JP4301124B2 - 車両用整流装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両前部において、車両走行に伴う前輪及びブレーキ装置へ向かう空気流を調節するための車両用整流装置に関する。
自動車等の車両では、走行に伴って前輪及び該前輪の内側に隣接する制動装置に向かう空気流が生じる。この空気流を調節するために、従来から種々の工夫が行なわれている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。
特許文献1には、バンパフェイシアに設けた開口部に、ブレーキ装置に向く吹出口を有する第1の導風路と、前輪と地面との間に向く吹出口を有する第2の導風路とをそれぞれ連通させ、かつ第1の導風路を開閉するためのシャッタを設けた構成が記載されている。そして、この技術では、第2の導風路から吹き出す空気によってCd値を改善すると共に、ブレーキ温度センサの検出値が500℃以上になると第1の導風路を開放してブレーキを冷却するようになっている。
実開平6−65045号公報 特許第3094575号明細書 実開昭64−34371号公報 特開平7−69250号公報 特開平7−137657号公報
しかしながら、上記の前者の従来技術では、バンパフェイシアの開口部からブレーキ装置及び車輪へ伸びる2つの導風路を、車体内部を通るダクトとして構成するため、大きなスペースが必要になるという問題があった。
本発明は、上記事実を考慮して、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体下部を通過する空気流を切り替えることができる車両用整流装置を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る車両用整流装置は、車体下部から車輪の前方に突出して設けられ車両走行に伴って車体下部を通過する空気を整流する整流部材を、前記車体下部から突出した状態で該車輪の前方に位置させたまま、前記車体下部を通過して前記車輪用の制動装置側に向かう空気の量を制限する第1状態と、前記車体下部を通過して前記制動装置側に向かう空気の量を前記第1状態よりも増加させる第2状態とを切り替え可能な空気流切替装置を備え、前記空気流切替装置は、前記整流装置の形状を変化させることで前記第1状態と第2状態とを切り替える構造であり、前記整流部材は、前記第1状態では路面に向けて凹形状を成し下向きの空気流を生成し、前記第2状態では路面に向けて凸形状を成し前記制動装置に向かう空気流を生成する
請求項1記載の車両用整流装置では、空気流切替装置が第1状態とされているときには、車両走行に伴って車体下側を通過する空気が対応する車輪用の制動装置側に導かれる量が制限される。これにより、車両走行に伴って車体下側を通過する空気は、主に整流部材によって整流され、第2状態よりも整流効果が良好である。このため、車両の操縦安定性が向上する。一方、空気流切替装置が第2状態とされているときには、車両走行に伴って車体下側を通過して制動装置側に導かれる空気量が増大し、制動装置が冷却される。ここで、本空気流切替装置では、車体下部を通過する空気を制動装置に導いて該制動装置を冷却し、又は該車体下部を通過する空気を整流部材が直接的に整流するため、車体内部に大きな設置スペースを必要とすることがない。
このように、請求項1記載の車両用整流装置では、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体下部を通過する空気流を切り替えることができる。また、整流部材が常に車輪の前方に位置して整流作用を果たすため、車輪前方に整流部材が位置する状態と車輪前方に整流部材が存在しない状態とを切り替える構成と比較して、空力性能が良好である。
なお、本請求項1における第1状態は、車両走行に伴って車体下部を通過して制動装置側に導かれる空気量を制限して(整流部材を備えない構成と比較して減少させて)、車両の整流効果を向上させる状態(例えば、空力性能を優先させて車両の走行性能を向上させる状態)であり、第2状態は、第1状態に対し相対的な状態であり、第1状態に比して、車両走行に伴って車体下側を通過する空気を積極的に制動装置に導く状態(例えば、整流部材による整流効果よりも制動装置の冷却を優先する状態)である。
また、本車両用整流装置では、整流部材自体を変形することで、整流部材を車輪の前方に位置させたまま第1状態と第2状態とを切り替える空気流切替装置(の構成、機能)が実現される。すなわち、本車両用整流装置では、空気流切替装置は、整流部材の形状を変化することで、該整流部材を車輪の前方に位置させたまま、第1状態と第2状態とを切り替える。具体的には、第1状態における整流部材は、車両が走行する路面に対し凹形状とされ、該凹形状に倣う下向きの空気流を生成するため、制動装置に導く空気量を制限する。下方に導かれた空気は車輪や車体に当ることが抑制されるため、本構造によって操縦安定性が向上する。一方、第2状態における整流部材は、路面に対し凸形状とされ、その後部で上向きの空気流を生成して制動装置に空気を導く。この凸形状は、制動装置に空気を導いて冷却するだけでなく、空力特性すなわち燃費を向上させる。また、凸形状を工夫することにより、高速の空気流を制動装置に導くことが可能となり、整流部材を車輪の前方に位置させない場合よりも制動装置の冷却性能を向上することができる。そして、形状可変構造を有する整流部材は、全体として常に車体下部の下方に位置するので、車体内のスペースを殆ど用いることなく構成することができる。
請求項2記載の発明に係る車両用整流装置は、請求項1記載の車両用整流装置において、前記整流部材は、前記路面に向けて凹形状を成す前記第1状態で、前端での車体下部からの突出高がほぼ0であると共に後端での突出高が最大となるように、該前端から後端にかけて連続的に下縁の高位が下がる形状とされている。
請求項3記載の発明に係る車両用整流装置は、請求項2記載の車両用整流装置において、前記整流部材は、前記路面に向けて凸形状を成す前記第2状態で、後端側の一部が前記路面に対し略平行となる形状とされている。
請求項4記載の発明に係る車両用整流装置は、車体下部から車輪の前方に突出して設けられ車両走行に伴って車体下部を通過する空気を整流する整流部材を、少なくとも一部が前記車体下部から突出して該車輪の前方に位置させたまま、前記車体下部を通過して前記車輪用の制動装置側に向かう空気の量を制限する第1状態と、前記車体下部を通過して前記制動装置側に向かう空気の量を前記第1状態よりも増加させる第2状態とを切り替え可能な空気流切替装置を備え、前記整流部材は、車両走行方向を向く平板状に形成され、前記車輪及び制動装置が配置されるホイルハウスの前縁から下方に突出した状態で固定されており、前記空気流切替装置は、前記整流部材の上部で前記制動装置に臨んで開口する開口部を、該開口部と車両前端との間に設けた導風切替部材によって開閉することで前記第1状態と第2状態とを切り替える構造であり、前記導風切替部材は、前記第2状態では該車両前端と前記開口部との間に路面側に開口する空気案内溝を形成し、前記第1状態では前記開口部及び空気案内溝を閉塞する。
請求項4記載の車両用整流装置では、空気流切替装置が第1状態とされているときには、車両走行に伴って車体下側を通過する空気が対応する車輪用の制動装置側に導かれる量が制限される。これにより、車両走行に伴って車体下側を通過する空気は、主に整流部材によって整流され、第2状態よりも整流効果が良好である。このため、車両の操縦安定性が向上する。一方、空気流切替装置が第2状態とされているときには、車両走行に伴って車体下側を通過して制動装置側に導かれる空気量が増大し、制動装置が冷却される。ここで、本空気流切替装置では、車体下部を通過する空気を制動装置に導いて該制動装置を冷却し、又は該車体下部を通過する空気を整流部材が直接的に整流するため、車体内部に大きな設置スペースを必要とすることがない。
このように、請求項4記載の車両用整流装置では、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体下部を通過する空気流を切り替えることができる。また、整流部材が常に車輪の前方に位置して整流作用を果たすため、車輪前方に整流部材が位置する状態と車輪前方に整流部材が存在しない状態とを切り替える構成と比較して、空力性能が良好である。
また、請求項4記載の車両用整流装置では、整流部材を車体に対し変位させるか、又は、整流部材自体又は整流部材と車体との間に設けた開口部を開閉することで、整流部材を車輪の前方に位置させたまま第1状態と第2状態とを切り替える空気流切替装置(の構成、機能)が実現される。具体的には、本車両用整流装置では、車体の固定された整流部材が常に車輪の前方の定位置に位置して車体下部を通過する空気を整流する。第2状態が選択されているときには、導風切替部材が車体前端と整流部材上側の開口部との間に空気案内溝を形成する。車両走行に伴って下向きに開口する空気案内溝(車体下側を)通過した空気は、開口部を経由して制動装置に導かれる。整流部材(車体下部)よりも上側に位置する開口部から空気を制動装置側に取り入れるため、整流部材による整流を行ないつつ冷却性能を向上することができる。一方、第1状態では空気案内溝及び開口部が共に閉塞され(車両前方及び下方から見て露出せず)、車両走行に伴って車体下側を通過する空気は整流部材によって整流される。これにより、操縦安定性が向上する。
請求項記載の発明に係る車両用整流装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車両用整流装置において、前記制動装置の温度に応じた信号を出力する温度検出器からの入力信号が設定値を超えた場合に、前記空気流切替装置を前記第2状態に切り替える制御装置をさらに備える。
請求項記載の車両用整流装置では、車輪用の制動装置が設定温度を超える(別途設定温度以上の)高温になると、これに対応する信号が入力された制御装置は、空気流切替装置を第2状態に切り替え(第2状態が選択されている状態を維持し)て制動装置に車体下部を通過する空気を導く。これにより、制動装置が適時冷却される。
請求項記載の発明に係る車両用整流装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用整流装置において、少なくとも車速情報車両旋回情報及び走行路面情報に基づいて車両走行状態を判断し、車速が設定値以下であるか又は車両旋回中であって悪路走行中ではないと判断した場合に前記空気流切替装置を前記第1状態に切り替える制御装置をさらに備える。
請求項記載の車両用整流装置では、車両の走行状態が少なくとも車速情報及び旋回情報に基づいて制御装置によって判断される。この判断結果が車両の操縦安定性を要求する走行状態であることに対応する場合(例えば、操舵時や高速直進時等)に、制御装置は、空気流切替装置を整流部材による整流効果が第2状態よりも良好である第1状態に切り替える(第1状態が選択されている状態を維持する)。これにより、車両の操縦安定性が向上する。
上記目的を達成するために請求項7記載の発明に係る車両用整流装置は、車両における前輪及び該前輪用の制動装置が配置されたホイルハウスの前側に設けられ、車両走行に伴って車体下側を通過する空気流を整流する整流部材を備えた車両用整流装置であって、前記整流部材を、前記車体下部から突出した状態で、路面に向けて凹形状を成し車両走行に伴って下向きの空気流を生成する第1状態と、路面に向けて凸形状を成し車両走行に伴って前記ホイルハウス内に向かう空気流を生成する第2状態とを選択的に取り得る構成とした。
請求項7記載の車両用整流装置では、第1状態が選択されているときには、形状可変とされた整流部材が路面に対し凹形状を成すことで、車両走行に伴って車体下側を通過する空気を凹形状に倣わせて(ガイドして)下向きの空気流を生成する。このため、第2状態では、車両走行に伴って車体下側を通過する空気がホイルハウス内に導かれることを制限する。そして、下方に導かれた空気は前輪や車体に当ることが抑制されるため、本構造によって操縦安定性が向上する。一方、第2状態が選択されているときには、整流部材が路面に対し凸形状を成すことで、車両走行に伴って車体下側を通過する空気流が整流部材後部で相対的に上向きとなりホイルハウス内に導かれる。これにより、ホイルハウス内に配置された前輪用の制動装置が冷却される。
ここで、本空気流切替装置では、車体下部を通過する空気を制動装置に導いて該制動装置を冷却し、又は該車体下部を通過する空気を整流部材が直接的に整流するため、車体内部大きな設置スペースを必要とすることがない。そして、形状可変の整流部材を設けたため、この整流部材を常に前輪の前方に位置させて全体として良好な空力性能を得ながら、制動装置の冷却を優先する状態と操縦安定性を優先する状態とを切り替える構成(機能)が実現される。
このように、請求項7記載の車両用整流装置では、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体下部を通過する空気流を切り替えることができる。特に、形状を変えて第1状態と第2状態とを切り変える整流部材は、常に全体としてホイルハウス下縁よりも下側に位置するので、車体内のスペースを殆ど用いることなく構成することができる。
請求項8記載の発明に係る車両用整流装置は、請求項又は請求項7記載の車両用整流装置において、前記整流部材は、車体に固定された中空の骨格部における路面側の開口部を閉塞した状態で該路面に対し凹形状を成し、該閉塞状態を維持しつつ所定値以上の内圧又は下向き荷重を受けて弾性変形することで路面に対し凸形状を成す弾性部材にて構成されている。
請求項8記載の車両用整流装置では、前輪の前側で車体に固定された骨格部の路面側開口端を、弾性部材にて構成された整流部材が被覆している。整流部材は、自由状態(無負荷状態)では、骨格部材の路面側開口面形状に倣って該路面に対し凹形状を成しており、自らが開口端を閉塞する骨格部内の所定値以上の内圧又は所定値以上の下向き荷重によって弾性変形し、路面に対する凸形状に変形する。この内圧又は下向き荷重を除去すれば、整流部材は路面に対する凹形状に復元する。このように、簡単な構造で形状可変の整流部材が実現される。
請求項9記載の発明に係る車両用整流装置は、請求項8記載の車両用整流装置において、前記整流部材は、該整流部材によって路面側開口端が閉塞されている前記骨格部内に、車両に搭載しているタンク内の冷却水又は洗浄液が充填されることで、前記凹形状から凸形状に変化する。
請求項9記載の車両用整流装置では、例えばエンジン冷却水やフロントウインドウォッシャ液等を、整流部材にて開口端を閉塞された骨格部内に充填することで、該整流部材に内圧又は下向き荷重が作用して、凹形状から凸形状に変形する。このため、例えばタンクやポンプ等の車載部品を利用して整流部材の形状を変更(第1状態と第2状態との切り替え)を行なうことができ、本空気流切替装置の採用に伴うコスト増加や重量増加が抑制される。
以上説明したように本発明に係る車両用整流装置では、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体下部を通過する空気流を切り替えることができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用整流装置10を自動車に適用した例を、図1乃至図7に基づいて説明する。なお、図中矢印FRは車体の前方向を、矢印UPは車体の上方向をそれぞれ示す。
図1には、車両用整流装置10が適用された自動車Sの前部が概略側面図にて示されている。この図に示される如く、自動車Sは、ホイルハウス12内に前輪14及び前輪14用のブレーキ装置16が配置されている。ホイルハウス12の前方では、フロントフェンダ18の下側がアンダカバー20によって被覆されている。フロントフェンダ18の下部すなわちアンダカバーの外縁の上側には、フロントバンパ22の長手方向端部が廻り込んでいる。
そして、車両用整流装置10は、空気流切替装置24を備えている。空気流切替装置24は、図1に実線にて示す如く路面Rに向けて凸となる下凸形状と、図1に想像線にて示す如く路面Rに対し凹となる上凸形状とを選択的に取り得る構成とされている。以下、具体的に説明する。なお、図3に示される如く、空気流切替装置24は、左右の前輪14に対応して左右一対に設けられているが、構造は左右共通(対称)なので一方について説明する。
図2(A)に断面図にて示される如く、アンダカバー20におけるフロントバンパ22とホイルハウス12を構成するフェンダライナ26との間には、本発明における骨格部としてのスパッツフレーム28が下向きに立設されている。スパッツフレーム28は、底面視で前方に開口する略コ字状に形成されると共に、後壁28Aによって連結された左右一対の側壁28B(一方のみ図示)が側面視で略三角形状に形成されている。
すなわち、各側壁28Bは、後壁28Aとの連結部位で下縁が最低位となると共に、前方へ向けて連続的に下縁の高位が上がり、前端でアンダカバー20からの突出高がほぼ0となる構成である。そして、これら一つの側壁28Bの下縁28Cは、側面視で下向きに凹(上向きに凸)なるように湾曲して形成されている。これにより、スパッツフレーム28の下側開口部28Dの開口面形状は、上凸形状とされている。スパッツフレーム28の上側はアンダカバー20によって閉塞されている。したがって、スパッツフレーム28は、その開口部28Dとアンダカバー20との間に略三角柱状の空間を形成する中空構造とされている。
また、スパッツフレーム28の後壁28Aは、フェンダライナ26の前下縁部の略直下に配置されている。また、各側壁28Bの前端は、アンダカバー20におけるフロントバンパ22との境界部近傍に至っている。本第1の実施形態では、スパッツフレーム28は、樹脂成形にてアンダカバー20に一体に形成されている。
以上説明したスパッツフレーム28の開口部28Dは、本発明における整流部材としての形状可変スパッツ30にて被覆されている。形状可変スパッツ30は、ゴム材等の面方向に伸縮可能な材料にて自由状態で略矩形平板状になるように構成されており、四辺がそれぞれ後壁28A、左右の側壁28Bの各下縁、及びアンダカバー20における左右の側壁28Bの前端間の部分に水密状態で固着されている。
スパッツフレーム28の開口部28Dを被覆している形状可変スパッツ30は、無負荷状態では、開口部28Dの開口面形状(側壁28Bの下縁28Cの側面視形状)に倣って上凸形状となる構成である。図2(B)に示される如く、この形状可変スパッツ30は、スパッツフレーム28の内側から自らの復元力に抗する荷重を受けると、下方に撓み、側面視で路面Rに向けて凸となる下凸形状へ形状を変化させるようになっている。下凸形状とされた形状可変スパッツ30は、その外面(下面)が滑らか(スムース)な流線型を形成するように構成されている。この形状可変スパッツ30は、前後方向に沿う長さLを略200mm又は200mm以上、上下方向に沿う高さHを略50mm又は50mm以上、下凸形状をとる状態で後端近傍で路面Rと略平行になる部分の長さLpを略30mm又は30mm以上とすることが望ましい。
そして、本第1の実施形態では、形状可変スパッツ30は、スパッツフレーム28内にウォッシャ装置32の洗浄液が充填されることで、該洗浄液による内圧又は洗浄液の質量に基づく下向き荷重を受けて、上凸形状から下凸形状へと形状を変化させるようになっている。このため、形状可変スパッツ30は、この下凸形状をとる状態で、正面視で下凸形状とならないように、例えば、左右方向の両端を除く部分を左右方向に伸び難く前後方向に伸び易い材料にて構成するか、ゴム材に左右方向に沿ってワイヤ等を取り付ける等して左右方向の伸びを規制するように構成することが好ましい。
図3及び図4に示される如く、自動車Sのウォッシャ装置32は、例えば運転者の手元操作によって洗浄液をフロントウインドシールドガラスGに噴射する装置であって、ウォッシャポンプ34が作動するとウォッシャタンク36内の洗浄液がウォッシャ配管38を介してウォッシャノズル40に供給され、該ウォッシャノズルがフロントウインドシールドガラスGに向けて洗浄液を噴出するようになっている。
ウォッシャ配管38からはゴム材又は樹脂材より成るチューブ状のスパッツ配管42が分岐しており、スパッツ配管42はさらに分岐して、それぞれ形状可変スパッツ30にて閉塞された左右のスパッツフレーム28内の空間に連通されている。また、ウォッシャ配管38とスパッツ配管42との該分岐部には、ウォッシャポンプ34からの洗浄液の送給先をウォッシャノズル40(ウォッシャ配管38)又は左右のスパッツフレーム28(スパッツ配管42)に切り替える切替弁44が配設されている。これにより、ウォッシャポンプ34が作動し、かつ切替弁44がスパッツフレーム28に洗浄液を送給する切替状態では、各スパッツフレーム28内に洗浄液が充填されて形状可変スパッツ30が下凸形状となる構成である。
また、ウォッシャポンプ34は、正回転時には上記の如くウォッシャタンク36内の洗浄液をウォッシャノズル40又はスパッツフレーム28に挿入するが、逆回転するとスパッツフレーム28内の洗浄液を吸い込んでウォッシャタンク36内に戻す構成とされている。これにより、スパッツフレーム28内の洗浄液による内圧又は荷重が形状可変スパッツ30の復元力を下回ると、該形状可変スパッツ30が上凸形状に復帰するようになっている。
さらに、図3に示される如く、各空気流切替装置24は、空気流切替ECU46によって、形状可変スパッツ30が上凸形状となる第1状態と、形状可変スパッツ30が下凸形状となる第2状態とが、自動的に切り替えられるようになっている。空気流切替ECU46は、例えばウォッシャ装置32用のECUに組み込まれており、ウォッシャポンプ34、切替弁44にそれぞれ電気的に接続されており、ウォッシャポンプ34を正逆回転又は停止させる各信号(電力)を該ウォッシャポンプ34に出力し、洗浄液の送給方向に応じた信号を切替弁44に出力する構成である。この空気流切替ECU46は、図示しない運転者の手元スイッチからウォッシャ装置32の作動信号が入力されると、切替弁44をウォッシャ配管38に切り替えると共にウォッシャポンプ34を正回転させるようになっている。
空気流切替ECU46は、形状可変スパッツ30を第1状態から第2状態へ変化させるべき信号が入力されると、切替弁44をスパッツ配管42に切り替えると共にウォッシャポンプ34を正回転させるようになっている。これにより、スパッツフレーム28内に洗浄液が充填されて形状可変スパッツ30が上凸形状から下凸形状に変形する構成である。一方、空気流切替ECU46は、第2状態から第1状態へ変化させるべき信号が入力されると、切替弁44をスパッツ配管42に切り替えると共にウォッシャポンプ34を逆回転させるようになっている。これにより、スパッツフレーム28内の洗浄液がウォッシャタンク36に回収されて、形状可変スパッツ30が自らの復元力によって下凸形状から上凸形状に変形する構成である。
そして、空気流切替ECU46は、形状可変スパッツ30の形状すなわち空気流切替装置24による整流状態を選択するために、自動車Sの各種センサと電気的に接続されて該各種センサの出力信号が車両情報として入力されるようになっている。本第1の実施形態では、空気流切替ECU46は、ブレーキ装置16を構成するブレーキロータ又はブレーキパッドの温度に応じた信号を出力するブレーキ温度センサ48からの信号が入力されるように構成されている。
以上説明した車両用整流装置10では、ブレーキ温度センサ48からの入力情報に基づいて空気流切替ECU46が車両状態を判断し、この車両状態に応じて各空気流切替装置24の形状可変スパッツ30の形状を切り替える(第1状態又は第2状態を択一的に選択する)構成である。この空気流切替ECU46については、車両用整流装置10の作用と共に後述する。
ここで、スパッツの有無又は形状に応じた車両前部の整流作用を説明する。図6(A)は、スパッツを設定していない車体の前下部を模式的に示しており、図6(B)はスパッツを設定していない自動車Sの前部における車体下を通過する空気流を示している。この図に示される如く、自動車Sの走行に伴ってフロントバンパ22の下端からアンダカバーの下側に潜り込んだ空気流は、フェンダライナ26の前下縁をかすめてホイルハウス12内に流れ込む。この空気は下方へは殆ど流れないため、ブレーキ装置16に当る空量が多くなり、ブレーキ装置16の冷却性は良好である。しかしながら、ホイルハウス12内に空気が流れ込み、前輪14や車体に空気流が当り、操縦安定性が良いとはいえない。
図6(B)は、フェンダライナ26の前下縁(後壁28Aに相当する位置)に、車両走行方向を向く平板状の板スパッツ100を設けた車体の前下部を模式的に示しており、図6(D)はスパッツ100を有する自動車Sの前部における車体下を通過する空気流を示している。この図に示される如く、自動車Sの走行に伴ってフロントバンパ22の下端からアンダカバーの下側に潜り込んだ空気流は、スパッツ100に当り下方に流れる。このため、上記スパッツを設定しない場合と比較して、空気流が前輪14に当る位置が下方に下がり、ホイルハウス12内に流れ込む空気量が減少し、ブレーキ冷却性が劣る。一方、ホイルハウス12内に侵入する空気量が少ないため、上記スパッツを設定しない場合と比較して、操縦安定性や空気抵抗は良好である。また、スパッツ100は、平板状であるため、後述するスパッツ30A、30Bと比較すると、路面Rとの干渉を起し難い構成である。
図6(E)は、形状可変スパッツ30が上凸形状をとった場合に相当する上凸形状のスパッツ30Aを設けた車体の前下部を模式的に示しており、図6(F)はスパッツ30Aを有する自動車Sの前部における車体下を通過する空気流を示している。この図に示される如く、自動車Sの走行に伴ってフロントバンパ22の下端からアンダカバーの下側に潜り込んだ空気流は、スパッツ30Aの路面に対する凹曲面に倣うように(ガイドされて)スムースに下方に流れる。このため、ホイルハウス12内には流れ込む空気量が少なく、ブレーキ冷却性は劣る。一方、空気流がスムースに下方に流れるため、操縦安定性や空気抵抗は、スパッツ100を備える構成よりも良好である。
図6(G)は、形状可変スパッツ30が下凸形状をとった場合に相当する下凸形状のスパッツ30Bを設けた車体の前下部を模式的に示しており、図6(H)はスパッツ30Bを有する自動車Sの前部における車体下を通過する空気流を示している。この図に示される如く、自動車Sの走行に伴ってフロントバンパ22の下端からアンダカバーの下側に潜り込んだ空気流は、スパッツ30Bの路面に対する凸曲面に倣うように(ガイドされて)スムースに流れるものの、スパッツ30Bの後端部で上向き流れとなり(その一部が)ホイルハウス12内に流れ込む。このため、ブレーキ装置16の冷却性が良好である。また、この空気流はスムースでかつ高速である(乱れがない)ため、スパッツを設けない構成と比較して空気流入量は少ないがブレーキ冷却性が良好である。一方、上記のとおりホイルハウス12内に侵入する流れに乱れがないため、スパッツ30Aを設けた構成に近い良好な操縦安定性が得られ、また空気抵抗についてはスパッツ30Aを設けた構成よりも良好である。さらに、上記スムースで速い空気流が面でダウンフォースを発生させることも判る。
以上各構成の比較を図7にまとめて示す。この図に示される如く、ブレーキ冷却性については、下凸スパッツ30Bが最も良好で、次いでスパッツ無が良好で、他の二者は劣ることが判る。操縦安定性については、上凸スパッツ30Aが最も良好で、次いで下凸スパッツ30B、板スパッツ100、スパッツ無の順で良好であることが判る。空気抵抗(燃費)については、下凸スパッツ30Bが最も良好で、次いで上凸スパッツ30A、板スパッツ100、スパッツ無の順で良好であることが判る。空気抵抗を表す空気抗力係数(CD値)は、スパッツ無の場合を基準とすると、板スパッツ100設置で0.002低減し、上凸スパッツ30A設置で0.003低減し、下凸スパッツ30B設置で0.004低減することが確かめられている。
この結果から、自動車Sの前下部の整流装置として、必要に応じて上凸スパッツ30Aと下凸スパッツとを切り替えることができれば、ブレーキ冷却性、操縦安定性、及び燃費の三者のうち優先すべき性能を最も良好な状態にすることができることが判る。そして、本第1の実施形態に係る車両用整流装置10は、上記構成の形状可変スパッツ30の形状を、車両状態に応じて上凸形状又は下凸形状に切り替えるようになっている。
次に、本第1の実施形態の作用を、空気流切替ECU46の動作を示す図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
上記構成の車両全部の整流装置10では、通常(エンジン始動時)は空気流切替装置24(スパッツフレーム28)内に洗浄液を導入することなく、左右の空気流切替装置24が形状可変スパッツ30を上凸形状とする第1状態とされている。自動車Sの走行中、空気流切替ECU46は、ステップS10で、ブレーキ温度センサ48から入力する信号が上限設定温度Tt1に対応する所定の閾値を超えるか否か、すなわちブレーキ装置16の温度Tが上限設定温度Tt1を超えるか否かを判断する。ブレーキ装置16の温度Tが上限設定温度Tt1を超えるまでは、ステップS10を繰り返す。
一方、空気流切替ECU46は、ブレーキ装置16の温度Tが上限設定温度Tt1を超えたと判断すると、ステップS12へ進み、左右の空気流切替装置24が形状可変スパッツ30を下凸形状とする第2状態に切り替える。すなわち、空気流切替ECU46は、切替弁44をスパッツ配管42への洗浄液送給側に切り替えると共に、ウォッシャポンプ34を正回転させる。
これにより、ウォッシャタンク36内の洗浄液が左右の空気流切替装置24内に充填され、形状可変スパッツ30が下凸形状に変形する。下凸形状とされた形状可変スパッツ30は、上記スパッツ30Bと同様に、ホイルハウス12内に高速の空気流を導き、該ホイルハウス12内のブレーキ装置16の冷却を促進する。このように、ステップS12では、自動車Sのアンダカバー20下を通過する空気流をブレーキ冷却に有利な状態とする構造に変更する動作(制御)が行なわれる。
次いでステップS14に進む。空気流切替ECU46は、ステップS14では、ブレーキ温度センサ48から入力する信号が下限設定温度Tt2に対応する所定の閾値を下回るか否か、すなわちブレーキ装置16の温度Tが下限設定温度Tt2を下回るか否かを判断する。ブレーキ装置16の温度Tが下限設定温度Tt2以上である場合はステップS10に戻る。一方、空気流切替ECU46は、ブレーキ装置16の温度Tが下限設定温度Tt2を下回ったと判断すると、ステップS16へ進み、左右の空気流切替装置24が形状可変スパッツ30を上凸形状とする第1状態に切り替える。すなわち、空気流切替ECU46は、切替弁44をスパッツ配管42側に切り替えると共に、ウォッシャポンプ34を逆回転させる。なお、ハンチングを避けるため、下限設定温度Tt2は上限設定温度Tt1に対し十分に低い温度として設定されている。
これにより、各空気流切替装置24内の洗浄液がウォッシャタンク36に戻され、内圧又は洗浄液の重量に基づく下向き荷重が除去された形状可変スパッツ30は、自らの復元力によって上凸形状に復帰する。上凸形状とされた形状可変スパッツ30は、上記スパッツ30Aと同様に、ホイルハウス12内に空気流を殆ど導くことなく、操縦安定性を向上する。このように、ステップS16では、自動車Sのアンダカバー20下を通過する空気流を操縦安定性に有利な状態とする構造に変更する動作(制御)が行なわれる。すなわち、本車両用整流装置10では、通常は自動車Sの操縦安定性を重視しつつ、ブレーキ装置16を適時冷却することができる。また、ブレーキ装置16の過冷却も防止される。
ここで、車両用整流装置10では、車体下部を通過する空気を下凸形状のスパッツ30にてホイルハウス12内に導いてブレーキ装置16を冷却し、又は該車体下部を通過する空気を上凸形状のスパッツ30がホイルハウス12内に侵入しないように直接的に整流するため、車体内部大きな設置スペースを必要とすることなく設置することができる。
また、形状可変スパッツ30は、常に前輪14の前方に位置して整流機能を果たすため、前輪前方に整流部材が位置する状態と前輪前方に整流部材が存在しない状態とを切り替える構成と比較して、ブレーキ装置16に空気を導く場合においても操縦安定性や燃費に影響を及ぼす空力性能が良好である。特に、この前輪14の前方に常に存在する整流部材が上凸形状と下凸形状とを切り替える形状可変スパッツ30であるため、上凸形状を選択して最良の操縦安定性を得る第1状態と、下凸形状を選択して最良のブレーキ冷却性及び燃費を得る第2状態とを共に取り得る。しかも、下凸形状における操縦安定性は上凸形状には劣るものの良好であるため、例えばブレーキ装置16の冷却や燃費向上ために下凸形状に切り替えた場合であっても、操縦安定性が極端に悪化したり急激に変化してしまうことがない。
このように、本第1の実施形態に係る車両用整流装置10では、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体前部の空気流を切り替えることができる。
また、形状可変スパッツ30は、中空のスパッツフレーム28の開口端を閉塞する弾性材にて構成され、内圧又は下向き荷重を受けて上凸形状(無負荷状態)から下凸形状に変形するため、構造が簡単で信頼性が高い。さらに、空気流切替装置24は、自動車Sに既設のウォッシャ装置32の洗浄液によって形状可変スパッツ30の形状を変化させるため、換言すれば、ウォッシャタンク36、ウォッシャポンプ34等をウォッシャ装置32と共用するため、本車両用整流装置を採用することに伴うコスト(部品点数)増加や重量増加が抑制される。
次に、上記第1の実施形態の各種変形例を説明する。
図8には、形状可変スパッツ30を変形させるウォッシャ装置32に代えて、専用のエアポンプ50を備えた第1変形例に係る構成が示されている。エアポンプ50は、ゴム材又は樹脂材によりチューブ52を介して空気流切替装置24(スパッツフレーム28)内に連通されており、作動してこれらの空気流切替装置24に内圧を付与するようになっている。これにより、空気流切替ECU46がエアポンプ50を作動することで、形状可変スパッツ30が上凸形状から下凸形状に変形する構成である。また、チューブ52の途中又は各空気流切替装置24には図示しないエア抜き弁が設けられており、空気流切替ECU46がエア抜き弁を開放することで、形状可変スパッツ30が自らの復元力によって上凸形状に復帰する構成である。本第1変形例に係る構成によっても、自動車Sの既設部品を用いることによる効果を除き、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図9(A)及び図9(B)には、形状可変スパッツ30を変形させるウォッシャ装置32に代えて、形状可変スパッツ30の長手方向の複数箇所を下向きに押圧可能なスパッツ駆動装置54を備えた、第2変形例に係る構成が示されている。スパッツ駆動装置54は、図9(A)に示す初期位置で上凸形状の形状可変スパッツ30の上面に接触する複数(本第2変形例では3枚)の押圧板56を備えており、各押圧版54はそれぞれ直動装置58にて下向きの直動及び初期位置に復帰するように駆動されるようになっている。直動装置58は、例えば、各押圧板56に形成されたラック56Aに噛み合うピニオンとされ、各ピニオンは共通のモータにて駆動される構成とされている。各ピニオンのギヤ比は、各押圧板56のストロークに応じて決められている。図示は省略するが、直動装置58(ピニオンを駆動するモータ)は、空気流切替ECU46にて制御されるようになっている。そして、空気流切替ECU46が直動装置58を作動して各押圧板56を下降させると、図9(B)に示される如く、形状可変スパッツ30が上凸形状から下凸形状に変形する構成である。一方、空気流切替ECU46が直動装置58を作動して各押圧板56を上昇させると、形状可変スパッツ30が自らの復元力によって上凸形状に復帰する構成である。本第2変形例に係る構成によっても、自動車Sの既設部品を用いることによる効果を除き、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、直動装置として、例えばリニアモータやエアシリンダ等を用いることも可能である。
図10(A)及び図10(B)には、上凸形状及び下凸形状を取り得る空気流切替装置24に代えて、平板形状と下凸形状とを取り得る空気流切替装置60を備えた参考例に係る構成が示されている。空気流切替装置60は、スパッツフレーム28の後壁28Aに対応する位置に固定的に設置された板スパッツ62を備えている。板スパッツ62は、ゴム材より成り、基本的に図6(C)、図6(D)に示すスパッツ100と同様に形成されている。図10(B)に示される如く、板スパッツ62の前方には、下凸スパッツ64が配置されている。下凸スパッツ64は、下凸形状を取る形状可変スパッツ30と略同じ外郭形状に形成されており、図10(B)に示す状態で下凸形状を取る形状可変スパッツ30と同様に機能する構成である。この下凸スパッツ64の前端は、ヒンジ構造等によってヒンジ軸66廻りの矢印A方向の回動及び復帰が可能とされている。この回動を許容するために、アンダカバー20には貫通孔20Aが形成されている。なお、下凸スパッツ64は、図示しないストッパによって図10(B)の状態から矢印Aと反対向きに回動することはない。そして、下凸スパッツ64は、矢印A方向に回動することで、図10(A)に示される如く、車他内に収納され、アンダカバー20よりも下側に突出しない状態を取り、かつこの状態を維持可能に構成されている。下凸スパッツ64を車体内に収納する駆動装置としては、例えば、下凸スパッツ64の後端に取り付けたワイヤを巻き取る装置を用いることができる。以上により、空気流切替装置60は、板スパッツ62のみを前輪14の前方に位置させる第1状態と、板スパッツ62及び下凸スパッツ64を共に前輪14の前方に位置させる第2状態とを選択的に取り得る構成である。
ところで、図7に示す如く、空気流切替装置60では、第2状態は、ブレーキ冷却性、操縦安定性、及び燃費の何れの性能も第1状態よりも良好である。しかしながら、第1状態では、アンダカバー20の後端部にのみ整流部材としてのスパッツ62が位置するので、第2状態と比較して路面干渉の恐れが小さい。このため、車体前部の路面干渉を生じ易い悪路走行時などに第1状態に切り替えるメリットがある。以下、図11に示すフローチャートに基づいて具体的な制御例を説明する。なお、空気流切替ECU46は、図示しない車速センサ、舵角センサ、上下方向の加速度センサの出力信号を車両情報として入力するようになっている。
この参考例に係る空気流切替装置60を備えた車両前部の整流装置10では、自動車Sの走行中、空気流切替ECU46は、ステップS20で、自動車Sが設定速度を超える高速で直進しているか否かを判断する。具体的には、空気流切替ECU46は、車速センサから入力される車速情報によって自動車Sの走行速度が設定速度を超えているか否かを判断すると共に、舵角センサから入力される舵角情報によって自動車Sが直進中か旋回中かを判断する。また、舵角センサに代えて、ヨーレイトセンサの出力に基づいて直進中か旋回中かを判断することもできる。自動車Sが設定速度を超える高速で直進していると判断すると、ステップS22へ進み、空気流切替装置60を燃費に有利な状態に切り替える。すなわち、本構成では、下凸スパッツ64を車体下部から突出させる第2状態に切り替える。これにより、CD値が低減して燃費が向上する。
一方、空気流切替ECU46は、ステップS20で自動車の車速が設定値以下であるか、自動車Sが旋回中であると判断した場合には、ステップS24へ進み、自動車Sが悪路走行中であるか否かを判断する。具体的には、上下方向の加速度を検知する加速度センサの出力(振幅)が所定値を超えるか否かを判断する。また、加速度検出に代えて、車輪速センサから演算したスリップ率から悪路走行中であるか否かを判断することも可能である。自動車Sが悪路走行中であると判断すると、ステップS26へ進み、空気流切替装置60を路面干渉に有利な状態に切り替える。すなわち、本構成では、下凸スパッツ64を車体内に収納する第1状態に切り替える。これにより、下凸スパッツ64の路面干渉が防止される。また、ゴム製の板スパッツ62は、仮に路面Rと干渉しても、破損等する恐れが少ない。
ステップS24で自動車Sが悪路走行中ではないと判断すると、ステップS28へ進み、空気流切替装置60を操縦安定性に有利な状態に切り替える。すなわち、本構成では、下凸スパッツ64を車体下部から突出させる第2状態に切り替える。これにより、フロントバンパ22下からアンダカバー下を通過する空気が滑らかに整流され、操縦安定性が向上する。
なお、本図11のフローチャートに基づく制御は、上記第1の実施形態に係る車両用整流装置10(空気流切替装置24を備える構成)においても実行可能である。この場合、ステップS22では、形状可変スパッツ30を下凸形状とする第2状態を、ステップS26では、形状可変スパッツ30を上凸形状として路面Rから遠ざける第1状態を、ステップS28では、形状可変スパッツ30を操縦安定性が最も良好な上凸形状とする第1状態をそれぞれ選択することとなる。但し、高速直進時において、その車速や自動車Sのタイプ(スポーツカー等)によっては燃費よりも操縦安定性を優先すべき場合もあり、高速直進時に第1状態を選択する別の制御パラメータを設定することも可能である。
また、第1の実施形態に係る車両用整流装置10(空気流切替装置24を備える構成)は、図5又は図11に示す制御に加えて、又はこれらの制御に代わる別の制御方法によって制御されても良い。例えば、ブレーキ装置16の冷却を考慮しない場合、単に直進時には形状可変スパッツ30を下凸形状(第2状態)とし、操舵(旋回)時には形状可変スパッツ30を上凸形状(第1状態)とするようにしても良い(図11においてステップS24、26を省略した如き制御)。
さらに、上記第1の実施形態及び各変形例では、左右の空気流切替装置24、60に対し同じ制御を行なう例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、左右の空気流切替装置24、60を独立して制御するようにしても良い。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用整流装置70について図12及び図13に基づいて説明する。なお、上記第1の実施形態基本的同一の部品・部分については、上記第1の実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図12(A)に示され如く、車両用整流装置70は、第1実施形態におけるスパッツフレーム28の後壁28Aに対応する位置に固定的に設置された板スパッツ62を備えている。板スパッツ62は、ゴム材より成り、基本的に図6(C)、図6(D)に示すスパッツ100と同様に形成されている。そして、フェンダライナ26の前部における板スパッツ72の直上には、ブレーキ装置16(図12では図示省略)に臨む開口部74が形成されている。
また、図12(B)、図12(C)、及び図13(A)に示される如く、アンダカバー20は平面視矩形状の貫通孔76が設けられている。貫通孔76は、左右の縁部が開口部74の左右の縁部略一致すると共に、その後端が開口部74の下端に連通している。貫通孔76の前端は、アンダカバー20におけるフロントバンパ22との境界部にまで至っている。さらに、アンダカバー20の上面からは、貫通孔76の左右の縁部に沿って一対の溝壁78が立設されている。各溝壁78は、側面視で略三角形状に形成されており、後端がフェンダライナ26における開口部74の対応する左右何れかの縁部の位置及び高さに一致すると共に、貫通孔76の前縁と一致する前端では高さが0とされている。
そして、車両用整流装置70は、貫通孔76に嵌り込んで該貫通孔を閉塞可能な略矩形平板状に形成された導風切替部材としての開閉部材80を備えている。開閉部材80は、その前端が図示しないヒンジ構造(ヒンジ軸66と同様の構造)によって、アンダカバー20に対し後端を上下させる如き方向に揺動可能に支持されている。この状態で開閉部材80の後端は開口部74内にも入り込んでいる。これにより、開閉部材80は、左右端部を対応する溝壁78と摺動しつつ前端廻りに回動することで、図12(B)に示される如く、貫通孔76及び開口部74の下部に嵌り込んで後端近傍を板スパッツ72の上面に当接させ、該貫通孔76及び開口部74を車体前下方に対し閉塞する第1状態と、図12(C)に示される如く、貫通孔76を上側に抜け出して後端部を開口部74の上縁に当接させ、貫通孔76及び開口部74を開放する第2状態とを選択的に取り得る構成とされている。
第2状態においては、開閉部材80は、左右の溝壁78と共に下方に開口する空気案内溝82を形成するようになっている。すなわち、第2状態における開閉部材80は、空気案内溝82溝底を構成する。この空気案内溝82は、車両走行に伴って車体下を通過する空気(の一部)を、開口部74を経由してホイルハウス12内すなわちブレーキ装置16に導くようになっている。この流れを図12(C)に矢印Bにて示す。一方、第1状態では、車両走行に伴って車体下を通過する空気は、貫通孔76及び開口部74を閉塞している開閉部材80に案内されてブレーキ装置16に導かれることなく、板スパッツ72に当るようになっている。
図13(A)及び図13(B)に示される如く、開閉部材80の後端に取り付けられたラック部材(又は有端の内歯ギヤ)84には、ピニオン86が噛合わされており、このピニオンが図示しないモータにて回転駆動されることで、開閉部材80が前端ヒンジ軸廻りに回動して第1状態と第2状態とが切り替えられる構成である。なお、開閉部材80の駆動装置としては、ラック&ピニオン式の装置に代えて、上記の下凸スパッツ64を駆動するワイヤ巻取り装置、エアシリンダやリニアモータ等による直接駆動装置等、各種駆動装置を用いることができる。また、図示は省略するが、この開閉部材80の駆動装置は、空気流切替ECU46に電気的に接続され、図5に示すフローチャートに基づいて制御されるようになっている。
したがって、本第2の実施形態に係る車両用整流装置70では、通常走行時には、開閉部材80が貫通孔76及び開口部74を閉塞する第1状態が選択される。これにより、操縦安定性が良好な状態で走行することができる。ブレーキ装置16の温度Tが上限設定温度Tt1を超えると、空気流切替ECU46の指令によって開閉部材80が貫通孔76及び開口部74を開放して空気案内溝82を形成する第2状態に切り替わり、車両走行に伴い車体下部を通過する空気をブレーキ装置16に導く。これにより、ブレーキ装置16が冷却される。ブレーキ装置の温度Tが下限設定温度Tt2を下回ると、空気流切替ECU46の指令によって開閉部材80が貫通孔76及び開口部74を閉塞する第1状態に切り替わり、再度操縦安定性が良好になる。
そして、本第2の実施形態に係る車両用整流装置70は、車体下部を通過する空気をブレーキ装置16に導く構造であるため、車体内部に大きな設置スペースを必要とすることなく設置することができる。また、車両用整流装置70では、常に板スパッツ72が前輪の前方に位置して整流機能を果たすため、前輪前方に整流部材が位置する状態と前輪前方に整流部材が存在しない状態とを切り替える構成と比較して、ブレーキ装置16に空気を導く場合においても操縦安定性や燃費に影響を及ぼす空力性能が良好である。
このように、本第2の実施形態に係る車両用整流装置70では、車体内部に大きなスペースを必要とすることなく車両状態に応じて車体前部の空気流を切り替えることができる。
次に、本第2の実施形態の変形例を説明する。
図14は、アンダカバー20に貫通孔76に代えて空気案内溝88が設けられた構成が示されている。空気案内溝88は、アンダカバー20の下面において下向きに開口すると共に前後方向に沿う略全長に亘り一定の深さを有し、その開口幅及び深さが開口部74の開口幅及び高さとそれぞれ略一致している。この空気案内溝88の後端は、開口部74に連通している。空気案内溝88の前端は、必要に応じてフロントバンパ22の下部を切り欠いて車体前方に開口している。なお、図示は省略するが、上記第2の実施形態と同様に、開口部74の直下には板スパッツ72が固定的に設けられている(板スパッツ72の上端が開口部74の過縁を規定している)。
また、本変形例では、開閉部材80に代えて、開閉部材90を備えている。開閉部材90は、空気案内溝88の下向き開口端を閉塞可能な下側シャッタ90Aと、空気案内溝88の前側開口端を閉塞可能な前側シャッタ90Bとを有し、側面視で略L字状に形成形成されている。この開閉部材90は、下側シャッタ90Aがアンダカバー20の下面に沿って左右方向にスライドすることで、図14(A)に示される如く空気案内溝88を下側及び前側に開放する第2状態と、図14(B)に示される如く空気案内溝88を下側及び前側から閉塞する第1状態とを選択的に取り得る構成である。開閉部材90の駆動装置としては、開閉部材80の場合と同様に、ラック部材84に噛み合うピニオン86(を駆動するモータ)や他の直動装置を用いることができる。
本変形例に係る構成によっても、上記第2の実施形態と同様に作用して同様の効果を得ることができる。なお、本変形例において、空気案内溝88の形状を空気案内溝82と同様に側面視で三角形状に形成しても良い。この場合、フロントバンパ22に切り欠き等を設ける必要がなくなる。
なお、上記各実施形態では、第1状態と第2状態との切替制御の例をいくつか示したが、本発明はこれに限定されず、他の制御方法による第1状態と第2状態との切替も可能である。
また、前輪14の前方に常に整流部材位置させたまま、車両走行に伴って車体下部を通過する空気を主にホイルハウス12内に導く第2状態と、該空気を主にホイルハウス12外に導く第1状態とを切り替えることができれば足り、該切替のための構成が上記各実施形態又は変形例の構成に限定されることはない。
本発明の第1の実施形態に係る車体前部整流装置が適用された自動車の前部を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部整流装置を構成する形状可変スパッツを示す図であって、(A)は上凸形状を取る状態の側断面図、(B)は下凸形状を取る場合の側断面図である。の支持構造の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部整流装置のスパッツ変形用の動力部を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部整流装置のスパッツ変形用の動力部を示す概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部整流装置の制御フローを示すフローチャートである。 スパッツの有無、スパッツの形状による車体前部の空気流の状態を比較するための図であって、(A)(C)(E)(F)は車体前部の断面形状を示す模式図、(B)(D)(F)(H)は空気流を示す側面図である。 スパッツの有無、スパッツの形状によるブレーキ冷却性、操縦安定性、燃費を比較する線図である。 本発明の第1の実施形態の第1変形例を示す図3に対応する模式図である。 (A)及び(B)は、それぞれ本発明の第1の実施形態の第2変形例を示す図2(A)、(B)に対応する断面図である。 (A)及び(B)は、それぞれ本発明の参考例を示す図2(A)、(B)に対応する断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部整流装置の第3変形例に係る構成の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部整流装置を示す図であって、(A)は正面断面図、(B)は第1状態の側断面図、(C)は第2状態の側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部整流装置を示す図であって、(A)は第1状態の斜視図、(B)は第2状態の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部整流装置の変形例を示す図であって、(A)は第2状態の斜視図、(B)は第1状態の斜視図である。
符号の説明
10 車両用整流装置
12 ホイルハウス
14 前輪
16 ブレーキ装置
24 空気流切替装置
28 スパッツフレーム(骨格部)
30 形状可変スパッツ(整流部材)
36 ウォッシャタンク(タンク)
48 ブレーキ温度センサ(温度検出器)
62 板スパッツ(整流部材)
64 下凸スパッツ(整流部材)
70 車両用整流装置
72 板スパッツ(整流部材)
74 開口部
80 開閉部材(導風切替部材)
82 空気案内溝
88 空気案内溝
90 開閉部材(導風切替部材)

Claims (9)

  1. 車体下部から車輪の前方に突出して設けられ車両走行に伴って車体下部を通過する空気を整流する整流部材を、前記車体下部から突出した状態で該車輪の前方に位置させたまま、前記車体下部を通過して前記車輪用の制動装置側に向かう空気の量を制限する第1状態と、前記車体下部を通過して前記制動装置側に向かう空気の量を前記第1状態よりも増加させる第2状態とを切り替え可能な空気流切替装置を備え
    前記空気流切替装置は、前記整流装置の形状を変化させることで前記第1状態と第2状態とを切り替える構造であり、
    前記整流部材は、前記第1状態では路面に向けて凹形状を成し下向きの空気流を生成し、前記第2状態では路面に向けて凸形状を成し前記制動装置に向かう空気流を生成する、車両用整流装置。
  2. 前記整流部材は、前記路面に向けて凹形状を成す前記第1状態で、前端での車体下部からの突出高がほぼ0であると共に後端での突出高が最大となるように、該前端から後端にかけて連続的に下縁の高位が下がる形状とされている請求項1記載の車両用整流装置。
  3. 前記整流部材は、前記路面に向けて凸形状を成す前記第2状態で、後端側の一部が前記路面に対し略平行となる形状とされている請求項記載の車両用整流装置。
  4. 車体下部から車輪の前方に突出して設けられ車両走行に伴って車体下部を通過する空気を整流する整流部材を、少なくとも一部が前記車体下部から突出して該車輪の前方に位置させたまま、前記車体下部を通過して前記車輪用の制動装置側に向かう空気の量を制限する第1状態と、前記車体下部を通過して前記制動装置側に向かう空気の量を前記第1状態よりも増加させる第2状態とを切り替え可能な空気流切替装置を備え、
    前記整流部材は、車両走行方向を向く平板状に形成され、前記車輪及び制動装置が配置されるホイルハウスの前縁から下方に突出した状態で固定されており、
    前記空気流切替装置は、前記整流部材の上部で前記制動装置に臨んで開口する開口部を、該開口部と車両前端との間に設けた導風切替部材によって開閉することで前記第1状態と第2状態とを切り替える構造であり、
    前記導風切替部材は、前記第2状態では該車両前端と前記開口部との間に路面側に開口する空気案内溝を形成し、前記第1状態では前記開口部及び空気案内溝を閉塞する、車両用整流装置。
  5. 前記制動装置の温度に応じた信号を出力する温度検出器からの入力信号が設定値を超えた場合に、前記空気流切替装置を前記第2状態に切り替える制御装置をさらに備える、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車両用整流装置。
  6. 少なくとも車速情報、車両旋回情報及び走行路面情報に基づいて車両走行状態を判断し、車速が設定値以下であるか又は車両旋回中であって悪路走行中ではないと判断した場合に前記空気流切替装置を前記第1状態に切り替える制御装置をさらに備える、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用整流装置。
  7. 車両における前輪及び該前輪用の制動装置が配置されたホイルハウスの前側に設けられ、車両走行に伴って車体下側を通過する空気流を整流する整流部材を備えた車両用整流装置であって、
    前記整流部材を、前記車体下部から突出した状態で、路面に向けて凹形状を成し車両走行に伴って下向きの空気流を生成する第1状態と、路面に向けて凸形状を成し車両走行に伴って前記ホイルハウス内に向かう空気流を生成する第2状態とを選択的に取り得る構成とした車両用整流装置。
  8. 前記整流部材は、車体に固定された中空の骨格部における路面側の開口部を閉塞した状態で該路面に対し凹形状を成し、該閉塞状態を維持しつつ所定値以上の内圧又は下向き荷重を受けて弾性変形することで路面に対し凸形状を成す弾性部材にて構成されている、請求項又は請求項7記載の車両用整流装置。
  9. 前記整流部材は、該整流部材によって路面側開口端が閉塞されている前記骨格部内に、車両に搭載しているタンク内の冷却水又は洗浄液が充填されることで、前記凹形状から凸形状に変化する、請求項8記載の車両用整流装置。
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