JP2008260406A - 車両用空力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる。
【解決手段】本空力制御装置10では、ロッカ14の長手方向に沿ってロッカフィン26が設けられている。このロッカフィン26は、アクチュエータ36、38、40によって、ロッカ14の内側に収納される収納状態と、ロッカ14の外側へ突出する突出状態とに駆動されると共に、当該突出状態で前端側又は後端側を上下方向に駆動される。このため、ロッカフィン26を車体前後方向に対して傾斜させることができるので、ロッカフィン26に正又は負の揚力を生じさせることができる。したがって、多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の走行安定性を向上させるための車両用空力制御装置に関する。
従来、車体の側面下縁部に沿って配設されたフィンと、このフィンを収納位置と使用位置との間で移動させる駆動機構とを備えた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、高速走行時等にフィンを使用位置へ移動させることで、走行風を整流するようにしている。
実開平3−122949号公報
しかしながら、上記構成の装置では、フィンが車体前後方向に沿った軸周りに回動されるだけの構成になっている。しかも、使用位置へ移動されたフィンの上方にはロッカが存在するため、フィンを使用位置よりも上方へは移動させることができない。このため、フィンに生じる空力の方向が限られており、多様な走行状態(旋回時、制動時、横風時など)に応じて車両の走行安定性を向上させる点で改良の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる車両用空力制御装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係る車両用空力制御装置は、車体両側部の下部に車体前後方向に沿って延在するロッカと、前記ロッカに車体前後方向に沿って設けられ、前記ロッカに対して内側へ収納可能で且つ外側へ突出可能とされたフィンと、前記ロッカに設けられ、前記突出状態での前記フィンの上下方向移動を許容する移動許容手段と、前記フィンを前記収納状態及び前記突出状態へ駆動すると共に、前記フィンの前端側又は後端側を前記突出状態で上下方向に駆動可能な駆動制御手段と、を有することを特徴としている。
なお、請求項1に記載の収納状態は、フィンの全部がロッカの外表面の内側に収納された状態でも、フィンの一部がロッカの外表面から突出した状態でもよく、フィンが請求項1に記載の突出状態よりも車体内側に退避した状態であればよい。この点は、後で説明する請求項2においても同様である。
請求項1に記載の車両用空力制御装置では、ロッカに車体前後方向に沿って設けられたフィンが、駆動制御手段によってロッカの外側へ突出されると、車両の走行風がフィンに干渉する。したがって、この突出状態のフィンによって車両の走行風を整流することができる。しかもこの状態で、駆動制御手段がフィンの前端側又は後端側を上下方向に駆動すると、ロッカに設けられた移動許容手段によってフィンの移動が許容され、フィンが車体前後方向に対して傾斜する。この状態では、フィンに干渉する走行風が偏向されることで、フィンには正又は負の揚力が生じる。したがって、この揚力によって車体のローリングやピッチングなどを抑制することができるので、多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用空力制御装置は、車体両側部の下部に車体前後方向に沿って延在するロッカの長手方向に沿って設けられ、前記ロッカの内側へ収納可能とされると共に、前記ロッカに形成された長孔を介して前記ロッカの外側へ突出可能とされ、且つ、前記突出状態で上下方向に移動可能とされたフィンと、前記フィンの前記突出を許容する状態で前記長孔を塞ぐと共に、前記フィンの前記上下方向移動を許容する閉塞部材と、前記フィンを前記収納状態及び前記突出状態へ駆動すると共に、前記フィンの前端側又は後端側を前記突出状態で上下方向に駆動可能な駆動制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の車両用空力制御装置では、ロッカに形成された長孔が閉塞部材によって塞がれているが、この閉塞部材はロッカに設けられたフィンのロッカ外側への突出、及び当該突出状態での上下方向移動を許容する。ここで、フィンが駆動制御手段によってロッカの外側へ突出されると、車両の走行風がフィンに干渉する。したがって、この突出状態のフィンによって車両の走行風を整流することができる。しかもこの状態で、駆動制御手段がフィンの前端側又は後端側を上下方向に駆動すると、フィンが車体前後方向に対して傾斜する。この状態では、フィンに干渉する走行風が偏向されることで、フィンには正又は負の揚力が生じる。したがって、この揚力によって車体のローリングやピッチングなどを抑制することができるので、多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用空力制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置において、前記駆動制御手段は、車速が所定値以上で且つ車両が制動されたことを検知した際に、車体左右の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させると共に車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させることを特徴としている。
請求項3に記載の車両用空力制御装置では、所定値以上の速度で走行している車両が制動されると、車体左右のフィンがロッカの外側へ突出されると共に車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜される。このため、フィンには車体のリヤ側を押し下げる負の揚力が生じるので、車両制動時における車体の前のめりのピッチング(所謂ノーズダイブ)を抑制することができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用空力制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置において、前記駆動制御手段は、車体左右の圧力差に基づいて横風の方向を検知し、前記横風の風上側の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させると共に、前記横風の風下側の前記フィンを前記ロッカの内側へ収納することを特徴としている。
請求項4に記載の車両用空力制御装置では、横風の風上側のフィンがロッカの外側へ突出されることで、横風による車体のローリングを抑制することができる。しかもこのとき、横風の風下側のフィンがロッカの内側へ収納されるため、風下側のフィンによって、横風による車体のローリングが助長されてしまうことを抑制できる。
請求項5に記載の発明に係る車両用空力制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置において、前記駆動制御手段は、車両の旋回状態を検知し、旋回初期は車体左右の前記フィンを前記ロッカの内側へ収納し、旋回後期は車体左右の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させることを特徴としている。
請求項5に記載の車両用空力制御装置では、車両の旋回初期には、車体左右のフィンがロッカの内側へ収納される。このため、突出状態のフィンによって車体の直進性が不要に向上されることによる旋回性能の悪化を防止することができる。一方、車両の旋回後期には、車体左右のフィンがロッカの外側へ突出される。このため、突出状態のフィンに生じる空力によって車体のローリングを抑制することができ、車両旋回時の走行安定性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明に係る車両用空力制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置において、前記駆動制御手段は、車速が所定値以上で且つ車両が旋回していることを検知した際に、車体左右の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させると共に、旋回初期には旋回外側の前記フィンを車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させ、旋回後期には旋回内側の前記フィンを車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させることを特徴としている。
請求項6に記載の車両用空力制御装置では、所定値以上の速度で走行している車両が旋回されると、車体左右のフィンがロッカの外側へ突出される。そして、車両の旋回初期には、旋回外側のフィンが車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜される。このため、旋回外側のフィンには負の揚力すなわち車体のローリングを助長する空力が生じるので、車両の旋回性能を向上させることができる。一方、旋回後期には、旋回内側のフィンが車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜される。このため、旋回内側のフィンには負の揚力すなわち車体のローリング(ふらつき)を抑制する空力が生じるので、車両旋回時の走行安定性を向上させることができる。
請求項7に記載の車両用空力制御装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用空力制御装置において、前記駆動制御手段は、前記ロッカ内に設けられたモータと、前記モータの出力軸と前記フィンとの間に掛け渡され、前記出力軸が軸線周り一方へ回転されることで前記フィンを前記収納状態へ駆動すると共に、前記出力軸が軸線周り他方へ回転されることで前記フィンを前記突出状態へ駆動する回転力伝達部材と、前記突出状態で前記出力軸が軸線周り他方へ回転されることで前記モータを前記回転力伝達部材及び前記フィンと共に上昇させる上昇機構と、を有することを特徴としている。
請求項7に記載の車両用空力制御装置では、モータの出力軸が軸線周り一方へ回転されると、回転力伝達部材によってフィンがロッカの内側へ収納される。また、モータの出力軸が軸線周り他方へ回転されると、回転力伝達部材によってフィンがロッカの外側へ突出される。さらに、この突出状態でモータの出力軸が軸線周り他方へ回転されると、上昇機構によってモータが回転力伝達部材及びフィンと共に上昇される。したがって、フィンの収納、突出、及び上昇を単一のモータで行うことができるので、駆動制御手段の構成を簡素化することができる。
請求項8に記載の車両用空力制御装置は、請求項7に記載の車両用空力制御装置において、前記上昇機構は、前記ロッカに取り付けられ、前記モータを所定範囲移動可能に支持するガイド部材と、前記モータの前記出力軸に取り付けられた歯車と、前記ロッカに取り付けられ、前記歯車に噛合可能とされたラックとを有し、前記回転力伝達部材は、前記突出状態で前記出力軸が軸線周り他方へ回転されることで前記モータを移動させて前記歯車を前記ラックに噛合させることを特徴としている。
請求項8に記載の車両用空力制御装置では、フィンがロッカの外側へ突出された状態でモータの出力軸が軸線周り他方へ回転されると、回転力伝達部材によってモータが移動され、モータの出力軸に取り付けられた歯車がロッカに取り付けられたラックに噛合される。この状態で、出力軸すなわち歯車が回転されると、モータは、回転力伝達部材及びフィンと共にラックすなわちロッカに対して上昇される。したがって、簡単な構成でモータを上昇させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、多様な走行状態に応じて車両の走行安定性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、車両制動時における車体の前のめりのピッチングを抑制することができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、横風による車体のローリングを抑制することができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、車両の旋回性能の悪化を防止することができると共に、車両旋回時の走行安定性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、車両の旋回性能を向上させることができると共に、車両旋回時の走行安定性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、駆動制御手段の構成を簡素化することができる。
請求項8に記載の発明に係る車両用空力制御装置では、簡単な構成でモータを上昇させることができる。
本発明の一実施形態について、図1〜図24を参照して説明する。なお、図中矢印FRは車両前方向を示し、矢印UPは車両上方向を示し、矢印INは車幅内側方向を示している。
図1には、本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置10を搭載した車両12(自動車)の概略的な構成が側面図にて示されている。また、図2には、この車両12の概略的な構成が平面図にて示されている。さらに、図3〜図5には、車両用空力制御装置10の部分的な構成が正面図にて示されており、図6〜図9には、車両用空力制御装置10の部分的な構成が断面図にて示されている。
本実施形態に係る車両12は、車体13の両側部の下部(サイドドア11の下方)に、車体前後方向に沿って延在するロッカ14を備えている。ロッカ14は、車幅方向外側に配置されたアウターパネル16と、このアウターパネル16の車幅方向内側に配置されたインナーパネル18とを有しており、これらが上下のフランジ部で接合されることで閉断面を構成している。
図6〜図9に示されるように、ロッカ14の内部は、隔壁20によって車幅方向に仕切られており、隔壁20とアウターパネル16によってロッカフィン収納室22が形成されている。このロッカフィン収納室22は、ロッカ14の長手方向に沿って延在している。
ロッカ14のアウターパネル16の下端側には、車体前後方向に沿った長孔24(移動許容手段)が形成されている。この長孔24は、ロッカ14の長手方向に沿った略全域に形成されており、ロッカフィン収納室22は、この長孔24を介して車体外側に連通している。
ロッカフィン収納室22の内部には、後述するロッカフィン26を支持するための支持部材28が設けられている。支持部材28は、車体前後方向に沿って長尺な箱状に形成されており、長孔24に対向する幅方向一端側が開口している。この支持部材28の長さ寸法は、ロッカ14の長さ寸法と同程度、若しくはそれ以上に設定されており、長手方向両端部に設けられた支軸30がロッカ14に回転可能に支持されている。各支軸30は、軸線方向が車体前後方向に沿って配置されており、支持部材28は、各支軸30周り(すなわち車体前後方向に沿った軸周り)に回動可能とされている。この支持部材28の内側には、ロッカフィン26が収納されるようになっている。
ロッカフィン26は、長尺な平板状に形成されており、長手方向が車体前後方向に沿う状態で配置されている。ロッカフィン26の長さ寸法は、ロッカ14の長さ寸法と同程度、若しくはそれ以上に設定されている。このロッカフィン26は、支持部材28に対して、その内側(すなわちロッカ14の内側)へ収納される収納状態(図3、図6図示状態)と、長孔24を介してロッカ14の外側へ突出する突出状態(図4、図7図示状態)との間で相対的にスライド可能とされている。
さらに、この実施形態では、ロッカフィン26を支持する支持部材28が上述の如く支軸30周りに回動可能とされており、長孔24の上下方向の幅寸法がロッカフィン26の厚さ寸法よりも充分に大きく形成されている。このため、ロッカフィン26は、上記突出状態においても、図7及び図8に示される下限位置と図9に示される上限位置との間で、支軸30周りに上下に回動可能とされている。
支持部材28の開口側端部には、上下両側に閉塞部材32、34(移動許容手段)が取り付けられている。これらの閉塞部材32、34は、本実施形態では、樹脂又はゴム等の弾性変形可能な材料によって板状に形成されたものであり、ロッカフィン26がロッカ14の外側へ突出可能な状態で長孔24を塞いでいる。また、これらの閉塞部材32、34は、支持部材28が支軸30周りに回動した際には、アウターパネル16に対してその内側面に沿って相対的にスライドするようになっている。このため、閉塞部材32、34は、支持部材28及びロッカフィン26の上下方向移動を許容しつつ、長孔24を塞いだ状態を維持するようになっている。
なお、ロッカフィン26が図7及び図8に示される下限位置に配置された状態では、ロッカフィン26はロッカ14の下端部から斜め下向きに突出する。このときのロッカフィン26の車体上下方向に対する傾斜角度は、例えば45度程度に設定されている。また、ロッカフィン26のロッカ14からの突出量Lは、例えば25mm以上に設定されている。この場合、上記下限位置に配置されたロッカフィン26の先端は、ロッカ14の下側フランジ部15の下端と同程度の高さに配置されるか、或いは下側フランジ部15の下端よりも下側に突出するようになっている。
一方、ロッカフィン収納室22の前端部、前後方向中間部、及び後端部には、それぞれ駆動制御手段を構成するアクチュエータ36、38、40が設けられている。これらのアクチュエータ36、38、40は、支持部材28及びロッカフィン26の上側に配置されており、各々が駆動源としてのモータ42を備えている。モータ42の出力軸44は、モータ42の前後両側へ突出している。モータ42の前後両側には、平板状に形成されてロッカ14に固定されたガイド板46(ガイド部材)が設けられており、これらのガイド板46には、略L字形のガイド溝47が形成されている。
各ガイド板46のガイド溝47は、車体上下方向に延在する垂直部と、この垂直部の下端から車幅方向外側へ斜め下向きに延出された傾斜部とを有している。各ガイド板46のガイド溝47には、それぞれ出力軸44の軸線方向端部が挿入されている。これにより、モータ42は、各ガイド板46に対してガイド溝47に沿って相対移動可能に支持されている。
また、出力軸44には、モータ42の前後両側において、歯車48が固定されている。これらの歯車48は、隔壁20に取り付けられたラック50に対向している。さらに、各歯車48と各ガイド板46との間には、長尺板状に形成されたスライドアーム52が設けられている。これらのスライドアーム52は、長手方向一端部が出力軸44に対して相対回転可能に連結されると共にトルク制限クラッチ54を介して各歯車48に連結されている。これらのトルク制限クラッチ54は、通常はスライドアーム52と歯車48を一体的に連結しているが、両者の間に所定値以上のトルクが作用した際には両者の相対回転を許容するようになっている。
各スライドアーム52の長手方向他端部には、各スライドアーム52の長手方向に沿った長孔56が形成されている。各長孔56は、ロッカフィン26の車幅方向内側端部に設けられた連結軸58に対応している。各連結軸58は、ロッカフィン26の車幅方向内側端部に形成された切欠60内に設けられており、軸線方向が車体前後方向に沿う状態でロッカフィン26に固定されている。これらの連結軸58は、各スライドアーム52の長孔56を相対回転可能な状態で貫通している。これにより、各スライドアーム52は、ロッカフィン26に回動可能に連結されている。
ここで、図6に示されるように、ロッカフィン26がロッカ14の内側に収納された状態では、モータ42の出力軸44は、ガイド溝47の傾斜部の下端部内周に当接している。この状態では、出力軸44に固定された歯車48は、隔壁20に取り付けられたラック50から離間して配置されている。そして、この状態でモータ42が出力軸44を軸線周り一方(図6の矢印A方向)へ回転させると、スライドアーム52が図6の矢印A方向へ回動され、ロッカフィン26がロッカ14の外側へ突出される。
図7に示される位置までロッカフィン26が突出されると、図示しない規制手段によってロッカフィン26のそれ以上の突出が規制されるようになっている。このため、スライドアーム52の回動も制限される。この状態から更に出力軸44が図7の矢印A方向へ回転されると、スライドアーム52と歯車48との間に作用するトルクが大きくなり、トルク制限クラッチ54が滑る。このため、スライドアーム52と歯車48が相対回転可能になり、モータ42がスライドアーム52からの反力によって車幅方向内側へ移動され、図8に示されるように歯車48がラック50に噛合される。
このように歯車48がラック50に噛合された状態で、モータ42が歯車48を図8の矢印A方向へ回転させると、モータ42は出力軸44をガイド溝47に案内されつつスライドアーム52と共に上昇する。このため、ロッカフィン26は、支持部材28と共に支軸30周りに回動されて上方へ移動される。そして、図9に示されるように、モータ42の出力軸44がガイド溝47の垂直部の上端部内周に当接すると、モータ42やロッカフィン26のそれ以上の上昇が規制される。なお、モータ42には減速機が設けられており、上述の如くモータ42が上昇された状態でモータ42への通電が遮断されても、モータ42はその場に留まるようになっている。
一方、図9に示される状態で、モータ42が歯車48を軸線周り他方(図9の矢印B方向)へ回転させると、モータ42は出力軸44をガイド溝47に案内されつつスライドアーム52と共に下降する。このため、ロッカフィン26は、支持部材28と共に支軸30周りに回動されて下方へ移動される。そして、図8に示される位置までモータ42が下降されると、モータ42は、ガイド溝47の傾斜部に出力軸44を案内されつつ、自重によって車幅方向外側へ移動する。これにより、歯車48がラック50から離間される。そして、モータ42は、図7に示されるように、出力軸44がガイド溝47の傾斜部の下端部内周に当接することで車幅方向外側への移動を制限される。この状態でさらにモータ42が出力軸44を図7の反矢印A方向へ回転させると、スライドアーム52が図7の反矢印A方向へ回動され、図6に示されるように、ロッカフィン26がロッカ14の内側へ収納される。
上記構成のアクチュエータ36、38、40は、車両12に搭載された制御装置62に電気的に接続されている。この制御装置62は、CPUやドライバを含んで構成されており、アクチュエータ36、38、40と共に駆動制御手段を構成している。この制御装置62には、圧力センサ64R、64L、車高センサ66R、66L、ブレーキセンサ68、アクセルセンサ70、ステアリング角度センサ72、ステアリングトルクセンサ74、横Gセンサ76、ヨーレートセンサ78、及び前後Gセンサ80など(何れも駆動制御手段)が電気的に接続されている。
圧力センサ64R、64Lと、車高センサ66R、66Lは、それぞれ車体13の左右両側に設置されている。制御装置62は、圧力センサ64R、64Lが検出する圧力の差、すなわち車体13の左右の圧力差に基づいて横風の方向を検知すると共に、車高センサ66R、66Lの検出結果に基づいて、車体13の左右の車高を個別に検知するようになっている。
ブレーキセンサ68は、ブレーキの踏込量を検出するものであり、アクセルセンサ70は、アクセルの踏込量を検出するものである。制御装置62は、ブレーキセンサ68及びアクセルセンサ70の検出結果に基づいて、ブレーキ及びアクセルの操作状態を検知するようになっている。
ステアリング角度センサ72は、ステアリングの操舵角度を検出するものであり、ステアリングトルクセンサ74は、ステアリングの操舵トルクを検出するものである。制御装置62は、ステアリング角度センサ72及びステアリングトルクセンサ74の検出結果に基づいて、ステアリングの操舵状態を検知するようになっている。
また、横Gセンサ76は、車体13の左右方向の加速度を検出するものであり、ヨーレートセンサ78は、車体13のヨーレートを検出するものであり、前後Gセンサ80は、車体13の前後方向の加速度を検出するものである。制御装置62は、横Gセンサ76、ヨーレートセンサ78、及び前後Gセンサ80の検出結果に基づいて、車体13の挙動を検知するようになっている。
そして、上記構成の制御装置62は、上述の各種検知結果に基づいて車両12の走行状態を判断し、当該判断結果に基づいて前述したアクチュエータ36、38、40の作動を制御する。これにより、ロッカフィン26が前記収納状態及び前記突出状態へ駆動されると共に、前記突出状態で上下方向に駆動されるようになっている。
しかもこの場合、制御装置62は、アクチュエータ36、38、40の作動を個別に制御できるようになっている。すなわち、例えば、制御装置62はアクチュエータ36、38、40の各モータ42への通電時間を異ならせることで、前記突出状態のロッカフィン26の仰角及び俯角を制御できるようになっている。
すなわち、制御手段62は、アクチュエータ36、38によってロッカフィン26の前端側だけを上方へ移動させることで、ロッカフィン26を車体前後方向に対して前上がりに傾斜させる(仰角制御する)ことができるようになっている。また、制御手段62は、アクチュエータ38、40によってロッカフィン26の後端側だけを上方へ移動させることで、ロッカフィン26を車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させる(俯角制御する)ことができるようになっている。なお、図10には、突出状態のロッカフィン26が前下がりに傾斜された状態が図示されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
(第1の制御方法)
図11には、本空力制御装置10の第1の制御方法に係る制御手順がフローチャートにて示されている。本空力制御装置10では、車両12が停止しているときには、ロッカフィン26がロッカ14の内側に収納されている。そして、車両12が走行し始めると、制御装置62は、車両12の速度が所定の設定値1(例えば50km/h)以上であるか否かを判断する(ステップ100)。このステップ100での判断が否定された場合には、空力制御が不要な低速域であると判断され、ステップ102に移行する。ステップ102では、制御装置62は、ロッカフィン26をロッカ14の内側に収納したままにする。
一方、ステップ100での判断が肯定された場合には、空力制御が必要な高速域であると判断され、ステップ104に移行する。ステップ104では、制御装置62は、ロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させる。このため、車両12の走行風がロッカフィン26に干渉し、ロッカフィン26には車体13のローリングを抑制する空力が生じる。これにより、車両12の走行安定性が向上する。
すなわち、図12(A)に示されるように、ロッカフィン26による上記空力制御がない通常の車両の場合、走行時の外乱(例えば、横風や路面の凸凹など)によって車体13がローリングすると、このローリングを抑制しようとする空力が生じないため、車体13は暫くローリングしたままになり、車両12の走行安定性が悪化する。
これに対し、図12(B)に示されるように、ロッカフィン26によって上記空力制御が行われた場合には、ロッカフィン26に生じる空力(矢印F1及び矢印F2参照)によって車体13のローリングが抑制されるため、車両運動を安定化させることができる(なお、図12(A)、(B)では、車体13のローリングセンターに符号Sを付与してある)。
しかも、本空力制御装置10では、前述したように車両12の停止時には、ロッカフィン26がロッカ14の内側に収納される。このため、乗員の乗降性を良好に確保することができる。すなわち、図13(A)に示されるように、乗員乗降時にロッカフィン26がロッカ14の外側へ突出していると、乗員はロッカフィン26に足が当ることで車両12に乗り込みにくくなる。これに対し、図13(B)に示されるように、乗員乗降時にロッカフィン26が収納されていると、乗員は車両12に乗り込みやすくなる。
また、本空力制御装置10では、長尺なロッカフィン26がロッカ14の全長にわたって設けられている。このため、ロッカフィン26に干渉する空気流には乱れが生じず、高い整流効果を得ることができる。しかも、このロッカフィン26は、ロッカ14の下端部から斜め下向きに突出する。この場所は空気流の流速が速いので、ロッカフィン26に大きな空力を生じさせることができる。
すなわち、図14(A)に示されるように、ロッカフィン26がロッカ14の上端部から突出される場合、ロッカフィン26に干渉する空気流は一旦偏向された後、また元の方向に戻されてしまう(矢印C参照)。これに対し、図14(B)に示されるように、本空力制御装置10では、ロッカフィン26に干渉する空気流を大きく偏向することができるので(矢印D参照)、大きな空力を生じさせることができる。
次に、本空力制御装置10の他の制御方法について説明する。なお、前記第1の制御方法と同様の制御内容については、前記第1の制御方法の説明で用いた符号と同符号を付してその説明を省略する。
(第2の制御方法)
図15には、本空力制御装置10の第2の制御方法に係る制御手順がフローチャートにて示されている。この制御方法では、ステップ100での判断が肯定された場合、すなわち車両12の速度が所定の設定値以上であると判断された場合、ステップ106に移行する。
ステップ106では、制御装置62は、車両12のブレーキが操作されたか否かを判断する。このステップ106での判断が否定された場合には、車両12が制動されていないと判断され、ステップ108に移行する。ステップ108では、制御装置62は、ロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させる。このため、前記第1の制御方法と同様に、車両12の走行安定性が向上する。
一方、前述したステップ106での判断が肯定された場合には、車両12が制動されていると判断され、ステップ110に移行する。ステップ110では、制御装置62は、ロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させて前下がりの状態に傾斜させる。このため、車両12の走行風がロッカフィン26に干渉し、走行風が上向きに偏向される。これにより、ロッカフィン26には車体13のリヤ側を押し下げる負の揚力(所謂ダウンフォース)が生じるので、車体13の前のめりのピッチング(所謂ノーズダイブ)が抑制される。
すなわち、図16(A)に示されるように、上述の空力制御がない通常の車両の場合、車体13は減速加速度によって前のめりにピッチングする。このため、ブレーキの効きが悪化するなどして制動時の走行安定性が悪化する。これに対し、図16(B)に示されるように、ロッカフィン26による上記空力制御が行われた場合、ロッカフィン26に生じるダウンフォースF3によって車体13の前のめりのピッチングが抑制されるので、ブレーキの効きを良好に維持することができ、制動時の走行安定性が向上する(なお、図16(B)では走行風の流れが点線の矢印で示されている)。
しかも、本空力制御装置10では、ロッカ14の全長にわたって設けられた長尺なロッカフィン26が、流速の速い場所で前下がりに傾斜されるので、上記ピッチング抑制効果を容易に得ることができる。さらに、ロッカフィン26に干渉する空気流を乱さずに整流することができるので、上記ピッチング抑制効果を増加させることができる。
さらに、本空力制御装置10では、長尺なロッカフィン26が少数(本実施形態では3つ)のアクチュエータ36、38、40によって駆動されると共に、各アクチュエータが単一のモータ42でロッカフィン26の収納、突出、及び上下移動を行うため、構成が簡単である。
(第3の制御方法)
図17には、本空力制御装置10の第3の制御方法に係る制御手順がフローチャートにて示されている。この制御方法では、ステップ100での判断が肯定された場合、すなわち車両12の速度が所定の設定値以上であると判断された場合、ステップ112に移行する。
ステップ112では、制御装置62は、車体13の左右の圧力差が所定の設定値2(例えば、10mmAq)以上であるか否かを判断する。このステップ112での判断が否定された場合には、横風が吹いていないと判断され、ステップ114に移行する。ステップ114では、制御装置62は、車体13の左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させる。このため、前記第1の制御方法と同様に、車両12の走行安定性が向上する。
一方、前述したステップ112での判断が肯定された場合には、横風が吹いていると判断され、ステップ116に移行する。ステップ116では、制御装置62は、車体右側の圧力が車体左側の圧力よりも大きいか否かを判断する。この判断が否定された場合には、車体左側から横風が吹いていると判断され、ステップ118に移行する。
ステップ118では、制御装置62は、車体左側すなわち横風の風上側のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させる。このため、横風により発生した車両12の横運動のために生じる車体13のローリングが、風上側のロッカフィン26に生じる空力によって抑制される。しかもこのとき、制御装置62は、車体右側すなわち横風の風下側のロッカフィン26をロッカ14の内側に収納したままにする。このため、風下側のロッカフィン26によって上記ローリングが助長されてしまうことを防止することができる。したがって、車体左側からの横風に起因する車体13のローリングを効果的に抑制することができる。
一方、前述したステップ116での判断が肯定された場合には、車体右側から横風が吹いていると判断され、ステップ120に移行する。ステップ120では、制御装置62は、車体右側すなわち横風の風上側のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させると共に、車体左側すなわち横風の風下側のロッカフィン26をロッカ14の内側に収納したままにする。したがって、前述した場合と同様の作用により、車体右側からの横風に起因する車体13のローリングを効果的に抑制することができる。
すなわち、図18(A)に示されるように、ロッカフィン26による上記空力制御がない通常の車両の場合、車体13の床下と路面との間を通過する横風Wによって、車体13のローリングを助長する空力F3が発生する。しかもこの場合、車体13のローリングを抑制する空力F4はあまり発生しないため、横風時のローリングが大きくなってしまう。
また、図18(B)に示されるように、横風時に車体左右のロッカフィン26が両方とも突出された場合には、車体13のローリングを助長する空力F5はあまり発生せず、逆にローリングを戻す空気力F6が発生する。
これに対し、本制御方法では、図18(C)に示されるように、横風の風上側のロッカフィン26だけが突出されるため、車体13の床下と路面との間を抜け出した横風Wが上昇することで、車体13のローリングを抑制する空力F4が増加する。したがって、本制御方法では、空力F4及びF6によって、横風に起因する車体13のローリングを効果的に抑制することができ、横風時の車両走行安定性を向上させることができる。
(第4の制御方法)
図19には、本空力制御装置10の第4の制御方法に係る制御手順がフローチャートにて示されている。この制御方法では、ステップ100での判断が肯定された場合、すなわち車両12の速度が所定の設定値以上であると判断された場合、ステップ122に移行する。
ステップ122では、制御装置62は、ステアリングの操舵角度が所定の設定値3(例えば、5deg)以上であるか否かを判断する。このステップ122での判断が否定された場合には、ステアリングが操舵されていないと判断され、ステップ124に移行する。ステップ124では、制御装置62は、車体13の左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させる。このため、前記第1の制御方法と同様に、車両12の走行安定性が向上する。
一方、前述したステップ122での判断が肯定された場合には、ステアリングが操舵されたと判断され、ステップ126に移行する。ステップ126では、制御装置62は、ステアリングの操舵トルクが所定の設定値4(例えば、10N・m)以上であるか否かを判断する。この判断が肯定された場合には、ステアリングの操舵初期、すなわち乗員が車両12を旋回させるためにステアリングを操舵し始めた旋回初期の状態であると判断され、ステップ128に移行する。
ステップ128では、制御装置62は、車体左右のロッカフィン26をロッカ14の内側に収納したままにする。このため、車両の旋回初期に、ロッカフィン26によって車体13のローリングが不要に抑制されることがない。したがって、ステアリング操作の応答遅れが生じることを防止でき、旋回初期における旋回性能を良好に確保することができる。
一方、前述したステップ126での判断が否定された場合には、ステアリングの操舵後期、すなわち車両12が完全に旋回状態に突入した旋回後期の状態であると判断され、ステップ130に移行する。
ステップ130では、制御装置62は、車体左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させる。このため、ロッカフィン26に生じる空力によって車体13のローリングが抑制され、旋回時の走行安定性が向上する。
すなわち、図20(A)に示されるように、通常の車両では、旋回初期に車体13のローリングを助長する空力F7が発生するが、この空力F7は旋回初期から旋回後半まで発生し続ける。このため、図20(B)に示されるように、旋回後期には車体13のローリングが大きくなり、走行安定性が悪化する。
また、図21(A)に示されるように、旋回初期に車体左右のロッカフィン26が突出された場合、ローリングを抑制する空力F8が生じるため、ステアリング操作の応答遅れが生じ、旋回性能が悪化する。また、図21(B)に示されるように、旋回後期には、空力F8によって車体13のローリングが抑制されるので、走行安定性が向上する。
これに対し、本制御方法では、図22(A)に示されるように、旋回初期には車体左右のロッカフィン26が収納されているため、空力F7によって車体13がローリングし、旋回性能が良好になる。また、図22(B)に示されるように、旋回後期には突出状態のロッカフィン26に生じる空力F8よって走行安定性が向上する。したがって、ステアリングの応答性を良好に確保しつつ、旋回時の走行安定性を向上させることができる。
(第5の制御方法)
図23には、本空力制御装置10の第5の制御方法に係る制御手順がフローチャートにて示されている。なお、前記第4の制御方法と同様の制御内容については、前記第4の制御方法の説明で用いた符号と同符号を付してその説明を省略する。
この制御方法では、ステップ126での判断が肯定された場合、すなわち車両12が旋回初期の状態にあると制御装置62が判断した場合には、ステップ132に移行する。ステップ132では、制御装置62は、ステアリングトルクセンサ74が検出した操舵トルクの値がゼロよりも大きいか否かを判断する。この判断が肯定された場合には、ステアリングが右に操舵されたと判断され、ステップ134に移行する。
ステップ134では、制御装置62は、車体左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させると共に、車体左側すなわち旋回外側のロッカフィン26を前下がりの状態に傾斜させる。このため、図24(A)に示されるように、旋回外側のロッカフィン26には、車体13を押し下げる負の揚力F9、すなわち車体13のローリングを助長する空力F9が生じる。これにより、旋回初期のステアリング操作に対する車両運動の応答性が向上する。
一方、前述したステップ132での判断が否定された場合には、ステアリングが左に操作されたと判断され、ステップ136に移行する。ステップ136では、制御装置62は、車体左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させると共に、車体右側すなわち旋回外側のロッカフィン26を前下がりの状態に傾斜させる。このため、旋回外側のロッカフィン26には、車体13を押し下げる負の揚力、すなわち車体13のローリングを助長する空力が生じる。これにより、旋回初期のステアリング操作に対する車両運動の応答性が向上する。
このように、本第5の制御方法では、旋回初期には旋回外側のロッカフィン26に車体13のローリングを助長する空力を積極的に生じさせるので、前記第4の制御方法よりも更に、旋回初期における車両12の旋回性能を向上させることができる。
なお、旋回初期に、旋回内側のロッカフィン26を前上がりの状態に傾斜させるようにしてもよい。この場合、旋回内側のロッカフィン26に正の揚力すなわち車体13のローリングを助長する空力が生じるので、車体13のローリングを更に積極的に助長することができる。
一方、前述したステップ126での判断が否定された場合、すなわち車両12が旋回後期の状態にあると制御装置62が判断した場合には、ステップ138に移行する。ステップ138では、制御装置62は、ステアリングトルクセンサ74が検出した操舵トルクの値がゼロよりも大きいか否かを判断する。この判断が肯定された場合には、ステアリングが右に操舵されていると判断され、ステップ140に移行する。
ステップ140では、制御装置62は、車体左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させると共に、車体右側すなわち旋回内側のロッカフィン26を前下がりの状態に傾斜させる。このため、図24(B)に示されるように、旋回内側のロッカフィン26には、車体13を押し下げる負の揚力F10、すなわち車体13のローリングを抑制する空力F10が生じる。これにより、車体13のローリングが抑制され、旋回後期における車両12の走行安定性が向上する。
一方、前述したステップ138での判断が否定された場合には、ステアリングが左に操舵されていると判断され、ステップ142に移行する。ステップ142では、制御装置62は、車体左右のロッカフィン26をロッカ14の外側へ突出させると共に、車体左側すなわち旋回内側のロッカフィン26を前下がりの状態に傾斜させる。このため、旋回内側のロッカフィン26には、車体13を押し下げる負の揚力、すなわち車体13のローリングを抑制する空力が生じる。これにより、車体13のローリングが抑制され、旋回後期における車両12の走行安定性が向上する。
このように、本第5の制御方法では、旋回後期には旋回内側のロッカフィン26に車体13のローリングを抑制する空力を積極的に生じさせるので、前記第4の制御方法よりも更に、旋回後期における車両12の走行安定性を向上させることができる。
なお、旋回後期に、旋回外側のロッカフィン26を前上がりの状態に傾斜させるようにしてもよい。この場合、旋回外側のロッカフィン26に正の揚力すなわち車体13のローリングを抑制する空力が生じるので、車体13のローリングを更に積極的に抑制することができる。
また、上記実施形態では、ロッカ14の外側へ突出されたロッカフィン26が上下方向に駆動される構成にしたが、この上下方向駆動を省略する場合には、図25(A)、(B)に示される変形例のような構成にしてもよい。図25(A)、(B)に示される変形例では、モータ42及び支持部材28はロッカに固定されている。この変形例では、歯車48、トルク制限クラッチ54、及びラック50等を省略することができる。
さらに、上記実施形態では、ロッカフィン26の長さ寸法がロッカ14の長さ寸法と同程度、若しくはそれ以上に設定された構成にしたが、本発明はこれに限らず、ロッカフィン26の長さ寸法がロッカ14の長さ寸法よりも充分に短く設定された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、ロッカ14の前端部、前後方向中間部、及び後端部に設けられた3つのアクチュエータ36、38、40(駆動装置)によってロッカフィン26が駆動される構成にしたが、本発明はこれに限らず、ロッカフィン26を駆動する駆動装置の数及び配置は適宜設定変更することができる。
また、上記実施形態では、各アクチュエータ36、38、40(駆動装置)が単一のモータ42でロッカフィン26を収納、突出、及び上下方向移動させる構成にしたが、本発明はこれに限らず、駆動装置の構成は適宜設定変更することができる。
また、上記実施形態では、支持部材28と共にロッカ14に対し相対移動する閉塞部材32、34によって長孔24が塞がれた構成にしたが、本発明はこれに限らず、例えば、ロッカ14に取り付けられた蛇腹状の部材によって長孔24が塞がれ、この蛇腹状の部材がロッカフィン26の上下方向移動時に伸縮する構成にしてもよい。
本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置を搭載した車両の概略的な構成を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置を搭載した車両の概略的な構成を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、ロッカフィンがロッカの内側に収納された状態を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、ロッカフィンがロッカの外側へ突出された状態を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、ロッカの外側へ突出されたロッカフィンが上方へ移動された状態を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、ロッカフィンがロッカの内側に収納された状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、ロッカフィンがロッカの外側へ突出された状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、モータの歯車がラックに噛合された状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の部分的な構成を示し、ロッカの外側へ突出されたロッカフィンが上方へ移動された状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置を搭載した車両の概略的な構成を示し、ロッカフィンが前下がりに傾斜された状態の側面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の第1の制御方法に係る制御手順を示すフローチャートである。 (A)は通常の車両が走行時の外乱によってローリングした状態を説明するための背面図であり、(B)は本実施形態に係る車両が走行時の外乱によってローリングした状態を説明するための背面図である。 (A)はロッカフィンがロッカの外側へ突出している状態での乗員の車両乗降性を説明するための図であり、(B)はロッカフィンがロッカの内側へ収納された状態での乗員の車両乗降性を説明するための図である。 (A)はロッカフィンがロッカの上端側から突出している場合の空気の流れを説明するための図であり、(B)はロッカフィンがロッカの下端側から突出している場合の空気の流れを説明するための図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の第2の制御方法に係る制御手順を示すフローチャートである。 (A)は通常の車両が制動時の減速加速度によって前のめりにピッチングした状態を説明するための側面図であり、(B)は本実施形態に係る車両がロッカフィンに生じる空力によって制動時の前のめりのピッチングを抑制された状態を説明するための側面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の第3の制御方法に係る制御手順を示すフローチャートである。 (A)は通常の車両が横風によってローリングした状態を説明するための背面図であり、(B)は車体左右のロッカフィンが突出されることで横風によるローリングを抑制された車両の背面図であり、(C)は横風の風上側のロッカフィンが突出されることで横風によるローリングを抑制された車両の背面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の第4の制御方法に係る制御手順を示すフローチャートである。 (A)は旋回初期に通常の車両がローリングした状態を説明するための背面図であり、(B)は通常の車両の旋回後期におけるローリング状態を説明するための背面図である。 (A)は車体左右のロッカフィンが突出されることで旋回初期にローリングを抑制された車両の背面図であり、(B)は車体左右のロッカフィンが突出されることで旋回後期にローリングを抑制された車両の背面図である。 (A)は旋回初期に車体左右のロッカフィンが収納されることで通常通りローリングした車両の背面図であり、(B)は旋回後期に車体左右のロッカフィンが突出されることでローリングを抑制された車両の背面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の第4の制御方法に係る制御手順を示すフローチャートである。 (A)は旋回初期に旋回外側のロッカフィンが前下がりの状態に傾斜されることでローリングを助長された車両の背面図であり、(B)は旋回後期に旋回内側のロッカフィンが前下がりに傾斜されることでローリングを抑制された車両の背面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空力制御装置の変形例を示し、(A)はロッカフィンがロッカの外側へ突出した状態を示す断面図であり、(B)はロッカフィンがロッカの内側へ収納された状態を示す断面図である。
符号の説明
10 車両用空力制御装置
12 車両
13 車体
14 ロッカ
24 長孔(移動許容手段)
26 ロッカフィン
32、34 閉塞部材(移動許容手段)
36、38、40 アクチュエータ(駆動制御手段)
42 モータ
44 出力軸
46 ガイド板(ガイド部材)
48 歯車
50 ラック
52 スライドアーム(回転力伝達部材)
62 制御装置(駆動制御手段)
64R、64L 圧力センサ(駆動制御手段)
66R、66L 車高センサ(駆動制御手段)
68 ブレーキセンサ(駆動制御手段)
70 アクセルセンサ(駆動制御手段)
72 ステアリング角度センサ(駆動制御手段)
74 ステアリングトルクセンサ(駆動制御手段)
76 横Gセンサ(駆動制御手段)
78 ヨーレートセンサ(駆動制御手段)
80 前後Gセンサ(駆動制御手段)

Claims (8)

  1. 車体両側部の下部に車体前後方向に沿って延在するロッカの長手方向に沿って設けられ、前記ロッカに対して内側へ収納可能で且つ外側へ突出可能とされたフィンと、
    前記ロッカに設けられ、前記突出状態での前記フィンの上下方向移動を許容する移動許容手段と、
    前記フィンを前記収納状態及び前記突出状態へ駆動すると共に、前記フィンの前端側又は後端側を前記突出状態で上下方向に駆動可能な駆動制御手段と、
    を備えた車両用空力制御装置。
  2. 車体両側部の下部に車体前後方向に沿って延在するロッカの長手方向に沿って設けられ、前記ロッカの内側へ収納可能とされると共に、前記ロッカに形成された長孔を介して前記ロッカの外側へ突出可能とされ、且つ、前記突出状態で上下方向に移動可能とされたフィンと、
    前記フィンの前記突出を許容する状態で前記長孔を塞ぐと共に、前記フィンの前記上下方向移動を許容する閉塞部材と、
    前記フィンを前記収納状態及び前記突出状態へ駆動すると共に、前記フィンの前端側又は後端側を前記突出状態で上下方向に駆動可能な駆動制御手段と、
    を有する車両用空力制御装置。
  3. 前記駆動制御手段は、車速が所定値以上で且つ車両が制動されたことを検知した際に、車体左右の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させると共に車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置。
  4. 前記駆動制御手段は、車体左右の圧力差に基づいて横風の方向を検知し、前記横風の風上側の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させると共に、前記横風の風下側の前記フィンを前記ロッカの内側へ収納することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置。
  5. 前記駆動制御手段は、車両の旋回状態を検知し、旋回初期は車体左右の前記フィンを前記ロッカの内側へ収納し、旋回後期は車体左右の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置。
  6. 前記駆動制御手段は、車速が所定値以上で且つ車両が旋回していることを検知した際に、車体左右の前記フィンを前記ロッカの外側へ突出させると共に、旋回初期には旋回外側の前記フィンを車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させ、旋回後期には旋回内側の前記フィンを車体前後方向に対して前下がりの状態に傾斜させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空力制御装置。
  7. 前記駆動制御手段は、前記ロッカ内に設けられたモータと、前記モータの出力軸と前記フィンとの間に掛け渡され、前記出力軸が軸線周り一方へ回転されることで前記フィンを前記収納状態へ駆動すると共に、前記出力軸が軸線周り他方へ回転されることで前記フィンを前記突出状態へ駆動する回転力伝達部材と、前記突出状態で前記出力軸が軸線周り他方へ回転されることで前記モータを前記回転力伝達部材及び前記フィンと共に上昇させる上昇機構と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用空力制御装置。
  8. 前記上昇機構は、前記ロッカに取り付けられ、前記モータを所定範囲移動可能に支持するガイド部材と、前記モータの前記出力軸に取り付けられた歯車と、前記ロッカに取り付けられ、前記歯車に噛合可能とされたラックとを有し、前記回転力伝達部材は、前記突出状態で前記出力軸が軸線周り他方へ回転されることで前記モータを移動させて前記歯車を前記ラックに噛合させることを特徴とする請求項7に記載の車両用空力制御装置。
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