JP2971128B2 - マイトマイシンcの精製法 - Google Patents
マイトマイシンcの精製法Info
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Description
シンCを精製する方法に関する。
ズスの菌株を培養することによって得られる抗腫瘍性抗
生物質であり、広く臨床に供せられている。
マイシンCを精製する方法としては、菌体を分離して得
られる培養液に活性炭を加えて吸着させ、有機溶媒で
溶出させる活性炭吸着法、あるいは培養液から有機溶
媒に転溶して得られるマイトマイシンCの濃縮液を、ア
ルミナクロマトグラフィー法もしくは向流分配法に付し
精製する方法が知られている(A法;特公昭35−17897
号公報)。
吸着させた後、アセトン、メタノールまたはエタノール
等の溶媒で溶出し、溶出液を濃縮して溶媒を除去し、食
塩を飽和してクロロホルムに転溶し、クロロホルム抽出
液をアルミナカラムクロマトグラフィーに付し、マイト
マイシンCの吸着帯をメタノールで溶出し、溶出液を濃
縮してエーテル、石油エーテル、ベンジンまたはリグロ
インを加えてマイトマイシンCの結晶を得る方法が知ら
れている(B法;特公昭36−9094号公報)。
有機溶媒への転溶等の操作が非能率的で、マイトマイシ
ンCの回収率が低い等の問題点を有している。
具体的に例示されているデュオライトS−30(デュオラ
イト社)は、マイトマイシンCの吸着力が低く、大量の
樹脂および溶媒を使用する必要がある。クロロホルムに
転溶する際、抽出率が低く多量のクロロホルムを使用
し、また抽出操作を繰り返す必要がある。また、クロマ
ト後アルミナ吸着帯からのマイトマイシンCを溶出単離
する工程は操作が煩雑であり、また作業環境上望ましい
ものではない。さらに、得られる溶出液の純度も良好な
ものではなく、該溶出液から晶析して得られる結晶は、
再結晶しなければ純度的に充分なものではなく、また精
製工程全体に要する時間が長い等の種々の問題点を有し
ている。
作業性、生産性等の観点から必ずしも十分ではなく、さ
らに有用な精製法の開発が望まれている。
利な精製法が提供される。すなわち、本発明は a. マイトマイシンC生産菌の培養液を逆相吸着樹脂で
処理して、マイトマイシンCを該樹脂に吸着させる工
程、 b. 該樹脂から酢酸エチルでマイトマイシンCを溶出さ
せる工程、 c. 溶出液にリン産緩衝液を加えた後、蒸留して酢酸エ
チルを留去する工程、 d. 蒸留残液を粒径の小さい逆相吸着剤を充填したカラ
ムに加圧下に通液し、マイトマイシンCを該樹脂に吸着
させる工程、 e. 該樹脂から加圧下に含水メタノールで溶出する工
程、 f. 溶出液を逆相吸着樹脂で処理し、マイトマイシンC
を該樹脂に吸着させる工程、 g. 該樹脂からメタノールでマイトマイシンCを溶出さ
せる工程、 h. メタノール溶出液を濃縮してマイトマイシンCを晶
析させる工程 から成ることを特徴とするマイトマイシンCの精製法に
関する。
る。
り得られるマイトマイシンCの培養液から菌体等を分離
して得られる培養液を冷却し、pHをリン酸で6.8〜7.0
に調整した後、逆相吸着樹脂に通液する。
フェノール系樹脂であるデュオライトS−30に代えて、
ポリスチレンジビニルベンゼン系樹脂が好適に用いられ
る。該樹脂の具体例としてはダイヤイオンSP−207(三
菱化成)があげられ、樹脂の使用量はマイトマイシン1g
に対して、従来、デュオライトS−30が3必要である
のに対して、ダイヤイオンSP−207では300〜500mlの範
囲であり、通常400mlで充分である。
後、酢酸エチルで溶出する。溶出に使用される酢酸エチ
ルの量は、通常樹脂1に対し1.5〜2である。
オンSP−207を使用することにより、マイトマイシンC
の樹脂への吸着力の向上および溶出溶媒の使用量の大幅
な減少がはかられる。
のpHが6.5〜8.0のリン酸緩衝液(0.01モル/ リン酸
ナトリウム)を加え、減圧下に酢酸エチルを留去するこ
とによりマイトマイシンを含有したリン酸緩衝液が得ら
れる。なお、該処理方法は従来のクロロホルムへの転溶
法に比べ、大量の有機溶媒を使用することなく操作も簡
便であり、緩衝液を使用することにより濃縮中にマイト
マイシンCの分解を防止することもできる。
たリン酸緩衝液は、粒径の小さい逆相吸着剤を充填した
カラムに通液し、水で洗浄後吸着したマイトマイシンC
を含水メタノールで溶出させる。通常、該操作は、多量
の試料を短時間に分離性良く、かつ高収率にマイトマイ
シンCを得るために加圧下に処理する方法(いわゆる、
高速液体クロマトグラフィー法;以下、HPLC法という)
が効率的である。
するのに好適な逆相吸着剤としては、例えばオクタデシ
ル化シリカゲルが使用され、該シリカゲルの具体例とし
ては、ODS−AQ60あるいはODS−AQ120(山村化学)など
があげられる。
点より粒径10〜200μ、望ましくは50μ程度であり、通
常マイトマイシンC1gに対して200〜300ml使用される。
マイトマイシンCの吸着および溶出時の圧力は10〜50kg
/cm2であり、溶出に用いられる含水メタノールの濃度は
20〜40%が好ましく、溶出時の流速はSV1〜5である。
法に比べて精製度、操作性あるいは作業環境等において
優れた方法である。
濃縮するため、マイトマイシンCの溶出画分を含むメタ
ノール水溶液のメタノール濃度を10%以下に調製し、再
度少量の逆相吸着樹脂に通液する。吸着樹脂としては、
前記と同様のポリスチレンジビニルベンゼン系樹脂が好
ましく、例えばダイヤイオンSP−207が用いられ、使用
量はマイトマイシンC1gに対して80〜100mlである。溶出
はメタノールで行い、通常樹脂1に対して2〜3使
用される。
減圧下に約200〜250g/に濃縮し、5〜10℃で5〜10時
間放置することにより晶析させる。析出した結晶を
取、乾燥することにより高純度のマイトマイシンCを得
ることができる。
純度の製品としていたのに対して、本晶析法において
は、再結晶することなく従来品と同等の高純度のマイト
マイシンCを得ることが可能である。
上、操作時間の短縮等の特徴をあげることができる。
る。
度は下記条件下のHPLCで分析した。
pH6.5 溶出速度;1ml/分 温度;35℃ 検出:UV(254nm) 実施例 マイトマイシンC 500gを含む培養液4300に濾過助剤
ラジオライト#500(昭和化学工業)を300kg加え、フィ
ルタープレスで濾過した。得られた液5000にリン酸
を加えpHを7に調整したのち、ダイヤイオンSP−207 20
0を充填したカラムへ1000/時の流速で通液した。
カラムを水洗後、酢酸エチル400を200/時の流速で
流し、溶出液400を得た。溶出液はマイトマイシンC 4
36gを含有していた。pH7.5のリン酸緩衝液400を加
え、減圧下に濃縮し酢酸エチルを留去した。得られた水
溶液300をODS−A120−S50 80を充填した工業用用PL
Cカラムに20kg/cm2の圧力下に200/時の流速で通液し
た。次いで、10%メタノール水溶液80で洗浄したの
ち、30%メタノール水溶液600でSV3の流速で溶出し
た。マイトマイシンC406gを含有した溶出画分80へ水1
60を加え、ダイヤイオンSP−207 30を充填したカラ
ムへ150/時の流速で通液した。樹脂内の水を押出し
たのち、メタノールで溶出し、マイトマイシンC 380g
(純度97.6%)を含有したメタノール溶液60を得た。
減圧下に1.9まで濃縮し、5℃で10時間熟成した。析
出した結晶を取し、真空乾燥することによりマイトマ
イシンC 350g(純度 99.7%)を得た。
を加えてpHを7に調整したのちデュオライトS−30 15
00を充填したカラムへ2000/時の流速で通液した。
カラムを水洗後、アセトンを2000/時の流速で流し、
溶出液2000を得た。溶出液はマイトマイシンC 434g
を含有していた。水500を加え、減圧下に濃縮しアセ
トンを留去し、300の水溶液を得た。食塩35kgを加え
溶解したのち、クロロホルム300を加え攪拌した。ク
ロロホルム層を分離したのち、水層へ再度クロロホルム
を添加し、攪拌後クロロホルム層を分離した。この操作
を5回繰り返し、クロロホルム抽出液1500を得た。マ
イトマイシンCの含有量は415gであった。抽出液を150
ずつに分割し、あらかじめ120℃で20時間乾燥して活
性化したアルミナ3を充填したカラム10本へ、それぞ
れ通液した。次いで各々のカラムに3%のメタノールを
含有したクロロホルム4を流した。
取り、10本分のマイトマイシンCの吸着帯を切り取り、
50のメタノール中で30分間攪拌し過することにより
マイトマイシンC336g(純度80.4%)を含有した液を
得た。減圧下に1.7まで濃縮し、50℃で10時間熟成し
た。析出した結晶を取し、真空乾燥することによりマ
イトマイシンC 296g(純度97.4%)を得た。
まで濃縮し、5℃で10時間熟成した。析出した結晶を
取し、真空乾燥することによりマイトマイシンC 27
2g(純度99.7%)を得た。
率的精製法が提供される。
Claims (7)
- 【請求項1】a.マイトマイシンC生産菌の培養液をポリ
スチレンジビニルベンゼン系樹脂で処理して、マイトマ
イシンCを該樹脂に吸着させる工程、 b.該樹脂から酢酸エチルでマイトマイシンCを溶出させ
る工程、 c.溶出液にリン酸緩衝液を加えた後、蒸留して酢酸エチ
ルを留去する工程、 d.蒸留残液を粒径の小さい逆相吸着剤を充填したカラム
に加圧下に通液し、マイトマイシンCを該樹脂に吸着さ
せる工程、 e.該樹脂から加圧下に含水メタノールで溶出する工程、 f.溶出液をポリスチレンジビニルベンゼン系樹脂で処理
し、マイトマイシンCを該樹脂に吸着させる工程、 g.該樹脂からメタノールでマイトマイシンCを溶出させ
る工程、 h.メタノール溶出液を濃縮してマイトマイシンCを晶析
させる工程 から成ることを特徴とするマイトマイシンCの精製法。 - 【請求項2】マイトマイシンC生産菌の培養液および含
水メタノールでの溶出液を処理しマイトマイシンCを吸
着させるポリスチレンジビニルベンゼン系樹脂が、ダイ
ヤイオンSP−207である請求項(1)記載の精製法。 - 【請求項3】リン酸緩衝液のpHが、6.5〜8.0である請求
項(1)記載の精製法。 - 【請求項4】加圧処理時のカラム充填剤として使用され
る粒径の小さい逆相吸着剤が、オクタデシル化シリカゲ
ルである請求項(1)記載の精製法。 - 【請求項5】オクタデシル化シリカゲルの粒径が、10〜
200μである請求項(4)記載の精製法。 - 【請求項6】マイトマイシンC含有のリン酸緩衝液の通
液時および含水メタノールで溶出時の圧力が、10〜50kg
/cm2である請求項(1)記載の精製法。 - 【請求項7】溶出用含水メタノール濃度が、20〜50%で
ある請求項(1)記載の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2315234A JP2971128B2 (ja) | 1990-11-20 | 1990-11-20 | マイトマイシンcの精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2315234A JP2971128B2 (ja) | 1990-11-20 | 1990-11-20 | マイトマイシンcの精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04187092A JPH04187092A (ja) | 1992-07-03 |
JP2971128B2 true JP2971128B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=18063001
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2315234A Expired - Lifetime JP2971128B2 (ja) | 1990-11-20 | 1990-11-20 | マイトマイシンcの精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2971128B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016195059A1 (ja) | 2015-06-05 | 2016-12-08 | 協和発酵キリン株式会社 | マイトマイシンcの精製方法 |
-
1990
- 1990-11-20 JP JP2315234A patent/JP2971128B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04187092A (ja) | 1992-07-03 |
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