JP4314337B2 - ミルベマイシン類及びアベルメクチン類の精製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類を含む混合液をアルミナと接触させ該混合液中のミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類以外の物質をアルミナに吸着させた後、濾過によりアルミナとミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類とを分離させることを特徴とする、ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ミルベマイシン類及びアベルメクチン類は、16員環マクロライド類の一群であり、いずれも殺虫、殺ダニ活性又は駆虫活性を有することが知られている。
【0003】
ミルベマイシン類としては、例えば、ミルベマイシンA3(特開昭55−131398号公報参照)、ミルベマイシンA4(特開昭55−131398号公報参照)及びミルベマイシンD(特開昭56−32481号公報参照)、ミルベマイシンα11(特開平1−193270号公報参照)、ミルベマイシンα14(特開平1−193270号公報参照)、5−オキソミルベマイシンA3 5−オキシム(特開昭59−108785号公報参照)、5−オキソミルベマイシンA4 5−オキシム(特開昭59−108785号公報参照)、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)−5−ケトミルベマイシンA3(特開平8−259570号公報参照)、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)−5−ケトミルベマイシンA4(特開平8−259570号公報参照)、13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA3(特開平5−255343号公報参照)及び13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA4(特開平5−255343号公報参照)等を挙げることができる。
【0004】
アベルメクチン類としては、例えば、アベルメクチンB1a(特開昭52−151197号公報参照)、アベルメクチンB1b(特開昭52−151197号公報参照)、イベルメクチン(22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a及び22,23−ジヒドロアベルメクチンB1bの混合物:特開昭54−61198号公報参照)、エマクチン(4’’−エピアミノ−4’’−デオキシアベルメクチンB1a及び4’’−エピアミノ−4’’−デオキシアベルメクチンB1bの混合物の安息香酸塩:Journal of Organic Chemistry 59巻(1994年刊行)7704頁乃至7708頁参照)、ドラメクチン(25−シクロヘキシルアベルメクチンB1aと同義:特開昭62−29590号公報参照)をあげることができる。
【0005】
これらのミルベマイシン類及びアベルメクチン類はいずれも、一般に微生物代謝産物又は微生物代謝産物から何段階かの化学反応を経て合成される半合成マクロライド化合物であり、通常不純物が多く含まれる。従って、これらの化合物を工業的に製造する場合には、工業的スケールでの実施に適した精製手段を選択する必要がある。その選択に際しては、操作性、経済性、普遍性及び精製効率等が基準となる。
【0006】
公知の精製手段の一つに結晶化法があり、特表平9−502169号公報には、4’’−エピアミノ−4’’−デオキシアベルメクチンB1aと4’’−エピアミノ−4’’−デオキシアベルメクチンB1bを安息香酸塩として結晶化し、ついで濾過することによる精製法が記載されている。しかし、同方法は中性化合物には適用できず、4’’−エピアミノ−4’’−デオキシアベルメクチンB1aと4’’−エピアミノ−4’’−デオキシアベルメクチンB1bを除いたミルベマイシン類及びアベルメクチン類の精製手段としての普遍性を欠く。
【0007】
また、公知の精製手段の一つに誘導体化法があり、特開平8−53456号公報には、モキシデクチンを5−0−p−ニトロベンゾエートに誘導化後、メタノール中で再結晶化させることにより純度が改善されたエステル体を取得し、最後にエステルを加水分解することによって、工業的に許容される純度でモキシデクチンを精製できることが記載されている。しかし、この方法では誘導体化、その後の再結晶化、その後の脱誘導体化及びその後の再々結晶化が必要であり、多くの工程と多量の溶媒を要する。従って、操作性及び経済性の観点から工業的スケールでの実施には必ずしも適さない。
【0008】
さらに、公知の精製手段の一つに液―液分配法があり、特開平10−1496号公報には、アベルメクチンB1aを微生物培養液から液−液分配により精製する方法が記載されている。しかし、同方法は、第一に、一般に精製効率が悪く、仮に精製効率が優れていたとしても操作が煩雑である。同方法は、第二に、大量の溶媒を必要とする。従って、精製効率、操作性及び経済性の観点から工業的スケールでの実施には必ずしも適さない。
【0009】
また、公知の精製手段の一つにカラムクロマトグラフィーがあり、特開昭62−226983号公報には、抗生物質S541をアルミナカラムに吸着させ、溶出して回収する方法が開示されている。しかし、同方法は、基質(被精製試料)に比して非常に多量の担体(分画用の樹脂、この場合はアルミナ)と非常に大量の溶媒を必要とする。従って、操作性及び経済性の観点から工業的スケールでの実施には必ずしも適さない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カラムクロマトグラフィー等の煩雑な精製方法を用いずに、ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類を含む混合液から簡便且つ効率よく不純物を除去することを可能にする、ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の普遍的な精製方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意努力を重ねた結果、ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類を含む混合液をアルミナと接触させ濾過操作を行うことにより、簡便且つ効率よく該混合液中の不純物を除去できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、
(1) ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類を含む混合液をアルミナと接触させ該混合液中のミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類以外の物質をアルミナに吸着させた後、濾過によりアルミナとミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類とを分離させることを特徴とする、ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の精製法、
(2)ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類が、ミルベマイシンA3,ミルベマイシンA4,ミルベマイシンD、ミルベマイシンα11、ミルベマイシンα14、5−オキソミルベマイシンA3 5−オキシム,5−オキソミルベマイシンA4 5−オキシム,13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA3、13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA4、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4、アベルメクチンB1a,アベルメクチンB1b、イベルメクチン、エマメクチン又はドラメクチンから選択される物質の一つ又は二つ以上である、(1)記載の精製法、
(3)ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類が、ミルベマイシンA3,ミルベマイシンA4,ミルベマイシンD、ミルベマイシンα11、ミルベマイシンα14、5−オキソミルベマイシンA3 5−オキシム,5−オキソミルベマイシンA4 5−オキシム,13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA3、13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA4、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3又は13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4から選択される物質の一つ又は二つ以上である、(1)又は(2)記載の精製法、
(4)ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類が、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3及び/又は13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4である、(1)乃至(3)のいずれかひとつに記載の精製法、
に関する。
【0012】
本発明におけるミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類とは、ミルベマイシンA3,ミルベマイシンA4,ミルベマイシンD、ミルベマイシンα11、ミルベマイシンα14、5−オキソミルベマイシンA3 5−オキシム,5−オキソミルベマイシンA4 5−オキシム,13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA3、13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA4、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4、アベルメクチンB1a,アベルメクチンB1b、イベルメクチン、エマメクチン又はドラメクチンから選択される物質の一つ又は二つ以上をいい、好適には、ミルベマイシンA3,ミルベマイシンA4,ミルベマイシンD、ミルベマイシンα11、ミルベマイシンα14、5−オキソミルベマイシンA3 5−オキシム,5−オキソミルベマイシンA4 5−オキシム,13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA3、13−(2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシ)ミルベマイシンA4、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3又は13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4から選択される物質の一つ又は二つ以上をいい、さらに好適には、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3及び/又は13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4をいう。
【0013】
これらの化合物は、前記したようにいずれも殺虫、殺ダニ活性又は駆虫活性を有することが知られている。
【0014】
本発明におけるアルミナとは、酸化アルミニウムを主成分とする粉末であり、酸性、中性及び塩基性それぞれのアルミナが知られているが、通常入手可能なものであれば特に限定はない。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の方法を実施するにあたり使用される溶媒としては、物質をある程度溶解するもので、精製工程に影響を与えないものであれば特に限定されない。このような溶媒として、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンのようなエーテル類、アセトン、シクロへキサノンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、メタノール、エタノールのようなアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類、アセトニトリルのようなニトリル類及び水並びにこれらの溶媒の混合物等が挙げられ、好適には、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素類やアセトン、シクロへキサノンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、メタノール、エタノールのようなアルコール類及び水並びにこれらの溶媒の混合物等、さらに好適には、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素類やメタノール、エタノールのようなアルコール類及び水並びにこれらの溶媒の混合物が挙げられる。
【0016】
ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の溶液をアルミナと接触させる時間は、特に限定はないが、通常15分乃至2日間であり、好適には30分乃至3時間である。
【0017】
ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の溶液をアルミナと接触させる温度の範囲は、通常、下限は0℃乃至20℃、上限は、50℃乃至80℃であり、好適な範囲は、20℃乃至50℃である。
【0018】
ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の溶液を接触させるアルミナの量は、ミルベマイシン類又はアベルメクチン類の純度や使用するアルミナの性質に依存するが、これらの物質に対する重量比の範囲は、通常、下限は0.2倍量乃至1倍量、上限は5倍量乃至10倍量であり、好適な範囲は、1倍量乃至5倍量である。
【0019】
ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の混合液をアルミナに接触させ該混合液中のミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類以外の成分を吸着させた後、常法に従いアルミナとミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類とを分離し、純度の増したミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類を得ることができる。アルミナとミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類とを分離する方法は、通常使用される方法であれば特に限定されないが、例えば、濾過及び遠心分離等であり、好適には濾過である。濾過法としては、通常アルミナとミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類とを分離する方法であれば特に限定されないが、例えば、吸引濾過及び遠心濾過等であり、好適には吸引濾過である。吸引濾過には、通常吸引濾過に使用する器具等であれば特に限定されないが、例えば、ブフナーロート、グラスロート又は桐山ロートなどの吸引濾過用器具、セライト等の濾過助剤、濾紙及び/又は濾布などの濾過材等を組合わせて使用することができ、好適には桐山ロート、セライト及び濾紙を組み合わせて使用する。濾紙としては、通常アルミナを濾過できるものであれば特に限定されないが、例えば、桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン)等を使用することができる。
【0020】
アルミナとミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類との分離により得られる純度の増したミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類は、常法に従い濃縮することができる。濃縮法は、通常ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類を濃縮する方法であれば特に限定されないが、例えば、風乾、常圧濃縮、減圧濃縮及び蒸留等であり、好適には減圧濃縮である。減圧濃縮は、ポンプ、ロータリーエバポレータ、該エバポレータ用フラスコ及び水浴式恒温槽等を組合わせて行うことができ、目的物を該フラスコ中に乾固された状態で得ることができる。
【0021】
さらに必要に応じて、本発明の精製法を繰り返すか、さらに、本発明の方法に分画、再結晶、液−液分配及び/又は誘導体化などの方法を組み合わせて更にミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の純度を上昇させることも可能である。
【0022】
ミルベマイシン類及び/又はアベルメクチン類の純度は、高速液体クロマトグラフィーを用いた定量分析により決定することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1.アルミナを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(混合比30:70、純度69.7%)を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナを25g加えた。35℃で30分間撹拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.9g(回収率98.0%、純度81.9%)を得た。該混合物全量を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナ24.5gを加えた。35℃で30分間攪拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.7g(回収率95.9%、純度85.5%)を得た。実施例2.アルミナを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.9g(混合比30:70、純度73.24%)を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナを24.5g加えた。40℃で30分間撹拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.6g(回収率93.9%、純度81.2%)を得た。該混合物全量を塩化メチレン50mlに溶解し、活性炭0.46gを加えた。40℃で30分間攪拌したのち桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.4g(回収率95.7%、純度84.0%)を得た。実施例3.アルミナを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(混合比30:70、純度73.4%)を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナを25g加えた。35℃で30分間撹拌したのち桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.52g(回収率90.4%、純度90.0%)を得た。
実施例4.アルミナを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(混合比30:70、純度73.4%)を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナを10g加えた。35℃で30分間撹拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.78g(回収率95.5%、純度89.7%)を得た。
実施例5.アルミナを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(混合比30:70、純度57.9%)を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナを25g加えた。35℃で30分間撹拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.78g(回収率97.0%、純度70.1%)を得た。該混合物全量を塩化メチレン50mlに溶解し、アルミナ23.9gを加えた。35℃で30分間攪拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.4g(回収率89.0%、純度79.8%)を得た。
参考例1.シリカゲルを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(混合比30:70、純度57.9%)を塩化メチレン50mlに溶解し、シリカゲルC−100(和光純薬工業(株)製)195gを加えた。30℃で30分間攪拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.4g(回収率60.3%、純度64.9%)を得た。該混合物全量を塩化メチレン7000mlに溶解し、さらにシリカゲルC−100(和光純薬工業(社)製)22gを加えた。30℃で30分間攪拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.4g(回収率19.0%、純度53.8%)を得た。
参考例2.シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.62g(混合比30:70、純度57.9%)を、シリカゲルC−100(和光純薬工業(株)製)175gを用いて下記の通り精製した;該シリカゲルをn−ヘキサンに懸濁し、カラムに充填した。該カラムをn−ヘキサンで平衡化したのち、ジクロロメタン20mlに溶解させ該カラムに添加した。n−ヘキサン400mlで該カラムを洗浄したのち、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比10:1)550ml、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比7:1)400ml、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比5:1)600ml、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比4:1)1000ml、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比3:1)1200ml、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比2:1)2250ml及びn−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比1:1)1000mlの順に溶出しエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固した。その結果、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(混合比1:1)で溶出された画分中に、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物4.39g(回収率95.0%、純度79.9%)を得た。
【0024】
参考例2を実施例5と比較すると、アルミナをバッチ法で用いた場合(以下、「アルミナバッチ法」と記す。)に達成された純度の上昇(57.9%→79.8%)は、シリカゲルをカラム法で用いた場合に達成された純度の上昇(57.9%→79.9%)に匹敵した。
参考例3.シリカゲルを用いた濾過による精製
13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(混合比30:70、純度57.9%)を、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合物(混合比1:1)50mlに溶解し、シリカゲルC−100(和光純薬工業(株)製)25gを加えた。30℃で30分間攪拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(回収率83.7%、純度61.8%)を得た。該混合物全量を、n−ヘキサンと酢酸エチルの混合物(混合比1:1)50mlに溶解し、シリカゲルC−100(和光純薬工業(株)製)25gを加えた。30℃で30分間攪拌したのち、桐山ロート、セライト及び濾紙(桐山ろ紙 No.4(保留粒子5ミクロン))を用いて吸引濾過し、得られた濾液をエバポレータを用いた減圧濃縮により濃縮乾固することにより、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3と13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4の混合物5.0g(回収率72.7%、純度65.0%)を得た。
【0025】
参考例3を実施例5と比較すると、アルミナバッチ法によって達成された純度の上昇(57.9%→79.8%)は、シリカゲルをバッチ法で用いた場合に達成された純度の上昇(57.9%→65.0%)をはるかに凌ぐ。
【0026】
【発明の効果】
本発明により、ミルベマイシン類及びアベルメクチン類の精製が、従来法に比較してより経済的且つ簡便に行うことが可能になった。
Claims (3)
- 微生物代謝産物から何段階かの化学反応を経て合成される、13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA3及び/又は13−(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイシンA4であるミルベマイシン類を含む混合液をアルミナと接触させ、該混合液中のミルベマイシン類以外の物質をアルミナに吸着させた後、濾過によりアルミナとミルベマイシン類とを分離させることを特徴とする、ミルベマイシン類の精製法。
- ミルベマイシン類を含む混合液がハロゲン化炭化水素類の混合液である、請求項1に記載の精製法。
- ミルベマイシン類を含む混合液が塩化メチレンの混合液である、請求項1に記載の精製法。
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