JP4314768B2 - 強誘電体メモリ装置の製造方法 - Google Patents

強誘電体メモリ装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体メモリ装置の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
強誘電体メモリ装置の製造において、強誘電体膜を形成した後、層間絶縁層の形成工程やドライエッチング工程などにおいて、強誘電体膜が水素雰囲気下に曝されることがある。強誘電体膜は、一般に金属酸化物からなる。このため、強誘電体膜が水素に曝されると、強誘電体膜を構成する酸素がこの水素により還元される。これにより、強誘電体膜がダメージを受けることになる。たとえば、強誘電体膜がSBT(SrBi2Ta29)からなる場合には、SBTが水素によって還元されると、粒界部において金属Biが生じ、上部電極と下部電極とが短絡することになる。また、電極と強誘電体膜の界面でハガレが生ずる原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、強誘電体膜が還元され難い、強誘電体メモリ装置の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
1.第1の強誘電体メモリ装置の製造方法
本発明の第1の強誘電体メモリ装置の製造方法は、
(a)第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
(b)前記強誘電体層をパターニングする工程、
(c)前記強誘電体層の相互間を充填するように、水素を発生させない方法により絶縁層を形成する工程を含み、
前記絶縁層の構成元素の少なくとも一部は、前記強誘電体層の構成元素の少なくとも一部と同じである。
【0005】
本発明によれば、水素を発生させない方法により絶縁層を形成している。このため、絶縁層の形成の際に、強誘電体層が還元されるのを抑えることができる。
【0006】
また、前記絶縁層の構成元素の少なくとも一部は、前記強誘電体層の構成元素の少なくとも一部と同じである。このため、エッチング工程や熱処理工程で強誘電体層の側面において組成ずれが生じた場合であっても、絶縁層から構成原子が強誘電体層に補充され、強誘電体層の結晶構造を回復させることもできる。
【0007】
また、絶縁層の組成と強誘電体層の組成とを同じとすることができる。この場合、絶縁層が水素バリア膜として機能することとなり、強誘電体層が後の工程で発生する水素によって還元されるのを抑えることができる。また、別途水素バリア膜を形成する必要がないため、工程を簡略化することができる。
【0008】
前記工程(c)は、前記絶縁層の材料液を付与することにより行われることができる。これにより、強誘電体層の相互間に絶縁層を充填し易い。前記絶縁層の材料液は、ミスト状で付与されることができる。前記工程(c)をLSMCD法により絶縁層を形成する工程とすることにより、スピンコート法と異なり、パターン形状に依存し難いため、より均一に絶縁層を形成することができる。
【0009】
前記工程(c)の前に、前記絶縁層を堆積する表面領域を表面処理する工程を含み、前記表面処理は、前記表面領域が前記絶縁層の材料と親和性を有するようにするために行われることができる。これにより、強誘電体層の相互間に、絶縁層の材料液が流れ込みやすくなり、埋め込み性を向上させることができる。前記工程(c)の前に、前記絶縁層を堆積する表面領域を表面処理する工程を含み、前記表面処理は、前記絶縁層が前記表面領域との親和性を有するようにするために行われることができる。
【0010】
前記表面処理は、前記表面領域に、表面修飾層を形成することによりなされることができる。前記工程(a)の後、前記強誘電体層の上に、第2導電層を形成する工程を含み、前記工程(b)で、前記第2導電層は、パターニングされることができる。
【0011】
2.第2の強誘電体メモリ装置の製造方法
本発明の第2の強誘電体メモリ装置の製造方法は、
強誘電体キャパシタからなるメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイの製造方法であって、以下の工程を含む。
(a)基体の上に、第1導電層を形成する工程、
(b)前記第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
(c)前記強誘電体層の上に、第2導電層を形成する工程、
(d)少なくとも、前記強誘電体層および前記第2導電層をパターニングする工程、
(e)前記基体の上に、前記第1導電層、前記強誘電体層および前記第2導電層を含む積層体の相互間を充填するように、水素を発生させない方法により、絶縁層を形成する工程、
(f)前記第2導電層の上面が露出するまで、前記絶縁層を除去する工程、および
(g)前記第2導電層と部分的に重なるように、所定のパターンを有する第3導電層を形成する工程。
【0012】
本発明によれば、本発明の第1の強誘電体メモリ装置の製造方法の作用効果を奏することができる。
【0013】
本発明によれば、強誘電体層の上に第2導電層を形成している。このため、前記工程(f)で、絶縁層を除去する際、強誘電体層は第2導電層によって保護されることとなる。したがって、強誘電体層の表面の構造が乱れず、特性悪化を抑えることができる。すなわち、キャパシタが受けるダメージを抑えることができる。
【0014】
3.第3の強誘電体メモリ装置の製造方法
本発明の第3の強誘電体メモリ装置の製造方法は、
強誘電体キャパシタからなるメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイを有する強誘電体メモリ装置の製造方法であって、以下の工程を含む。
(a)基体の上に、第1導電層を形成する工程、
(b)前記第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
(c)前記強誘電体層の上に、第2導電層を形成する工程、
(d)前記第2導電層の上に、所定のパターンを有するマスク層を形成する工程、
(e)前記マスク層をマスクとして、少なくとも、前記強誘電体層および前記第2導電層をパターニングする工程、
(f)前記基体の上に、前記第1導電層、前記強誘電体層、前記第2導電層およびマスク層を含む積層体を覆うように、水素を発生させない方法により、絶縁層を形成する工程、
(g)前記第2導電層の上面が露出するまで、前記絶縁層および前記マスク層を除去する工程、および
(h)前記第2導電層と部分的に重なるように、所定のパターンを有する第3導電層を形成する工程。
【0015】
本発明によれば、本発明の第2の強誘電体メモリ装置の製造方法における作用効果を奏することができる。
【0016】
また、本発明によれば、工程(g)で、絶縁層のみならずマスク層もエッチングしている。このため、工程(e)でマスク層の側壁にフェンスが生じても、工程(g)でマスク層のエッチングの際に、そのフェンスも除去することができる。
【0017】
本発明の第2および第3の強誘電体メモリ装置の製造方法は、前記絶縁層の構成元素の少なくとも一部が、前記強誘電体層の構成元素の少なくとも一部と同じ態様をとることができる。
【0018】
また、前記絶縁層の組成は、前記強誘電体層の組成と同じであることができる。
【0019】
本発明の第2および第3の強誘電体メモリ装置の製造方法は、本発明の第1の強誘電体メモリ装置の製造方法の項で述べた態様をとることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
1.第1の実施の形態
1.1 デバイスの構造
図1は、強誘電体メモリ装置を模式的に示す平面図であり、図2は、図1のA−A線に沿って強誘電体メモリ装置の一部を模式的に示す断面図である。図3は、図1のB−B線に沿って強誘電体メモリ装置の一部を模式的に示す断面図である。図4は、図2におけるメモリセルアレイを拡大した断面模式図である。図5は、図3におけるメモリセルアレイを拡大した断面模式図である。
【0022】
強誘電体メモリ装置1000は、メモリセルアレイ100と、周辺回路部200とを有する。そして、メモリセルアレイ100と周辺回路部200とは、異なる層に形成されている。周辺回路部200は、メモリセルアレイ100の外側の領域において形成されている。具体的には、周辺回路部の形成領域A200は、メモリセルアレイの形成領域A100の外側の領域において設けられている。この例では、下層に周辺回路部200が、上層にメモリセルアレイ100が形成されている。周辺回路部200の具体例としては、Yゲート、センスアンプ、入出力バッファ、Xアドレスデコーダ、Yアドレスデコーダまたはアドレスバッファを挙げることができる。
【0023】
メモリセルアレイ100は、行選択のための下部電極(ワード線)12と、列選択のための上部電極(ビット線)16とが直交するように配列されている。すなわち、X方向に沿って下部電極12が所定ピッチで配列され、X方向と直交するY方向に沿って上部電極16が所定ピッチで配列されている。なお、下部電極12がビット線、上部電極16がワード線でもよい。
【0024】
メモリセルアレイ100は、図2および図3に示すように、第1層間絶縁層10の上に設けられている。メモリセルアレイ100は、図4および図5に示すように、第1層間絶縁層10上に、下部電極12、強誘電体キャパシタを構成する強誘電体部14、中間電極18および上部電極(上電極)16が積層されて構成されている。強誘電体部14および中間電極18は、下部電極12と上部電極16との交差領域に設けられている。すなわち、下部電極12と上部電極16との交差領域において、強誘電体キャパシタ20からなるメモリセルが構成されている。
【0025】
図5に示すように、強誘電体キャパシタ20における下部電極12を少なくとも覆うように、絶縁層70が形成されている。この絶縁層70は、上部電極16の下に設けられている。絶縁層70が設けられていることにより、下部電極12と、中間電極18または上部電極16との短絡が防止されている。絶縁層70は、たとえば絶縁性を有する第1水素バリア膜40と、第1絶縁層72との積層構造であることができる。第1水素バリア膜40を形成することにより、強誘電体キャパシタ20の強誘電体部14が還元されるのを抑えることができる。なお、第1水素バリア膜40が形成されていなくてもよい。
【0026】
また、図4および図5に示すように、強誘電体キャパシタ20を覆うように、第2水素バリア膜42が形成されていてもよい。第2水素バリア膜42を形成することにより、強誘電体キャパシタ20の強誘電体部14が還元されるのを抑えることができる。
【0027】
また、図2および図3に示すように、メモリセルアレイ100を覆うように、第1層間絶縁層10の上に、第1保護層36が形成されている。さらに、第2配線層40を覆うように第1保護層36上に絶縁性の第2保護層38が形成されている。第1保護層36と、第2保護層38との間には、必要に応じて第3水素バリア膜44が形成される。第3水素バリア膜44は、メモリセルアレイ領域A100に形成されることができる。すなわち、第3水素バリア膜44は、周辺回路領域A200には形成されていないことができる。これにより、周辺回路部A200を水素により回復することができると同時に、メモリセルアレイ100が水素により還元されるのを抑えることができる。
【0028】
周辺回路部200は、図1に示すように、前記メモリセルに対して選択的に情報の書き込みもしくは読み出しを行うための各種回路を含み、例えば、下部電極12を選択的に制御するための第1駆動回路50と、上部電極34を選択的に制御するための第2駆動回路52と、センスアンプなどの信号検出回路(図示せず)とを含む。
【0029】
また、周辺回路部200は、図2に示すように、半導体基板110上に形成されたMOSトランジスタ112を含む。MOSトランジスタ112は、ゲート絶縁層112a,ゲート電極112bおよびソース/ドレイン領域112cを有する。各MOSトランジスタ112は素子分離領域114によって分離されている。MOSトランジスタ112が形成された半導体基板110上には、第1層間絶縁層10が形成されている。そして、周辺回路部200とメモリセルアレイ100とは、第1配線層40によって電気的に接続されている。
【0030】
次に、強誘電体メモリ装置1000における書き込み,読み出し動作の一例について述べる。
【0031】
まず、読み出し動作においては、選択セルのキャパシタに読み出し電圧「V0」が印加される。これは、同時に‘0’の書き込み動作を兼ねている。このとき、選択されたビット線を流れる電流またはビット線をハイインピーダンスにしたときの電位をセンスアンプにて読み出す。このとき、非選択セルのキャパシタには、読み出し時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
【0032】
書き込み動作においては、‘1’の書き込みの場合は、選択セルのキャパシタに「−V0」の電圧が印加される。‘0’の書き込みの場合は、選択セルのキャパシタに、該選択セルの分極を反転させない電圧が印加され、読み出し動作時に書き込まれた‘0’状態を保持する。このとき、非選択セルのキャパシタには、書き込み時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
【0033】
1.2 デバイスの作用効果
以下、強誘電体メモリ装置1000の作用効果を説明する。
【0034】
強誘電体部14は、上部電極12と下部電極16との交差領域に形成されている。このため、キャパシタから外側へ電気力線がはみ出すのを抑えることができる。その結果、強誘電体部14における電界を強めることができるため、強誘電体部14を一定分極値にするのに必要な電圧を抑えることができる。したがって、ヒステリシスループの角型性を向上させることができる。すなわち、ヒステリシスループを方形に近づけることができる。その結果、強誘電体メモリ装置1000によれば、強誘電体キャパシタ20の特性を向上させることができる。
【0035】
1.3 プロセス
次に、上述した強誘電体メモリ装置の製造方法の一例について述べる。図6〜図14は、強誘電体メモリ装置1000の製造工程を模式的に示す断面図である。なお、図7〜図14は、メモリセルアレイ領域のみに着目して示した断面図である。
【0036】
図6に示すように、公知のLSIプロセスを用いて、周辺回路200を形成する。具体的には、半導体基板110上にMOSトランジスタ112を形成する。例えば、半導体基板110上の所定領域にトレンチ分離法,LOCOS法などを用いて素子分離領域114を形成し、ついでゲート絶縁層112aおよびゲート電極112bを形成し、その後、半導体基板110に不純物をドープすることでソース/ドレイン領域112cを形成する。このようにして駆動回路50,52および信号検出回路54などの各種回路を含む周辺回路部200が形成される。ついで、公知の方法により、第1層間絶縁層10を形成する。
【0037】
次に、第1層間絶縁層10の上に、メモリセルアレイを形成する。以下、図7〜図14を参照しながら、メモリセルアレイ100の形成方法を説明する。
【0038】
まず、図7に示すように、第1層間絶縁層10の上に、下部電極12のための第1導電層12aを形成する。第1導電層12aの材質としては、強誘電体キャパシタの電極となり得るものであれば特に限定されない。第1導電層12aの材質としては、たとえばIr,IrOx,Pt,Ru、RuOx,SrRuOx,LaSrCoOxを挙げることができる。また、第1導電層12aは、単層または複数の層を積層したものを用いることができる。第1導電層12aの形成方法としては、スパッタリング、真空蒸着、CVD等の方法が利用できる。
【0039】
次に、第1導電層12aの上に、強誘電体部14のための強誘電体層14aを形成する。強誘電体層14aの材質としては、強誘電性を示してキャパシタ絶縁層として使用できれば、その組成は任意のものを適用することができる。このような強誘電体としては、たとえばPZT(PbZrzTi1-z3)、SBT(SrBi2Ta29)を挙げることができ、さらに、これらの材料にニオブやニッケル、マグネシウム等の金属を添加したもの等が適用できる。強誘電体層14aの成形方法としては、たとえば、ゾルゲル材料やMOD材料を用いたスピンコート法やディッピング法、スパッタ法、MOCVD法、レーザアブレーション法、LSMCD法を挙げることができる。
【0040】
次に、強誘電体層14aの上に、中間電極18のための第2導電層18aを形成する。第2導電層18aの材質および形成方法は、第1導電層12aと同様のものを適用することができる。
【0041】
次に、全面に、マスク層60を形成し、リソグラフィおよびエッチングにより所定のパターンを有するマスク層60をパターニングする。すなわち、下部電極12を形成しようとする領域上に、マスク層60を形成する。マスク層60の材質は、第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aのエッチングの際に、マスクとして機能し得る材質であれば特に限定されず、たとえば、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化チタンを挙げることができる。マスク層60は、たとえばCVD法により形成されることができる。
【0042】
次に、図8に示すように、マスク層60をマスクとして、第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aをエッチングし、第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aをパターニングする。第1導電層12aをパターニングすることにより、所定のパターンを有する下部電極12が形成される。エッチング方法としては、RIE、スパッタエッチング、プラズマエッチングなどの方法を挙げることができる。以下、下部電極12、強誘電体層14a、第2導電層18aおよびマスク層60の積層体を、単に「積層体」という。
【0043】
次に、必要に応じて、図9に示すように、全面に、第1水素バリア膜40を形成する。第1水素バリア膜40の材質としては、強誘電体層14aが水素によって還元されるのを防ぐことができる材質であれば特に限定されず、たとえば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムを挙げることができる。第1水素バリア膜40の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、レーザアブレーション法を挙げることができる。なお、第1水素バリア膜40の形成工程は、必須のものではなく、省略することができる。
【0044】
次に、第1絶縁層72の堆積領域を表面処理する。この表面処理は、第1絶縁層72の堆積領域の表面が、第1絶縁層72の材料液(たとえばミスト)と親和性を有するようにするために行われる。表面処理の方法の具体例は、後述の「1.5 表面処理方法」の項で説明する。
【0045】
次に、積層体の相互間を埋めるように、水素を発生させないプロセスにより、第1絶縁層72を形成する。具体的には、次のように第1絶縁層72を形成することができる。
【0046】
第1絶縁層72の材料液(ミスト)を第1絶縁層72の堆積領域の上に付与する。第1絶縁層72の堆積領域は、上述の表面処理がなされているため、第1絶縁層72の材料液とその堆積領域との塗れ性が高まり、積層体の相互間に第1絶縁層72の材料液が流れ込みやすくなる。第1絶縁層72の材料液の堆積方法は、特に限定されず、たとえばLSMCD(Liquid Source Mist Chemical Deposition)法を挙げることができる。LSMCD法によれば、第1絶縁層72の材料液が積層体の相互間により流れ込みやすくなり、段差埋め込み性がさらに向上する。また、LSMCD法によれば、パターン形状に依存し難いため、第1絶縁層72の堆積領域に均一に第1絶縁層72を形成することができる。第1絶縁層72の材料液としては、たとえば、酸化シリコンの液体原料を挙げることができる。次に、第1絶縁層72の材料液を熱処理することにより、第1絶縁層72を形成する。なお、第1絶縁層72の材質は、水素を発生させないプロセスで形成できる材質であれば、酸化シリコンに限定されない。第1絶縁層72の材質は、後の第1絶縁層72のエッチバック工程で、マスク層60と同一のエッチングレートにすることができるものであることが好ましい。
【0047】
次に、図10に示すように、第1絶縁層72の上に、レジスト層R1を形成する。レジスト層R1は、その上面が平坦となるように形成される。レジスト層R12は、回転塗布法により形成されることができる。レジスト層R1の厚さは、第1絶縁層72に形成されている凹部の深さの2倍程度(たとえば0.8μm)であることができる。なお、レジスト層R1は必須の工程ではなく、省略することもできる。
【0048】
次に、図11に示すように、第1絶縁層72およびレジスト層R1をエッチバックする。このエッチバックと同時に、マスク層60を除去し、第2導電層18aの上面を露出させる。エッチング方法は、たとえばRIEなどのドラインエッチングにより行うことができる。また、レジスト層R1と第1絶縁層72とのエッチングレートが同じ条件で行われることができる。エッチングのエッチャントとしては、たとえば、CHF3とO2との混合ガスを適用することができ、レジスト層R1と第1絶縁層72との選択比は、CHF3とO2との混合比により制御することができる。このエッチバックの際、第1絶縁層72と第1水素バリア膜40とからなる絶縁層70が、少なくとも下部電極12の側壁を覆うようにする。
【0049】
次に、図12に示すように、全面に、第3導電層16aを堆積する。第3導電層16aの材質および形成方法は、たとえば第1導電層12aの材質および形成方法と同様であることができる。
【0050】
次に、第3導電層16aの上に、所定のパターンを有するレジスト層R2を形成する。レジスト層R2は、上部電極16を形成しようとする領域上に形成される。
【0051】
次に、レジスト層R2をマスクとして、第3導電層16a、第2導電層18a、強誘電体層14a、第1絶縁層72および第1水素バリア膜40をエッチングする。こうして、図13に示すように、第3導電層16aがパターニングされることにより上部電極16が形成される。また、第2導電層18aおよび強誘電体層14aがパターニングされることにより、上部電極16と下部電極12との交差領域に、中間電極層18および強誘電体部14が形成される。なお、上部電極16と下部電極12との交差領域以外の、上部電極16の下には、第1絶縁層72および第1水素バリア膜40が残ることとなる。こうして、メモリセルアレイ100が形成される。
【0052】
次に、図1および図14に示すように、必要に応じて、メモリセルアレイ100上に、第2水素バリア膜42を形成する。第2水素バリア膜42の材質および形成方法は、第1水素バリア膜40で述べたものを適用することができる。
【0053】
次に、第2水素バリア膜42の上に、公知の方法により、第1保護層36を形成する。次に、必要に応じて、第1保護層36を平坦化する。次に、第1保護層の上に、必要に応じて、メモリセルアレイ領域A100上に、第3水素バリア膜44を形成する。次に、第1保護層36および第3水素バリア膜44の上に、第2保護層38を形成する。
【0054】
1.4 プロセスの作用効果
以下、本実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造方法による作用効果を説明する。
【0055】
(1)第1絶縁層72は、水素を発生させないプロセスにより形成されている。具体的には、第1絶縁層72の材料液(ミスト)を付与して、熱処理することにより第1絶縁層72を形成している。このため、第1絶縁層72の形成の際、強誘電体層14aが還元されるのを抑えることできる。
【0056】
(2)また、第1絶縁層72の堆積領域が、第1絶縁層72の材料液と親和性を有するすように、その堆積領域を表面処理をしている。このため、積層体間に第1絶縁層72の材料液を流れ込みやすくすることができる。
【0057】
(3)本実施の形態においては、強誘電体層14aの上に、第2導電層18aを形成している。このため、第1絶縁層72およびマスク層60のエッチバック工程において、強誘電体層14aは第2導電層18aに覆われているため、強誘電体層14aがエッチャントと接触することがない。このため、強誘電体層14aの表面の構造が乱れず、特性悪化を抑えることができる。すなわち、キャパシタが受けるダメージを抑えることができる。
【0058】
(4)一般に、強誘電体キャパシタを構成する導電層や強誘電体層のエッチングの際に、マスクの側壁に反応生成物からなるフェンスが生じないように、エッチングを制御する必要がある。たとえば高温でエッチングしたり、または、断面がテーパ状となるようにエッチングしたりする必要がある。
【0059】
しかし、本実施の形態においては、マスク層60をマスクとして第1導電層12a、強誘電体層14aおよび第2導電層18aをエッチングしている。そして、マスク層60は、第1絶縁層72のエッチバック工程で除去している。このマスク層60の除去の際に、マスク層60の側壁にフェンスが生じていたとしても、そのフェンスは除去されることとなる。このため、第2導電層18a等をエッチングする際、フェンスが生じるようにエッチングしても、生じたフェンスは除去されるため、フェンスに起因する問題が生じない。したがって、フェンスが生じないように第2導電層18a等を断面がテーパ状となるようにエッチングする必要がなくなるため、断面形状がいい積層体を形成することができる。また、フェンスができないように、高温でエッチングする必要がないため、通常のエッチング装置で第2導電層18a等をエッチングすることができる。
【0060】
(5)マスク層60を用いて、第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aをエッチングしている。マスク層60によれば、レジスト層のようにエッチング中において後退がないため、レジスト層に比べて厚さを小さくすることができる。その結果、マスク層によれば、微細加工を図ることができる。
【0061】
(6)本実施の形態においては、パターニング前の第1導電層12aの上に、強誘電体層14aを形成している。これにより、平坦な第1導電層12aの上に強誘電体層14aを形成できるため、強誘電体層14aを形成し易く、強誘電体成膜法の自由度が増す。
【0062】
1.5 表面処理方法
図17を用いて、表面処理方法を説明する。なお、第1水素バリア膜の形成工程を含まない態様で説明する。
【0063】
第1絶縁層72の堆積領域の表面に表面修飾層80を形成する。この表面修飾層80は、第1絶縁層72の材料液(ミスト)と親和性を有する。
【0064】
表面修飾層80の材質は、第1絶縁層72の材料液(ミスト)と親和性を有する材質であれば特に限定されず、たとえば、ヘキサメチルジシラザン、テトラヒドラフラン、メタノール、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
【0065】
表面修飾層80は、スパッタリング法やCVD法等の気相成長法によって形成してもよいし、インクジェット法、スピンコート法、ディップ法およびミストデポジション法等の液相を用いた方法によって形成することもでき、その場合には液体又は溶媒に溶かした物質を使用してもよい。また、ヘキサメチルジシラザン、テトラヒドラフラン、メタノール、メチルエチルケトンなどから選択される溶媒を絶縁層の原料液に添加してもよい。これにより、絶縁層の側に表面修飾層に対する親和性を持たせることができるため、表面修飾層を形成した場合と同様の効果が得られる。
【0066】
以上の表面処理方法は、第2の実施の形態においても適用できる。
【0067】
1.6 変形例
第1の実施の形態は、次の変形が可能である。
【0068】
(1)第1絶縁層72の構成元素の少なくとも一部は、強誘電体層14aの構成元素の少なくとも一部と同じであることができる。このため、エッチング工程や熱処理工程で強誘電体層の側面において組成ずれが生じた場合であっても、第1絶縁層72から構成原子が強誘電体層に補充され、強誘電体層の結晶構造を回復させることもできる。なお、この作用効果を奏するためには、第1水素バリア膜40が形成されていない必要がある。
【0069】
(2)また、第1絶縁層72の組成と強誘電体層14aの組成とが同じであることができる。この場合、第1絶縁層72が水素バリア膜として機能することとなり、強誘電体層14aが後の工程で発生する水素によって還元されるのを抑えることができる。また、別途水素バリア膜を形成する必要がないため、工程を簡略化することができる。
【0070】
(3)本実施の形態においては、マスク層60をマスクとして、第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aをエッチングした。しかし、これに限定されず、マスク層60を形成せずに、レジスト層をマスクとして第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aをエッチングしてもよい。
【0071】
(4)第1絶縁層72の平坦化は、CMP法により行うことができる。
【0072】
(5)絶縁層70は、少なくとも下部電極12および強誘電体層14を覆っていれば、図15に示すような積層体の相互間の中央部の絶縁層70が完全に除去されている態様であってもよい。また、図16に示すように絶縁層72の上面が第2導電層18aの上面より低くなっていてもよい。なお、図16に示すように、第1水素バリア膜40が形成されていなくてもよい。
【0073】
(6)上記実施の形態においては、第2導電層18a、強誘電体層14aおよび第1導電層12aを一括してパターニングした。しかし、これに限定されず、第1導電層12aをパターニングした後、強誘電体層14aおよび第1導電層12aを形成してもよい。
【0074】
(7)周辺回路部200は、メモリセルアレイの下に設けられていてもよい。
【0075】
2.第2の実施の形態
2.1 プロセス
以下、第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造方法について説明する。図18〜図22は、第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。なお、図20は、図19(B)における紙面に対して垂直な面(C−C線を含む面)で切った断面図である。図21〜図22は、図20の断面と同様な断面における断面図である。
【0076】
図18(A)に示すように、基体(たとえば基板の上に設けられらた層間絶縁層)210上に、必要に応じて、バリア層218を形成する。バリア層218は、たとえば酸化チタンからなることができる。たとえば、スパッタ法によりチタン膜を形成し、酸化炉でチタン膜を酸化することにより形成される。
【0077】
次に、バリア層218の上に、下部電極のための第1導電層212aを形成する。第1導電層212aの材質、形成方法は、第1の実施の形態に係る第1導電層12aの材質、形成方法を適用することができる。第1導電層212aの厚さは、特に限定されないが、たとえば200nmであることができる。
【0078】
次に、第1導電層212aの上に第1マスク層250を形成する。第1マスク層250の形成方法および材質としては、第1の実施の形態で述べた形成方法および材質を適用することができる。第1マスク層250の厚さは、特に限定されないが、第1導電層212aの厚さの1.5〜2倍であることができる。第1マスク層212aの厚さは、たとえば、400nmであることができる。
【0079】
次に、第1マスク層250の上に、所定のパターンを有するレジスト層R10を形成する。レジスト層R10は、下部電極を形成しようとする領域の上に形成する。レジスト層R10の厚さは、特に限定されず、たとえば1μm程度であることができる。
【0080】
次に、図18(B)に示すように、レジスト層R10をマスクとして、第1マスク層250をエッチングする。第1マスク層250のエッチングの方法は、公知のドライエッチング方法であることができる。具体的には、第1マスク層250は、RIE(Reactive Ion Etching)のエッチング装置を用いて、CHF3とArの混合ガスによりエッチングを行うことができる。次に、たとえばO2プラズマにより、レジスト層R10を除去する。
【0081】
次に、図18(C)に示すように、第1マスク層250をマスクとして、第1導電層212aをエッチングし、下部電極212を形成する。このエッチングは、たとえば高密度プラズマドライエッチング装置(高密度ICPエッチング装置)によるドライエッチング方法により行うことができる。エッチングガスとしてCl2とArの混合ガスを使用し、1.0Pa以下の低圧力、高バイアスパワーでエッチングを行うと寸法変換差の少ないエッチングを行うことができる。また、基板温度を350℃程度に加熱しエッチングを行うと、さらに寸法変換差の少ないエッチングを行うことができる。
【0082】
次に、23(A)に示すように、全面に、第1絶縁層220を形成する。第1絶縁層220の材質としては、たとえば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタルを挙げることができる。第1絶縁層220の形成方法としては、たとえばCVD法を挙げることができる。なお、第1絶縁層220の材質および形成方法が、第1マスク層250の材質および形成方法と同じであると、第1絶縁層220と第1マスク層250とのエッチングレートを同じにし易い。また、第1絶縁層220の厚さは、たとえば、下部電極212間を埋め込むことを考慮して下部電極212の厚さ以上であることができる。具体的には、第1絶縁層220の厚さは、600nmであることができる。
【0083】
次に、第1絶縁層220の上に、必要に応じて、レジスト層R12を形成する。レジスト層R12は、その上面が平坦となるように形成される。なお、レジスト層R12は、回転塗布法により形成されることができる。レジスト層R12の厚さは、第1絶縁層220に形成されている凹部の深さの2倍程度(たとえば0.8μm)であることができる。
【0084】
次に、図19(B)に示すように、第1絶縁層220をエッチバックすると同時に、第1マスク層250をエッチングし、下部電極212の上面を露出させる。この際、下部電極212のエッチングの際に第1マスク層250の側壁に、第1導電層212aのエッチングでフェンス(反応残さ物)が生じていても、第1マスク層250のエッチングと同時に、フェンスも除去される。第1絶縁層220のエッチング方法は、たとえばRIEなどのドラインエッチングにより行うことができる。また、レジスト層R12と第1絶縁層220とのエッチングレートが同じ条件で行われることができる。たとえば、エッチングのエッチャントとしては、CHF3とO2との混合ガスを適用することができ、レジスト層R12と第1絶縁層220との選択比は、CHF3とO2との混合比により制御することができる。
【0085】
次に、図19(C)に示すように、下部電極212および第1絶縁層220の上に、強誘電体層214aを形成する。強誘電体層214aの厚さは、たとえば120nmである。強誘電体層214aの形成方法および材質は、第1の実施の形態に係る強誘電体層14aの形成方法および材質を適用することができる。
【0086】
次に、強誘電体層214aの上に、上部電極のための第2導電層216aを形成する。第2導電層216aの材質および形成方法は、第1の実施の形態の第1導電層12aと同様のものであることができる。
【0087】
なお、図19(C)の紙面に対して垂直な面(C−C線を含む面)における断面を図20に示す。以下、図20で示された断面に基づいて説明していく。
【0088】
次に、図21(A)に示すように、第2導電層216aの上に、所定のパターンを有する第2マスク層252を形成する。第2マスク層252は、上部電極を形成しようとする領域を覆うように形成する。第2マスク層252の材質および形成方法は、第1マスク層250と同様のものを適用することができる。
【0089】
次に、図21(B)に示すように、第2マスク層252をマスクとして、第2導電層216aおよび強誘電体層214aをエッチングする。これにより、上部電極216が形成される。
【0090】
次に、第1絶縁層220ならびに強誘電体層214a、上部電極216およびマスク層252の積層体の表面を、表面処理する。この表面処理は、第2絶縁層222の材料液と親和性を有するようにするために行われる。表面処理の方法は、第1の実施の形態で示したものをとることができる。
【0091】
次に、図22(A)に示すように、全面に、強誘電体層214a、上部電極216およびマスク層252の積層体の相互間を充填するように、水素を発生させないプロセスにより第2絶縁層222を形成する。具体的には、第1の実施の形態の第1絶縁層72の形成方法と同様に、第2絶縁層222を形成することができる。第2絶縁層222の厚さは、たとえば、強誘電体層214aおよび上部電極216の厚さ以上であることができる。第2の絶縁層222は、その構成元素の少なくとも一部が、強誘電体層214aの構成元素の少なくとも一部と同じである。好ましくは、第2の絶縁層222の組成と強誘電体層214aの組成とが同じであることが好ましい。
【0092】
次に、第2絶縁層222の上に、レジスト層R14を形成する。塗布法を利用して上面が平坦な第2絶縁層222を形成した場合には、レジスト層R14を形成しなくてもよい。レジスト層R14は、上記のレジスト層R12と同様にして形成されることができる。
【0093】
次に、図22(B)に示すように、第2絶縁層222をエッチバックする。この際、同時に、第2マスク層252をエッチング除去する。なお、第2マスク層252の側壁に、第2導電層216aのエッチング際に生じたフェンスがある場合には、この第2マスク層252のエッチングの際に除去される。こうして、下部電極212、強誘電体層214aおよび上部電極216を含む強誘電体キャパシタが形成される。
【0094】
2.2 作用効果
以下、第2の実施の形態に係る作用効果を説明する。
【0095】
(1)第2絶縁層222は、水素を発生させないプロセスにより形成されている。具体的には、第2絶縁層222の材料液(ミスト)を付与して、熱処理することにより第2絶縁層222を形成している。このため、第2絶縁層222の形成の際、強誘電体層214aが還元されるのを抑えることできる。
【0096】
(2)また、第2絶縁層222の堆積領域と、第2絶縁層222の材料液とが親和性を有するすように、その堆積領域を表面処理をしている。このため、積層体間に第2絶縁層222の材料液を流れ込みやすくすることができる。
【0097】
(3)第2絶縁層222の構成元素の少なくとも一部は、強誘電体層214aの構成元素の少なくとも一部と同じであることができる。このため、エッチング工程や熱処理工程で、強誘電体層の側面において組成ずれが生じた場合に、絶縁層から構成原子が強誘電体層に補充され、強誘電体層の結晶構造を回復させることもできる。
【0098】
また、第2絶縁層222の組成と強誘電体層214aの組成とが同じであることができる。この場合、第2絶縁層222が水素バリア膜として機能することとなり、強誘電体層214aが後の工程で発生する水素によって還元されるのを抑えることができる。また、別途水素バリア膜を形成する必要がないため、工程を簡略化することができる。
【0099】
(4)本実施の形態においては、第1マスク層250をマスクとして第1導電層212aをエッチングし、第1絶縁層220のエッチバック工程で、第1マスク層250を除去している。このため、第1絶縁層220のエッチバック工程で、第1マスク層250の側壁にフェンスが生じても、そのフェンスを除去することができる。このため、断面形状がいい下部電極212を形成することができる。すなわち、下部電極212の側面と基体の表面とのなす角をほぼ垂直にすることができる。また、フェンスができないように、高温でエッチングする必要がないため、通常のエッチング装置で第1導電層212aをエッチングすることができる。
【0100】
(5)また、本実施の形態においては、第2マスク層252をマスクとして第2導電層216aをエッチングし、第2絶縁層222エッチバック工程で、第2マスク層252を除去している。このため、断面形状がいい上部電極216を形成することができる。また、通常のエッチング装置で第2導電層216aをエッチングすることができる。
【0101】
(6)本実施の形態によれば、下部電極212間に埋め込まれた第1絶縁層220は、エッチバックしている。このため、第1絶縁層220の上面と下部電極212の上面とは、ほぼ面一になり、それらの上面が平坦となる。したがって、本実施の形態によれば、強誘電体層214aを形成し易い。
【0102】
3.実験例
実施例と、比較例とで、ヒステリシスループがどの程度異なるかを調べた。図23は、実施例に係るヒステリシスループを示す図である。図24は、比較例に係るヒステリシスループを示す図である。
【0103】
なお、実施例は、メモリセルアレイの構造として図2〜図5に示す構造を採用した。また、実施例においては、水素を発生させない方法として、LSMCD法により絶縁層を形成したものの場合とし、水素を発生させる方法としてプラズマTEOS CVD法によりSiO2を絶縁層として形成したものの場合を比較例とし、ヒステリシスループを調べた。比較例においては、メモリセルアレイは、下部電極を含む基体の上に、連続した強誘電体層を形成し、その強誘電体層の上に上部電極を形成した構造を有する。
【0104】
図23および図24に示すように、実施例によれば、比較例に比べて、残留分極値が大きいヒステリシス特性を示していることがわかる。
【0105】
本発明は、水素を発生させない方法により絶縁層を形成しているため、絶縁層の形成の際に、強誘電体層が還元され、分極特性が劣化するのを抑えることができていることが分かる。
【0106】
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電体メモリ装置を模式的に示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿って強誘電体メモリ装置の一部を模式的に示す断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿って強誘電体メモリ装置の一部を模式的に示す断面図である。
【図4】図2におけるメモリセルアレイを拡大した断面模式図である。
【図5】図3におけるメモリセルアレイを拡大した断面模式図である。
【図6】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図7】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図8】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図9】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図10】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図11】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図12】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図13】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図14】強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図15】第1の実施の形態の変形例を模式的に示す断面図である。
【図16】第1の実施の形態の変形例を模式的に示す断面図である。
【図17】表面処理方法を模式的に示す断面図である。
【図18】第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図19】第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図20】第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図21】第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図22】第2の実施の形態に係る強誘電体メモリ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図23】実施例に係るヒステリシスループを示す図である。
【図24】比較例に係るヒステリシスループを示す図である。
【符号の説明】
10 第1層間絶縁層
12 下部電極
14 強誘電体部
16 上部電極
18 中間電極層
36 第1保護層
38 第2保護層
40 第1水素バリア膜
42 第2水素バリア膜
44 第3水素バリア膜
50 第1駆動回路
52 第2駆動回路
60 マスク層
70 絶縁層
72 第1絶縁層
80 表面修飾層
90 前駆体層
92 帯電層
100 メモリセルアレイ
110 半導体基板
112 MOSトランジスタ
112a ゲート絶縁層
112b ゲート電極
112c ソース/ドレイン領域
114 素子分離領域
200 周辺回路部
212 下部電極
214a 強誘電体層
216 上部電極
220 第1絶縁層
222 第2絶縁層
250 第1マスク層
252 第2マスク層
1000 強誘電体メモリ装置

Claims (12)

  1. (a)基体の上に設けられた第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
    (b)前記強誘電体層をパターニングする工程、
    (c)前記強誘電体層の相互間を充填するように、絶縁層を形成する工程を含み、
    前記工程(c)は、前記絶縁層の材料液を付与して熱処理をすることにより行われ、
    前記工程(b)と(c)の間に、前記絶縁層を形成する表面領域を表面処理する工程を有し、該表面処理は、前記表面領域が前記材料液と親和性を有するように行われる、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記絶縁層の構成元素の少なくとも一部は、前記強誘電体層の構成元素の少なくとも一部と同じであり、
    前記絶縁層は、前記強誘電体層と直接接触するように形成される、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  3. 請求項において、
    前記絶縁層の組成は、前記強誘電体層の組成と同じである、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記表面処理は、前記表面領域に、表面修飾層を形成することによりなされる、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  5. (a)基体の上に設けられた第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
    (b)前記強誘電体層をパターニングする工程、
    (c)前記強誘電体層の相互間を充填するように、絶縁層を形成する工程を含み、
    前記工程(c)は、前記絶縁層の材料液を付与して熱処理をすることにより行われ、
    前記工程(b)と(c)の間に、前記絶縁層を形成する表面領域を表面処理する工程を含み、
    前記材料液に前記表面領域との親和性を有する材質を添加する、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記材料液は、ミスト状で付与される、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  7. 請求項において、
    前記工程(c)は、LSMCD法により前記絶縁層を形成する工程である、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記工程(a)の後、前記強誘電体層の上に、第2導電層を形成する工程を含み、
    前記工程(b)で、前記第2導電層は、パターニングされる、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  9. 強誘電体キャパシタからなるメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイの製造方法であって、以下の工程を含む、強誘電体メモリ装置の製造方法。
    (a)基体の上に、第1導電層を形成する工程、
    (b)前記第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
    (c)前記強誘電体層の上に、第2導電層を形成する工程、
    (d)少なくとも、前記強誘電体層および前記第2導電層をパターニングする工程、
    (e)前記基体の上に、前記第1導電層、前記強誘電体層および前記第2導電層を含む積層体の相互間を充填するように絶縁層を形成する工程を含み、
    前記絶縁層は、前記絶縁層の材料液を付与して熱処理をすることにより形成され、
    前記工程(d)と(e)の間に、前記絶縁層を形成する表面領域を表面処理する工程を有し、該表面処理は、前記表面領域が前記材料液と親和性を有するように行われる工程、
    (f)前記第2導電層の上面が露出するまで、前記絶縁層を除去する工程、および
    (g)前記第2導電層と部分的に重なるように、所定のパターンを有する第3導電層を形成する工程。
  10. 強誘電体キャパシタからなるメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイを有する強誘電体メモリ装置の製造方法であって、以下の工程を含む、強誘電体メモリ装置の製造方法。
    (a)基体の上に、第1導電層を形成する工程、
    (b)前記第1導電層の上に、強誘電体層を形成する工程、
    (c)前記強誘電体層の上に、第2導電層を形成する工程、
    (d)前記第2導電層の上に、所定のパターンを有するマスク層を形成する工程、
    (e)前記マスク層をマスクとして、少なくとも、前記強誘電体層および前記第2導電層をパターニングする工程、
    (f)前記基体の上に、前記第1導電層、前記強誘電体層、前記第2導電層およびマスク層を含む積層体を覆うように絶縁層を形成する工程を含み、
    前記絶縁層は、前記絶縁層の材料液を付与して熱処理をすることにより形成され、
    前記工程(e)と(f)の間に、前記絶縁層を形成する表面領域を表面処理する工程を有し、該表面処理は、前記表面領域が前記材料液と親和性を有するように行われる工程、
    (g)前記第2導電層の上面が露出するまで、前記絶縁層および前記マスク層を除去する工程、および
    (h)前記第2導電層と部分的に重なるように、所定のパターンを有する第3導電層を形成する工程。
  11. 請求項9または10において、
    前記絶縁層の構成元素の少なくとも一部は、前記強誘電体層の構成元素の少なくとも一部と同じであり、
    前記絶縁層は、前記強誘電体層と直接接触するように形成される、強誘電体メモリ装置の製造方法。
  12. 請求項11において、
    前記絶縁層の組成は、前記強誘電体層の組成と同じである、強誘電体メモリ装置の製造方法。
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