JP4304353B2 - 選択的水素化処理に次ぐ分離によるナフタレンの精製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に石炭化学により生じるナフタレン留分の精製方法に関する。
コールタールの蒸留により生じる生成物として、主としてナフタレンを含むナフタレン留分が見出される。しかしながら、さらに限定されないものとして、ベンゾチオフェンのような硫黄含有物質、キノリンのような窒素含有物質、およびフェノール誘導体のような酸素含有物質の存在が注目されるだけでなく、インデンのような不飽和炭化水素も注目される。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】
現在、市場には2つのタイプのナフタレンが存在する。第一タイプは、純度98%を越える「工業用ナフタレン」である。第二タイプは、防虫物質(“ナフタリン”)の合成および製造用に主として使用される“純ナフタレン”である。該物質は、完全に無色でなければならないので、純でなければならない。純度は、99.95%を越えねばならない。硫黄含有量は、実質上ゼロ(数重量ppm)でなければならない。
【0003】
本発明による方法において使用可能なナフタレン留分は、ナフタレン50重量%以上、有利には75%以上、ほとんどの場合85重量%以上含んでよい。さらに該ナフタレン留分は、硫黄5重量%までを示すが、ほとんどの場合1%未満である硫黄含有化合物と、例えばキノリン形態の(1重量%までの)窒素含有化合物と、例えば(1重量%までであるが、ほとんどの場合0.5重量%未満である)インデンのようなモノオレフィンと、(1重量%までであるが、ほとんどの場合0.5重量%未満である)フェノールのような酸素含有化合物とを含む。
【0004】
本発明は、ナフタレン留分、特に「工業用ナフタレン」を得るための石炭化学により生じるナフタレン留分の精製方法に関する。
【0005】
ナフタレン留分の処理方法は、既に存在している。
【0006】
従って、日本特許出願公開JP-05-017376には、低圧(0〜20バール)でのナフタレン水素化方法が記載されており、該方法において、不純物、並びにナフタレンの一部および生成テトラリンの一部は水素化される。
【0007】
別の日本特許出願公開JP-05-085960には、ナフタレン留分の精製方法が記載されており、該精製方法は、Ni・Co・Mo触媒、活性炭上の白金触媒、Pt・Ni・Mo触媒、Pd・アルミナ触媒、CoMo・アルミナ触媒からなる群から選ばれる触媒を用いる、低圧または中圧(0〜20バール)下、100〜300℃での液相第一水素化工程を含む。得られた流出物は、第二工程において、H2 S、NH3 およびエチルベンゼンを除去するために脱ガスされる。次いで、流出物は、無機酸(第三工程)で洗浄され、次いで分離される(第四工程)。こうして得られた流出物は、エチルベンゼンを用いる共沸蒸留により脱水される(第五工程)。残留不純物は、粘土により吸着される(第六工程)。この場合、流出物は、蒸留されてよく(第七工程)、かつ精製ナフタレンを得るために圧縮されてよい(第八工程)。
【0008】
本出願人は、多数の処理工程を必要とする日本特許出願公開JP-05-085960に比して実施が簡単でありかつ日本特許出願公開JP-05-017376におけるよりもナフタレンの高い収率を得ることを可能にするナフタレン留分の処理方法を追求してきた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
提起された本発明は、仕込原料の入念な予備水素化処理を可能にする特別な触媒の使用に基づいて、水素化を制限することにより(テトラリンおよびデカリン量の削減)、硫黄含有不純物、窒素含有不純物、酸素含有不純物およびオレフィン系不純物の最も大きい部分である単一工程を処理から取り除くようにする。これにより、単に結晶化により精製ナフタレンの分離を可能にする選択的水素化処理が構成される。より正確には、本発明は、硫黄含有不純物および/または窒素含有不純物および/または酸素含有不純物および/またはオレフィン系不純物を含むナフタレン留分の処理方法を対象とする。
【0010】
該方法では、第一工程において、ナフタレン留分は、水素の存在下に、少なくとも1つのマトリックスと、少なくとも1つの第VIII族元素と、少なくとも1つの第VI族元素とを含む触媒との接触に付される。
【0011】
該方法は、第一工程で使用される触媒が、第VIII族金属の酸化物に対する第VI族金属の酸化物の重量比1.25〜20で第VIII族および第VI族金属の酸化物を5〜40重量%含み、前記触媒は、BET 比表面積大きくとも220m2 /gと、細孔容積0.35〜0.7ml/gと、細孔平均直径少なくとも10nmとを有し、ナフタレン留分は、温度150〜325℃、全体圧力0.1〜0.9MPa、毎時空間速度0.05〜10h-1で前記触媒との接触に付され、テトラリン収率が10重量%未満になるように、水素/ナフタレンのモル比が0.1〜1.3であること、
また第二工程において、第一工程により生じた流出物の少なくとも一部が、H2 S、NH3 および水から分離されること、
また第三工程において、第二工程により生じた流出物の少なくとも一部が、前記流出物からのナフタレンとテトラリンとの分離を可能にする処理に付されることを特徴とする。
【0012】
テトラリンの再循環が用いられる場合、テトラリン/ナフタレン重量比は0.005〜0.08である。
【0013】
該方法は、連続的三工程を含む。第一工程は、硫黄含有分子形態で存在する硫黄含有量を所望の値に低下させることを目的とする。この場合、硫黄含有分子は、脱硫分子とH2 Sとに転換される。該第一工程では、窒素含有分子は脱窒素化分子およびNH3 に十分に転換される。該第一工程により、オレフィン系分子を水素化することが可能になり、OH基を含む分子を脱ヒドロキシル化することも可能になる。該工程中、触媒および操作条件は、ナフタレンのテトラリンへの水素化を制限して、入念な水素化処理を行うように選択される。従って、本明細書では、テトラリンは、この場合望ましくない反応副生成物として見なされ得る。実質上、テトラリンは生成されない(一般に流出物中5重量%未満、好ましくは3重量%未満)。入念な水素化処理によって、少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも98%の脱硫と、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%の脱窒と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%のオレフィンの水素化と、少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%の脱ヒドロキシル化とが達成される。
【0014】
全体圧力は、0.1MPa(1バール)〜0.9MPa(9バール)、好ましくは0.2MPa(2バール)〜0.9MPa(9バール)、より好ましくは0.2MPa(2バール)〜0.8MPa(8バール)である。反応温度は、150〜325℃、好ましくは200〜320℃、より好ましくは220〜300℃である。毎時空間速度(VVH)は、0.05〜10h-1、好ましくは0.1〜5h-1、より好ましくは0.15〜2h-1である。反応器入口での水素/ナフタレンのモル比は、0.1〜1.3、好ましくは1未満である。第一水素化処理工程で使用される触媒は、有利にはアルミナをベースとする、好ましくはゼオライトを含まない少なくとも1つのマトリックスと、水素化・脱水素化機能を有する少なくとも1つの金属とを含む触媒である。さらに前記マトリックスは、シリカ・アルミナ、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、粘土あるいはこれら酸化物の組合わせを含んでよい。水素化・脱水素化機能は、元素周期表第VIII族の少なくとも1つの金属または金属化合物、例えば特にニッケルおよびコバルトと、第VI族の少なくとも1つの金属または金属化合物(特にモリブデンまたはタングステン)との組合わせにより確保される。第VI族および第VIII族の金属酸化物の総含有量は、5〜40重量%、好ましくは7〜30重量%である。第VIII族の金属(または複数金属)に対する第VI族の(金属または複数金属の金属酸化物で表示される)重量比は、1.25〜20、好ましくは2〜10である。さらに該触媒は、好ましくはリンを含んでよい。酸化リンP2 O5 の濃度で表示されるリン含有量は、15重量%未満、好ましくは10重量%未満である。
【0015】
好ましくは、使用される触媒は、アルミナに担持されたCoMo型である。
【0016】
触媒は、非常に特別な特性を示す:
・触媒がリンを含む場合、BET 比表面積は、大きくとも220m2 /g、さらには200m2 /g未満である。この場合において、好ましい比表面積は大きくとも180m2 /gである。
【0017】
・細孔容積は0.35〜0.7ml/gである。
【0018】
・細孔の平均直径は、少なくとも100オングストローム(10nm)、好ましくは100〜200オングストロームであり、これは、90オングストローム未満の直径の細孔に一致する細孔容積部分が少ない(0〜15%)ことを意味する。
【0019】
第三工程に向かう前に、水素化処理を受けた流出物の少なくとも一部は、生じたH2 S、NH3 およびH2 Oの分子の全部または一部(少なくとも95%およびより好ましくは少なくとも99%)を実質上除去される。これらの分離の実施を可能にするあらゆる方法が、使用可能である。通常、簡単なストリッピング塔が使用される。
【0020】
第三工程は、できるだけ高純度でナフタレンを最も大量に回収することを目的とする。あらゆる分離方法、例えば蒸留が用いられてよい。この場合、ナフタレンの純度は、99.6%程度である。(例えば99.96%を越える)高純度を得るために、溶融帯域での精製方法、特にBEFS PROKEM 社により市販されている登録商標PROAB 方法を用いるのが特に有利である。特にフランス特許FR-2493172により、結晶可能なあらゆる物質の精製方法および装置が知られている。次いで改良された装置(欧州特許出願EP-A-728508 )が、この型の精製に非常に有利に使用できる。これらの特許の教示は、本明細書に含まれている。該第三工程は、先行工程から来る流出物中に含まれるテトラリンおよび他の不純物から主として純ナフタレンを分離する役目を有する。
【0021】
結晶化工程により、水素化およびストリッピング後に得られる混合物の分離が可能になる。純ナフタレンの不純物を構成する成分について高効率を有する方法により、高純度を得ることが可能になる。さらには異なる2つ、3つの工程(例えば蒸留に次ぐ酸抽出、白土処理および気化)を組合わせることが、表3に示される高純度を得るために必要である実使用中の他のプロセスとは異なり、該プロセスは単独で使用される。
【0022】
しかしながら、結晶化工程を蒸留工程よりも先行させることが有利であり、この場合、該方法は実際には4工程で操作が行われる。
【0023】
結晶化工程では、分別溶融技術によるか、あるいは精製工程の向流で供給される精製物質の一部による洗浄技術により、純ナフタレン結晶の洗浄技術を用いてよい。
【0024】
ストリッピング済流出物は、次のように開始される結晶化による処理に付される:結晶化操作は、何ら手動操作を用いない完全自動化装置内で行なわれる。ある種の流体が装置内を流れる。該工程の段階によれば、該流体は、熱交換器を介して交互に加熱あるいは冷却される。最良の制御により、操作に必要なカロリーまたはフリゴリーをナフタレンに正確にもたらすことが可能になる。粗ナフタレンは、結晶器の1つに導入されるために予め溶融され、不活性下に温度降下の法則に付される。これにより、物質の非常に調節された結晶化が誘発される。冷却に応じて、結晶量は、予め決定されたある割合まで増加する。この場合、固体と液体は液排出(ドレン)により分離される。結晶の精製を仕上げるために、
・結晶の部分溶融(発汗sweating)を行なう。結晶は、溶融することにより、液体の残留皮膜(film)に混合される純ナフタレンを生じさせて、残留皮膜を精製する、および
・次第に純粋になる液体による、装置の充満/液排出(ドレン)の繰り返しからなる洗浄を行なう。
【0025】
次いで、残留純結晶の全体溶融段階に移り、さらに装置の液排出(ドレン)に移る。所望の最終純度を有する選ばれた結晶化方法の効率に従って、1つまたは複数の結晶化段階が用いられてよい。
【0026】
一般に、溶融帯域における結晶化方法は、充満された、あるいは一部充満された閉鎖容器内でのナフタレンの結晶化により温度60〜90℃、好ましくは75〜85℃で操作が行われる。該方法は、例えば管の内部で結晶化すべき物質の通流を用いて、あるいは管の内部または外部での薄膜状の流れにより動的に行われてよい。さらに該方法は、例えば物質中に潜在する熱の移送要素を備える、結晶化すべき物質で満たされた設備能力(キャパシティ)で、静的モードで行ってもよい。
【0027】
結晶化方法の性能:溶融帯域における結晶化方法により、ナフタレンの高純度(99〜99.999%)、より一般には99.90%を越える純度に達することが可能になる。
【0028】
通常、テトラリンの収率は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、あるいはより好ましくは3重量%以下である(収率は、水素化処理反応器の出口でのナフタレン重量に対する生成されたテトラリン重量である)。
【0029】
ナフタレン収率を増加させるために、テトラリンの再循環を行うこと、すなわち分離工程後に回収されるテトラリンの全部または一部を出発仕込原料に添加することも可能である。導入されるテトラリン量は、テトラリン/ナフタレン重量比0.005〜0.08である。
【0030】
本出願人により行われた研究業績により、予期しないことではあるが、入念な選択的水素化処理に次ぐ分離の連続操作を使用することにより、非常に高収率で高純度のナフタレンを得ることが可能になることが見出だされるに至った。
【0031】
【発明の実施の形態】
次の実施例は、本発明を例証するが、その範囲を何ら限定するものではない。実施例を、石炭化学型のナフタレン仕込原料について行った。その分析を表1に記載した。
【0032】
【表1】
【0033】
[実施例1: 水素化処理(HDT)に次ぐストリッピングおよび結晶化]
仕込原料の精製を、入念な選択的水素化処理により行い、その後にストリッピング次いで蒸留を行った。
【0034】
水素化処理の操作条件は、次の通りであった:
温度:318℃、全体圧力:0.5MPa(5バール)、水素流量:125リットル/1リットルすなわちモル比0.62およびVVH:1h-1。
【0035】
使用される触媒は、CoOを3重量%とアルミナに担持されたMoO3 を14重量%含んでいた。触媒の比表面積は、210m2 /gであり、細孔の平均直径は110オングストロームであり、細孔容積は0.58ml/gであった。
【0036】
流出物の全体をストリッピングに付して、ガス相でH2 S、NH3 およびH2 Oを除去するようにした。完全に水素化されたインデンが、流出物中に残った。
表2において、このようにして水素化処理およびストリッピング後に得られた流出物の分析をまとめた。次いでストリッピング後に得られた流出物を、PROABD型スタティック結晶化装置内で行われる先に記載した結晶化処理に付した。該結晶化処理では、ナフタレンを精製するために結晶の部分溶融を用いた。予め溶融されたナフタレンを結晶化装置内に導入した。次いで該結晶化装置を、物質の調節された結晶化を誘発させる温度降下に付した。物質の温度が66℃に達した時、母液を排出するために結晶化を中断させた。液排出後、温度を78.5℃まで再上昇させて、結晶の部分溶融を行った。この場合、物質は完全に溶融した。99.96%の最終純度に達するためには、結晶化による第二精製段階が必要であった。該第二精製段階は、上述の操作と同じ操作を有するが、操作温度が異なっていた:
・78℃までの結晶化、次いで母液の排出、
・79.8℃までの結晶の部分溶融、および
・精製物質の全体溶融。
【0037】
さらに、このようにして水素化処理、次いでストリッピング、次いで結晶化後に得られた流出物の分析を表2にまとめた。
【0038】
【表2】
【0039】
選択的水素化処理および結晶化の使用により、非常に十分な品質の物質を得ることが可能になった。硫黄含有量を10重量ppmに低下させた。これは、99.8%を越える水素化脱硫に一致した。純度99.96%および融点80.2℃以上を有して、得られたナフタレンは「純ナフテレン」型であった。
【0040】
[実施例2: 再循環の使用]
先行実施例では、テトラリンを結晶化工程中において除去していたので、最終物質は実質上テトラリンを含まなかった。分離したテトラリンを、反応器の入口に実質上全部再循環した。これにより、表3に示されるように、ナフタレンの収率を改善することが可能になった。
【0041】
表3において、テトラリンの再循環を用いて、あるいは再循環を用いないで得られた結果をまとめた。方法を実施例1に従って開始した。残留留分は、結晶化工程の際に回収したナフタレンではない留分に一致した。
【0042】
【表3】
【0043】
再循環が存在しない場合、ナフタレン収率は97%であった。再循環を用いた場合、ナフタレン収率は99.5%であった。この場合、ナフタレン収率は著しく改善された。テトラリン3.5%を回収した。その約0.5%のパージを行って、3.0%のみを再循環した。このパージは、強制的ではなかったが、非常に高レベルでナフタレン純度を維持する結果になった。
Claims (11)
- 硫黄含有不純物および/または窒素含有不純物および/または酸素含有不純物および/またはオレフィン系不純物を含むナフタレン留分の処理方法であって、第一工程において、ナフタレン留分は、水素の存在下に、少なくとも1つのマトリックスと、少なくとも1つの第VIII族元素と、少なくとも1つの第VI族元素とを含む触媒との接触に付され、
a) 第一工程で使用される触媒は、第VIII族金属の酸化物に対する第VI族金属の酸化物の重量比1.25〜20で第VIII族および第VI族金属の酸化物を5〜40重量%含み、前記触媒は、BET 比表面積大きくとも220m2 /gと、細孔容積0.35〜0.7ml/gと、細孔平均直径少なくとも10nmとを有し、ナフタレン留分は、温度150〜325℃、全体圧力0.1〜0.9MPa、毎時空間速度0.05〜10h-1で前記触媒との接触に付され、テトラリン収率が10重量%未満になるように、水素/ナフタレンのモル比が0.1〜1.3であること、
b) 第二工程において、第一工程により生じた流出物の少なくとも一部が、H2 S、NH3 および水から分離されること、および
c) 第三工程において、第二工程により生じた流出物の少なくとも一部が、前記流出物からのナフタレンとテトラリンとの分離を可能にする処理に付されること、
を特徴とするナフタレン留分の処理方法。 - 第三工程が結晶化により行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 第三工程が、蒸留に次ぐ溶融帯域における結晶化による最終精製により行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 第三工程から分離されたテトラリンの少なくとも一部が、テトラリン/ナフタレン重量比0.005〜0.08で第一工程に再循環されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 第一工程の触媒が、アルミナ、シリカ・アルミナ、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムおよび粘土からなる群から選ばれる少なくとも1つのマトリックスと、コバルトおよびニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1つの第VIII族金属と、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1つの第VI族金属とを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- さらに第一工程の触媒が、リンを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- リン含有量が、(P2 O5 で表示されて)15重量%未満であることを特徴とする、請求項6記載の方法。
- 触媒のBET 比表面積が、大きくとも180m2 /gであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 細孔の平均直径が、10〜20nmであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 第二工程が、ストリッピングにより行われることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
- 溶融帯域における結晶化工程が、99.90%を越えるナフタレン純度を得るために温度60〜90℃で行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
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