JP4302293B2 - 洗浄槽 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は高度の洗浄を要求されるゴムやプラスチック製の小型成型部品例えば各種ゴム栓あるいは医療用継手などの成型品を効率よく洗浄、滅菌、乾燥するための洗浄槽に関するものである。とくに本発明の洗浄槽は、薬剤、薬液などの医療瓶の栓体として用いられている打栓用の足長ゴム栓や輸液用ゴム栓のような空気抜孔などを有する複雑な形状のゴム部品や血液回路用プラスチック継手などの小型成型部品の洗浄に有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来から一般に行われている医療瓶用ゴム栓などの小型成型物品の洗浄方法としては、洗浄すべき物品(以下、被洗浄物という)を水中に浸漬し、攪拌して洗浄するだけの撹拌洗浄法、高圧ジェットを吹き付ける高圧ジェット洗浄法、二重メッシュ構造の分散器から空気の脈動を発生させて洗浄を行う脈動洗浄法、あるいは被洗浄物を超音波洗浄器に収容して超音波により洗浄する超音波洗浄法などが知られている。
【0003】
しかしながら、上記小型成型物品を単に水や薬液中に浸漬し、攪拌しただけでは洗浄液を均一に流動させるのが困難なため、洗浄斑が生じ易く、しかも物品相互の摩擦により物品が損傷したり、剥離された異物が物品に再付着するなどの恐れがあり、満足な洗浄効果は得られていない。
【0004】
また、ゴム栓でも、半打栓用足長ゴム栓や輸液用ゴム栓などのように、空気孔を有するなど複雑な形状の物品の場合は、凹部や小孔内表面のような細部の洗浄は困難である。高圧ジェット洗浄法によっても、大量の成型物品を一時に洗浄する場合、物品全体に均等にジェット噴流が吹き付けられることは皆無で、1つの物品をとってみても、噴流の当り具合に差が生じて均等な洗浄は困難であるばかりでなく、表皮下における微細な気泡や、表面粗面に付着する微細空気などは完全に除去できない。
【0005】
さらに、超音波洗浄法では、被洗浄物がゴム栓のような弾性を有する物品の場合、その軟性面に音波が吸収されて洗浄効果はほとんど得られていない。また、空気の脈動を利用する脈動洗浄法は、洗浄器の下部に空気の脈動を発生させる分散器が設けられているため、被洗浄物の比重が小さい場合、被洗浄物は洗浄器の上部に集積し、洗浄効果が充分でなく、他の洗浄方式によらざるを得ない。このように、高度の洗浄性が要求される各種ゴムやプラスチック製の小型成型品の洗浄においては、いずれの方法によっても満足な洗浄効果が得られていないのが実情であり、被洗浄物の材質の違い、比重の大小にかかわらず、一つの槽で効率的に洗浄が可能で、さらに同じ槽で滅菌、乾燥を行うことができる洗浄槽が待望されていた。
【0006】
従来の各種ゴム製品は材質的に脆いものがあり、噴流によりゴム栓自体が損傷し、コンタミの発生が多くみられたが、最近はゴム質がよくなり、噴流洗浄が適用可能となった。このような状況に鑑み、本出願人は上記問題を解決する洗浄装置として、容器内に上端と下端が拡径されたガイド筒を設けた洗浄装置を発明し、先に特願昭57−229881号(特公昭62−39030号公報)として出願した。この装置によれば、被洗浄物をガイド筒内外を循環流動させることにより、異物を効果的に剥離し、かつ被洗浄物を均一に洗浄することが可能である。
【0007】
さらに効果的な洗浄を行なうため、出願人は円筒状の回転ドラムを密閉容器に内在させた洗浄装置について検討し、特願昭60−104736号(特公平1−34105号公報)として出願した。この装置は、密閉容器内に円筒状の回転ドラムを設けた洗浄装置であり、水噴流ポンプにより回転ドラム内に強力な噴流を発生させることによるジェット洗浄効果を利用した、洗浄効果の大きい洗浄装置である。
【0008】
しかしながら、特公昭62−39030号公報に記載の装置は洗浄機能しか有さず、また被洗浄物の比重が大きい場合には洗浄効果が大きいものの、比重が小さい場合には充分な洗浄効果が得られなかった。一方、高い洗浄効果が得られ、好評で納入実績のある特公平1−34105号公報に記載の洗浄装置は、回転ドラムを密閉容器に内在させるため回転部のシ−ルが必須であり、回転部の摺動による異物の発生やメカニカルシ−ル部等からの異物の侵入が皆無とはいえない。また、前述したように、装置自体が複雑になるうえ、装置が大きくなるので、製造するのに費用がかかりすぎるなどの問題がある。
【0009】
これらの問題を解決するものとして、本出願人は、被洗浄物の比重の大小にかかわらず洗浄効果が高く、構造が簡単で異物の発生や侵入の恐れのないコンパクトでかつ同一槽で滅菌、乾燥が可能な洗浄槽を特願平7−142527号(特開平8−257519号公報)として提案した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−257519号公報に開示された洗浄槽は、上記したような特徴を有するものであるが、例えば毛髪のように、細長く可撓性に富んだ形状でかつ湿潤状態で絡みやすい特殊な異物はうまく排出できないことがあり、このような異物をも完全に除去するという観点からは、必ずしも満足できるものではなかった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、上記した毛髪のような特殊な異物でも洗浄除去可能で、被洗浄物や異物の比重の大小にかかわらず洗浄及び異物排出効果が高く、構造が簡単で異物の発生や侵入の恐れのないコンパクトでかつ同一槽で滅菌、乾燥が可能な洗浄槽を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討し、本発明に至った。すなわち本発明は、洗浄用流体出口を有する密閉可能な蓋、洗浄用流体入口を有する円錐状の底壁部及び円筒状の側壁部からなり、洗浄用流体入口部に噴流ノズル、該槽の内部に下端部と上端部が拡径されたガイド筒及び該ガイド筒上端部の対面に仕切板を有する槽であって、該仕切板は前記洗浄用流体出口と前記円筒状の側壁部の上端との間に配置されるようにしたことを特徴とする洗浄槽である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の洗浄槽の主要な構成部品は、洗浄用流体出口を有する密閉可能な蓋、洗浄用流体入口を有する円錐状の底壁部及び円筒状の側壁部からなる槽本体、洗浄用流体入口部に設けられる噴流ノズル、前記の槽内部に設けられる下端部と上端部が拡径されたガイド筒、洗浄用流体の下流側すなわち該ガイド筒上端部に正対するように設けられる仕切板である。
【0014】
該仕切板は、洗浄により剥離された異物を洗浄槽外へ排出できるように開口されている。該開口としては、通常、加工コストが安価な丸孔が穿孔されて使用されることが多いが、被洗浄物品が洗浄槽外へ流出せず、かつ孔部に引っ掛からない形状と寸法であれば開口の形状は問わない。なお、多様な形態の異物をより効率的に排出するために、開口の寸法は、前記の制約の範囲内でより大きくすることが好ましい。また、当該仕切板の全面に亘りより効果的に異物を排出させるために、1枚の仕切板に複数種類の形状及び/又は寸法の穿孔を設けることもできる。
【0015】
本発明の最大の特徴は、前記仕切板を、前記洗浄用流体出口と前記円筒状の側壁部の上端との間に配置するようにしたことにある。仕切板をかかる位置に配置することによって、毛髪などのように、細長く可撓性に富んだ形状でかつ湿潤状態で絡みやすい特殊な異物でも容易に洗浄除去可能となる。仕切板は、洗浄用流体出口と円筒状の槽側壁部の上端との間であって、洗浄用流体の流入量に応じた間隙をガイド筒の上端面から離して配置される。ガイド筒の上端部から流出する洗浄用流体は、一般に、放射状に拡径しながら仕切板に向かって上昇するが、このとき、仕切板直前の流速がほぼ等速な上昇流を形成するように前記間隙の距離を設定するのが異物の排出性の面から好ましい。このため、仕切板は、洗浄用流体出口に近い方に配置するのがよい。仕切板の開口率が30〜50%のとき、開口部からの流体排出速度が0.05〜0.3m/秒になるように仕切板を配置するのが異物の排出を良好にする点から好ましい。
【0016】
前記ガイド筒は、該中心軸と前記噴流ノズルの中心軸が一致するように支持体を介して槽の側壁部に固設される。一般に、被洗浄物の形状には種々あるが、被洗浄物の容積をVとした場合、被洗浄物の直径dは(6V/π)1/3で示される球相当直径で表すことができる。本発明の洗浄槽において、ガイド筒の直管部内径は6d〜14dにするのが洗浄効果の面で好ましい。
【0017】
ラッパ状に拡径されるガイド筒の下端部と上端部の拡がり角は、下端部(α)については、噴流ノズルから流入する洗浄流体を有効にガイド筒内に導入でき、かつ被洗浄物のブロック化防止のために拡径部分と槽の底壁部との間隙が3d以上あればよく、通常、9〜20゜に設定される。また、上端部(β)については、ガイド筒内に導入された洗浄流体が流れに悪影響を及ぼす渦等を発生せずに流れさえすればよく、通常、2〜10゜に設定される。ガイド筒の支持体は、ガイド筒を確実に支持でき、被洗浄物が引っ掛からない形状のものであれば、板状又は棒状などどのようなものであって差し支えない。
【0018】
前記噴流ノズルは、一般に、複数のノズル孔から構成される噴流口であり、噴流口は被洗浄物が通過せず被洗浄物の一部が孔に入り込まない範囲で、かつ洗浄用流体の噴流速度が5〜20m/秒になるように設定される。また、噴流口が円状の間隙から構成されるものであってもよい。噴流ノズルの噴流口は、ガイド筒の中心軸を基準にしてガイド筒の直管部の内径の1/2よりも該中心軸側に設けるのが好ましい。噴流ノズルの噴流口をこのようにすることで、ラッパ状の拡径部(流入側)にエネルギ−ロスを少なく、効率良くガイド筒外側からガイド筒内に洗浄液を流入させ、ガイド筒内における噴流と循環流との合流の流速及び液量を大きくすることができるので、洗浄効果を高めることができるのである。該噴流ノズルは、被洗浄物の通過を遮断するための弁に設けると効率的であり好ましい。
【0019】
前記槽の側壁部は、通常、円筒状であるが、洗浄用流体及び被洗浄物の槽内流動が槽及びガイド筒の中心軸に対して対称になる形状であれば多少の変形した形状であっても差し支えない。また、側壁部が円筒状でなく、円錐状の底壁部が槽の頂部まで連続した形状のものであってもよい。この場合、円筒ガイド筒の下部拡径部と側壁部分の間隙を調整する意味で、またデザイン的な面から、側壁部分の途中を1回ないし数回屈折させてもよい。当該洗浄槽の内径はガイド筒の直管部内径の4〜7倍であるのが洗浄効果を大きくする上で、かつコンパクトな洗浄槽を製作する上で好ましい。
【0020】
洗浄槽の容量は、処理する被洗浄物の量に応じて各種のものを製作することが可能であるが、0.1〜2m3程度のものが取扱い易く実用的である。また、被洗浄物の充填率は、通常30〜70%程度に設定されるが、これに限定されることはなく、洗浄槽内で被洗浄物が円滑に循環流動できればよい。なお、洗浄槽に覗き窓を設けると内部の状態を直接目視確認でき、作業上好ましい。洗浄槽を回動自在に構成すると、被洗浄物の性状によっては槽を転倒して使用することもでき、好ましい。また、洗浄効果をさらにあげるために、洗浄中に槽を揺動させてもよい。
【0021】
以上のように構成される洗浄槽を用いることにより、洗浄用流体入口部に設けられた噴流ノズルからの噴流と洗浄槽内部に設けられたガイド筒との相乗作用により強力な洗浄効果を得ることができ、かつ洗浄用流体出口と円筒状の槽側壁部の上端との間に適切に設けられた仕切板により高い異物排出効果を得ることができる。洗浄用流体として、通常、精製水、注射用水が用いられるが、洗浄効果を上げるために加温することも有効である。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例を図面にしたがって説明する。図1は本発明の洗浄槽の断面図である。図1において、1は洗浄槽、2a及び2bは洗浄用流体出口3を有する密閉可能な蓋であり、2bは、洗浄用流体出口3を有する上蓋、2aは、円筒状の側壁部4にボルトなどの固定具で緊締される下蓋である。5はガイド筒であり、支持体6によって円筒状の側壁部4にネジなどで固定される。7は仕切板、8は円錐状の低壁部であり、円錐の頂部には板状弁体に噴流口を持つ噴流ノズル9が設けられている。
【0023】
該弁体は特に制約はなく、バタフライ弁やスリース弁などの通常用いられる弁の弁体であってもよい。前記噴流ノズル9の下部フェルールは着脱が容易なクランプ継手10でエルボ配管12と締結されている。該配管12はスイベルジョイント11で配管13と接続されている。被洗浄物を洗浄槽から取り出す場合、前記クランプ継手10を取外した後、配管12を前記スイベルジョイント11の軸心を回転軸にして回動させて洗浄槽の下部に製品受缶等を置く空間を設けて行うことができる。14は洗浄用流体出口配管である。
【0024】
図2は噴流ノズルの一例であり、円状の間隙をバタフライ弁形の弁とケーシングとの間に形成させた場合の拡大図である。図3は、板状の弁体の端部を軸心にしてロータリアクチュエータ15で回動されるスライド弁の弁体に均等な間隔で多孔ノズルを設けた他の噴流ノズルの例である。図4は、A−A線断面図である。ノズルを構成する1ケの孔の径は、先述のように、被洗浄物に噴流が均等にあたり、かつガイド筒5の内側と外側を、洗浄用流体が循環流動し、その循環流に乗って被洗浄物が流動するように、先述の噴出し速度になるように設定される。通常、ノズルの径は3mm〜6mm程度に設定される。
【0025】
かかる噴流ノズルを使用するのも本発明の特徴の一つであり、この噴流ノズルと槽内部に設けられた上端と下端がラッパ状に拡径されたガイド筒及びガイド筒上方に適切な距離をとって配置された仕切板との相乗効果により、異物が良く剥離され効率良く槽外へ排出されるとともに、噴流が被洗浄物に均等にあたる良好な流動状態を作り出し、高い洗浄効果が得られるのである。
【0026】
図5は、本発明の洗浄槽を使用して被洗浄物の洗浄、滅菌及び乾燥を行なう場合のフロ−シ−トである。本発明の洗浄槽を使用するシステムとしては、本発明の洗浄槽、洗浄液を貯溜する分離用槽、被洗浄物と洗浄液とのスラリ−を洗浄槽へ投入するための投入用槽、槽内を減圧状態にするための真空ポンプ(図示せず)及び被洗浄物のスラリー移送のため、洗浄液を昇圧し送液するため及び/又は循環するための送液ポンプから構成される。また、洗浄用流体入口配管及び洗浄用流体出口配管は槽転倒用中空軸内を潜りぬけ、洗浄槽全体が転倒可能な、さらに洗浄槽が正立または倒立下状態で槽が回転可能な方向に揺動可能な構造となっている。洗浄槽が正立状態とは図1に示す洗浄槽の状態を、倒立状態とは図1と上下逆の状態をいう。図3における噴流ノズルは、スライド弁の弁体に均等な間隔で設けられた多孔ノズルの例である。次に、本発明の洗浄槽について、被洗浄物の洗浄、滅菌及び乾燥を行なう場合の使用方法について図5のフロ−シ−トを用いて説明する。
【0027】
(1)洗浄の準備
製品仕込み用槽35に被洗浄物、及び輸送用水供給弁36より輸送用水を投入し、投入用槽内をスラリ−状態にする。モ−タ−17を作動させ、洗浄槽1を図4に示した状態と上下逆の状態にし、次いでロータリアクチュエータ15を作動させ、洗浄槽底壁に取り付けられたスライド弁の板状弁体を開く。
【0028】
スラリ−輸送管バルブ21、洗浄用水供給バルブ22、滅菌用蒸気供給バルブ23、乾燥用空気供給バルブ24、洗浄液循環バルブ25、洗浄液排水バルブ28、ドレン排水バルブ29、分離用槽排水バルブ34及び輸送用水供給弁36を閉止し、真空引きライン31から洗浄槽及び分離用槽系統を減圧状態にする。スラリ−輸送管バルブ21を開け、製品仕込み用槽35と洗浄槽1との圧力差を利用して製品仕込み用槽内のスラリ−状物を集合管20を経由して洗浄槽1へ投入する。集合管20は固体、液体及び気体が通る必要があるので、中心部をスラリ−状物が通りぬけ、周囲から洗浄用及び輸送用水、滅菌用蒸気、乾燥用及び水追出し用空気等の流体が通過でき、製品が外側へ通過できないように内筒が網状になった二重管を使用している。
【0029】
製品仕込み用槽内のスラリ−状物が1回で洗浄槽1へ輸送できない場合は、洗浄槽内に設けられた仕切板7及び洗浄液出口配管14を経由して、輸送用水を分離用槽32へ抜き出した水を輸送用水返送バルブ26を開き、循環ポンプ33を作動させて製品仕込み用槽35へ返送する操作を繰り返せばよい。洗浄槽1へスラリ−状物を投入後、系内の陰圧を開放した後、洗浄液排水バルブ28、分離用槽排水バルブ34及び製品仕込み用排水バルブ38を開放し、排水する。排水完了後、前記各排水バルブ及びスラリー輸送管バルブ21を閉止する。次に、ロータリアクチュエータ15を作動させて噴流ノズルを形成している板状弁体を閉状態にし、モーター17を作動させて洗浄槽1を正立の状態にもどす。
【0030】
(2)洗浄
各バルブの開閉を確認し、洗浄用水供給バルブ22から給水し、洗浄槽1を満水にし、オ−バ−フロ−水により分離用槽32の所定液面になるまで液面計37で確認しつつ給水し、循環ポンプ33を作動させ、洗浄用液を循環させる。必要により、循環ポンプ33の後にフィルタ−を設けてもよい。分離用槽の液面計37の他、洗浄槽1に圧力計、温度計及び洗浄槽内を観察する覗き窓などを設置するのが、準備段階での状況の確認、定常運転時の目安、異常の検出等に便利である。定常状態では、図4に示されるように、ラッパ状のガイド筒の内側と外側を循環する循環流ができ、覗き窓より被洗浄物が良好に洗浄されているのを確認できる。洗浄時間にとくに制限はないが、通常は5〜20分間程度に設定される。
【0031】
被洗浄物の比重が洗浄用液より大きい場合は、洗浄槽を正立状態で、ラッパ状のガイド筒の内外の循環流に被洗浄物を乗せて洗浄を行う。また、被洗浄物の比重が洗浄用液より小さい場合(被洗浄物が浮く場合)には、洗浄槽を倒立状態でラッパ状のガイド筒の内外の循環流に被洗浄物を乗せて洗浄を行う。このように、本発明の洗浄槽は、被洗浄物の比重が洗浄液より大きくても小さくても適用可能であり、とくに被洗浄物の比重が洗浄液よりも小さい場合には洗浄槽を倒立状態で使用することにより、比重の大きな場合と同様な洗浄が可能である。
【0032】
被洗浄物が小径シリンジのバレル用ゴムパッキンのように、凹部に空気溜まりができ易く洗浄液の濡れ性が良くない場合には、洗浄槽1が正立状態での循環洗浄の初期又は途中に、循環ポンプ33を一時的に停止させかつ洗浄液循環バルブ25を閉止後、真空ライン31を開放して洗浄槽1内を減圧にし、被洗浄物中の空気を系外へ排出することにより洗浄性を確実なものにすることもできる。
【0033】
さらに、洗浄しながら給水及び排水を同時に行い、連続的に濯ぎ洗いをしたり、循環を停止して洗浄槽を倒立状態にして排水後、新しい水を供給し、満水にして洗浄槽を正立状態に戻した後に再度循環して濯ぎ洗いをすることも可能である。
【0034】
比重が大小様々な異物が排出対象である場合、洗浄中に間歇的または連続的に洗浄槽全体を揺動させると洗浄の均一性がさらに上がり好ましい。揺動は洗浄流体の入口配管及び出口配管が潜りぬける中空軸をベアリング等の回転用軸受16により回転可能に構成され、モ−タ−17を作動させることによって行なう。
【0035】
揺動させる角度にとくに制限はないが、正立状態もしくは倒立状態を基準にして±40〜50゜の範囲で揺動させるのが、高洗浄効果及び低消費エネルギ−の点から好ましい。揺動させる角度は、例えば回転軸に円板を付設し、円板の所定の位置に貫通孔を設定し、設定位置の貫通孔を光電管で検知することにより、制御させればよい。揺動をスム−ズに行ない、また配管の破壊を防ぐためには配管の一部をフレキシブルチュ−ブとするのが望ましい。18及び19はこのようなフレキシブルチュ−ブである。
【0036】
所定時間洗浄した後、循環ポンプ33を停止する。モ−タ−17を作動させ、洗浄槽1を倒立の状態にした後、洗浄槽内の液を洗浄液出口配管14及び洗浄用液戻りバルブ27を経由して分離用槽32へ抜き取る。そして、分離用槽32の液は分離用槽排水バルブ34から系外へ抜き取る。排水は乾燥用空気供給バルブ24を開き、空気を供給しながら押し出すように行う。排水操作中、洗浄槽を揺動し、被洗浄物内に溜まった水をできるだけ残らないように排水する。
【0037】
(3)滅菌
充分な液切りを行なうためと滅菌操作を効果的に行うために、洗浄槽1を倒立にしたまま、バルブ21、22、23、24、25,26,28、29及び34を閉止し、真空ライン31から水分を系外へ排気する。このとき、洗浄槽を揺動させるとより効果的である。充分液切りを行った後に、真空ライン31を閉じてバルブ27を閉止し、滅菌用蒸気供給バルブ23を開き、洗浄槽内に蒸気を導入し、槽内の空気を滅菌蒸気で置換後、ドレン排水バルブ29を開き、所定温度まで昇温した後、所定時間滅菌を行う。
【0038】
滅菌は所定の湿熱滅菌を行うため、通常、温度121゜以上を保持したまま20分間以上継続して実施するが、タイマーにより任意の時間に設定できる。蒸気ドレンはスチ−ムトラップ30から系外へ排出する。滅菌を均一に行なうために洗浄槽全体を間歇的または連続的に揺動させるのが効果的である。滅菌中に被滅菌物中にドレンが溜まり温度が低下するが、揺動により効果的に流下するので温度低下するのを防ぎ、より均一な温度で滅菌することができる。さらに、滅菌終了後の残留ドレンが再蒸発するために多量の熱量を消費するので、揺動によりできるだけ液切りし、残留水分を減らすことが乾燥時間の短縮に大きく寄与する。倒立状態で乾燥用空気供給バルブ24から乾燥空気を洗浄槽内に導入し、洗浄液排水バルブ28を開き、系外へ乾燥空気を放出しながらドレンを排出する。
【0039】
(4)乾燥
バルブ28を閉止し、バルブ27を開き、真空引きライン31から真空ポンプなどで強制排気させながら乾燥を行なう減圧乾燥を行えばより効果的である。乾燥を均一に行なうために乾燥中に洗浄槽を間歇的または連続的に揺動させるとさらに効果的である。
【0040】
被乾燥物及び洗浄槽内に付着した水分及び被洗浄物の内部の残留水分は、乾燥初期は滅菌操作後の余熱利用により蒸発させ、乾燥中期から後期は、乾燥空気として低露点圧縮空気を加温及び/または洗浄槽を外部からスチ−ム等により加熱し、真空ポンプによる強制排気を行い槽内の平衡水分率を下げることにより効果的に系外に排出でき、乾燥操作を促進することができる。
【0041】
(5)製品の取り出し
乾燥終了後、洗浄槽1を正立の状態にし、図2に示される噴流ノズルを使用する場合は、クランプ継手10を外し、洗浄液入口部のエルボ配管12をスイベルジョイント11を中心に回動させ、バタフライ弁形の噴流ノズル9を90゜旋回させる。図3に示される噴流ノズルを使用する場合は、クランプ継手10を外し、洗浄液入口部のエルボ配管12をスイベルジョイント11を中心に回動させ、スライド弁付属のロータリアクチュエータ15を作動させて弁体を水平に回動させ全開状態にすると、製品は円錐上底面を転がって排出口より排出されるので、これを製品容器に受ける。製品排出時、製品の再汚染を防ぐためクリ−ンル−ム及び/又はクリーンブースで行なうようにするのが好ましい。この場合、製品受け容器は洗浄、滅菌、乾燥された清浄なものであるのが必要であることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、洗浄用流体出口を有する密閉可能な蓋、洗浄用流体入口を有する円錐状の底壁部及び円筒状の側壁部からなり、洗浄用流体入口部に噴流ノズル、該槽の内部に下端部と上端部が拡径されたガイド筒及び該ガイド筒上端部の対面に仕切板を有する槽であって、該仕切板は前記洗浄用流体出口と前記円筒状の側壁部の上端との間に配置されるようにした洗浄槽が提供される。このような洗浄槽を用いて薬剤、薬液などの医療瓶の栓体として用いられている打栓用の足長ゴム栓や輸液用ゴム栓のような空気抜孔などを有する複雑な形状のゴム部品や血液回路用プラスチック継手などの小型成型部品の洗浄を行なうと、毛髪などのように、細長く可撓性に富んだ形状でかつ湿潤状態で絡みやすい特殊な異物でも洗浄除去することができ、極めて洗浄効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄槽の一例を示す断面概略図である。
【図2】本発明の洗浄槽に用いられる噴流ノズルの一例の拡大図である。
【図3】本発明の洗浄槽に用いられる噴流ノズルの一例の拡大図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の洗浄槽を使用して洗浄を行う場合のフロ−シ−トの例である。
【符号の説明】
1 洗浄槽
2a 密閉下蓋
2b 密閉上蓋
3 洗浄用流体出口
4 円筒状側壁部
5 ガイド筒
6 支持体
7 仕切板
8 円錐状底壁部
9 噴流ノズル
10 クランプ継手
11 スイベルジョイント
12 エルボ配管
13 配管
14 洗浄用流体出口配管
15 ロータリアクチュエータ
16 回転用軸受
17 モ−タ−
18 フレキシブルチュ−ブ
19 フレキシブルチュ−ブ
20 集合管
21 スラリ−輸送管バルブ
22 洗浄用水供給バルブ
23 滅菌用蒸気供給バルブ
24 乾燥用空気供給バルブ
25 洗浄液循環バルブ
26 輸送用水返送バルブ
27 洗浄用液戻りバルブ
28 洗浄液排水バルブ
29 ドレン排水バルブ
30 ドレントラップ
31 真空引きライン
32 分離用槽
33 循環ポンプ
34 分離用槽排水バルブ
35 製品仕込み用槽
36 輸送用水供給弁
37 液面計
38 製品仕込み用槽排水バルブ

Claims (4)

  1. 洗浄用流体出口を有する密閉可能な蓋、洗浄用流体入口を有する円錐状の底壁部及び円筒状の側壁部からなり、洗浄用流体入口部に噴流ノズル、該槽の内部に下端部と上端部が拡径されたガイド筒及び該ガイド筒上端部の対面に仕切板を有する槽であって、該仕切板は前記洗浄用流体出口と前記円筒状の側壁部の上端との間に配置されるようにしたことを特徴とする洗浄槽。
  2. 該仕切板の開口率が30〜50%のとき、開口部からの流体排出速度が0.05〜0.3m/秒になるように、仕切板を洗浄用流体出口と円筒状の側壁部の上端との間に配置した請求項1記載の洗浄槽。
  3. 該洗浄槽が回動自在に構成されている請求項1又は2記載の洗浄槽。
  4. 該噴流ノズルが被洗浄物の通過を遮断するための弁に設けられた請求項1〜3いずれかに記載の洗浄槽。
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