JP4306977B2 - 粉体保持シート、粉体保持シートの製造方法及び該粉体保持シートを備えた有機el表示装置 - Google Patents

粉体保持シート、粉体保持シートの製造方法及び該粉体保持シートを備えた有機el表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粉体を保持した粉体保持シート、粉体保持シートの製造方法及び該粉体保持シートを備えた有機EL表示装置に係り、例えば、有機EL表示装置において有機EL素子が形成された基板と封止キャップとを接着させて有機EL素子を気密封止する際に、粉体として吸湿剤を用い封止空間内の水分を除去するために好適な吸湿シート、吸湿シートの製造方法及び該吸湿シートを備えた有機EL表示装置に関する。以降この吸湿シートとこれを備えた有機EL表示装置を中心に本発明を説明するが、本発明において、粉体は吸湿剤に限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】
有機EL(Electroluminescent)表示素子は、有機化合物からなる発光層を陽極及び陰極で挟んだ構造を有している。この有機EL表示素子の陽極、陰極間に直流電圧を印加することにより、陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とが、発光層内で再結合して励起状態を形成する。そして、この励起状態から基底状態に至る緩和過程で発光が行われる。
有機EL表示装置は、自発光型の薄い平面型表示装置を構成でき、かつ、高速応答性を有し、広視野角であるという液晶表示装置にはない優れた特徴を有している。
【0003】
しかしながら、有機EL素子は周囲に存在する水分により劣化するため、充分な表示寿命が得られない。例えば、発光層と電極との界面に水分が浸入することによって、電子の注入が妨げられて、非発光領域であるダークスポットが発光層内に発生したり、電極が腐食したり、ダークスポットが成長して発光面積が縮小して、表示品質の維持が妨げられる。
このため、有機EL素子を気密封止して湿気等の影響を防止することが考えられている。例えば、透湿性のない容器内に有機EL素子を入れ窒素ガスと共に封入し、さらにその容器内に吸湿剤を同封した有機EL表示装置が提案されている。
【0004】
この有機EL表示装置101は、図14に示すように、ガラス基板等からなる透明絶縁基板102と、陽極層103と、発光層を含む有機EL積層体104と、陰極層105と、封止キャップ106とを備えている。封止キャップ106に形成された凹部106aには、吸湿剤107が収容されている。
陽極層103は、透明絶縁基板102上に形成され、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料からなっている。
有機EL積層体104は、例えば図14に示すように、陽極層103上に順に積層された正孔輸送層108と、発光層109と、電子輸送層110とからなっている。
ここで、正孔輸送層108は、N,N'-ジフェニル-N,N'-ジ(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD:N,N'-diphenyl-N,N'-di(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine)等からなっている。
また、発光層109はトリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム(Alq3:Tris(8-hydroxyquinolinol)Aluminium)等からなっている。また、電子輸送層110は、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(3-(4-biphenylyl)-4-phenyl-5-(4-t-butylphenyl)-1,2,4-triazole)等からなっている。
陰極層105は、有機EL積層体104上に形成され、アルミニウム等からなっている。
【0005】
封止キャップ106は、ステンレス等の金属材料やガラス等からなり、陽極層103、有機EL積層体104及び陰極層105を封止する。封止キャップ106は、吸湿剤106を収容するための凹部106aを有し、透明絶縁基板102上に、陽極層103、有機EL積層体104及び陰極層105を覆うように、封止樹脂111を介して取り付けられている。
吸湿剤107は、例えば粉体状のBaO等からなり、封止キャップ106の凹部106aに収容された状態で通気性シート112によって保持されている。
【0006】
この有機EL表示装置101の製造方法について説明する。
まず、ガラス基板等からなる透明絶縁基板102上に、スパッタ法等によってITO等からなる陽極層103を形成する。次に、陽極層103が形成された透明絶縁基板102上に、蒸着法によって、N,N'-ジフェニル-N,N'-ジ(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン等、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール等を順に成膜する。これによって、正孔輸送層108、発光層109、電子輸送層110からなる有機EL積層体104が形成される。
次に、シャドウマスクを用いて蒸着法によって、有機EL積層体104上にアルミニウム等からなる陰極層105を形成する。
次に、図15(a)に示すように、凹部106aを形成した封止キャップ106を用意し、図15(b)に示すように、封止キャップ106の凹部106aに、吸湿剤107を収納し、図15(c)に示すように、通気性シート112によって覆って保持する。
【0007】
次に、吸湿剤107を収納した封止キャップ106の側壁部下端面に紫外線硬化型の封止樹脂111を塗布する。次に、窒素、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で、封止キャップ106を透明絶縁基板102上に載せ、封止キャップ106の側壁部端面106bを未硬化の封止樹脂111を介して、透明絶縁基板102に当接させる。
次に、紫外線を透明絶縁基板102の側から照射して、封止樹脂111を硬化させる。これによって、窒素やアルゴンガス等の不活性ガスを封入した状態で、封止キャップ106によって、有機EL積層体104が封止される。こうして、有機EL表示装置101が完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、封止キャップ106の凹部106aに吸湿剤107を収納する工程で、吸湿剤107の収納に手間がかかるという問題があった。
すなわち、吸湿剤107は粉体であるために、非常に帯電し易く、この吸湿剤107を封止キャップ106の凹部106aへ収納する際に、飛び散ったり、こぼれてしまっていた。このために、正確な量を確実に収納することが困難であり、かつ、作業が繁雑となり、多くの作業時間を要するという問題があった。
また、封止キャップ106には吸湿剤107を収納するため凹部106aが形成されているので、封止キャップ106の厚みを増大させることとなり、有機EL表示装置全体の薄型化及び小型化の妨げになるという問題があった。
なお、これらの問題は、有機EL表示装置に限らず、防湿が必要な例えば太陽電池モジュール等においても、同様に生じていた。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、所望の量の吸湿剤を、封止キャップと透明絶縁基板とによって形成された封止空間内に、有機EL積層体とともに、確実に封入し、かつ、手間をかけずに簡単かつ迅速に吸湿剤の封入作業を実行することができる吸湿シート、吸湿シートの製造方法及び該吸湿シートを備えた有機EL表示装置を提供することを第1の目的としている。
また、この発明は、有機EL表示装置全体の薄型化及び小型化に寄与する吸湿シート、吸湿シートの製造方法及び該吸湿シートを備えた有機EL表示装置を提供することを第2の目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートであって、前記支持体は、前記複数のたて糸と前記複数のよこ糸とによって囲われる、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有し、前記粉体の少なくとも一部が前記空隙部内に嵌合保持されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の粉体保持シートに係り、上記支持体の一方の面には空気を通流可能とするとともに上記粉体を通過させない通気性シートが貼着され、他方の面には粘着剤層が設けられていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の粉体保持シートに係り、上記支持体は、発泡性材料からなることを特徴としている。
【0014】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1に記載の粉体保持シートに係り、上記粉体は、吸湿剤からなることを特徴としている。
【0015】
また、請求項記載の発明は、請求項記載の粉体保持シートに係り、上記支持体は、吸水性高分子材料からなることを特徴としている。
【0016】
また、請求項記載の発明は、請求項又は記載の粉体保持シートに係り、上記吸湿剤は、水分を物理的及び/又は化学的に吸着することを特徴としている。
【0017】
また、請求項記載の発明は、請求項記載の粉体保持シートに係り、上記吸湿剤は、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム及び酸化リンのうち少なくとも1種類の物質からなっていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項記載の発明は、請求項記載の粉体保持シートに係り、上記吸湿剤は、ゼオライト、シリカゲル及び活性炭のうち少なくとも1種類の物質からなっていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項記載の発明は、粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートの製造方法に係り、中空の回転体のなかに上記粉体を投入し、上記回転体の側壁部の内側に、上記支持体を配置し、所定の回転速度で所定時間上記回転体を、上記回転体の回転軸を中心に回転させて、上記粉体を遠心力を利用して上記支持体に衝突させ、所定量の上記粉体を上記支持体に保持させることを特徴としている。
【0020】
また、請求項10記載の発明は、請求項記載の粉体保持シートの製造方法に係り、上記支持体は、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有し、上記支持体を上記空隙部が上記回転体の中心寄りとなるように上記回転体の側壁部の内側に配置することを特徴としている。
【0021】
また、請求項11記載の発明は、粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートの製造方法に係り、上記粉体を、側壁部が複数の小穴を有する部材又は網状部材からなる中空の回転体のなかに投入し、上記支持体を、上記回転体の側壁部の外側に配置し、所定の回転速度で所定時間上記回転体を、上記回転体の回転軸を中心に回転させて、上記粉体を遠心力を利用して上記回転体から放出して、上記支持体に衝突させ、所定量の上記粉体を上記支持体に保持させることを特徴としている。
【0022】
また、請求項12記載の発明は、請求項11記載の粉体保持シートの製造方法に係り、上記支持体は、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有し、上記支持体を上記空隙部が上記回転体の中心寄りとなるように、支持体取付部材に取り付けて、上記回転体の側壁部の外側に配置し、上記支持体を取り付けた上記支持体取付部材を、上記回転体の回転軸を中心に、上記回転体の回転の向きと同じ向き又は反対の向きに、所定の回転速度で所定時間回転させることを特徴としている。
【0023】
また、請求項13記載の発明は、粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートの製造方法に係り、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有する上記支持体上に上記粉体を散布し、押圧手段によって、上記支持体とともに上記粉体を押圧し、所定量の上記粉体を上記支持体に保持させることを特徴としている。
【0024】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の粉体保持シートの製造方法に係り、上記押圧手段は、対をなすローラからなり、上記支持体上に上記粉体を散布し、続いて上記対をなすローラ間に挿通することにより押圧し、上記粉体を上記支持体に保持させることを特徴としている。
【0025】
また、請求項15記載の発明は、請求項9乃至14のいずれか1に記載の粉体保持シートの製造方法に係り、上記粉体は吸湿剤からなることを特徴とする。
【0026】
また、請求項16記載の発明に係る有機EL表示装置は、請求項1乃至のいずれか1に記載の粉体保持シートを備えたことを特徴としている。
【0027】
【作用】
この発明の構成において、空隙部を有する支持体に、遠心力を利用して粉体を埋め込んで保持させるので、例えば回転体の回転速度や粉体の放出時間等を調整することによって、所望の量の粉体を確実かつ正確に支持体に充填することができる。
また、支持体上に粉体を散布し、押圧手段によって、支持体とともに粉体を押圧して、支持体に粉体を埋め込んで保持させるので、粉体を支持体の空隙部に迅速にかつ大量に埋め込むことができる。
また、有機EL表示装置を製造する際に、粉体として吸湿剤を保持した粉体保持シートを有機EL積層体等とともに封止キャップ内に封入することによって、所定の量の吸湿剤を確実かつ正確に封入することができ、かつ、手間をかけずに簡単かつ迅速に吸湿剤の封入作業を行うことができる。また、有機EL表示装置を製造するために要する工程数を低減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
◇第1実施例
図1は、この発明の第1実施例である有機EL表示装置の概略構成を示す断面図、図2は、同有機EL表示装置の吸湿シートの主要部の構成を模式的に示す図、図3は、同吸湿シートの主要部の構成を模式的に示す図であって、図3(a)は、図2のA−A線に沿った断面図、図3(b)は、図2のB−B線に沿った断面図である。また、図4は、同吸湿シートを製造する際に用いる吸湿剤充填装置の構成を示す断面図、図5は、図4のC−C線に沿った断面図である。また、図6は、同吸湿剤充填装置のシート支持部の構成を示す図、図7及び図8は、同吸湿シートの製造方法を説明するための説明図、図9は、同吸湿シートの製造方法を説明するための工程図である。また、図10は、同有機EL表示装置の製造方法を説明するための工程図、図11は、同有機EL表示装置の製造方法を説明するための説明図、図12は、同有機EL表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
この例の有機EL表示装置1は、図1に示すように、ガラス基板等からなる透明絶縁基板2と、陽極層3と、発光層を含む有機EL積層体4と、陰極層5と、有機EL積層体4等を透明絶縁基板2とともに形成する封止空間1A内に封入する封止キャップ6と、吸湿シート(粉体保持シート)7とを備えている。
【0029】
陽極層3は、透明絶縁基板2上にストライプ状に形成され、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料からなっている。
有機EL積層体4は、図1に示すように、正孔注入輸送層8と、発光層9と、電子注入輸送層11とが順に積層されてなっている。
正孔注入輸送層8は、陽極層3からの正孔の注入を容易にし、正孔を安定的に発光層9へ輸送し、かつ、電子注入輸送層11側から到来する電子をブロックする機能を有し、例えば、N,N'-ジフェニル-N,N'-ジ(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD:N,N'-diphenyl-N,N'-di(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine)等からなっている。
【0030】
発光層9は、陽極層3から注入された正孔と陰極層5から注入された電子との再結合によって励起子を生成し、緩和過程において発光する機能を有し、例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム(Alq3:Tris(8-hydroxyquinolinol)Aluminium)等からなっている。
電子注入輸送層11は、陰極層5からの電子の注入を容易にし、電子を安定的に発光層9に輸送し、かつ、正孔注入輸送層8側から到来する正孔をブロックする機能を有し、例えば、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(3-(4-biphenylyl)-4-phenyl-5-(4-t-butylphenyl)-1,2,4-triazole)等からなっている。
陰極層5は、有機EL積層体4上に、陽極層3と直交するようにストライプ状に形成され、アルミニウム等の低仕事関数の金属からなっている。
有機EL積層体4の互いに直交した陽極層3と陰極層5とによって挟まれた領域は、発光表示単位である有機EL画素とされ、この有機EL画素がマトリックス状に配列されている。
【0031】
封止キャップ6は、図1に示すように、例えばステンレス等の金属材料やガラス等を所定の深さ(例えば略0.4mm)の角形のキャップ状に成形してなり、陽極層3、有機EL積層体4及び陰極層5を覆うように透明絶縁基板2上に、電気的絶縁性を有し紫外線硬化型の封止樹脂12を介して取り付けられている。
吸湿シート7は、図1に示すように、封止キャップ6の内面の陰極層5に対向する対向面6aに取り付けられている。吸湿シート7は、図2及び図3に示すように、粉体状の吸湿剤13が、シート状支持体(支持体)15の空隙部15H内に埋め込まれた状態で保持され、シート状支持体15の有機EL積層体4に対向する側には粘着剤層16を介して通気性シート17が取り付けられて概略構成されている。シート状支持体15は、吸湿剤13を保持した状態で封止キャップ6内の対向面6aに粘着剤層18を介して取り付けられている。
【0032】
シート状支持体15は、図2、図3(a)及び図3(b)に示すように、例えば、PCTFE(polychlorotrifluoroethylene)やPTFE(polytetrafluoroethylene)等のフッ素系高分子材料から作られたたて糸15aとよこ糸15bとが交互に組み合わされてなる厚さが例えば略20[μm]の平織りの織布からなっている。
また、この例では、たて糸15a、よこ糸15bは、略10[μm]以下の太さのものが用いられる。また、空隙部15Hの寸法は、たて糸15aの長さ方向に沿って略10[μm]、よこ糸15bに沿って略10[μm]に設定されている。
【0033】
吸湿剤13は、粒径が例えば2〜20[μm](中心粒径は略10[μm])の粉体状の例えば酸化カルシウム(CaO)からなっている。酸化カルシウムが、封止空間1A内に存在する水分(HO)を吸着すると、この水分と反応し、水酸化カルシウム(Ca(OH))が生成され、除湿が行われる。これによって、有機EL積層体4等の水分による劣化を防止する。
通気性シート17は、粉体は通過させずに水分子は通過させ、かつ電気的絶縁性を有し、シート状支持体15を被覆して吸湿剤13の脱落を防止するとともに、湿気を含む空気を通流させる。
【0034】
この例の吸湿シート7は、シート状支持体15に吸湿剤13を充填する吸湿剤充填装置を用いて製造される。この吸湿剤充填装置について説明する。
吸湿剤充填装置21は、図4及び図5に示すように、回転軸としての同一のシャフト22に取り付けられた円筒形状の外筒部(回転体、支持体取付部材)23及び内筒部(回転体)24と、シャフト22を回転運動させる電動機25と、蓋部26とを有している。外筒部23及び内筒部24は、上方側のみ開放され、内筒部24は外筒部23の内部に収容され、また、電動機25の運転時には、外筒部23及び内筒部24の開放された上端部は、蓋部26によって塞がれる。
外筒部23の内壁面23aには、図4乃至図6に示すように、外形略コ字形のシート取付部27が取り付けられ、内壁面23aとの間で、シート状支持体15の上側を除く三方の周縁部を差し入れるための溝部27mを形成している。
【0035】
このシート取付部27は、シート状支持体15を載置するための載置部27aと、シート状支持体15の外筒部23の周回方向に沿ったずれを防止するための側部制止部27b,27bとを有している。
また、内筒部24内には吸湿剤13が収容され、内筒部24の側壁には、吸湿剤13が通過可能な多数の孔28aが周面に沿って帯状に設けられた吸湿剤放出部28が形成されている。なお、この吸湿剤放出部28の鉛直方向に沿った長さaは、シート状支持体15の縦寸法と略同一とされ、シート状支持体15が取り付けられていない箇所への吸湿剤13の無用な放出を抑えている。
【0036】
次に、吸湿シート7の製造方法について説明する。
まず、シート状支持体15を用意し、図7及び図8に示すように、吸湿剤充填装置21のシート取付部27にシート状支持体15を取り付ける。次に、内筒部24に吸湿剤13を投入する。このとき、内筒部24には、吸湿剤放出部15の上限位置よりも、少なくともシート状支持体15に保持させる量に対応する高さ分上方の位置まで、吸湿剤13を投入する。これによって、シート状支持体15に対して吸湿剤13を均一に衝突させるようにする。
次に、電動機25を起動させて、外筒部23及び内筒部24を所定の回転速度で回転させる。回転速度は、例えば数1000[rpm]とする。
【0037】
これにより、シート状支持体15は、遠心力によって外筒部23の内壁面23aに押し付けられて固定され、かつ、吸湿剤放出部28からは、遠心力によって吸湿剤13が放出され、吸湿剤13はシート状支持体15に衝突し、空隙部15H内(図2参照)に埋め込まれる。電動機25を所定の時間運転させると、所定量の吸湿剤13がシート状支持体15に埋め込まれて充填される。
こうして、図9(a)に示すように、吸湿剤13を空隙部15Hに保持したシート状支持体15を得ると、図9(b)に示すように、このシート状支持体15の両面に粘着剤層16、18を形成する。次に、図9(c)に示すように、粘着剤層16を介してシート状支持体15に通気性シート17を取り付け、粘着剤層18を介して剥離可能な保護シート19を取り付ける。このようにして、吸湿シート7を得る。
【0038】
次に、この吸湿シート7を気密封止のために用いた有機EL表示装置1の製造方法について説明する。
図10(a)に示すように、充分に洗浄されたガラス基板等からなる透明絶縁基板2上に、スパッタ法によって、ITO等を成膜した後、フォトグラフィー技術を用いてパターニングして、ストライプ状の陽極層3を形成する。
次に、図10(b)に示す陽極層3が形成された透明絶縁基板2上に、真空蒸着法によってN,N'-ジフェニル-N,N'-ジ(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン等をシャドウマスクを用いて所定のパターンに成膜して、正孔注入輸送層8を形成する。
【0039】
次に、同様に真空蒸着法によって、正孔注入輸送層8上にトリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等を成膜して発光層9を形成し、発光層9上に3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール等を成膜して電子注入輸送層11を形成する。
これによって、正孔注入輸送層8と発光層9と電子注入輸送層11とが順に積層されてなる有機EL積層体4を得る。
次に、図10(c)に示すように、真空蒸着法によって、有機EL積層体4上に、例えばアルミニウムをシャドウマスクを用いて所定のパターンに成膜して、図11に示すように、陽極層3に直交するストライプ状の陰極層5を形成する。
【0040】
次に、図12(a)に示すように、吸湿シート7から保護シート19を剥離させ、粘着層18を封止キャップ6内の対向面6aに当接させて、吸湿シート7を対向面6aに貼り付ける。
次に、対向面6aに吸湿シート7が貼り付けられた封止キャップ6の側壁下端面に、電気的絶縁性を有し紫外線硬化型の封止樹脂12を塗布する。
次に、図12(b)に示すように、窒素、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で、封止キャップ6を透明絶縁基板2に載せ、封止キャップ6の側壁部端面6bを未硬化の封止樹脂12を介して、透明絶縁基板2に当接させる。
次に、紫外線UVを透明絶縁基板2の側から照射して、封止樹脂12を硬化させる。これによって、窒素や不活性ガスを封入した状態で、封止キャップ6によって、陽極層3、有機EL積層体4及び陰極層5封止される。こうして、有機EL表示装置1が完成する。
【0041】
このように、この例の構成によれば、遠心力を利用して吸湿剤13をシート状支持体15に保持させ、この際、電動機25の回転速度や吸湿剤13の放出時間等を調整することによって、所望の量の吸湿剤13を確実かつ正確にシート状支持体15に充填することができる。また、遠心力を利用することにより、迅速に吸湿シート7を製造することができる。
また、この吸湿シート7を、有機EL表示装置1を製造する際に、有機EL積層体等とともに封止キャップ4内に封入することによって、所定の量の吸湿剤13を確実かつ正確に封入することができる。
【0042】
しかも、吸湿剤13をシート状の支持体に保持させているので、例えば従来技術におけるように封止キャップの凹部内に吸湿剤を充填した場合と比較して、同量の吸湿剤を用いても、吸湿剤を有効に機能させることができるため、高い吸湿性能を確保することができる。
例えば、上記従来技術では、封止キャップ内の限られた領域に設けられた凹部に吸湿剤が封入されていた上に、全部の吸湿剤を必ずしも有効に機能させることができなかったのに対して、吸湿剤13を封止キャップ4の少なくとも断面積に相当する広さの領域に分布させて封入しているので、吸湿剤を有効に機能させることができる。
したがって、有機EL表示装置1の長寿命化を図ることができる。
すなわち、発明者が実験した結果、吸湿剤を全く封入しない場合は、室温下で、発光しなくなるまでの寿命は、略2か月であり、封止キャップの凹部に吸湿剤を収納した従来技術では、同寿命は略30000時間であった。そして、この例の方法で、従来技術で封入した吸湿剤と同量の吸湿剤を保持した吸湿シート7を封入した場合は、略55000時間という寿命を達成することができた。なお、この寿命の測定結果は、断面積が略50mm×45mmの封止キャップ内に略30mgの吸湿剤を封入した場合のものである。
このように、この例の構成によれば、吸湿剤を全く封入しない場合に比べて100倍以上、封止キャップの凹部に吸湿剤を収納した従来技術に比べて略2倍まで寿命を延ばすことができることがわかった。
【0043】
また、手間をかけずに簡単かつ迅速に吸湿剤13の封入作業を行うことができる。また、有機EL表示装置1を製造するために必要な工程数を低減することができる。
また、吸湿シートを有機EL表示装置1を製造する際に用いることによって、吸湿剤の取り扱いに必要以上に注意を払うことがなく、例えば吸湿剤13をこぼして無駄にすることもない。
また、封止キャップ6に吸湿剤13を収容するための凹部を設ける必要がないので、封止キャップの厚さを薄くすることができ、有機EL表示装置1全体の薄型化及び小型化に寄与することができる。
また、封止キャップ6の形状は単純であるので、例えばプレス加工等によって容易に作成することができる。
【0044】
◇第2実施例
図13は、この発明の第2実施例である吸湿シートの製造方法を説明するための工程図である。
この例が上述した第1実施例と大きく異なるところは、吸湿シートを製造する際に、遠心力を利用して吸湿剤13をシート状支持体15に埋め込む方法に代えて、吸湿剤13を散布し、ローラによって押圧して吸湿剤13をシート状支持体15に押し込むように構成した点である。
【0045】
まず、図13(a)に示すように、それぞれシート状支持体15の上面及び下面を圧接しながら回転し対をなすローラ31a,31b等によって、シート状支持体15を前方へ送る。
所定の箇所には、吸湿剤13を供給するためのホッパ41が配置され、同図に示すように、排出口41aからシート状支持体15上に吸湿剤13が散布される。ここで、排出口41aのシート状支持体15の運搬方向に垂直な方向の幅は、シート状支持体15の幅と略同一とされ、吸湿剤13が均一に散布される。
次に、同図に示すように、ローラ31c,31d、ローラ31e,31f、ローラ31g,31h、…によって吸湿剤13がシート状支持体15とともに対をなすローラで挟まれた状態で押圧されることによって、吸湿剤13はシート状支持体15内に押し込まれる。
【0046】
次に、図13(b)に示すように、シート状支持体15は、ローラ32a,32bによって、粘着剤18aを供給する供給装置42と粘着剤16aが入った容器43が配置された箇所に運ばれる。
ここで、シート状支持体15は、その上面に、粘着剤18aが滴下された後ローラ32cによって均一に塗布され、下面に、ローラ32dによって、粘着剤16aが塗布され、さらにローラ32e,32fによって、次に工程が実行される前方へ送られる。
【0047】
次に、図13(c)に示すように、ローラ33a,33bによって、通気性シート17及び保護シート19との貼合せ箇所まで送られ、ローラ33c,33dによって、保護シート19、通気性シート17は、シート状支持体15側に押しつけられる。
次に、例えば乾燥工程を経て、図13(d)に示すように、シート状支持体15の両側に粘着剤層16,18を介して通気性シート17、保護シート19が貼り付けられ、この後、所定の寸法にシート状支持体15を切断する切断工程を経て吸湿シート7を完成させる。
【0048】
このように、この例の構成によれば、ホッパ41からの吸湿剤13の供給量やシート状支持体15の搬送速度等を調整することによって、所望の量の吸湿剤13を確実かつ正確にシート状支持体15に充填することができる。
【0049】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述の実施例では、シート状支持体として平織りの織布を用いる場合について述べたが、平織りに限らず、多数の空隙部を有する綾織りでも良いし朱子織りでも良い。また、織布に限らず多数の空隙部を有する不織布でも良い。また、シート状支持体としてポリウレタン発泡体等の多孔質の発泡体を用いるようにしても良い。
このように、シート状支持体が多数の空隙部を有していれば、空隙部に吸湿剤を埋め込んで吸湿シートを得ることができる。そして、この吸湿シートを有機EL表示装置を製造する際に用いることによって、手間をかけずに簡単かつ迅速に吸湿剤の封入作業を行うことができる。
【0050】
また、空隙部15Hは、必ずしもシート状支持体15を貫通して形成されていなくても良く、少なくとも有機EL積層体4に対向する側で開口していれば良い。
また、シート状支持体の厚さは、略20[μm]に限らず100[μm]でも良いし、複数毎重ねたり折り畳んで用いても良い。
また、吸湿シートの形状は、矩形状であっても良いし、また円形状であっても、不規則形状であっても良い。また、吸湿シートを取付箇所の状態に応じて、適切な寸法及び形状に裁断して用いることができる。また、吸湿シートを必要に応じて折り重ねたり、自在に変形させて配置することができる。また、複数の吸湿シートを用いても良い。
【0051】
また、糸の繊維材料としては、フッ素系高分子材料に限らず、例えばPET(polyethylen terephthalate)等を用いても良い。
また、予め充分乾燥させた吸水性高分子材料からなる繊維や中空繊維等を用いても良い。これによって、吸湿可能な水分量を増大させることができる。
また、吸湿剤は、酸化カルシウムに限らず、酸化バリウム(BaO)や、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化リン(例えば五酸化リン(P))等でも良い。酸化バリウム等も酸化カルシウムと同様に水分を取り込んだ後は、水分と反応して化学変化を引き起こし、例えば加熱しても水分を放出することがない。
また、吸湿剤は、水分を物理的に吸着するゼオライトやシリカゲルや活性炭等を用いても良い。また、吸湿剤は、塩化カルシウム(CaCl)や塩化マグネシウム(MgCl)等の潮解性を示す物質を用いても良い。この場合は、一旦水溶液として、これにシート状支持体を浸し、又は噴霧した後、加熱し乾燥させて吸湿シートを製造することができる。また、水分を物理的に吸着する吸湿剤と化学的に吸着する吸着剤とを混合して用いても良い。
【0052】
また、封止キャップ4は、ステンレス等の金属材料に限らず、透明ガラス等をキャップ状に成形して構成しても良い。
また、陽極層は、ITOに限らず、透明であれば良く、酸化錫(SnO)等を用いて構成しても良い。
また、有機EL積層体で、正孔注入輸送層は、N,N'-ジフェニル-N,N'-ジ(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミンに限らず、ヒドラゾン誘導体やカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体等を用いて構成しても良い。また、発光層は、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウムに限らず、フェニルアントラセン誘導体やテトラアリールエテン誘導体等を用いて構成しても良い。また、電子注入輸送層は、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾールに限らず、ピリジン誘導体や、ジフェニルキノン誘導体等を用いて構成しても良い。
【0053】
また、正孔注入輸送層を、正孔注入層と正孔輸送層との2層に分けて積層しても良い。この場合、正孔注入層に用いる化合物をイオン化ポテンシャルの小さい化合物とする。同様に、電子注入輸送層を、電子注入層と電子輸送層との2層に分けて積層しても良い。
また、電子注入輸送層に発光層の機能を付加しても良い。また、有機EL積層体を正孔輸送層と発光層とから構成しても良いし、発光層のみとしても良い。
陰極層は、アルミニウムに限らず、マグネシウムや、アルミニウムリチウム合金等から構成するようにしても良い。
【0054】
また、第1実施例では、吸湿剤充填装置21において、内筒部24と外筒部23とを同時に回転させる場合について述べたが、別々の回転速度で回転させるようにしても良いし、内筒部のみ回転させるようにしても良い。これによっても、吸湿剤をシート状支持体に埋め込むことができる。
この際、内筒部と外筒部との反対の向きに回転させるようにしても良い。これによって、吸湿剤をシート状支持体に、より大きな衝撃力で埋め込むことができるので、確実に多量の吸湿剤をシート状支持体に保持させることができる。
また、第2実施例では、一対のローラによって吸湿剤をシート状支持体内に押し込む場合について述べたが、シート状支持体に均一に吸湿剤を散布した後、平面状の押圧面を有する押圧手段を用い、この押圧面を押しつけることによって、一度に吸湿剤をシート状支持体内に押し込むようにしても良い。
【0055】
また、シート状支持体の一方の側から吸湿剤をシート状支持体に供給し、他方の側の圧力を一方の側の圧力(例えば大気圧)よりも低い値に保ち、通気性シートを介して吸湿剤を吸入することによって、吸湿剤をシート状支持体の空隙部に埋め込むようにしても良い。
また、通気性シート17及び粘着剤層18は、必要に応じて吸湿シート7に具備すれば良く、省略も可能である。
また、上記実施例では、粘着剤層18を予め吸湿シート7側に設けておいて、この吸湿シート7を封止キャップ6に貼り付ける場合について述べたが、代わりに粘着剤層18を封止キャップ6内の対向面6aに設けておいて、吸湿シート7を封止キャップ6に貼り付けるようにしても良い。これによって、保護シート19を省略することができる。
また、吸湿シート7を、封止キャップ6内の対向面6aに加えて、例えば側壁面にも貼り付けるようにしても良い。また、側壁面だけに吸湿シート7を貼り付けるようにしても良い。
また、上記実施例では、吸湿シートを有機EL表示装置に適用した場合について述べたが、この吸湿シートは、有機EL表示装置に限らず、例えば無機EL表示装置や太陽電池モジュール等においても用いることができる。
【0056】
また、この発明の粉体保持シートに保持される粉体は、吸湿剤に限定されるものではなく、例えば磁性剤、触媒、酸素吸収剤等、吸湿剤以外の粉体であっても良い。
吸湿剤以外の粉体を保持した粉体保持シートを用いることによっても、「発明が解決しようとする課題」の項で述べたような粉体特有の扱い難さを克服し、手間をかけずに簡単かつ迅速に粉体を必要な箇所に例えば封入することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、空隙部を有する支持体に、遠心力を利用して粉体を埋め込んで保持させるので、例えば回転体の回転速度や粉体の放出時間等を調整することによって、所望の量の粉体を確実かつ正確に支持体に充填することができる。
また、支持体上に粉体を散布し、押圧手段によって、支持体とともに粉体を押圧して、支持体に粉体を埋め込んで保持させるので、粉体を支持体の空隙部に迅速にかつ大量に埋め込むことができる。
また、有機EL表示装置を製造する際に、粉体として吸湿剤を保持した粉体保持シートを有機EL積層体等とともに例えば封止キャップ内に封入することによって、所定の量の吸湿剤を確実かつ正確に封入することができ、かつ、手間をかけずに簡単かつ迅速に吸湿剤の封入作業を行うことができる。また、有機EL表示装置を製造するために要する工程数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である有機EL表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】同有機EL表示装置の吸湿シートの主要部の構成を模式的に示す図である。
【図3】同吸湿シートの主要部の構成を模式的に示す図であって、図3(a)は、図2のA−A線に沿った断面図、図3(b)は、図2のB−B線に沿った断面図である。
【図4】同吸湿シートを製造する際に用いる吸湿剤充填装置の構成を示す断面図である。
【図5】図4のC−C線に沿った断面図である。
【図6】同吸湿剤充填装置のシート支持部の構成を示す図である。
【図7】同吸湿シートの製造方法を説明するための説明図である。
【図8】同吸湿シートの製造方法を説明するための説明図である。
【図9】同吸湿シートの製造方法を説明するための工程図である。
【図10】同有機EL表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
【図11】同有機EL表示装置の製造方法を説明するための説明図である。
【図12】同有機EL表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
【図13】この発明の第2実施例である吸湿シートの製造方法を説明するための工程図である。
【図14】従来技術を説明するための説明図である。
【図15】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 有機EL表示装置
2 有機EL積層体
7 吸湿シート(粉体保持シート)
13 吸湿剤
15 シート状支持体(支持体)
15H 空隙部
17 通気性シート
18 粘着剤層
23 外筒部(回転体、シート取付部材)
24 内筒部(回転体)

Claims (16)

  1. 粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートであって、前記支持体は、前記複数のたて糸と前記複数のよこ糸とによって囲われる、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有し、前記粉体の少なくとも一部が前記空隙部内に嵌合保持されていることを特徴とする粉体保持シート。
  2. 前記支持体の一方の面には空気を通流可能とするとともに前記粉体を通過させない通気性シートが貼着され、他方の面には粘着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の粉体保持シート。
  3. 前記支持体は、発泡性材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載の粉体保持シート。
  4. 前記粉体は、吸湿剤からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の粉体保持シート。
  5. 前記支持体は、吸水性高分子材料からなることを特徴とする請求項記載の粉体保持シート。
  6. 前記吸湿剤は、水分を物理的及び/又は化学的に吸着することを特徴とする請求項又は記載の粉体保持シート。
  7. 前記吸湿剤は、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム及び酸化リンのうち少なくとも1種類の物質からなっていることを特徴とする請求項記載の粉体保持シート。
  8. 前記吸湿剤は、ゼオライト、シリカゲル及び活性炭のうち少なくとも1種類の物質からなっていることを特徴とする請求項記載の粉体保持シート。
  9. 粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートの製造方法であって、
    中空の回転体のなかに前記粉体を投入し、前記回転体の側壁部の内側に、前記支持体を配置し、所定の回転速度で所定時間前記回転体を、前記回転体の回転軸を中心に回転させて、前記粉体を遠心力を利用して前記支持体に衝突させ、所定量の前記粉体を前記支持体に保持させることを特徴とする粉体保持シートの製造方法。
  10. 前記支持体は、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有し、前記支持体を前記空隙部が前記回転体の中心寄りとなるように前記回転体の側壁部の内側に配置することを特徴とする請求項記載の粉体保持シートの製造方法。
  11. 粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートの製造方法であって、
    前記粉体を、側壁部が複数の小穴を有する部材又は網状部材からなる中空の回転体のなかに投入し、
    前記支持体を、前記回転体の側壁部の外側に配置し、
    所定の回転速度で所定時間前記回転体を、前記回転体の回転軸を中心に回転させて、前記粉体を遠心力を利用して前記回転体から放出して、前記支持体に衝突させ、所定量の前記粉体を前記支持体に保持させることを特徴とする粉体保持シートの製造方法。
  12. 前記支持体は、少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有し、
    前記支持体を前記空隙部が前記回転体の中心寄りとなるように、支持体取付部材に取り付けて、前記回転体の側壁部の外側に配置し、
    前記支持体を取り付けた前記支持体取付部材を、前記回転体の回転軸を中心に、前記回転体の回転の向きと同じ向き又は反対の向きに、所定の回転速度で所定時間回転させることを特徴とする請求項11記載の粉体保持シートの製造方法。
  13. 粉体が、複数のたて糸と複数のよこ糸とが交互に組み合わされた織布からなるシート状の支持体に保持されてなる粉体保持シートの製造方法であって、
    少なくとも一方の面側で外部空間と連通した空隙部を有する前記支持体上に前記粉体を散布し、押圧手段によって、前記支持体とともに前記粉体を押圧し、所定量の前記粉体を前記支持体に保持させることを特徴とする粉体保持シートの製造方法。
  14. 前記押圧手段は、対をなすローラからなり、前記支持体上に前記粉体を散布し、続いて前記対をなすローラ間に挿通することにより押圧し、前記粉体を前記支持体に保持させることを特徴とする請求項13記載の粉体保持シートの製造方法。
  15. 前記粉体は吸湿剤からなることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1に記載の粉体保持シートの製造方法。
  16. 請求項1乃至のいずれか1に記載した粉体保持シートを備えたことを特徴とする有機EL表示装置。
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