JP4315277B2 - 分布巻線方法及び装置並びにコイル部品 - Google Patents

分布巻線方法及び装置並びにコイル部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラムコアに一対の巻線を分布巻(スペース巻)で設けるための分布巻線方法及び装置並びにコイル部品に係り、とくに、信号線等のコモンモードノイズを抑圧するためのコモンモードフィルタ等であって、デジタルビデオ・インターフェース、HDMI(ハイ・ディフィニション・マルチメディア・インターフェース)等の高速差動信号インターフェースに用いられる、小型のコモンモードフィルタ等の分布巻線方法及び装置並びにコイル部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドラムコア(巻芯)への巻線方法の1例として、ペア線を用い密接した形で巻線する巻線方法があった(下記特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の従来のドラムコア(巻芯)への巻線方法の1例として、複数の線材を並列且つ密接した形で巻線する巻線方法があった(下記特許文献2,3参照)。
【0004】
さらに、従来のドラムコア(巻芯)への巻線方法の1例として、複数の線材を並列且つ密接した形でペアとして巻線して行き、引出部分においても線材相互を近接状態として結合度を向上させた巻線方法があった(下記特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−110428号公報
【特許文献2】
特開2002−33228号公報
【特許文献3】
特開2002−8931号公報
【特許文献4】
特開2003−77730号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1〜4に示した従来例のコモンモードフィルタでは2本のワイヤーを使用するが、従来の巻線方法では2本のワイヤーを密接させて並べて、巻線を行い、継線からげ部は斜めもしくは水平引き出しを行う巻線方法であった。
【0007】
この場合、巻線された一対又は1ラインと2ラインのワイヤーを、ドラムコアの鍔部に形成した溝を通して継線部(電極上)に引き出した場合、継線部付近において異ラインワイヤの接触部分が存在することになる。また、ワイヤーとコア側電極との継線処理を、はんだ付け、熱圧着、レーザーあるいはアーク溶接、超音波接合等の方法で行った場合、1ラインと2ラインの接触により絶縁被覆導線であるワイヤーの絶縁皮膜の劣化が発生する。
【0008】
これらのことから、従来構造のように継線部付近において、異ラインワイヤの接触が存在した場合、ライン間での耐圧、及び絶縁抵抗の低下等の問題が発生する。
【0009】
また、ドラムコアへのワイヤーの巻線方法として一般的な密着巻は、自動巻線が容易であるが、ワイヤー同士が密着状態であると、線間容量が増加するため、遮断周波数が低下する問題が発生する。とくに、DVI、HDMI等の高速差動信号インターフェースに使用する用途であると、遮断周波数を高くするためにスペース巻、つまり分布巻線することが要望されるが、線間距離を一定に保つように巻線作業を自動化するのは難しかった。
【0010】
また、ライン間での耐圧及び絶縁抵抗の低下の問題を回避するために、一対のワイヤーの引き出しを、ドラムコアの鍔部に形成した異なる溝にそれぞれ通して行うことも、ワイヤー引き出し及び継線作業の自動化を難しくしていた。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、遮断周波数が高くて高速差動信号の伝送に好適であって、高耐圧、高信頼性を有するコモンモードフィルタ等の自動化された分布巻線方法及び装置並びに当該方法により得られるコイル部品を提供することを第1の目的とする。
【0012】
また、本発明は、スピンドルチャックの1回転毎にワイヤーの線間距離を巻線ノズル位置や角度補正をかけながら一定に制御してターン数を重ねていくことにより、一対のワイヤー間隔を一定に保って接触を防止し、絶縁低下やショートが発生せず、且つ電気特性面でのばらつきが少ない自動化された分布巻線方法及び装置並びに当該方法により得られるコイル部品を提供することを第2の目的とする。
【0013】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係る分布巻線方法は、
先端部の左右に位置決めピンを有するとともに、該左右の位置決めピン間に突出、引き込み自在な左右の位置矯正ピンを有するスピンドルチャックを用いて、鍔部の一側面に分離用凸部で隔てられた一対のスリット溝を有するドラムコアを前記スピンドルチャックで保持しておき、
一対のワイヤーを一対の巻線ノズルにそれぞれ通し、前記一対のワイヤーを前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛ける第1工程と、
突出状態となった前記左右の位置矯正ピンに前記一対のワイヤーをそれぞれ引っ掛け、前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの巻始め側鍔部の一対のスリット溝に沈み込ませる第2工程と、
前記巻始め側鍔部に設けられた一対の電極に対して前記一対のワイヤーをワイヤー固着手段で固着する第3工程と、
前記一対の巻線ノズルを前記スピンドルチャックの回転中心軸に平行にトラバースさせながら前記スピンドルチャックを回転して前記一対のワイヤー間に所定線間距離を設けて分布巻を行う第4工程と、
前記一対の巻線ノズルを移動させて前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの巻終わり側鍔部の一対のスリット溝から引き出す第5工程と、
前記巻終わり側鍔部に設けられた一対の電極に対して前記一対のワイヤーをワイヤー固着手段で固着する第6工程とを順次行う分布巻線方法であり、
前記分離用凸部の幅は前記所定線間距離以上であり、前記スリット溝は前記ドラムコアの軸方向と平行に延びたものであり、
前記左右の位置矯正ピンは、前記ドラムコアの後方に前記スピンドルチャックの回転中心軸を挟んで左右に位置し、
前記ドラムコアは前記スリット溝の底部から前記電極に至る傾斜凹面を有し、前記第2工程後、前記第3工程を行う前に、線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記スリット溝から外れないように押さえた状態で前記左右の位置矯正ピンを引き込み状態として前記一対のワイヤーを前記左右の位置矯正ピンから外すことにより、前記一対のワイヤーが前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛けられて前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られるようにし、さらに前記線押さえ部材で前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて押さえ付け、かつ、
前記第5工程後、線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記巻終わり側鍔部のスリット溝から外れないように押さえた状態で、前記スピンドルチャックとは別に前記巻終わり側鍔部の側方に設けられた巻き終わり側の左右の位置決めピンに前記一対のワイヤーをそれぞれ引っ掛けて前記一対のワイヤーが前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られるようにして、前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて引き出した後、前記第6工程を行うことを特徴としている
【0015】
本願請求項2の発明に係る分布巻線方法は、請求項1において、前記一対の巻線ノズルを有する巻線ノズルブラケットは前記スピンドルチャックの回転中心軸に垂直な方向に回転中心軸を有し、前記第4工程において前記スピンドルチャックが1回転する毎に前記巻線ノズルブラケットは補正回転して前記線間距離を一定に維持することを特徴としている。
【0018】
本願請求項の発明に係る分布巻線方法は、請求項1又は2において、前記ワイヤー固着手段としてヒーターチップを用い、前記ワイヤーを前記電極に熱圧着することを特徴としている。
【0019】
本願請求項の発明に係る分布巻線装置は、
先端部の左右に位置決めピンを有するとともに、左右の位置決めピン間に突出、引き込み自在な左右の位置矯正ピンを有し、ドラムコアを保持して回転するスピンドルチャックと、
一対のワイヤーをそれぞれ通した一対の巻線ノズルを有していて前記スピンドルチャックの回転中心軸に垂直な方向に回転中心軸を有する巻線ノズルブラケットと、
ワイヤーを前記ドラムコアの鍔部に設けられた電極に固着するワイヤー固着手段とを備え、
前記左右の位置決めピンは前記一対のワイヤーを引っ掛けることができ、かつ前記左右の位置矯正ピンは突出状態で前記一対のワイヤーを引っ掛けるとができるとともに前記ドラムコアの巻始め側鍔部の一側面に分離用凸部で隔てられた一対のスリット溝に、前記一対のワイヤーを前記一対の巻線ノズルの移動により沈み込ませることができ、
前記一対の巻線ノズルを前記スピンドルチャックの回転中心軸に平行にトラバースさせながら前記スピンドルチャックを回転させて、前記一対のワイヤー間に所定線間距離を設けて分布巻を行う分布巻線装置であり、
前記一対のワイヤーを前記スリット溝から外れないように押さえる線押さえ部材と、
前記スピンドルチャックとは別に設けられた巻き終わり側の左右の位置決めピンとをさらに備え、
前記分離用凸部の幅は前記所定線間距離以上であり、前記スリット溝は前記ドラムコアの軸方向と平行に延びたものであり、
前記左右の位置矯正ピンは、前記ドラムコアの保持位置の後方に前記スピンドルチャックの回転中心軸を挟んで左右に位置し、
前記線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記巻始め側鍔部のスリット溝から外れないように押さえた状態で前記左右の位置矯正ピンを引き込み状態として前記一対のワイヤーを前記左右の位置矯正ピンから外すことにより、前記一対のワイヤーを前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛けられて前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られる状態にでき、さらに前記ドラムコアの前記巻始め側鍔部のスリットの底部から前記電極に至る傾斜凹面に沿わせて前記ワイヤーを前記線押さえ部材で押さえ付けることができ、かつ、
前記線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの巻終わり側鍔部の一側面に分離用凸部で隔てられた一対のスリット溝から外れないように押さえた状態で前記巻き終わり側の左右の位置決めピンに前記一対のワイヤーをそれぞれ引っ掛けることで、前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られるようにして前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて引き出すことができることを特徴としている
【0020】
本願請求項の発明に係る分布巻線装置は、請求項において、前記スピンドルチャックが1回転する毎に前記巻線ノズルブラケットは補正回転して前記線間距離を一定に維持することができることを特徴としている。
【0021】
本願請求項の発明に係る分布巻線装置は、請求項又はにおいて、前記ワイヤー固着手段がヒーターチップであることを特徴としている。
【0022】
本願請求項の発明に係るコイル部品は、請求項1,2又は3記載の分布巻線方法によりドラムコアに巻線を施したことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る分布巻線方法及び装置並びにコイル部品の実施の形態を図面に従って説明する。
【0024】
図1乃至図10は本発明に係る分布巻線方法及び装置の実施の形態であり、図11乃至図14はその分布巻線方法及び装置により作製するコイル部品としてのコモンモードフィルタを示す。但し、図11乃至図14は実装面側(底面側)を上向きとして示す。
【0025】
図1乃至図10で分布巻線方法及び装置の実施の形態を説明する前に、前記方法で作製すべきコモンモードフィルタのコア構造及び巻線構造について図11乃至図14で説明する。これらの図において、フェライト等の磁性体又はセラミック等の非磁性体で形成されたドラムコア50は巻芯部51の両側に方形鍔部52を有している。このドラムコア50の各方形鍔部52には電極53が金属ペーストの焼き付け、金属メッキ等でそれぞれ2箇所形成されている。前記電極53は方形鍔部52の四側面のうちの一面である下面(実装面)に位置する下面電極部(ユーザー電極部)53a及び外側端面に位置する端面電極部53bを少なくとも連続して有するように形成されている。なお、後述する分布巻線方法及び装置において、ヒーターチップでワイヤーと電極53との継線処理を行う場合には、ワイヤーを電極53に熱圧着可能なように電極53の最上層には錫(Sn)めっき層(又ははんだめっき層)を比較的厚く設けておく。
【0026】
前記電極53の下面電極部53aが両側に位置する方形鍔部52の下面52aにおいて、幅方向中間位置は分離用凸部54となっており、その両側に分離用凸部54で隔てられた2つのスリット溝(引出溝)55がドラムコア軸方向に平行に形成されている。
【0027】
ドラムコア50の巻芯部51には、一対のワイヤー、すなわち第1ワイヤー60A及び第2ワイヤー60Bが巻線され、巻線後の一対のワイヤー60A,60Bは分離用凸部54で分離された2つのスリット溝(引出溝)55にそれぞれ通され(分離状態を保って)、それらのワイヤー端末は電極53の下面電極部53aに熱圧着で継線(図11の継線位置Jにて電気的に接続)される。なお、ワイヤー60A,60Bの端末の下面電極部53aへの導出を容易とするために、スリット溝55の底面から下面電極部53aの平坦面に向かう傾斜凹面56が方形鍔部端面に沿って形成されている。
【0028】
前記一対のワイヤー60A,60Bはコモンモードフィルタの遮断周波数を高くするために(好ましくは遮断周波数を6.5GHz以上とするため)、密着巻とせず、図14のようにワイヤー60A,60B間に線間距離aを設け、かつワイヤーの各ターン間に巻線間隔bを設けた分布巻(スペース巻)として線間容量を低減している。さらに、ワイヤー60A,60Bの引出部分も、線間容量低減のために、前記線間距離a以上の距離を保ってスリット溝55に通され下面電極部53aに継線されるように設定する。このため、分離用凸部54の幅は前記線間距離a以上であることが望ましいと言える。この場合、各ワイヤー60A,60Bは加熱融着性を有するセメントワイヤ等を用いて、ワイヤーの位置ずれを防ぐことが好ましい。
【0029】
ここでの作製するコモンモードフィルタの製品形状は、2012タイプ(長さ2.0mm、幅1.2mm、高さ1.2mm)や2520タイプ(長さ2.5mm、幅2.0mm、高さ1.2mm)であり、この場合、使用するワイヤーの直径は0.05mm以下である。また、2012、2520タイプの製品の場合、前記線間距離a、巻線間隔bはそれぞれ数10μm程度に設定する。
【0030】
図17の従来のコモンモードフィルタでは、ドラムコア50に巻かれたワイヤー60A,60Bの端末の電極53への継線処理部付近にて、異ラインワイヤが接触していたために、ワイヤー端末の継線処理をはんだ付け、熱圧着、レーザーあるいはアーク溶接、超音波接合等の方法で行った場合、ワイヤー絶縁皮膜の熱劣化が進んだ部分、特に巻き始めと巻き終わりのワイヤーが接触する個所において、ショートする等の問題があったが、これに対して、上記図11乃至図14に示したコモンモードフィルタでは、ワイヤー60A,60Bの端末の継線処理部付近において、方形鍔部52の中間位置に分離用凸部54を形成したことにより、相互にワイヤーが分離され、異なるラインのワイヤが接触している部分は無いことから、異ライン間でのショートの危険性が全くなく、信頼性が向上する。
【0031】
本実施の形態では、図11乃至図14のドラムコア構造及び巻線構造を有するコモンモードフィルタを作製する場合を例にとって分布巻線方法及び装置を以下に説明する。
【0032】
図1乃至図10において、1はドラムコア50を挟持(把持)するスピンドルチャックであり、固定側チャック部材2と可動側チャック部材3とを有している。このスピンドルチャック1は回転中心軸C1を中心にして回転する。可動側チャック部材3の先端部左端にはドラムコア50に巻き付ける第1ワイヤー60Aの高さを規制する第1高さ位置決めピン4Aが固定され、固定側チャック部材2の先端部右端にはドラムコア50に巻き付ける第2ワイヤー60Bの高さを規制する第2高さ位置決めピン4Bが固定されている。第1及び第2高さ位置決めピン4A,4Bは側面拡大図のように外周面の一定高さ位置にワイヤーが係合するV溝5を形成したものである。
【0033】
前記固定側チャック部材2の側面には第1ワイヤー位置決め用(位置矯正用)の位置矯正昇降ピン6A及び第2ワイヤー位置決め用(位置矯正用)の位置矯正昇降ピン6Bが突出、引き込み自在に設けられている。位置矯正昇降ピン6A,6Bは引き込み状態では前記V溝5よりも低く、ワイヤー60A,60Bが引っかからない高さとなっている。図1乃至図9では位置矯正昇降ピン6A,6Bが突出状態のときのみ黒塗りで示す。
【0034】
また、前記固定側チャック部材2の側面にはダミーピン7が一定位置に固定されており、第1及び第2高さ位置決めピン4A,4B及びダミーピン7は、位置矯正昇降ピン6A,6Bを内側に囲む略正三角形の頂点に位置する。
【0035】
巻線ノズルブラケット10は、第1ワイヤー60Aを通して繰り出すための第1巻線ノズル11A及び第2ワイヤー60Bを通して繰り出すための第2巻線ノズル11Bを有し、スピンドルチャック1の回転中心軸C1に垂直な方向の回転中心軸C2を中心として回転できる。また、図1のX方向(横方向)、Y(縦方向)及びZ方向(紙面に垂直な方向)に移動できる。
【0036】
第1及び第2ワイヤー60A,60Bの先端は捨て線ワイヤークランプ12でクランプ(保持)され、第1及び第2巻線ノズル11A,11B側のワイヤー60A,60Bは図2乃至図9に示すワイヤークランプ13でクランプされるようになっている。
【0037】
まず、図1(A)の巻線開始位置(ホームポジション)から巻線ノズルブラケット10は同図(B)のようにダミーピン7の方向に動き、捨て線ワイヤークランプ12で先端がクランプされた第1及び第2ワイヤー60A,60Bをダミーピン7に引っかけ、さらに、同図(C)のように巻線ノズルブラケット10はスピンドルチャック1の左端の第1高さ位置決めピン4Aの方向に動き、90°左回転することで、第1ワイヤー60Aを第1高さ位置決めピン4Aに引っかける。
【0038】
次に、図1(D)のように巻線ノズルブラケット10はスピンドルチャック1の右端の第1高さ位置決めピン4Bの方向に動き、同図(C)から(E)に至るまでに180°右回転することで、第2ワイヤー60Bを第2高さ位置決めピン4Bに引っかけ、図1(E)の状態とする。
【0039】
図1(A)〜(E)では位置矯正昇降ピン6A,6Bは引き込み状態であるが、同図(F)ではワイヤー60A,60Bを引っかけ可能な高さにまで突出してワイヤー位置決めガイドとして機能するようになる。すなわち、第1及び第2巻線ノズル11A,11Bが図1(F)の点線位置に移動するまでは位置矯正昇降ピン6A,6Bは引き込み状態であるが、その後、位置矯正昇降ピン6A,6Bは突出位置となり、第1及び第2巻線ノズル11A,11Bの移動及び所定角度θの回転動作により第1ワイヤー60Aは位置矯正昇降ピン6Aに、第2ワイヤー60Bは位置矯正昇降ピン6Bにそれぞれ引っかける。
【0040】
それから、図2(A)のように、巻線ノズルブラケット10をスピンドルチャック1の回転中心軸C1の延長線方向に移動させることにより、第1及び第2ワイヤー60A,60Bをドラムコア50の軸方向に沿って略平行に引き出すことができる。このとき、位置矯正昇降ピン6Aと位置矯正昇降ピン6Bとはスピンドルチャック1の回転中心軸C1を挟んで左右に位置し、図14のドラムコア50のワイヤー引き出し用のスリット溝55の配列ピッチPと略一致する配列ピッチで第1及び第2ワイヤー60A,60Bを引き出すことができる(換言すれば、スリット溝55間の分離用凸部54の幅よりも僅かに大きなワイヤー間隔で引き出すことができる)。従って、ワイヤー60A,60Bはドラムコア50の方形鍔部52中央に設けた分離用凸部54に乗り上げることなく、またワイヤー60A,60Bがスリット溝55からはみ出さないよう引きまわし、一対のワイヤー60A,60Bをスリット溝55の正規の位置に沈めることによりワイヤー引き出しができる。
【0041】
その後、図2(B)及び図10(A)のように、線押さえ部材20が下降し、その第1の押さえ部分21にてドラムコア50のワイヤー引き出しのためのスリット溝55内のワイヤー60A,60Bを押さえる。そして、図2(C)のように線押さえ部材20によるワイヤー押さえを継続した状態で位置矯正昇降ピン6A,6Bが下降する(スリット溝55の正規の位置にワイヤー60A,60Bを沈み入れる動作を兼ねる)ことで、ワイヤー60A,60Bが位置矯正昇降ピン6A,6Bから外れ、第1及び第2ワイヤー60A,60Bは第1及び第2高さ位置決めピン4A,4Bにそれぞれ引っ掛けられて左右に開いた状態からドラムコア50のスリット溝55に導入されるように設定される(図14に示すようにワイヤー60A,60BをL型直角に曲げたワイヤー引出部分が形成される)。このとき、第1及び第2巻線ノズル11A,11Bへのワイヤー供給経路にワイヤーにテンションを付与するテンション発生手段(テンションアーム等)が設けられているため、ワイヤー60A,60Bがたるまないように第1及び第2巻線ノズル11A,11Bから第1及び第2ワイヤー60A,60Bを繰り戻す。そして、図2(D)のように第1及び第2巻線ノズル11A,11Bの手前側で、ワイヤークランプ13により第1及び第2ワイヤー60A,60Bをクランプする。
【0042】
それから、図3(A)のように線押さえ部材20が矢印方向(−Y方向)に前進する。この動作はワイヤー60A,60Bが線押さえ部材20と共に上昇してしまうのを防止するためであり、線押さえ部材20は直ちに上昇しないでこの前進動作によりドラムコア50から離れ、その後図3(B)で線押さえ部材20は上昇し、同図(C)で後退位置(+Y方向)に戻ってから下降する(但し、図10(C),(D)の線押さえ部材20の第2の押さえ部分22が下降する)。これらの一連の動作により、線押さえ部材20の第1の押さえ部分21は図10(A)の状態から上昇して外れ、代わりに図10(C),(D)のように線押さえ部材20の第2の押さえ部分22が下降して、ドラムコア50の傾斜凹面56に沿わせてワイヤー60A,60Bを押さえ付ける。その後は図3(D)のように線押さえ部材20は上昇してから、後退する。
【0043】
前記線押さえ部材20が後退した後、図4(A)のように、ヒーターチップ(HT)25がドラムコア50の巻始め側の電極53上に移動してきて下降し、ワイヤー60A,60Bをドラムコア50側の電極53に押さえつけて加圧し、同図(B)においてヒーターチップ25にてパルスヒートし(加熱温度400〜500℃)、ウレタン線等の絶縁被覆銅線であるワイヤー60A,60Bの絶縁被覆を蒸発、除去し、さらに電極53上に予め塗布した錫層を溶融させて銅線部分を溶着する(熱圧着で錫、銅の仮合金化により熱拡散接合する)。その後、図4(C)でワイヤークランプ13のクランプを解除し、同図(D)でヒーターチップ25が移動し、図示しないカッターでドラムコア50から出た余分な端末部分のワイヤー60A,60Bを切断する。
【0044】
ワイヤー切断後、図5(A)のように線押さえ部材20が図10(A)のように再度下降して巻始め(スタート)側のワイヤー60A,60Bを押さえる。これは、ワイヤー60A,60Bがドラムコア側のスリット溝から外れない(はみ出さない)ようにするためである。この状態で図5(B)のように第1及び第2巻線ノズル11A,11Bを有する巻線ノズルブラケット10はドラムコア50の側方(巻線開始位置)に移動する。その後、線押さえ部材20はドラムコア50から離れ(逃げ)、図5(D)の状態でスピンドルチャック1を回転させるとともに、巻線ノズルブラケット10を−Y方向にトラバースさせて第1及び第2ワイヤー60A,60B間に、図14のように、所定の線間距離aを設けた分布巻(スペース巻)を行う。但し、1ターン毎に巻線ノズルブラケット10の回転角度を補正し、図14の線間距離aが一定となるように設定する。ここでの回転角度の補正値は実験により求める。なお、巻線ノズルブラケット10のトラバース量を適切値に設定することにより、図14におけるワイヤーの各ターン間の巻線間隔bが等間隔となるように設けることができる。
【0045】
図6(A)は分布巻(スペース巻)による巻線終了状態であり、その後図6(B)、図10(B)のように線押さえ部材20が下降し、その第3の押さえ部分23で巻き終わり側のワイヤー60A,60Bを押さえて位置規制し(正しい位置に矯正する作用もある)、その状態にて図6(C)のように第1及び第2巻線ノズル11A,11Bはスピンドルチャック1の回転中心軸C1の延長線上に移動する。
【0046】
その後、図7(A)のように、ドラムコア50に対してスピンドルチャック1側の第1及び第2高さ位置決めピン4A,4Bと対称位置に第3及び第4高さ位置決めピン4C,4Dが現れる(装置側に設けられたものが突出してくる)。第3及び第4高さ位置決めピン4C,4Dも外周面の一定高さ位置(ピン4A,4Bと同じ高さ位置)にワイヤーが係合するV溝を形成してある。なお、第3及び第4高さ位置決めピン4C,4Dは、必ずしも第1及び第2高さ位置決めピン4A,4Bと対称位置にある必要はなく、ドラムコア50の巻き終わり側方形鍔部52の側方位置にあればよい。
【0047】
そして、図7(A),(B)の順に第1及び第2巻線ノズル11A,11Bを移動、回転させる(左側に移動後中央に戻る)ことにより、第1ワイヤー60Aを第3高さ位置決めピン4Cに引っ掛ける。次いで、図7(C),(D),(E)の順に第1及び第2巻線ノズル11A,11Bを移動、回転させる(右側に移動後中央に戻る)ことにより、第2ワイヤー60Bを第4高さ位置決めピン4Dに引っ掛ける。
【0048】
その後、図8(A)のように、第1及び第2巻線ノズル11A,11Bはスピンドルチャック1の回転中心軸C1の延長線上に移動し、同図(B)のようにワイヤークランプ13でワイヤー60A,60Bをクランプし、このワイヤークランプ状態で同図(C)のように線押さえ部材20が移動、上昇し、さらに同図(D)のように後退位置となる。なお、図8(C),(D)間においても、図10(C),(D)のように、線押さえ部材20の第2の押さえ部分22が下降して、ドラムコア50の傾斜凹面56に沿わせてワイヤー60A,60Bを押さえ付ける動作を行うことが好ましい。
【0049】
そして、図8(E)のように、ヒーターチップ(HT)25がドラムコア50の巻終わり側の電極53上に移動してきて下降し、ワイヤー60A,60Bをドラムコア50側の電極53に押さえつけて加圧し、図9(A)においてヒーターチップ25にてパルスヒートし、加熱融着性を有するウレタン線(セメントワイヤー)等の絶縁被覆銅線であるワイヤー60A,60Bの絶縁被覆を蒸発、除去し、さらに電極53上に予め塗布した錫層を溶融させて銅線部分を溶着する(熱圧着で錫、銅の仮合金化により熱拡散接合する)。その後、図9(B)でヒーターチップ25が移動し、図示しないカッターでドラムコア50から出た余分な端末部分のワイヤー60A,60Bを切断する。
【0050】
以後、第1及び第2巻線ノズル11A,11Bを有する巻線ノズルブラケット10は図9(C),(D)の順に動き、ホームポジションに復帰する。また、図示しないが、スピンドルチャック1の固定側チャック部材2に対して可動側チャック部材3が開き、ワイヤー巻線及び端末処理の完了した図11に示すドラムコア50を専用のパレットに整列収納する。
【0051】
このようにして得られたコモンモードフィルタでは、ワイヤー60A,60Bの端末の継線処理部付近において、方形鍔部52の中間位置に分離用凸部54を形成したことにより、図11乃至図14のように相互にワイヤー60A,60Bが分離され、異ラインワイヤーが接触している部分は無いことから、異ライン間でのショートの危険性が全くなく、信頼性が向上する。図15に、従来のコモンモードフィルタ(図17のワイヤー間を隔てる凸部無し品)と、本実施の形態(凸部あり品)のコモンモードフィルタのライン間の破壊電圧測定結果を示す。この測定結果からわかるように、本実施形態により作製されたコモンモードフィルタの方が、ライン間耐圧が50%増加することが特性面で確認された。
【0052】
この実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0053】
(1) 先端部の左右に位置決めピンを有するとともに、左右の位置決めピン間に突出、引き込み自在な左右の位置矯正ピンを有し、ドラムコアを保持して回転するスピンドルチャックと、一対のワイヤーをそれぞれ通した一対の巻線ノズルを有していて前記スピンドルチャックの回転中心軸に垂直な方向に回転中心軸を有する巻線ノズルブラケットと、ワイヤーを前記ドラムコアの鍔部に設けられた電極に固着するワイヤー固着手段としてのヒーターチップとを備えた分布巻線装置を用いることで、ドラムコア50の巻芯部51に対する一対のワイヤー60A,60Bの分布巻処理を自動化するとともに、分布巻前後のワイヤー端末の引き出し及び継線処理を自動化することができる。
【0054】
(2) スピンドルチャックが1回転する毎に巻線ノズルブラケットは補正回転して一対のワイヤー60A,60Bの線間距離aを一定に維持することができる。これにより、ドラムコア50に巻かれたワイヤー線間距離aのばらつきを最小限に抑えて、電気特性ばらつきの低減を図った表面実装型のコモンモードフィルタ等のコイル部品を実現できる。
【0055】
(3) 先端部の左右に位置決めピンを有するとともに、左右の位置決めピン間に突出、引き込み自在な左右の位置矯正ピンを有するスピンドルチャックと共に線押さえ部材20を用いており、ワイヤー60A,60Bの端末の継線からげ部は信頼性向上のためにL型直角ワイヤー引き出し(溝から傾斜凹部に沿わせて直角に曲げる処理)を実現している。すなわち、ドラムコア50がスリット溝55の底部から電極53に至る傾斜凹面を有し、線押さえ部材20で一対のワイヤー60A,60Bをスリット溝から外れないように押さえた状態で前記左右の位置矯正ピンを引き込み状態として一対のワイヤー60A,60Bを前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛けて一対のワイヤー60A,60Bがドラムコア50の軸方向に直交する向きに引っ張られるようにし、さらに前記線押さえ部材20で前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて押さえ付ける動作を行う。これにより、ワイヤー60A,60Bとドラムコア側電極53との継線部分の信頼性向上を図ることができる。
【0056】
(4) ワイヤー60A,60Bと電極53との接合部分は、パルスヒート方式の熱圧着で電極面の錫めっき層とワイヤー芯線(銅線)とを仮合金化させて、機械的及び電気的に確実に接続できる。このため、巻線処理の後に、はんだ付けや溶接等の継線処理は不要であり、製造工程の簡素化が可能である。
【0057】
(5) 本実施の形態で説明した分布巻線方法及び装置によって、磁性又は非磁性ドラムコア50の巻芯部51に、一対のワイヤー60A,60Bを、各ワイヤー間に線間距離aを設けかつワイヤーの各ターン間に巻線間隔bを設けた分布巻として巻回し、かつ前記分離用凸部54により各ワイヤーを1本ずつ分離状態としてスリット溝に通して引き出し、前記ワイヤー端末を前記電極に継線した構成とすることにより、遮断周波数が高く(好ましくは6.5GHz以上)、デジタルビデオ・インターフェース、HDMI等の高速差動信号の伝送に適し、高耐圧、高信頼性を有する表面実装型のコモンモードフィルタを実現できる。
【0058】
図16は本実施の形態で使用可能なドラムコアの変形例であって、ドラムコアの方形鍔部の中央位置での縦断面を示す。この場合、一対のワイヤー60A,60Bを位置決めするための凹部として凹溝61,62が形成されており、ワイヤー60Aは凹溝61で、ワイヤー60Bは凹溝62で位置決めされ巻芯部51に分布巻されるように設定する。これにより、ワイヤー間の線間距離a及びワイヤーの各ターン間における巻線間隔bが凹溝61,62で正確に規定されるため、製品毎の電気特性のばらつきの低減を図ることができる。
【0059】
なお、その他の構成は図11乃至図14のコモンモードフィルタと同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る分布巻線方法及び装置によれば、ドラムコアに分布巻を施す処理及び継線処理を自動化でき、遮断周波数が高くて高速差動信号の伝送に好適であって、高耐圧、高信頼性を有するコモンモードフィルタ等のコイル部品を効率的に生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分布巻線方法及び装置並びにコイル部品の実施の形態を示す第1の説明図である。
【図2】実施の形態の第2の説明図である。
【図3】実施の形態の第3の説明図である。
【図4】実施の形態の第4の説明図である。
【図5】実施の形態の第5の説明図である。
【図6】実施の形態の第6の説明図である。
【図7】実施の形態の第7の説明図である。
【図8】実施の形態の第8の説明図である。
【図9】実施の形態の第9の説明図である。
【図10】実施の形態で用いる線押さえ部材の構成及び動作の説明図である。
【図11】上記分布巻線方法及び装置により作製するコイル部品としてのコモンモードフィルタの底面図である。
【図12】前記コモンモードフィルタの底面側(実装面側)を上向きとした側面図である。
【図13】前記コモンモードフィルタの底面側(実装面側)を上向きとした斜視図である。
【図14】前記コモンモードフィルタのワイヤー端末の引き出し及び継線部分を拡大して示す部分底面図である。
【図15】ドラムコアの鍔部に分離用凸部の無いコモンモードフィルタの従来品と本実施の形態により得られたコモンモードフィルタの場合のライン間耐圧を対比して示すグラフである。
【図16】本発明の実施の形態で使用可能なドラムコアの変形例であって、方形鍔部の中央位置での縦断面を示す正断面図である。
【図17】従来のコモンモードフィルタの斜視図である。
【符号の説明】
1 スピンドルチャック
2 固定側チャック部材
3 可動側チャック部材
4A,4B 高さ位置決めピン
5 V溝
6A,6B 位置矯正昇降ピン
7 ダミーピン
10 巻線ノズルブラケット
11A,11B 巻線ノズル
12 捨て線ワイヤークランプ
13 ワイヤークランプ
20 線押さえ部材
21 第1の押さえ部分
22 第2の押さえ部分
23 第3の押さえ部分
25 ヒーターチップ
50 ドラムコア
51 巻芯部
52 方形鍔部
53 電極
54 分離用凸部
55 スリット溝
56 傾斜凹面
60A,60B ワイヤー

Claims (7)

  1. 先端部の左右に位置決めピンを有するとともに、該左右の位置決めピン間に突出、引き込み自在な左右の位置矯正ピンを有するスピンドルチャックを用いて、鍔部の一側面に分離用凸部で隔てられた一対のスリット溝を有するドラムコアを前記スピンドルチャックで保持しておき、
    一対のワイヤーを一対の巻線ノズルにそれぞれ通し、前記一対のワイヤーを前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛ける第1工程と、
    突出状態となった前記左右の位置矯正ピンに前記一対のワイヤーをそれぞれ引っ掛け、前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの巻始め側鍔部の一対のスリット溝に沈み込ませる第2工程と、
    前記巻始め側鍔部に設けられた一対の電極に対して前記一対のワイヤーをワイヤー固着手段で固着する第3工程と、
    前記一対の巻線ノズルを前記スピンドルチャックの回転中心軸に平行にトラバースさせながら前記スピンドルチャックを回転して前記一対のワイヤー間に所定線間距離を設けて分布巻を行う第4工程と、
    前記一対の巻線ノズルを移動させて前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの巻終わり側鍔部の一対のスリット溝から引き出す第5工程と、
    前記巻終わり側鍔部に設けられた一対の電極に対して前記一対のワイヤーをワイヤー固着手段で固着する第6工程とを順次行う分布巻線方法であり、
    前記分離用凸部の幅は前記所定線間距離以上であり、前記スリット溝は前記ドラムコアの軸方向と平行に延びたものであり、
    前記左右の位置矯正ピンは、前記ドラムコアの後方に前記スピンドルチャックの回転中心軸を挟んで左右に位置し、
    前記ドラムコアは前記スリット溝の底部から前記電極に至る傾斜凹面を有し、前記第2工程後、前記第3工程を行う前に、線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記スリット溝から外れないように押さえた状態で前記左右の位置矯正ピンを引き込み状態として前記一対のワイヤーを前記左右の位置矯正ピンから外すことにより、前記一対のワイヤーが前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛けられて前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られるようにし、さらに前記線押さえ部材で前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて押さえ付け、かつ、
    前記第5工程後、線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記巻終わり側鍔部のスリット溝から外れないように押さえた状態で、前記スピンドルチャックとは別に前記巻終わり側鍔部の側方に設けられた巻き終わり側の左右の位置決めピンに前記一対のワイヤーをそれぞれ引っ掛けて前記一対のワイヤーが前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られるようにして、前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて引き出した後、前記第6工程を行うことを特徴とする分布巻線方法
  2. 前記一対の巻線ノズルを有する巻線ノズルブラケットは前記スピンドルチャックの回転中心軸に垂直な方向に回転中心軸を有し、前記第4工程において前記スピンドルチャックが1回転する毎に前記巻線ノズルブラケットは補正回転して前記線間距離を一定に維持する請求項1記載の分布巻線方法。
  3. 前記ワイヤー固着手段としてヒーターチップを用い、前記ワイヤーを前記電極に熱圧着する請求項1又は2記載の分布巻線方法。
  4. 先端部の左右に位置決めピンを有するとともに、左右の位置決めピン間に突出、引き込み自在な左右の位置矯正ピンを有し、ドラムコアを保持して回転するスピンドルチャックと、
    一対のワイヤーをそれぞれ通した一対の巻線ノズルを有していて前記スピンドルチャックの回転中心軸に垂直な方向に回転中心軸を有する巻線ノズルブラケットと、
    ワイヤーを前記ドラムコアの鍔部に設けられた電極に固着するワイヤー固着手段とを備え、
    前記左右の位置決めピンは前記一対のワイヤーを引っ掛けることができ、かつ前記左右の位置矯正ピンは突出状態で前記一対のワイヤーを引っ掛けるとができるとともに前記ドラムコアの巻始め側鍔部の一側面に分離用凸部で隔てられた一対のスリット溝に、前記一対のワイヤーを前記一対の巻線ノズルの移動により沈み込ませることができ、
    前記一対の巻線ノズルを前記スピンドルチャックの回転中心軸に平行にトラバースさせながら前記スピンドルチャックを回転させて、前記一対のワイヤー間に所定線間距離を設けて分布巻を行う分布巻線装置であり、
    前記一対のワイヤーを前記スリット溝から外れないように押さえる線押さえ部材と、
    前記スピンドルチャックとは別に設けられた巻き終わり側の左右の位置決めピンとをさらに備え、
    前記分離用凸部の幅は前記所定線間距離以上であり、前記スリット溝は前記ドラムコアの軸方向と平行に延びたものであり、
    前記左右の位置矯正ピンは、前記ドラムコアの保持位置の後方に前記スピンドルチャックの回転中心軸を挟んで左右に位置し、
    前記線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記巻始め側鍔部のスリット溝から外れないように押さえた状態で前記左右の位置矯正ピンを引き込み状態として前記一対のワイヤーを前記左右の位置矯正ピンから外すことにより、前記一対のワイヤーを前記左右の位置決めピンにそれぞれ引っ掛けられて前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られる状態にでき、さらに前記ドラムコアの前記巻始め側鍔部のスリットの底部から前記電極に至る傾斜凹面に沿わせて前記ワイヤーを前記線押さえ部材で押さえ付けることができ、かつ、
    前記線押さえ部材で前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの巻終わり側鍔部の一側面に分離用凸部で隔てられた一対のスリット溝から外れないように押さえた状態で前記巻き終わり側の左右の位置決めピンに前記一対のワイヤーをそれぞれ引っ掛けることで、前記一対のワイヤーを前記ドラムコアの軸方向に直交かつ互いに離間する方向に引っ張られるようにして前記ワイヤーを前記傾斜凹面に沿わせて引き出すことができることを特徴とする分布巻線装置
  5. 前記スピンドルチャックが1回転する毎に前記巻線ノズルブラケットは補正回転して前記線間距離を一定に維持することができる請求項4記載の分布巻線装置。
  6. 前記ワイヤー固着手段がヒーターチップである請求項又は記載の分布巻線装置。
  7. 請求項1,2又は3記載の分布巻線方法によりドラムコアに巻線を施したコイル部品。
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