JP4312334B2 - インダンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種化学品中間体として有用なインダンの製造に関し、さらに詳しくはメタロセン触媒、樹脂、有機機能材料および医薬品原料であるインダンを安価な原料を用いて高収率かつ工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インダンを得るためには、タールより分離・精製する方法および合成する方法が知られている。インダンを合成により得る方法としては、インデンを水素化する方法、3−フェニルプロピオン酸のフリーデル−クラフトアシル化反応によって得られる1−インダノンを還元する方法、また、テトラヒドロインデンやビニルノルボルネンといった前駆体と酸素に代表される酸素供与体を燐酸塩触媒と接触させることによる脱水素反応(特開昭54−39060号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、タールからインダンを回収しようとする場合、もともとインダンは、タール中に占める割合が極端に低く、そこから特にインダンを高純度品として回収することは技術的問題およびコストの両面を考慮すると有利な方法とは言い難い。
一方、インデンの水素化による方法、および3−フェニルプロピオン酸のフリーデル−クラフト反応生成物を還元する方法は、原料が高価であったり工程が多段階に及ぶなどの理由から経済的に満足のいく方法とは言い難い。また、特開昭54−39060号公報に記載のインデンの脱水素反応は、原料として安価なテトラヒドロインデンやビニルノルボルネンなどの原料を使用しているものの、元来がインデンの製造を目的としており、仮に上記方法によるインダンの製造を考えた場合、インダンのみを選択的に製造することは難しい。
したがって、本発明の目的は、メタロセン触媒、樹脂、有機機能材料および医薬品原料として有用なインダンを工業的に有利に製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、下記の式(I)
で表わされる3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンを、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムの貴金属およびこれらの貴金属を活性炭素、シリカ、アルミナの不活性担体に担持したものからなる群から選ばれた少なくとも1種である触媒存在下で、50℃〜250℃の温度で脱水素反応させることを特徴とする下記の式(II)で表わされるインダンの製造方法を提供する。
【0005】
本発明によれば、好ましくはシクロペンタジエンとブタジエンとのディールス−アルダー反応の副生物として得られる安価な3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンを使って、既存の脱水素触媒存在下、温和な条件で高収率でインダンが得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において原料として使用する3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンはいずれから、あるいはいずれの方法で入手したものでもよいが、シクロペンタジエンとブタジエンとのディールス−アルダー反応にて得られるビニルノルボルネンの副生物として生成し、主生成物の精製の過程で同時に回収することができる3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンを原料として使用することが好ましい。
【0007】
上記本発明で使用する反応原料中の3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンの純度は特に問題にならないし、敢えて高純度に精製する必要はない。脱水素触媒のなかには、原料中の特に硫黄に対する耐久性が低く、活性が急激に低下するものがあるので、硫黄の濃度は低く抑える(1ppm以下)必要があるが、原料が石油系由来である場合には、石油が事前に脱硫黄されており問題はない。
【0008】
本発明では、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンを脱水素触媒存在下で脱水素反応させる。脱水素触媒としては、従来から脱水素触媒として使用されている触媒を用いることができ、特に白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムが挙げられるが、なかでも白金、パラジウムが好ましい。さらに、これら貴金属触媒は、活性炭、シリカ、アルミナなどの担体に担持させて使用することが特に好ましい。
【0009】
前記原料の脱水素反応は、液相および気相のいずれで行ってもよい。液相で行う場合には、原料をそのまま無溶剤で使用することが好ましいが、溶剤で希釈して使用することもできる。触媒の使用量は、0.001〜10重量%(対原料)で、好ましくは0.1〜5重量%である。反応温度は、50〜170℃で、好ましくは100℃〜160℃である。反応は常圧以下で行うことが好ましい。脱水素反応を促進させるため不活性ガスを導入し、発生した水素を同伴させて系外に放出させることができる。
【0010】
気相の反応形式は、固定床、流動床、移動床のいずれの方法を用いることもできる。原料は、気化してそのまま反応系に導入してもよく、又、不活性ガスで希釈して反応系に導入してもよい。原料ガスのSV値(SV値=単位時間当たりに流入する原料の体積(m3/h)÷反応器容積(m3))は、10〜5000hr-1で、特に100〜1000hr-1が好ましい。反応温度は、200〜250℃で、特に220〜250℃が好ましい。反応温度が50℃より低い場合は脱水素反応の速度が著しく遅くなり、一方、250℃を超えるとインデンに代表される副生成物が多量に生成するために好ましくない。したがって、高収率でインダンを製造するためには250℃以下の温度が好ましく、そのためには比較的低温での脱水素活性の高い貴金属系の触媒の使用が最適である。
【0011】
以上のことから、本発明においては、例えば、以下のようにしてインダンを製造する。液相で反応を行なう場合には、攪拌機および冷却器を取り付けた容器に所定量の3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン、および触媒をそれぞれ仕込み、常圧下で所定の温度および時間反応させる。液相で反応を行なう場合には、石英もしくはステンレス製のカラムに所定量の触媒を充填し、カラム内を所定温度にセットする。ついで、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンを送液ポンプにて所定のSVになるように供給して脱水素反応を行う。
以上のようにして得られるインダンは、メタロセン触媒、樹脂、有機機能材料および医薬品原料などとして有用である。
【0012】
【実施例】
つぎに実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
実施例1
攪拌機および冷却管を取り付けたフラスコに100gの3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンおよびPd/C(Pd:10重量%)を1gを仕込んで、170℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析し、インダンが収率78%で得られた。
【0013】
実施例2
反応温度を150℃にしたこと以外は実施例1と同様な方法で行った。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析し、インダンが収率70%で得られた。
【0014】
実施例3
触媒としてPd/Al2O3(Pd:5重量%)を0.67g使用したこと以外は実施例1と同様な方法で行った。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析し、インダンが収率76%で得られた。
【0015】
実施例4
触媒としてPt/C(Pt:5重量%)を1g使用したこと以外は実施例1と同様な方法で行った。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析し、インダンが収率73%で得られた。
【0016】
比較例1
反応温度を室温にしたこと以外は実施例1と同様な方法で行った。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、インダンは全く生成していなかった。
【0017】
実施例5
Pd/C(Pd:0.4重量%)4ccを1/2インチ径のステンレス鋼管に仕込んだ。ついで、触媒層の温度を維持しつつ常圧下、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン:窒素=1:4(体積比)の混合物をSV値が180hr-1となるように供給しながら脱水素反応を行った。結果を表1に示す。
【0018】
実施例6〜7および比較例2
実施例5と同様な方法で3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンの気相脱水素反応を実施した。反応条件および結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、好ましくはシクロペンタジエンとブタジエンのディールス−アルダー反応の副生物として得られる安価な3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンを使って既存の脱水素触媒存在下、温和な条件で高収率でインダンが得ることができる。
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