JP4299469B2 - 超音波接合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品例えばICチップなどの半導体チップに加圧及び超音波振動を与えて、回路形成体例えば基板に上記半導体チップを接合するフリップチップ実装用超音波接合装置に関するものである。
【0002】
ここで、回路形成体とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味する。
【0003】
【従来の技術】
図24には、従来のフリップチップ実装装置130を示している。搬送装置102にて搬入されかつICチップが接合されるべき基板(以下、「接合基板」と言う。)103は、加熱ステージ104に供給され、上記加熱ステージ104に基板103が保持及び固定され、かつ、図25に示すように加熱ステージ104に接続された加熱制御装置107にて制御されながら加熱される。次いで、ウエハーシート105から取り出された1個のICチップ106は、接合加圧装置101に備わる半導体チップ保持部材115まで順次受け渡される。
【0004】
図24〜図26に示すように、このICチップ106は、半導体チップ保持部材115に吸着固定され、認識動作を経て、接合基板103の所定位置に位置決めされる。次いで、ICチップ106は、接合加圧装置101により、接合基板103に対して加圧及び超音波振動を与えられることにより、ICチップ106のバンプ108と接合基板103の電極109とが金属接合される。上記接合加圧装置101は、ICチップ106や接合基板103の厚み方向に上記半導体チップ保持部材115を移動させるとともにICチップ106と接合基板103との接合のための加圧を行う加圧装置としてのボイスコイルモータ111を有し、上記ボイスコイルモータ111の駆動軸111aの先端部分にはブラケット112が設けられ、上記ブラケット112には超音波ホーン114が取付けられている。超音波ホーン114の一端部には上記半導体チップ保持部材115が取付けられ、他端部には振動子113が取付けられている。上記振動子113には、超音波発振器117が接続され超音波振動を振動子113に発生させる。また、上記ボイスコイルモータ111は接合加圧制御装置116にて動作制御される。
【0005】
上記超音波ホーン114には、その軸方向に沿って割り込みが設けられ、図25に示すように、半導体チップ保持部材115は、半導体チップ保持部材115の軸方向に直交方向から上記割り込みにて狭持されている。なお、上述のように半導体チップ保持部材115はICチップ106を吸着するため、半導体チップ保持部材115には吸引用配管124が接続されているが、上記吸引用配管124はブラケット112に支持されていない。また、超音波ホーン104は、上記振動子113が発する超音波振動の縦振動の節部142にあたる任置の位置をブラケット112でボルト123により割り締め締結されており、上述のように上記ブラケット112の上部に設置されているボイスコイルモータ111により加圧される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の構造では、半導体チップ保持部材115の先端がたわみ振動によってほぼ水平方向に振動する為、滑りが発生し、ICチップ106に対し振動が上手く伝達されず、ICチップ106と接合基板103との十分な接合強度が得られなくなり、接合オープン不良を誘発する原因となっている。また、その滑りによって、ICチップ106に半導体チップ保持部材115による、図27の(A),(B)に示すような、たたかれたような傷やクラック100が発生するという問題がある。
【0007】
更に、上述のように従来の構造では、ボイスコイルモータ111による加圧力が大きくなると、超音波ホーン114の節部142に半導体チップ保持部材115からのモーメントが働き、超音波ホーン114が上下方向と直交する横方向に傾き、半導体チップ保持部材115の先端面と接合基板103の接合面との間の平行度が崩れ、ICチップ106に対し振動が上手く伝達されないという問題がある。また、超音波ホーン114の節部142に歪みが発生し、超音波ホーン114の共振状態が崩れ、ICチップ106に対する振動振幅が安定せず、ICチップ106と接合基板103との十分な接合強度が得られなくなり、接合オープン不良を誘発する原因となっている。
【0008】
また、従来の構造では、超音波ホーン114に、その軸方向に沿って割り込みが設けられ、半導体チップ保持部材115は、半導体チップ保持部材115の軸方向に直交方向から上記割り込みにて狭持されているため、半導体チップ保持部材115のたわみ振動が割り込みによる狭持力の変化によって不安定となり、ICチップ106に対する振動振幅が安定せず、ICチップ106と接合基板103との十分な接合強度が得られなくなり、接合オープン不良を誘発する原因となっている。
【0009】
更にまた、近年、電子機器の軽薄短小化に伴い電子デバイスの小型化が益々求められており、実装技術はワイヤリング方式からフリップチップ方式へと転換期を迎え、大型かつ多ピンICチップでも接合可能となることが大きな課題となっている。
【0010】
このような条件下では、接合加圧力及び超音波パワーの増大が必要となるため、従来の構成のままでは、上記接合オープン不良が激増することは明白である。
【0011】
本発明の目的は、このような問題点を解決するためになされたもので、電子部品と基板との十分な接合強度が得られ、安定した接合を行える、フリップチップ実装用超音波接合装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0018】
本発明の第1態様によれば、半導体チップに加圧及び超音波振動を与えて基板に上記半導体チップを接合する超音波接合装置において、
上記半導体チップの接合面を上記基板の接合面に対し略平行を保ちつつ保持する半導体チップ保持部材と、
上記半導体チップ保持部材に保持された上記半導体チップに、上記半導体チップの上記接合面沿いの横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を与える超音波ホーンと、
上記超音波ホーンに上記超音波振動を与える振動子と、
上記超音波ホーンを保持し、かつ、上記半導体チップ保持部材を介して上記半導体チップに上記基板に対して加圧力を与える加圧装置と、を備え、
上記超音波ホーンの先端に、上記基板の接合面に対して直交する方向に延びる穴を設け、その穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部を挿入し、その取付軸部にねじを設け、そのねじと該ねじにねじ込まれるナットとで上記超音波ホーンの先端に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する、超音波接合装置を提供する。
【0019】
本発明の第2態様によれば、上記超音波ホーン先端に、上記基板の接合面に対して直交する方向に延びる穴を設け、その穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部を挿入し、その取付軸部に直交するように上記超音波ホーンの先端で延びるねじ穴を設け、上記ねじ穴と該ねじ穴にねじ込まれる取付ねじとで上記超音波ホーンの先端に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する第1の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0020】
本発明の第3態様によれば、上記超音波ホーンの先端に、上記基板の上記接合面に対して垂直なねじ穴を設け、そのねじ穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部のねじをねじ込み、上記超音波ホーンの先端に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する第1の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0021】
本発明の第4態様によれば、上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端に上下方向沿いに設けられ、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部をさらに備えるようにした第1の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0022】
本発明の第5態様によれば、上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、上記超音波ホーンは、上記超音波振動の縦振動の2個所の節に相当する節部で保持され、
上記超音波ホーンの上記超音波振動の縦振動の節と節との間の振動の腹に相当する部分に上下方向沿いに設けられ、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部をさらに備えるようにした第1の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0023】
本発明の第6態様によれば、上記超音波ホーンは、上記超音波ホーンの上記超音波振動の縦振動の2個所の節に相当する節部からリブを一度引き出し、上記リブに対して直角に曲げた取付部を上記加圧装置に保持するようにした第5の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0024】
本発明の第7態様によれば、上記超音波ホーンは、上記超音波ホーンの上記超音波振動の縦振動の2個所の節に相当する節部において、超音波ホーン14の両側からそれぞれリブを横方向に−度引き出し、上記リブから縦振動方向に直角に折り曲げて第1折り曲げ部を形成し、上記第1折り曲げ部から更にその反対方向に直角に折り曲げて第2折り曲げ部を形成し、この第2折り曲げ部にリブを形成し、該リブに対して直角に曲げた取付部を上記加圧装置に保持するようにした第6の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0025】
本発明の第8態様によれば、上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端に上下方向沿いに設け、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部を備え、
上記基板の上記接合面に対して垂直な穴を設け、その穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部を挿入し、その取付軸部の軸方向に対して垂直に上記たわみ振動部にねじ穴を設け、上記ねじ穴と上記ねじ穴にねじ込む取付ねじとで上記たわみ振動部に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定するようにした第4又は5の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0026】
本発明の第9態様によれば、上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端の上下方向沿いに設け、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部に、割締め穴部を設け、その割締め穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部を挿入し、その取付軸部の軸方向に垂直に上記割締め穴部にねじ穴を設け、上記ねじ穴と上記ねじ穴にねじ込まれる上記半導体チップ保持部材を取付ねじとで上記たわみ振動部に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する第4又は5の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0027】
本発明の第10態様によれば、上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端に上下方向沿いに設け、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部は、上記基板の上記接合面に対し垂直な穴を設け、その先端に20゜〜40゜の屋根型の傾斜面を設けるとともに、
上記半導体チップ保持部材は、その先端の中心部にスリットを設け、上記半導体チップを横方向から保持する構成の上記半導体チップより少し大きめの窪みを設け、その上部に上記たわみ振動部に設けた屋根型の傾斜面の傾斜角度と大略同じ傾斜角度の傾斜面を設け、その上に取付軸部を構成し、
上記たわみ振動部と上記半導体チップ保持部材は、上記加圧装置により加圧されると、上記たわみ振動部と上記半導体チップ保持部材に設けた上記傾斜面同士が互いに当接し合い、かつ、上記スリットを狭めるように上記半導体チップ保持部材が撓むことにより上記半導体チップ保持部材の上記窪みの内面が上記半導体チップを挟み込むように構成され、
上記半導体チップ保持部材は、その取付軸部に設けた切欠部に、その取付軸部の軸方向に対して垂直に上記たわみ振動部に設けたボールプランジャが押し当てられ、上記たわみ振動部と一体的に上記半導体チップ保持部材が上方向に引き上げられるように構成されている第4又は5の態様に記載の超音波接合装置を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1〜図3及び図11〜図12に、本発明の第1実施形態にかかる超音波接合方法を実施することができるフリップチップ実装用超音波接合装置を示す。
【0030】
図11には、上記フリップチップ実装用超音波接合装置1を備えるフリップチップ実装装置30の全体を示している。搬送装置2Aにて搬入されかつ半導体チップの一例としてのICチップ6が接合されるべき基板(以下、「接合基板」と言う。)3は、加熱ステージ4に供給され、上記加熱ステージ4に基板3が保持及び固定され、かつ、図12に示すように加熱ステージ4に接続された加熱制御装置7にて制御されながら加熱される。次いで、ウエハーシート5からICチップ取出装置1Aにより吸着して取り出された1個のICチップ6は、接合加圧装置1に備わる半導体チップ保持部材15に順次受け渡される。次いで、図11〜図12に示すように、このICチップ6は、半導体チップ保持部材5に吸着固定され、認識動作を経て、接合基板3の所定位置に位置決めされる。次いで、ICチップ6は、上記フリップチップ実装用超音波接合装置1により、接合基板3に対して加圧及び超音波振動を与えられることにより、ICチップ6のパッド6a上に予め形成された各バンプ8と接合基板3の各電極9とが金属接合される。上記接合加圧装置1は、ICチップ6や接合基板3の厚み方向に上記半導体チップ保持部材5を移動させるとともにICチップ6と接合基板3との接合のための加圧を行う。次いで、ICチップ6が接合された接合基板3が搬送装置2Bにて搬出される。
【0031】
上記フリップチップ実装用超音波接合装置1は、ICチップ6に加圧及び超音波振動を与えて、ICチップ6が接合されるべき基板(以下、「接合基板」と言う。)3に上記ICチップ6を直接接合する超音波接合装置であって、上記ICチップ6の接合面を上記基板3の接合面に対し略平行を保ちつつ保持する半導体チップ保持部材15と、上記半導体チップ保持部材15に保持された上記ICチップ6に、上記半導体チップの上記接合面沿いの横方向であって例えば上下方向と直交する横方向に対して、斜め方向に上記超音波振動を与える超音波ホーン14と、上記超音波ホーン14に上記超音波振動を与える振動子13と、上記超音波ホーン14を保持し、かつ、上記半導体チップ保持部材15を介して上記ICチップ6に上記基板3に対して接合のための加圧力を与える加圧装置の一例としてのボイスコイルモータ11とを備える。
【0032】
上記ボイスコイルモータ11は、加圧力111を発生するものであり、図12に示すように接合加圧制御装置16にて動作制御される。図12において上記ボイスコイルモータ11の駆動軸11aの下端部分には、大略逆L字状のブラケット12が設けられ、上記ブラケット12には、後述するように、上記超音波ホーン14が、その長手軸方向が上下方向と直交する横方向に対して5゜〜35゜傾斜した傾斜角度を持って取付けられている。上記傾斜角度をこのような範囲にする理由は、上記傾斜角度が5゜未満であれば、ICチップにクラックが発生する可能性があり、上記傾斜角度が35゜を越えるとICチップにクラックが発生する可能性があるためである。上記傾斜角度は、ICチップ接合強度の観点から、好ましくは、15゜である。
【0033】
この超音波ホーン14の傾斜角度と、接合品質及び超音波特性との関係を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
上記表1において、ICチップ接合強度、超音波振動特性、及び、総合評価における、◎は優良、○は良好、△は普通、×は悪い、−は測定せずを示す。ICチップのクラックにおける、◎はクラックは全く無し、△はクラック発生率3%未満、×はクラック発生率3%以上、−は測定せず、である。
【0036】
評価条件としては、各バンプはAuからなり、スタッドバンプボンディングにより形成された50バンプ/ICチップ、すなわち、1個のICチップにつき50個のバンプを有しているものてを使用する。ICチップの材質はSi(シリコン)であり、基板材質はセラミックでかつAu電極とする。また、接合時加圧力は40Nであり、超音波周波数は63kHzとする。
【0037】
この表の結果より、上記角度範囲が好ましいことがわかる。
【0038】
一方、上記超音波ホーン14の長手軸方向の一端部には上記半導体チップ保持部材15が取付けられ、その長手軸方向の他端部には上記振動子13が取付けられている。上記振動子13には、図12に示すように超音波発振器17が接続され、超音波発振器17により振動子13に超音波振動を発生させるようにしている。
【0039】
また、超音波ホーン14は、上記振動子13が発する超音波振動の縦振動の節部にあたる任置の位置でブラケット12にボルト25により割り締め締結されている。すなわち、図4に示すように、超音波ホーン4の、上記振動子13が発する超音波振動の縦振動の節部にあたる任置の位置に両側に延びた一対の取付けフランジ14a,14aを張り出すように超音波ホーン4に形成し、この各取付けフランジ14aをブラケット12の二股に分かれた取付板12aにボルト25によりそれぞれ締結することにより、超音波ホーン4の長手軸方向が上下方向と直交する横方向に対して5゜〜35゜傾斜した傾斜角度を持ってブラケット12に取付けられている。
【0040】
上記超音波ホーン14の長手軸方向の一端部に、上記半導体チップ保持部材15が以下のようにして取付けられている。すなわち、超音波ホーン14は、その長手軸方向の一端部に、上下方向と直交する横方向に沿いの下端面14bを有し、この下端面14bに、上記半導体チップ保持部材15を固定する方法の一例としては、図3に示すように、上記半導体チップ保持部材15が、ねじ1511が切られた取付軸部1510を有して、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部の下端面14bから上方に向けて、上記半導体チップ保持部材15の取付軸部1510を超音波ホーン14の貫通穴14cに貫通させて、超音波ホーン14から上方に突出した取付軸部1510のねじ1511にナット251がねじ込まれることにより、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部の下端面14bに上記半導体チップ保持部材15が取り外し可能に締結固定されている。
【0041】
上記半導体チップ保持部材15は、ICチップ6を吸着するため、半導体チップ保持部材15の下端面に形成された多数の貫通孔には吸引用配管24が接続され、半導体チップ保持部材15の下端面に形成された多数の貫通孔を通じての吸引動作により半導体チップ保持部材15の下端面にICチップ6を吸着できるようにしている。上記吸引用配管24は、ブラケット12に支持されている。このように、図1、図2に示すように、ICチップ6は、一例として、吸引用配管24を通じて吸引される半導体チップ保持部材15に吸着固定されているが、ICチップ6は、半導体チップ保持部材15に対して、吸着の代わりに磁力により保持されるようにしてもよい。上記半導体チップ保持部材15の下端面は、ICチップ6の材質との相性の良いものが好ましい。例えば、ICチップ6の材質がシリコンの場合には上記下端面はSUS(ステンレス鋼)より構成し、ICチップ6の材質がガリウム−砒素などの化合物半導体の場合には上記下端面は超鋼材料より構成するのが好ましい。
【0042】
接合基板3は、加熱ステージ4上に吸着などにより固定される。
【0043】
以下に、上記フリップチップ実装用の超音波接合装置を用いた超音波接合方法を説明する。
【0044】
ICチップ6は、半導体チップ保持部材15の下端面に吸引用配管24を通じて吸着固定され、半導体チップ保持部材15に保持されたICチップ6が、図示しない認識動作により保持姿勢が認識された後、認識結果に基き姿勢角度を補正しつつ、加熱ステージ4上に固定されかつ加熱された接合基板3の接合すべき位置に位置決めされる。
【0045】
次いで、上記フリップチップ実装用超音波接合装置1により、ICチップ6及び接合基板3の厚み方向に、ICチップ6を保持した上記半導体チップ保持部材15を接合加圧制御装置16の制御の下に移動させるとともに、ボイスコイルモータ11と接合加圧制御装置16にて接合加圧動作制御され、ICチップ6と接合基板3との接合のための加圧押し込みが行われる。これと同時に、ボイスコイルモータ11の先に付いたブラケット12に取付けられた超音波ホーン14の振動子13に超音波発振器17より超音波振動信号が送られ、振動子13で発生した振動を超音波ホーン14で増幅し、上下方向と直交する横方向に対して5゜〜35゜の傾斜角度を持って超音波振動20が半導体チップ保持部材15に与えられる。この超音波振動20が、超音波ホーン14及び半導体チップ保持部材15を介して、半導体チップ保持部材15に保持されたICチップ6に摩擦伝達され、ICチップ6が接合基板3上で、超音波ホーン14の超音波振動20と同じ方向の超音波振動21で振動し、ICチップ6の各バンプ8と接合基板3の各電極9とが金属接合される結果、ICチップ6が接合基板3に接合される。
【0046】
なお、ICチップ6を吸着しかつ半導体チップ保持部材15の下端面を構成する部材で取り外し可能なコレット15aの材質及び表面粗さについては、図8に示すように、半導体チップ保持部材15のコレット15aの材質及び表面粗さは、接合対象であるICチップ6の材質、表面粗さに左右され、最も摩擦係数が高くなる組み合わせが望ましい。例えば、ICチップ6がシリコンICチップであれば、コレット15aをSUS材でかつ表面粗さが0.1μm以下とすれば、摩擦係数も高く、振動も伝達し易い。なお、第1実施形態の場合、Z方向の振動成分があることで、Z振動の少ない従来方式から比べると、上記摩擦係数の影響は小さくなる。
【0047】
上記第1実施形態によれば、半導体チップ保持部材15の先端が、加圧しながら、ICチップ6に、上下方向と直交する横方向に対して斜め方向(上下方向と直交する横方向に対して例えば5゜〜35°傾斜した方向)に超音波振動を伝達するため、ICチップ6が半導体チップ保持部材15に対して同じ振動挙動をし、超音波振動が安定してICチップ6に伝達される。これにより、ICチップ6と接合基板3との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。この接合信頼性に関して、従来との比較を図5に示す。すなわち、図5は、ICチップ6内のバンプ8の個数と接合不良(言い換えれば、接合強度が弱い)の割合との関係を示す図である。図5の横軸は第1実施形態と従来の超音波接合方法のそれぞれによるICチップの接合を行うとき、バンプ8の個数が、ICチップ1個あたり10個、ICチップ1個あたり30個、ICチップ1個あたり50個、ICチップ1個あたり100個の場合を示し、縦軸はそれぞれの場合での接合不良の割合をパーセンテージで示す。
【0048】
また、ICチップ6が半導体チップ保持部材15に対して同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材15によるICチップ6へのダメージが無い。
【0049】
また、第1実施形態によれば、上下方向と直交する横方向に対して斜め方向の超音波振動によりICチップ6を基板3に接合するため、図6に示すように、超音波振動が上下方向すなわちZ方向の成分を有することになり、図7に示すように短時間で接合が完了する。なお、図7の横軸は上記第1実施形態と従来のフリップチップ実装用の超音波接合方法を示し、縦軸は接合時間を示す。
【0050】
また、第1実施形態によれば、半導体チップ保持部材15を超音波ホーン14の長手軸方向の一端部にボルトとナットとの結合により取付けることができるため、ボルトとナットとの結合を緩めることにより、半導体チップ保持部材15と取付軸部1510との取付角度が異なる半導体チップ保持部材15、又は、超音波ホーン14の下端面14bに対して傾斜した下端面を有する半導体チップ保持部材15に容易に交換することができて、超音波ホーン14に対する半導体チップ保持部材15の取付角度が容易に調整できる。
【0051】
また、第1実施形態によれば、半導体チップ保持部材15を超音波ホーン14の長手軸方向の一端部に、半導体チップ保持部材15の取付軸部1510のねじ1511にナット251がねじ込まれることにより取り外し可能に取付けることができるため、超音波ホーン14の前上方より半導体チップ保持部材15を強固にかつ取り外し可能に固定でき、半導体チップ保持部材15が摩耗しても、ねじ1511とナット251との結合を緩めることにより、簡単に部材交換することができる。
【0052】
なお、図9には、上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法における超音波振動と上下方向の加圧力F{=(ICチップ1個あたりのバンプ個数)×0.8N}との関係を示し、図10には、上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法における超音波振動と上下方向の加圧力との関係をグラフで示す。ICチップ6と基板3との間の接合後の接合高さhを確保するための接合条件を図10に示す。図10より接合条件として、高い接合強度を得るためには、適正な超音波パワーと加圧力のバランスがあり、どちらかが強過ぎても、弱過ぎても、得られる接合強度は弱くなってしまうことがわかる。
【0053】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかるフリップチップ実装用超音波接合方法とその装置は、第1実施形態とは異なる方法で、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部の下端面14bに、上記半導体チップ保持部材15を固定するものである。すなわち、図13に示すように、上記半導体チップ保持部材15が、取付軸部152を有して、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部の下端面14bから上方に向けて、上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152を超音波ホーン14の貫通穴14cに貫通させて、超音波ホーン14の上記一端部からねじ穴14e内に上記取付軸部152の長手軸方向と直交する方向に取付ボルト26をねじ込み、取付ボルト26の先端を取付軸部152に接触させて超音波ホーン14から上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152が抜け落ちないように固定している。
【0054】
このような構造にすれば、上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152に取付ボルト26をねじ込むことにより超音波ホーン14に上記半導体チップ保持部材15を簡単に取付けることができるため、取付ボルト26を緩めることにより、半導体チップ保持部材15と取付軸部1510との取付角度が異なる半導体チップ保持部材15、又は、超音波ホーン14の下端面14bに対して傾斜した下端面を有する半導体チップ保持部材15に容易に交換することができて、超音波ホーン14に対する半導体チップ保持部材15の取付角度が容易に調整できる。また、第2実施形態によれば、半導体チップ保持部材15を超音波ホーン14の長手軸方向の一端部に、半導体チップ保持部材15の取付軸部152に向けて超音波ホーン14に取付ボルト26がねじ込まれて係止されることにより、取り外し可能に取付けることができるため、取付ボルト26を緩めることにより、超音波ホーン14の前方より半導体チップ保持部材15を強固にかつ取り外し可能に固定でき、半導体チップ保持部材15が摩耗しても簡単に部材交換することができる。
【0055】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態にかかるフリップチップ実装用超音波接合方法を実施することができるフリップチップ実装用超音波接合装置は、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる方法で、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部の下端面14bに、上記半導体チップ保持部材15を固定するものである。すなわち、図14に示すように、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部に接合基板3に対して直交する方向、言い換えれば、上下方向沿いにねじ穴14dが切られ、上記円形の半導体チップ保持部材15の取付軸153に設けられたねじ1531を上記ねじ穴14dにねじ込み、取り外し可能に上記半導体チップ保持部材15を超音波ホーン14に締結固定するようにしたものである。
【0056】
このような構造によれば、超音波ホーン14の下方より上向きに半導体チップ保持部材15の取付軸153のねじ1531を、超音波ホーン14の長手軸方向の上記一端部の下端面14bの上記ねじ穴14dにねじ込むことにより、半導体チップ保持部材15を超音波ホーン14に容易にかつ強固にかつ取り外し可能に締結固定できる。従って、半導体チップ保持部材15が摩耗しても、ねじ穴14dに対して半導体チップ保持部材15の取付軸153のねじ1531を緩めることにより、上記半導体チップ保持部材15を超音波ホーン14から容易に取り外すことができて、半導体チップ保持部材15の部材交換が容易にできる。
【0057】
(第4実施形態)
図15に、本発明の第4実施形態にかかるフリップチップ実装用超音波接合方法を実施することができるフリップチップ実装用超音波接合装置を示す。この第4実施形態は、超音波ホーン14の長手軸方向の一端部に、超音波ホーン14に半導体チップ保持部材15を直接固定する代りに、超音波ホーン14からの超音波振動により上下方向と直交する横方向にたわみ振動を発生させるたわみ振動部141を介して超音波ホーン14に半導体チップ保持部材15を配置し、そのたわみ振動部141の下端部に半導体チップ保持部材15を配置している点で上記第1〜第3実施形態とは異なるものである。
【0058】
すなわち、図15に示すように、ICチップ6は、半導体チップ保持部材15に吸着固定されている。接合基板3は加熱ステージ4上に固定され、接合基板3上には電子部品10が搭載されている。ボイスコイルモータ11は、加圧力51を発生する加圧装置の一例であり、上記ボイスコイルモータ11の駆動軸11aの先端部分にはブラケット12が設けられ、上記ブラケット12には超音波ホーン14が、上下方向と直交する横方向に5゜〜35゜傾斜角度を持って取付けられている。上記超音波ホーン14の長手軸方向の一端部の端面には、半導体チップ保持部材15の代りに、上下方向と直交する横方向にたわみ振動を発生させる、たわみ振動部141の中間部が固定されている。たわみ振動部141の下端部の貫通穴141bには、図16に示すように、半導体チップ保持部材15の取付軸部152が挿入され、その取付軸部152の軸方向と直交する方向から、取付ボルト26をたわみ振動部141のねじ穴141e内にねじ込み、取付ボルト26の先端を取付軸部152に接触させてたわみ振動部141から上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152が抜け落ちないように固定している。なお、たわみ振動部141には、上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152の吸引孔15bに連通する貫通穴141bにさらに連通する吸引通路141aを備えて、吸引通路141aが吸引用配管24に連結されている。
【0059】
また、超音波ホーン14の長手軸方向の他端部には、第1〜第4実施形態と同様に、振動子13が取付けられている。上記振動子13には、超音波発振器17が接続され超音波振動を振動子13に発生させる。また、上記ボイスコイルモータ11は、第1〜第4実施形態と同様に、接合加圧制御装置16にて動作制御される。
【0060】
第1〜第4実施形態と同様に、半導体チップ保持部材15はICチップ6を吸着するため、半導体チップ保持部材15には吸引用配管24が接続され、上記吸引用配管24はブラケット12に支持される。超音波ホーン14は、上記振動子13が発する超音波振動の縦振動の節部にあたる任置の位置に両側に延びた一対の取付けフランジ14a,14aを張り出すように形成し、この各取付けフランジ14aをブラケット12の二股に分かれた取付板12aにボルト25によりそれぞれ締結することにより、超音波ホーン4の長手軸方向が上下方向と直交する横方向に対して5゜〜35゜傾斜した傾斜角度を持ってブラケット12に締結固定される。
【0061】
以下に、上記フリップチップ実装用の超音波接合装置を用いた超音波接合方法を説明する。
【0062】
まず、ICチップ6は、半導体チップ保持部材15に吸引用配管24を通じて吸着固定され、認識動作を経て、接合基板3の所定位置に電子部品10を避けて位置決めされる。
【0063】
次いで、ICチップ6は、上記フリップチップ実装用超音波接合装置1により、ICチップ6や接合基板3の厚み方向に上記半導体チップ保持部材15を移動させるとともに、ボイスコイルモータ11と接合加圧制御装置16にて動作制御され、ICチップ6と接合基板3との接合のための加圧押し込みが行われる。これと同時に、ボイスコイルモータ11の先に付いたブラケット12に取付けられた超音波ホーン14の振動子13に超音波発振器17より超音波振動信号が送られ、振動子13から発生した縦振動を超音波ホーン14で増幅し、更に超音波ホーン14の先端に上下方向沿いに設けられた上記たわみ振動部141に、上下方向と直交する横方向に対して5゜〜35゜の傾斜角度を持って超音波振動が与えられる。この超音波振動が、上記たわみ振動部141及び上記半導体チップ保持部材15を介してICチップ6に摩擦伝達され、ICチップ6の各バンプ8と接合基板3の各電極9とが金属接合される。上記傾斜角度としては、上記第1実施形態と同様な理由で上記範囲が選択される。
【0064】
この第4実施形態によれば、半導体チップ保持部材15の先端が、加圧しながらICチップ6に対して上下方向と直交する横方向に対して斜め方向(例えば5゜〜35゜方向)に超音波振動するため、ICチップ6が半導体チップ保持部材15に対して同じ振動挙動をし、超音波振動が安定してICチップ6に伝達される。これにより、ICチップ6と接合基板3との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。また、ICチップ6が半導体チップ保持部材15に対して同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材15によるICチップ6へのダメージが無い。
【0065】
さらに、第4実施形態によれば、電子部品10のような障害物があっても、超音波ホーン14に半導体チップ保持部材15が直接固定されているのではなく、超音波ホーン14に上下方向沿いに延びた上記たわみ振動部141により半導体チップ保持部材15を支持しているため、超音波ホーン14が電子部品10に接触せずに、たわみ振動部141が電子部品10を避けてICチップ6を接合基板3に対して位置決めすることができるため、電子部品10のような障害物がある場合にも、ICチップ6の接合を確実に行うことができる。
【0066】
また、第4実施形態によれば、超音波ホーン14のたわみ振動部141の下端部の貫通穴141bに半導体チップ保持部材15の取付軸部152を下方より上向きに挿入し、取付軸部152の軸方向と直交する方向から、取付ボルト26の先端を取付軸部152に接触させてたわみ振動部141から上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152が抜け落ちないように固定しているため、取付ボルト26を緩めることにより、半導体チップ保持部材15と取付軸部152との取付角度が異なる半導体チップ保持部材15、又は、たわみ振動部141の下端面に対して傾斜した下端面を有する半導体チップ保持部材15に容易に交換することができて、たわみ振動部141に対する半導体チップ保持部材15の取付角度が容易に調整できるとともに、半導体チップ保持部材15が摩耗したときにも、交換が容易である。
【0067】
(第5実施形態)
図17〜図19に、本発明の第5実施形態にかかるフリップチップ実装用超音波接合方法を実施することができるフリップチップ実装用超音波接合装置を示す。上記第5実施形態は、超音波ホーン14の先端にたわみ振動部141を介して半導体チップ保持部材15を配置する代りに、超音波ホーン14の中間部にたわみ振動部141を介して半導体チップ保持部材15を配置するようにしている点で、上記第4実施形態と異なる。
【0068】
すなわち、図17に示すように、ICチップ6は、半導体チップ保持部材15に吸着固定されている。接合基板3は加熱ステージ4上に固定され、接合基板3上には電子部品10が搭載されている。ボイスコイルモータ11は、加圧力51を発生する加圧装置の一例であり、上記ボイスコイルモータ11の駆動軸11aの先端部分にはブラケット12が設けられ、上記ブラケット12には超音波ホーン14が取付けられている。この超音波ホーン14は、超音波ホーンの縦振動の節にそれぞれ相当する節部と節部の2個所で横方向両側にそれぞれ突出し、突出した上記節部と節部からリブ142,143を一度引き出し、上下方向と直交する横方向に対して5°〜35°の傾斜角度を持ち、図17及び図18に示すように、上記リブに対して直角に曲げたすなわち縦振動方向に曲げた取付部144,145が設けられ、上記ブラケット12に対して取付部144,145がボルト25によりそれぞれ締結保持される。上記2個の節部のそれぞれと超音波ホーン14の結合部は、詳しくは以下のような構造としている。すなわち、図19に代表的にリブ143側の節部で示すように、リブ143側の節部において超音波ホーン14の両側からそれぞれリブ1431を横方向に−度引き出し、上記リブ1431から縦振動方向に直角に折り曲げて第1第1折り曲げ部1432を形成し、第1折り曲げ部1432から更にその反対方向に直角に折り曲げて第2折り曲げ部1433を形成し、この第2折り曲げ部1433にリブ142,143を形成し、該リブ142,143に対して直角に曲げた取付部144,145を上記加圧装置11に保持するように結合する構成としている。上記リブ142側の節部も同様の構成としている。
【0069】
また、上記節部と節部との間の超音波振動の腹の部分には、上下にたわみ振動部141が設けられている。上記たわみ振動部141の下端部の貫通穴141bには、第4実施形態と同様に図16に示すように、半導体チップ保持部材152の取付軸部152が挿入され、その取付軸部152の軸方向と直交する方向から、取付ボルト26をたわみ振動部141のねじ穴141e内にねじ込み、取付ボルト26の先端を取付軸部152に接触させてたわみ振動部141から上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152が抜け落ちないように固定している。超音波ホーン14の他端部には、第1〜第4実施形態と同様に、振動子13が取付けられている。上記振動子13には、超音波発振器17が接続され超音波振動を振動子13に発生させる。また、上記ボイスコイルモータ11は、第1〜第4実施形態と同様に、接合加圧制御装置16にて動作制御される。
【0070】
第1〜第4実施形態と同様に、半導体チップ保持部材15はICチップ6を吸着するため、半導体チップ保持部材15には吸引用配管24が接続され、上記吸引用配管24はブラケット12に支持される。
【0071】
以下に、上記フリップチップ実装用の超音波接合装置を用いた超音波接合方法を説明する。
【0072】
まず、ICチップ6は、半導体チップ保持部材15に吸引用配管24を通じて吸着固定され、認識動作を経て、接合基板3の所定位置に電子部品10を避けて位置決めされる。
【0073】
次いで、ICチップ6は、上記フリップチップ実装用超音波接合装置1により、ICチップ6や接合基板3の厚み方向に上記半導体チップ保持部材15を移動させるとともに、ボイスコイルモータ11と接合加圧制御装置16にて動作制御され、ICチップ6と接合基板3との接合のための加圧押し込みが行われる。これと同時に、ボイスコイルモータ11の先に付いたブラケット12に取付けられた超音波ホーン14の振動子13に超音波発振器17より超音波振動信号が送られ、振動子13から発生した縦振動を超音波ホーン14で増幅し、更に超音波ホーン14の上記節部と節部の間の超音波振動の腹に相当する部分に上下方向沿いに設けられた上記たわみ振動部141に、上下方向と直交する横方向に対して5°〜35°傾斜角度を持って超音波振動が与えられる。この超音波振動が、上記たわみ振動部141及び上記半導体チップ保持部材15を介してICチップ6に摩擦伝達され、ICチップ6の各バンプ8と接合基板3の各電極9とが金属接合される。
【0074】
この第5実施形態によれば、半導体チップ保持部材15の先端が、加圧しながらICチップ6に対して上下方向と直交する横方向に対して斜め方向(例えば5゜〜35゜方向)に超音波振動するため、ICチップ6が半導体チップ保持部材15に対して同じ振動挙動をし、超音波振動が安定してICチップ6に伝達される。これにより、ICチップ6と接合基板3との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。また、ICチップ6が半導体チップ保持部材15に対して同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材15によるICチップ6へのダメージが無い。
【0075】
さらに、第5実施形態によれば、電子部品10のような障害物があっても、超音波ホーン14に半導体チップ保持部材15が直接固定されているのではなく、超音波ホーン14に上下方向沿いに延びた上記たわみ振動部141により半導体チップ保持部材15を支持しているため、超音波ホーン14が電子部品10に接触せずに、たわみ振動部141が電子部品10を避けてICチップ6を接合基板3に対して位置決めすることができるため、電子部品10のような障害物がある場合にも、ICチップ6の接合を確実に行うことができる。
【0076】
また、第5実施形態によれば、ボイスコイルモータ11による加圧力51が大きくなっても、超音波ホーン14の節部と節部による、加圧力51に対する両持ち構造であるため、半導体チップ保持部材15の下端面であるICチップ保持面と接合基板3の接合面との間の平行度が崩れることなく、ICチップ6に対して超音波振動が安定して伝達することができる。また、超音波ホーン14の取付面12aに加圧負荷等により歪みが発生しても、上記取付部142,143を有するリブ構造が弾性変形してその歪みを吸収する為、超音波ホーン14が歪むことなく安定した共振状態を維持でき、ICチップ6と接合基板3との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。
【0077】
また、第5実施形態によれば、超音波ホーン14のたわみ振動部141の下端部の貫通穴141bに半導体チップ保持部材15の取付軸部152を下方より上向きに挿入し、取付軸部152の軸方向と直交する方向から、取付ボルト26の先端を取付軸部152に接触させてたわみ振動部141から上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152が抜け落ちないように固定しているため、取付ボルト26を緩めることにより、半導体チップ保持部材15と取付軸部152との取付角度が異なる半導体チップ保持部材15、又は、たわみ振動部141の下端面に対して傾斜した下端面を有する半導体チップ保持部材15に容易に交換することができて、たわみ振動部141に対する半導体チップ保持部材15の取付角度が容易に調整できるとともに、半導体チップ保持部材15が摩耗したときにも、交換が容易である。
【0078】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態にかかるフリップチップ実装用超音波接合方法を実施することができるフリップチップ実装用超音波接合装置は、たわみ振動部141の下端部での半導体チップ保持部材15の保持構造が第4,5実施形態と異なるものである。すなわち、たわみ振動部141の下端部での半導体チップ保持部材15の保持構造が、図20に示すように、たわみ振動部141に、割締め穴部146を設け、その割締め穴部146に上記半導体チップ保持部材15に設けた取付軸部152を挿入し、その取付軸部152の軸方向に垂直に上記割締め穴146にねじ穴146aを設け、ねじ穴146aに取付ボルト27をねじ込むことにより、上記割締め穴146の内面で上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152を把持して上記半導体チップ保持部材15を上記たわみ振動部141に締結固定するようにしている。
【0079】
このような第6実施形態によれば、超音波ホーン14のたわみ振動部141の下端部の割締め穴146内に半導体チップ保持部材15の取付軸部152を下方より上向きに挿入し、割締め穴146の軸方向とは垂直に形成されたねじ穴146aに取付ボルト27をねじ込むことにより、上記割締め穴146の内面で上記半導体チップ保持部材15の取付軸部152を把持して上記半導体チップ保持部材15を上記たわみ振動部141に締結固定するようにしている。このため、取付ボルト27を緩めることにより、半導体チップ保持部材15と取付軸部152との取付角度が異なる半導体チップ保持部材15、又は、たわみ振動部141の下端面に対して傾斜した下端面を有する半導体チップ保持部材15に容易に交換することができて、たわみ振動部141に対する半導体チップ保持部材15の取付角度が容易に調整できるとともに、半導体チップ保持部材15が摩耗したときにも、交換が容易である。
【0080】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態にかかるフリップチップ実装用超音波接合方法を実施することができるフリップチップ実装用超音波接合装置は、たわみ振動部141の下端部での半導体チップ保持部材15の保持構造が第4,5,6実施形態と異なるものである。すなわち、たわみ振動部141の下端部での半導体チップ保持部材15の保持構造が、図21に示すように、上記半導体チップ保持部材15をICチップ6に対して、上下方向と直交する横方向に対して斜め方向に超音波振動を与える超音波ホーン14の上下方向沿いに設けたたわみ振動部141は、接合基板3の接合面に対して垂直な貫通穴1411を設け、その下端部に下向きに広がった20゜〜40゜の屋根型又は円錐型の傾斜面1412を設けている。上記半導体チップ保持部材15に相当する半導体チップ保持部材154は、その中心部に下端面から上向きに中央部まで延びるスリット1543を設けるとともに、下端部の円板状の半導体チップ保持部154aにICチップ6を横方向から保持して横方向に脱落しないようにするためのICチップ6より少し大きめの窪み1541を設けて、窪み1541内にICチップ6を隙間を介して遊嵌可能としている。また、半導体チップ保持部材154の円板状の半導体チップ保持部154aの上部には、上記たわみ振動部141に設けた屋根型又は円錐型の傾斜面1412と大略同じ傾斜角度の傾斜面1542を設け、その上に取付軸部1544を設けて構成されている。上記たわみ振動部141と上記半導体チップ保持部材154は、上記加圧装置11により、加圧力51で示されるように下向きに加圧されると、上記たわみ振動部141の傾斜面1412と上記半導体チップ保持部材154の傾斜面1542が係合して当接し、半導体チップ保持部材154がICチップ6を挟み込むように構成されている。また、上記半導体チップ保持部材154は、その取付軸部1544の中間部の側面に設けた円錐状にへこんだ切欠部1545に、その取付軸部1544の軸方向に垂直に、上記たわみ振動部141に設けたボールプランジャ28の先端のボール28aが押し当てられ、上記半導体チップ保持部材154が上記たわみ振動部141と一体的に上方向に引き上げられるように構成している。
【0081】
以下に、上記フリップチップ実装用の超音波接合装置を用いた超音波接合方法を説明する。
【0082】
まず、ICチップ6は、半導体チップ保持部材154に吸引用配管24を通じて吸着固定され、認識動作を経て、接合基板3の所定位置に位置決めされる。
【0083】
次いで、ICチップ6は、上記フリップチップ実装用超音波接合装置1により、ICチップ6や接合基板3の厚み方向に上記半導体チップ保持部材15を移動させるとともに、ボイスコイルモータ11と接合加圧制御装置16にて動作制御され、ICチップ6と接合基板3との接合のための加圧力51による加圧押し込みが行われる。この加圧力51により、たわみ振動部141の下端部の円錐型の傾斜面1412が、半導体チップ保持部材154の大略同じ傾きの傾斜面1542を加圧力52で下向きに押し込む。図21に示すように、この加圧力52の分力53が横方向に働くことにより、半導体チップ保持部材154に設けられたスリット1543が狭められるように半導体チップ保持部材154の全体が撓み、半導体チップ保持部材154の窪み1541の内面同士が横方向沿いに互いに接近する方向に撓み、窪み1541の内面によりICチップ6を挟み込む。その後、ボイスコイルモータ11の先に取り付けられたブラケット12に取付けられた超音波ホーン14の振動子13に超音波発振器17より超音波振動信号が送られ、振動子13から発生した縦振動を超音波ホーン14が増幅し、更に超音波ホーン14に上下方向沿いに設けられた上記たわみ振動部141に、超音波振動が与えられる。この超音波振動がICチップ6に機械的に伝達され、ICチップ6の各バンプ8と接合基板3の各電極9とが金属接合される。
【0084】
この後、ボイスコイルモータ11と接合加圧制御装萱16にて動作制御されて加圧押し込みの加圧力51がゼロとなり、たわみ振動部141の先端の円錐型の傾斜面1412と、半導体チップ保持部材154の傾斜面1542との間での加圧力52もゼロとなり、この加圧力52の分力53もゼ口となる。この結果、半導体チップ保持部材154の弾性力により、スリット1543が元の間隔まで復帰し、半導体チップ保持部材154の窪み1541の内面がICチップ6の側面から離れ、ボイスコイルモータ11と接合加圧制御装置16により、たわみ振動部141と半導体チップ保持部材154とが一体的に上昇させられて、ICチップ6から離れるように動作制御される。
【0085】
この第7実施形態によれば、半導体チップ保持部材154の下端部が、加圧しながらICチップ6を機械的に両側から挟み込みつつ超音波振動を付与するため、ICチップ6が半導体チップ保持部材154に対して同じ振動挙動をし、超音波振動が半導体チップ保持部材154からICチップ6に安定して伝達される。これにより、ICチップ6と接合基板3との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。また、ICチップ6が半導体チップ保持部材154に対して同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材154によるICチップ6へのダメージが無い。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0087】
例えば、図22に示すように、例えばICチップ6の材質や厚み又は基板3の材質や厚みなどの接合条件により、超音波ホーン14の角度θを上記5゜〜35゜の範囲内の任意の値に傾斜角度を調整することができるような傾斜角度調整装置29を備えるようにしてもよい。この傾斜角度調整装置29は以下のような構造を有している。
【0088】
すなわち、ブラケット12に球面状凸部38を設け、球面状凸部38に摺動する球面状凹部37をブラケット12を支持する支持部材35に設け、かつ、球面状凸部38と球面状凹部37とが常時当接するようにバネ34で付勢させることにより、球面状凸部38と球面状凹部37とで第1球面軸受36を構成する。また、第1球面軸受36の球面状凹部37の表面には第1吸引通路31に連通する吸引開孔を形成して、第1吸引通路31により吸引動作させるときには球面状凸部38と球面状凹部37とが移動不可に固定される一方、吸引動作を緩めるときには、球面状凸部38と球面状凹部37とが相対的に移動可能としている。ブラケット12の上端部のねじ穴12eには、角度調整ねじ39をねじ込んでその先端を支持部材35の側面に当接させている。よって、角度調整ねじ39を回すことにより、第3吸引通路33での吸引動作を緩めるときに限り、支持部材35に対してブラケット12の上端部が接離する方向に移動可能としている。
【0089】
また、超音波ホーン14の下端部に球面状凹部14fを形成し、球面状凹部14fに摺動可能な球面状凸部15fを半導体チップ保持部材15の上部に形成することにより、球面状凸部15fと球面状凹部14fとで第2球面軸受134を構成する。また、第2球面軸受134の球面状凹部14fの表面には第2吸引通路32に連通する吸引開孔を形成して、第2吸引通路32により吸引動作させるときには球面状凸部15fと球面状凹部14fとが移動不可に固定される一方、吸引動作を緩めるときには、球面状凸部15fと球面状凹部14fとが相対的に移動可能としている。また、超音波ホーン14は、ブラケット12に対して、先の実施形態に示したような構造で支持又は回転可能に支持されることにより、ブラケット12に対する超音波ホーン14の傾斜角度θを調整可能とする。
【0090】
このように構成することにより、第1吸引通路31での吸引動作における真空圧を大気圧側に緩めたのち、角度調整ねじ39を回すことにより、支持部材35に対してブラケット12の上端部が接近又は離反する方向に移動させて、第1球面軸受36の球面状凸部38を球面状凹部37に対して摺動させて第1球面軸受36の傾斜角度θを振る。この結果、超音波ホーン14の傾斜角度θが振られ、第1吸引通路31での吸引動作における真空圧を上げることで、超音波ホーン14の傾斜角度θを真空吸着により固定する。
【0091】
次いで、第2吸引通路32での吸引動作における真空圧を大気圧側に緩めた状態で、加熱ステージ4の上面(基板載置面)に半導体チップ保持部材15の下端面(ICチップ吸着面)を押し当て、第2球面軸受134において第2球面軸受134の球面状凸部15fを球面状凹部14fに対して摺動させて、半導体チップ保持部材15の下端面と加熱ステージ4の上面との平行度を出した状態で、第2吸引通路32での吸引動作における真空圧を上げ、半導体チップ保持部材15の下端面と加熱ステージ4の上面とを略平行に保持して真空吸着保持により傾斜角度θを固定する。その後、半導体チップ保持部材15を移動させて、半導体チップ保持部材15の下端面でのICチップ6の真空吸着保持は、吸引用配管24を有する第3吸引通路33での吸引動作にて行う。
【0092】
このような構成によれば、傾斜角度調整装置29により、例えばICチップ6の材質や厚み又は基板3の材質や厚みなどの接合条件により、超音波ホーン14の傾斜角度θを上記5゜〜35゜の範囲内の任意の値に傾斜角度を調整することができる。また、ICチップ6の接合状態を見て、超音波ホーン14の傾斜角度θの微調整を行うことができる。
【0093】
また、本発明は、フリップチップ実装用の超音波接合方法及び超音波接合装置にのみ適用されるのではなく、他の用途にも適用することができる。例えば、ICチップ6などの電子部品にバンプ8を形成するバンプ形成方法及び装置にも適用することができる。一例を図23に示す。図23において、加熱ステージ41上に対象物であるICチップ6を載置する一方、XYテーブル48に基部の回動支点が取付けられかつキャピラリ駆動部49により回動支点回りに揺動可能な支持部材46に、超音波ホーン42と金線クランパー43とが支持されている。金線クランパー43の先端には、金線テンショナー44から所定の張力を付与しつつ供給される金線45を保持するキャピラリ47が配置されている。超音波ホーン42は、上記各実施形態と同様に、その傾斜角度θを上記5゜〜35゜の範囲内の任意の値に設定している。
【0094】
このような構成のバンプ形成装置によれば、金線テンショナー44からキャピラリ47に供給されてキャピラリ47の下端から突出した金線45の下端を放電等により溶融させてボールを形成する。その後、XYテーブル48により、加熱ステージ41上のICチップ6に対するキャピラリ47の位置を直交する2方向であるXY方向に位置決めする。その後、キャピラリ駆動部49により、回動支点回りに超音波ホーン42と金線クランパー43とを揺動させて、形成されたボールをキャピラリ47を介して加熱ステージ41上のICチップ6に押し付けて超音波ホーン42から超音波振動を付与して、ICチップ6のパッド上にバンプ8を形成する。
【0095】
このようにICチップ6のパッド上にバンプ8を形成する場合にも、超音波ホーン42は、その傾斜角度θを上記5゜〜35゜の範囲内の任意の値に設定することにより、言い換えれば、ICチップ6に対してバンプ8を上下方向と直交する横方向に対して斜め方向(5°〜35°方向)から超音波振動を与えることでバンプ形成するようにしている。よって、キャピラリ47に保持された金線45が超音波ホーン42に対して同じ振動挙動をし、超音波振動が安定して金線45に伝達され、金線45により形成されるバンプ8とICチップ6との十分な接合強度が得られ、接合品質を向上させることができる。また、金線45により形成されるバンプ8が超音波ホーン42に対して同じ振動挙動をするため、超音波ホーン42によるICチップ6へのダメージが無く、商品イメージも向上させることができる。
【0096】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0097】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明のフリップチップ実装用の超音波接合方法及び超音波接合装置によれば、接合基板に対して半導体チップを上記半導体チップの上記接合面沿いの横方向に対して斜め方向(5°〜35°方向)から超音波振動を与えることで接合するようにしている。よって、半導体チップが半導体チップ保持部材に対し同じ振動挙動をし、超音波振動が安定して半導体チップに伝達され、半導体チップと接合基板との十分な接合強度が得られ、接合品質を向上させることができる。また、半導体チップが半導体チップ保持部材に対し同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材による半導体チップへのダメージが無く、商品イメージも向上させることができる。
【0098】
また、本発明のフリップチップ実装用の超音波接合方法及び超音波接合装置においては、半導体チップを基板上にフリップチップ実装するプロセスにおいて、半導体チップにバンプを形成し、基板との位置合わせした後、加圧しながら半導体チップに対して上記半導体チップの上記接合面沿いの横方向に対して斜め方向(5゜〜35゜方向)に超音波振動を与えて接合するようにすれば、半導体チップ保持部材の先端が、加圧しながら半導体チップに対して上記半導体チップの上記接合面沿いの横方向に対して斜め方向(5゜〜35゜方向)に超音波振動するため、半導体チップが半導体チップ保持部材に対し同じ振動挙動をし、超音波振動が安定して半導体チップに伝達される。これにより、半導体チップと接合基板との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。また、半導体チップが半導体チップ保持部材に対し同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材による半導体チップへのダメージが無い。
【0099】
本発明のフリップチップ実装用の超音波接合装置においては、ボイスコイルモータによる加圧力が大きくなっても、超音波ホーンがよ下方向に傾くことなく、半導体チップ保持部材の先端面と接合基板の接合面との間の平行度が保たれる。また、超音波ホーンの節に歪みが発生しても、超音波ホーンの共振状態が崩れることなく半導体チップに対する振動振幅が安定する。これにより、半導体チップと接合基板との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。
【0100】
また、本発明のフリップチップ実装用の超音波接合装置においては、超音波ホーンの縦振動部先端に、上下方向沿いにたわみ振動部を一体型で設ける為、超音波振動状態が安定し、半導体チップの振動振幅が安定する。これにより、半導体チップと接含基板との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。
【0101】
また、本発明のフリップチップ実装用の超音波接合装置においては、半導体チップ保持部材の先端が、機械的に半導体チップを挟み込み超音波振動するため、半導体チップが半導体チップ保持部材に対し滑ることなく、超音波振動が安定して半導体チップに伝達される。これにより、半導体チップと接合基板との十分な接合強度が得られ、接合信頼性が向上する。また、半導体チップが半導体チップ保持部材に対し同じ振動挙動をするため、半導体チップ保持部材による半導体チップへのダメージが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A),(B)はそれぞれ本発明の第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法の工程を示す説明図である。
【図2】 上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の正面図である。
【図3】 上記フリップチップ実装用の超音波接合装置の半導体チップ保持部材の保持構造を示す正面図である。
【図4】 (A),(B)はそれぞれ上記フリップチップ実装用の超音波接合装置の超音波ホーンの取付け構造を示す正面図である。
【図5】 上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法と従来の超音波接合方法との比較において、ICチップ内のバンプの個数と接合不良の割合との関係を示す図である。
【図6】 上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法において、超音波振動が上下方向すなわちZ方向の成分を有することを示す説明図である。
【図7】 上記第1実施形態と従来のフリップチップ実装用の超音波接合方法との比較における接合時間の比較を示す説明図である。
【図8】 上記第1実施形態と従来のフリップチップ実装用の超音波接合装置の上記半導体チップ保持部材のコレットとICチップとの関係を示す説明図である。
【図9】 上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法における超音波振動と上下方向の加圧力との関係を示す説明図である。
【図10】 上記第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合方法における超音波振動と上下方向の加圧力との関係を示すグラフである。
【図11】 本発明の第1実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の斜視図である。
【図12】 図11のフリップチップ実装用の超音波接合装置の超音波接合ヘッド部の斜視図である。
【図13】 本発明の第2実施形態の半導体チップ保持部材の保持構造を示す正面図である。
【図14】 本発明の第3実施形態の半導体チップ保持部材の保持構造を示す正面図である。
【図15】 本発明の第4実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の正面図である。
【図16】 (A),(B),(C)はそれぞれ上記第4実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の半導体チップ保持部材の保持構造を示す左側断面図(図16(B)でのX−X線断面図)、正面図、及び、底面図である。
【図17】 本発明の第5実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の正面図である。
【図18】 (A),(B)はそれぞれ上記第5実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の超音波ホーンの平面図と正面図である
【図19】 (A),(B)はそれぞれ上記第5実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の超音波ホーン取付け部の平面図と正面図である。
【図20】 (A),(B),(C)はそれぞれ本発明の第6実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の半導体チップ保持部材の保持構造を示す左側断面図(図20(B)でのX−X線断面図)、正面図、及び、底面図である。
【図21】 本発明の第7実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の半導体チップ保持部材の保持構造を示す一部断面正面図である。
【図22】 本発明の他の実施形態のフリップチップ実装用の超音波接合装置の超音波ホーンの傾斜角度を調整可能な傾斜角度調整装置を有する超音波接合装置の正面図である。
【図23】 本発明をバンプ形成方法及び装置に適用した例を示すバンプ形成装置の正面図である。
【図24】 従来のフリップチップ超音波接合設備の斜視図である。
【図25】 従来のフリップチップ超音波接合ヘッド部の斜視図である。
【図26】 従来のフリップチップ超音波ホーンの正面図である。
【図27】 (A),(B)はそれぞれ従来のフリップチップ超音波ホーンにより接合されたICチップと基板との接合状態を示す部分平面図及び側面図である。
【符号の説明】
1…フリップチップ実装用超音波接合装置、1A…ICチップ取出装置、2A…基板搬送装置、2B…基板搬送装置、3…基板、4…加熱ステージ、5…ウエハーシート、6…ICチップ、6a…パッド、7…加熱制御装置、8…バンプ、9…電極、10…電子部品、11…ボイスコイルモータ、11a…駆動軸、111…加圧力、12…ブラケット、12a…取付板、12e…ねじ穴、13…超音波振動子、14…超音波ホーン、14a…取付けフランジ、14b…下端面、14c…貫通穴、14d…ねじ穴、14e…ねじ穴、14f…球面状凹部、141…たわみ振動部、141a…吸引通路、141b…貫通穴、141e…ねじ穴、1411…貫通穴、1412…傾斜面、142,143…リブ、144,145…取付部、1431…リブ、1432…第1折り曲げ部、1433…第2折り曲げ部、146…割締め穴部、146a…ねじ穴、15…半導体チップ保持部材、15a…コレット、15b…吸引孔、15f…球面状凸部、1510…取付軸部、1511…ねじ、152…取付軸部、153…取付軸部、1531…ねじ、154…半導体チップ保持部材、154a…半導体チップ保持部、1541…窪み、1542…傾斜面、1543…スリット、1544…取付軸部、1545…切欠部、16…接合加圧制御装置、17…超音波発振器、20…超音波ホーンの超音波振動方向、21…ICチップの超音波振動方向、24…吸引用配管、25…ボルト、251…ナット、26…取付ボルト、27…取付ボルト、28…ボールプランジャ、28a…ボール、29…傾斜角度調整装置、30…フリップチップ実装装置、31…第1吸引通路、32…第2吸引通路、33…第3吸引通路、134…バネ、35…支持部材、36…第1球面軸受、37…球面状凹部、38…球面状凸部、39…角度調整ねじ、41…加熱ステージ、42…超音波ホーン、43…金線クランパー、44…金線テンショナー、45…金線、46…支持部材、47…キャピラリ、48…XYテーブル、49…キャピラリ駆動部、51,52…加圧力、53…分力、134…第2球面軸受。
Claims (10)
- 半導体チップ(6)に加圧及び超音波振動を与えて基板(3)に上記半導体チップを接合する超音波接合装置において、
上記半導体チップの接合面を上記基板の接合面に対し略平行を保ちつつ保持する半導体チップ保持部材(15)と、
上記半導体チップ保持部材に保持された上記半導体チップに、上記半導体チップの上記接合面沿いの横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を与える超音波ホーン(14)と、
上記超音波ホーンに上記超音波振動を与える振動子(13)と、
上記超音波ホーンを保持し、かつ、上記半導体チップ保持部材を介して上記半導体チップに上記基板に対して加圧力を与える加圧装置(11)と、を備え、
上記超音波ホーンの先端に、上記基板の接合面に対して直交する方向に延びる穴(14c)を設け、その穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部(1510)を挿入し、その取付軸部にねじ(1511)を設け、そのねじと該ねじにねじ込まれるナット(251)とで上記超音波ホーンの先端に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する、超音波接合装置。 - 上記超音波ホーン先端に、上記基板の接合面に対して直交する方向に延びる穴(14c)を設け、その穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部(152)を挿入し、その取付軸部に直交するように上記超音波ホーンの先端で延びるねじ穴(14e)を設け、上記ねじ穴と該ねじ穴にねじ込まれる取付ねじ(26)とで上記超音波ホーンの先端に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する請求項1に記載の超音波接合装置。
- 上記超音波ホーンの先端に、上記基板の上記接合面に対して垂直なねじ穴(14d)を設け、そのねじ穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部(153)のねじ(1531)をねじ込み、上記超音波ホーンの先端に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する請求項1に記載の超音波接合装置。
- 上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端に上下方向沿いに設けられ、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部(141)をさらに備えるようにした請求項1に記載の超音波接合装置。 - 上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、上記超音波ホーンは、上記超音波振動の縦振動の2個所の節に相当する節部で保持され、
上記超音波ホーンの上記超音波振動の縦振動の節と節との間の振動の腹に相当する部分に上下方向沿いに設けられ、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部(141)をさらに備えるようにした請求項1に記載の超音波接合装置。 - 上記超音波ホーンは、上記超音波ホーンの上記超音波振動の縦振動の2個所の節に相当する節部からリブ(142,143)を一度引き出し、上記リブに対して直角に曲げた取付部(144,145)を上記加圧装置(11)に保持するようにした請求項5に記載の超音波接合装置。
- 上記超音波ホーンは、上記超音波ホーンの上記超音波振動の縦振動の2個所の節に相当する節部において、超音波ホーン14の両側からそれぞれリブ(1431)を横方向に−度引き出し、上記リブから縦振動方向に直角に折り曲げて第1折り曲げ部(1432)を形成し、上記第1折り曲げ部から更にその反対方向に直角に折り曲げて第2折り曲げ部(1433)を形成し、この第2折り曲げ部にリブ(142,143)を形成し、該リブに対して直角に曲げた取付部(144,145)を上記加圧装置(11)に保持するするようにした請求項6に記載の超音波接合装置。
- 上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端に上下方向沿いに設け、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部(141)を備え、
上記基板の上記接合面に対して垂直な穴(141b)を設け、その穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部(152)を挿入し、その取付軸部の軸方向に対して垂直に上記たわみ振動部にねじ穴(141e)を設け、上記ねじ穴と上記ねじ穴にねじ込む取付ねじ(26)とで上記たわみ振動部に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定するようにした請求項4又は5に記載の超音波接合装置。 - 上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端の上下方向沿いに設け、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部(141)に、割締め穴部(146)を設け、その割締め穴に上記半導体チップ保持部材に設けた取付軸部(152)を挿入し、その取付軸部の軸方向に垂直に上記割締め穴部にねじ穴(146a)を設け、上記ねじ穴と上記ねじ穴にねじ込まれる上記半導体チップ保持部材を取付ねじ(27)とで上記たわみ振動部に上記半導体チップ保持部材を取り外し可能に固定する請求項4又は5に記載の超音波接合装置。 - 上記超音波ホーンが、上記半導体チップの上記接合面沿いでかつ上下方向と直交する上記横方向に対して斜め方向に上記超音波振動を上記半導体チップに与えるとともに、
上記超音波ホーンの先端に上下方向沿いに設け、かつ、上記基板側の端部に上記半導体チップ保持部材を配置して上記超音波振動を伝達するたわみ振動部(141)は、上記基板の上記接合面に対し垂直な穴(1411)を設け、その先端に20゜〜40゜の屋根型の傾斜面(1412)を設けるとともに、
上記半導体チップ保持部材は、その先端の中心部にスリット(1543)を設け、上記半導体チップを横方向から保持する構成の上記半導体チップより少し大きめの窪み(1541)を設け、その上部に上記たわみ振動部に設けた屋根型の傾斜面の傾斜角度と大略同じ傾斜角度の傾斜面(1542)を設け、その上に取付軸部(1544)を構成し、
上記たわみ振動部と上記半導体チップ保持部材は、上記加圧装置により加圧されると、上記たわみ振動部と上記半導体チップ保持部材に設けた上記傾斜面同士が互いに当接し合い、かつ、上記スリットを狭めるように上記半導体チップ保持部材が撓むことにより上記半導体チップ保持部材の上記窪みの内面が上記半導体チップを挟み込むように構成され、
上記半導体チップ保持部材は、その取付軸部に設けた切欠部(1545)に、その取付軸部(1544)の軸方向に対して垂直に上記たわみ振動部に設けたボールプランジャ(28)が押し当てられ、上記たわみ振動部と一体的に上記半導体チップ保持部材が上方向に引き上げられるように構成されている請求項4又は5に記載の超音波接合装置。
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