JP4297650B2 - 部材先端部を取付孔に連結する連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば、衣類や小物等を収納整理するための組立式ケースに使用されるものであり、その天板や底板等の木板に支柱を連結する等の、部材先端部を取付孔に連結する連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
木板を使用した組立式ケースとして、たとえば、登録実用新案公報第3057166号において本出願人が提案した合成樹脂製の組立式ケースがある。この組立式ケースは天板を含めた全体が合成樹脂製であり、軽くて持ち運びが楽であるとともに安価である等の理由により市場に広く受け入れられている。他方、近年における需要者の自然志向に応じるために、組立式ケースに木天板を使用することが多くなった。合成樹脂製の支柱と木天板の接合は、一般に、木天板の下面に形成された取付孔に合成樹脂製の支柱先端を差し込みネジ等により固定することにより行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、木天板の加工は合成樹脂の成形等に比べると寸法精度が落ちるため、加工した取付孔とこれに差し込んだ支柱先端との間にガタが生じやすいという問題がある。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、木板の取付孔の寸法誤差による悪影響を受けることなく支柱を連結することができる連結構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために第1の発明に係る部材先端部を取付孔に連結する連結構造は、部材先端部を取付孔に連結する連結構造において、上記部材先端部と上記取付孔との間に結合部材を介在させると共に、これら取付孔及び結合部材をその平面形状がほぼ楕円形状になるように形成し、上記取付孔の手前側にその内側寸法を奥側の内側寸法よりも小さく設定したフランジ部を設けると共に、上記楕円形の結合部材の長手方向に上記フランジ部に係止する係止片を設け、上記部材先端部を上記フランジ部で堅固に支持すると共に、小径の回転軸と先端の大径部のそれぞれの周囲に切削歯が設けられたエンドミルを用い、上記小径の回転軸の切削歯で上記取付孔の手前側を切削し、上記大径部の切削歯で上記取付孔の奥側を切削することを特徴とする。
【0006】
上記構成により、取付孔に部材先端部を直接に圧入する場合は、フランジ部が部材先端部を直接的にかつ堅固に支持する。取付孔に結合部材を介在させる場合は、フランジ部が結合部材を直接的にかつ堅固に支持する。そして、結合部材に圧入された部材先端部が堅固に支持される。具体的には、取付孔に結合部材を圧入すると、結合部材の係止片が取付孔のフランジ部に係止する。これにより、結合部材が取付孔に堅固に取り付けられる。この結合部材に部材先端部を挿入することで、部材先端部を取付孔に堅固に取り付けることができる。さらに、上記エンドミルの先端の大径部の切削歯が埋没するまで掘り下げた後、横に移動させて取付孔を成形する。エンドミルを横に移動させるとき、小径の回転軸の切削歯で取付孔の手前側を切削し、大径部の切削歯で取付孔の奥側を切削する。これにより、取付孔の手前側にその内側寸法を奥側の内側寸法よりも小さく設定したフランジ部を成形する。
【0009】
第2の発明に係る部材先端部を取付孔に連結する連結構造は、第1の発明に係る部材先端部を取付孔に連結する連結構造において、小径の回転軸と先端の大径部のそれぞれの周囲に切削歯が設けられたエンドミルを用い、上記小径の回転軸の切削歯で上記取付孔の手前側を切削し、上記大径部の切削歯で上記取付孔の奥側を切削することを特徴とする。
【0010】
上記構成により、エンドミルの先端の大径部の切削歯が埋没するまで掘り下げた後、横に移動させて取付孔を成形する。エンドミルを横に移動させるとき、小径の回転軸の切削歯で取付孔の手前側を切削し、大径部の切削歯で取付孔の奥側を切削する。これにより、取付孔の手前側にその内側寸法を奥側の内側寸法よりも小さく設定したフランジ部を成形する。
【0012】
上記構成により、結合部材に部材先端部が挿入されると、可撓片が外側へ撓んで、可撓片を含む上記結合部材の外側面の抜け止め突起が上記取付孔の周壁面に食い込んで圧接する。これにより、取付孔に圧入された結合部材の抜け落ちを防止すると共に、取付孔の内径のバラツキを吸収する。この結果、部材先端部が取付孔に堅固に取り付けられる。
【0013】
第2の発明に係る部材先端部を取付孔に連結する連結構造は、部材先端部を取付孔に連結する連結構造において、上記部材先端部と上記取付孔との間に結合部材を介在させ、上記結合部材が、上記部材先端部の挿入によって外側へ撓む可撓片を備え、当該可撓片の外側面に突起を設けると共に、当該可撓片の内側に、上記部材先端部の挿入によって可撓片を外側へ撓ませるくさび状の傾斜リブを設けたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、部材先端部を結合部材に挿入すると、部材先端部は可撓片の内側の傾斜リブに接触する。部材先端部をそのまま押し込むと、可撓片が押し広げられて外側へ撓み、可撓片の外側面の抜け止め突起が取付孔の内壁に圧接する。これにより、取付孔に挿入された結合部材の抜け落ちを防止すると共に取付孔の内径のバラツキを吸収する。この結果、部材先端部が取付孔に堅固に取り付けられる。
【0016】
上記構成により、部材先端部を結合部材に挿入すると、部材先端部は傾斜した可撓片に接触する。部材先端部をそのまま押し込むと、可撓片が外側へ撓み、可撓片の外側面の抜け止め突起が取付孔の内壁に圧接する。これにより、取付孔に挿入された結合部材の抜け落ちを防止すると共に取付孔の内径のバラツキを吸収する。この結果、部材先端部が取付孔に堅固に取り付けられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る、部材先端部を取付孔に連結する連結構造について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は第1の実施形態に係る取付孔及びエンドミルを示す斜視図、図2は第1の実施形態に係る組立式ケースの分解斜視図、図3は結合部材の斜視図、図4は図2に示す組立式ケースのX−X断面の部分拡大図、図5は第1の実施形態に係る取付孔及びエンドミルを示す正面図、図6は図1のA−A線矢視断面図、図7は第1の実施形態に係る結合部材を示す側面図、図8は第1の実施形態に係る結合部材を示す部分正面図、図9は第1の実施形態の第1変形例に係る取付孔を示す斜視図、図10は図9のB−B線矢視断面図、図11は第1の実施形態の第1変形例に係る結合部材を示す側面図、図12は第1の実施形態の第2変形例に係る取付孔を示す斜視図、図13は図12のC−C線矢視断面図、図14は第1の実施形態の第2変形例に係る結合部材を示す側面図、図15は第2の実施形態に係る結合部材を示す斜視図、図16は第2の実施形態に係る結合部材の内側を示す斜視図、図17は第2の実施形態に係る結合部材を取付孔に取り付けた状態を示す断面図、図18は第2の実施形態に係る結合部材の変形例を示す断面図、図19は第3の実施形態に係る結合部材を示す斜視図、図20は第3の実施形態に係る結合部材を取付孔に取り付ける途中の状態を示す断面図、図21は第3の実施形態に係る結合部材を取付孔に取り付けた状態を示す断面図である。
【0021】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
なお、本実施形態における組立式ケースは、木板に支柱を連結するための連結構造の適用例である。本発明は、他のもの、たとえば、木天板を支柱で支えるテーブル等に適用することを妨げるものではない。さらに、木板は、組立式ケースの天板だけでなく、たとえば、底板としても使用できる。天板の場合は下面側に支柱を連結することになる。底板の場合は上面側に連結することになる。
【0023】
(組立式ケースの基本構造)
図2に示すように、組立式ケース1は、合成樹脂製のケース本体2と、このケース本体2の上面に取り付けられる木天板9と、ケース本体2に収納される合成樹脂製の収納容器17とにより構成してある。ケース本体2には、その底部を構成する矩形枠体3と、この矩形枠体3の各角部から起立する4本の支柱5,5,..を設けてある。このケース本体2は、図2に示す矢印A方向に、想像線で示す収納容器17を入れたり出したりできるようにしてある。各支柱5は矩形枠体3と一体に成形してあるが、別々に成形して、それらを結合させるように構成してもよい。矩形枠体3の代わりに木板を用いることもできる。また、収納容器17の出入方向から見たケース本体2の側面に、側板(図示を省略)を取り付けられるように構成してもよい。なお、図2に示す組立式ケース1のケース本体2は一段構成となっているが、複数のケース本体2を積み重ねるように構成してもよい。
【0024】
図3及び4に示すように、各支柱5の先端部である支柱先端部7には、弾性変形片8を形成するためにU字溝7aを設けてある。また、弾性変形片8の基部には、係止突起8aを形成してある。弾性変形片8は、外力が加わったときに変形して係止突起8aを支柱先端部7の内部方向へ後退するように構成してある。
【0025】
(木天板の構成)
木天板9は、図2に示すように、ケース本体2よりやや大きめの矩形に加工してある。木天板9のうちケース本体2の各支柱5に合わせた位置には、エンドミルにより穿孔した4個の取付孔11,11,11,11を設けてある。この穿孔により、各取付孔11の周囲に周壁面13が形成される(図4参照)。取付孔11は、結合部材15を圧入できるように、この結合部材15の外形寸法より僅かに小さな内径寸法に設定してある。
【0026】
取付孔11は、具体的には図1、図5及び図6に示すように構成されている。取付孔11は、袋孔であって、平面形状がほぼ楕円形状に形成されている。取付孔11の手前側11aには、その内側寸法を奥側の内側寸法よりも小さく設定したフランジ部11bが設けられている。このフランジ部11bは、結合部材15を堅固に支持するための部分である。
【0027】
取付孔11はエンドミル31で形成される。エンドミル31は、小径の回転軸31aと、その先端に設けられた大径部である大径円柱31bとからなり、これら回転軸31aと大径円柱31bのそれぞれの周囲に切削歯31cが設けられている。このエンドミル31を、その先端の大径円柱31bの切削歯31cが木天板9に埋没するまで掘り下げた後、横に移動させて引き上げる(図1参照)。これにより、奥側が楕円形の袋状孔であって、手前側11aにフランジ部11bを備えた取付孔11が成形される。即ち、掘り下げた後のエンドミル31を横に移動させて、小径の回転軸31aの切削歯31cで取付孔11の手前側11aを切削すると共に、大径円柱31bの切削歯31cで取付孔11の奥側を切削することにより、取付孔11の手前側11aにその内側寸法を奥側の内側寸法よりも小さく設定したフランジ部11bが成形される。ここでは、エンドミル31を一端から挿入して他端から引き上げるので、フランジ部11bは取付孔11の中央部に設けられている。
【0028】
なお、木天板9は、木製の一枚板で構成してもよいし、合板や小さい木片を固めたパーティクルボード等で構成してもよい。さらに、木天板9の表面に木目を印刷したり、木目が印刷された化粧紙等を貼り付けておくと、装飾効果を高める上で好ましい。
【0029】
(結合部材の構成)
図3及び4を参照しながら、結合部材15について説明する。結合部材15は合成樹脂材を成形したものである。結合部材15は、部材本体21と、この部材本体21の両側に設けた一対の支持部23,23と、部材本体21の下端部に設けた取付フランジ25と、により概ね構成してある。部材本体21は、支柱先端部7を嵌合させたときに、これを囲むように形成した周囲壁21aと、この周囲壁21aの上端から下方に延びる複数(1個でもよい)のスリット21b,...と、周囲壁21aの外周に形成した複数の抜け止め突起21cと、を備えている。スリット21b,...は、結合部材15を取付孔11に圧入する際に周囲壁21aの撓みや又は変形の許容度を広げる働きを担っている。取付フランジ25は、図3に示すように、木天板9の取付孔11に圧入したときに、木天板9の下面に当接して結合部材15のガタツキを防止する役目を担っている。周囲壁21aには、係止孔27,27を形成してある。係止孔27は、支柱先端部7の係止突起8aと嵌合することにより、支柱先端部7が結合部材15(周囲壁21a)から抜けないようにするための孔である。
【0030】
支持部23は、周囲壁21aから側方に延びる連結アーム23a,23aと、この連結アーム23a,23aの先端部に設けた支持壁部23b,23bと、により構成してある。さらにこれらの連結アーム23a,23aと支持壁部23b,23bとは、その基部を取付フランジ25の上面に連結させ補強してある。また、各支持壁部23bは、圧入しやすくするために上方に向かって僅かずつ先細りに形成してあり、さらに支持面23bには、抜け止め突起23c,...を設けてある(図3参照)。連結アーム23aと支持壁部23bとは、ある程度撓むことができる弾力性を有している。支持部23に加えた抜け止め突起23c,...の働きにより、木板9の取付孔11,...の寸法誤差を吸収し、それによる悪影響を緩和する。
【0031】
図2及び3に示すように、抜け止め突起21c,23cは、周壁面13側にテーパ面を有する断面三角形状に形成してある。これは、結合部材15を取付孔11に圧入しやすくする一方、圧入後に取付孔11の周壁面13に食い込ませて取付孔31から抜けないようにするためである。さらに、取付孔11の内径にバラツキがあっても、抜け止め突起21c,23cの食い込みの程度の変化によりそのバラツキを吸収し得るようにするためである。
【0032】
さらに、結合部材15には、図7及び図8に示すように、係止片35が設けられている。この係止片35は、取付孔11のフランジ部11bに係止するための部材である。なお、この係止片35は、フランジ部11b及び係止孔27の位置関係を考慮して設けられる。ここでは、係止片35は、取付孔11のフランジ部11bの位置に合わせて、結合部材15の中央に設けられている。
【0033】
係止片35は、くさび状に突出させて形成されている。これにより、取付孔11に結合部材15を圧入すると、結合部材15の係止片35が取付孔11のフランジ部11bに係止して、結合部材15が取付孔11に堅固に取り付けられるようになっている。
【0034】
なお、図7及び図8に示す結合部材15は、図3に示す結合部材15を概略的に示したものである。このため、両者は基本的には同じ構成であり、係止孔27等を備えている。また、結合部材15は、係止片35のみで、取付孔11に堅固に取り付けることができるが、必要に応じて、抜け止め突起21c,23cや支持部23等を備える。さらに、図3に示す結合部材15では、係止片35が省略されているが、これは、係止片35が、取付孔11のフランジ部11bの位置との関係で、適宜位置に設けられるためである。
【0035】
(組立式ケースの組立)
図2乃至4を参照しながら、組立式ケース1の組立手順について説明する。まず、木天板9の各取付孔11に結合部材15を圧入する。結合部材15は左右対称に形成されているので、圧入方向を特定する必要はない。結合部材15は、取付孔11に圧入することで、結合部材15の係止片35が取付孔11のフランジ部11bに係止して、結合部材15が取付孔11に取り付けられる。また、圧入した結合部材15は、抜け止め突起21c,23cが取付孔11の周壁面13(湾曲部13a)に食い込んで、その抜けが阻止される。取付孔11が寸法のバラツキにより小さすぎるときは結合部材15の周囲壁21aや支持部23を撓ませることにより、また逆に大きすぎるときは抜け止め突起21c,23cの食い込み程度の変化により寸法誤差が吸収される。スリット21b,...は、周囲壁21aの撓みを許容して弾性的に支持する。次に、各支柱5の支柱先端部7を各結合部材15の部材本体21に嵌合させる。
【0036】
嵌合される際の係止突起8aは、周囲壁21aの端面に当接して弾性変形片8の後退変形とともに後退する。後退した係止突起8aは、周囲壁21aの係止孔27に整合することによる弾性変形片8の弾性復帰により、元の位置に戻る。この係止突起8aの係止孔27への係止により、結合部材15を介した木天板9への支柱5の連結を完了する。最後に収納容器17を支柱5,5間に収納させれば組立式ケース1の組立を完了する。
【0037】
(効果)
本発明に係る連結構造によれば、木板の取付孔の寸法誤差による悪影響を受けることなく支柱を連結することができる。したがって、一般に寸法精度の落ちやすい木板の加工を、簡単に行うことができるようになる。
【0038】
また、結合部材15は、取付孔11のフランジ部11bと結合部材15の係止片35によって、取付孔11に容易にかつ堅固に取り付けられる。そして、この結合部材15によって、支柱5が木天板9の取付孔11に容易にかつ堅固に取り付けられる。
【0039】
(変形例)
本実施形態では、結合部材15を介在させたが、結合部材15を設けず、取付孔11に支柱先端部7を直接に圧入してもよい。この場合は、フランジ部11bが支柱先端部7を直接的にかつ堅固に支持する。
【0040】
本実施形態では、フランジ部11bを取付孔11の中央部に設けたが、他の位置に設けてもよい。例えば、図9乃至図11に示すように、フランジ部11bを取付孔11の両側に設けてもよい。この場合は、エンドミル31を、取付孔11の中央部から掘り下げた後、左右両端に移動させて、再び中央部から引き上げる。これにより、取付孔11の長手方向両側にフランジ部11bを設けることができる。結合部材15の係止片35も、フランジ部11bに合わせて、4個設ける。
【0041】
また、図12乃至図14に示すように、フランジ部11bを取付孔11の一端を除く全域に設けてもよい。この場合は、エンドミル31を、取付孔11の一端部から掘り下げた後、他端部に移動させて、再び一端部まで戻してから引き上げる。これにより、取付孔11の一端を除く全域にフランジ部11bを設けることができる。結合部材15の係止片35も、フランジ部11bに合わせて、一端を除く全域に設ける。
【0042】
上記実施形態では、本発明に係る部材先端部を取付孔に連結する連結構造として、衣類や小物等を収納整理するための組立式ケースに適用した場合を例に説明したが、組立式ケース以外でも、各種の部材の先端部を取付孔に連結する際の連結構造として有用である。
【0043】
また、取付孔は、木の板材に設けたが、木の板材以外の板材にも適用することができる。
【0044】
また、本実施形態では、部材先端部として、支柱5の支柱先端部7を例に説明したが、本発明はこれに限らず、種々の部材の先端部を係止孔に嵌合させる場合に適用することができる。
【0045】
さらに、エンドミル31は、その先端の大径部を円柱状の大径円柱31bとしたが、外側へ膨らむ樽型やその逆の形状でもよい。特に、逆の形状にして、取付孔11の内壁を内側へ膨らむように形成すると、取付孔11の中間部が狭くなり、結合部材15がより堅固に取り付けられる。
【0046】
これらの場合も、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0047】
また、上述の各変形例は、以下の実施形態等において、可能な範囲で同様に適用することができる。
【0048】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0049】
なお、本実施形態における組立式ケースの全体構成は、第1の実施形態に係る組立式ケースとほぼ同様であるので、同一部材では同一符号を付して、その説明を省略する。本実施形態の組立式ケースの基本構造及び木天板の全体構成は、第1の実施形態の組立式ケース1と同様である。本実施形態は、結合部材61に特徴を有する。
【0050】
結合部材61の構成は、図15乃至図17に示すように、第1の実施形態の結合部材15とほぼ同様であるが、傾斜リブ62と、ガイド部63と、楕円形フランジ64とを設け、係止片35を設けない点で相違する。なお、結合部材61の抜け止め突起21c,23cは、第1の実施形態の結合部材15の抜け止め突起21c,23cよりも本数が少ないが、この抜け止め突起21c,23cの本数は必要に応じて適宜設定する。
【0051】
部材本体21のうち、2つのスリット21bで囲まれた周囲壁21aが、支柱先端部7の挿入によって外側へ撓む可撓片65を構成している。
【0052】
傾斜リブ62は、支柱先端部7の挿入によって可撓片65を外側へ撓ませるための部材である。傾斜リブ62は、可撓片65の内側にくさび状に形成されている。
【0053】
ガイド部63は、支柱先端部7を取付孔に対して仮止めするための部材である。ガイド部63は、部材本体21の内壁面を窪ませて形成されている。具体的には、結合部材61の出入り口61aから係止孔27に望ませて、係止孔27とほぼ同じ幅で窪ませて形成されている。これにより、支柱先端部7を取付孔11に取り付ける際に、支柱先端部7を結合部材61に挿入して係止突起8aをガイド部63に嵌合させることで、支柱先端部7を取付孔11に仮止めすることができるようになっている。
【0054】
楕円形フランジ64は、第1の実施形態の部材本体21の取付フランジ25に対応する部分であって、部材本体21の強度を増すための部材である。楕円形フランジ64は、可撓片65の付近で膨らみを持たせた楕円形状に形成されている。
【0055】
(組立式ケースの組立)
支柱先端部7を取付孔11に取り付ける際には、まず取付孔11に結合部材61を挿入する。次いで、支柱先端部7の係止突起8aを結合部材61のガイド部63に嵌合させて、支柱先端部7を取付孔11に対して仮止めする。この状態で、支柱先端部7を結合部材61に押し込むと、支柱先端部7は可撓片65の内側の傾斜リブ62に接触する。支柱先端部7をそのまま押し込むと、可撓片65が外側へ撓んで、可撓片65の外側面の抜け止め突起21cが取付孔11の内壁に圧接する。
【0056】
さらに、支柱先端部7の係止突起8aが結合部材61の係止孔27に係止して、支柱先端部7が取付孔11に取り付けられる。
【0057】
(効果)
本実施形態に係る連結構造によれば、第1の実施形態の効果と同様に、木板の取付孔の寸法誤差による悪影響を受けることなく支柱を連結することができる。したがって、一般に寸法精度の落ちやすい木板の加工を、簡単に行うことができるようになる。
【0058】
また、支柱先端部7を取付孔11に対して仮止めすることができるため、支柱先端部7を取付孔11に容易に取り付けることができる。
【0059】
また、傾斜リブ62によって可撓片65が外側へ撓むことで、取付孔11に挿入された結合部材61の抜け落ちを防止すると共に、取付孔11の内径のバラツキを吸収する。この結果、支柱5を取付孔11に堅固に取り付けることができる。
【0060】
さらに、楕円形フランジ64によって結合部材61の強度が向上するため、支柱先端部7を取付孔11に堅固に取り付けることができる。
【0061】
(変形例)
本実施形態では、傾斜リブ62を設けて可撓片65を外側へ撓ませるようにしたが、図18に示すように、可撓片65自体を内側へ傾斜させて構成してもよい。この場合、可撓片65の外側の抜け止め突起21cを先端側へ行くに従って高く成形することが望ましい。
【0062】
これにより、支柱先端部7を結合部材61に挿入すると、支柱先端部7が傾斜した可撓片65に接触して外側へ押し広げられる。支柱先端部7をそのまま押し込むと、可撓片65の外側面の抜け止め突起21cが取付孔11の内壁に圧接して食い込む。この結果、取付孔11に圧入された結合部材61の抜け落ちを防止すると共に取付孔11の内径のバラツキを吸収して、支柱先端部7が取付孔11に堅固に取り付けられる。
【0063】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0064】
なお、本実施形態における組立式ケースの全体構成は、第1の実施形態に係る組立式ケースとほぼ同様であるので、同一部材では同一符号を付して、その説明を省略する。本実施形態の組立式ケースの基本構造等も、第1の実施形態の組立式ケース1と同様である。本実施形態は結合部材71に特徴を有する。
【0065】
本実施形態の結合部材71は、図19に示すように構成されている。この結合部材71の全体構成は、第1の実施形態に係る結合部材15とほぼ同様である。ただし、スリット21bは設けられておらず、周囲壁71aはほとんど撓まない構成になっている。結合部材71の先端の一側には、取付孔11に食い込む抜け止め杭72が設けられている。この抜け止め杭72の先端は鋭利に尖らせて形成されている。結合部材71の先端の他側には湾曲部73が形成されている。この湾曲部73は、結合部材71を取付孔11に圧入するときに、抜け止め杭72が取付孔11の途中に引っかからないようにするためである。
【0066】
なお、抜け止め突起21cや支持部23等は、必要に応じて適宜設ける。
【0067】
このように構成された結合部材71は、次のようにして取付孔11に圧入される。まず、図20に示すように、結合部材71の先端の一側の抜け止め杭72を取付孔11に入れ、木槌等でたたいて先端の他側の湾曲部73を取付孔11に押し込む。これにより、図21に示すように、結合部材71が取付孔11の完全に押し込まれた状態で、先端の抜け止め杭72が取付孔11の奥に食い込む。この結果、結合部材71が取付孔11に堅固に取り付けられ、支柱先端部7が取付孔11に堅固に取り付けられる。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0069】
(1) 取付孔に寸法誤差があっても、その影響を受けることなく寸法誤差を吸収して部材先端部を取付孔に連結することができる。この結果、一般に寸法精度の落ちやすい木板等の加工を、簡単に行うことができるようになる。
【0070】
(2) 結合部材等を用いたので、部材先端部を取付孔に容易にかつ堅固に取り付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る取付孔及びエンドミルを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る組立式ケースの分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る結合部材の斜視図である。
【図4】図2に示す組立式ケースのX−X断面の部分拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る取付孔及びエンドミルを示す正面図である。
【図6】図1のA−A線矢視断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る結合部材を示す側面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る結合部材を示す部分正面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る取付孔を示す斜視図である。
【図10】図9のB−B線矢視断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る結合部材を示す側面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る取付孔を示す斜視図である。
【図13】図12のC−C線矢視断面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る結合部材を示す側面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る結合部材を示す斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る結合部材の内側を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る結合部材を取付孔に取り付けた状態を示す断面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る結合部材の変形例を示す断面図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る結合部材を示す斜視図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係る結合部材を取付孔に取り付ける途中の状態を示す断面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態に係る結合部材を取付孔に取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1:組立式ケース、2:ケース本体、3:矩形枠体、5:支柱、7:支柱先端部、8:弾性変形片、9:木天板、7a:U字溝、8a:係止突起、11:取付孔、11a:手前側、11b:フランジ部、13:周壁面、15:結合部材、17:収納容器、21:部材本体、周囲壁21a:周囲壁、21b:スリット、21c:抜け止め突起、23:支持部、23a:連結アーム、23b:支持壁部、23c:抜け止め突起、25:取付フランジ、27:係止孔、31:エンドミル、31a:回転軸、31b:大径円柱、31c:切削歯、35:係止片。
Claims (2)
- 部材先端部を取付孔に連結する連結構造において、
上記部材先端部と上記取付孔との間に結合部材を介在させると共に、これら取付孔及び結合部材をその平面形状がほぼ楕円形状になるように形成し、上記取付孔の手前側にその内側寸法を奥側の内側寸法よりも小さく設定したフランジ部を設けると共に、上記楕円形の結合部材の長手方向に上記フランジ部に係止する係止片を設け、上記部材先端部を上記フランジ部で堅固に支持すると共に、
小径の回転軸と先端の大径部のそれぞれの周囲に切削歯が設けられたエンドミルを用い、上記小径の回転軸の切削歯で上記取付孔の手前側を切削し、上記大径部の切削歯で上記取付孔の奥側を切削することを特徴とする、部材先端部を取付孔に連結する連結構造。 - 部材先端部を取付孔に連結する連結構造において、
上記部材先端部と上記取付孔との間に結合部材を介在させ、
上記結合部材が、上記部材先端部の挿入によって外側へ撓む可撓片を備え、
当該可撓片の外側面に突起を設けると共に、当該可撓片の内側に、上記部材先端部の挿入によって可撓片を外側へ撓ませるくさび状の傾斜リブを設けたことを特徴とする、部材先端部を取付孔に連結する連結構造。
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