JP4312332B2 - 導電性床タイル及びその施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフィス、IC工場、クリーンルームなど静電気対策を必要とするフリーアクセスフロアーに使用される導電性床材、特に導電性床タイルおよびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電性を必要とするフリーアクセスフロアーは床材を通して静電気を逃がすために床材の表面から裏面にわたる全層に導電性を確保しなければならず、1層又は複数層からなる合成樹脂製床材は各層を構成する合成樹脂層にカーボンブラック、金属繊維、金属粉、帯電防止剤など高価な導電性材料を添加してすべての各層自体に導電性を保持させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の床材はすべての各層自体に高価な導電性材料を添加しているため必然的に高価なものとなっていた。従って、表面から裏面にわたる全層に導電性を確保していながら、安価な床材が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明が講じた手段は、非導電性基材と、該非導電性基材上にその表面から裏面にわたって貼り合わせられる導電性テープと、前記非導電性基材の上に前記導電性テープと重なるように積層され前記非導電性基材と同寸法の合成樹脂製導電性シートとを備え、前記導電性テープを、幅30〜100mm、厚さ0.02〜0.5mmとしたことを特徴とするフリーアクセスフロアー用導電性床タイルであり、フリーアクセスフロアーの下地にこの導電性床タイルを置き敷き又はピールアップ接着剤で接着することを特徴とする導電性床タイルの施工方法である。
【0005】
【作用】
上記の手段により、裏面の基材に高価な導電性材料を添加することなく安価な材料で構成し、表面の仕上げ材のみに高価な導電性材料を使用することにより、表面の静電気は導電性テープを介して床面へ逃がすことができ、導電性が確保された安価な床材(タイル)となり、この床タイルを敷設・施工することにより充分な制電性能を有するフリーアクセスフロアーとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように非導電性基材1の表面から裏面にわたって導電性テープ2を貼り付け、導電性テープ2を貼り付けた基材1の上面に、接着剤或は粘着剤3を塗布し、この基材1と同寸法の合成樹脂製導電性シート4を積層一体化して基材表面の導電性テープは導電性シートの裏面と面接触すると共に、基材裏面の導電性テープはフリーアクセスフロアーの下地表面と面接触する導電性床タイルAを得る。
【0007】
本発明の基材1は、この種の技術分野において周知の所定の大きさからなる矩形の板状物であって、無機材料及び有機材料がどちらも使用でき、無機材料としてはコンクリート板、軽量コンクリート板、石膏板、PC板などが例示でき、有機材料としては塩化ビニル系、ABS、オレフィン系などの合成樹脂板が使用でき、基本的には非導電性であり、仮に導電性を有する場合であっても、基材単独ではこの種のタイルとして制電性能を有しない微弱な導電性のものである。
この基材1の大きさ、厚みは用いる材質や施工現場の寸法に合わせるが、通常、大きさとしては400〜1000mmであって、厚みは3〜15mmのものが使用される。
【0008】
本発明の導電性テープ2はアルミニウム、銅、真鍮、鉄鋼、ステンレスなどからなる金属テープ、導電性材料を含有した又は導電性塗料を塗布した熱可塑性樹脂からなる合成樹脂製テープ、布テープ、紙テープなどからなり、素材は任意であるが、表面の導電性シート4の除電効果を発揮する導電性を有するテープであり、この導電性テープ2を接着剤或は粘着剤3を用いて基材1の周縁部の任意箇所に表面から裏面にわたって貼り付ける。この場合、該テープは図1のように基材1の四辺に個々に設けても良く、図3のようにテープが基材の表面又は裏面の一方又は双方で繋がっていても良い。
導電性テープ2の幅及び厚みは導電性能により異なるが、幅は30〜100mmで厚みは0.01〜1.0mmのものが通常使用され、強度、加工性の点で、0.02〜0.5mmが好ましい。
【0009】
本発明の導電性シート4はカーボンブラック、金属粉、金属繊維、金属酸化物、帯電防止剤など周知の導電性材料を添加した所定の導電性を有する熱可塑性樹脂からなるシート状のものであるが、表面の仕上げ用として適宜装飾性が施されて前記の非導電性基材1と同寸法の大きさからなる矩形状であり、厚みとしては0.5〜5.0mmのものが使用できるが、経済性の点では0.5〜2.0mmのものが好ましく、この仕上げ用導電性シート4を公知の接着剤或は粘着剤3によって導電性テープ2を貼り合せた基材1に積層する。
【0010】
基材1と導電性テープ2との貼り合せ及び導電性テープ2を貼り合せた基材1と仕上げ用導電性シート4との積層には公知の接着剤或は粘着剤3が使用でき、接着剤としてはエポキシ系、ウレタン系、アクリル系、ゴム系が例示でき、接着強度の点でエポキシ系が好ましく、粘着剤としてはアクリル系、EVA系が例示できる。
【0011】
導電性テープ2を貼り合せた基材1と導電性シート4との積層方法は導電性テープ2を貼り合せた基材1の上面における導電性テープ2の部分を除いた領域に接着剤或は粘着剤3を塗布し、半乾燥状態で導電性シート3を積層して接合する。接合強度を更に確保したいときは導電性テープ2の部分にも導電性接着剤或は導電性粘着剤5を塗布して接合することも出来る。これらの接合作業は予め工場で行なっても良く、施工現場で行なっても良い。
【0012】
上記の如く、非導電性基材1の表面から裏面にわたって導電性テープ2を貼り付け、この導電性テープ2を貼り付けた基材1の上面に、接着剤或は粘着剤3を塗布して、基材1と同寸法の合成樹脂製導電性シート4を積層一体化することにより、基材表面の導電性テープが導電性シートの裏面と面接触し、基材裏面の導電性テープがフリーアクセスフロアーの下地表面に面接触することができる導電性床タイルAとなり、この導電性床タイルAをフリーアクセスフロアーの下地面Bに置き敷き又はピールアップ接着剤で接着せしめて敷設・施工する。
【0013】
ピールアップ接着剤はこの種の技術分野において周知の着脱(接離)自在な接着剤であり、この接着剤を用いて導電性床タイルAをフリーアクセスフロアーの下地面Bに接着せしめて敷設・施工する。
【0014】
次に具体的実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
基材として、910mm角で厚みが10.0mmのOLパネル(無機質強化板)を用い、これにアクリル系粘着剤付きの厚みが0.1mmのステンレステープを図1のように貼り付ける。次にゴム系接着剤を上記基材上面のステンレステープ部分を除いた領域に塗布し、該接着剤を半乾燥状態にする為、10分経過後、絶縁抵抗値(NFPA規格 99に準拠)が1.5×105Ωで厚さが2mmのEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)製導電性シートを上記基材に接合して床タイルを得た。得られた床タイルをフリーアクセスフロアーの下地面に置き敷き施工したところ充分な制電性能を確保できた。
【0015】
実施例2
基材として、500mm角で厚みが5.0mmの非導電性PVC(ポリ塩化ビニル)製タイルを用いて、これにEVA系粘着剤付きの厚みが0.4mmのアルミニウムテープを図3のように貼り付ける。次にエポキシ系接着剤を上記基材上面のアルミニウムテープ部分を除いた領域に塗布し、さらにアルミニウムテープ部分にエポキシ系導電性接着剤を塗布し、5分経過後、絶縁抵抗値(NFPA規格 99に準拠)が5.7×106Ωで厚さが1.0mmのPVC製導電性シートを上記基材に接合し床タイルを得た。次いでフリーアクセスフロアーの下地面にエマルジョン形のピールアップ接着剤を塗布し、その塗布面に前記得られたタイルを接着せしめて敷設・施工したところ充分な制電性能を確保できた。
【0016】
【発明の効果】
本発明は非導電性基材の表面から裏面にわたって導電性テープを貼り合せ、この基材の上に基材と同寸法の合成樹脂製導電性シートを積層したことにより、非導電性基材に高価な導電性材料を添加することなく、表面の静電気を導電性テープを介して床面へ逃がすことができ、床タイル全体としては所定の導電性が確保できる上に安価な導電性床タイルが得られる。
【0017】
さらに、フリーアクセスフロアーの下地に前記の導電性床タイルを置き敷き又はピールアップ接着剤で接着することにより、取外しや取替えが簡単で配線システムの変更やメンテナンス作業が容易なフリーアクセスフロアーになると共に該フロアーは充分な制電性能を発揮することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明導電性床タイルの一例を示す斜視図で一部切欠する。
【図2】 図1のX−X線に沿える拡大断面図。
【図3】 他の実施例を示す斜視図で一部切欠する。
【図4】 図3のY−Y線に沿える拡大断面図。
【符号の説明】
A:導電性床タイル、B:下地、1:非導電性基材、2:導電性テープ、3:接着剤或は粘着剤、4:合成樹脂製導電性シート、5:導電性接着剤或は導電性粘着剤。

Claims (2)

  1. 非導電性基材と、該非導電性基材上にその表面から裏面にわたって貼り合わせられる導電性テープと、前記非導電性基材の上に前記導電性テープと重なるように積層され前記非導電性基材と同寸法の合成樹脂製導電性シートとを備え、
    前記導電性テープを、幅30〜100mm、厚さ0.02〜0.5mmとしたことを特徴とするフリーアクセスフロアー用導電性床タイル。
  2. フリーアクセスフロアーの下地に請求項1に記載した導電性床タイルを置き敷き又はピールアップ接着剤で接着することを特徴とする導電性床タイルの施工方法。
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