JP2512067B2 - クミルアルコ―ルの製造方法 - Google Patents

クミルアルコ―ルの製造方法

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JP2512067B2 JP63067911A JP6791188A JP2512067B2 JP 2512067 B2 JP2512067 B2 JP 2512067B2 JP 63067911 A JP63067911 A JP 63067911A JP 6791188 A JP6791188 A JP 6791188A JP 2512067 B2 JP2512067 B2 JP 2512067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (i)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、クミルアルコールの製造方法に関するもの
である。詳しくは、本発明はキュメンハイドロパーオキ
サイドを水素還元触媒の存在下に液相で水素還元してク
ミルアルコールを製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
芳香族アルコール類は、各種有機薬品の中間体、溶剤
として有用であり、工業的には芳香族ハイドロパーオキ
サイド類の還元によって製造するのが有利である。特公
昭39-26961号公報には、クメンに溶解したクメンハイド
ロパーオキサイド又はジクミルパーオキサイドをPd,Ni
等の水素添加触媒の存在下水素により還元してα−クミ
ルアルコールを製造する方法が提案されている。この反
応は発熱を伴なうので反応を円滑に進め副反応を出来る
だけ防止するために溶媒の使用が推奨されており、該溶
媒として炭化水素類の如き水と非混和性の溶媒が使用さ
れている。しかしながら、前記溶媒を使用する系におい
ては触媒活性低下が意外に早く起るとして、溶媒として
低級脂肪族アルコールを使用する方法が特開昭55-69527
号で提案されている。また、芳香族アルコールを高収率
で製造するため該還元反応をアミン類或いは該水素還元
反応中にアミン類に変化し得る化合物の共存下に行なう
方法が特開昭60-174737号公報に提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記公報に記載された水素還元方法で
は、製造対象となる芳香族アルコールと性質の異なる脂
肪族アルコールやアミン類等との繁雑な分離工程が必要
であるので、かかる方法は芳香族ハイドロパーオキサイ
ドを水素還元して芳香族アルコールを製造することがで
きても工業的に有利に実施できる方法ではないという問
題点がある。
(ii)発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、前記の問題点を解決するために、更に
鋭意検討を重ねた結果、キュメンハイドロパーオキサイ
ドを水素還元触媒の存在下に液相で水素還元する際に、
反応系に供給するキュメンハイドロパーオキサイドの濃
度を4%以下にして水素還元反応を行なうことにより高
い活性が安定して得られることを見出し本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明のクミルアルコールの製造方
法は、キュメンハイドロパーオキサイドを水素還元触媒
の存在下に液相で水素還元する際に、溶媒としてのキュ
メン及び/又はクミルアルコールの存在下で反応系に供
給するキュメンハイドロパーオキサイドの濃度を4%以
下にして水素還元反応を行なうことを特徴とするクミル
アルコールの製造方法である。
(発明の具体的説明) キュメンハイドロパーオキサイド 本発明の水素還元反応の対象は、キュメンハイドロパ
ーオキサイド及びこれを含有する組成物である。
水素 本発明における水素還元反応系への水素の供給量は、
目的のキュメンハイドロパーオキサイドの水素還元反応
に必要な水素量の1〜50倍、好ましくは1〜30倍、最も
好ましくは1〜20倍程度である。供給する水素量が多過
ぎるのはロスとなり水素の回収系・循環系などの付属設
備が膨大となったり、不必要な副反応が起こる場合もあ
る。
水素還元触媒 本発明のクミルアルコールの製造方法で使用する水素
還元触媒はキュメンハイドロパーオキサイドの水素還元
触媒能を有するものであれば良く、例えばPd,Ru等の白
金族金属やNi等を触媒成分として含有する触媒である。
この種の水素還元触媒は、通常その触媒成分が適当な担
体に担持されており、担体としては耐熱性の無機化合物
担体、例えばアルミナ、シリカ、などの合成ゲル担体、
或いはケイソウ土、多孔性粘土などの天然無機物担体等
が挙げられる。
反応態様 本発明のクミルアルコールの製造方法における反応態
様としては、特開昭54-73709号公報にも示されている通
り、有機過酸化物の水素還元方法として公知な回分式、
連続式その他任意の態様で実施することができる。触媒
を縣濁床とすると触媒の分離工程が必要となるので、固
定床の方が好ましい。
溶媒 本発明のクミルアルコールの製造方法におけるキュメ
ンハイドロパーオキサイドを希釈する溶媒としては、キ
ュメンハイドロパーオキサイド及び製品であるクミルア
ルコールを溶かすものなら良く、脂肪族炭化水素類、芳
香族炭化水素類や芳香族アルコール類などが挙げられ
る。例えばキュメンハイドロパーオキサイドの場合はキ
ュメンハイドロパーオキサイドの製造工程でキュメンが
溶媒として存在しており、そのままキュメンを溶媒とし
て使用できるし、また、キュメンハイドロパーオキサイ
ドを水素還元して得られる製品のクミルアルコールを循
環させて溶媒とするのも良い方法である。
キュメンハイドロパーオキサイドの濃度 本発明のクミルアルコールの製造方法における水素還
元反応では反応器に供給される原料液中のキュメンハイ
ドロパーオキサイドの濃度を4%以下、好ましくは0.01
%以上4%以下、最も好ましくは0.1%以上4%以下の
範囲に規制することが必要である。濃度が4%を越える
と発熱が大きく、反応温度が安定しない、高い活性が得
られない、副反応が起こり易くなるなどの問題が生ず
る。
反応温度 本発明のクミルアルコールの製造方法における水素還
元反応は、通常0〜150℃、好ましくは10〜120℃の範囲
で行なわれる。反応温度が高過ぎるとキュメンハイドロ
パーオキサイド自身の分解反応などの副反応が激しくな
るので好ましくない。また、反応温度が低過ぎると反応
速度が遅くなるなどの問題が生ずる。
反応圧力 本発明のクミルアルコールの製造方法における水素還
元反応の全圧は、通常、常圧〜加圧下、好ましくは常圧
〜50kg/cm2G、最も好ましくは常圧〜30kg/cm2Gであ
る。キュメンハイドロパーオキサイドの水素還元反応は
容易に進行するので、反応圧力を必要以上に高くしても
装置の建設費が大となるのみで無駄であるし、生成液や
溶媒の逐次的な水素還元反応が起きるなどの問題が生ず
る。
〔実施例等〕
以下に触媒製造例、実施例、比較例を挙げて、更に詳
述する。これらの例に記載の%は特に記載しない限り重
量基準による。
触媒製造例 3mmφ×3mmの円柱型に成形したγ−アルミナに、濃度
0.6重量%の塩化パラジウム水溶液を含浸させ、110℃で
1昼夜乾燥させた。
次いで、その乾燥物を水素気流下で400℃の温度で16
時間還元処理して、組成がPd(0.3%)/γ−Al2O3の水
素還元触媒を得た。
実施例−1 触媒製造例に従って調製した触媒0.8gを充填したカゴ
型攪拌機、原料供給管、水素供給管、生成液抜出し管を
備えた内容積200mlのステンレス製オートクレーブを60
℃に保ちながら2.6%キュメンハイドロパーオキサイド
(以下CHPと略することがある)・キュメン溶液を1.2l/
時、水素を8l/時の速度で連続的に供給し、オートクレ
ーブの内容物が80mlとなるように調整した生成液抜出し
管から水素還元生成液を連続的に抜き出した。この時の
水素圧力は7.5kg/cm2−G、攪拌機の回転数は750rpmに
保った。CHP・キュメン溶液供給後8時間目のCHP水素還
元反応速度を第1表に示す。
実施例−2 CHPの濃度を3.5%、水素の供給量を9l/時としたこと
以外は実施例−1と同様の操作を行ない第1表に示す結
果を得た。
比較例−1 CHPの濃度を7.9%、水素の供給量19l/時としたこと以
外は実施例−1と同様の操作を行ない第1表に示す結果
を得た。
実施例−3 外径6mmの温度計保護管を備えた内径30mmのステンレ
ス製反応管に実施例−1と同一の触媒を500ml充填し
た。触媒層の入口温度が45℃となるように調整し、3.5
%CHP・キュメン溶液を2.0l/時、水素を20l/時の速度で
連続的に供給した。反応圧力は7.5kg/cm2−Gで行なっ
た。キュメン溶液供給後8時間目のCHP転化率は99.9
%、クミルアルコールの収率は99%であった。
比較例−2 CHPの濃度を8.0%、水素の供給量を45l/時としたこと
以外は実施例−3と同様の操作を行なったが、発熱が激
しく安定した運転は不可能であった。また、キュメン溶
液供給後8時間目のCHP転化率は99.6%であったが、ク
ミルアルコールの収率は95%と低く、アセトフェノン、
α−メチルスチレン、1−フェニルエタノール等の副生
が認められた。
比較例−3 CHPの濃度を5.0%、水素の供給量を13l/時としたこと
以外は実施例−1と同様の操作を行ない第1表に示す結
果を得た。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、キュメンハイドロパーオ
キサイドを高い転化率で安定して水素還元することがで
き、しかも高い選択率で対応するクミルアルコールを製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦沢 達郎 茨城県鹿島郡神栖町東和田17番地 三菱 油化株式会社鹿島事業所内 (56)参考文献 特開 昭61−38631(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キュメンハイドロパーオキサイドを水素還
    元触媒の存在下に液相で水素還元してクミルアルコール
    を製造する際に、溶媒としてのキュメン及び/又はクミ
    ルアルコールの存在下で反応系に供給するキュメンハイ
    ドロパーオキサイドの濃度を4%以下にして水素還元反
    応を行なうことを特徴とするクミルアルコールの製造方
    法。
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