降手段と、
後輪部の前記単動式シリンダに液体を供給して車高を上昇させるための後輪部車高上昇手段と、
前記後輪部の単動式シリンダから液体を排出して車高を下降させるための後輪部車高下降手段と、
をそれぞれ1ウェイタイプのソレノイドバルブ1つで構成し、
前記前輪部の1の単動式シリンダ内の液体が、他の単動式シリンダ内に移動することを抑止する前輪部液体移動防止手段と、
前記後輪部の1の単動式シリンダ内の液体が、他の単動式シリンダ内に移動することを抑止する後輪部液体移動防止手段と、
をそれぞれ逆止め弁で構成し、
前記供給排出される液体を蓄えるために使用される密閉された前記リザーバタンク内の圧力を計測する圧力計測手段と、
所定の位置に車高を調整するための車高の上昇量及び下降量に基づいて該所定の位置に車高を調整した場合の前記リザーバタンク内の圧力を算出する圧力推定手段と、
前記圧力計測手段により計測される圧力と前記圧力推定手段により算出された圧力とが一致するように、前記リザーバタンク内の圧力を調整する圧力制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする液体圧力車高調整機構。 - 液体供給手段を介してリザーバタンクから単動式シリンダに対して液体の供給排出をすることによって車高を上昇下降させる液体圧力車高調整機構において、
前輪部の前記単動式シリンダに液体を供給して車高を上昇させるための前輪部車高上昇手段と、
前記前輪部の単動式シリンダから液体を排出して車高を下降させるための前輪部車高下降手段と、
後輪部の前記単動式シリンダに液体を供給して車高を上昇させるための後輪部車高上昇手段と、
前記後輪部の単動式シリンダから液体を排出して車高を下降させるための後輪部車高下降手段と、
をそれぞれ1ウェイタイプのソレノイドバルブ1つで構成し、
前記前輪部の1の単動式シリンダ内の液体が、他の単動式シリンダ内に移動することを抑止する前輪部液体移動防止手段と、
前記後輪部の1の単動式シリンダ内の液体が、他の単動式シリンダ内に移動することを抑止する後輪部液体移動防止手段と、
をそれぞれ逆止め弁で構成し、
前記供給排出される液体を蓄えるために使用される、密閉された前記リザーバタンク内の圧力を計測する圧力計測手段と、
該圧力計測手段によって計測した圧力に基づいて車高位置を算出する車高位置推定手段と、
該車高位置推定手段によって算出された車高位置を、所定の位置に調整するために前記リザーバタンク内の圧力を調整する圧力制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする液体圧力車高調整機構。 - 前記液体は、圧油であることを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の液体圧力車高調整機構。
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