JP2017016810A - 荷電粒子線装置、および試料ホルダの温度制御方法 - Google Patents

荷電粒子線装置、および試料ホルダの温度制御方法 Download PDF

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大介 松家
Daisuke Matsuka
大介 松家
信行 牧
Nobuyuki Maki
信行 牧
浩之 鈴木
Hiroyuki Suzuki
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Abstract

【課題】本発明の目的は、広い可動範囲を持ち、取得画像に乱れを生じさせず、真空の試料室内において試料を冷却できるステージを提供することに関する。【解決手段】本発明は、試料ホルダを固定する試料台と、当該試料台を移動させるテーブルを有するステージを備えた荷電粒子線装置であって、ステージが、冷媒により冷却された冷却部を有し、試料台およびテーブルの少なくとも一部を当該冷却部と接触させることにより試料ホルダを冷却するものに関する。本発明によれば、冷媒輸送管などによりステージの可動範囲が制約されることがなく、冷却部の振動がステージに伝搬することを防ぐことができ、試料室内を真空に維持しつつステージ上の試料を冷却できる。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いて試料の観察や加工する荷電粒子線装置に関し、特に試料冷却機能を備えたステージに関する。
荷電粒子線装置は、内部を真空にした試料室内に配置される試料ホルダに試料を置き、電子線などの荷電粒子線を照射し、試料から発生する二次電子や反射電子などを検出することにより、試料表面の拡大画像の取得や、試料の分子構成などの分析を行う装置である。また、試料ホルダは試料台に固定され、パルスモータやピエゾ素子などにより構成されるステージで移動される。ステージは、通常5軸の微動機構を備える。
荷電粒子線装置において、熱に弱い試料に荷電粒子線を照射し続けると、試料の温度が上昇し、試料の組織や構造が変化してしまう。また、荷電粒子線装置の周囲温度の変化により、試料や試料ホルダが熱膨張して、電子源の照射位置と試料の位置がずれてしまう。そして、生体試料については、試料を凍結して観察する手法が用いられている。これは、上述のとおり、荷電粒子線装置では内部を真空にした試料室内に試料を置く必要があり、生体試料を真空に置くことにより、生体試料内部の水分が蒸発して生体試料の構造などが大幅に変化してしまうことを避けるためである。
特開平6−290728号公報(特許文献1)では、試料室外から試料室内の試料台まで冷媒輸送管を設け、試料台内に冷媒を循環させて試料台の温度を下げ、試料を冷却する試料冷却装置が記されている。
特開2012−33335号公報(特許文献2)では、試料室外に冷却部を持ち、冷却部と試料台を冷熱伝導体で接続して試料台の温度を下げ、試料を冷却するイオンミリング装置が記されている。
特開2000−277045号公報(特許文献3)では、試料室内に置かれた冷却部と、試料台の一端を常時接触させることにより試料台の温度を下げ、試料を冷却する走査電子顕微鏡装置が記されている。
特開平6−290728号公報 特開2012−33335号公報 特開2000−277045号公報
本願発明者が、凍結試料を、広範囲、高精度、および長時間観察することについて鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
試料台まで冷媒輸送管を設ける特許文献1では、ステージの動作は冷媒輸送管の長さや最小曲げ角により制約される。特に試料台の回転は、冷媒輸送管の取り回しが難しくなり、繰り返し使用時の耐久性も要求されるため、実現することは困難である。
冷却部と試料台を冷熱伝導体で接続する特許文献2では、熱伝導率が断面積に比例するため、接触する冷熱伝導体や金属の断面積を増やす必要がある。しかしながら、断面積を増やすと金属は変形し難くなるため、冷却性能の向上と、ステージの広い可動範囲を両立できない。
冷却部と試料台の一端を常時接続する特許文献3では、冷媒の沸騰現象や、冷媒の脈動などにより冷却部で振動が発生する。そして、冷却部に接触している試料台の振動により、取得画像に乱れが生じてしまう。
本発明の目的は、広い可動範囲を持ち、取得画像に乱れを生じさせず、真空の試料室内において試料を冷却できるステージを提供することに関する。
本発明は、試料ホルダを固定する試料台と、当該試料台を移動させるテーブルを有するステージを備えた荷電粒子線装置であって、ステージが、冷媒により冷却された冷却部を有し、試料台およびテーブルの少なくとも一部を当該冷却部と接触させることにより試料ホルダを冷却するものに関する。
また、本発明は、所定の温度に冷却されたステージの冷却部に、試料ホルダを固定する試料台および試料台を移動させるテーブルの少なくとも一部を接触させて、試料ホルダを冷却する、荷電粒子線装置における試料ホルダの温度制御方法に関する。
本発明によれば、冷媒輸送管などによりステージの可動範囲が制約されることがなく、冷却部の振動がステージに伝搬することを防ぐことができ、試料室内を真空に維持しつつステージ上の試料を冷却できる。
実施例1にかかるステージの要部を示す縦断図 実施例1にかかるステージの要部を示す横断図 実施例1にかかる走査電子顕微鏡の概略図 実施例1にかかる試料の表面を観察する際の流れを示すフローチャート 実施例2にかかるステージの要部を示す縦断図 実施例2にかかる試料の表面を観察する際の流れを示すフローチャート 実施例3にかかるステージの要部を示す縦断図 実施例3にかかる試料の表面を観察する際の流れを示すフローチャート
実施例では、試料ホルダを固定する試料台と、当該試料台を移動させるテーブルを有するステージを備えた荷電粒子線装置であって、ステージが、冷媒により冷却された冷却部を有し、試料台およびテーブルの少なくとも一部を冷却部と接触させることにより試料ホルダを冷却するものを開示する。
また、実施例では、荷電粒子線装置における試料ホルダの温度制御方法であって、所定の温度に冷却されたステージの冷却部に、試料ホルダを固定する試料台および試料台を移動させるテーブルの少なくとも一部を接触させて、試料ホルダを冷却するものを開示する。
また、実施例では、冷却部が、移動可能な機構を備え、当該冷却部が移動することにより、試料台およびテーブルの少なくとも一部と当該冷却部が接触する荷電粒子線装置を開示する。また、荷電粒子線画像を取得する際には、試料台およびテーブルの少なくとも一部と冷却部が分離するように、冷却部が移動する荷電粒子線装置を開示する。
また、実施例では、冷却部の移動により、当該冷却部に、試料台およびテーブルの少なくとも一部を接触させる温度制御方法を開示する。また、荷電粒子線画像を取得する際には、試料台およびテーブルの少なくとも一部と冷却部が分離するように、冷却部を移動させる温度制御方法を開示する。
また、実施例では、冷却部が、ステージに固定されており、試料台が移動することにより、試料台およびテーブルの少なくとも一部と当該冷却部が接触する荷電粒子線装置を開示する。また、荷電粒子線画像を取得する際には、試料台およびテーブルの少なくとも一部と冷却部が分離するように、試料台が移動する荷電粒子線装置を開示する。
また、実施例では、冷却部が、ステージに固定されており、試料台の移動により、ステージに固定された冷却部に、試料台およびテーブルの少なくとも一部を接触させる温度制御方法を開示する。また、荷電粒子線画像を取得する際には、試料台およびテーブルの少なくとも一部と冷却部が分離するように、試料台を移動させる温度制御方法を開示する。
また、実施例では、試料台ホルダを加熱する加熱機構を備える荷電粒子線装置を開示する。また、冷却部による冷却と、加熱手段による加熱により、試料台ホルダを所定温度に制御する温度制御方法を開示する。
また、実施例では、試料ホルダが、試料周囲の雰囲気を遮断する容器を着脱できる雰囲気遮断ホルダであることを開示する。
また、実施例では、試料台が、360度回転できることを開示する。
以下、上記およびその他の本発明の新規な特徴と効果について図面を参酌して説明する。なお、実施例においては、走査電子顕微鏡を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、透過電子顕微鏡、集束イオンビーム装置およびイオンミリング装置などに適用できる。
図3は、本実施例にかかる走査電子顕微鏡の全体像を示す概略図である。
走査電子顕微鏡では、電子銃21で発生した電子線を、コンデンサレンズ22および対物レンズ23を通して、試料室24内に配置されるステージ28の上に取り付けた試料(図示せず)上へ走査しながら照射する。そして、試料から発生する二次電子を二次電子検出器27により検出して試料表面の拡大画像を取得する。なお、二次電子の他、反射電子、X線、または光などを検出して試料表面の拡大画像を取得してもよい。また、複数の真空ポンプ26は、電子銃室29や試料室24などをそれぞれ真空にする。
試料室24の内部に配置されているステージ28は、転がり軸受33、ハウジング34、および直動案内(図示せず)を介して、ステージケース35に取り付けられている。ステージケース35は、試料室24に対し、図中矢印方向に分離できる。また、モータ30とモータ31は、それぞれx軸周りの回転動作と、ステージの上下動作のために設けられる。
冷却装置25は、冷媒輸送管10に接続されており、後述する冷却プレートに供給する冷媒の温度管理と循環に用いられる。
なお、図示していないが、各コイルや電子銃に電圧を加える高電圧制御装置は、操作者が操作するために必要な入出力装置を備えたコンソールにより制御される。
図1および図2は、冷却部押付機構18を備えるステージの縦断図および横断図である。なお、図中のA点は電子線の照射位置を示す。
試料を載せた試料ホルダ1は回転ステージを兼ねた試料台2の上に着脱可能に固定されており、Yテーブル5に転がり軸受3で支持されている。試料台2には、はす歯歯車19が取り付けてある。モータ(図示せず)によってねじ歯車4を回転させることにより、試料台2が回転する。Yテーブル5は、四つのクロスローラガイド7により、Xテーブル8と接続されている。Yテーブル5にはボールねじナットが取り付けられている。モータ(図示せず)によってボールねじ軸6を回転させることにより、Yテーブル5がY方向に直線移動する。Xテーブル8は、二つの直動案内17により、ステージベース16に支持されている。Xテーブル8にもボールねじナットが取り付けられている。モータ32によってボールねじ軸15を回転させることにより、XテーブルがX軸方向に直線移動する。試料ホルダ1には、温度計測手段としてサーミスタ20が押しあてられており、Yテーブル5に固定されている。このため、サーミスタ20の配線などが試料台2の回転を制約することはない。計測された温度は、常時コンソールに送られる。
次に、本実施例の冷却部押付機構18について詳説する。冷却部押付機構18は、試料台2を冷却できる冷却プレート9、冷却プレート9とステージベース16をつなぐ四つのリンク11、ステージベース16の上に回転可能に設置された回転軸13、回転軸13に取り付けられた偏心カム12、およびカップリング(図示せず)により回転軸13に接続されたモータ14により構成される。リンク11を用いることにより、冷却プレート9は上下動可能である。冷却プレート9には冷媒輸送管10が接続されており、これを介して冷却装置25から冷媒が供給されることにより、所定の温度に冷却される。
図2を参照して、冷却プレート9を試料台2に押し付ける場合の各部の動きを説明する。
まず、モータ14により回転軸13を時計回りに回転させると、回転軸13に取り付けられた偏心カム12も時計回りに回転する。この結果、冷却プレート9は、偏心カム12に押されて上昇し、冷却プレート9が試料台2の底面と接触した段階でその上昇が停まる。モータ14に引き続き電流を流し続けることにより、試料台2と冷却プレート9との間に接触圧力が生じる。逆にモータ14により回転軸13を反時計回りに回転させると、偏心カム12により押し上げられていた冷却プレート9が重力により下がるため、冷却プレート9と試料台2を切り離すことができる。
次に、図4のフローチャートを用いて、本実施例の走査電子顕微鏡により試料の表面を観察する際の流れを説明する。なお、試料ホルダの温度上限値は、事前に設定しておく。温度上限値は、例えば氷結試料の観察では融点以下に設定することにより、試料の融解を避けることができる。
まず、ステージケースを引き出し、大気雰囲気で試料ホルダに試料を載せる(S101)。次に、ステージケースを試料室内に戻し、真空ポンプを稼働させて試料室内を真空雰囲気にする(S102)。そして冷却部押付機構により試料台と冷却プレートを接触させ、試料を冷却する(S103)。温度計測手段により計測した試料ホルダの温度があらかじめ設定された温度以下になっているか判定(S104)し、判定が偽(NO)であればS103に戻る。判定が真(YES)であれば、冷却部押付機構により試料台と冷却プレートを分離する(S105)。電子線の照射を開始し、画像を取得する(S106)。撮像終了指示の有無を判定(S107)し、判定が偽(NO)であれば、S103に戻る。判定が真(YES)であれば、プロセスを終了する。なお、S104およびS107の判定は、コンソールで行う。
以上、本実施例の走査顕微鏡装置では、試料を載せた試料ホルダをステージに固定する試料台の近傍に冷却部である冷却プレートを配置し、試料ホルダの温度を計測する手段と、冷却部と試料台(またはステージの一部)を切り離したり接触させたりすることが可能な押付機構を備えている。冷却部と試料台が分離可能な構造であるため、ステージの動作に制約がなくなり、広い可動範囲を実現できる。また、冷却部と試料台が接触するに当たり、接触力が発生するため、両者の間で発生する接触熱抵抗が減少し、冷却効率が向上する。さらに、電子線を照射して試料表面の拡大画像を取得する際に、振動源の一つである冷却部を試料台から分離するプロセスとすれば、試料台に振動が伝播することが防げるため、試料台が振動することによって発生する取得画像の乱れを低減できる。
なお、本実施例では、全てのステージ可動位置において、試料台2と冷却プレート9が接触可能となっているが、電子線照射位置周辺部に限定すれば、装置の小型化が図れる。また、試料台やステージの一部と接触する際の冷却プレート9の移動は、上下動だけではなく、試料台やステージの構造に応じて、水平方向移動や傾斜などとしてもよい。また、試料ホルダの温度だけでなく、試料の取得画像または分析結果もしくは時間などに応じて、冷却部と試料台を接触させてもよい。
本実施例では、実施例1とは異なり、テーブルの移動により、冷却部と試料台を接触や分離させる。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図5は、本実施例における走査電子顕微鏡に搭載されるステージの縦断図を示す。
本実施例の試料台2bは、その底面に斜度が付いている。また、ステージベース16には、冷却ブロック9bを備えている。冷却ブロック9bの上面は、試料台2bの底面と同じ傾斜が付けられている。冷却ブロック9bの中心(冷却位置B)に、試料台2bの中心を併せた際に、冷却ブロック9bの上面と試料台2bの底面が接触するように、構成されている。冷却時には、Xテーブル8およびYテーブル5を冷却位置まで移動させ、試料台2bを冷却ブロック9bに押し付け、試料を冷却する。接触後、Xテーブル8が負方向に移動するようモータにトルクをかければ、試料台2bと冷却ブロック9bの間に接触圧力が生じ、接触熱抵抗が減少し、冷却効率が向上する。
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施例の走査電子顕微鏡により試料の表面を観察する際の流れを説明する。
試料ホルダに試料を載せた後に試料室内を真空雰囲気にする(S101〜S102)。次に、XテーブルとYテーブルを冷却位置に移動して試料台と冷却ブロックを接触させ、試料を冷却する(S103b)。試料ホルダが設定温度以下であれば、電子線照射位置に移動し(S105b)、画像を取得する(S106)。
以上、本実施例の走査電子顕微鏡では、ステージの可動範囲に冷却部が配置されており、ステージの移動により冷却部と試料台(またはステージの一部)を接触させたり切り離したりできる。冷却部との接触や分離が、XテーブルやYテーブルの動作により実現されるため、試料台の冷却に新たな駆動装置を必要としない。
本実施例では、試料台の底面に単一方向への傾斜を設けたが、例えば、底面を円錐状とし、冷却ブロックをV字形状とすれば、試料台の回転位置によらずに冷却できる。
本実施例では、実施例1および実施例2とは異なり、試料ホルダの加熱手段を備える。以下、実施例1や実施例2との相違点を中心に説明する。
図7は、実施例3における走査電子顕微鏡に搭載されるステージの縦断図を示す。
本実施例のYテーブル5は、試料ホルダの加熱が可能である加熱用コイルを備える。加熱用コイル40は、試料室外におかれた高周波電源(図示せず)に接続されている。試料台2を加熱する場合は、加熱用コイル40に高い周波数の電流を通電する。高周波の磁力線によって、試料台2の表面には電磁誘導効果により誘導電流(渦電流)が流れ、ジュール熱が発生する。発生するジュール熱により、試料台2(および試料台2に固定されている試料ホルダ1)を、非接触で効率よく加熱できる。なお、試料ホルダ1および試料台2以外の発熱を極力抑えるため、例えば、発熱コイルにより形成する磁場を限定するよう発熱コイルを磁性体で囲み、磁性体を積層した電磁鋼板とし、発熱コイル周辺部の渦電流の発生を抑制してもよい。
次に、図8のフローチャートを用いて、本実施例の走査電子顕微鏡により試料の表面を観察する際の流れを説明する。なお、試料ホルダの温度範囲は事前に設定しておく。
試料ホルダに試料を載せた後に試料室内を真空雰囲気にする(S101〜S102)。次に、温度計測手段で計測した試料ホルダの温度が、設定した温度範囲内であるか判定する(S104c)。S104cの判定が真(YES)であれば、電子線を照射して画像を取得する(S106)。S104cの判定が偽(NO)で、且つ設定値より高温であれば、冷却部押付機構により試料台を冷却する(S103)。再度試料ホルダの温度が設定した温度範囲内であるか判定(S104d)し、真(YES)であればS105に進み、S104dの判定が偽(NO)であれば、S103に戻る。S104cの判定が偽(YES)で、且つ設定値より低温であれば、加熱コイルに高周波電流を流し試料台を加熱する(S108)。再度試料ホルダの温度が設定した温度範囲内であるか判定(S104e)し、真(YES)であれば加熱コイルに高周波電流を流すのをやめ(S109)て、S106に進み、S104eの判定が偽(NO)であれば、S108に戻る。なお、S104c、S104d、S104eの判定は、コンソールで行う。
以上、本実施例の走査電子顕微鏡では、実施例1や実施例2の試料ホルダの冷却手段に加えて、試料ホルダを加熱する加熱部を備え、試料ホルダの温度が設定された温度範囲となるよう、加熱手段と冷却手段の動作を決定する温度制御機能を有する。冷却手段と加熱手段を用いた温度制御機能により、試料ホルダの温度制御を高精度に行える。
なお、本実施例では試料台を誘導加熱により加熱したが、例えば、加熱用コイル部にニクロム線などを用いて、熱放射により試料台を加熱してもよい。
本実施例では、実施例1乃至実施例3とは異なり、試料ホルダが、雰囲気遮断ホルダである。以下、実施例1乃至実施例3との相違点を中心に説明する。
雰囲気遮断ホルダは、試料周囲の雰囲気を遮断する容器であるキャップと、試料を固定するための試料搭載部が設けられた試料ホルダ本体から構成されている。キャップと試料ホルダ本体は着脱でき、キャップ内部にはOリングがある。キャップを試料ホルダ本体に被せれば雰囲気遮断できる。これにより、真空または不活性ガス雰囲気でキャップ内部を保持できる。
雰囲気遮断ホルダへの試料固定は、ローディングチャンバを備えたグローブボックスを利用する。グローブボックスのメインチャンバ内は、真空排気や、不活性ガスの充填ができる。チャンバ内への試料や雰囲気遮断ホルダの出し入れにはローディングチャンバを用いる。メインチャンバ内を真空排気し、または窒素やアルゴンなどの不活性ガスで充填し、その雰囲気で試料の開封や、雰囲気遮断ホルダへの試料固定などを行う。
本実施例の走査電子顕微鏡には、試料室の他に、試料交換室が設けられている。試料が固定された雰囲気遮断ホルダは、試料交換室に導入される。そして、試料交換室を真空排気し、または不活性ガスを供給して、その雰囲気中でキャップを開封する。試料交換室に不活性ガスを供給した場合は真空排気した後に、試料が固定された試料ホルダ本体を試料交換機構を用いて試料室内の試料台に固定し、試料の表面を観察する。
以上、本実施例の走査電子顕微鏡では、実施例1乃至実施例3に加えて、試料ホルダを雰囲気遮断ホルダとしている。凍結試料には大気中の水分が付着し易く、これが観察時に問題となることがあるが、本実施例では、凍結試料の前処理から観察に至るまで大気暴露させないため、この問題を回避できる。また、雰囲気遮断ホルダを温調することにより、前処理から観察に至るまでの段階で、凍結試料周囲の雰囲気や、凍結状態を維持できる。
1…試料ホルダ、2…試料台、2b…試料台、3…転がり軸受、4…ねじ歯車、5…Yテーブル、6…ボールネジ軸、7…クロスローラガイド、8…Xテーブル、9…冷却プレート、9b…冷却ブロック、10…冷媒輸送管、11…リンク、12…偏心カム、13…回転軸、14…モータ、15…ボールネジ軸、16…ステージベース、17…直動案内、18…冷却部押付機構、19…はす歯歯車、20…サーミスタ、21…電子銃、22…コンデンサレンズ、23…対物レンズ、24…試料室、25…冷却装置、26…真空ポンプ、27…二次電子検出器、28…ステージ、29…電子銃室、30…モータ、31…モータ、32…モータ、33…転がり軸受、34…ハウジング、35…ステージケース

Claims (16)

  1. 試料ホルダを固定する試料台と、当該試料台を移動させるテーブルを有するステージを備えた荷電粒子線装置であって、
    前記ステージが、冷媒により冷却された冷却部を有し、
    前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部を前記冷却部と接触させることにより前記試料ホルダを冷却することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記冷却部が、移動可能な機構を備え、
    当該冷却部が移動することにより、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部と当該冷却部が接触することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2記載の荷電粒子線装置において、
    荷電粒子線画像を取得する際には、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部と前記冷却部が分離するように、前記冷却部が移動することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記冷却部が、前記ステージに固定されており、
    前記試料台が移動することにより、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部と当該冷却部が接触することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項4記載の荷電粒子線装置において、
    荷電粒子線画像を取得する際には、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部と前記冷却部が分離するように、前記試料台が移動することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料台ホルダを加熱する加熱機構を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料ホルダが、試料周囲の雰囲気を遮断する容器を着脱できる雰囲気遮断ホルダであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料台が、360度回転できることを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 荷電粒子線装置における試料ホルダの温度制御方法であって、
    所定の温度に冷却されたステージの冷却部に、前記試料ホルダを固定する試料台および前記試料台を移動させるテーブルの少なくとも一部を接触させて、前記試料ホルダを冷却することを特徴とする温度制御方法。
  10. 請求項9記載の温度制御方法において、
    前記冷却部の移動により、当該冷却部に、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部を接触させることを特徴とする温度制御方法。
  11. 請求項10記載の温度制御方法において、
    荷電粒子線画像を取得する際には、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部と前記冷却部が分離するように、前記冷却部を移動させることを特徴とする温度制御方法。
  12. 請求項9記載の温度制御方法において、
    前記冷却部が、前記ステージに固定されており、
    前記試料台の移動により、前記ステージに固定された前記冷却部に、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部を接触させることを特徴とする温度制御方法。
  13. 請求項12記載の温度制御方法において、
    荷電粒子線画像を取得する際には、前記試料台および前記テーブルの少なくとも一部と前記冷却部が分離するように、前記試料台を移動させることを特徴とする温度制御方法。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の温度制御方法において、
    前記冷却部による冷却と、加熱手段による加熱により、前記試料台ホルダを所定温度に制御することを特徴とする温度制御方法。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載の温度制御方法において、
    前記試料ホルダが、試料周囲の雰囲気を遮断する容器を着脱できる雰囲気遮断ホルダであることを特徴とする温度制御方法。
  16. 請求項9〜15のいずれかに記載の温度制御方法において、
    前記試料台が、360度回転できることを特徴とする荷電粒子線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018206596A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 国立研究開発法人物質・材料研究機構 試料冷却装置
CN115200970A (zh) * 2022-09-16 2022-10-18 常州隆斯克普电子科技有限公司 一种可旋转持续制冷样品台

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