JP3534087B2 - インダクタ - Google Patents
インダクタInfo
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Description
し、詳しくは、コアに導線を巻回してなる巻線タイプの
インダクタに関する。
イプのインダクタにおいて、コアに巻回される導線の巻
回ピッチにより、インダクタンスを変化させる技術は公
知であるが、等ピッチで精度良く巻回ピッチをコントロ
ールすることは容易ではなく、高精度に巻回ピッチをコ
ントロールするためには、複雑かつ精密な制御機構を備
えた設備が必要となり、コストの増大を招くという問題
点がある。特に、インダクタンス値を3%以下の微小幅
で、かつ、バラツキを大きくすることなくコントロール
することは相当に困難であるのが実情である。
ソレノイドコイルの両端部の巻ピッチを広くし、中央部
巻ピッチを狭くした構造が開示されており、また、実開
昭60−83217号には、コアの両端側の巻き始め部
分と巻き終わり部分の数巻き分を疎に巻回し、中央部分
を密に巻回した高周波コイルが開示されている。
両端側の巻き始め部分と巻き終わり部分の数巻き分を疎
に巻回するようにしているので、製品の大型化を招くと
いう問題点がある。
のであり、微少なインダクタンスの制御を精度よく行う
ことが可能であるとともに、製品の大型化を招くことな
く、導線のショート不良の発生を抑制、防止することが
可能なインダクタを提供することを目的とする。
に、本願発明(請求項1)のインダクタは、導線が巻回
されるコアの軸方向が縦向きで、コアの下端側に配設さ
れたフランジ部に外部接続用の電極が配設された構造を
有する縦型のインダクタであって、前記コアの下端側の
巻線部分についてみた場合において、 (a)下端側から1巻き目の導線と2巻き目の導線の間
に、他の領域において隣り合う導線の間隔よりも大きい
隙間が形成されるように、導線が疎に巻回されており、 (b)その他の領域においては、隣り合う導体の間隔が、
前記1巻き目の導線と前記2巻き目の導線の間隔よりも
小さい隙間が形成されるように、導線が密に巻回されて
いることを特徴としている。
で、コアの下端側に配設されたフランジ部に外部接続用
の電極(端子電極)が配設された構造を有する縦型のイ
ンダクタに関し、コアの下端側の巻線部分についてみた
場合において、下端側から1巻き目の導線と2巻き目の
導線の間に、他の領域において隣り合う導線の間隔より
も大きい隙間が形成されるように、疎に導線を巻回し、
その他の領域においては、導線を密に巻回することによ
り、微少なインダクタンスの制御を行うことが可能にな
るとともに、製品の大型化を招くことなく、導線のショ
ート不良の発生を抑制することができるようになる。
より、下端側から1巻き目の導線と2巻き目の導線のピ
ッチを変える(大きくする)方が、微小なインダクタン
スの制御を効率よく行うことが可能になり、また、はん
だ付け工程の熱は、端子電極に近い導線の1巻き目と2
巻き目に集中するので、端子電極の形成されたフランジ
部のある下端側から1巻き目と2巻き目のピッチを大き
くすることにより、熱を効果的に拡散させることが可能
になり、1巻き目と2巻き目のワイヤ被膜の劣化による
レアショートを防止することが可能になる。
2巻き目以外の領域において、隣接する導体間に隙間が
形成されないようなピッチで導線が巻回されている場合
を含むものであり、そのような場合にも、下端側から1
巻き目と2巻き目の導線の間に、所定の大きさの隙間が
形成されるように導線を巻回することにより、微少なイ
ンダクタンスの制御、製品の小型化、導線のショート不
良の抑制などを図ることが可能になる。
の巻回数が3〜33ターンであることを特徴としてい
る。
に、下端側から1巻き目の導線と2巻き目の導線の巻回
ピッチを疎にすることにより、微小なインダクタンスの
制御を効率よく行うことが可能になり、本願発明をより
実効あらしめることができる。
合には、下端側から1巻き目の導線と2巻き目の導線の
ピッチを疎にすることによるインダクタンスへの影響が
大きくなりすぎて、インダクタンスの微調整が困難にな
り、また、巻回数が33ターンを超える場合には、下端
側から1巻き目の導線と2巻き目の導線のピッチを疎に
することによるインダクタンスへの影響が小さくなりす
ぎて、インダクタンスの調整幅が狭くなりすぎることに
なる。
された前記1巻き目の導線と前記2巻き目の導線の間隔
が、密に巻回された領域において隣り合う導体の間隔の
2〜20倍の範囲にあることを特徴としている。
の導線の間隔を、密に巻回された領域において隣り合う
導体の間隔の2〜20倍の範囲とすることにより、実用
的な範囲においてインダクタンスの微調整を行うことが
可能になり、有意義である。但し、1巻き目と2巻き目
以外の他の領域で導線を隙間なく巻回する場合がある
が、そのような場合には、上記の2〜20倍の範囲を外
れても、十分にインダクタンスの微調整を行うことが可
能であり、本願発明は、そのような場合を排除するもの
ではない。
縦型のインダクタの概略構成を示す図である。この実施
形態1の縦型のインダクタは、導線1が巻回されるコア
2の軸方向が縦向きで、コア2の下端側に配設されたフ
ランジ部3に外部接続用の電極(端子電極)4a,4b
が配設された構造を有している。
て、絶縁被覆されたCu線が用いられており、コア2と
して、アルミナからなるコアが用いられている。なお、
コアの上端部にも、フランジ部3より径の小さい小フラ
ンジ部6が形成されている。
は、例えば、長さ(L)=3.2mm,高さ(T)=1.
7mm,幅=2.5mmという寸法が例示され、通常は、該
寸法付近の寸法を有するインダクタに本願発明を適用す
ることが望ましい。
は、コア2のフランジ部3が形成された下端側の巻線部
分についてみた場合に、下端側から1巻き目の導線1a
と2巻き目の導線1bの間にのみ、所定の隙間Gが形成
されるように、導線1が疎に巻回されている。すなわ
ち、この実施形態1のインダクタでは、下端側から1巻
き目と2巻き目以外の領域5においては、隣り合う導線
1の間に、実質的に隙間が形成されないように導線1が
密に巻回されている。
においては、導線1の全体の巻回数が10ターンとなる
ように構成されている。なお、本願発明では、下端側か
ら1巻き目と2巻き目以外の領域5において、1巻き目
の導線1aと2巻き目の導線1bの隙間Gよりも小さい
隙間が形成されるようなピッチで導線1を巻回するよう
に構成することも可能である。
ランジ部3に配設された一対の端子電極4a,4bには
んだ付けなどの方法で、接続、固定されている。
ついて説明する。(1) まず、図2(a)に示すように、実装時に下側となる
方の端部にフランジ部3が配設されたコア2を、フラン
ジ部3が上側になるような姿勢(上下が逆になった姿
勢)でチャック11にセットし、導線1が繰り出される
ノズル12を、コア2のフランジ部3の底面よりも高い
位置に保持して、1巻き目の導線1a(図1)をフラン
ジ部3に近い位置に巻回する。(2) それから、図2(b)に示すように、ノズル12を、
チャック11の上面よりも低く設定し、その状態でチャ
ック11を回転させ、1巻き目の導線1a(図1)と2
巻き目の導線1b(図1)の間に隙間Gが形成されるよ
うなピッチで導線1を巻回する。(3) その後、図2(c)に示すように、ノズル12をコア
2の中央辺り高さに設定し、その状態でチャックを回転
させ、残りの巻数分を、隣り合う導線の間に隙間が生じ
ないようにならい巻きする。その後、導線1の始端部及
び終端部を、フランジ部3に配設された端子電極4a,
4bにはんだ付けなどの方法で、接続、固定することに
より、図1に示すような縦型のインダクタが得られる。
て、LAVG,L−DOWN率などの特性を測定した。その結
果を表1に示す(サンプル数n=120)。また、比較
のため、導線を等ピッチになるように整列巻きした比較
例のインダクタを用意し、このインダクタについても、
LAVG,L−DOWN率などの特性を測定した。その結果を
併せて表1に示す。
タンスの平均値を示し、L−DOWN率は、比較例のインダ
クタンス値に対するインダクタンスの低下割合(%)を
示している。また、隙間AVGは、1巻き目の導線と2巻
き目の導線の間の、隙間寸法の平均値を示している。
の詳細(平均値、標準偏差、最大値、最小値など)を示
すとともに、図3(a),(b),(c),(d)に、ヒストグ
ラムを示す。
側から1巻き目の導線1aと2巻き目の導線1bの間に
のみ隙間Gが形成されるように導線1を巻回したインダ
クタ(実施形態のサンプル)と、導線を等ピッチになる
ように整列巻きしたインダクタ(比較例)の導線の巻幅
(すなわち、導線が巻回されている全領域のコア軸方向
の距離(例えば、図1にXで示す距離)とインダクタン
スの関係を示す。なお、上記実施形態1のインダクタに
ついては実測値を示し、等ピッチになるように整列巻き
したインダクタについては理論値を示している。
と2巻き目の導線1bの間にのみ隙間Gが形成されるよ
うに導線1を巻回したインダクタの方が、導線を等ピッ
チになるように整列巻きしたインダクタ(比較例)に比
べて、インダクタンスの変化率が小さく、インダクタン
スの微調整を行うのに適していることがわかる。
したインダクタと、1巻き目と2巻き目の導線の巻回ピ
ッチのみを大きくするようにした本願発明のインダクタ
において、全体の巻幅X(図1)を同じにすると、1巻
き目と2巻き目の導線の巻回ピッチのみを大きくするよ
うにした本願発明のインダクタの方がインダクタンスの
変化割合が小さく、インダクタンスを大きく変化させよ
うとすると、導線の巻回ピッチを等ピッチとしたインダ
クタの場合よりも、1巻き目と2巻き目の導線の間隔を
大きくすることが必要になり、その分だけ、インダクタ
ンスの微調整を行いやすくなる。
ては、1巻き目と2巻き目の導線の巻回ピッチのみを大
きくするようにしているので、コアの両端側の巻き始め
部分と巻き終わり部分の数巻き分を疎に巻回し、中央部
分を密に巻回した従来のコイル部品(実開昭60−83
217号)に比べて、製品を小型化することが可能にな
る。
目の導線の間に隙間が形成されるように導線を巻回して
いるので、実装時のはんだ付け工程における熱が、端子
電極が形成されたフランジ部から、2巻き目の導線にま
で達しにくくなり、1巻き目と2巻き目のワイヤ被膜の
劣化によるレアショートを防止することができる。
インダクタにおいては、すべての領域で、導線と導線の
間に微少な間隔を設けるようにしなければならず、1巻
き目と2巻き目の導線の間隔も小さくなり、実装時のは
んだ付け工程における熱が、2巻き目の導線に達しやす
く、1巻き目と2巻き目のワイヤ被膜の劣化によるレア
ショートを引き起こしやすいという問題点がある。
す図である。このインダクタは、導線1が巻回されるコ
ア2の軸方向が横向きで、コア2の両端側に配設された
フランジ部3a,3bに外部接続用の電極(端子電極)
4a,4bが配設された構造を有する横型のインダクタ
である。なお、コアの上部を覆うように絶縁樹脂による
被覆が施される場合がある。
は、コア2のフランジ部3a,3bが形成された両端側
の巻線部分についてみた場合において、両端部側から1
巻き目の導線1aと2巻き目の導線1bの間にのみ、隙
間G1,G2が形成されるように、導線1が疎に巻回さ
れている。すなわち、このインダクタでは、端部側から
1巻き目と2巻き目以外の領域5においては、隣り合う
導線1の間に間隔が形成されないように導線1が密に巻
回されている。また、このインダクタにおいては、導線
1の全体の巻回数が10ターンとなるように構成されて
いる。
1巻き目と2巻き目以外の領域5において、1巻き目の
導線1aと2巻き目の導線1bの間隔G1,G2よりも
小さい隙間が形成されるようなピッチで導線1を巻回す
るように構成することも可能である。
ランジ部3a,3bに配設された端子電極4a,4bに
はんだ付けなどの方法で、接続、固定されている。な
お、その他の構成は、前記実施形態1のインダクタと同
様である。また、このインダクタは、上記実施形態1の
インダクタの製造方法に準じる方法により製造すること
ができる。
においても、上記実施形態1の縦型のインダクタの場合
と同様の効果を得ることができる。すなわち、導線の巻
回ピッチを等ピッチとしたインダクタと、両端側の1巻
き目と2巻き目の導線の巻回ピッチのみを大きくするよ
うにした、図5のインダクタにおいて、全体の巻幅を同
じにすると、1巻き目と2巻き目の導線の巻回ピッチの
みを大きくするようにした図5のインダクタの方がイン
ダクタンスの変化割合が小さく、インダクタンスを大き
く変化させようとすると、導線の巻回ピッチを等ピッチ
としたインダクタの場合よりも、1巻き目と2巻き目の
導線の間隔を大きくすることが必要になり、その分だ
け、インダクタンスの微調整を容易に行うことが可能に
なる。
側から1巻き目と2巻き目の導線の巻回ピッチのみを大
きくするようにしているので、コアの両端側の巻き始め
部分と巻き終わり部分の数巻き分を疎に巻回し、中央部
分を密に巻回した従来のコイル部品(実開昭60−83
217号)に比べて、製品の大型化を招くことなく、1
巻き目と2巻き目のワイヤ被膜の劣化によるレアショー
トを防止することができる。
れるものではなく、コアの構成材料や、具体的な形状、
導線の巻回数や導線の構成材料、導線の巻回ピッチなど
に関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変
形を加えることが可能である。
インダクタは、導線が巻回されるコアの軸方向が縦向き
で、コアの下端側に配設されたフランジ部に外部接続用
の電極(端子電極)が配設された構造を有する縦型のイ
ンダクタにおいて、コアの下端側から1巻き目の導線と
2巻き目の導線の間に、他の領域において隣り合う導線
の間隔よりも大きい隙間が形成されるように、疎に導線
を巻回し、その他の領域においては、導線を密に巻回す
るようにしているので、微少なインダクタンスの制御を
行うことが可能になるとともに、製品の大型化を招くこ
となく、導線のショート不良の発生を防止することがで
きるようになる。
線の巻回数が3〜33ターンである場合に、下端側から
1巻き目の導線と2巻き目の導線の間に、他の領域にお
いて隣り合う導線の間隔よりも大きい隙間が形成される
ように、疎に導線を巻回することにより、微小なインダ
クタンスの制御を効率よく行うことが可能になり、本願
発明をより実効あらしめることができる。
に巻回された1巻き目の導線と2巻き目の導線の間隔
を、密に巻回された領域において隣り合う導体の間隔の
2〜20倍の範囲とすることにより、実用的な範囲にお
いてインダクタンスの微調整を行うことが可能になり有
意義である。
縦型のインダクタの概略構成を示す図である。
かる縦型のインダクタの製造工程を示す図である。
る縦型のインダクタについて測定したインダクタンスに
関するヒストグラムを示す図である。
間にのみ隙間が形成されるように導線を巻回したインダ
クタ(実施形態のサンプル)と、導線を等ピッチになる
ように整列巻きしたインダクタ(比較例)の巻幅とイン
ダクタンスの関係を示す線図である。
成を示す図である。
間隔 L インダクタの長さ T インダクタの高さ X インダクタの導線の巻幅
Claims (3)
- 【請求項1】導線が巻回されるコアの軸方向が縦向き
で、コアの下端側に配設されたフランジ部に外部接続用
の電極が配設された構造を有する縦型のインダクタであ
って、 前記コアの下端側の巻線部分についてみた場合におい
て、 (a)下端側から1巻き目の導線と2巻き目の導線の間
に、他の領域において隣り合う導線の間隔よりも大きい
隙間が形成されるように、導線が疎に巻回されており、 (b)その他の領域においては、隣り合う導体の間隔が、
前記1巻き目の導線と前記2巻き目の導線の間隔よりも
小さい隙間が形成されるように、導線が密に巻回されて
いることを特徴とするインダクタ。 - 【請求項2】前記導線の巻回数が3〜33ターンである
ことを特徴とする請求項1記載のインダクタ。 - 【請求項3】疎に巻回された前記1巻き目の導線と前記
2巻き目の導線の間隔が、密に巻回された領域において
隣り合う導体の間隔の2〜20倍の範囲にあることを特
徴とする請求項1及び2記載のインダクタ。
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