JP2010228559A - 移動体の気流はく離抑制構造 - Google Patents

移動体の気流はく離抑制構造 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造によって移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制することができる移動体の気流はく離抑制構造を提供する。
【解決手段】はく離抑制部6は、車両2の車体端面3aよりも前側で気流Fを衝突させこの衝突した気流Fをこの車両2の車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部に導くことによって、この車両2の先頭部からの気流Fのはく離を抑制する。車両2がX軸方向に走行すると、はく離抑制部6の先端部に衝突した気流Fが車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部に導かれる。このため、はく離抑制部6の先端部から車体側面3b,3c及び車体上面3dの表面に沿って気流Fが流れる。その結果、はく離抑制部6の先端部に衝突した気流Fが大きくはく離して車両2の先頭部の見かけの断面積が増加するのを抑制し、トンネルなどに車両2が突入するときに発生する圧力変動が低減される。
【選択図】図1

Description

この発明は、移動体が移動するときにこの移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制する移動体の気流はく離抑制構造に関する。
従来の鉄道車両は、車両走行時に車体側方における空気流の発生を抑制するために、先頭車両の妻面の両側部に車体中心側に向かって湾曲する板状部材を備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の鉄道車両では、先頭車両の妻面に衝突した気流を板状部材によって車体の上方及び下方に分離して導くことによって、車両走行時に車体側方に発生する気流を抑制し、プラットホーム上に発生する列車風を低減している。
特開2003-246265号公報
高速列車がトンネル入口側坑口に突入するとトンネル内に圧縮波が発生する。この圧縮波はトンネル内を伝播する。そして、圧縮波が出口側坑口に到達した時、パルス状の圧力波であるトンネル微気圧が外部へ放出される。一方、圧縮波は坑口や列車端で反射しトンネル内を往復し、列車に圧力変動を及ぼす。圧力変動は、車内におけるいわゆる「耳つん」現象などの原因となる。これらの現象には、列車突入時に形成される圧縮波の圧力の大きさ、および、圧力勾配(圧力の変化時間)が主に関係すると考えられる。
近年、車両性能の向上や線形改良により在来線でも高速化が進み、特に先頭部端部に丸みのほとんど無い切妻型列車のトンネル突入時に形成される圧縮波について、その圧力の大きさおよび圧力勾配が増大する傾向にある。これらの増大の主原因は、列車の切妻型先頭部からの流れのはく離による見かけの車両断面積増大が考えられている。この圧縮波の圧力の大きさおよび圧力勾配が増大するのに伴い、耳つん、トンネル微気圧波などが増大する傾向にある。一方、先頭部からの流れのはく離が大きくなると、列車の空気抵抗も増大するという問題もあることが分かっている。
しかし、従来の鉄道車両では、プラットホーム上に発生する列車風の低減を目的としており、先頭車両の妻面に衝突した気流を板状部材によって車体の上方及び下方に導くと、車体の上面及び下面で気流がはく離するおそれがある。その結果、従来の鉄道車両では、列車風を低減することは可能であっても、トンネル微気圧波が発生してしまう問題点がある。
この発明の課題は、簡単な構造によって移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制することができる移動体の気流はく離抑制構造を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図4、図16及び図23に示すように、移動体(2)が移動するときにこの移動体の先頭部からの気流(F)のはく離を抑制する移動体の気流はく離抑制構造であって、前記移動体の前面(3a)よりも前側で気流を衝突させこの衝突した気流をこの移動体の側面(3b,3c)前端部に導くことによって、この移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制するはく離抑制部(6)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造(5)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の側縁部に沿ってこの前面から突出する突出部(7)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図4に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の側縁部から所定距離(Le)だけ内側に配置されていることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、前記移動体の移動方向(X)に幅方向が一致し、前記移動体の左右方向(Y)に厚さ方向が一致する板状部(7a)を備えることを特徴としている移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図16及び図23に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の側縁部に配置されていることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
前記はく離抑制部は、前記移動体の側縁部に向かって湾曲する凸状部(7c)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、水平面で切断したときの断面形状が1/2円又は1/4円であることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項8の発明は、図3、図15及び図23に示すように、移動体(2)が移動するときにこの移動体の先頭部からの気流(F)のはく離を抑制する移動体の気流はく離抑制構造であって、前記移動体の前面よりも前側で気流を衝突させこの衝突した気流をこの移動体の上面(3d)前端部に導くことによって、この移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制するはく離抑制部(6)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造(5)である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図3に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の上縁部に沿ってこの前面から突出する突出部(7)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の上縁部から所定距離(Le)だけ内側に配置されていることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、前記移動体の移動方向(X)に幅方向が一致し、前記移動体の上下方向(Z)に厚さ方向が一致する板状部(7a)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図15及び図23に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の上縁部に配置されていることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項13の発明は、請求項12に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、前記移動体の上縁部に向かって湾曲する凸状部(7c)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項14の発明は、請求項13に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記はく離抑制部は、垂直面で切断したときの断面形状が1/2円又は1/4円であることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項15の発明は、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図5に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体側に着脱自在に装着可能であることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項16の発明は、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図5及び図6に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体側に折畳可能であることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項17の発明は、請求項16に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、使用時には前記移動体の前面から前記はく離抑制部が開き、非使用時には前記移動体の前面に前記はく離抑制部が閉じるように、このはく離抑制部を駆動する駆動部(10)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項18の発明は、請求項17に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図7に示すように、前記駆動部は、作動流体の流体圧によって前記はく離抑制部を駆動することを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項19の発明は、請求項17に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図9及び図10に示すように、前記駆動部は、手動操作によって前記はく離抑制部を駆動することを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項20の発明は、請求項16に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図11及び図12に示すように、風圧増加時には前記移動体の前面から前記はく離抑制部が開き、風圧低下時には前記移動体の前面に前記はく離抑制部が閉じるように、このはく離抑制部を前記移動体に回転自在に連結する連結部(8)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項21の発明は、請求項20に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記連結部は、前記移動体の前面が受ける風圧に応じて前記はく離抑制部を回転させることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項22の発明は、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図17、図18、図24及び図25に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体側に圧縮可能であることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項23の発明は、請求項22に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、使用時には前記移動体の前面から前記はく離抑制部が伸び、非使用時には前記移動体の前面に前記はく離抑制部が縮むように、このはく離抑制部を伸縮させる伸縮作動部(14)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項24の発明は、請求項23に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、前記伸縮作動部は、図19及び図26に示すように、作動流体の流体圧によって前記はく離抑制部を伸縮させることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
請求項25の発明は、請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、図1〜図3に示すように、前記はく離抑制部は、前記移動体の運転者が外部を看視するための透過部(7b)を備えることを特徴とする移動体の気流はく離抑制構造である。
この発明によると、簡単な構造によって移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制することができる。
この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す正面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す縦断面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す横断面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における駆動部の流体圧回路の回路図である。 この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における密封部の正面図である。 この発明の第2実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第2実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第3実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の風圧低下時の非使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第3実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の風圧上昇時の非使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す斜視図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す正面図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す縦断面図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す横断面図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における伸縮作動部の流体圧回路の回路図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す斜視図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す正面図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す縦断面図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す横断面図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。 この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における伸縮作動部の流体圧回路の回路図である。 空気抵抗測定試験に使用した風洞試験装置の構成図であり、(A)は側面図であり、(B)は平面図であり、(C)は(B)のXVIII-XVIIIC線で切断した状態を示す断面図である。 空気抵抗の測定に使用した模型車両の外観図であり、(A)正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は側面図である。 空気抵抗測定試験に使用した模型車両の車両先頭部の形状がつい立形である場合の外観図であり、(A)正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は側面図である。 空気抵抗測定試験に使用した模型車両の車両先頭部の形状が1/2円又は1/4円である場合の外観図であり、(A)正面図であり、(B)は1/2円の場合の平面図であり、(C)は1/4円の場合の平面図であり、(D)は側面図である。 模型車両の車両先頭部の形状毎の空気抵抗係数CD及び再付着を示すタフト番号を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す斜視図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す正面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す縦断面図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す横断面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。図6は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。
図1〜図4に示す軌道1は、車両2が走行する通路(線路)であり、車両2の車輪4aを案内する一対のレール1aなどを備えている。車両2は、軌道1に沿って走行する移動体であり、電車、気動車又は機関車などの鉄道車両である。車両2は、図1〜図6に示す車体3と、図3に示す台車4と、図1〜図6に示す気流はく離抑制構造5などを備えている。図1〜図4に示す車両2は、列車の運転制御をするための運転室を備える先頭車両である。
車体3は、乗客を積載し輸送するための構造物である。車体3は、図1〜図6に示す車体端面(車体前面)3aと、図2及び図4に示す車体側面3b,3cと、図1〜図4に示す車体上面3dと、図3に示す車体底面3eと、図5及び図6に示す貫通孔3fなどを備えている。車体端面3aは、車両2の妻構え(前構体)を構成する外板(妻板)であり先頭車両の先頭部である。車体端面3aは、量産が容易で低コストの切妻形状であり、妻板が平面であり側板と直角に形成されている。図1及び図2に示す車体端面3aは、車両2が中間車両として連結されたときに、前後の車両間を乗客及び乗務員が移動するときに使用する妻入口3gと、乗務員が前方を看視するために運転室前面に形成された前面窓(前面窓ガラス)3hなどを備えている。図4に示す車体側面3b,3cは、車両2の側構え(側構体)を構成する外板(側板)であり、図3に示すように乗務員が車外を看視するための側窓(側面窓ガラス)3iと、乗務員が乗降するときに使用する側出入口3jと、乗客が乗降するときに使用する側出入口3kなどを備えている。図1〜図4に示す車体上面3dは、車両2の屋根構え(屋根構体)を構成する外板(屋根板)であり、車室内を空気調和するための空気調和装置などの屋根上機器が設置される。図3に示す車体底面3eは、車両2の床構造を構成する外板であり、台車4などの走行装置が設置されている。図5及び図6に示す貫通孔3fは、駆動部10のピストンロッド10bが移動自在に貫通する部分であり、車体端面3aに水平方向に形成されたスリット状の長孔である。図3に示す台車4は、車体3を支持して軌道1上を走行する走行装置であり、レール1aと転がり接触する車輪4aなどを備えている。
図1〜図6に示す気流はく離抑制構造5は、車両2が走行するときにこの車両2の先頭部からの気流Fのはく離を抑制する構造である。気流はく離抑制構造5は、図3〜図5に示すように、車体端面3aよりも前側で衝突した気流Fを車体側面3b,3c及び車体上面3dに導くことによって、気流Fのはく離を抑制して車両2の空気抵抗を低減するとともに、車両2の先頭部の見かけの車両断面積が増大するのを抑制して、トンネル微気圧波の発生を低減する。また、気流はく離抑制構造5は、車両2のトンネル突入時に発生するトンネル内の圧力変動を抑制し、その結果、車体3に作用する繰り返し荷重によって発生する車体構造疲労を低減するとともに、気圧変動に起因して車体3内の乗客に発生する耳の不快感や違和感である耳つん現象を低減する。気流はく離抑制構造5は、図1〜図6に示すはく離抑制部6と、図5及び図6に示す連結部8,9と、駆動部10と、密封部11と、操作部12と、制御部13などを備えている。
図1〜図6に示すはく離抑制部6は、車両2の車体端面3aよりも前側で気流Fを衝突させこの衝突した気流Fをこの車両2の車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部に導くことによって、この車両2の先頭部からの気流Fのはく離を抑制する部分である。はく離抑制部6は、図1及び図2に示すように、車体端面3aの側縁部及び上縁部に沿って、この車体端面3aを囲むように配置されており、車体端面3aの両側と車体端面3aの上側とに配置されている。はく離抑制部6は、いずれも同一構造であり、以下では進行方向前側から見て車体端面3aの右側縁部に配置されたはく離抑制部6を中心に説明し、車体端面3aの左側縁部及び上縁部に配置されたはく離抑制部6については詳細な説明を省略する。はく離抑制部6は、車両2側に着脱自在に装着可能であるとともに、図6に示すように車両2側に折畳可能である。はく離抑制部6は、例えば、アルミニウム、ステンレスなどの金属、アクリル樹脂などの合成樹脂、繊維強化プラスチック(FRP) 又はゴムなどによって形成されている。はく離抑制部6は、図2〜図5に示すように突出部7などを備えている。
突出部7は、車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部に沿ってこの車体端面3aから突出する部分である。突出部7は、図2〜図5に示すように、車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部から距離Leだけ内側に配置されており、図3〜図5に示すように車体端面3aから先端部まで高さLfだけ突出している。突出部7は、図3及び図4に示すように、先端部が平坦面に形成されており、図1〜図6に示すように板状部7aと透過部7bなどを備えている。
板状部7aは、気流Fの向きを変える部分である。板状部7aは、図1〜図5に示すように、車両2の移動方向(X軸方向)に幅方向が一致し、車両2の左右方向(Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)に厚さ方向が一致している。板状部7aは、図1に示すように、車体端面3aの側縁部及び上縁部を囲むように配置されたつい立状の突起部であり、側縁部及び上縁部に沿って連続して同一形状で形成されている。
図1〜図3に示す透過部7bは、車両2の運転者が外部を看視するための部分である。透過部7bは、車両2の運転室内の乗務員が外部を看視可能なように、図1及び図2に示す前面窓3hと略同じ高さで形成されている。透過部7bは、突出部7が運転者の視界を遮らないように、運転者の視界領域内に形成された透明又は半透明な部分であり、板状部7aの一部に形成されている。透過部7bは、例えば、ポリカーボネートなどの合成樹脂又は強化ガラスなどによって形成されている。
図4及び図5に示す連結部8,9は、はく離抑制部6を車両2に着脱自在に装着する部分である。連結部8は、はく離抑制部6と車両2とを回転自在に連結する。連結部8は、この連結部8を回転中心としてはく離抑制部6が回転可能なように、はく離抑制部6の後端部を車体3に回転自在に連結する蝶番(ヒンジ構造)である。連結部8は、車両2側に取り付けられた車両側軸受部と、はく離抑制部6側に取り付けられた抑制部側軸受部と、車両側軸受部と抑制部側軸受部とに着脱自在に挿入されるピン部とを備えている。連結部8は、はく離抑制部6を車両2から取り外すときには、車両側軸受部と抑制部側軸受部とからピン部を抜き取り、はく離抑制部6を車両2に取り付けるときには、車両側軸受部と突出部側軸受部とにピン部を挿入する。
連結部9は、はく離抑制部6とピストンロッド10bとを回転自在に連結する。連結部9は、連結部8を回転中心としてはく離抑制部6が回転可能なように、はく離抑制部6の後端部寄りをピストンロッド10bに回転自在に連結する蝶番(ヒンジ構造)である。連結部9は、はく離抑制部6側に取り付けられた抑制部側軸受部と、ピストンロッド10b側に取り付けられたロッド側軸受部と、抑制部側軸受部とロッド側軸受部とに着脱自在に挿入されるピン部とを備えており、連結部8と同様の操作によってはく離抑制部6を車両2に着脱可能である。
駆動部10は、はく離抑制部6を駆動する部分である。駆動部10は、図5に示すように、使用時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が開き、図6に示すように非使用時には車両2の車体端面3aにはく離抑制部6が閉じるように、このはく離抑制部6を駆動する。駆動部10は、作動流体の流体圧によってはく離抑制部6を自動的に駆動する。駆動部10は、はく離抑制部6を車両2側から展開してこのはく離抑制部6の内側側面及び外側側面を車体端面3aに対して略垂直に位置づけるとともに、はく離抑制部6を車両2側に折り畳みはく離抑制部6の内側側面と車体端面3aとを略平行に位置づける。駆動部10は、図5及び図6に示すように、シリンダ部10aと、ピストンロッド10bと、流体圧回路10cなどを備えている。シリンダ部10aは、はく離抑制部6を駆動する部材であり、ピストンロッド10bを伸縮することによって、連結部8を回転中心としてはく離抑制部6を回転駆動し、はく離抑制部6を開放位置(展開状態)と閉鎖位置(折畳状態)とに切り替える。シリンダ部10aは、例えば、油圧又は空気圧などの作動流体の流体圧によって駆動力を発生する油圧シリンダ又は空気圧シリンダなどのアクチュエータであり、垂直軸(Z軸)回りに回転可能なように車体3側の固定部材に連結されている。ピストンロッド10bは、シリンダ部10a内のピストンの進退動作に連動して進退動作する部材である。ピストンロッド10bの先端部は、はく離抑制部6に回転自在に連結されている。
図7は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における駆動部の流体圧回路の回路図である。
図5及び図6に示す流体圧回路10cは、シリンダ部10a内のピストンを作動流体の流体圧によって駆動するための回路である。流体圧回路10cは、図7に示すように、ポンプ10dと、タンク10eと、方向切替弁10fなどを備えている。ポンプ10dは、シリンダ部10aのヘッド側室S1に作動流体を供給する装置であり、タンク10eはシリンダ部10aのヘッド側室S1及びロッド側室S2から排出される作動流体を回収する装置である。方向切替弁10fは、ピストンロッド10bの前進、後退及び停止を切り替える装置である。方向切替弁10fは、右側のソレノイドSOL-aが通電状態になると流路が切り替わり、ピストンロッド10bが前進するように、ポンプ10dからの作動流体をヘッド側室S1に供給させ、ロッド側室S2からタンク10eに作動流体を排出させる。一方、方向切替弁10fは、左側のソレノイドSOL-bが通電状態になると流路が切り替わり、ピストンロッド10bが後退するように、ポンプ10dからの作動流体をロッド側室S2に供給させ、ヘッド側室S1からタンク10eに作動流体を排出させる。また、方向切替弁10fは、ソレノイドSOL-a,SOL-bが非通電状態になると流路が切り替わり、ピストンロッド10bが停止するように、ヘッド側室S1及びロッド側室S2への作動流体の供給及び排出を禁止する。
図8は、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における密封部の正面図である。
図8に示す密封部11は、車体3の貫通孔3fを密封する部分である。密封部11は、貫通孔3fから気流Fが車内に流入するのを阻止しており、貫通孔3fの上縁部に装着された上側密封部11aと、貫通孔3fの下縁部に装着された下側密封部11bとを備えている。密封部11は、上側密封部11aの下端面と下側密封部11bの上端面とを密着させており、ピストンロッド10bが長さ方向と交差する方向(貫通孔3fの長さ方向)にスライド可能なように、上側密封部11aと下側密封部11bとの間に挟み込んでいる。
図5及び図6に示す操作部12は、はく離抑制部6を使用状態及び非使用状態に切り替えるときに操作する部分である。操作部12は、例えば、はく離抑制部6を図6に示す折畳状態(非使用状態)から図5に示す展開状態(使用状態)に切り替えるときには乗務員にON操作され、はく離抑制部6を展開状態から折畳状態に切り替えるときにはOFF操作される切替スイッチなどである。操作部12は、車両2の運転室内に設置されており、乗務員のON操作及びOFF操作に応じてON/OFF操作信号を制御部13に出力する。
制御部13は、駆動部10を制御する部分である。制御部13は、例えば、操作部12が出力するON操作信号及びOFF操作信号に基づいて駆動部10を駆動制御する。制御部13は、操作部12からON操作信号が入力したときには、図5に示すようにピストンロッド10bが前進して、はく離抑制部6が展開状態になるように流体圧回路10cを動作制御する。一方、制御部13は、操作部12からOFF操作信号が入力したときには、図6に示すようにピストンロッド10bが後退して、はく離抑制部6が折畳状態になるように流体圧回路10cを動作制御する。
次に、この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の作用を説明する。
図1〜図5に示すように、はく離抑制部6を使用状態にするときには、図5に示す操作部12を乗務員がON操作すると、操作部12が出力するON操作信号が制御部13に入力する。ON操作信号が制御部13に入力すると、連結部8を回転中心として突出部7が回転するように、制御部13が流体圧回路10cを動作制御する。その結果、図7に示すソレノイドSOL-aを制御部13が通電状態にして方向切替弁10fを切り替えるとともに、制御部13がポンプ10dを駆動させる。このため、タンク10eからヘッド側室S1に作動流体をポンプ10dが供給し、ロッド側室S2からタンク10eに作動流体が排出されて、ピストンロッド10bが前進する。その結果、図5に示すように、車体端面3aの内側から外側に向かって連結部8を回転中心としてはく離抑制部6が略90°回転して、はく離抑制部6が折畳状態から展開状態に切り替わる。この状態で、図7に示すソレノイドSOL-a,SOL-bを制御部13が非通電状態にして方向切替弁10fを切り替えるとともに、制御部13がポンプ10dの駆動を停止する。その結果、ヘッド側室S1及びロッド側室S2への作動流体の供給及び排出が禁止されて、ピストンロッド10bが停止しはく離抑制部6が所定の位置に位置決めされ保持される。
例えば、図1〜図5に示すはく離抑制部6が存在しない状態で車両2がX軸方向に走行すると、車体端面3aに衝突した気流Fがこの車体端面3aの側縁部及び上縁部からはく離して、車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部から車両2の進行方向後側(下流側)に離れた位置でこのはく離した気流Fが再付着する。このため、車体端面3aからの気流Fのはく離によって車両2の先頭部の見かけの断面積が増加し、トンネルなどの固定構造物内に車両2が突入するときに発生する圧力変動が増大する。
一方、図1〜図5に示すはく離抑制部6が存在する状態で車両2がX軸方向に走行すると、図3〜図5に示すようにはく離抑制部6の先端部に衝突した気流Fがこの先端部ではく離するが、このはく離した気流Fが車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部に導かれてこれらの前端部に再付着する。このため、はく離抑制部6の先端部から車体側面3b,3c及び車体上面3dに気流Fが導かれて、これらの表面に沿って気流Fが流れる。また、車体端面3aに衝突した気流Fがはく離抑制部6の内側側面によって止められて、この気流Fが車体端面3aからはく離するのを抑制される。その結果、はく離抑制部6の先端部に衝突した気流Fが大きくはく離して車両2の先頭部の見かけの断面積が増加するのを抑制し、トンネルなどの固定構造物内に車両2が突入するときに発生する圧力変動が低減される。
図6に示すように、はく離抑制部6を非使用状態にするときには、操作部12を乗務員がOFF操作すると、操作部12が出力するOFF操作信号が制御部13に入力し、制御部13が流体圧回路10cを動作制御する。その結果、図7に示すソレノイドSOL-bを制御部13が通電状態にして方向切替弁10fを切り替えるとともに、制御部13がポンプ10dを駆動させる。このため、タンク10eからロッド側室S2に作動流体をポンプ10dが供給し、ヘッド側室S1からタンク10eに作動流体が排出されて、ピストンロッド10bが後退する。その結果、図6に示すように、連結部8を回転中心としてはく離抑制部6が略90°回転して、はく離抑制部6が展開状態から折畳状態に切り替わる。
この発明の第1実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、車両2の車体端面3aよりも前側で気流Fを衝突させこの衝突した気流Fをこの車両2の車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部にはく離抑制部6が導くことによって、この車体端面3aからの気流Fのはく離をこのはく離抑制部6が抑制する。このため、車体端面3aに衝突した気流Fが大きくはく離するのを抑制して、車両2の空気抵抗を低減することができるとともに、車両2の先頭部の見かけの断面積が増大するのを抑制して、トンネル微気圧波の発生を低減することができる。また、車体3に作用する繰り返し荷重によって発生する車体構造疲労を低減することができるとともに、気圧変動に起因して車体3内の乗客に発生する耳つん現象を低減することができる。
(2) この第1実施形態では、車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部に沿ってこの車体端面3aから突出する突出部7をはく離抑制部6が備えている。このため、突出部7の先端部に気流Fを衝突させて、車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部にこの衝突した気流Fを突出部7によって簡単に導くことができる。
(3) この第1実施形態では、車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部から距離Leだけ内側にはく離抑制部6が配置されている。このため、図1〜図5に示すように、はく離抑制部6と車体側面3b,3cとの間に段差部を形成することができるとともに、はく離抑制部6と車体上面3dとの間にも段差部を形成することができる。その結果、はく離抑制部6の先端部に衝突してこの先端部からはく離した気流Fを車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部に再付着させ、この気流Fを車体側面3b,3c及び車体上面3dに導くことができる。
(4) この第1実施形態では、車両2の移動方向(X軸方向)に幅方向が一致し、この車両2の左右方向(Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)に厚さ方向が一致する板状部7aをはく離抑制部6が備えている。このため、簡単な構造のつい立状の部材を車両2の車体端面3aに装着することによって気流Fのはく離を抑制することができる。
(5) この第1実施形態では、はく離抑制部6が車両2側に着脱自在に装着可能である。このため、トンネル区間の少ない線区を車両2が走行するようなときには、はく離抑制部6を簡単に取り外すことができる。また、簡単な改造によって既存の車両2にはく離抑制部6を低コストで容易に追加設置することができる。
(6) この第1実施形態では、はく離抑制部6が車両2側に折畳可能である。このため、車両2の前側に他の車両2が連結されたときに、車両2のはく離抑制部6を折り畳み、後側の車両2のはく離抑制部6と前側の車両2のはく離抑制部6とが互に干渉するのを防ぐことができる。
(7) この第1実施形態では、使用時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が開き、非使用時には車両2の車体端面3aにはく離抑制部6が閉じるように、このはく離抑制部6を駆動部10が駆動する。このため、トンネル区間の少ない線区で車両2を運用する場合や、車両2が中間車両として編成中に組み込まれる場合などには、はく離抑制部6を迅速に折畳状態にして収納しておくことができる。また、トンネル区間の多い線区で車両2を運用する場合や、中間車両として編成中に組み込まれていた車両2が列車の切り離しによって先頭車両となる場合などには、はく離抑制部6を迅速に展開状態にして使用することができる。
(8) この第1実施形態では、作動流体の流体圧によって駆動部10がはく離抑制部6を駆動する。このため、構造が簡単な流体圧回路や流体圧機構などを利用してはく離抑制部6を容易に駆動することができるとともに、車両2の限られた空間内に駆動部10を設置することができる。
(9) この第1実施形態では、車両2の運転者が外部を看視するための透過部7bをはく離抑制部6が備えている。このため、はく離抑制部6が展開状態及び折畳状態に変更されても、運転室内の乗務員の視界を遮ることがなく、車両2を安全に運転することができる。
(第2実施形態)
図9は、この発明の第2実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。図10は、この発明の第2実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。以下では、図1〜図8に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図9及び図10に示す駆動部10は、手動操作によってはく離抑制部6を駆動する。駆動部10は、操作部10gと、連結部10hと、固定部10iなどを備えている。操作部10gは、運転者がはく離抑制部6を開閉するときに操作する部分であり、図9に示すようにはく離抑制部6を開放状態にするときにはA1方向に操作され、図10に示すようにはく離抑制部6を閉鎖状態にするときにはA2方向に操作される。連結部10hは、はく離抑制部6と操作部10gとを連結する部材であり、連結部10hの先端部ははく離抑制部6に回転自在に連結されており連結部10hの後端部は操作部10gに連結されている。固定部10iは、はく離抑制部6を固定及び固定解除する部分であり、はく離抑制部6を開放位置と閉鎖位置とに固定する。固定部10iは、操作部10gの外周部に長さ方向に間隔をあけて形成された凹部10j,10kと、車体3側に固定されており凹部10j,10kと嵌合する凸部10mなどを備えている。固定部10iは、図9に示すように、はく離抑制部6を開放位置で固定するときには凹部10jと凸部10mとを嵌合させ、図10に示すようにはく離抑制部6を閉鎖位置で固定するときには凹部10kと凸部10mとを嵌合させる。
この発明の第2実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、手動操作によって駆動部10がはく離抑制部6を駆動する。このため、運転者の手動操作によって簡単にはく離抑制部6を使用状態と非使用状態とに切り替えることができる。その結果、駆動部10を簡単な構造にすることができ気流はく離抑制構造5を安価に製造することができる。
(第3実施形態)
図11は、この発明の第3実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の風圧低下時の非使用状態を概略的に示す横断面図である。図12は、この発明の第3実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の風圧上昇時の非使用状態を概略的に示す横断面図である。
図11及び図12に示す連結部8は、風圧増加時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が開き、風圧低下時には車両2の車体端面3aにはく離抑制部6が閉じるように、このはく離抑制部6を車両2に回転自在に連結する。連結部8は、車両2の車体端面3aが受ける風圧に応じてはく離抑制部6を回転させる。連結部8は、図11に示すように、風圧増加時にははく離抑制部6を車体端面3aの内側から外側に向かってB1方向に回転させ、図12に示すように風圧低下時にははく離抑制部6を車体端面3aの外側から内側に向かってB2方向に回転させる。
次に、この発明の第3実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の作用を説明する。
例えば、図11に示すように、車両2がX軸方向に走行するとこの車両2の車体端面3aに気流Fが衝突する。この車体端面3aが受ける風圧が上昇すると、この車体端面3aに衝突した気流FのうちY軸方向及びZ軸方向に向かう気流Fがはく離抑制部6と車体端面3aとの間に流入する。その結果、はく離抑制部6の内側側面の風圧が上昇してはく離抑制部6が連結部8を回転中心としてB1方向に回転し、はく離抑制部6が車体端面3aから突出して開放状態になる。一方、図12に示すように、車両2の車体端面3aが受ける風圧が下降すると、この車体端面3aに衝突した気流FのうちY軸方向及びZ軸方向に向かう気流Fが減少する。その結果、はく離抑制部6の内側側面の風圧よりもこのはく離抑制部6の外側側面の風圧のほうが高くなり、はく離抑制部6が連結部8を回転中心としてB2方向に回転し、はく離抑制部6が車体端面3aから引き込まれて閉鎖状態になる。
この発明の第3実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、風圧増加時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が開き、風圧低下時には車両2の車体端面3aにはく離抑制部6が閉じるように、このはく離抑制部6を車両2に回転自在に連結部8が連結する。このため、風圧増加時にははく離抑制部6を車体端面3aから自動的に開き使用状態に簡単に切り替えることができるとともに、風圧低下時にははく離抑制部6を車体端面3aに自動的に閉じ非使用状態に簡単に切り替えることができる。
(2) この第3実施形態では、車両2の車体端面3aが受ける風圧に応じてはく離抑制部6を連結部8が回転させる。このため、簡単な構造によってはく離抑制部6を使用状態と非使用状態とに簡単に切り替えることができる。その結果、はく離抑制部6を駆動するための特別な装置が不要になって、気流はく離抑制構造5を安価に製造することができる。
(第4実施形態)
図13は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す斜視図である。図14は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す正面図である。図15は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す縦断面図である。図16は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す横断面図である。図17は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。図18は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。
図13〜図18に示す気流はく離抑制構造5は、伸縮作動部14と、操作部15と、制御部16などを備えている。はく離抑制部6は、車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部に配置されている。はく離抑制部6は、車両2側に圧縮可能であり、図17に示すように内部の流体圧が増加すると伸び、図18に示すように内部の流体圧が減少すると縮む。はく離抑制部6は、例えば、可撓性及び弾力性を有し伸縮自在の合成樹脂又はゴムなどによって形成されている。突出部7は、図13〜図17に示すように、凸状部7cなどを備えており、図14〜図17に示すように車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部に沿って幅Wdで配置されており、図15〜図17に示すように車体端面3aから先端部まで高さHdだけ突出している。
凸状部7cは、気流Fの向きを変える部分である。凸状部7cは、図13及び図15〜図17に示すように、車両2の側縁部及び上縁部に向かって湾曲しており、図16及び図17に示すように水平面で切断したときの断面形状と、図15に示すように垂直面で切断したときの断面形状とが1/2円である。図13に示すように、凸状部7cの内側側面及び外側側面は、いずれも円弧面に形成されている。凸状部7cは、図13に示すように、底面及び上面が1/2円の柱状体の平坦面を車体端面3aに接合させるように配置した突起部であり、車体端面3aの側縁部及び上縁部を囲むようにこれらの側縁部及び上縁部に沿って連続して同一の直径で形成されている。
図19は、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における伸縮作動部の流体圧回路の回路図である。
伸縮作動部14は、使用時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が伸び、非使用時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が縮むように、このはく離抑制部6を伸縮させる部分である。伸縮作動部14は、図19に示すように、流体圧室14aと、ポンプ14bと、タンク14cと、方向切替弁14dなどを備えており、はく離抑制部6を流体圧によって伸縮するための流体圧回路を構成している。
流体圧室14aは、作動流体が供給及び排出される部分である。流体圧室14aは、はく離抑制部6内に収容されており、作動流体が流入及び流出可能な袋体である。流体圧室14aは、作動流体が供給されると膨張して車体端面3aからはく離抑制部6を伸長させ、作動流体が排出されると収縮して車体端面3aにはく離抑制部6を縮小させる。ポンプ14bは、流体圧室14aに作動流体を供給する装置であり、流体圧室14aに作動流体を供給する方向と流体圧室14aから作動流体を排出する方向とに回転する両方向流れの定容量形ポンプなどである。タンク14cは、流体圧室14aに供給及び排出される作動流体を回収する装置である。方向切替弁14dは、はく離抑制部6の伸長、縮小及び停止を切り替える装置である。方向切替弁14dは、右側のソレノイドSOL-aが通電状態になると流路が切り替わり、はく離抑制部6が伸長するようにタンク14cから流体圧室14aに作動流体を通過させる。一方、方向切替弁14dは、左側のソレノイドSOL-bが通電状態になると流路が切り替わり、はく離抑制部6が縮小するように流体圧室14aからタンク14cに作動流体を通過させる。また、方向切替弁14dは、ソレノイドSOL-a,SOL-bが非通電状態になると流路が切り替わり、はく離抑制部6の膨張及び収縮が停止するように、流体圧室14aへの作動流体の供給及び排出を禁止する。
図17及び図18に示す操作部15は、はく離抑制部6を使用状態及び非使用状態に切り替えるときに操作する部分である。操作部15は、例えば、はく離抑制部6を図18に示す縮小状態(非使用状態)から図17に示す伸長状態(使用状態)に切り替えるときには乗務員にON操作され、はく離抑制部6を伸長状態から縮小状態に切り替えるときにはOFF操作される切替スイッチなどである。操作部15は、車両2の運転室内に設置されており、乗務員のON操作及びOFF操作に応じてON/OFF操作信号を制御部16に出力する。
制御部16は、伸縮作動部14を制御する部分である。制御部16は、例えば、操作部15が出力するON操作信号及びOFF操作信号に基づいて伸縮作動部14を動作制御する。制御部16は、操作部15からON操作信号が入力したときには、図17に示すようにはく離抑制部6が伸長状態になるように伸縮作動部14を動作制御する。一方、制御部16は、操作部15からOFF操作信号が入力したときには、図18に示すようにはく離抑制部6が縮小状態になるように伸縮作動部14を動作制御する。
次に、この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の作用を説明する。
図13〜図17に示すように、はく離抑制部6を使用状態にするときには、図17に示す操作部15を乗務員がON操作すると、操作部15が出力するON操作信号が制御部16に入力する。ON操作信号が制御部16に入力すると、車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が伸長するように、制御部16が伸縮作動部14を動作制御する。その結果、図19に示すソレノイドSOL-aを制御部16が通電状態にして方向切替弁14dを切り替えるとともに、制御部16がポンプ14bを正転させる。このため、タンク14cから流体圧室14aに作動流体をポンプ14bが供給して流体圧室14aが膨張し、図17に示すように、車体端面3aからはく離抑制部6が突出して、はく離抑制部6が縮小状態から伸長状態に切り替わる。この状態で、図19に示すソレノイドSOL-a,SOL-bを制御部16が非通電状態にして方向切替弁14dを切り替えるとともに、制御部16がポンプ14bの駆動を停止する。その結果、流体圧室14aへの作動流体の供給及び排出が禁止されてこの流体圧室14aの膨張が停止し、はく離抑制部6が所定の突出量だけ突出した状態で保持される。
図15〜図17に示すように、はく離抑制部6に気流Fが衝突すると、この衝突した気流Fがこのはく離抑制部6の外側湾曲面に沿って車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部に導かれる。このため、はく離抑制部6の先端部から車体側面3b,3c及び車体上面3dに気流Fが導かれて、これらの表面に沿って気流Fが流れる。また、車体端面3aに衝突した気流Fがはく離抑制部6の内側湾曲面によって止められて、この気流Fが車体端面3aからはく離するのを抑制される。その結果、はく離抑制部6の先端部に衝突した気流Fが大きくはく離して車両2の先頭部の見かけの断面積が増加するのを抑制し、トンネルなどの固定構造物内に車両2が突入するときに発生する圧力変動が低減される。
図18に示すように、はく離抑制部6を非使用状態にするときには、操作部15を乗務員がOFF操作すると、操作部15が出力するOFF操作信号が制御部16に入力し、制御部16が伸縮作動部14を動作制御する。その結果、図19に示すソレノイドSOL-bを制御部16が通電状態にして方向切替弁14dを切り替えるとともに、制御部16がポンプ14bを逆転させる。このため、流体圧室14aからタンク14cに作動流体が排出されて流体圧室14aが収縮し、図18に示すようにはく離抑制部6が伸長状態から縮小状態に切り替わる。
この発明の第4実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造には、第1実施形態〜第3実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第4実施形態では、車両2の車体端面3aの側縁部及び上縁部に向かって湾曲する凸状部7cをはく離抑制部6が備えている。このため、凸状部7cの先端部に気流Fを衝突させて、車体側面3b,3cの前端部及び車体上面3dの前端部にこの衝突した気流Fを凸状部7cによって簡単に導くことができる。
(2) この第4実施形態では、水平面及び垂直面で切断したときのはく離抑制部6の断面形状が1/2円である。このため、製造が容易で簡単な形状にはく離抑制部6を形成して気流Fのはく離を抑制することができる。
(3) この第4実施形態では、はく離抑制部6が車両2側に圧縮可能である。このため、車両2の前側に他の車両2が連結されたときに、車両2のはく離抑制部6を圧縮し、後側の車両2のはく離抑制部6と前側の車両2のはく離抑制部6とが互に干渉するのを防ぐことができる。
(4) この第4実施形態では、使用時には車両2の車体端面3aからはく離抑制部6が伸び、非使用時には車両2の車体端面3aにはく離抑制部6が縮むように、このはく離抑制部6を伸縮作動部14が伸縮させる。このため、トンネル区間の少ない線区で車両2を運用する場合や、車両2が中間車両として編成中に組み込まれる場合などには、はく離抑制部6を迅速に縮小状態にして格納することができる。また、トンネル区間の多い線区で車両2を運用する場合や、中間車両として編成中に組み込まれていた車両2が列車の切り離しによって先頭車両となる場合などには、はく離抑制部6を迅速に伸長状態にして使用することができる。
(5) この第4実施形態では、作動流体の流体圧によって伸縮作動部14がはく離抑制部6を伸縮させる。このため、構造が簡単な流体圧回路や流体圧機構などを利用してはく離抑制部6を容易に駆動することができるとともに、車両2の限られた空間内に伸縮作動部14を設置することができる。
(第5実施形態)
図20は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す斜視図である。図21は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す正面図である。図22は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す縦断面図である。図23は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造を概略的に示す横断面図である。図24は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の使用状態を概略的に示す横断面図である。図25は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造の非使用状態を概略的に示す横断面図である。図26は、この発明の第5実施形態に係る移動体の気流はく離抑制構造における伸縮作動部の流体圧回路の回路図である。
図20〜図26に示す凸状部7cは、図23及び図24に示すように、水平面で切断したときの断面形状と、図22に示すように垂直面で切断したときの断面形状とが1/4円であり、車両2の側縁部及び上縁部に向かって湾曲している。図20に示すように、凸状部7cの外側側面は円弧面に形成されており、凸状部7cの内側側面は車両2の車体端面3aに対して垂直な平坦面に形成されている。凸状部7cは、図13に示すように、底面及び上面が1/4円の柱状体の平坦面を車体端面3aに接合させるように配置した突起部であり、車体端面3aの側縁部及び上縁部を囲むようにこれらの側縁部及び上縁部に沿って連続して同一の半径で形成されている。この第5実施形態には、第1実施形態〜第4実施形態と同様の効果がある。
次に、この発明の実施例について説明する。
図27は、空気抵抗測定試験に使用した風洞試験装置の構成図であり、図27(A)は側面図であり、図27(B)は平面図であり、図27(C)は図27(B)のXVIII-XVIIIC線で切断した状態を示す断面図である。図28は、空気抵抗の測定に使用した模型車両の外観図であり、図28(A)正面図であり、図28(B)は平面図であり、図28(C)は側面図である。なお、図27及び図28に示す数値の単位はmmである。
(風洞試験装置)
図27に示す風洞試験装置20は、模型車両30に空気を流したときにこの空気の流れによって生ずるこの模型車両30の挙動を測定する装置であり、模型車両30に作用する空気抵抗を測定する。風洞試験装置20は、空気を吹き出すノズル(吹出口)20aと、このノズル20aからの空気を模型車両30に流す風洞測定部20bと、床面上の昇降台に設置される地面板20cと、この地面板20c上に模型車両30を支持する支柱20dと、風洞測定部20bからの空気を吸い込む図示しない吸込部(コレクタ)などを備えている。この実験では、風洞測定部20bが開放型である財団法人鉄道総合技術研究所のH棟小型風洞(開放型)を使用した。地面板20cは、長さ1490mm×幅790mmの合板製であり、幅720mm×高さ600mmのノズル20aの底面とこの地面板20cの表面とが一致するように設置した。模型車両30は、断面が翼型形状の4本の支柱20dを利用して地面板20cに固定した。図27(A)に示すように、ノズル20aの先端から車両先頭部30bまでの距離は150mm、地面板20cの表面から模型車両30の底面までの距離は62mm(実物のレール底面から車両底面までの距離に相当)であり、実験風速U=40m/sに設定した。模型車両30の幅W=140mmを代表長さとしたレイノルズ数Re=3.7×105(Re=UW/ν=40×0.14/(1.5×10-5)、空気の動粘性係数ν)である。図27(A)(B)に示すように、座標系は、車両先頭部30bの上端の幅方向の中心点を原点として、レール方向(流れ方向)をX軸、まくらぎ方向をY軸、これらの右手座標系で鉛直上方をZ軸として設定した。
(模型車両)
図27及び図28に示す模型車両30は、実際の鉄道車両を模擬(縮小)した車両であり、図27(C)に示すように車両本体部30aと、この車両本体部30aに着脱自在に装着される車両先頭部30bと、車両本体部30aと車両先頭部30bとの間の間隙部を塞ぐ塞ぎ部材30cとを備えている。模型車両30は、201系電車を参考に製作された20分の1縮尺模型である。模型車両30は、図28(A)に示すように、車両断面が矩形であって、屋根面が完全にフラットな板であり、側面と屋根面が接続する部分が角である。模型車両30は、4本の支柱20dを除き、床下機器類は一切無くフラットである。模型車両30は、1両であり、図27(C)に示すように車両先端部からX軸方向に95mmの車両先頭部30bが車両本体部30aから取り外し可能であり独立した構造である。塞ぎ部材30cは、車両本体部30aと車両先頭部30bとの間の約2mmのクリアランスに流れが入り込まないように、このクリアランスを塞ぐビニルであり、車両先頭部30bに作用する力が車両本体部30aに伝わらないように僅かに弛みを持たせている。
(空気抵抗測定装置)
図27(C)に示す空気抵抗測定装置40は、車両先頭部30bに作用する空気抵抗を測定する装置であり、この車両先頭部30bを固定した状態で車両本体部30aに設置されている。空気抵抗測定装置40は、車両本体部30a内に設置されたロードセル(昭和測器社製:DP-100N)であり、車両先頭部30bのみに作用する空気抵抗を測定する。この実験では、ロードセルの出力をアンプ(共和電業製:DPM601B)で増幅し、30Hzのローパスフィルターを適用して、A/D変換器(ナショナルインスツルメンツ社製:DAQ-Pad6020E)を介してパーソナルコンピュータ(PC)に取り込んだ。サンプリング周波数は100Hzであり、1回の収録で500個(5秒間)のデータを収録し、測定した空気抵抗FDから空気抵抗係数CDを算出した。ここで、空気抵抗係数CD=FD/(0.5ρU2車両)であり、空気抵抗FD(N)、空気密度ρ(kg/m3)、模型車両30の投影断面積A車両=0.140×0.133=0.0187(m2)である。
(先頭部形状)
図29は、空気抵抗測定試験に使用した模型車両の車両先頭部の形状がつい立形である場合の外観図であり、図29(A)正面図であり、図29(B)は平面図であり、図29(C)は側面図である。
図29に示す突起物41は、つい立形であり、図29に示すeは車両先頭部30bの側面及び上面からつい立の側面及び上面までの距離であり、fは車両先頭部30bの前面から突起物41の先端面までの高さである。図29に示すつい立形の突起物41については、三種類(e,f)=(5.8,10.0),(8.7,15.0),(11.6,20.0)(mm)作製した。そして、(e,f)= (11.6,20.0)(つい立1)を試験番号(以下、試番という)1とし、(e,f)= (8.7,15.0)(つい立2)を試番3とし、(e,f)=(5.8,10.0)(つい立3)を試番4とした。なお、車両先頭部30bに突起物41を取り付けていないものを試番2とした。試番1〜4は、図1〜図4に示す第1実施形態のはく離抑制部6に対応する。
図30は、空気抵抗測定試験に使用した模型車両の車両先頭部の形状が1/2円又は1/4円である場合の外観図であり、図30(A)正面図であり、図30(B)は1/2円の場合の平面図であり、図30(C)は1/4円の場合の平面図であり、図30(D)は側面図である。
図30に示す突起物41は、1/2円又は1/4円である。図30に示すWは車体幅140mmであり、dは1/2円の場合には直径であり、1/4円の場合には半径である。図30に示す1/2円又は1/4円の突起物41については、d=0.1W=14mmの場合とd=0.15W=21mmの場合とをそれぞれ二種類作製した。そして、d=0.15W=21mmの1/2円(半円H1)を試番5とし、d=0.15W=21mmの1/4円(半円Q1)を試番6とし、d=0.1W=14mmの1/2円(半円H3)を試番7とし、d=0.1W=14mmの1/4円(半円Q2)を試番8とした。試番5,7は、図13〜図16に示す第4実施形態のはく離抑制部6に対応し、試番6,8は図20〜図23に示す第5実施形態に対応する。
(タフト法による可視化)
試番1〜試番8の突起物41を車両先頭部30bに取り付けて、図27に示す風洞試験装置20に模型車両30を設置し空気抵抗測定試験を実施した。先ず、模型車両30の周りの流れの様子を調べるため、図27及び図28に示すようにタフト法による可視化を実施した。ここで、タフト法とは、物体表面の流れの様子を糸や毛糸などを用いて観察し、流れの方向、はく離域及び不安定域などを可視化したものである。図27及び図28に示すタフト42は、綿糸#40であり、車体表面(屋根面及び側面)に粘着テープ(幅12mm)で貼り付けた。テープの幅を除いた有効タフト長は15mmである。図28に示すように、X軸方向には車両先頭部30bの先端から22mmの位置に1列目を貼り付け、30mmピッチで19列設置した。また、Y軸方向には、屋根面及び側面にそれぞれ2行分を貼り付けた。なお、側面の先頭部先端から3列目までは、フィン固定用支柱の取付け位置を避けるため1行分のみを貼り付けた。この実験では、タフト42の動きに応じて「はく離」、「はく離無し」の各領域を次のように定義した。「はく離」領域は、タフト42が流れと逆方向を向いている領域とし、「はく離無し」領域はタフト42が流れ方向(順方向)を向いている領域とした。流れは、「はく離」と「はく離無し」の間で「再付着」する。なお、全タフト42が順方向の場合であっても、タフト42が設置されていない車両先頭部30bの端部近傍で微小なはく離領域が存在する場合や3次元はく離の場合には、必ずしもはく離領域で逆流しているとは限らない場合が考えられる。しかし、この実験では、そのようなはく離領域は捉えることは困難なことから考慮せず、タフト42が順方向の場合は「はく離無し」とした。
(実験結果)
図31は、模型車両の車両先頭部の形状毎の空気抵抗係数CD及び再付着を示すタフト番号を示すグラフである。
図31に示す左側の縦軸は、空気抵抗係数CDであり、右側の縦軸が再付着を示す(上面)タフト番号であり、横軸は試番である。表1は、空気抵抗係数CD及び再付着を示すタフト位置の実験結果を示す一覧表である。
Figure 2010228559
ここで、図31及び表1に示す試番2は、車両先頭部30bが角柱形状であり、つい立などが設置されていない。図31及び表1に示すように、空気抵抗係数CDは、0.3〜0.8程度の範囲に分布しており、空気抵抗係数CDが最大値をとる先頭部形状は、「上辺側辺ともに角」(試番2)であり、空気抵抗係数CD=0.82である。また、試番2は、上辺及び側辺のいずれについても車両先頭部30bの先端の角部から流れが大きくはく離しており、図27に示すタフト42の8列目(1.66W)付近で再付着している。このため、試番2は、流れが大きくはく離していることが原因により、他の試番よりも空気抵抗係数CDが大きな値を示している。「つい立」形状(試番1,3,4)では、空気抵抗係数CD=0.50〜0.76であり、「半円」形状(試番5〜8)では空気抵抗係数CD=0.44〜0.66に分布しており、いずれの形状についても「上辺側辺ともに角」形状(試番2)に比べて空気抵抗係数Cdが小さな値を示している。このため、流れのはく離抑制に効果がある模型車両30の先頭部形状は、つい立又は半円を設置したときの試番1,3〜8であることが確認された。その結果、「つい立」形状(試番1,3,4)の場合には、図29に示すeが5.8〜11.6mm(実物換算で116〜232mm)であり、fが10.0〜20.0mm(実物換算200〜400mm)であるときにははく離を抑えられることが確認された。また、「半円」形状(試番5〜8)の場合には、図30に示すdが14〜21mm(実物換算280〜420mm)であるときにははく離を抑えられることが確認された。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、移動体が鉄道車両である場合を例に挙げて説明したが、自動車などの他の移動体についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、はく離抑制部6を車体端面3aの両側及び上側に配置した場合を例に挙げて説明したが、これらのいずれか一方を省略したり、はく離抑制部6を車体端面3aの下側に配置したり、はく離抑制部6を左右いずれか一方の側縁部に配置したりすることもできる。さらに、この実施形態では、はく離抑制部6の突出部7が板状部7a又は凸状部7cを備える場合を例に挙げて説明したが、これらを任意に組み合わせることもできる。例えば、車体端面3aの両側に板状部7aを備える突出部7を配置し、車体端面3aの上側に凸状部7cを備える突出部7を配置することもできる。この場合には、車両限界が車体側面3b,3c側よりも車体上面3d側のほうが広いため、車体上面3d側の突出部7の形状を大きくすることができる。同様に、車体端面3aの両側及び上側の突出部7の一部が板状部7aを備え、残部が凸状部7cを備えるような構造にすることもできる。
(2) この実施形態では、車体3の先頭部の形状が切妻形状である場合を例に挙げて説明したが、先頭部の形状が流線型の場合や車体端面の縁部に丸みを形成した場合などについてもこの発明を適用することができる。また、この第1実施形態〜第3実施形態では、使用時には車体端面3aの内側から外側にはく離抑制部6を開き、非使用時には車体端面3aの外側から内側にはく離抑制部6を閉じる場合を例に挙げて説明したが、使用時には車体端面3aの外側から内側にはく離抑制部6を開き、非使用時には車体端面3aの内側から外側にはく離抑制部6を閉じることもできる。さらに、この第1実施形態〜第3実施形態では、はく離抑制部6の一部が透過部7bを備える場合を例に挙げて説明したが、はく離抑制部6の全部を透明又は半透明にすることもできる。
(3) この第1実施形態〜第3実施形態では、駆動部10が油圧シリンダ又は空気圧シリンダである場合を例に挙げて説明したが、駆動部10として電動モータなどを使用することもできる。また、この第4実施形態及び第5実施形態では、伸縮作動部14が油圧又は空気圧を利用して流体圧室14aを伸縮する場合を例に挙げて説明したが、電動モータ又は手動操作によって流体圧室14aを伸縮することもできる。さらに、この第1実施形態〜第5実施形態では、車両2の前側に他の車両2が連結されたときには、はく離抑制部6を車両2側に折畳又は圧縮する場合を例に挙げて説明したが、はく離抑制部6を柔軟な弾性体によって形成し、前側の車両2のはく離抑制部6の先端部と後側の車両2のはく離抑制部6の先端部とを突き合せて密着させることもできる。
(4) この第4実施形態及び第5実施形態では、凸状部7cの断面形状が1/2円又は1/4円である場合を例に挙げて説明したが、これらの形状以外の部分円又は部分楕円についてもこの発明を適用することができる。また、この第4実施形態及び第5実施形態では、車両2側にはく離抑制部6を装着する場合を例に挙げて説明したが、このはく離抑制部6を車両2側に着脱自在に装着することもできる。この場合には、はく離抑制部6側の流体圧室14aと車両2側の方向切替弁14dとを接続する管路の間に継手部を挿入し、この継手部によって着脱自在にすることができる。さらに、この第4実施形態及び第5実施形態では、はく離抑制部6に透過部7bを省略した場合を例に挙げて説明したが、このはく離抑制部6の一部又は全部を透明又は半透明にすることもできる。この場合には、はく離抑制部6内の流体圧室14aも透明又は半透明にして流体圧室14aを空気圧によって伸縮することによって、運転者の視界を確保することができる。
1 軌道
2 車両(移動体)
3 車体
3a 車体端面(前面)
3b,3c 車体側面(側面)
3d 車体上面(上面)
4 台車
4a 車輪
5 気流はく離抑制構造
6 はく離抑制部
7 突出部
7a 板状部
7b 透過部
7c 凸状部
8,9 連結部
10 駆動部
10a シリンダ部
10b ピストンロッド
10c 流体圧回路
11 密封部
12 操作部
13 制御部
14 伸縮作動部
14a 流体圧室
14b ポンプ
15 操作部
16 制御部
20 風洞試験装置
30 模型車両
30a 車両本体部
30b 車両先頭部
40 空気抵抗測定装置
41 突起物
43A,43B ルーバー
F 気流
e 距離(所定距離)
f 高さ
d
d 高さ
X 移動方向
Y 左右方向
Z 上下方向

Claims (25)

  1. 移動体が移動するときにこの移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制する移動体の気流はく離抑制構造であって、
    前記移動体の前面よりも前側で気流を衝突させこの衝突した気流をこの移動体の側面前端部に導くことによって、この移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制するはく離抑制部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  2. 請求項1に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の側縁部に沿ってこの前面から突出する突出部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の側縁部から所定距離だけ内側に配置されていること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  4. 請求項3に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の移動方向に幅方向が一致し、前記移動体の左右方向に厚さ方向が一致する板状部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の側縁部に配置されていること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  6. 請求項5に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の側縁部に向かって湾曲する凸状部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  7. 請求項6に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、水平面で切断したときの断面形状が1/2円又は1/4円であること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  8. 移動体が移動するときにこの移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制する移動体の気流はく離抑制構造であって、
    前記移動体の前面よりも前側で気流を衝突させこの衝突した気流をこの移動体の上面前端部に導くことによって、この移動体の先頭部からの気流のはく離を抑制するはく離抑制部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  9. 請求項8に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の上縁部に沿ってこの前面から突出する突出部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の上縁部から所定距離だけ内側に配置されていること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  11. 請求項10に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の移動方向に幅方向が一致し、前記移動体の上下方向に厚さ方向が一致する板状部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の前面の上縁部に配置されていること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  13. 請求項12に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の上縁部に向かって湾曲する凸状部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  14. 請求項13に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、垂直面で切断したときの断面形状が1/2円又は1/4円であること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体側に着脱自在に装着可能であること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  16. 請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体側に折畳可能であること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  17. 請求項16に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    使用時には前記移動体の前面から前記はく離抑制部が開き、非使用時には前記移動体の前面に前記はく離抑制部が閉じるように、このはく離抑制部を駆動する駆動部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  18. 請求項17に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記駆動部は、作動流体の流体圧によって前記はく離抑制部を駆動すること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  19. 請求項17に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記駆動部は、手動操作によって前記はく離抑制部を駆動すること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  20. 請求項16に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    風圧増加時には前記移動体の前面から前記はく離抑制部が開き、風圧低下時には前記移動体の前面に前記はく離抑制部が閉じるように、このはく離抑制部を前記移動体に回転自在に連結する連結部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  21. 請求項20に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記連結部は、前記移動体の前面が受ける風圧に応じて前記はく離抑制部を回転させること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  22. 請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体側に圧縮可能であること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  23. 請求項22に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    使用時には前記移動体の前面から前記はく離抑制部が伸び、非使用時には前記移動体の前面に前記はく離抑制部が縮むように、このはく離抑制部を伸縮させる伸縮作動部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  24. 請求項23に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記伸縮作動部は、作動流体の流体圧によって前記はく離抑制部を伸縮させること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
  25. 請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載の移動体の気流はく離抑制構造において、
    前記はく離抑制部は、前記移動体の運転者が外部を看視するための透過部を備えること、
    を特徴とする移動体の気流はく離抑制構造。
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