JP4314926B2 - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP4314926B2
JP4314926B2 JP2003286209A JP2003286209A JP4314926B2 JP 4314926 B2 JP4314926 B2 JP 4314926B2 JP 2003286209 A JP2003286209 A JP 2003286209A JP 2003286209 A JP2003286209 A JP 2003286209A JP 4314926 B2 JP4314926 B2 JP 4314926B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
film
electro
optical device
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003286209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005055661A (ja
Inventor
圭司 福原
泰 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003286209A priority Critical patent/JP4314926B2/ja
Priority to US10/896,884 priority patent/US7388225B2/en
Priority to TW093122728A priority patent/TWI273529B/zh
Priority to EP04254588A priority patent/EP1505429A3/en
Priority to KR1020040061454A priority patent/KR100750556B1/ko
Priority to CNB2004100702782A priority patent/CN100343746C/zh
Publication of JP2005055661A publication Critical patent/JP2005055661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4314926B2 publication Critical patent/JP4314926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/136Liquid crystal cells structurally associated with a semi-conducting layer or substrate, e.g. cells forming part of an integrated circuit
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/136Liquid crystal cells structurally associated with a semi-conducting layer or substrate, e.g. cells forming part of an integrated circuit
    • G02F1/1362Active matrix addressed cells
    • G02F1/136213Storage capacitors associated with the pixel electrode

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

本発明は、例えばアクティブマトリクス駆動の液晶装置、電子ペーパなどの電気泳動装置、EL(Electro-Luminescence)表示装置、電子放出素子(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display)を備えた装置等の電気光学装置及びその製造方法の技術分野に関する。また、本発明は、このような電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野にも関する。
従来、基板上に、マトリクス状に配列された画素電極及び該電極の各々に接続された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、「TFT」という。)、該TFTの各々に接続され、行及び列方向それぞれに平行に設けられたデータ線及び走査線等を備えることで、いわゆるアクティブマトリクス駆動が可能な電気光学装置が知られている。
このような電気光学装置では、上記に加えて、前記基板に対向配置される対向基板を備えるとともに、該対向基板上に、画素電極に対向する対向電極等を備え、更には、画素電極及び対向電極間に挟持される液晶層等を備えることで、画像表示が行われる。すなわち、液晶層内の液晶分子は、画素電極及び対向電極間に設定された所定の電位差によって、その配向状態が適当に変更され、これにより、当該液晶層を透過する光の透過率が変化することによって画像の表示が行われることになるのである。
さらに、前記電気光学装置は、TFT及び画素電極に接続される保持容量を備えることがある。この保持容量により、画素電極に印加された電位を一定期間保持することが可能となり、その電位保持特性を顕著に向上させることが可能となる。このような保持容量を備える電気光学装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものが知られている。
特開平11−223832号公報
しかしながら、従来における電気光学装置については次のような問題点がある。すなわち、前記保持容量は、典型的には、TFT及び画素電極に電気的に接続された第1電極、これに対向配置されて固定電位に維持される第2電極、及び、これら両電極に挟持される誘電体膜という三層構造を有する。ここで、第1電極及び第2電極間は、当然ながら電気的に接続されてはいけない。短絡すれば、保持容量がコンデンサとして機能し得ないからである。
しかしながら、近年において、電気光学装置の小型化・微細化の要求は更に高まっており、かかる保持容量を含め、前記のTFT、データ線、走査線及び画素電極等々の各種の構成要素は、非常に狭い領域内で構築される必要がある。このうち保持容量については、このような微細化等の要請を満足する必要の他、一定程度以上の容量値の確保、即ち電極面積を稼ぐなり、あるいは誘電体膜の誘電率を稼ぐなりしなければならないという要請も満たす必要がある。
このような相反する要請を満たすためには、前記した第1電極及び第2電極それぞれの電極面積をそれぞれ等しく形成することが考えられる。これによれば、例えば一方の電極が他方の電極に対向しない部分、即ちコンデンサとしては機能しない余剰の部分が、基板上の限られた面積を無駄に占有することがなく、その一方で、両電極は双方とも無駄なく対向しあっていることから小型化・微細化を達成しながらも容量値を無駄に削るということがない。
しかし、このように、第1電極及び第2電極の双方が同じ面積をもって対向しあってしまうと、その端面においては、これら両電極に挟まれた誘電体膜も外部に曝された状態となってしまう(即ち、かかる三層構造のいわば「断層」が、表に現れてしまう)。これでは、例えば、当該保持容量の形成過程において、前記第1電極、誘電体膜及び第2電極をパターニングする際、いわゆる「エッチング残り」ないしは残渣(以下、「残渣」という。)が発生すると、この残渣が前記端面に付着することにより、第1電極及び第2電極間で短絡を生じさせてしまう可能性がある。また、短絡までは行かなくとも、前記残渣の存在により、前記端面で電界集中が生じ、耐圧低下を発生させてしまうことも考えられる。
さらには、このような問題点は、前記のように第1電極及び第2電極が同じ面積で形成される場合に限らずに発生する可能性がある。例えば、両電極のうちより下側に位置する電極が、平面視するとより上側に位置する電極(以下、便宜上「上側電極」と呼ぶ。)及び誘電体膜から、“はみ出し”て形成されているような場合であっても、これら上側電極と誘電体膜との断層が外部に曝された状態であれば、前記上側電極の当該端面における角部に電界集中が生じ、前記と同様の耐圧低下の問題は発生し得るからである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐圧性能に優れ、好適に機能し得る保持容量を備えた電気光学装置及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するため、基板上に、一定の方向に延びるデータ線及び該データ線に交差する方向に延びる走査線と、前記走査線により走査信号が供給される薄膜トランジスタと、前記データ線により前記薄膜トランジスタを介して画像信号が供給される画素電極とからなる電気光学装置であって、前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続された第1電極、該第1電極に対向配置された第2電極、及び、前記第1電極及び前記第2電極間に配置された誘電体膜とからなる保持容量とを備えてなり、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の表面の全部又は一部が酸化された酸化膜とを備え、前記酸化膜の厚さは、1.5〔nm〕以上、30〔nm〕以下である。
本発明の電気光学装置によれば、走査信号に応じてスイッチング制御される薄膜トランジスタのON・OFFに応じて、画像信号がデータ線から画素電極へと供給され、また、供給が停止される。これにより、いわゆるアクティブマトリクス駆動が可能となる。また、本発明によれば、第1電極、誘電体膜及び第2電極からなる保持容量が形成されていることにより、例えば、画素電極における電位保持特性を顕著に高めることができ、画質の向上に大きく資する。なお、本発明にいう「保持容量」は、いま述べたような画素電極における電位保持特性を高めるためのコンデンサとしての意味を含むほか、画像信号に基づく電位を画素電極に印加する前に一時的蓄えることの可能なメモリとしての機能を有するコンデンサとしての意味をも含む。
そして、本発明によれば特に、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の表面の全部又は一部に酸化膜が形成されている。この酸化膜により、例えば、第1電極及び第2電極間が短絡するなどという事態は、殆ど発生させないことができる。とりわけ前記表面には、第1電極の後述するエッジ部、あるいは第2電極のエッジ部が含まれ得、当該エッジ部についても酸化膜が形成されうるから、当該保持容量の耐圧性能を極めて向上させることができる。
更には、前記第1電極、前記第2電極を形成するにあたって、これらの前駆膜をパターニングする際その残渣が発生したとしても、その残渣もまた、酸化されて前記酸化膜の一部を構成することとなるから、該残渣を原因とした耐圧性能の低下をも防止することができる。
なお、本発明において、「表面」とは、画素電極側容量電極における、該画素電極側容量電極と誘電体膜とが接していない面を含むほか、該画素電極側容量電極と誘電体膜とが相互に接触している面(以下、便宜上「接触面」という。)も含む。これは、誘電体膜が、例えば酸化シリコン膜からなる場合、第1電極を酸化する過程で用いられる酸素が、当該誘電体膜を通じて前記接触面に至り、それを酸化させることも可能だからである。また、「表面」とはいうものの、前記酸化により、第1電極は、実際的には、字義通りの表面に加えて、その内部寄りの近傍もまた、前記酸化膜に変化することになるのは言うまでもない。「表面」には、そのような趣旨も含まれる。以上述べたことは、第2電極についても同じである。
また、本発明にいう「酸化膜」とは、典型的に、想定される平面的な形状を有する膜形態のものだけを意味するのでない。例えば、後述する「エッジ部」のみが酸化されただけであったとしても、その酸化された部分もまた、「酸化膜」の範囲に入る。
加えて、本発明において、保持容量は、前記の薄膜トランジスタ、データ線、走査線及び画素電極が、前記基板上で構築する積層構造の一部として形成すること、即ち該保持容量を構成する第1電極、誘電体膜及び第2電極を、三層構造の積層構造物として形成可能である。この場合、第1電極及び第2電極の配置位置、より具体的には、どちらがより上層で、どちらがより下層となってもよい。前記酸化膜の厚さが、好適に設定されていることから、次のような作用効果が得られる。すなわち、酸化膜の厚さが、1.5〔nm〕を下回ると、十分な絶縁効果が得られず、したがって当該保持容量の十分な耐圧性能を得ることができず、他方、酸化膜の厚さが30〔nm〕を越える場合、例えば、かかる酸化膜を得るための熱酸化工程において、薄膜トランジスタの半導体層の酸化をも進ませることになり、該薄膜トランジスタのON電流を低下させてしまうおそれがある。したがって、本態様によれば、十分な耐圧性能の享受と好適に動作する薄膜トランジスタの確保という作用効果を得ることができる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記表面は、該第1電極及び該第2電極の少なくとも一方の端面を含む。
この態様によれば、まず、「端面」とは、例えば、第1電極、誘電体膜及び第2電極をパターニングした際に現れるパターン形状の縁部分に接続される、いわば壁に該当する部分の面を意味する。ここで、例えば前記のパターニングが、第1電極及び第2電極の少なくとも一方と誘電体膜が同一平面(該平面は、典型的には、基板に垂直に立つ仮想的な「平面」を想定している。前記の壁は当該平面にのることになる。)にのるように行われたとした場合、前記壁の面、即ち端面は、画素電極側容量電極の端、誘電体膜の端、及び第2電極の端がいわば揃っているかたちになるから、短絡ないしは電界集中の後の絶縁破壊の不具合が生じやすい。しかるに、本発明では、この端面において、前記酸化膜が形成されているのである。したがって、前記の作用効果はより確実に享受されることになる。
この態様では、前記端面は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方のエッジ部を含むように構成してもよい。
このような構成によれば、前記端面に比べて、更に電界集中の後の絶縁破壊等の不具合が発生しやすいエッジ部において、前記酸化膜が形成されていることから、当該保持容量の耐圧性能を更に向上させることができる。
なお、本構成にいう「エッジ部」とは、具体的には例えば、第1電極が直方体である場合には、当該直方体を構成する六点の角部に該当する。第2電極についても同じである。
また、本構成においては、「少なくとも一方のエッジ部」とされていることから、第1電極及び第2電極の両方のエッジ部が酸化されていてもよく、むしろその方が、いずれか一方のみのエッジ部に酸化膜が形成されているよりも好ましい。更に好ましくは、第1電極の或るエッジ部と、誘電体膜を挟んで、これに対向的に位置する第2電極のエッジ部とが、共に酸化されていれば尚よい。これらによれば、耐圧性能の更なる向上が実現できるからである。
あるいは、「端面」に酸化膜が形成される態様では、前記第1電極の端面、前記誘電体膜の端面、及び前記第2電極の端面の全ては、前記基板に交差する同一平面内にのるように構成されていてもよい。
このような構成によれば、既に述べたように、端面がいわば揃っているかたちになることから、電界集中の後の絶縁破壊等の不具合が発生しやすいが、本発明によれば、そのような不具合を被らなくて済む。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記誘電体膜は、窒化シリコン膜を含む。
この態様によれば、誘電体膜が、比較的誘電率の大きい窒化シリコン膜を含むため、保持容量の容量値を大きくとることができる。また、そのため、誘電体膜が、例えば酸化シリコン膜のみからなる場合などと比べると、本態様に係る誘電体膜をより薄くすることができるから、電気光学装置の小型化・微細化をよりよく達成することができるし、場合により、製造時間の短縮化等も図ることが可能である。
ただ、誘電体膜が薄くなると、当然、第1電極及び第2電極間の距離は狭まることになるから、耐圧性能の低下が懸念されることになる。しかしながら、本発明においては、既に述べたように、これら第1電極及び第2電極は酸化されていることから、かかる懸念は殆ど払拭されることになる。つまり、誘電体膜が窒化シリコン膜を含むことで、その厚さを可能な限り小さくしたとしても、当該保持容量の耐圧性能が低下するおそれは殆どないのである。
以上のように、本態様によれば、保持容量の容量値増大と、優れた耐圧性能という二つの効果を同時に享受することができることになるから、本態様は、本発明に係る作用効果をよりよく享受するための最適な態様の一つということができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1電極は、前記薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル領域を少なくとも覆うように配置されるとともに、遮光性材料からなる。
この態様によれば、薄膜トランジスタを構成する半導体層に対する光入射を防止することができるから、該半導体層における光リーク電流の発生を防止し、もって画像上にフリッカが発生することを防止することができる。また、本態様の場合であっても、第1電極及び第2電極間で、短絡ないしは電界集中の後の絶縁破壊等の不具合は発生し得るから、本発明の作用効果は同様に発揮される。即ち、本態様によれば、保持容量としての機能を確実に確保し得るのに加えて、該保持容量に遮光膜としての機能も担わせることができることから、当該電気光学装置の構造の簡易化を図ることができ、また、その小型化・微細化等をよりよく達成することができる。
なお、本態様にいう「遮光性材料」とは、具体的には例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したものなどを挙げることができる。特に好ましくは、光吸収性能等の観点から、WSi、CoSi及びTiSiである。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2電極は、固定電位とされている。
この態様によれば、当該保持容量は、より好適に所望の電荷を蓄えることができる。
なお、本態様の記載から逆に明らかとなるように、本発明に係る第2電極は、固定電位とされている必要は必ずしもない。例えば、第2電極の電位が可変とされていたり、或いはフローティングとされていたりしてもよい。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記課題を解決するため、基板上に、一定の方向に延びるデータ線及び該データ線に交差する方向に延びる走査線と、前記走査線により走査信号が供給される薄膜トランジスタと、前記データ線により前記薄膜トランジスタを介して画像信号が供給される画素電極とからなる電気光学装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続される第1電極の前駆膜を成膜する工程と、前記第1電極の上に誘電体膜の前駆膜を成膜する工程と、前記誘電体膜の上に第2電極の前駆膜を成膜する工程と、前記第1電極、前記誘電体膜及び前記第2電極それぞれの前駆膜に対するパターニングを行うことで、前記第1電極、前記誘電体膜及び前記第2電極を形成し、もって保持容量を形成する工程と、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の表面の全部又は一部を酸化して酸化膜を形成する酸化工程とを備えている。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、上述の本発明の電気光学装置を好適に製造することができる。
また、特に本発明によれば、酸化工程が、第1電極及び第2電極に対して行われる。言い換えると、前記第1電極及び前記第2電極は、前述のように、これらそれぞれの前駆膜をパターニングすることによって形成されるが、本発明にいう、酸化工程は、このようないわば形成済みの第1電極及び第2電極に対して行われることになる。そうすると、この酸化工程では、前記のパターニングの工程において発生した残渣等もまた酸化されることになる。これにより、当該保持容量において、両電極間の短絡、あるいは残渣を原因とする電界集中等の不具合は発生せず、当該保持容量の耐圧性能を優れて好適に維持することができる。
なお、本発明にいう「酸化工程」は、具体的には例えば、陽極酸化する工程、硫酸洗浄する工程、オゾンを導入した適当なチャンバ内でプラズマ処理する工程等を考えることができる。
また、本発明にいう「酸化膜」及び「表面」の意義は、前記の本発明の電気光学装置に関して述べたのと同じである。
本発明の電気光学装置の製造方法の一態様では、前記表面は、前記パターニングによって現れる、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の端面を含む。
この態様によれば、典型的には例えば、第1電極の端、誘電体膜の端、及び第2電極の端がいわば揃っているかたちになる「端面」において、短絡ないしは電界集中の後の絶縁破壊等の不具合が生じやすい。しかるに、本発明では、少なくとも、この端面において、前記酸化膜が形成されているのである。したがって、前記の作用効果はより確実に享受されることになる。なお、「端面」の意義は、前記の本発明の電気光学装置の一態様に関して述べたのと同じである。
この態様では、前記端面は、前記パターニングによって現れる、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方のエッジ部を含むように構成してもよい。
このような構成によれば、前記端面に比べて更に電界集中の後の絶縁破壊等の不具合が発生しやすいエッジ部において、前記酸化膜が形成されていることから、当該保持容量の耐圧性能を更に向上させることができる。なお、「エッジ部」の意義は、前記の本発明の電気光学装置の一態様に関して述べたのと同じである。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記酸化膜を形成する工程は、熱酸化工程を含む。
この態様によれば、比較的容易且つ迅速に、第1電極及び第2電極を酸化することができる。また、本態様の熱酸化工程では、両電極の表面及びその内部寄りの近傍に酸素の拡散を生じさせやすく、安定的な酸化膜を形成することができるから、耐圧性能のより確実な向上を見込むことができる。
ちなみに、本態様の「熱酸化工程」を、典型的なかたちで実施すれば、第1電極及び第2電極の前記エッジ部をも比較的容易に酸化することができる。これは、例えば、仮に、第1電極及び第2電極が単結晶シリコンからなる場合を想定するとわかるように、そのエッジ部では、それ以外の部分に対して、より酸化が進行しやすい面方位をもつ面(例えば、(111)面)が現れることになるからである。なお、このようなことは、両電極が単結晶シリコンからなる場合に限らず、より一般的な場合にもあてはまる。
このように、本態様によれば、前記電界集中の後の絶縁破壊等の不具合が極めて発生しやすいエッジ部において、より重点的に、且つ、より容易に酸化膜を形成することができるから、保持容量の耐圧性能を向上させる上で好適である。
この態様では、前記熱酸化工程は、前記酸化膜の厚さが1.5〔nm〕以上、30〔nm〕以下となるように行われるように構成してもよい。
この態様によれば、前記酸化膜の厚さが、好適に設定されていることから、次のような作用効果が得られる。すなわち、酸化膜の厚さが、1.5〔nm〕を下回ると、十分な絶縁効果が得られず、したがって当該保持容量の十分な耐圧性能を得ることができず、他方、酸化膜の厚さが30〔nm〕を越える場合、例えば、かかる酸化膜を得るための熱酸化工程において、薄膜トランジスタの半導体層の酸化をも進ませることになり、該薄膜トランジスタのON電流を低下させてしまうおそれがある。したがって、本態様によれば、十分な耐圧性能の享受と好適に動作する薄膜トランジスタの確保という作用効果を得ることができる。
あるいは、前記熱酸化工程は、350〔°C〕以上の雰囲気で行われるように構成してもよい。
このような構成によれば、より確実に且つより迅速に、第1電極及び第2電極を酸化することができる。なお、熱酸化工程では、雰囲気温度が酸化膜の形成速度に大きく寄与することから、できる限り高温であることが望ましい。このような観点から、酸化温度は、より好ましくは800〔°C〕以上とすることよい。
更には、前記熱酸化工程は、酸素濃度が2〔%〕以上の雰囲気で行われるように構成してもよい。
このような構成によれば、より確実に且つより迅速に、第1電極及び第2電極を酸化することができる。
加えて、熱酸化工程を含む態様では、前記保持容量の上に層間絶縁膜を形成する工程を更に備えてなり、前記熱酸化工程は、前記層間絶縁膜を形成する工程の後に行われるように構成してもよい。
このような構成によれば、形成後の層間絶縁膜に対する焼成工程と、保持容量を構成する各電極の酸化工程を併せて実施することができるから、両工程を別々に実施する場合に比べて、製造工程の簡略化、ないしは製造迅速化を図ることとができる。
なお、このように焼成工程及び酸化工程を併せて実施する場合には、その処理を、窒素ガスに酸素ガスを適量加えた雰囲気内で実施するようにすることが好ましい。
この構成では更に、前記層間絶縁膜の上に、前記データ線を形成する工程を更に備えてなり、前記熱酸化工程は、前記データ線を構成する材料の融点以下の温度の雰囲気で行われるように構成してもよい。
このような構成によれば、例えばアルミニウムからなるデータ線を溶融させずに、第1電極、あるいは第2電極の酸化を行うことができる。なお、本構成ではデータ線を前提にしているが、本構成の考え方は、その他の各種の構成要素について同様にあてはまる。例えば、保持容量の上に、第1の層間絶縁膜、データ線、第2の層間絶縁膜、前記第2電極に接続される容量配線、第3の層間絶縁膜及び画素電極という順に積層構造が構築されている場合においては、データ線、容量配線及び画素電極のうち、最も低い融点を持つものの当該融点以下の温度環境下で、熱酸化工程を実施することが可能である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記保持容量を形成する工程は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方を、前記誘電体膜と同じ平面形状を有するようにパターニングする工程を含む。
この態様によれば、例えば、第2電極の端面と誘電体膜の端面とが、同じ平面内にのる。したがって、仮に、当該誘電体膜の下に、これら第2電極及び誘電体膜よりも、より大きな面積をもつ第1電極が存在するとしても(即ち、第1電極の端面は、前記平面には乗らないとしても)、当該第1電極の表面と、第2電極の前記端面、あるいはエッジ部との間で、絶縁の破壊をもたらす可能性がありうる。しかるに、本発明においては、このような場合でも、第1電極、あるいは第2電極が酸化されていることにより、当該保持容量の耐圧性能が低下するおそれは殆どない。逆にいうと、かかる場合において、本発明に係る作用効果は、より効果的に享受されるということができる。
なお、「誘電体膜と同じ平面形状を有するようにパターニングする」とは、例えば、先に、誘電体膜についてのみパターニングした結果生じた誘電体膜の平面形状に合わせるようにして、後に、第1電極についての前駆膜形成及びそのパターニングを実施する、などといった場合を含むほか、誘電体膜の前駆膜及び第1電極の前駆膜双方を同時にパターニングする結果、両者の平面形状が同一となった、などという場合も含まれる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記保持容量を形成する工程は、前記第1電極、前記誘電体膜及び前記第2電極のすべてを一挙にパターニングする工程を含む。
この態様によれば、一挙にパターニングする工程が含まれることから、例えば、保持容量を構成する三要素を別個独立にパターニングする工程を含む場合等に比べて、製造工程の簡略を図ることができる。
また、本態様によれば特に、一挙にパターニングする工程が含まれることから、第1電極の端面、誘電体膜の端面及び第2電極の端面すべては、同一平面内にのる、言い換えると、これら各端面はいわば揃っているかたちになり、前記の電界集中の後の絶縁破壊等の不具合をより被りやすくなる。しかるに、本発明においては、既に述べたように、第1電極、あるいは第2電極が酸化されていることにより、当該保持容量の耐圧性能が低下するおそれは殆どない。逆にいうと、かかる場合において、本発明に係る作用効果は、より効果的に享受されるということができる。
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む。)を具備してなる。
本発明の電子機器によれば、上述の本発明の電気光学装置を具備してなるので、耐圧性能に優れ、好適に機能し得る保持容量を備えており、これにより、より高品質な画像表示が可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
〔画素部における構成〕
以下では、本発明の実施形態における電気光学装置の画素部における構成について、図1から図4を参照して説明する。ここに図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図2及び図3は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。なお、図2及び図3は、それぞれ、後述する積層構造のうち下層部分(図2)と上層部分(図3)とを分かって図示している。また、図4は、図2及び図3を重ね合わせた場合のA−A´断面図である。なお、図4においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
なお、以下では、まず、本実施形態に係る電気光学装置の基本的構成について予め説明した後、本実施形態において特徴的な構成等については、後に改めて(保持容量の構成)及び(保持容量の製造方法)なる項目を立てて詳述することとする。
(画素部の回路構成)
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に保持容量70を付加する。この保持容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
〔画素部の具体的構成〕
以下では、上記データ線6a、走査線11a及びゲート電極3a、TFT30等による、上述のような回路動作が実現される電気光学装置の、具体的な構成について、図2乃至図4を参照して説明する。
まず、図3において、画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられており(点線部により輪郭が示されている)、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線11aが設けられている。データ線6aは、後述するようにアルミニウム膜等を含む積層構造からなり、走査線11aは、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる。また、走査線11aは、半導体層1aのうち図中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するゲート電極3aにコンタクトホール12cvを介して電気的に接続されており、該ゲート電極3aは該走査線11aに含まれる形となっている。すなわち、ゲート電極3aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、チャネル領域1a´に、走査線11aに含まれるゲート電極3aが対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。これによりTFT30(ゲート電極を除く。)は、ゲート電極3aと走査線11aとの間に存在するような形態となっている。
次に、電気光学装置は、図2及び図3のA−A´線断面図たる図4に示すように、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなるTFTアレイ基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板からなる対向基板20とを備えている。
TFTアレイ基板10の側には、図4に示すように、前記の画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電性膜からなる。他方、対向基板20の側には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は、上述の画素電極9aと同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
このように対向配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20間には、後述のシール材52(図17及び図18参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光学物質が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。
一方、TFTアレイ基板10上には、前記の画素電極9a及び配向膜16の他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図4に示すように、下から順に、走査線11aを含む第1層、ゲート電極3aを含むTFT30等を含む第2層、保持容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、容量配線400等を含む第5層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。なお、前述のうち第1層から第3層までが、下層部分として図2に図示されており、第4層から第6層までが上層部分として図3に図示されている。
(積層構造・第1層の構成―走査線等―)
まず、第1層には、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは導電性ポリシリコン等からなる走査線11aが設けられている。この走査線11aは、平面的にみて、図2のX方向に沿うように、ストライプ状にパターニングされている。より詳しく見ると、ストライプ状の走査線11aは、図2のX方向に沿うように延びる本線部と、データ線6a或いは容量配線400が延在する図2のY方向に延びる突出部とを備えている。なお、隣接する走査線11aから延びる突出部は相互に接続されることはなく、したがって、該走査線11aは1本1本分断された形となっている。
(積層構造・第2層の構成―TFT等―)
次に、第2層として、ゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。TFT30は、図4に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したゲート電極3a、例えばポリシリコン膜からなりゲート電極3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、ゲート電極3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
また、本実施形態では、この第2層に、上述のゲート電極3aと同一膜として中継電極719が形成されている。この中継電極719は、平面的に見て、図2に示すように、各画素電極9aのX方向に延びる一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719とゲート電極3aとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
なお、上述のTFT30は、好ましくは図4に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
(積層構造・第1層及び第2層間の構成―下地絶縁膜―)
以上説明した走査線11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、走査線11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
この下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に、後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長の方向に沿った溝状のコンタクトホール12cvが掘られており、このコンタクトホール12cvに対応して、その上方に積層されるゲート電極3aは下側に凹状に形成された部分を含んでいる。また、このコンタクトホール12cv全体を埋めるようにして、ゲート電極3aが形成されていることにより、該ゲート電極3aには、これと一体的に形成された側壁部3b(前記の「下側に凹状に形成された部分」)が延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、図2によく示されているように、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。
また、この側壁部3bは、前記のコンタクトホール12cvを埋めるように形成されているとともに、その下端が前記の走査線11aと接するようにされている。ここで走査線11aは、上述のようにストライプ状に形成されていることから、ある行に存在するゲート電極3a及び走査線11aは、当該行に着目する限り、常に同電位となる。
(積層構造・第3層の構成―保持容量等―)
前述の第2層に続けて第3層には、保持容量70が設けられている。保持容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部電極71と、固定電位側容量電極としての容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この保持容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。また、本実施形態に係る保持容量70は、図2の平面図を見るとわかるように、画素電極9aの形成領域にほぼ対応する光透過領域には至らないように形成されているため(換言すれば、遮光領域内に収まるように形成されているため)、電気光学装置全体の画素開口率は比較的大きく維持され、これにより、より明るい画像を表示することが可能となる。
なお、この保持容量70は、本発明に特に関連がある構成要素であるから、そのより詳細な説明については、後の(保持容量の構成)及び(保持容量の製造方法)なる項目内で説明することとする。
(積層構造、第2層及び第3層間の構成―第1層間絶縁膜―)
以上説明したTFT30ないしゲート電極3a及び中継電極719の上、かつ、保持容量70の下には、例えば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第1層間絶縁膜41が形成されている。
そして、この第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後記第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。また、第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと保持容量70を構成する下部電極71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。さらに、この第1層間絶縁膜41には、保持容量70を構成する画素電位側容量電極としての下部電極71と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール881が開孔されている。更に加えて、第1層間絶縁膜41には、中継電極719と後述する第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール882が、後記第2層間絶縁膜を貫通しつつ開孔されている。
(積層構造・第4層の構成―データ線等―)
前述の第3層に続けて第4層には、データ線6aが設けられている。このデータ線6aは、図4に示すように、下層より順に、アルミニウムからなる層(図4における符号41A参照)、窒化チタンからなる層(図4における符号41TN参照)、窒化シリコン膜からなる層(図4における符号401参照)の三層構造を有する膜として形成されている。窒化シリコン膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターニングされている。
また、この第4層には、データ線6aと同一膜として、容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。これらは、図3に示すように、平面的に見ると、データ線6aと連続した平面形状を有するように形成されているのではなく、各者間はパターニング上分断されるように形成されている。例えば図3中最左方に位置するデータ線6aに着目すると、その直右方に略四辺形状を有する容量配線用中継層6a1、更にその右方に容量配線用中継層6a1よりも若干大きめの面積をもつ略四辺形状を有する第2中継電極6a2が形成されている。
ちなみに、これら容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2は、データ線6aと同一膜として形成されていることから、下層より順に、アルミニウムからなる層、窒化チタンからなる層、プラズマ窒化膜からなる層の三層構造を有する。
(積層構造・第3層及び第4層間の構成―第2層間絶縁膜―)
以上説明した保持容量70の上、かつ、データ線6aの下には、例えばNSG、PSG,BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成された第2層間絶縁膜42が形成されている。この第2層間絶縁膜42には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続する、前記のコンタクトホール81が開孔されているとともに、前記容量配線用中継層6a1と保持容量70の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が開孔されている。さらに、第2層間絶縁膜42には、第2中継電極6a2と中継電極719とを電気的に接続するための、前記のコンタクトホール882が形成されている。
(積層構造・第5層の構成―容量配線等―)
前述の第4層に続けて第5層には、容量配線400が形成されている。この容量配線400は、平面的にみると、図3に示すように、図中X方向及びY方向それぞれに延在するように、格子状に形成されている。該容量配線400のうち図中Y方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、図中X方向に延在する部分については、後述の第3中継電極402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に切り欠き部を有している。
さらには、図3中、XY方向それぞれに延在する容量配線400の交差部分の隅部においては、該隅部を埋めるようにして、略三角形状の部分が設けられている。容量配線400に、この略三角形状の部分が設けられていることにより、TFT30の半導体層1aに対する光の遮蔽を効果的に行うことができる。すなわち、半導体層1aに対して、斜め上から進入しようとする光は、この三角形状の部分で反射又は吸収されることになり半導体層1aには至らないことになる。したがって、光リーク電流の発生を抑制し、フリッカ等のない高品質な画像を表示することが可能となる。この容量配線400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。
また、第4層には、このような容量配線400と同一膜として、第3中継電極402が形成されている。この第3中継電極402は、後述のコンタクトホール804及び89を介して、第2中継電極6a2及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。なお、これら容量配線400及び第3中継電極402間は、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。
他方、上述の容量配線400及び第3中継電極402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の二層構造を有している。
(積層構造・第4層及び第5層間の構成―第3層間絶縁膜―)
以上説明した前述のデータ線6aの上、かつ、容量配線400の下には、第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43には、前記の容量配線400と容量配線用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継電極402と第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804がそれぞれ開孔されている。
(積層構造・第6層並びに第5層及び第6層間の構成―画素電極等―)
最後に、第6層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、該画素電極9a上に配向膜16が形成されている。そして、この画素電極9a下には第4層間絶縁膜44が形成されている。この第4層間絶縁膜44には、画素電極9a及び前記の第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。画素電極9aとTFT30との間は、このコンタクトホール89及び第3中継層402並びに前述したコンタクトホール804、第2中継層6a2、コンタクトホール882、中継電極719、コンタクトホール881、下部電極71及びコンタクトホール83を介して、電気的に接続されることとなる。
(保持容量の構成)
以上述べたような構成を備える電気光学装置において、本実施形態においては特に、保持容量70、とりわけこれを構成する容量電極300及び下部電極71の構成に関して特徴がある。以下では、前述までに参照した各図及び図5乃至図7を参照して、これについて詳述する。ここに図5は、図4の符号Cを付した円内部分である保持容量70の端部付近を拡大して示す断面図であり、図6は、図5の符号300Cを付した部分を更に拡大して示す断面図である。また、図7は、容量電極300及び下部電極71が酸化されている場合とされていない場合とで保持容量70の耐圧性がどれだけ向上するかを示すグラフである。
まず、本実施形態の保持容量70は、下部電極71、容量電極300及び誘電体膜75からなる。このうち下部電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。また、この下部電極71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。ちなみに、ここにいう中継接続は、前記の中継電極719を介して行われている。一方、容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり保持容量70の固定電位側容量電極として機能する。本実施形態において、容量電極300を固定電位とするためには、固定電位とされた前記容量配線400と電気的接続が図られることによりなされている。そして、誘電体膜75は、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜等から構成される。保持容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄いほどよい。なお、本実施形態では、誘電体膜75は、単層構造となっているが、場合によっては、例えば窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の二層構造としたり、あるいはそれ以上の積層構造を有するように構成してもよい。
また、このような保持容量70では、図2及び図3、あるいは図4に示すように、容量電極300及び下部電極71並びに誘電体膜75が平面視して同一形状を有するように形成されている。これにより、容量電極300の端面300W及び下部電極71の端面71Wは、TFTアレイ基板10に垂直に立つ仮想的な平面(不図示)の上にのることになる。言い換えれば、これら端面300W及び71Wは、図5及び図6に示すように、いわば揃っていることになる。これにより、一方の電極が他方の電極に対向しない部分、即ちコンデンサとしては機能しない余剰の部分が、TFTアレイ基板10上の限られた面積を無駄に占有することがなく、その一方で、容量電極300及び中継両電極71は双方とも無駄なく対向しあっていることから小型化・微細化を達成しながらも容量値を無駄に削るということがない。
そして、本実施形態においては特に、容量電極300及び下部電極71の表面は、図5及び図6に示すように酸化処理されており(図4では不図示)、酸化膜501が形成されている。この酸化膜501は、容量電極300の端面300Wを含む、図中上面及び下面にも形成されている。下部電極71も同様である。なお、容量電極300の図中下面でも酸化が進行するのは、誘電体膜75を通じて当該下面にも酸素が供給され得るからである。また、下部電極71の図中下面で酸化が進行するのも、第1層間絶縁膜41を通じて当該下面にも酸素が供給され得るからである。
また、本実施形態では特に、端面300W内に含まれるエッジ部300Cでは、図6によく示されているように、略半円状(の二分の一)の領域(立体的にみれば、角部を中心に略半球状(の八分の一)の領域)が酸化膜501となっている。これは、当該部分で、図中右の面たる端面300W及び図中下面から、酸化が等方的に進行した結果である。そして、このエッジ部300Cにおける酸化膜501の厚さは、他の部分におけるそれよりも大きい。なお、本実施形態においては、エッジ部300Cにおける酸化膜501の厚さとは、図6に示す符号“D”でもって表される部分を言うものとする。このように、エッジ部300Cの厚さDとその他の部分における厚さDとの相違が生じるのは、該エッジ部300Cにおいて、より酸化の進行しやすい面方位をもつ面が現れることとなったり、あるいはエッジ部300Cのような先端が鋭利な部分においては、一般的にいって化学反応等がより進行しやすい、即ち酸化剤の作用がより積極的に作用するなどという理由による。以上述べたことは、下部電極71のエッジ部71Cについても同様にあてはまる。ちなみに、本実施形態に係る酸化膜501の厚さ“D”は、1.5〔nm〕≦D≦30〔nm〕なる条件を満たしている。
本実施形態に係る電気光学装置は、このような酸化膜501を備えることにより、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、この酸化膜501により、容量電極300及び下部電極71間が短絡するなどという事態は、殆ど発生しないことになる。また、とりわけ、酸化膜501は、端面300W及び71W、更にはエッジ部300C及び71Cにも形成されていることから、当該保持容量70の耐圧性能を極めて向上させることができる。
このことは、より実際的に、図7をみると確認できる。ここで図7は、既に述べた通り、酸化膜501が備えられている場合と備えられていない場合とで保持容量70の耐圧性がどれだけ向上するかを示すグラフであるが、より詳しくは、図7は、いわゆるワイブルプロット(Weibull Prot)であって、酸化膜501が備えられた保持容量70(図中符号Q2参照)と、備えられていない保持容量(図中符号Q1参照)それぞれに一定電圧18.5〔V〕をかけ続けた場合に、当該保持容量がどのようにして故障率を上昇させていくかを表すものである。なお、図7の横軸は時間t、縦軸は故障分布関数(ないしは不信頼度関数)F(t)でもって表される“ln(−ln(1−F(t)))”がとられている。ここで関数F(t)は、ワイブル分布の故障分布関数であり、F(t)=1−[exp{−(t−γ)/η}](但し、mは形状パラメータ、ηは尺度パラメータ、γは位置パラメータ)と表される。前記縦軸に係る式“ln(−ln(1−F(t)))”は、前記のF(t)の表式においてγ=0とし、適当な移項操作と両辺に対数を二回とることなどにより得られる。そして、この図7から明らかなように、酸化膜501が備えられている保持容量70の方(図中符号Q2参照)が、そうでない保持容量(図中符号Q1参照)よりも、より時間が進行した段階でグラフが立ち上がっていることから、その耐圧性能は向上していることがわかる。
以上のように、本実施形態においては、保持容量70を構成する容量電極300及び下部電極71に酸化膜501が形成されていることにより、当該保持容量70の耐圧性能が向上する。したがって、本実施形態に係る保持容量70は、画素電極9aの電位保持特性を向上させるという本来期待されるべき性能を十分に発揮することができるから、より高品質な画像が表示可能であり、また、より安定的な動作が可能な電気光学装置を提供することができる。
また、本実施形態においては、酸化膜501の厚さDが、適度に設定されていることから、次のような作用効果を得ることができる。以下では、これを図8を参照して説明する。ここに、図8は、酸化膜の厚さが当該保持容量の耐圧性の向上にどのような影響を及ぼすかを示すグラフである。
まず、この図8は、より詳しくは、酸化膜501の厚さDをパラメータ(1、1.5及び3〔nm〕)として変化させた保持容量70に、前記の図7と同様に、一定電圧18.5〔V〕を印加し続けた場合におけるワイブルプロットである。この図8をみるとわかるように、厚さDが、1〔nm〕の場合と、1.5〔nm〕及び2〔nm〕の場合とで、顕著な相違がみられる。すなわち、前者では、グラフの立ち上がりが比較的早期の段階でみられるに対して、後者では遅い。これによると、保持容量70の耐圧性の向上にとって厚さDの増減が大きな要因を占めるのは、Tが1〔nm〕の場合と1.5〔nm〕の場合との間においてであって、更には、厚さTが1.5〔nm〕以上であれば、それ以後、耐圧性の向上は一定程度安定するものと考えられる。このことから、酸化膜501の厚さTは1.5〔nm〕以上とされていることが好ましいことが導かれる。
一方、図には示さないものの、厚さDは、大きければ大きいほどよいというものではない。すなわち、厚さDがあまりに大きいと、酸化膜501を得るための熱酸化工程において、TFT30の半導体層1aの酸化をも進ませることになり、該TFT30のON電流を低下させてしまうおそれがある。本願発明者の研究によれば、このような観点から、酸化膜501の厚さDは一定程度以下であることが好ましく、より具体的には、30〔nm〕以下であることが好ましいことが導かれる。
以上により結局、本実施形態において、酸化膜501の厚さTが1.5〔nm〕≦T≦30〔nm〕なる条件を満たすことによれば、十分な耐圧性能の享受と好適に動作するTFT30の確保という作用効果を得ることができる。なお、図5において、保持容量70の耐圧性能を主に支配する部分は、エッジ部300C及び71Cであることからすると、少なくとも、この部分において、十分に酸化膜が形成されていれば、それ相応の効果を得ることができると考えられる。したがって、前記において、1.5〔nm〕≦D≦30〔nm〕とした条件は、場合により、1.5〔nm〕≦D≦30〔nm〕に置き換えて考えることができる。この場合、仮に、局所的な酸化処理等が可能であるならば、その酸化処理を前記のDに係る条件を満たすように当該エッジ部300C及び71Cのみについて実施する、などということも考えられる(後の図9、図10及び図12参照)。このような形態は当然、本発明の範囲内である。
なお、上記の実施形態では、保持容量70の形態として、いずれも導電性のポリシリコン膜からなる容量電極300及び下部電極71、及び、酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜からなる誘電体膜75により構成されることなどについて説明したが、本発明は、上述したような形態に限定されない。以下では、各種の変形形態について、適宜、図9から図13を参照しながら説明することとする。ここに図9及び図10は、図5と同趣旨の図であって、図5とは異なった態様となる容量電極をもつ保持容量を示す断面図であり、図11は、図5と同趣旨の図であって、図5とは異なった態様となる下部電極をもつ保持容量を示す断面図であり、図12及び図13は、図11と同趣旨の図であって、図11とは異なった態様となる容量電極をもつ保持容量を示す断面図である。
まず、誘電体膜75については、酸化シリコン膜に代えて又は加えて、窒化シリコン膜を用いてもよい(なお、「加えて」というのは、例えば、上述のように酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の二層構造とすることが考えられる。)。このようにすれば、誘電体膜75が、比較的誘電率の大きい窒化シリコン膜を含むため、保持容量70の容量値を大きくとることができる。また、そのため、誘電体膜75が、例えば酸化シリコン膜のみからなる場合などと比べると、誘電体膜75をより薄くすることができるから、電気光学装置の小型化・微細化をよりよく達成することができるし、場合により、製造時間の短縮化等も図ることが可能である。ただ、誘電体膜75が薄くなると、容量電極300及び下部電極71間の距離は狭まることになるから、耐圧性能の低下が懸念されることになる。しかしながら、本実施形態においては、既に述べたように、これら容量電極300及び下部電極71は酸化されていることから、かかる懸念は殆ど払拭される。つまり、誘電体膜75が窒化シリコン膜を含むことで、その厚さを可能な限り小さくしたとしても、当該保持容量70の耐圧性能が低下するおそれは殆どないのである。
次に、容量電極については、前記の導電性のポリシリコン膜に代えて又は加えて、例えば図9に示すように、タングステンシリサイド(WSi)を用いてもよい。図9において、容量電極350は、その下層に導電性ポリシリコン膜351及びその上層にWSi膜352をもっている。このようにすれば、容量電極300が、半導体層1aを覆うように配置されているとともに(図2及び図3参照)、比較的光吸収性能に優れたWSi膜352を含むことから、該半導体層1aないしはそのチャネル領域1a´に光が入射することを防止することができる。すなわち、半導体層1a内で光リーク電流を発生させ、画像上にフリッカを発生させるという事態を未然に防止することができる。そして、このような場合であっても、例えば図9に示すように、かかる容量電極350を酸化させることで、酸化膜502を形成することができる。なお、図9における酸化膜502は、容量電極350のエッジ部350Cにのみ形成されているものとして示した。
以上のようなことにより、図9に係る構造によれば、優れた耐圧性能をもつことから、保持容量70としての機能を確実に確保し得るのに加えて、該保持容量70に遮光膜としての機能も担わせることができることから、二つの機能を一つの構造で実現できるという意味において当該電気光学装置の構造の簡易化を図ることができ、また、その小型化・微細化等をよりよく達成することができる。
なお、前記の図9に係る構造において、酸化膜502ないしは下部電極71における酸化膜501を得るために、熱酸化工程を実施する場合には、WSi膜352の酸化が著しく進行してしまうおそれがある。したがって、これを防止するため、図10に示すように、導電性ポリシリコン膜361、WSi膜362に加えて、その上層に、窒化シリコン膜363を備えるような構造を採用してもよい。この窒化シリコン膜362の存在により、前記の不具合の発生を未然に防止することができる。また、半導体層1aを効果的に遮光しうる材料としては、上記WSiのほか、CoSi、あるいはTiSi等を挙げることができ、より一般的には、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したものを採用することができる。さらに、容量電極300のみならず、下部電極71についても、前記容量電極300に関して述べたと同様な構成を採用し、あるいは金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。
さて、上記の実施形態においては、容量電極300及び下部電極71の平面的形状は同一とされていたが、本発明は、このような形態にも限定されない。例えば、図11に示すように、より下層に位置する下部電極711の面積をより大きく、より上層に位置する容量電極300の面積をより小さくした保持容量を構成してもよい。この場合においても、容量電極300の端面300W、あるいはエッジ部300Cが存在する以上、該エッジ部300Cにおける電界集中等の後の絶縁破壊等の不具合が生じる可能性がある。しかるに、図11においては、容量電極300について、前記の図5と同様、酸化膜501が形成されていると共に、下部電極711についても、酸化膜503が形成されており、当該保持容量の耐圧性能はやはり向上している。なお、このような図11に係る構造においても、図12及び図13に示すように、前記の図9及び図10と同じ趣旨に基づく保持容量を構成してよいことは言うまでもない。なお、図12及び図13における酸化膜は、容量電極350のエッジ部350C及び容量電極360のエッジ部360Cにのみ形成されているものとして示した。
(保持容量の製造方法)
以上述べたような酸化膜501は、例えば図14及び図15に示すように製造される。ここに図14及び図15は、上記実施形態に係る電気光学装置の製造工程を、図4の視点において順を追って示す製造工程断面図である。なお、以下においては、主に、本発明に特別に関係のある保持容量70の製造工程についてのみ説明することとする。また、図14及び図15においては、対向基板20側の構成についての図示は省略している。
まず、TFTアレイ基板10上で、公知の方法により第1層間絶縁膜41並びにコンタクトホール83及び881までが形成された積層構造において、図14の工程(1)に示すように、その第1層間絶縁膜41の上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)により、アモルファスシリコン膜を形成する。この際、Pイオンを当該雰囲気内に導入しておくことで、該アモルファスシリコン膜内にPイオンをドープしておく。その後、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは4〜6時間の熱処理を施すことにより、p−Si(ポリシリコン)膜を約50〜200nmの厚さ、好ましくは約100nmの厚さとなるまで固相成長させる。固相成長させる方法としては、RTAを使ったアニール処理でもよいし、エキシマレーザ等を用いたレーザアニールでもよい。このポリシリコン膜は、将来、下部電極71となるべき前駆膜71Kに該当する。
次に、図14の工程(2)に示すように、前記前駆膜71Kの上に、誘電体膜75の前駆膜75Kを成膜する。この前駆膜75Kは、約900〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化して下層絶縁膜を形成し、場合により、これに続けて減圧CVD法等により上層絶縁膜を形成することにより、一層又は多層の高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなるものとして形成する。次に、図14の工程(3)に示すように、前記の前駆膜71Kと同様にして、将来、容量電極300となるべき前駆膜300Kを形成する。
次に、図15の工程(4)に示すように、前駆膜71K、前駆膜75K及び前駆膜300Kについて、一挙にパターニング処理(フォトリソグラフィ及びエッチング処理)する。これにより、前駆膜71Kは下部電極71に、前駆膜75Kは誘電体膜75に、前駆膜300Kは容量電極300に、それぞれなり、保持容量70が形成されることになる。このように、一挙にパターニング処理を実施すれば、例えば、容量電極300、誘電体膜75及び下部電極71を別々に形成する場合に比べて、製造工程の簡略化を図ることができる。また、このようなパターニング処理を実施すれば、当然に、容量電極300の端面300W、;誘電体膜75W及び下部電極71Wの端面は、同一平面内にのるようにして形成されることになる。言い換えると、かかるパターニング処理は、容量電極300及び下部電極71と誘電体膜75とが、平面視した場合に同じ平面形状を有するようにパターニングする処理ともいえる。
次に、図15の工程(5)に示すように、前記のようにして形成された容量電極300及び下部電極71の表面を、好適には、熱酸化工程により酸化する(前記図5及び図6参照)。より具体的には例えば、酸素(O)濃度が2%の雰囲気とされた縦型熱拡散炉で、850〔°C〕、5分間の熱酸化を実施するとよい。これにより、その厚さDが、前記のように1.5〔nm〕≦D≦30〔nm〕なる条件を満たす酸化膜501を好適に成膜することができる。なお、図15の工程(5)においては、酸化処理が実施されていることが、矢印でもって極めて概念的に表されている。
ここで本実施形態においては特に、図5と同趣旨の図16に示すように、前記のパターニング処理中のエッチング処理により、端面300W、あるいは端面71W付近に残渣Xが残存する可能性がある。なお、図16における残渣X及び後述する残渣Yは、相当に誇張して描かれている。このような残渣Xが残ると、本実施形態では特に、端面300W及び71Wが揃っていることから、容量電極300及び下部電極71間の耐圧性能を低下させ、悪い条件が重なった万一の場合には、短絡をも生じさせかねない。また、図16に併せて示すように、仮に、先端の尖った残渣Yが、例えば端面71Wに付着したような状態が現れた場合には、その尖った部分に電界集中が生じやすくなるから、これも保持容量70の耐圧性能の低下をもたらし得る。しかるに、本実施形態では、パターニング処理を実施した後、前記のように熱酸化工程が実施されるのである。そして、この熱酸化工程においては、残渣X及びYもまた、図16に示すように酸化されて、その表面に酸化膜501X及び501Yが形成されることになるのである。したがって、本実施形態に係る製造方法では、残渣X及びYその他如何なる形状・形態となる残渣であっても、それによる不都合を被る可能性が極めて低減されることになる。
また、前記の酸素濃度、酸化温度について、以下の条件を満たすようにするとよい。まず、酸素濃度は2〔%〕以上の雰囲気にするとよい。これにより、より確実に且つより迅速に容量電極300及び下部電極71の熱酸化を実施することができる。一方、酸化温度は350〔°C〕以上の雰囲気にするとよい。これにより、より確実に且つより迅速に、容量電極300及び下部電極71を酸化することができる。なお、熱酸化工程では、雰囲気温度が酸化膜501の形成速度に大きく寄与することから、できる限り高温であることが望ましい。このような観点から、酸化温度は、より好ましくは800〔°C〕以上、更に好適には前記のように850〔°C〕程度とするとよい。
以上のようにして、酸化膜501を備えた容量電極300及び下部電極71をその構成要素として含む、本実施形態において特徴的な保持容量70は完成する。
なお、本発明においては、前記の製造方法のほか、例えば以下のような製造方法を採用することができる。すなわち、前記においては、前駆膜300K等に対するパターニング処理を実施した後、即座に熱酸化工程を実施していたが、本発明においては、これに代えて、例えば図15の工程(6)に示すように、前記パターニング処理を実施して保持容量70を形成し、更に該保持容量70の上に第2層間絶縁膜42を形成した後に、熱酸化工程を実施してもよい(この場合、工程(5)で熱酸化処理は実施されず、したがって工程(5)の図における矢印は描かれていないものとみなす。)。この際、当該熱酸化工程の条件としては、具体的には例えば、酸素濃度が2%の雰囲気とされた縦型熱拡散炉で、950〔°C〕、20分間の熱酸化を実施するとよい。このような方法によれば、形成後の第2層間絶縁膜42に対する焼成工程と、保持容量70を構成する容量電極300及び下部電極71の酸化工程を併せて実施することができるから、両工程を別々に実施する場合に比べて、製造工程の簡略化、ないしは製造迅速化を図ることとができる。なお、このように焼成工程及び酸化工程を併せて実施する場合には、その処理を、窒素ガスに、前述した酸素濃度を満たすような酸素ガスを適量加えた雰囲気内で実施するようにすることが好ましい。
また、本発明においては、より広くいえば、前記第2層間絶縁膜42を形成し、更にデータ線6a、容量配線用中継電極6a1及び第2中継電極6a2を形成した後、熱酸化工程を実施するようにしてもよい。ただし、この場合は特に、前述したように、データ線6aを構成する各層のうち最も低い融点を持つもの(本実施形態では、「アルミニウムからなる層41A」ということになる。)の当該融点以下の温度環境下で、熱酸化工程を実施する。これにより、当該データ線6a等の溶融を免れることができる。
さらに、本発明においては、究極的には、前記データ線6aを形成した後のどの時点においても(即ち、データ線6aの上に第3層間絶縁膜を形成した後、あるいは更に、該第3層間絶縁膜43の上に容量配線400を形成した後等々)、熱酸化工程を実施するようにしてもよい。ただし、この場合においては、データ線6a、容量配線400及び画素電極9a等の融点が問題となり、これら各要素が溶融しないために、酸化温度に関する前記と同様な考慮を働かせることが好ましいことは言うまでもない。
〔電気光学装置の全体構成〕
以下では、前記の電気光学装置に係る実施形態の全体構成について、図17及び図18を参照して説明する。ここに、図17は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図18は、図17のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図17及び図18において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。この額縁遮光膜53より以遠の周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には特に、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナーに対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図18において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、図17及び図18に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図19は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
図19において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。これらライトバルブ100R、100G及び100Bには、前述した電気光学装置(図1乃至図5参照)が用いられている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。 データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であって、下層部分(図4における符号70(保持容量)までの下層の部分)に係る構成のみを示すものである。 データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であって、上層部分(図4における符号70(保持容量)を越えて上層の部分)に係る構成のみを示すものである。 図2及び図3を重ね合わせた場合のA−A´断面図である。 図4の符号Cを付した円内部分である保持容量の端部付近を拡大して示す断面図である。 図5の符号300Cを付した部分を更に拡大して示す断面図である。 酸化膜が備えられている場合と備えられていない場合とで保持容量の耐圧性がどれだけ向上するかを示すグラフである 酸化膜の厚さが保持容量の耐圧性の向上にどのような影響を及ぼすかを示すグラフである。 図5と同趣旨の図であって、図5とは異なった態様となる容量電極(タングステンシリサイド層を含む容量電極)をもつ保持容量を示す断面図である。 図5と同趣旨の図であって、図5とは異なった態様となる容量電極(タングステンシリサイド層及び窒化シリコン層を含む)をもつ保持容量を示す断面図である。 図5と同趣旨の図であって、図5とは異なった態様となる下部電極(相対的に面積が大きい下部電極)をもつ保持容量を示す断面図である。 図11と同趣旨の図であって、図11とは異なった態様となる容量電極(タングステンシリサイド層を含む)をもつ保持容量を示す断面図である。 図11と同趣旨の図であって、図11とは異なった態様となる容量電極(タングステンシリサイド層及び窒化シリコン層を含む)をもつ保持容量を示す断面図である。 本実施形態の電気光学装置の製造工程を図4の視点において順を追って示す製造工程断面図(その1)である。 本実施形態の電気光学装置の製造工程を図4の視点において順を追って示す製造工程断面図(その2)である。 図5と同趣旨の図であって、パターニング処理によって発生した残渣を示す説明図である。 TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図である。 図17のH−H’断面図である。 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
符号の説明
10…TFTアレイ基板、11a…走査線、6a…データ線、6a1…容量配線用中継層、6a2…第2中継電極、400…容量配線、30…TFT、1a…半導体層、9a…画素電極、719…中継電極
41…第1層間絶縁膜、42…第2層間絶縁膜、43…第3層間絶縁膜、44…第4層間絶縁膜
300、350、360…容量電極、300W…端面、300C…エッジ部、351、361…導電性ポリシリコン膜、352、362…WSi膜、363…窒化シリコン膜、75…誘電体膜、71、711…下部電極、71W…端面、71C…エッジ部、70…保持容量、501、502、503、501X、501Y…酸化膜、D及びD…酸化膜の厚さ、X、Y…残渣
300K…(容量電極の)前駆膜、75K…(誘電体膜の)前駆膜、71K…(下部電極の)前駆膜

Claims (8)

  1. 基板上に、一定の方向に延びるデータ線及び該データ線に交差する方向に延びる走査線と、前記走査線により走査信号が供給される薄膜トランジスタと、前記データ線により前記薄膜トランジスタを介して画像信号が供給される画素電極とからなる電気光学装置であって、
    前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続された第1電極、該第1電極に対向配置された第2電極、及び、前記第1電極及び前記第2電極間に配置された誘電体膜とからなる保持容量とを備えてなり、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の端面と、前記誘電体の端面とが、前記基板の面に交差する同一平面内にのり、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の表面の少なくとも端面のエッジ部が酸化された酸化膜とを備え、
    前記酸化された酸化膜の厚さは、1.5〔nm〕以上、30〔nm〕以下であり、
    前記薄膜トランジスタが前記保持容量の下層側に形成されていること
    を特徴とする電気光学装置。
  2. 前記酸化された表面は、該第1電極及び該第2電極の少なくとも一方の端面を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記酸化された端面は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方のエッジ部を含むことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第1電極の端面、前記誘電体膜の端面、及び前記第2電極の端面の全ては、前記基板の面に交差する同一平面内にのることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気光学装置。
  5. 前記誘電体膜は、窒化シリコン膜を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記第1電極は、前記薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル領域を少なくとも覆うように配置されるとともに、遮光性材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記第2電極は、固定電位とされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
JP2003286209A 2003-08-04 2003-08-04 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 Expired - Lifetime JP4314926B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003286209A JP4314926B2 (ja) 2003-08-04 2003-08-04 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
US10/896,884 US7388225B2 (en) 2003-08-04 2004-07-23 Electro-optical device, method of manufacturing the same, and electronic apparatus
TW093122728A TWI273529B (en) 2003-08-04 2004-07-29 Electro-optical device, method of manufacturing the same, and electronic apparatus
EP04254588A EP1505429A3 (en) 2003-08-04 2004-07-30 Electro-optical device, method of manufacturing the same, and electronic apparatus
KR1020040061454A KR100750556B1 (ko) 2003-08-04 2004-08-04 전기 광학 장치, 제조 방법 및 전자 기기
CNB2004100702782A CN100343746C (zh) 2003-08-04 2004-08-04 电光装置、其制造方法以及电子设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003286209A JP4314926B2 (ja) 2003-08-04 2003-08-04 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005055661A JP2005055661A (ja) 2005-03-03
JP4314926B2 true JP4314926B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=33550001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003286209A Expired - Lifetime JP4314926B2 (ja) 2003-08-04 2003-08-04 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7388225B2 (ja)
EP (1) EP1505429A3 (ja)
JP (1) JP4314926B2 (ja)
KR (1) KR100750556B1 (ja)
CN (1) CN100343746C (ja)
TW (1) TWI273529B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7839086B2 (en) * 2006-10-12 2010-11-23 Lg Electronics Inc. Display device and method for manufacturing the same
JP2009200315A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Hitachi Ltd 半導体装置の製造方法
JP5782676B2 (ja) 2010-03-10 2015-09-24 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置及び電子機器、並びに電気光学装置の製造方法
KR20130046847A (ko) * 2011-10-28 2013-05-08 삼성디스플레이 주식회사 표시기판 및 표시기판의 수리 방법
TWI451179B (zh) * 2011-11-17 2014-09-01 Au Optronics Corp 畫素結構及其製造方法
US9818763B2 (en) 2013-07-12 2017-11-14 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device and method for manufacturing display device

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1111757C (zh) * 1996-03-12 2003-06-18 精工爱普生株式会社 液晶显示装置
JP3900714B2 (ja) 1997-10-31 2007-04-04 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置及び電子機器
US6639244B1 (en) * 1999-01-11 2003-10-28 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method of fabricating the same
JP3399432B2 (ja) * 1999-02-26 2003-04-21 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置の製造方法及び電気光学装置
JP2000305107A (ja) 1999-04-23 2000-11-02 Seiko Epson Corp 半導体装置およびその製造方法
JP4058869B2 (ja) 1999-11-19 2008-03-12 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置及びその製造方法、並びにプロジェクタ
US6590227B2 (en) 1999-12-27 2003-07-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Active matrix display device
TWI301915B (ja) * 2000-03-17 2008-10-11 Seiko Epson Corp
US6816355B2 (en) * 2001-09-13 2004-11-09 Seiko Epson Corporation Capacitor, semiconductor device, electro-optic device, method of manufacturing capacitor, method of manufacturing semiconductor device, and electronic apparatus
JP2003202596A (ja) 2002-01-07 2003-07-18 Seiko Epson Corp 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
KR20030062592A (ko) 2002-01-17 2003-07-28 일진다이아몬드(주) 액정표시장치용 박막 트랜지스터 기판 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
TW200529114A (en) 2005-09-01
KR100750556B1 (ko) 2007-08-20
EP1505429A2 (en) 2005-02-09
CN100343746C (zh) 2007-10-17
EP1505429A3 (en) 2005-03-16
TWI273529B (en) 2007-02-11
US7388225B2 (en) 2008-06-17
JP2005055661A (ja) 2005-03-03
US20050046761A1 (en) 2005-03-03
CN1580919A (zh) 2005-02-16
KR20050016142A (ko) 2005-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3767590B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP2004125887A (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP3736513B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP2004004722A (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP4650153B2 (ja) 電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法
JP2004170921A (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP4069906B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP4655943B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法、並びに導電層の接続構造
JP2007079257A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、電子機器並びにコンデンサー
JP4329445B2 (ja) 電気光学装置並びに電子機器
JP4314926B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP4214741B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP2004240053A (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP2009058717A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP4529450B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP4449863B2 (ja) 電気光学装置、電子機器
JP2006048086A (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP4428059B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP2010008635A (ja) 電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器
JP4730407B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP4462128B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP3767607B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP4269659B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器
JP4259528B2 (ja) 電気光学装置及びこれを備えた電子機器
JP2009295725A (ja) 電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051216

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081024

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081024

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090428

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4314926

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term