JP4305209B2 - 液滴吐出ヘッドの検査方法、検査装置及び液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの検査方法、検査装置及び液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドの検査方法に関するものである。更に詳しくは、ノズル内の異物有無の検出が可能な検査方法、検査装置、及び液滴吐出ヘッドの構造、並びに液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置に関するものである。
近年、液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドは液滴を発生(吐出)させるためのメカニズムに応じて各種の方式のものが知られている。例えば、ヒータを加熱して液体を沸騰させ、それによって生じる気泡圧で液滴を吐出する形式の液滴吐出ヘッドがある。また、液体を貯留した圧力室に貼り付けられた圧電素子に電圧を印加することにより圧力室の容積を膨張および収縮させて、液滴を吐出する形式の液滴吐出ヘッドがある。さらに、静電気力を利用して液体を貯留した圧力室の容積を変化させて、液滴の吐出を行う形式のものもある。いずれの形式の液滴吐出ヘッドにおいても、圧力室の圧力変動を利用して記録に必要なときにのみ液滴を吐出させるようになっている。
これらの形式の液滴吐出ヘッドは、一般的に、複数のノズルのそれぞれに対応して配置され、圧力変動によって対応するノズルから液滴を吐出させる圧力室と、各圧力室に液体を供給するリザーバと、各圧力室に前記リザーバに連通させている液体供給口とを有している。圧力室、リザーバ、および液体供給口は、平板状の基板を重ね合わせることにより、それらの基板間に平面方向に配列された状態に区画形成される液滴吐出ヘッドの構成が知られている。
液滴吐出ヘッドは、その製造過程においてノズル内に異物が入ることがあった。液滴吐出ヘッドのノズル内に異物が入ることが原因で、液滴の飛行曲がりや適量吐出されないといった不具合が発生していた。このため、液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検査が必要となり、ここでは、液滴吐出ヘッドにインク(以下、吐出液をインクとして記載)を充填する前に、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検査を行なっていた。具体的に、この検査方法は、液滴吐出ヘッドの支持部材側からノズル部に光(この場合、赤外光)を照射して、透過により液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物の有無を検出していた。
ここで、具体的には液滴吐出ヘッドの主な支持部材は、液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインク流路接続部材とヘッドケースとの構成であった。このインク流路接続部材は赤外光が透過しやすいように透明樹脂の部材で形成されていて、インク液滴の吐出側とは反対側に配置されていた。また、ヘッドケースは透明部材ではないものの、この赤外光を透過させやすいように長穴(窓)がノズル周辺部に設けられていた。
つまり、この液滴吐出ヘッドの支持部材の構成によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を検査する時には、液滴吐出ヘッドの液滴の吐出側とは反対側から赤外光を照射して、この赤外光が透明なインク流路接続部材を通過して、さらに、赤外光がヘッドケースに設けられた長穴を通過し、液滴吐出ヘッドのノズル近傍に位置する異物に赤外光が照射されて、この照射された光の強度によって(明・暗)異物の有無を検出する方法であった(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−205382号公報
ところが、この検査方法は液滴吐出ヘッドの吐出側とは反対側から赤外光を照射することによって、異物の有無を検査するので、インク流路接続部材には赤外光を透過する材料を使用する必要があった。このため、インク流路接続部材が透明材料でなければならないので、材料選定に制約があった。しかも、ヘッドケースにこのインク流路接続部材を組み立てる構成になっていたので、構造が簡単にならないという問題と、部品点数を減らせないという不具合があった。つまり、液滴吐出ヘッド支持部材の構造が複雑で、しかも部品点数が多いために、液滴吐出ヘッドが小型化できないという問題があった。さらに、ヘッドケースにインク流路接続部材を組み立てた時に、ヘッドケースとインク流路接続部材との嵌合部分に隙間があるので、この隙間にインクがしみ込む場合があって、この隙間からしみ出したインクの影響で、回路を構成する電気的接続用の基板や、液滴吐出ヘッドを動作させるためのヘッド部材用のフレキシブル基板にインクが付着して、基板をショートさせてしまう恐れがあった。
本発明の目的は、上記課題を解決して、液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物の有無を検出する検査方法、検査装置、及び小型化が可能な液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置を提供することである。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、アクチュエータによって駆動する液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする液滴吐出ヘッドの検査方法であって、前記ノズルから液滴として吐出される液体が収容される吐出室を備え、前記液滴吐出ヘッドに前記ノズル側から光を照射して前記吐出室の内壁面にて前記ノズルを通る経路に反射した反射光から得られる画像を通して、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする異物検査工程を有することを特徴とする。
この発明によれば、光の入射する側がノズル側になるので、インク流路接続部材を透明にしなくても良くなり、しかもヘッドケースとインク流路接続部材とが一体化できる構造になるので、液滴吐出ヘッドの支持構造が簡単になる。従って、液滴吐出ヘッドの小型化が実現できる。しかも、ヘッドケースとインク流路接続部材とが一体化できることで、部品間の隙間が無くなり、インク漏れによって生じる回路基板や、ヘッド部材用のフレキシブル基板のショートの恐れも無くなる。また、ヘッドケースに設けられた光通過用の長穴が不要になる。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、前記吐出室の内壁面には少なくとも前記光の反射する部分に反射膜が設けられていることが望ましい。
この発明によれば、吐出室の内壁面の光の反射率が向上することによって、反射光量が多くなり(検査感度が高くなり)、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を容易に検出することができるので、検出精度が向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、アクチュエータによって駆動する液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする液滴吐出ヘッドの検査方法であって、前記アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と前記第1の基板と接合されて前記ノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドに対し、前記第2の基板にその外側から光を照射した際に、その光を前記ノズルを通る経路で反射させることが可能な斜面部を前記吐出室の内壁面に設けておき、前記第2の基板の外側から前記斜面部を指向して光を照射するとともに、その照射した光が前記斜面部にて反射して前記ノズルを通る経路で出射した反射光から得られる画像を通して、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする異物検査工程を有することを特徴とする。
この発明によれば、吐出室の斜面部の光の反射率が向上することによって、反射光量が多くなり(検査感度が高くなり)、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を容易に検出することができるので、より検出精度が向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、前記吐出室の内壁部分に設けられた斜面部に反射膜を設け、前記異物検査工程では、前記第2の基板の外側から照射した光を前記反射膜にて反射させることによって、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をすることが望ましい。
この発明によれば、吐出室の斜面部の光の反射率がより向上することによって、反射光量が多くなり(検査感度が高くなり)、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を容易に検出することができるので、より検出精度が向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、前記異物検査工程の前に、前記ノズル内及びノズル近傍の異物を除去する異物除去工程を有することが望ましい。
この発明によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を検査する前に異物を除去することができるので、液滴吐出ヘッドの良品率が向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、前記異物除去工程で、レーザー光を照射して、前記ノズル内及びノズル近傍の異物を蒸散させることが望ましい。
この発明によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を検査する前に異物を確実に除去することができるので、液滴吐出ヘッドの良品率がより向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、前記液滴吐出ヘッドの前記光が照射される照射面を光沢低減処理面とし、前記液滴吐出ヘッドに前記光が照射された際に前記吐出室に至る透過光を相対的に増やすようにして、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をすることを特徴とする。
この発明によれば、光の透過量が多くなるので、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検出感度が高まり、検出精度が向上する。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法は、前記ノズルを通る経路で出射した前記反射光から撮像部を介して画像を取得する画像取得工程と、前記取得した画像に画像認識処理を施して前記ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を画像認識する画像認識工程と、前記画像認識した結果に基づき前記液滴吐出ヘッドの前記異物検査に係る良否判定を行う判定工程とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検査を正確に行うことができると同時に、良否判定が確実にできる。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査装置は、
光源と、前記光源からの光を前記吐出室の内壁面で反射した反射光がノズルを通過して出射するように液滴吐出ヘッドのノズル側から照射する光照射角調整部と、前記反射光を通して、ノズルを観察するマイクロスコープと前記ノズルを撮像する撮像部との少なくとも一方と、前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの少なくとも一方を移動させ、検査対象とする前記ノズルを変更すべく、前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの相対位置を変更させる移動部と、前記撮像部によって撮像された画像を表示する表示部とを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、内壁面で反射した反射光がノズルを通過するので、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を容易に検出することが可能な検査装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査装置は、
光源と、前記光源からの光を前記吐出室に設けられた斜面部で反射した反射光が前記ノズルを通過して出射するように液滴吐出ヘッドのノズル側から照射する光照射角調整部と、前記ノズルを観察するマイクロスコープと前記ノズルを撮像する撮像部との少なくとも一方と、前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの少なくとも一方を移動させ、検査対象とする前記ノズルを変更すべく、前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの相対位置を変更させる移動部と、前記撮像部によって撮像されたノズル内及びノズル近傍の異物を表示する表示部とを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、斜面部で反射したより多くの反射光がノズルを通過し、検出感度がより向上するので、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無をより容易に検出することが可能な検査装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査装置は、
光源と、少なくとも前記撮像部を備え、前記撮像部によって撮像された画像に画像認識処理を施して、前記ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を画像認識する画像認識処理部と、前記画像認識処理部の認識結果に基づき、液滴吐出ヘッドの前記異物検査に係る良否判定を行う判定部とを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を自動的に検出することと、良否判定とが可能な検査装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの検査装置は、異物を蒸散することが可能なレーザー光を出射させるレーザー光源を備えていることが望ましい。
この発明によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物を蒸散させて異物を除去するのと、異物の有無の検査とを兼ね備えて行なうことが可能な検査装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と、前記第1の基板と接合されてノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記第2の基板の外側から光を照射して、前記第2の基板の吐出室の内壁面で反射した反射光がノズル部を通過して出射するように、前記内壁面のうち少なくとも前記光が照射される部位に反射膜を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、吐出室の光の反射率が向上することによって、反射光量が多くなり(検査感度が高くなり)、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を容易に検出することができるので、検出精度が向上する液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と、前記第1の基板と接合されてノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出室の内壁部分に、前記第2の基板の外側から光を照射して、前記内壁面で反射した反射光がノズル部を通過して出射するように、当該前記内壁面に斜面部を設け、該斜面部に反射膜を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、斜面部からの光の反射率が向上することによって、反射光がノズル内及びノズル近傍の異物の有無を検出する際の、検出感度のより向上した液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と前記第1の基板と接合されてノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出室の内壁面に、前記第2の基板の外側から光を照射して、前記内壁面で反射した反射光がノズル部を通過して出射するように、当該内壁面に斜面部が設けられ、かつ、前記第2の基板がレーザー光を透過可能な材料からなることを特徴とする。
この発明によれば、レーザー光を照射することによって、ノズル内及びノズル近傍の異物を蒸散させて異物を除去するのと、異物の有無の検査とを兼ね備えて行なうことが可能な液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と前記第1の基板と接合されてノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出室の内壁面に、前記第2の基板の外側から光を照射して、前記内壁面で反射した反射光がノズル部を通過して出射するように、当該内壁面に斜面部が設けられ、かつ、前記第2の基板が光沢低減処理面を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、光が第2の基板に入射する時に、前記第2の基板表面での光の反射を抑えることができるので、光の透過量が多くなることによって、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検出感度が高まり、検出精度が向上することが可能な液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と、前記第1の基板と接合されてノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記第2の基板の外側から光を照射して、前記吐出室の内壁面で反射した反射光がノズル部を通過して出射するように、前記吐出室の内壁部分に設けられた斜面部に、反射膜を備え、かつ、前記第2の基板がレーザー光を透過可能な材料からなることを特徴とする。
この発明によれば、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検出感度が高く、しかも、ノズル内の異物を蒸散させて異物を除去することを兼ね備えて行なうことが可能な液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、前記第2の基板が光の透過光を増やすことが可能な光沢低減処理面を備えていることが望ましい。
この発明によれば、光が第2の基板に入射する時に、前記第2の基板表面での光の反射を抑えることができるので、光の透過量が多くなることによって、ノズル内及びノズル近傍の異物の有無の検出感度が高まり、検出精度が向上することが可能な液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液滴吐出装置は、前述の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であることが望ましい。
この発明によれば、液滴吐出装置は前述の液滴吐出ヘッドを備えているので、小型化が可能な液滴吐出装置を提供できる。
以下、本発明の液滴吐出ヘッドの検査方法、液滴吐出ヘッドの検査装置、及び液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置について実施形態を挙げ、添付図面に沿って詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態としてのインク供給路接続ユニットを含む液滴吐出ヘッドの断面図である。また、図2はインク供給路接続ユニットをノズル方向から見た平面図である。
図1及び図2に示すように、液滴吐出ヘッド1は、インク液滴23を基板の上面に設けたノズル21から吐出させるフェイスインクジェットタイプであり、静電駆動方式のものである。液滴吐出ヘッド1は、ノズルプレート(第2の基板)4、キャビティプレート(第1の基板)3、ガラス基板2が、この順序で重ね合された積層構造をしている。
キャビティプレート3は、例えばシリコン基板であり、図1に示すように、このキャビティプレート3の表面には底壁が振動板5として機能する圧力室6を構成することになる凹部7が形成されている。
この凹部7の後部に設けられたインク供給口8を構成することになる細溝9と、各々の圧力室6にインクを供給するためのインクリザーバ10を構成することになる凹部11とがエッチングによって形成されている。このキャビティプレート3の下面は鏡面研磨によって平滑化されており、ガラス基板2に対する取付け部とされている。
図1及び図2に示すように、このキャビティプレート3の上面(溝形成側の基板表面)に接合されるノズルプレート4において、圧力室6の上面を規定する壁部分には各圧力室6に連通する複数のノズル21が形成されている。この複数のノズル21から液滴23が吐出されることになる。
このノズルプレート4およびキャビティプレート3を相互に重ね合わせることにより、ノズルプレート4とキャビティプレート3との間に、圧力室6、インク供給口8、およびインクリザーバ10とが区画形成される。ここで、この区画形成された圧力室6とインク供給口8とインクリザーバ10とで構成された部分を吐出室という。
キャビティプレート3とガラス基板2及びヘッドケース50の構成において、キャビティプレート3のインクリザーバ10の底面に対応する壁部分にはインク取り入れ口31が形成されている。このインク取り入れ口31はインクリザーバ10とガラス基板2とヘッドケース50とを連通していて、接続パイプ(図示せず)が接続されている。この接続パイプはチューブ(図示せず)を介してインクタンク101(図6を参照)のインク供給源に接続されている。このインクタンク101からインク取り入れ口31を介してインクリザーバ10にインクが供給可能となっている。
ガラス基板2において、各々の振動板5に対峙する部分には、振動室12を構成することになる凹部13が形成されている。この凹部13の底面には、振動板5に対峙する個別電極14が配置されている。
ヘッドケース50には、接着剤注入口51と、注入管52とが設けられており、接着剤溝53には、注入管52を介して、接着剤注入口51から、例えば、注射針が装着されたディスペンサーを用いて、接着剤が注入・充填される。このことにより、液滴吐出ヘッド1がヘッドケース50に固着される。
また、ヘッドケース50の開口部の内側には液滴吐出ヘッド1を挟み込むための爪55が設けられており、液滴吐出ヘッド1の挿入の際に、ヘッドケース50に対して液滴吐出ヘッド1の位置を決め、液滴吐出ヘッド1をヘッドケース50の内部に支持する機能を有している。
ここで、図1に示すように、光源203が第2の基板であるノズルプレート4の外側から光(赤外光)を照射して、この照射光が第2の基板を透過して、第1の基板であるキャビティプレート3に設けられた圧力室6の斜面部で反射して反射光が生じ、この反射光が第2の基板であるノズルプレート4のノズル21を通過して外部へ出射する構成になっている。また、光源203はノズルプレート4の表面に対して約30度の傾きを設けて保持された構成になっている。
光源203から複数ノズル含むよう光を照射させるため、図2に示すように、この出射光が液滴吐出ヘッド1のノズル21を複数個含むように、出射範囲63に出射される。
図3は本実施形態の検査装置250の構成を示す概略図である。ここで、液滴吐出ヘッド1はステージ上に搭載されており、このステージはX、Y、Z方向に移動可能な機能を有している。
これらの各ステージはX方向移動用としてのXステージ207、Y方向移動用としてのYステージ209、Z方向移動用としてのZステージ211の構成となっている。ここで、Xステージ207はX方向に移動可能なXアクチュエータ206を有し、Yステージ209はY方向に移動可能なYアクチュエータ208を有し、Zステージ211はZ方向に移動可能なZアクチュエータ210を有した構成となっている。
図3に示すように、光源203(この場合、2箇所)が光を照射する時に、液滴吐出ヘッド1に対して適度な傾斜角を保持できるように、角度調整部204を有した構成となっている(この場合、光源203が2つの構成であるので、2箇所)。
図3に示すように、液滴吐出ヘッド1のノズル21内の異物の有無を作業者がMS(赤外光マイクロスコープ)202を用いて確認できる構成になっている。この場合、作業者がMS202を覗きこみながら、レンズ200を通過した通過光による画像を確認する。この光量の違いによって、作業者がノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を判断できる構成になっている。
また、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を検査装置250が自動的に検査を行なう場合は、CCDカメラ205にてノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を画像撮影して、画像認識処理部215にて異物の画像認識処理を行ない、その結果を良否判定部216にて良否判定を行なう構成になっている。
また、CCDカメラ205がノズル21内及びノズル21近傍の異物を撮影した結果を表示部212に表示する構成になっている。
また、PC(パーソナルコンピュータ)214は、図3に示すように、制御部201を有し、Xアクチュエータ206、Yアクチュエータ208、Zアクチュエータ210の駆動制御と、光源203、角度調整部204、CCDカメラ205、画像認識処理部215、良否判定部216、表示部212の制御を行なう構成になっている。
図4は本実施形態の検査装置250の検査工程を示すフローチャートである。図4に示すように、検査装置250が液滴吐出ヘッド1の検査を開始することによって、検査が自動的にスタートされる構成になっている。
次に、S11は光源203に外部(図示せず)から通電をされて、液滴吐出ヘッド1に対して光が照射される工程になる。
次に、S12は液滴吐出ヘッド1がレンズ200に対して適正な位置にくるように各ステージのXYZ方向の位置決めを行なう位置調整工程になる。
次に、S13は液滴吐出ヘッド1に対して光源203の傾斜角を適度な角度になるように光入射角を調整する光入射角度調整を行なう工程になる。
次に、S14はCCDカメラを用いて液滴吐出ヘッド1のノズル21内の撮像を行なう工程になる。
次に、S15はこのCCDカメラによってノズル21内を撮像した結果を画像認識処理する工程になる。
次に、S16はこのノズル21内及びノズル21近傍を画像認識処理した結果を基にして、検査ノズルの良否判定を行なう工程になる。
ここで、検査ノズルが良品であれば、次に検査するノズルに移るため、S12〜S16のステップに再度入る(S161)。全てのノズルの検査が終了するまで、前記S12〜S16へのループに入る。そして、液滴吐出ヘッド1内の全てのノズルにおいて検査が終了し、液滴吐出ヘッド1が良品であれば、S163ではOKの表示をする工程になり、逆に不良ノズルが一つでも検出された場合には、不良検出時にS162においてNGの表示を行なう工程になる。このように、検査装置250が検査を終了するとエンドを最後に表示する工程になり、液滴吐出ヘッド1の検査が自動的に終了する構成になっている。
図5はインク供給路接続ユニットを含む液滴吐出ヘッド1の断面図で、図5(a)は従来技術によるところの液滴吐出ヘッド1の断面図であって、図5(b)は本実施形態の液滴吐出ヘッド1の断面図である。
図5(a)に示すように、従来技術は、光源203がヘッド支持構造部の裏側から光が照射される構成になっている。液滴吐出ヘッド1のノズル21内の異物の有無を検査する時には、光源203からの照射光が赤外透過部材を通過し、ガラス基板2とキャビティプレート3とを透過して、ノズルプレート4のノズル21を通過する構成になっている。
この従来技術に対して、本実施形態は図5(b)に示すように、光源203がノズルプレート4の外側から照射される構成になっている。しかも、光源203は斜めに傾いた位置に配置されているので、この照射光はノズルプレート4に対して斜めに照射される。この斜めに照射された光はキャビティプレート3の圧力室6の斜面部で反射して反射光が生じ、この反射光がノズルプレート4のノズル21を通過する構成になっている。
図6は本実施形態の液滴吐出ヘッド1を搭載した液滴吐出装置100(インクジェットプリンタ)の構成例を示す概略斜視図である。液滴吐出装置100は、インクタンク101、キャリッジ102、プラテン103、記録紙104等を備えた構成になっていて、液滴吐出ヘッド1はキャリッジ102に搭載されている。
本実施形態におけるインク供給路接続ユニットを含む液滴吐出ヘッド1、及び検査装置250、並びに液滴吐出装置100の構成は以上のようであって、図1〜図6を参照しながら、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物有無の検査を行なう時の検査方法について説明する。
図6に示すように、液滴吐出装置100は、プラテン103により記録紙104を搬送させつつ、キャリッジ102を移動させて、記録紙104と液滴吐出ヘッド1との相対位置を制御しながら、インクをインクタンク101から供給して、液滴吐出ヘッド1からインク液滴23を吐出させることにより、任意の文字や画像を記録紙104に印刷する。
図1に示すように、光源203から出射された光がノズルプレート4に対して出射される。この出射光が第2の基板であるノズルプレート4を透過して、第1の基板であるキャビティプレート3に照射される。
ここで、圧力室6の斜面部はキャビティプレート3の表面に対して(111)結晶面を形成している。光源203から出射された光がノズルプレート4を透過して、キャビティプレート3に設けられた圧力室6の斜面部の(111)結晶面に対して照射される。
この照射光がキャビティプレート3に設けられた圧力室6の斜面部で反射して、この反射した反射光が第2の基板であるノズルプレート4のノズル21を通過して外部へ出射される。
図2に示すように、光源からの照射光は複数個のノズルを含める範囲で出射されるため、ノズルプレート4のノズル21を通過して外部へ出射された出射光は、液滴吐出ヘッド1のノズル21を複数個含むように、出射範囲63に出射される。
図3及び図4に示すように、液滴吐出ヘッド1は液滴吐出ヘッド検査装置250のXステージ、Yステージ、Zステージ上に搭載されている。ここで、液滴吐出ヘッド検査装置250のスタートが始まると、液滴吐出ヘッド1内のノズル21内及びノズル21近傍の異物の検査が自動的に開始される。S11の工程では、光源203からの光が液滴吐出ヘッド1のノズルプレート4に対して照射される。
次に、S12の工程では、液滴吐出ヘッド1の検査開始ノズル位置に来るように、X、Y、Zの各ステージを移動させてノズル21と光源203との位置をあわせる。これらX、Y、Zの各ステージを移動させる時には、各々のステージに対応するX、Y、Zの各アクチュエータを作動させる。
次に、S13の工程では、液滴吐出ヘッド1のノズル21の中がより観察しやすくなるように、光源203の傾斜角を調整する。この光源203の傾斜角を液滴吐出ヘッド1のノズル21に合わせる時には、角度調整部204を作動させる。このようにして、ノズルプレート4に照射された光は、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部で反射して、この反射光がノズル21を通過する。
次に、S14の工程では、レンズ200を介して通過した反射光をCCDカメラ205を用いて、液滴吐出ヘッド1のノズル21の中を撮像する。この時、ノズル21を通過した反射光の強度(明・暗)によって異物の有無を検出することができる。
次に、S15の工程では、このノズル21の中を撮像した結果を画像認識処理部215にて画像認識処理を行なう。この画像認識処理を行なうことにより、ノズル21内及びノズル21近傍の異物の大きさがわかる。
次に、S16の工程では、この画像認識処理をした結果を基にして、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の良否判定を良否判定部216にて行なう。ここで、あらかじめ異物の無い状態を画像認識しておけば、ノズル21内の異物の良否判定が自動的に行なわれる。
この良否判定の結果、検査ノズルが良品の場合は、都度前記S12〜S16へのループに入り、液滴吐出ヘッド1内の全てのノズルにおいて検査が終了し、液滴吐出ヘッド1が良品であれば、S163の工程でOKの表示を行ない、逆に一つでも不良ノズルが検出された場合には、不良検出時にS162の工程でNGの表示を行なう
以上述べたように、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査が、液滴吐出ヘッド検査装置250の一連の動作によって自動的に終了する。なお、前述では液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査を自動的に行なうことによる事例を挙げたが、これ以外に、作業者がMS202を使用して、検査を行なう方法も含まれるものである。また、図5(a)と(b)には、従来技術と本実施形態を対比した図を示したが、動作説明については省略する。
以上のような第1実施形態では、次のような効果が得られる。
(1)光源203からの光の入射する側がノズルプレート4のノズル21側になるので、液滴吐出ヘッド1の支持構造が簡単に構成できる。このことによって、液滴吐出ヘッド1の支持構造部材であるヘッドケース50とインク流路接続部材60とが一体化できる。従って、液滴吐出ヘッド1の小型化が実現できる。
(2)ヘッドケース50とインク流路接続部材60とが一体化になることで、部品間の隙間が無くなり、インクのシール性能が向上することによって、インク漏れによって生じる回路基板や、ヘッド部材用のフレキシブル基板のショートの恐れが防止できる。
(3)光源203からの光の入射する側がノズルプレート4のノズル21側になるので、ヘッドケース50に設けられた光通過用の穴61が不要になる。
(4)ヘッドケース50の材質が制限されず、安価な材料を選択することが可能となり、よりコストの低い液滴吐出ヘッド1を提供することができる。
従って、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を検査する方法を変更することによって、液滴吐出ヘッド1の小型化が実現できることになる。よって、より小型の液滴吐出装置を提供することができる。また、このような方式の検査方法と検査装置とを提供することができる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、前述の第1実施形態と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を省略する。
図7は、第2実施形態としての液滴吐出ヘッド1の一部を示す断面図である。
ここで、図7に示すように、ノズルプレート4が光沢低減処理面を備え、また、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に反射膜300が設けられた構成になっているのが第1実施形態と大きく異なる点である。
ノズルプレート4は、例えばシリコン基板であり、このノズルプレート4はシリコン基板表面の光の反射光を低減させるようにつや消し状態の面を備えている。このつや消し状態の面を光沢低減処理面(少なくとも鏡面状態ではない面を指す)と呼び、この光沢低減処理面を確保するために、ノズルプレート4の表面はブライトエッチングが施されている。
キャビティプレート3は、例えばシリコン基板であり、このキャビティプレート3には反射膜300が圧力室6の斜面部に設けられており、この反射膜300は金、銀、アルミニウム、銅、ルジウムなどの光の反射率の高い金属材料を採用しており、この反射膜300は圧力室6の斜面部に約100ナノメートルの厚さで形成されている。この反射膜300は、蒸着、スパッタリングなどの薄膜形成技術を採用して形成されている。
本発明の第2実施形態における液滴吐出ヘッド1の構成は以上のようであって、図7を参照しながら、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物有無の検査を行なう時の検査方法について説明する。
光源203から照射された光が光沢低減処理面を備えたノズルプレート4の外側から照射されて、この照射光がノズルプレート4を透過して、この透過光がキャビティプレート3の圧力室6の斜面部に設けられた反射膜300に照射される。この照射された光が反射膜300で反射して反射光が生じ、この反射光がノズル21を通過する。
この反射光がノズル21を通過する時に、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍に有する異物の有無を検査する。
以上のような第2実施形態では、第1実施形態で得られた効果以外に、次のような効果が得られる。
(5)キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に反射膜300を設けたことで、光の反射率が向上して、ノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査感度が高まり、検出精度が向上する検査方法と液滴吐出ヘッド1とを提供することができる。
(6)ノズルプレート4のシリコン基板表面上に、ブライトエッチングが施された光沢低減処理面を備えたことによって、ノズルプレート4の表面からの反射光が減少して、ノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査感度が高まり、検出精度が向上する検査方法と液滴吐出ヘッド1とを提供することができる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、前述の第1実施形態、第2実施形態と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を省略する。
図8は、第3実施形態としての液滴吐出ヘッド1の一部を示す断面図である。
ここで、図8に示すように、本実施形態は、光源203にレーザー光を備えていることが第1実施形態、第2実施形態と大きく異なる点である。
ノズルプレート4は、例えばガラス基板であり、基板表面には第2実施形態と同様に、ブライトエッチングが施されている光沢低減処理面を有している。
キャビティプレート3は、例えばシリコン基板であり、このキャビティプレート3には第2実施形態及び第3実施形態と同様に、反射膜300が圧力室6の斜面部に設けられている。
本発明の第3実施形態における液滴吐出ヘッド1の構成は以上のようであって、図8を参照しながら、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物有無の検査を行なう時の検査方法について説明する。
光源203から照射された光が光沢低減処理面を備えたノズルプレート4の外側から照射されて、このノズルプレート4を透過する。この透過光がキャビティプレート3の圧力室6の斜面部に設けられた反射膜300に照射される。この照射された光が反射膜300で反射して反射光が生じ、この反射光がノズル21を通過する。この時、この光源203にレーザー光を用いる。
この反射光がノズル21を通過する時に、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍に有する異物の有無を検査し、同時に、この反射光がノズル21内及びノズル21近傍に有する異物を除去しながらノズル21を通過する。
以上のような第3実施形態では、第1実施形態、第2実施形態で得られた効果以外に、次のような効果が得られる。
(7)光源203にレーザー光を採用したので、このレーザー光によって、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査と異物の除去とができる。このことによって、液滴吐出ヘッド1の製造工程においてノズル21内及びノズル21近傍に異物が介在していても、このノズル21内及びノズル21近傍の異物をレーザー光を照射することによって、確実に除去できることになり、液滴吐出ヘッド1の良品率がより一層向上する。従って、ノズル21内及びノズル21近傍に異物が存在しにくい液滴吐出ヘッド1を確実に提供することができる。また、このような方式の検査方法と液滴吐出ヘッド1と検査装置250とを提供することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。以下に変形例を示す。
(変形例1)
第1実施形態で、光源203から光をノズルプレート4を透過して、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に照射して、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を検査したが、本発明はこれにこだわるものではない。例えば、液滴吐出ヘッド1の吐出室を構成するキャビティプレート3の圧力室6の別な斜面部とインクリザーバ10との斜面部の少なくとも一方に、光源203からの光を照射するように光源203を配置してもよい。
このようにすれば、反射光が液滴吐出ヘッド1のノズル21を通過可能な位置に光源203を配置することになるので、液滴吐出ヘッド1に設けられたノズル21の位置を自由に変更することができることになり、別な型式の液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を検査することができる。とともに、このような型式の液滴吐出ヘッド1を提供することができる。
(変形例2)
また、第2実施形態で、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に、金、銀、アルミニウム、銅、ルジウムなどの金属薄膜を形成して反射膜300を設けたが、本発明はこれにこだわるものではない。例えば、この圧力室6の斜面部の光の反射率が、キャビティプレート3のシリコン(111)面の光の反射率より高ければよいので、その他の金属薄膜を設けてもよい。
このようにすれば、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部の光の反射率がより向上するので、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無を容易に検出することができる。とともに、反射膜300は、膜の材料を任意に選択することができるので、より安価な材料を選択することが可能になり、このことによって、よりコストの低い液滴吐出ヘッド1を提供することができる。
(変形例3)
また、第2実施形態で、反射膜300は、約100ナノメートルの厚さで形成されていたが、本発明はこれにこだわるものではない。例えば、反射膜300の膜厚が100ナノメートル以下でも、また逆に、以上であってもよい。つまり、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に設けられた反射膜300の光の反射率が、キャビティプレート3のシリコン(111)面の光の反射率より高ければよいので、反射膜300の厚さにこだわらなくてもよい。
このようにすれば、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に設けられた反射膜300の膜厚の変動(バラツキ)を気にすることがなくなるので、キャビティプレート3の圧力室6の斜面部に反射膜300を設けるための薄膜形成工程における品質管理が容易になる。よって、よりコストの低い液滴吐出ヘッド1を提供することができる。
(変形例4)
また、第3実施形態で、ノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査と除去とを目的に光源203にレーザー光を用いたが、本発明はこれにこだわるものではない。例えば、ノズル21内の異物が除去できるのであれば、酸、アルカリ溶液などを採用して、あらかじめノズル21内及びノズル21近傍の異物を除去してから、異物の有無の検査をしてもよい。
このようにすれば、液滴吐出ヘッド1のノズル21内及びノズル21近傍の異物の有無の検査を行なう前に、液滴吐出ヘッド1を酸、アルカリなどの溶液に浸漬することによって、あらかじめノズル21内の異物を除去することができるので、第3実施形態と同様な効果が得られる。
第1実施形態のインク供給路接続ユニットを含む液滴吐出ヘッドの断面図。 インク供給路接続ユニットをノズル方向から見た平面図。 検査装置の構成を示す概略図。 検査工程を示すフローチャート。 液滴吐出ヘッドの断面図。 液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置。 第2実施形態の液滴吐出ヘッドの一部を示す断面図。 第3実施形態の液滴吐出ヘッドの一部を示す断面図。
符号の説明
1…液滴吐出ヘッド、3…キャビティプレート、4…ノズルプレート、6…圧力室、21…ノズル、100…液滴吐出装置、202…MS、203…光源、204…角度調整部、205…CCDカメラ、206…Xアクチュエータ、207…Xステージ、208…Yアクチュエータ、209…Yステージ、210…Zアクチュエータ、211…Zステージ、212…表示部、214…PC、215…画像認識処理部、216…良否判定部、250…検査装置、300…反射膜。

Claims (12)

  1. アクチュエータによって駆動する液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする液滴吐出ヘッドの検査方法であって、
    前記ノズルから液滴として吐出される液体が収容される吐出室を備え、前記液滴吐出ヘッドに前記ノズル側から光を照射して前記吐出室の内壁面にて前記ノズルを通る経路に反射した反射光から得られる画像を通して、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする異物検査工程を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法において、
    前記吐出室の内壁面には少なくとも前記光の反射する部分に反射膜が設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  3. アクチュエータによって駆動する液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする液滴吐出ヘッドの検査方法であって、
    前記アクチュエータを構成する振動板部を有する第1の基板と前記第1の基板と接合されて前記ノズルと吐出室とを形成する第2の基板とを備えた液滴吐出ヘッドに対し、前記第2の基板にその外側から光を照射した際に、その光を前記ノズルを通る経路で反射させることが可能な斜面部を前記吐出室の内壁面に設けておき、前記第2の基板の外側から前記斜面部を指向して光を照射するとともに、その照射した光が前記斜面部にて反射して前記ノズルを通る経路で出射した反射光から得られる画像を通して、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をする異物検査工程を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法において、
    前記吐出室の内壁部分に設けられた斜面部に反射膜を設け、前記異物検査工程では、前記第2の基板の外側から照射した光を前記反射膜にて反射させることによって、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をすることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法において、
    前記異物検査工程の前に、前記ノズル内及びノズル近傍の異物を除去する異物除去工程を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法において、
    前記異物除去工程では、レーザー光を照射して、前記ノズル内及びノズル近傍の異物を蒸散させることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法において、
    前記液滴吐出ヘッドの前記光が照射される照射面を光沢低減処理面とし、前記液滴吐出ヘッドに前記光が照射された際に前記吐出室に至る透過光を相対的に増やすようにして、前記液滴吐出ヘッドのノズル内及びノズル近傍の異物検査をすることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法において、
    前記異物検査工程は、前記ノズルを通る経路で出射した前記反射光から撮像部を介して画像を取得する画像取得工程と、前記取得した画像に画像認識処理を施して前記ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を画像認識する画像認識工程と、前記画像認識した結果に基づき前記液滴吐出ヘッドの前記異物検査に係る良否判定を行う判定工程とを備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査方法。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法に用いられる液滴吐出ヘッドの検査装置において、
    光源と、
    前記光源からの光を前記吐出室の内壁面で反射した反射光がノズルを通過して出射するように液滴吐出ヘッドのノズル側から照射する光照射角調整部と、
    前記反射光を通して、ノズルを観察するマイクロスコープと前記ノズルを撮像する撮像部との少なくとも一方と、
    前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの少なくとも一方を移動させ、検査対象とする前記ノズルを変更すべく、前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの相対位置を変更させる移動部と、
    前記撮像部によって撮像された画像を表示する表示部とを備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査装置。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法に用いられる液滴吐出ヘッドの検査装置において、
    光源と、
    前記光源からの光を前記吐出室に設けられた斜面部で反射した反射光が前記ノズルを通過して出射するように液滴吐出ヘッドのノズル側から照射する光照射角調整部と、
    前記ノズルを観察するマイクロスコープと前記ノズルを撮像する撮像部との少なくとも一方と、
    前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの少なくとも一方を移動させ、検査対象とする前記ノズルを変更すべく、前記マイクロスコープ及び前記撮像部の一方と前記液滴吐出ヘッドとの相対位置を変更させる移動部と、
    前記撮像部によって撮像されたノズル内及びノズル近傍の画像を表示する表示部とを備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査装置。
  11. 請求項9又は請求項10のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの検査装置において、
    光源と、
    少なくとも前記撮像部を備え、
    前記撮像部によって撮像された画像に画像認識処理を施して、前記ノズル内及びノズル近傍の異物の有無を画像認識する画像認識処理部と、
    前記画像認識処理部の認識結果に基づき、液滴吐出ヘッドの前記異物検査に係る良否判定を行う判定部とを備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査装置。
  12. 請求項6に記載の液滴吐出ヘッドの検査方法に用いられる液滴吐出ヘッドの検査装置において、前記光源は異物を蒸散させることが可能なレーザー光を出射させるレーザー光源であることを特徴とする液滴吐出ヘッドの検査装置。
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