JP4302722B2 - 試料冷却装置及びそれを備えた電子線照射型分析/観察装置 - Google Patents

試料冷却装置及びそれを備えた電子線照射型分析/観察装置 Download PDF

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本発明は、試料冷却装置及びそれを備えた電子線照射型分析/観察装置に関し、さらに詳しくは、加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料からなる試料の分析、観察等を行う際に好適に用いられ、この試料に加熱に起因する劣化・損傷等を減少させ、しかも、試料の位置や方向等の自由度を低下させることなく、分析や観察を行うことが可能な試料冷却装置及びそれを備えた電子線照射型分析/観察装置に関するものである。
従来、試料に電子線を照射し、試料を透過、反射または回折する電子線、あるいは試料から発生する2次電子、オージェ電子、特性X線等を検出することにより、試料の形状観察、組成分析、構造解析等を行なう電子線照射型分析/観察装置と称される装置がある。
この電子線照射型分析/観察装置としては、例えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)、電子線プローブX線マイクロアナライザ(Electron Prove x-ray MicroAnalyser:EPMA)、オージェ電子分光装置(Auger Electron Spectroscopy:AES)、電子線回折装置(electron diffractometer)等が挙げられる。
これらの装置では、測定源として電子線を使用するため、試料室内を真空に保つ必要がある。また、SEM、EPMA、AES等において試料の導電性が低い場合には、照射された電子線の電荷が試料面に蓄積される、いわゆるチャージアップと称される現象が生じ、試料の観察不良、分析不良等の不具合が生じる。そこで、真空蒸着法やスパッタ法等を用いて試料の表面に金属や炭素(カーボン)等の導電性物質を成膜したり、試料測定位置に開口部を形成した金属箔で試料を覆うことにより、チャージアップを防止することが行われている。
さらに、電子線が数kV〜数百kVに加速された高エネルギー線であるため、電子線が照射された試料の表面は、電子線のエネルギーにより加熱される。
従来の電子線照射型分析/観察装置においては、測定を行なう場合に発生する熱の影響を如何に防ぐかが重要な点となるが、加熱により劣化・損傷を起こしやすい試料、すなわち樹脂などの有機材料の測定においては、いわゆる電子線損傷と称される試料の劣化、及び試料の劣化に伴う測定精度の低下が生じる。したがって、従来の電子線照射型分析/観察装置は、有機材料の観察・分析を行うには不向きであった。
そこで、有機材料の観察・分析を行うに当たり、試料の加熱を防ぐ方法として、試料に照射する電子線自体のエネルギー量を小さくする方法、すなわち電子線加速電圧を低下させたり、照射電流(照射電子線量)を小さくすることが行われていた。
また、この他の方法としては、真空蒸着法やスパッタ法等を用いて試料の表面に金等の熱伝導性の高い薄膜を成膜する方法、あるいは試料を薄片化する方法等が採られてきた。
また、試料の加熱を防ぐ他の方法として、試料自体を冷却する方法がある。従来から、試料の測定状態を安定化させるために、試料ホルダまたは試料ステージに、加熱ヒータ等の加熱装置、あるいは液体窒素もしくは特殊な低温ガスを用いる冷却装置等を設置して試料を恒温に保つ方法があり、その応用として試料を冷却する方法もある。
一方、水分を含む試料や液状の試料を真空中に保持して測定を行う場合、試料を冷却して水分や液状成分を固化・凍結する方法が採られる。
例えば、電子顕微鏡の場合には、試料ステージまたは試料ホルダにペルチェ素子を設け、このペルチェ素子により試料を冷却して固化・凍結する方法が採られている(特許文献1)。
このペルチェ素子は、一方の面を冷却面とすると、この面に対向する他方の面は発熱面となるという特性を有しており、冷却面側の温度を十分に下げるためには、発熱面側にて発生する熱を十分に放熱させる必要がある。そこで、通常、ペルチェ素子の発熱面側に冷却ファンあるいは放熱フィンを設け、この冷却ファンあるいは放熱フィンにより発生する熱を放熱するようになっている。
ところで、このペルチェ素子は、試料室内が真空であるから空気、すなわち熱移動媒体の流れが発生せず、発熱面側の熱を放熱することができず、したがって、試料を十分に冷却することができない。そこで、このペルチェ素子を試料室の壁面に設け、該ペルチェ素子の発熱面側を試料室の外側の大気中に、冷却面側を試料室内に位置させ、ペルチェ素子の冷却面と試料ホルダとの間を柔軟性を有する熱伝導性部材で接続することにより、試料の冷却を行っている(特許文献2)。
また、試料台にペルチェ素子やヘリウム冷凍機を設けることで試料を間接的に冷却するもの、あるいは試料台に冷却媒体を流動させる冷媒管を設けることで試料を間接的に冷却するものも提案されている(特許文献3)。
特開平10−283962号公報 特開平6−260125号公報 特開2003−194746号公報
ところで、従来の電子線自体のエネルギー量を小さくする方法や熱伝導性の高い薄膜を成膜する方法では、試料を透過、反射、回折する電子線量の低下、試料から発生する2次電子、オージェ電子、特性X線等が減少することによる測定精度の低下や測定不能元素の増加等の問題点があった。また、試料を薄片化する方法では、試料作成に長時間を要する上、薄片化時に試料にダメージが生じる虞がある等の問題点があった。
また、試料を冷却する方法では、試料ホルダまたは試料ステージに冷却装置を設置しているために、この冷却装置に液体窒素もしくは冷却ガスを導入するための配管が必要となり、したがって、装置の構成が複雑になるという問題点があった。また、試料ホルダまたは試料ステージが配管により試料室内に固定されてしまうので、試料ホルダまたは試料ステージを可動させて試料を任意の位置、方向、角度から測定することができないという問題点があった。
また、ペルチェ素子を用いる方法では、冷却面と試料ホルダとの間を熱伝導性を有する部材で接続しているために、試料ホルダが熱伝導性を有する部材により試料室内の所定の位置に固定されてしまい、試料ホルダを可動させることができなくなり、したがって、試料を任意の位置、方向、角度から測定することができなくなるという問題点があった。
さらに、ペルチェ素子の冷却面と試料ホルダとの間を熱伝導性部材で接続したものや試料台に冷媒管を設けたものでは、熱伝導性部材や配管に柔軟性を持たせた様な場合であっても、これらが試料台の動きを制限するので、試料の観察を十分に行うことができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料からなる試料を電子線照射型分析/観察装置を用いて分析、観察等を行なう際に、この試料に照射電子線による加熱に起因する劣化・損傷等を減少させ、試料の位置や方向等の自由度を低下させることなく、分析や観察を行うことができる試料冷却装置及びそれを備えた電子線照射型分析/観察装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、熱伝導性を有するステージの表面に、熱伝導性を有する材料を介して熱伝導性を有するホルダを固定し、さらに、このホルダの表面に前記ステージと反対側の面が試料を保持する保持面とされたペルチェ素子を熱伝導性を有する材料を介して固定すれば、試料が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料に照射電子線による加熱に起因する劣化・損傷等を減少させ、しかも、試料の位置や方向等の自由度を低下させることなく、分析や観察を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の試料冷却装置は、電子線照射により分析や観察を行う試料を冷却する装置であって、熱伝導性を有するステージと、このステージの表面に熱伝導性を有する材料を介して固定され熱伝導性を有するホルダと、このホルダの表面に熱伝導性を有する材料を介して固定され前記ステージと反対側の面が前記試料を保持する保持面とされたペルチェ素子とを備え、このペルチェ素子は、前記保持面を前記試料を冷却する冷却面とすると共に、前記ステージ側の面を発熱面とし、この発熱面から発生する熱を前記ホルダを介して前記ステージに逃がすことを特徴とする。
この試料冷却装置では、熱伝導性を有するステージの表面に熱伝導性を有する材料を介して熱伝導性を有するホルダを固定し、このホルダの表面に熱伝導性を有する材料を介して前記ステージと反対側の面が前記試料を保持する保持面とされたペルチェ素子を固定したことにより、このペルチェ素子の冷却面により前記試料を冷却すると共に、発熱面により発生する熱を前記ホルダを介して前記ステージに逃がす。
これにより、ペルチェ素子の冷却面の温度を下げることが可能になり、試料を効率的に冷却することが可能になる。しかも、この試料が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料は加熱されることなく効率的に冷却され、劣化・損傷が減少する。
また、ステージとペルチェ素子との間に熱伝導性を有するホルダを設けたことにより、ペルチェ素子の発熱面で発生する熱をステージに逃がすことがさらに容易になり、冷却面の温度をさらに下げることが可能となる。
前記ステージは、金属および/またはセラミックスからなることを特徴とする。
この試料冷却装置では、前記ステージを金属および/またはセラミックスとしたことで、ペルチェ素子の発熱面で発生する熱をステージに容易に放熱することが可能となり、冷却面の温度を十分に下げることが可能となる。
前記ホルダは、金属および/またはセラミックスからなることを特徴とする。
この試料冷却装置では、前記ホルダを金属および/またはセラミックスとしたことで、ペルチェ素子の発熱面で発生する熱をホルダを介してステージに逃がすことが可能となり、冷却面の温度を十分に下げることが可能となる。
前記ステージまたは前記ホルダに、前記ペルチェ素子に前記試料を固定する固定部材を設け、この固定部材の少なくとも一部に、導電性及び熱絶縁性を有する材料を用いてなることを特徴とする。
この試料冷却装置では、前記ステージまたは前記ホルダに、前記ペルチェ素子に前記試料を固定する固定部材を設け、この固定部材の少なくとも一部に、導電性及び熱絶縁性を有する材料を用いたことにより、電子線が試料に照射された場合に、試料に蓄積される電荷が固定部材を介して散逸するとともに、ステージまたはホルダからの熱を固定部材により遮断し、この熱が試料に流入するのを防止する。これにより、外部からの熱により試料の冷却が妨げられる虞がなくなる。
前記ステージまたは前記ホルダに、前記ペルチェ素子に前記試料を固定する固定部材を設け、この固定部材と前記試料との間に、導電性及び熱絶縁性を有する材料からなる試料固定用補助具を設けてなることを特徴とする。
この試料冷却装置では、前記ステージまたは前記ホルダに、前記ペルチェ素子に前記試料を固定する固定部材を設け、この固定部材と前記試料との間に、導電性及び熱絶縁性を有する材料からなる試料固定用補助具を設けたことにより、電子線が試料に照射された場合に、試料に蓄積される電荷が試料固定用補助具を介して散逸するとともに、固定部材が設けられているステージまたはホルダからの熱を試料固定用補助具により遮断し、この熱が試料に流入するのを防止する。これにより、外部からの熱により試料の冷却が妨げられる虞がなくなる。
前記ステージまたはホルダに、前記ペルチェ素子を駆動する電池を備えてなることを特徴とする。
この試料冷却装置では、前記ステージまたはホルダに、前記ペルチェ素子を駆動する電池を備えたことにより、外部駆動用電源からペルチェ素子への配線が無くなり、ステージの動きを制限することが無くなり、試料の測定/観察位置、方向、角度をより広い範囲で設定することが可能になる。よって、試料の観察を十分に行うことが可能になる。
本発明の電子線照射型分析/観察装置は、試料室内に、本発明の試料冷却装置を備えてなることを特徴とする。
この電子線照射型分析/観察装置では、試料室内に、本発明の試料冷却装置を備えたことにより、試料が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料を加熱することなく効率的に冷却することが可能になる。これにより、試料に照射電子線による加熱に起因する劣化・損傷が減少し、しかも、試料の位置や方向等の自由度を低下させることなく、分析や観察を行うことが可能になる。
本発明の試料冷却装置によれば、熱伝導性を有するステージと、このステージの表面に熱伝導性を有する材料を介して固定され熱伝導性を有するホルダと、このホルダの表面に熱伝導性を有する材料を介して固定され前記ステージと反対側の面が前記試料を保持する保持面とされたペルチェ素子とを備え、このペルチェ素子の前記保持面側を前記試料を冷却する冷却面とすると共に、前記ステージ側の面を発熱面とし、この発熱面から発生する熱をホルダを介してステージに逃がすので、ペルチェ素子の冷却面の温度を下げることができ、試料を効率的に冷却することができる。
したがって、この試料が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料を加熱することなく効率的に冷却することができ、加熱に起因する劣化・損傷を減少させることができる。
本発明の電子線照射型分析/観察装置によれば、試料室内に、本発明の試料冷却装置を備えたので、試料が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料を加熱することなく効率的に冷却することができる。したがって、試料の加熱に起因する劣化・損傷を減少させることができ、試料の位置や方向等の自由度を低下させることなく、分析や観察を行うことができる。
本発明の試料冷却装置及びそれを備えた電子線照射型分析/観察装置を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「第1の実施形態」
図1は、本発明の第1の実施形態の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、電子線照射により分析や観察を行う電子線照射型分析/観察装置として電子線プローブX線マイクロアナライザ(EPMA)の試料室内に設けられる試料ステージに適用した例である。
図1において、1は試料ステージであり、ステージ2と、このステージ2の表面(一主面)2aに設けられたペルチェ素子3と、ステージ2の表面2aにペルチェ素子3を挟んで設けられた一対の固定アーム(固定部材)4、4とにより構成されている。
ステージ2は、その材質が熱伝導性を有するものであればよく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、黄銅等の金属や合金、または窒化ケイ素等のセラミックス、あるいは金属や合金とセラミックスとの複合材料が好適であるが、EPMAに予め取り付けられている「ステージ」をそのまま使用することも可能である。このステージは、試料を保持するのに十分な強度、チャージアップを防ぐための導電性、真空中に保持可能等の条件をクリアするためにステンレススチール製のブロックで形成されているからである。
また、このEPMAに大きさの異なる複数のステージが備えられている場合には、より大型のステージを用いれば、ステージ2の熱容量を大きくすることができ、したがって、ペルチェ素子3からの熱を吸収し易くなり、ペルチェ素子3に固定される試料5の冷却をより良好に行うことができるので好ましい。
ここで、試料5としては、加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料が用いられる。この有機材料の形態は、フィルム状、シート状、ブロック状等、用途に応じて適宜選択される。
ペルチェ素子3は、一方の面を冷却面とすると、この面に対向する他方の面が発熱面となるという特性を有するもので、例えば、矩形板状のものである。ここでは、ステージ2と反対側の表面(一主面)が試料5を保持する保持面とされ、この保持面が試料5を冷却する冷却面3aとされ、ステージ2側の面が発熱面3bとされている。そして、この発熱面3bから発生する熱がステージ2を介して放熱される様になっている。
このペルチェ素子3の配線6は、一旦ステージ2の側面に設けられたコネクタ7に接続され、このコネクタ7からはステージ2の移動の障害とならない程度に余長を持たせた上で、試料室の壁面に設けられた電気導入部(図示せず)を通して外部の電源に接続されている。
このように、配線6を、一旦コネクタ7に接続した上で電気導入部(図示せず)を通して外部の電源に接続することにより、試料5の取り付けやメンテナンス時に、ステージ2を試料室から取り出す際の取り扱いが容易になる。
なお、この配線6の位置がステージ2の移動の障害とならない場合には、コネクタ7を介さず、直接電気導入部(図示せず)を通して外部の電源に接続した構成としてもよい。また、コネクタ7は、配線6を介さずに直接ペルチェ素子3に接続してもよい。
このペルチェ素子3は、熱伝導性を有する材料を介してステージ2の表面2aに固定されている。
このペルチェ素子3を熱伝導性を有する材料を介してステージ2の表面2aに固定したことにより、ペルチェ素子3をステージ2の表面2aに載置した場合と比べてペルチェ素子3の発熱面で発生する熱をステージ2に逃がすことが可能となり、ペルチェ素子3の冷却面の温度をさらに下げることが可能となる。
この熱伝導性を有する材料としては、単にペルチェ素子3をステージ2の表面2aに載置した場合と比べて熱伝導性がよく、かつ真空中にて揮発、分解が生じないものであればよく、例えば、ペルチェ素子3とステージ2とを接着固定する熱伝導性接着剤が好適である。
この熱伝導性を有する材料は、ペルチェ素子3とステージ2を固定する際に、塑性変形、弾性変形のいずれか、または双方により両者に密着するものであってもよい。また、ペルチェ素子3とステージ2間を固定する際には液状であり、分析/観察時には固化するような熱伝導性材料であってもよい。
固定アーム4は、ペルチェ素子3の冷却面3aに試料5を固定するためのもので、ステージ2の表面2aの中心を挟んで立設された断面円形の棒状の支持部11、11と、これら支持部11、11各々の上端部に設けられ支持部11から中心部に水平に伸びて試料5を上方から押さえて固定するアーム12とにより構成されている。
これら支持部11、11及びアーム12、12は、例えば、ステンレススチール、リン青銅等の金属からなるもので、その一部には、導電性及び熱絶縁性を有する材料が用いられている。
この導電性及び熱絶縁性を有する材料としては、例えば、表面の一部に金属箔を形成したプラスチックやセラミックス等が好適である。
この固定アーム4では、試料5に照射された電子線の電荷をアーム12、12及び支持部11、11により逃がすことができるとともに、固定アーム4が取り付けられているステージ2からの熱が、固定アーム4を介して試料5に流入し、試料5の冷却を妨げることを防止している。これにより、試料5の冷却が妨げられるのを防止することができる。
この試料ステージ1では、ステージ駆動機構(図示せず)によりステージ2を三次元の任意の方向に移動、例えば、X軸方向の移動21、Y軸方向の移動22及びZ軸方向の移動23をさせることができる。
また、ステージ2を、このステージ2の表面に垂直な軸線(Z軸方向に平行な軸線)の回りに回転24させることができる。さらに、このステージ2を、このステージ2の表面内の1つの軸線を中心として傾斜25させることもできる。このように、ステージ2を試料室内にて任意の方向に移動、傾斜、回転させることが可能になるので、試料5を任意の位置、方向、角度から分析/観察することができる。
この様に、従来の液体窒素などを用いた試料5の冷却装置では、ステージ2と液体窒素などの導入部を結ぶ配管により、ステージ2が試料室内に固定されていたのに対し、ペルチェ素子3を用いた本実施形態では、ペルチェ素子3と試料室の壁面に設けられた電気導入部の間を柔軟で変形可能な電気配線で結ぶのみとしたことにより、試料ステージ1を任意の方向に移動、傾斜、回転させることを可能にしたものである。
また、ペルチェ素子3から発生する熱を、ペルチェ素子3が固定されているステージ2に吸収させることにより、従来の様に試料室壁面にペルチェ素子3とステージ2を結ぶ熱伝導性を有する部材を用いる必要もなく、ステージ2を容易に移動、傾斜、回転させて試料5を任意の位置、方向、角度から測定することが可能になる。
この試料ステージ1によれば、ステージ2の表面2aにペルチェ素子3を設け、このペルチェ素子3の冷却面3aにより試料5を冷却すると共に、発熱面3bにより発生する熱をステージ2に逃がすので、ペルチェ素子3の冷却面3aの温度を下げることができ、試料5を効率的に冷却することができる。しかも、この試料5が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料5を加熱することなく効率的に冷却することができるので、この試料5の加熱に起因する劣化・損傷を減少させることができる。
また、ペルチェ素子3を熱伝導性を有する材料を介してステージ2に固定したので、ペルチェ素子3の発熱面3bで発生する熱をステージ2に容易に逃がすことができ、冷却面3aの温度をさらに下げることができる。
また、ステージ2の表面2aに試料5を保持するペルチェ素子3を挟んで固定アーム4、4を設け、固定アーム4、4の少なくとも一部に導電性及び熱絶縁性を有する材料を用いたので、電子線が試料5に照射された場合に、試料5に蓄積される電荷を固定アーム4、4を介してステージ2に逃がすとともに、ステージ2からの熱が固定アーム4、4を介して試料5に流入し、試料の冷却を妨げることを防止することができる。
このEPMAでは、試料室内に試料ステージ1を備えたので、試料5が加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料であっても、この試料5を加熱することなく効率的に冷却することができる。したがって、試料5に加熱に起因する劣化・損傷が減少し、しかも、試料の位置や方向等の自由度を低下させることなく、分析や観察を行うことができる。
「第2の実施形態」
図2は、本発明の第2の実施形態の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、本実施形態の試料ステージ31が第1の実施形態の試料ステージ1と異なる点は、第1の実施形態の試料ステージ1では、ステージ2の表面2aに直接、ペルチェ素子3と固定アーム4、4を設けたのに対し、本実施形態の試料ステージ31では、ステージ2の表面2aに矩形板状のホルダ32を設け、このホルダ32の表面32aにペルチェ素子3及び固定アーム4、4を設けた点である。
このホルダ32は、その材質が熱伝導性の大きいものであればよく、例えば、銅、アルミニウム等の金属、あるいはこれらの金属にマグネシウムを添加した合金等が好適である。
さらに、液体を金属材中に封入した熱伝導材等を用いてもよい。
また、このホルダ32自体の熱容量を大きくすれば、ペルチェ素子3の発熱面側で発生する熱をより多く吸収することができるので、より好ましい。したがって、ホルダ32の寸法や形状は、測定の障害にならない範囲で大きい形状が好ましい。
このホルダ32は、熱伝導性を有する材料を介してステージ2に固定されている。また、ペルチェ素子3は、同様の熱伝導性を有する材料を介してホルダ32に固定されている。この熱伝導性を有する材料は、第1の実施形態の熱伝導性を有する材料と同様である。
これにより、ペルチェ素子3の発熱面で発生する熱を、このホルダ32を介してステージ2に容易に逃がすことが可能となり、冷却面の温度を十分に下げることが可能になる。
このペルチェ素子3の配線6は、一旦ホルダ32の側面に設けられたコネクタ7に接続され、このコネクタ7からはホルダ32及びステージ2の移動の障害とならない程度に余長を持たせた上で、試料室の壁面に設けられた電気導入部(図示せず)を通して外部の電源に接続されている。
ここでは、配線6をホルダ32の側面に設けられたコネクタ7を介して外部の電源に接続したが、第1の実施の形態と同様、コネクタ7は、ホルダ32の側面に設けてもよく、ペルチェ素子3に直接接続してもよい。また、コネクタ7を省いた構成としてもよい。
この試料ステージ31によれば、ステージ2の表面2aに矩形板状のホルダ32を設け、このホルダ32の表面32aにペルチェ素子3及び固定アーム4、4を設け、このペルチェ素子3の冷却面3aにより試料5を冷却すると共に、発熱面3bにより発生する熱を熱容量の大きいホルダ32を介してステージ2に逃がすので、ペルチェ素子3の冷却面3aの温度をさらに下げることができ、試料5をさらに効率的に冷却することができる。
また、ペルチェ素子3を熱伝導性を有する材料を介してホルダ32に固定し、このホルダ32を熱伝導性を有する材料を介してステージ2に固定したので、ペルチェ素子3の発熱面3bで発生する熱をホルダ32を介してステージ2に容易に逃がすことができ、冷却面3aの温度をさらに下げることができる。
また、ホルダ32の表面32aに試料5を保持するペルチェ素子3を挟んで固定アーム4、4を設けたので、電子線が試料5に照射された場合に、試料5に蓄積される電荷を固定アーム4、4及びホルダ32を介してステージ2に逃がすとともに、ステージ2からの熱がホルダ32及び固定アーム4、4を介して試料5に流入し、試料の冷却を妨げることを防止することができる。
「第3の実施形態」
図3は、本発明の第3の実施形態の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、本実施形態の試料ステージ41が第1の実施形態の試料ステージ1と異なる点は、第1の実施形態の試料ステージ1では、ステージ2の表面2aに1つのペルチェ素子3を設けたのに対し、本実施形態の試料ステージ41では、ステージ2の表面2aに、複数個のペルチェ素子42〜44を、これらペルチェ素子42〜44それぞれの占有面積がステージ2側から試料5側に向かって順次狭くなるように重ね合わせた点である。
これらペルチェ素子42〜44は、熱伝導性を有する材料を介して互いに固定され、また、ペルチェ素子42は、同様の熱伝導性を有する材料を介してステージ2の表面2aに固定されている。この熱伝導性を有する材料は、第1の実施形態の熱伝導性を有する材料と同様である。
この試料ステージ41では、ペルチェ素子42〜44のうちより小型のものが試料5側になるように重ね合わせたので、試料5を冷却する小型のペルチェ素子44の発熱面側で発生する熱を、より大型のペルチェ素子42、43を用いて冷却することが可能になる。これにより、冷却面側の温度をさらに下げることが可能になる。
このペルチェ素子42〜44の配線6a〜6fは、一旦ステージ2の側面に設けられたコネクタ45に接続され、このコネクタ45からはステージ2の移動の障害とならない程度に余長を持たせた上で、試料室の壁面に設けられた電気導入部(図示せず)を通して外部の電源に接続されている。
ここでは、配線6a〜6fを並行状態でコネクタ45を介して外部の電源に接続したが、ペルチェ素子42〜44と電源の電力容量を考慮した上で、これらのペルチェ素子42〜44を試料ステージ41上で直列接続または並列接続して外部と接続する配線を一対の配線6、6のみとし、これらの配線6、6をコネクタ45を介して外部の電源に接続すれば、試料ステージ41と外部の電源との間を接続する配線数を減ずることができる。
この試料ステージ41によれば、ステージ2の表面2aに、複数個のペルチェ素子42〜44を、これらペルチェ素子42〜44それぞれの占有面積がステージ2側から試料5側に向かって順次狭くなるように重ね合わせたので、試料5を冷却する小型の(占有面積が狭い)ペルチェ素子44の発熱面側で発生する熱を、より大型のペルチェ素子42、43を用いて冷却することができる。したがって、冷却面側の温度をさらに下げることができる。
「第4の実施形態」
図4は、本発明の第4の実施形態の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、本実施形態の試料ステージ51が第1の実施形態の試料ステージ1と異なる点は、第1の実施形態の試料ステージ1では、固定アーム4を構成する金属からなる支持部11、11及びアーム12、12の一部に導電性及び熱絶縁性を有する材料を用いたのに対し、本実施形態の試料ステージ51では、固定アーム(固定部材)52を構成する支持部53、53及びアーム54、54を、例えば、ステンレススチール、リン青銅等の金属とし、ステージ2の表面2aにて支持部53を固定するリング状の固定部55、55を導電性及び熱絶縁性を有する材料、例えば、表面の一部に金属箔を形成したプラスチックやセラミックス等により構成した点である。
この試料ステージ51では、電子線が試料5に照射された場合に、試料5に蓄積される電荷が支持部52、52及びアーム53、53を介して散逸するとともに、ステージ2からの熱を固定部55、55により遮断する。これにより、ステージ2からの熱が試料に流入し、試料の冷却を妨げることを防止する。
この試料ステージ51によれば、固定アーム52を構成する支持部53、53及びアーム54、54を金属により構成し、ステージ2の表面2aにて支持部53を固定するリング状の固定部55、55を導電性及び熱絶縁性を有する材料により構成したので、電子線が試料5に照射された場合に、この試料5に蓄積される電荷を効率的に散逸させることができる。また、ステージ2からの熱を固定部55、55により遮断するので、この熱が試料5に流入するのを防止することができる。したがって、外部からの熱により試料5の冷却が妨げられる虞がなくなる。
「第5の実施形態」
図5は、本発明の第5の実施形態の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、本実施形態の試料ステージ61が第1の実施形態の試料ステージ1と異なる点は、第1の実施形態の試料ステージ1では、固定アーム4を構成する金属からなる支持部11、11及びアーム12、12の一部に導電性及び熱絶縁性を有する材料を用いたのに対し、本実施形態の試料ステージ61では、固定アーム(固定部材)52を構成する支持部53、53及びアーム54、54を、例えば、ステンレススチール、リン青銅等の金属とし、アーム54、54と試料5との間に、導電性及び熱絶縁性を有する材料からなる試料固定用補助具62を設けた点である。
この試料固定用補助具62は、熱絶縁性を有するプラスチックからなる円板63の中央部に測定用の開口64が形成され、この開口64の周縁部に導電性を付加するためのリング状の金属箔65が形成され、この金属箔65の一部は外側に向かって帯状に延びる金属箔片66とされ、アーム54に接触するようになっている。
この試料ステージ61では、電子線が試料5に照射された場合に、試料5に蓄積される電荷が試料固定用補助具62、支持部52、52及びアーム53、53を介して散逸するとともに、ステージ2からの熱を試料固定用補助具62により遮断する。これにより、ステージ2からの熱が試料5に流入し、試料5の冷却を妨げることを防止する。
この試料ステージ61によれば、固定アーム52を構成する支持部53、53及びアーム54、54を金属により構成し、アーム54、54と試料5との間に導電性及び熱絶縁性を有する材料からなる試料固定用補助具62を設けたので、電子線が試料5に照射された場合に、この試料5に蓄積される電荷を効率的に散逸させることができる。また、ステージ2からの熱を試料固定用補助具62により遮断するので、この熱が試料5に流入するのを防止することができる。したがって、外部からの熱により試料5の冷却が妨げられる虞がなくなる。
「第6の実施形態」
図6は、本発明の第6の実施形態の電池内蔵型の試料ステージ(試料冷却装置)を示す一部破断斜視図であり、本実施形態の試料ステージ71が第1の実施形態の試料ステージ1と異なる点は、第1の実施形態の試料ステージ1では、ペルチェ素子3の配線6をステージ2の側面に設けられたコネクタ7を介して外部の電源に接続したのに対し、本実施形態の試料ステージ71では、例えば、ステンレススチール製のブロックで形成されたステージ72の内部に密閉型の電池ケース73を設け、この電池ケース73にペルチェ素子3を駆動する電池74を収納し、この電池74にペルチェ素子3の配線6を直接接続し、電池内蔵型とした点である。
この電池ケース73は、例えば、蓋75をOリング等のパッキン材(図示略)を介してネジ76止めすることで、内部に収納された電池74を大気圧もしくはそれに近い状態に保つことが可能である。よって、この試料室を真空にした場合においても、電池74を大気圧もしくはそれに近い状態に保つことで、液漏れ等の電池の破損を防止するようになっている。
この試料ステージ71によれば、試料ステージ71にペルチェ素子3を駆動する電池74を内蔵したので、ペルチェ素子3から試料室の壁面に設けられた電気導入部を通して外部の電源に接続するための配線を無くすことができる。したがって、ステージ72の動きを制限することが無くなり、試料5の測定/観察位置、方向、角度をより広い範囲で設定することができ、その結果、試料5の観察を十分に行うことができる。
ここでは、ペルチェ素子3の配線6を電池74に直接接続したが、この電池ケース73内に電池74の他、DC−DCコンバータ等の電源回路を設ければ、電池74の出力能力とペルチェ素子3の要求能力との差を補正したり、ペルチェ素子3への印加電圧を安定化することができる。
「第7の実施形態」
図7は、本発明の第7の実施形態の太陽電池型の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、本実施形態の試料ステージ81が第6の実施形態の試料ステージ71と異なる点は、第6の実施形態の試料ステージ71では、ステージ72の内部に設けられた密閉型の電池ケース73内の電池74にペルチェ素子3の配線6を直接接続したのに対し、本実施形態の試料ステージ81では、ステージ72の側面に太陽電池82を密着させ、試料室内かつ太陽電池82の照射領域82a上に、この照射領域82aに太陽電池82の特性に合った波長の光のみを選択照射する波長選択フィルタ(調整手段)83を介して光を照射する太陽電池駆動用光源84を設けた点である。
この試料ステージ81では、光源駆動機構(図示略:調整手段)により太陽電池駆動用光源84を三次元の任意の方向に移動、例えば、X軸方向の移動85、Y軸方向の移動86及びZ軸方向の移動87をさせることにより、太陽電池駆動用光源84からの照射位置を、ステージ72の動きに合わせて移動できるようになっている。
また、太陽電池82をステージ72の側面に密着させることで、太陽電池82からの熱をステージ72を介して放熱するようになっている。
この試料ステージ81によれば、ステージ72の側面に太陽電池82を密着させ、この太陽電池82の照射領域82a上に波長選択フィルタ83を介して太陽電池駆動用光源84を設けたので、ペルチェ素子3から試料室の壁面に設けられた電気導入部を通して外部の電源に接続するための配線を無くすことができる。したがって、ステージ72の動きを制限することが無くなり、試料5の測定/観察位置、方向、角度をより広い範囲で設定することができ、その結果、試料5の観察を十分に行うことができる。
また、太陽電池駆動用光源84を三次元の任意の方向に移動することにより、太陽電池駆動用光源84からの光が太陽電池82の照射領域82aに効率よく照射されるので、太陽電池駆動用光源84からの光により試料ステージ81が加熱されるのを防止することができる。
なお、本実施形態においては、光源駆動機構(図示略)により太陽電池駆動用光源84を三次元の任意の方向に移動する構成としたが、太陽電池駆動用光源84を固定し、この太陽電池駆動用光源84とステージ72との間に可動ミラーを設け、この可動ミラーを駆動することにより、太陽電池駆動用光源84からの照射位置をステージ72の動きに合わせて移動する構成としてもよい。
また、太陽電池82をステージ72の側面に密着させる構成としたが、太陽電池82とステージ72の側面との間に、熱伝導性を有する板やシートを設けてもよい。
また、調整手段として挙げた上記の波長選択フィルタ83、光源駆動機構及び可動ミラーは、必ずしも必須の構成要件ではなく、太陽電池駆動用光源84、太陽電池82の波長特性、太陽電池駆動用光源84と試料ステージ72との位置関係等を考慮して適宜選択使用することができる。例えば、波長選択フィルタ83のみを用いた構成としてもよく、光源駆動機構または可動ミラーのみを用いた構成としてもよく、あるいは、これらを全く用いない構成としてもよい。
さらに、太陽電池82にDC−DCコンバータ等の電源回路(制御手段)を設ければ、太陽電池82の出力能力とペルチェ素子3の要求能力との差を補正したり、ペルチェ素子3への印加電圧を安定化することができる。
また、太陽電池82または太陽電池駆動用光源84に、太陽電池駆動用光源84の照射光量を制御する照射光量制御装置(制御手段)を設ければ、太陽電池駆動用光源84の照射光量を制御することができ、太陽電池82の起電力を制御することができる。
この電源回路は、回路内のコンデンサ等が真空中あるいは減圧下で破裂するのを防止するために、密閉容器等に収納することが好ましい。
「第8の実施形態」
図8は、本発明の第8の実施形態の太陽電池型の試料ステージ(試料冷却装置)を示す斜視図であり、本実施形態の試料ステージ91が第7の実施形態の試料ステージ81と異なる点は、第7の実施形態の試料ステージ81では、試料室内かつ太陽電池82の照射領域82a上に、波長選択フィルタ83を介して光を照射する太陽電池駆動用光源84を設けたのに対し、本実施形態の試料ステージ91では、試料室内かつ太陽電池82の照射領域82a上に、ステージ72とは熱的に遮断され中央部に開口92が形成された遮光板(調整手段)93を設け、この遮光板93により照射領域82a以外の光を遮断した点である。
この試料ステージ91では、遮光板93により、太陽電池駆動用光源84から出射される光のうち照射領域82a以外の領域の光を遮断することにより、太陽電池駆動用光源84からの光は太陽電池82の照射領域82aに効率よく照射される。これにより、太陽電池駆動用光源84からの光により試料ステージ91が加熱される虞が無くなる。
この試料ステージ91によれば、ステージ72の側面に太陽電池82を密着させ、この太陽電池82の照射領域82a上に遮光板93を介して太陽電池駆動用光源84を設けたので、ペルチェ素子3から試料室の壁面に設けられた電気導入部を通して外部の電源に接続するための配線を無くすことができる。したがって、ステージ72の動きを制限することが無くなり、試料5の観察を十分に行うことができる。
なお、第7の実施形態と同様、太陽電池82と太陽電池駆動用光源84との間に波長選択フィルタ83を設けた構成としてもよい。
この構成によれば、太陽電池82の発熱をより抑えることができ、その結果、試料ステージ91の加熱をより抑えることができる。
なお、本発明の第1〜第8の実施形態では、本発明の試料冷却装置を電子線プローブX線マイクロアナライザ(EPMA)に適用した例について説明したが、本発明の試料冷却装置は、加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料を分析/観察するあらゆる装置に対して適用可能であり、上述したEPMAの他、走査型電子顕微鏡(SEM)、オージェ電子分光装置(AES)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)、電子線回折装置等に対しても同様に適用することができる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)では、検出、測定する電子線は試料を透過した電子線であるから、上述した試料ステージを電子線が透過できる構造とすることにより、同様に適用することができる。
本発明の試料冷却装置は、熱伝導性を有するステージと、このステージの一主面に設けられ該ステージと反対側の一主面が試料を保持する保持面とされたペルチェ素子とを備え、このペルチェ素子の前記保持面側を前記試料を冷却する冷却面とすると共に、前記ステージ側の一主面側を発熱面とし、この発熱面から発生する熱を前記ステージを介して逃がす様にしたものであるから、加熱により劣化・損傷が生じ易い樹脂等の有機材料を分析/観察する際に非常に効果的であり、その産業的利用価値は非常に大きなものである。
本発明の第1の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態の試料ステージを示す一部破断斜視図である。 本発明の第7の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。 本発明の第8の実施形態の試料ステージを示す斜視図である。
符号の説明
1 試料ステージ
2 ステージ
2a 表面
3 ペルチェ素子
3a 冷却面
3b 発熱面
4 固定アーム
5 試料
6、6a〜6f 配線
7 コネクタ
11 支持部
12 アーム
21 X軸方向の移動
22 Y軸方向の移動
23 Z軸方向の移動
24 回転
25 傾斜
31 試料ステージ
32 ホルダ
32a 表面
41 試料ステージ
42〜44 ペルチェ素子
45 コネクタ
51 試料ステージ
52 固定アーム
53 支持部
54 アーム
55 固定部
61 試料ステージ
62 試料固定用補助具
63 円板
64 開口
65 金属箔
66 金属箔片
71 試料ステージ
72 ステージ
73 電池ケース
74 電池
75 蓋
76 ネジ
81 試料ステージ
82 太陽電池
82a 照射領域
83 波長選択フィルタ
84 太陽電池駆動用光源
85 X軸方向の移動
86 Y軸方向の移動
87 Z軸方向の移動
91 試料ステージ
92 開口
93 遮光板

Claims (7)

  1. 電子線照射により分析や観察を行う試料を冷却する装置であって、
    熱伝導性を有するステージと、このステージの表面に熱伝導性を有する材料を介して固定され熱伝導性を有するホルダと、このホルダの表面に熱伝導性を有する材料を介して固定され前記ステージと反対側の面が前記試料を保持する保持面とされたペルチェ素子とを備え、
    このペルチェ素子は、前記保持面を前記試料を冷却する冷却面とすると共に、前記ステージ側の面を発熱面とし、この発熱面から発生する熱を前記ホルダを介して前記ステージに逃がすことを特徴とする試料冷却装置。
  2. 前記ステージは、金属および/またはセラミックスからなることを特徴とする請求項1記載の試料冷却装置。
  3. 前記ホルダは、金属および/またはセラミックスからなることを特徴とする請求項1または2記載の試料冷却装置。
  4. 前記ステージまたは前記ホルダに、前記ペルチェ素子に前記試料を固定する固定部材を設け、
    この固定部材の少なくとも一部に、導電性及び熱絶縁性を有する材料を用いてなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の試料冷却装置。
  5. 前記ステージまたは前記ホルダに、前記ペルチェ素子に前記試料を固定する固定部材を設け、
    この固定部材と前記試料との間に、導電性及び熱絶縁性を有する材料からなる試料固定用補助具を設けてなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の試料冷却装置。
  6. 前記ステージまたはホルダに、前記ペルチェ素子を駆動する電池を備えてなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の試料冷却装置。
  7. 試料室内に、請求項1ないし6のいずれか1項記載の試料冷却装置を備えてなることを特徴とする電子線照射型分析/観察装置。
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