JP2004319245A - 有機elパネル及びその製造方法 - Google Patents

有機elパネル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004319245A
JP2004319245A JP2003111257A JP2003111257A JP2004319245A JP 2004319245 A JP2004319245 A JP 2004319245A JP 2003111257 A JP2003111257 A JP 2003111257A JP 2003111257 A JP2003111257 A JP 2003111257A JP 2004319245 A JP2004319245 A JP 2004319245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
desiccant
panel
sealing member
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003111257A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Nonaka
吉隆 野中
Isamu Oshita
勇 大下
Yoshihiro Kawasaki
由浩 川崎
Takemi Naito
武実 内藤
Daisuke Masuda
大輔 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Pioneer Corp
Original Assignee
Tohoku Pioneer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Pioneer Corp filed Critical Tohoku Pioneer Corp
Priority to JP2003111257A priority Critical patent/JP2004319245A/ja
Priority to KR1020040025175A priority patent/KR20040090450A/ko
Priority to TW093110556A priority patent/TWI244874B/zh
Publication of JP2004319245A publication Critical patent/JP2004319245A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/846Passivation; Containers; Encapsulations comprising getter material or desiccants
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/842Containers
    • H10K50/8426Peripheral sealing arrangements, e.g. adhesives, sealants
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】封止空間内に配備される乾燥剤の量と配置状態を定量的に設定可能にし、より効果的な乾燥剤の配備を可能にする。
【解決手段】支持基板11上に、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子12を形成し、封止部材13を接着剤15を介して支持基板11に貼り合わせることで、有機EL素子12を支持基板11と封止部材13との間に形成される封止空間16内に配置する。封止空間16内には、支持基板11との対向面に有機EL素子12と隔離して乾燥剤14が設けられている。封止空間16内に設けられる乾燥剤14の占有体積M(=M×M×T)を、封止空間16の容積V(=V×V×H)との体積比で30%以上にしている。また、乾燥剤14と有機EL素子12との距離hを0.3mm以下にしている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(Electroluminescence)パネル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機ELパネルは、支持基板上に第一電極を形成し、その上に有機化合物からなる発光層を含む有機層を形成し、その上に第二電極を形成してなる有機EL素子を基本構成としており、この有機EL素子を単位面発光要素として平面基板上に配列させたものである。
【0003】
この有機ELパネルは、前述の有機層及び電極が外気に曝されると特性が劣化することが知られている。これは、有機層と電極との界面に水分が浸入することにより、電子の注入が妨げられ、非発光領域が発生したり、電極が腐食する現象によるもので、有機EL素子の安定性及び耐久性を高めるためには、有機EL素子を外気から遮断する封止技術が不可欠となっている。この封止技術に関しては、電極及び有機層が形成された支持基板上に、この電極及び有機層を覆う封止部材を接着剤を介して貼り合わせる手段が一般に採用されている。
【0004】
このような有機ELパネルの従来技術(下記特許文献1参照)を図1に示す。有機ELパネル(有機EL素子)1は、支持基板となるガラス基板2、ITO電極3と有機発光材料層4と陰極5からなる積層体6、封止部材となるガラス封止缶7、乾燥剤8及び封止材9により構成されている。
【0005】
乾燥剤8は、ガラス封止缶7による封止後に、その内に存在する初期水分及び経時的に放出又は浸入してきた水分を吸収除去するために設けられるものである。特に有機EL素子を形成する有機層は熱に弱く、封止前に加熱処理して水分を除去することができないことから、このような初期水分を完全に排除することができない。したがって、現状の有機EL材料を用いたパネルでは、このような乾燥剤8を封止部材内に配設せざるを得ない。下記特許文献1には、乾燥剤8として化学的に水分を吸着すると共に吸湿しても固体状態を維持する化合物を用いて、この乾燥剤8をガラス封止缶7の内面(ガラス基板との対向面)に粘着材を用いて取り付けたものが記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−148066号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、有機ELパネルにおいては、有機EL素子が形成された支持基板上とその上に貼り付けられた封止部材とによって形成される封止空間内に乾燥剤を設けることによって、有機EL素子の経時的な劣化特性(非発光領域の進行度合い)を鈍化させることが可能になる。しかしながら、封止空間内に乾燥剤をどの程度、どのような配置で配備すれば効果的であるかということは、従来あまり議論されていない。したがって、従来は、乾燥剤の量が足りず劣化の進行が速くなったり、多量の乾燥剤を配備してもその配設状況が悪くて劣化の進行を充分に鈍化させることができないといった問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、封止空間内に配備される乾燥剤の量と配置状態を定量的に設定可能にし、より効果的な乾燥剤の配備を可能にすること等が本発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による有機ELパネル及びその製造方法は以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
【0010】
[請求項1]支持基板上に、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成し、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を貼り合わせた有機ELパネルであって、前記支持基板と前記封止部材との間に形成される封止空間内に設けられる乾燥剤の占有体積を、前記封止空間との体積比で30%以上にしたことを特徴とする有機ELパネル。
【0011】
[請求項3]支持基板上に、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成し、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を貼り合わせた有機ELパネルであって、前記支持基板と前記封止部材との間に形成される封止空間内に設けられる乾燥剤と前記有機EL素子との距離を0.3mm以下にしたことを特徴とする有機ELパネル。
【0012】
[請求項4]支持基板上に一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成する素子形成工程と、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を前記支持基板に貼り合わせる封止工程とを有する有機ELパネルの製造方法であって、前記封止工程に先立って前記封止部材における前記支持基板の対向面に、前記支持基板と前記封止部材との間に形成される封止空間との体積比が30%以上となる体積の乾燥剤を取り付けることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
【0013】
[請求項6]支持基板上に一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成する素子形成工程と、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を前記支持基板に貼り合わせる封止工程とを有する有機ELパネルの製造方法であって、前記封止工程に先立って前記封止部材における前記支持基板の対向面に、前記有機EL素子との距離が0.3mm以下になるように乾燥剤を取り付けることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図2は本発明の一実施形態に係る有機ELパネルの概要を示す説明図である(引き出し電極等の細部は図面上省略している。)。この有機ELパネル10は、支持基板11上に、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子12を形成している。そして、封止部材13を接着剤15を介して支持基板11に貼り合わせることで、有機EL素子12を支持基板11と封止部材13との間に形成される封止空間16内に配置して、これを外気から遮断している。この封止空間16内には、支持基板11との対向面に有機EL素子12と隔離して乾燥剤14が設けられている。
【0015】
ここで、本発明の実施形態においては、封止空間16内に設けられる乾燥剤14の占有体積M(=M×M×T)を、封止空間16の容積V(=V×V×H)との体積比で30%以上にしている。また、乾燥剤14と有機EL素子12との距離hを0.3mm以下にしている。これによって、封止空間16内に存在する初期水分及び経時的に封止空間16内に放出又は浸入してきた水分を乾燥剤14によって効果的に吸収除去することができ、経時的な有機EL素子12の劣化進行を鈍化させることが可能になり、実用的な有機ELパネルの寿命を確保することができる。
【0016】
本発明の実施形態では、乾燥剤14の封止空間16内での占有体積M、又は乾燥剤14の表面と有機EL素子12との距離hに着目して、封止空間16内での効果的な乾燥剤14の配置を特定したものである。これによって、封止空間16内に配備される乾燥剤14の量と配置状態を定量的に設定可能にし、より効果的な乾燥剤14の配備が可能になる。
【0017】
なお、本発明の実施形態において、乾燥剤14の封止空間16内での占有体積M、又は乾燥剤14の表面と有機EL素子12との距離hは、乾燥剤14を封止部材13に装着した時点の値、又は有機EL素子を駆動させた後の値を対象としており、何れの時点においても、乾燥剤14と封止空間16との体積比が30%以上のもの、及び/又は乾燥剤14と有機EL素子との距離が0.3mm以下のものは本発明の実施形態になり得る。
【0018】
前述した有機ELパネル10における各部の構成を更に具体的に説明すると以下のとおりである。
[乾燥剤]乾燥剤14としては、物理的乾燥剤(ゼオライト,シリカゲル,カーボン,カーボンナノチューブ等)、後述する化学的な吸湿剤、有機金属錯体を石油系溶媒(トルエン,キシレン,脂肪族有機溶剤等)に溶解した乾燥剤等を単体で用いることもできるし、以下に示す吸湿性成形体を用いることもできる。
【0019】
吸湿性成形体とは、吸湿剤を樹脂成分(バインダ)に分散させた成形体である。吸湿剤としては、少なくとも水分を吸着できる機能を有するものであれば良いが、特に化学的に水分を吸着するとともに吸湿しても固体状態を維持する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば金属酸化物、金属の無機酸塩・有機酸塩等が挙げられるが、特にアルカリ土類金属酸化物及び硫酸塩の少なくとも1種を用いることが好ましい。アルカリ土類金属酸化物としては、例えば酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウム(MgO)等が挙げられる。硫酸塩としては、例えば硫酸リチウム(LiSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ガリウム(Ga(SO)、硫酸チタン(Ti(SO)、硫酸ニッケル(NiSO)等が挙げられる。その他にも、吸湿剤として吸湿性を有する有機材料を使用することもできる。
一方、樹脂成分(バインダ)としては、吸湿剤の水分除去作用を妨げないものであれば特に限定的でなく、好ましくは気体透過性の高い材料(すなわち、バリアー性の低い材料、特に気体透過性樹脂)を用いる。このような材料としては、例えばポリオレフィン系、ポリアクリル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリカーボーネート系等の高分子材料が挙げられる。この中でも、本発明ではポリオレフィン系のものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のほか、これらの共重合体等が挙げられる。
【0020】
吸湿剤及び樹脂成分の含有量はこれらの種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は吸湿剤及び樹脂成分の合計量を100重量%として吸湿剤30〜85重量%程度及び樹脂成分70〜15重量%程度にすれば良い。好ましくは吸湿剤40〜80重量%程度及び樹脂成分60〜20重量%、最も好ましくは吸湿剤50〜70重量%程度及び樹脂成分50〜30重量%とすれば良い。
【0021】
吸湿性成形体は、これらの各成分を均一に混合し、所望の形状、例えばシート状等に成形することによって得られる。この場合、吸湿剤、ガス吸着剤等は予め十分乾燥させてから配合することが好ましい。また、樹脂成分との混合に際しては、必要に応じて加熱して溶融状態としても良い。
【0022】
また、吸湿性成形体は、吸湿剤及び樹脂成分からなる混合物を成形して得られたものであることが望ましい。すなわち、溶剤等の第三成分を含まない材料を使用して吸湿性成形体を製造することにより、これら第三成分が成形体中に残存することによる弊害(例えば、残存した溶剤が吸湿剤に吸着されて吸着剤の性能を低下させたり、あるいは残存した溶剤が封止部材内で経時的に揮発することによる弊害)を回避することができる。
【0023】
[封止部材]封止部材13は、金属又はガラス等で形成されるが、好ましくはガラス(ソーダガラス若しくはノンアルカリガラス)製の基板で形成される。プレス成形,エッチング,ブラスト処理等の加工を施して基板上に封止空間16の一部となる封止凹部を形成、もしくは300μm以上の径のスペーサを含有した接着剤にて封止空間16を形成する。
【0024】
[接着剤]接着剤15は、熱硬化型、化学硬化型(ニ液混合)、光(紫外線)硬化型等の接着剤を使用し、材料としてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン等を用いることができる。特に、紫外線硬化型のエポキシ樹脂の使用が好ましい。このような接着剤15に、1〜500μmの粒径のスペーサ(ガラスやプラスチックのスペーサが好ましい)を適量混合(0.1〜0.5重量%ほど)し、ディスペンサー等を使用して塗布する。
【0025】
[有機EL素子]支持基板11上に形成され、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持してなる有機EL素子12の具体的構造及び材料例を示すと以下のとおりである。
【0026】
(a)支持基板;
支持基板11としては、透明性を有する平板状、フィルム状のものが好ましく、材質としてはガラス又はプラスチック等を用いることができる。
【0027】
(b)電極;
支持基板11側から光を出射させる方式(ボトム・エミッション方式)を前提とする場合には、支持基板11側の電極を透明電極からなる陽極、他方の電極を金属電極からなる陰極にする。適用される陽極材料としては、ITO,ZnO等を用いて、蒸着,スパッタリング等の成膜方法で形成することができる。陰極としては、仕事関数の小さい金属、金属酸化物、金属フッ化物、合金等、具体的には、Al,In,Mg等の単層構造、LiO/Al等の積層構造を用いて、蒸着,スパッタリング等の成膜方法で形成することができる。
【0028】
(c)有機層;
有機層は、支持基板11側の電極を陽極、他方の電極を陰極とした場合には、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の積層構成が一般的であるが、発光層,正孔輸送層,電子輸送層はそれぞれ1層だけでなく複数層積層して設けてもよく、正孔輸送層,電子輸送層についてはどちらかの層を省略しても、両方の層を省略して発光層のみにしても構わない。また、有機層としては、正孔注入層,電子注入層,正孔障壁層,電子障壁層等の有機機能層を用途に応じて挿入することができる。
【0029】
有機層の材料は、有機EL素子12の用途に合わせて適宜選択可能である。以下に例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0030】
正孔輸送層としては、正孔移動度が高い機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。具体例としては、銅フタロシアニン等のポルフィリン化合物、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]−ビフェニル(NPB)等の芳香族第三アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベンゼン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体、スチリルアミン化合物等の有機材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送用の有機材料を分散させた、高分子分散系の材料も使用できる。
【0031】
発光層は、公知の発光材料が使用可能であり、具体例としては、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリディン化合物、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体、アントラキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)等の蛍光性有機金属化合物、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリフルオレン系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系等の高分子材料、白金錯体やイリジウム錯体等の三重項励起子からのりん光を発光に利用できる有機材料(特表2001−520450)を使用できる。上述したような発光材料のみから構成したものでもよいし、正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)または発光性ドーパント等が含有されてもよい。また、これらが高分子材料又は無機材料中に分散されてもよい。
【0032】
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体等の有機材料、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン等が使用できる。
【0033】
上記の正孔輸送層、発光層、電子輸送層は、スピンコーティング法、ディッピング法等の塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の印刷法等のウェットプロセス、又は、蒸着法、レーザ転写法等のドライプロセスで形成することができる。
【0034】
[有機ELパネルの各種方式について]有機EL素子12は、単一構造の有機EL素子であってもよいし、所望のパターン構造を有して複数の画素を構成するものであってもよい。
【0035】
そして、後者の場合には、その表示方式は、単色発光でも2色以上の複数色発光でもよく、特に複数色発光の有機ELパネルを実現するためには、RGBに対応した3種類の発光機能層を形成する方式を含む2色以上の発光機能層を形成する方式(塗り分け方式)、白色や青色等の単色の発光機能層にカラーフィルタや蛍光材料による色変換層を組み合わせた方式(CF方式、CCM方式)、単色の発光機能層の発光エリアに電磁波を照射する等して複数発光を実現する方式(フォトブリーチング方式)等により構成できる。また、有機EL素子の駆動方式は、パッシブ駆動方式又はアクティブ駆動方式のいずれでもよい。
【0036】
次に、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明する。図3はその概略的な流れを示す説明図である。先ず、素子形成工程S1Aとして、支持基板11上に、第一電極,有機層,第二電極を積層した有機EL素子12を形成して、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持してなる有機EL素子12を形成する。ここでは、有機EL素子の形成に一般に採用される周知の成膜工程及びパターン形成工程が採用される。
【0037】
また一方で、乾燥剤取付工程S1Bとして、封止部材13に対して乾燥剤14を取り付ける。この乾燥剤取付工程S1Bにおいては、予め成形された乾燥剤14を用意して、これを封止部材13の内面(支持基板11との対向面)に取り付ける。
【0038】
この際、本発明の実施形態に係る製造方法では、支持基板11と封止部材13との間に形成される封止空間16の容積Vとの体積比が30%以上となるように乾燥剤14の体積Mを設定する。また、乾燥剤14と有機EL素子12との距離hが0.3mm以下になるように乾燥剤14の配置又は厚さTを設定する。
【0039】
具体的には、封止空間16の容積Vは、封止部材13に形成される封止凹部の面積V1×V2に封止部材13内面と支持基板11との距離Hを乗じた値として予め求めることができる。ここで、距離Hは前述した封止凹部の深さと接着剤層の厚み(スペーサ径)との和として求めることができる。そして、求めた容積Vに対して、占有率(30%以上)を乗じて乾燥剤14の体積Mを設定することができる。また、乾燥剤14と有機EL素子12との距離hは、有機EL素子12の厚みは無視できるので、h=H(前述の距離)−T(乾燥剤14の厚さ)として考えることができる。したがって、T=H−h(0.3mm以下)によって乾燥剤14の厚さTを設定することができる。
【0040】
乾燥剤14の封止部材13への取り付けに際しては、封止部材内に確実に固定できる方法であれば特に制限されないが、例えば、乾燥剤14と封止部材13とを公知の粘着剤、接着剤(好ましくは無溶剤型接着剤)等により貼着する方法、乾燥剤14を封止部材13に熱融着させる方法、ビス等の固定部材により乾燥剤14の成形体を封止部材13に固定する方法等が挙げられる。
【0041】
そして封止工程S2として、支持基板11の周辺又は封止部材13の接着面に接着剤15が塗布され、支持基板11上に封止部材13が貼り付けられて有機EL素子12の封止がなされる。その後は、必要に応じて適宜の検査工程S3を経て、実施形態の有機ELパネル10が得られる。
【0042】
このような実施形態の製造方法によると、封止空間16内に配備される乾燥剤14の量と配置状態を定量的に設定することができるので、より効果的な乾燥剤14の配備が可能になる。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を説明する。
【0044】
[実施例1]支持基板としてガラス基板を用い、洗浄したガラス基板上に、陽極となる下部電極としてITOをスパッタ法により150nm成膜した後に、真空度10−4Pa以下の真空蒸着によって順次有機層を成膜する。有機層としては、NPBからなる正孔輸送層を200nm成膜し、その上に、Alqからなる発光層を200nm成膜する。そして、陰極となる状部電極としてMg−Agを同様の真空蒸着にて100nm成膜する。封止部材としては、板厚1.1mmのガラス板を用い、サンドブラスト法にて0.6mmの凹部を形成する。
【0045】
乾燥剤は、CaOを用い、900℃にて1時間加熱後、180〜200℃の限率乾燥雰囲気中で冷却し、最終的に室温まで冷却した。このCaO65重量%に対して樹脂成分としてポリエチレンを35重量%乾式混合し、230℃に加熱溶解させて混錬し、ホットプレス成形によって乾燥剤を成形した。
【0046】
この実施例1では、乾燥剤を封止空間容積に対する体積比(占有率)が30%になるような体積に成形し、これを封止部材内に配備して乾燥剤と有機EL素子との距離を0.1mmに設定した。その後、封止部材と支持基板とをUV硬化型エポキシ接着剤を接着剤としてガラススペーサを挟んで貼り合わせ、UV照射による硬化後、必要な熱硬化を経て有機ELパネルAを得た。
【0047】
[実施例2]乾燥剤を封止空間容積に対する体積比(占有率)が40%になるように成形した以外は、実施例1と同様にして有機ELパネルBを得た。
【0048】
[比較例1]乾燥剤を封止空間容積に対する体積比(占有率)が20%になるように成形した以外は、実施例1と同様にして有機ELパネルCを得た。
【0049】
[実施例3]乾燥剤を封止空間容積に対する体積比(占有率)が40%になるように成形し、乾燥剤と有機EL素子との距離を0.3mmに設定した以外は、実施例1と同様にして有機ELパネルDを得た。
【0050】
[比較例2]乾燥剤を封止空間容積に対する体積比(占有率)が40%になるように成形し、乾燥剤と有機EL素子との距離を0.4mmに設定した以外は、実施例1と同様にして有機ELパネルEを得た。
【0051】
[パネル劣化特性の測定]前述した有機ELパネルA〜Eを温度60℃,湿度90%の条件下で駆動し、経時的な非発光領域の進行度合いを測定した。非発光領域の進行度合いは、有機EL素子周辺の非発光領域幅を所定時間経過毎に測定して初期値との比を求めた。
【0052】
[測定結果]測定結果を下記の表1に示すと共に、図4にグラフ化した(同図(a)は、乾燥剤と有機EL素子との距離が一定のもので、占有率が異なるパネルを比較したグラフであり、同図(b)は、占有率が一定のもので、乾燥剤と有機EL素子との距離が一定のパネルを比較したグラフである。)。
【0053】
【表1】
Figure 2004319245
評価は、占有率(%)又は距離h(mm)の変化割合に対して非発光領域の進行度合いが急変するパネルC及びパネルDを不良(×)と判定した。
【0054】
表1及び図4に示す内容から明らかなように、乾燥剤の占有率(封止空間容積に対する乾燥剤体積の体積比率)が30%以上、又は乾燥剤と有機EL素子との距離が0.3mm以下の場合には、概ね安定した劣化特性を示すが、乾燥剤の占有率が30%未満になるか又は乾燥剤と有機EL素子との距離が0.3mmを越えると劣化の進行が著しくなる傾向が得られた。
【0055】
このことから、乾燥剤の占有率30%以上、又は乾燥剤と有機EL素子との距離が0.3mm以下に設定することで、有機EL素子の劣化特性を鈍化させることが可能になり、実用的な有機ELパネルの寿命を得ることが確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機ELパネルの概要を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法の概要を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る有機ELパネルの劣化特性を示す説明図である。
【符号の説明】
10 有機ELパネル
11 支持基板
12 有機EL素子
13 封止部材
14 乾燥部材
15 接着剤
16 封止空間

Claims (6)

  1. 支持基板上に、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成し、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を貼り合わせた有機ELパネルであって、
    前記支持基板と前記封止部材との間に形成される封止空間内に設けられる乾燥剤の占有体積を、前記封止空間との体積比で30%以上にしたことを特徴とする有機ELパネル。
  2. 前記乾燥剤と前記有機EL素子との距離を0.3mm以下にしたことを特徴とする請求項1に記載された有機ELパネル。
  3. 支持基板上に、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成し、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を貼り合わせた有機ELパネルであって、
    前記支持基板と前記封止部材との間に形成される封止空間内に設けられる乾燥剤と前記有機EL素子との距離を0.3mm以下にしたことを特徴とする有機ELパネル。
  4. 支持基板上に一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成する素子形成工程と、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を前記支持基板に貼り合わせる封止工程とを有する有機ELパネルの製造方法であって、前記封止工程に先立って前記封止部材における前記支持基板の対向面に、前記支持基板と前記封止部材との間に形成される封止空間との体積比が30%以上となる体積の乾燥剤を取り付けることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  5. 前記有機EL素子との距離が0.3mm以下になるように前記乾燥剤を取り付けることを特徴とする請求項4に記載された有機ELパネルの製造方法。
  6. 支持基板上に一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を挟持した有機EL素子を形成する素子形成工程と、該有機EL素子を外気から遮断する封止部材を前記支持基板に貼り合わせる封止工程とを有する有機ELパネルの製造方法であって、前記封止工程に先立って前記封止部材における前記支持基板の対向面に、前記有機EL素子との距離が0.3mm以下になるように乾燥剤を取り付けることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
JP2003111257A 2003-04-16 2003-04-16 有機elパネル及びその製造方法 Pending JP2004319245A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003111257A JP2004319245A (ja) 2003-04-16 2003-04-16 有機elパネル及びその製造方法
KR1020040025175A KR20040090450A (ko) 2003-04-16 2004-04-13 유기 el 패널 및 그 제조 방법
TW093110556A TWI244874B (en) 2003-04-16 2004-04-15 Organic el panel and method for manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003111257A JP2004319245A (ja) 2003-04-16 2003-04-16 有機elパネル及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004319245A true JP2004319245A (ja) 2004-11-11

Family

ID=33471862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003111257A Pending JP2004319245A (ja) 2003-04-16 2003-04-16 有機elパネル及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2004319245A (ja)
KR (1) KR20040090450A (ja)
TW (1) TWI244874B (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
KR20040090450A (ko) 2004-10-25
TWI244874B (en) 2005-12-01
TW200423796A (en) 2004-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6737176B1 (en) Organic electroluminescent device and method for fabricating same
JP4975161B2 (ja) 発光装置の作製方法
KR101245745B1 (ko) Oled 디바이스용 제습 밀봉 장치
KR100496286B1 (ko) 유기 전계 발광 표시 장치 및 이의 제조 방법
US20070172971A1 (en) Desiccant sealing arrangement for OLED devices
TWI397644B (zh) 氣密式密封及製造密封構件的方法
US20090261719A1 (en) Organic electroluminescent apparatus
JPH11329719A (ja) 有機電界発光素子
JP2000195675A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用基板および有機エレクトロルミネッセンス表示素子
US20090174304A1 (en) Hot-melt type member and organic el display panel
JP2004296202A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2002208478A (ja) 電界発光素子
JP2001345175A (ja) 有機el表示装置
US8624490B2 (en) Organic light-emitting device and method of manufacturing the same
US20040189191A1 (en) Organic EL display panel and method of manufacturing the same
US20060138952A1 (en) Sheet-like desiccating member, organic El panel, and organic El panel manufacturing method
JP2004311246A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2009181849A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
KR101265353B1 (ko) 게터 물질의 컨디셔닝 방법
KR20120077403A (ko) 게터패턴이 형성된 유기발광표시장치 및 그 제조방법
JP2007250251A (ja) 光デバイス、および光デバイスの製造方法
JP2000100561A (ja) 有機エレクトロルミネセンス素子
JP2004319245A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2004303425A (ja) 有機elパネル及びその形成方法
JP2006202610A (ja) 自発光パネル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090703