JP4313872B2 - プラント制御装置、及びプラント制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラント制御装置に係り、特に、例えば、発電設備などの各設備機器類の全体を統合してなる各種プラントの稼働運転状態を監視制御するために用いられるプラント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の各種プラント、この場合、例えば、発電プラントなどに対する監視制御システムに関しては、一般に制御用計算機(コンピュータ)を中核にして行われている。ここで、図6には、発電プラントにおける従来のプラント制御装置の概要構成を示す。
【0003】
すなわち、この図6のプラント構成において、従来のプラント制御装置は、監視制御対象としての発電プラント(以下、単に「プラント」と呼ぶ)7を構成する各設備機器、つまり、制御操作となるプラントの各被操作端に対し、例えば、ボイラ稼働制御などの監視制御をそれぞれに行う被操作端制御装置6と、これらの各被操作端制御装置6の全体を統括することで、結果的に発電プラント7のそれ自体を全体制御するための制御用コンピュータなどからなるプロセス制御装置100とからなっており、該プロセス制御装置100は、運転員が制御のための対話操作を行うキーボード、CRTなどの入出力装置1を備えている。
【0004】
次に、図7は前記プロセス制御装置100の構成を示すブロック図であり、運転員は、入出力装置1のキーボードを用いることでプラント制御のためのデータの入力操作を行い、その操作出力値は、プロセス制御装置100の入力用インターフェイスとして設けられる入力処理手段2を経て制御信号計算手段4に入力される。一方、プラント7の各設備機器類のプロセス値についてもまた同様に該制御信号計算手段4に入力される。
【0005】
また、制御信号計算手段4では、運転員が入力する操作入力値と、プラント7の各設備機器からの打ち返し値とから制御信号出力値および制御信号出力時間などを演算した上で、該演算結果の操作制御信号は、制御信号出力用インターフェイスとして設けられる制御信号出力手段5を経て被操作端制御装置6に出力され、該被操作端制御装置6は、入力される制御信号に対応してプラント7の各設備機器、つまり、各被操作端を操作制御するようになっている。
【0006】
一方、入力処理手段2に入力される操作出力値が、制御信号計算手段4から、また、制御信号によって制御されたプラント7の各被操作端であるそれぞれの設備機器のプロセス値が、該プラント7の各設備機器から、それぞれに入出力装置1への出力用インターフェイスとして設けられる表示処理手段3を経た後、該入出力装置1のCRT上に表示され、運転員は、このCRT上の表示に基づいてプラント7の全体の運転状態を監視し、かつ制御操作するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、運転員においては、制御対象であるプラント7の全体監視ならびに操作制御を行う上で、該プラント7の各設備機器、つまり、各被操作端から出力されるプロセス値を見て監視しながら操作出力値を設定するようにしているのであるが、従来のプロセス制御装置では、次のようなそれぞれの問題点がある。
【0008】
すなわち、プロセス値の増減操作制御を行う際に、プラント7の各設備機器類をできるだけ早く制御するためには、運転員が入出力装置1に対する出力の操作レートを常に正しく認識する必要があり、かつ出力操作の度毎に操作レートをどこで切り替えればよいのかを、入出力装置1の特性を把握した上で適確に判断しなければならないが、このとき、運転員は、入出力装置1に対する出力の操作レートがどのような状態であるのか、操作レートがどのタイミングで切り替わったのかなどの情報を直接確認することができないという不利がある。
【0009】
また、入出力装置1に対して比較的大きな出力変化を要求する場合に、運転員は、操作結果が目標値に達するまでの間、長時間にわたって監視のための制御操作を続ける必要があるために作業負担が大きくなる。
【0010】
さらに、運転員は、入出力装置1からの操作出力値に対応してプラント値がどのように追従しているかを必ずしも認識することができず、これに加えて、この操作出力値に対するプラント値の追従が適正であるか否かの判断もまた困難なものであった。
【0011】
本発明は、従来のこのようなそれぞれの問題点を改善するためになされたもので、その目的とするところは、プラント制御に際して、運転員による入力操作をできるだけ簡略化するとともに、運転員が入力操作に対応するプラント制御の稼働状態を容易に確認して監視できるようにしたプラント制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明は、入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御入力を処理する入力処理手段と、前記操作制御入力からプラントの各被操作端への制御操作出力値を演算する制御信号計算手段と、前記制御操作出力値をプラントの対応する被操作端に出力する制御信号出力手段と、前記制御信号出力手段からのプラントの各被操作端への制御操作出力値、およびプラントの各被操作端のプロセス値を前記入出力装置に表示させる表示処理手段とを備えるプラント制御装置において、前記操作制御入力から、複数の操作レートを切換える操作レート切替え値を判定して操作レートを自動的に変更する操作レート判定手段を設け、前記制御信号計算手段では、該変更された操作レートに基づいて制御操作出力値を算出するようにしたことを特徴としている。
【0013】
本請求項1のプラント制御装置では、入力処理手段を経て制御信号計算手段に入力される操作制御入力、ひいては制御操作目標値が、操作レート判定手段により、該操作目標値に対する操作レート切替え比率から、複数の操作レートを切換える操作レート切替え値を演算して連続操作での操作レートを判定し、また、制御信号計算手段が判定された操作レートに基づいて操作出力値を算出し、被操作端に対する連続操作がプラント値に対応して行われる。
【0014】
請求項2に記載のプラント制御装置は、請求項1に記載のプラント制御装置において、前記操作レート判定手段には、あらかじめプラントの各被操作端毎に対応するそれぞれの操作レート切替え値を設定して保存する操作レート切替え値設定保存部を設けたことを特徴としている。
【0015】
本請求項2のプラント制御装置では、操作レート切替え値設定保存部にあらかじめプラントの各被操作端毎の操作レート切替え値が登録されており、操作レート判定手段は、操作制御信号が入力される度毎に、該操作レート切替え値設定保存部から対応する操作レート切替え値を取り出して、操作レートを自動的、もしくは連続して自動的に変更する。
【0016】
請求項3に記載のプラント制御装置は、請求項1に記載のプラント制御装置において、前記操作レート判定手段によって判定された操作レートの状態を保存すると共に、前記入出力装置に表示させる操作レート状態保存部を設けたことを特徴としている。
【0017】
本請求項3のプラント制御装置では、操作制御信号が入力される度毎に、操作レート判定手段によって判定された操作レートの状態が操作レート状態保存部に保存され、かつ該保存された操作レートの状態、または連続操作に対する操作レートの変化の状態が入出力装置に表示される。
【0018】
請求項4に記載のプラント制御装置は、請求項1に記載のプラント制御装置において、前記入出力装置からのプラントに対する操作制御入力が操作目標値の設定である場合に該当制御を自動的に継続する連続操作判定手段を設けたことを特徴としている。
【0019】
本請求項4のプラント制御装置では、連続操作判定手段によって、入出力装置からのプラントに対する操作制御入力が操作目標値の設定である場合に該当制御を自動的に継続する。
【0026】
請求項8に記載のプラント制御装置は、入出力装置、および請求項1に記載のプラント制御装置が複数設けられ、各入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御を行い得るようにすると共に、各プラント制御装置によって共通利用可能で、かつ前記各入出力装置からの操作制御入力に対応する操作レートを保存する共有記憶装置と、前記共有記憶装置に保存される操作レートを表示する操作状態表示手段とを設け、前記各入出力装置による操作制御入力に際して、前記操作状態表示手段に表示された操作レートを参照し得るようにしたことを特徴としている。
【0027】
本請求項8のプラント制御装置では、各プラント制御装置での制御操作値に対応する操作レートが共有記憶装置に保存され、該保存された操作レートが操作状態表示手段に表示されて各入出力装置から共通に参照可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプラント制御装置の各別例による実施の形態につき、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。なお、これらの実施形態例の各図において上記従来例の各図と同一符号は該当部分を示している。
【0031】
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図である。本第1の実施形態は、請求項1ないし4に対応する。
【0032】
この図1に示す第1の実施形態においては、上記従来例によるプラント制御装置の場合と同様に、入力処理手段2、表示処理手段3、制御信号計算手段4、および制御信号出力手段5とを有するプロセス制御装置100に対して、FAST/SLOW判定手段(操作レート判定手段)11、操作レート切替え設定保存部12、FAST/SLOW判定保存部(操作レート判定保存部)13、および連続操作判定手段14をそれぞれに付設して構成したものであり、詳細については以下に述べるように、これらの付設される各部によってそれぞれに対応する作用を得るのであるが、後述する第2ないし第4の各実施形態の場合をそれぞれに含めて、装置自体の基本的な作用については、先に述べた従来例の場合とほぼ同様である。
【0033】
ここで、FAST/SLOW判定手段11は、入出力装置1から入力処理手段2を介して制御信号計算手段4に入力される運転員が設定した操作目標値と、次に述べる操作レート切替え設定保存部12に設定保存された操作目標値に対する操作レート切替え比率とから操作レート切替え値を演算した上で、該操作レート切替え値に対応して連続操作における操作レートを判定する。そして、制御信号計算手段4では、FAST/SLOW判定手段11によって判定された操作レートに基づいて操作出力値を演算する。
【0034】
なお、本第1の実施形態では、FAST/SLOW判定手段11がFAST/SLOWの2段切替え形式である場合について述べたが、より以上の複数段の切替え値を有する多段切替え形式にしてもよいことは言うまでもない。
【0035】
また、レート切替え設定保存部12は、FAST/SLOW判定手段11がレート切替え値の演算で用いる操作目標値に対するレート切替え比率情報を、あらかじめプラント7の各機器類のタイプ毎に個別に設定登録しておくために設けられる。
【0036】
一方、FAST/SLOW判定保存部13は、FAST/SLOW判定手段11によって判定された操作レートを保存するために設けられており、表示処理手段3では、該FAST/SLOW判定保存部13に保存された操作レート情報から、入出力装置1のCRT上に対してプラント7の各機器類毎の操作状態を“FAST”もしくは“SLOW”のような2段切替え表示、あるいは必要に応じて操作レートを数値表示する。すなわち、この表示によって、運転員においては、プラント7の各被操作端に対する操作レートを視覚的に認識して容易に把握し得る。
【0037】
また、連続操作判定手段14は、運転員が操作目標値を設定することにより、入出力装置1からの入力操作をあらためて継続しなくとも、該操作が連続操作要求であることを判定した上で、プロセス値が操作目標値に到達するまでの間、被操作端制御装置6に対する運転員からの入力操作を模擬する。
【0038】
従って、この連続操作判定手段14では、操作目標値をあらためて設定するまでもない短い制御操作については従来の操作として、また、操作キーを長時間にわたって押下げ続けなければならない制御操作については目標値を設定する操作として、それぞれに運転員が意図するこれらの各制御操作を自動的に判定することができる。
【0039】
そして、この場合、運転員が設定した操作目標値については、プラント値が目標値に到達するか、あるいは、上記連続操作の模擬中であっても、運転員が次の制御操作を実行した時点でクリアされることになる。
【0040】
第2の実施形態.
図2は本発明の第2の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図である。本第2の実施形態は、請求項5ないし7に対応する。
【0041】
この図2に示す第2の実施形態においても、上記従来例によるプラント制御装置の場合と同様に、入力処理手段2、表示処理手段3、制御信号計算手段4、および制御信号出力手段5とを有するプロセス制御装置100に対して、操作履歴保存手段31、操作履歴記憶手段32、および操作履歴表示処理手段33と、監視曲線記憶手段34、追従状態判定手段35、および監視曲線作成手段35とをそれぞれに付設して構成したものである。
【0042】
ここで、操作履歴保存手段31は、制御信号計算手段4からの操作出力値やプロセス値を次段の操作履歴記憶手段32に操作履歴として保存し、操作履歴表示処理手段33は、該操作履歴記憶手段32から保存されている操作出力値やプロセス値の操作履歴を取り出して、該操作履歴を入出力装置1のCRT上に表示させる。このときの表示の形態としては、例えば、トレンドグラフなどを使用することが可能である。
【0043】
従って、これらの操作履歴に関する各手段31〜33によれば、上記入出力装置1のCRT上への操作履歴の表示により、運転員においては、プラント7の各被操作端に対する操作の経過(操作履歴)を視覚的に認識して容易に把握し得るのである。
【0044】
次に、監視曲線記憶手段34は、制御信号計算手段4からの操作出力値に対するプロセス値の理想変化曲線を記憶しており、該プロセス値の理想変化曲線については、あらかじめ操作対象であるプラント7の各被操作端の種別などに対応してそれぞれに記憶させておく。
【0045】
また、追従状態判定手段35は、制御信号計算手段4からの操作出力値に対するプロセス値と、監視曲線記憶手段34に記憶されているプロセス値の理想変化曲線とを比較することにより、該プロセス値の理想変化曲線に対するプロセス値の変化の逸脱の有無を判定するもので、その判定結果は、表示処理手段3を介して入出力装置1のCRT上に該逸脱の有無を区分して表示させる。
【0046】
例えば、上記プロセス値の理想変化曲線に対するプロセス値の変化の逸脱がある場合などには、操作対象の対応する操作端、ならびにそのときの瞬時値や操作履歴などについて、色彩を変えた表示、またはフリッカ表示とか、あるいは×印を付加した表示などのように、通常表示に対して容易に区分可能な状態で表示するのが好ましく、このために運転員においては、変化の値などを子細に検討しなくとも、制御操作の不備ないしは失敗を視覚的に認識して容易に把握し得るのである。また、このとき、個々の各操作端に対して、それぞれに対応するプロセス値の理想変化曲線を与えることも可能であり、これによって一層精度の高い追従判定を行うことができる。
【0047】
この場合、上記監視曲線記憶手段34に記憶設定されるプロセス値の理想変化曲線については、監視曲線作成手段35を用い、上記操作履歴記憶手段32に保存されている操作出力値やプロセス値の操作履歴から容易に作成できるもので、これによっても、より一層精度の高い追従判定を行うことができる。
【0048】
第3および第4実施形態.
図3は本発明の第3および第4の各実施形態を適用したプラント制御装置の概要を示す構成説明図である。
【0049】
この図3に示す第3および第4の各実施形態において、プラント制御装置は、その概要構成として、プラント7の全体制御を行う2台のプロセス制御装置100a,100bを用いると共に、各プロセス制御装置100a,100bには、それぞれに入出力装置1a,1bを設け、さらに、これらの各プロセス制御装置100a,100bから参照可能な共有記憶装置110を設けて構成する。
【0050】
この場合、ここでの第3および第4の各実施形態では、2台のプロセス制御装置100a,100bを用いるものとしているが、続いて述べる説明からも明らかなように、より以上の複数台であってもよく、また、各プロセス制御装置100a,100bに対する共有記憶装置110については、例えば、共有ディスクのように、物理的に共有されるものだけに限られず、それぞれの各プロセス制御装置100a,100b上での各記憶装置の内容を同一のものとする別の手段を用いるようにしても足りる。
【0051】
ここで、図4は上記図3の装置構成に含まれる第3の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図である。本第3の実施形態は、請求項8に対応する。
【0052】
この図4に示す第3の実施形態では、上記第1の実施形態でのFAST/SLOW判定保存部13に対応して、これを上記共有記憶装置110上に保存操作状態保存テーブル51として設けると共に、その保存内容を表示する操作状態表示手段50を設けることで構成する。
【0053】
この第3の実施形態にあって、一方の入出力装置1a側から、運転員の行う制御操作は、先に述べた第1の実施形態の場合と同様に、プロセス制御装置100aの入力処理手段2、制御信号計算手段4、および制御信号出力手段5から被操作端制御装置6を経た上で、プラント7の対応する被操作端を所期通りに制御するが、この場合、同時にFAST/SLOW判定手段11から該制御操作での操作レートが、共有記憶装置110としての操作状態保存テーブル51に保存されることになり、該保存されている操作レートは、操作状態表示手段50に表示され、かつ他方のプロセス制御装置100bの該当する操作状態表示手段にも表示される。
【0054】
従って、この第3の実施形態の場合には、このときの操作レートが、一方のプロセス制御装置100aの操作状態保存テーブル51を通して操作状態表示手段50に表示されるが、他方のプロセス制御装置100b側の該当する操作状態表示手段においても操作状態保存テーブル51を通して同様に表示されるために、双方の各入出力装置1a,1bにおいて該操作レートを共通に参照できることになり、これによって、上記した一方の入出力装置1aからだけではなく、該当する被操作端に対する他方の入出力装置1bからの制御操作もまた可能になるのである。
【0055】
次に、図5は上記図3の装置構成に含まれる第4の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図である。本第4の実施形態は、請求項9に対応する。
【0056】
この図5に示す第4の実施形態では、ここでも同様に、上記第2の実施形態での操作履歴記憶手段32に対応して、これを上記共有記憶装置110上に設けることで構成する。
この第4の実施形態にあって、一方の入出力装置1a側から、運転員の行う制御操作は、先に述べた第2の実施形態の場合と同様に、プロセス制御装置100aの入力処理手段2、制御信号計算手段4、および制御信号出力手段5から被操作端制御装置6を経た上で、プラント7の対応する被操作端を所期通りに制御するが、この場合、同時に操作履歴保存手段31から該制御操作での操作履歴が、共有記憶装置110である操作履歴記憶手段32に記憶されることになり、該記憶された操作履歴は、操作履歴表示処理手段33を経て入出力装置1aのCRT上に表示され、かつ他方のプロセス制御装置100bの該当する操作履歴表示処理手段を経て入出力装置1bのCRT上にも表示される。
【0057】
従って、この第4の実施形態の場合には、このときの操作履歴が共有記憶装置110の操作履歴記憶手段32に記憶されており、該操作履歴が、双方の各入出力装置1a,1bにそれぞれ表示されるため、これを共通に参照できて、ここでもまた、上記第3の実施形態の場合と全く同様に、上記した一方の入出力装置1aからだけではなく、該当する被操作端に対する他方の入出力装置1bからの制御操作もまた可能になるのである。
【0058】
このようにして、これらの第3および第4の各実施形態においても、操作レートおよび操作履歴の各表示により、運転員においては、プラント7の各被操作端に対する操作レートおよび操作の経過(操作履歴)を視覚的に認識して容易に把握し得るのである。
【0059】
なお、上述した各実施の形態に係わるプロセス制御装置の各手段を実現するためのプログラムを磁気ディスク、光ディスク等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶させてもよい。
【0060】
この記憶媒体から、プラント等の既存のプロセス制御装置を構成するコンピュータなどに、プログラムを供給することにより、上述の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上、各実施形態によって詳述したように、請求項1記載の発明によれば、入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御入力を処理する入力処理手段と、操作制御入力からプラントの各被操作端への制御操作出力値を演算する制御信号計算手段と、制御操作出力値をプラントの対応する被操作端に出力する制御信号出力手段と、制御信号出力手段からのプラントの各被操作端への制御操作出力値、およびプラントの各被操作端のプロセス値を前記入出力装置に表示させる表示処理手段とを備えるプラント制御装置において、操作制御入力から対応する操作レート切替え値を判定して操作レートを自動的に変更する操作レート判定手段を設け、制御信号計算手段では、該変更された操作レートに基づいて制御操作出力値を算出するように構成したので、入力処理手段を経て制御信号計算手段に入力される操作制御入力、ひいては制御操作目標値を用い、操作レート判定手段によって、該操作目標値に対する操作レート切替え比率から操作レート切替え値が演算されると共に、連続操作での操作レートが判定され、かつ制御信号計算手段によって、判定された操作レートに基づいた操作出力値を算出でき、被操作端に対する連続操作をプラント値に対応して行うことができるもので、1つの制御操作の開始後は、次の制御操作の開始までの間、運転員がいちいち操作レートを意識することなしに該当制御を継続できるという優れた特長がある。
【0062】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のプラント制御装置において、操作レート判定手段には、あらかじめプラントの各被操作端毎に対応するそれぞれの操作レート切替え値を設定して保存する操作レート切替え値設定保存部を設けて構成したので、請求項1の場合と同様な効果が得られるほか、操作レート判定手段によって、操作制御信号が入力される度毎に、該操作レート切替え値設定保存部から対応する操作レート切替え値を取り出して、操作レートを自動的、もしくは連続して自動的に変更することができ、かつまた、あらかじめ各操作端のタイプ毎に操作目標値に対する操作レートの切替え比率を設定しておけば、制御操作入力の手間を省くことができる。
【0063】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載のプラント制御装置において、操作レート判定手段によって判定された操作レートの状態、または連続操作に対する操作レートの変化の状態を保存し、かつこれを入出力装置に表示させる操作レート状態保存部を設けて構成したので、請求項1の場合と同様な効果が得られるほか、操作制御入力の度毎に、操作レート判定手段によって判定された操作レートの状態、操作レートの変化の状態を操作レート状態保存部に保存すると共に、保存された操作レートの状態、操作レートの変化の状態を入出力装置に表示でき、この結果、判定された操作レートを視覚的に認識でき、かつ制御操作が正常に行われているか否かを容易に確認することができる。
【0064】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載のプラント制御装置において、入出力装置からのプラントの各操作端に対する操作制御入力が連続設定要求であるか否かを判定して、連続設定要求である場合に該当制御を自動的に継続する連続操作判定手段を設けて構成したので、請求項1の場合と同様な効果が得られるほか、連続操作判定手段によって、入出力装置からの操作制御入力が連続設定要求であるか否かを判定し、連続設定要求である場合に該当制御を自動的に継続することができるもので、該連続制御のために操作キーを操作し続ける必要がなく、作業負担を効果的に軽減できる。
【0065】
また、請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1と同様な構成のプラント制御装置において、制御信号出力手段からのプラントの各被操作端への制御操作出力値、およびプラントの各被操作端のプロセス値の操作履歴を操作履歴記憶手段に保存する操作履歴保存手段を設けると共に、保存された操作履歴から制御操作出力値とプロセス値とのトレンドを入出力装置に表示する操作履歴表示処理手段を設けて構成したので、操作履歴保存手段によって、制御操作出力値、およびプロセス値の操作履歴を操作履歴記憶手段に保存できて、かつ該操作履歴のトレンドを操作履歴表示処理手段を介して入出力装置に表示できるのであり、このために制御結果を容易に認識かつ確認することができる。
【0066】
また、請求項6に記載の発明によれば、上記請求項1と同様な構成のプラント制御装置において、あらかじめ操作時間に対するプロセス値の標準となる理想変化を記憶する監視曲線記憶手段を設けると共に、プラントの各被操作端のプロセス値とプロセス値理想変化曲線とを比較して、プロセス値理想変化曲線からのプロセス値の逸脱の有無を判定する追従状態判定手段、および該判定結果を区分して表示する追従状態表示処理手段を設けて構成したので、追従状態判定手段によって、その時点でのプロセス値と理想変化曲線とを比較して、理想変化曲線からのプロセス値の逸脱の有無を判定でき、かつ該判定結果を追従状態表示処理手段を介して入出力装置に表示できるもので、これによってプラントの異常を正確かつ迅速に確認し、早急に対応処置をとることができる。
【0067】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載のプラント制御装置において、監視曲線記憶手段に記憶されるプロセス値理想変化曲線が、プラントの各被操作端のプロセス値の操作履歴を参照する監視曲線作成手段によって作成されるようにしたので、請求項6の場合と同様な効果が得られるほか、監視曲線記憶手段に記憶される理想変化曲線に基づき、監視曲線作成手段によって操作出力値に対するプロセス値の理想変化曲線を容易に作成できる。
【0068】
また、請求項8に記載の発明によれば、入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御入力を処理する入力処理手段と、操作制御入力からプラントの各被操作端への制御操作出力値を演算する制御信号計算手段と、制御操作出力値をプラントの対応する被操作端に出力する制御信号出力手段と、制御信号出力手段からのプラントの各被操作端への制御操作出力値、およびプラントの各被操作端のプロセス値を入出力装置に表示させる表示処理手段とを備えたプロセス制御装置を用いるプラント制御装置において、入出力装置、およびプロセス制御装置を複数設け、各入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御を行い得るようにし、かつ各プロセス制御装置によって共通に利用可能で、各入出力装置からの操作制御入力に対応する操作レートを保存する共有記憶装置、および保存される操作レートを表示する操作状態表示手段を設け、各入出力装置による操作制御入力に際して、操作状態表示手段に表示された操作レートを参照し得るように構成したので、各プロセス制御装置における制御操作値に対応する操作レートを共有記憶装置に保存できると共に、保存された操作レートを操作状態表示手段に表示できて、該表示を各入出力装置から共通に参照してそれぞれに操作することができる。
【0069】
また、請求項9に記載の発明によれば、上記請求項8と同様に、入出力装置、およびプロセス制御装置を複数設けた構成のプラント制御装置において、各プロセス制御装置によって共通利用可能で、かつプラントの各被操作端への制御操作出力値、各被操作端のプロセス値の操作履歴を記憶する共有記憶装置、および記憶される操作履歴を表示する操作履歴表示処理手段を設け、各入出力装置による操作制御入力に際して、操作履歴表示処理手段に表示された操作履歴を参照し得るように構成したので、各被操作端に対する操作履歴を共有記憶装置に保存できると共に、保存された操作履歴を操作履歴表示処理手段に表示できて、該表示を各入出力装置から共通に参照してそれぞれに操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第3および第4の各実施形態を適用したプラント制御装置の概要を示す構成説明図
【図4】本発明の第3の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の第4の実施形態を適用したプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図
【図6】従来のプラント制御装置の概要を示す構成説明図
【図7】従来のプラント制御装置におけるプロセス制御装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100,100a,100b…プロセス制御装置
110…各プロセス制御装置の共有記憶装置
1,1a,1b…入出力装置
2……入力処理手段
3……表示処理手段
4……制御信号計算手段
5……制御信号出力手段
6……被操作端制御装置
7……プラント(各被操作端)
11……FAST/SLOW判定手段(操作レート判定手段)
12……操作レート切替え設定保存部
13……FAST/SLOW判定保存部(操作レート判定保存部)
14……連続操作判定手段
31……操作履歴保存手段
32……操作履歴記憶手段
33……操作履歴表示処理手段
34……監視曲線記憶手段
35……追従状態判定手段
36……監視曲線作成手段
50……操作状態表示手段
51……操作状態保存テーブル
Claims (5)
- 入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御入力を処理する入力処理手段と、前記操作制御入力からプラントの各被操作端への制御操作出力値を演算する制御信号計算手段と、前記制御操作出力値をプラントの対応する被操作端に出力する制御信号出力手段と、前記制御信号出力手段からのプラントの各被操作端への制御操作出力値、およびプラントの各被操作端のプロセス値を前記入出力装置に表示させる表示処理手段とを備えるプラント制御装置において、
前記操作制御入力から、複数の操作レートを切換える操作レート切換え値を判定して操作レートを自動的に変更する操作レート判定手段を設け、前記制御信号計算手段では、該変更された操作レートに基づいて制御操作出力値を算出するようにしたことを特徴とするプラント制御装置。 - 前記操作レート判定手段には、あらかじめプラントの各被操作端毎に対応するそれぞれの操作レート切替え値を設定して保存する操作レート切替え値設定保存部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御装置。
- 前記操作レート判定手段によって判定された操作レートの状態を保存すると共に、前記入出力装置に表示させる操作レート状態保存部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御装置。
- 前記入出力装置からのプラントに対する操作制御入力が操作目標値の設定である場合に該当制御を自動的に継続する連続操作判定手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御装置。
- 入出力装置、および請求項1に記載のプラント制御装置が複数設けられ、各入出力装置からのプラントの各被操作端に対する操作制御を行い得るようにすると共に、各プラント制御装置によって共通利用可能で、かつ前記各入出力装置からの操作制御入力に対応する操作レートを保存する共有記憶装置と、前記共有記憶装置に保存される操作レートを表示する操作状態表示手段とを設け、前記各入出力装置による操作制御入力に際して、前記操作状態表示手段に表示された操作レートを参照し得るようにしたことを特徴とするプラント制御システム。
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