JP4297463B2 - ウイング車両におけるアルミセンタービームの前後両端部の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウイング車両に於けるウイングルーフを取付るアルミセンタービームの前後両端部の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
雨露による損傷を防止する必要がある貨物の運搬用に、いわゆるウイング車両(図5)が利用されている。この種の車両は、荷台床面の上方に、車体の長手方向中心線に対して実質的に平行に、通常センタービームと呼ばれる四角形断面の中空梁部材を架設し、その梁部材の両側面に車幅方向の断面が断面L字状をなす一対のウイングをヒンジによって上下動可能に枢着し、油圧アクチュエータによって、ウイングを上下に枢動させ、荷台上の貨物室を開閉するように構成されている。
そして上記センタービームは、通常荷台の前後端に設けた門構の中央に、その両端を固着して車体長手方向に差し渡されている。
【0003】
図5は、公知ウイング車両の斜視図である。1は車幅方向の断面形状がL字状をなす一対のウイングルーフであって、通常は重量軽減のためアルミニウム合金等で作られる。そして長手方向内側縁をヒンジ2によってセンタービーム3に蝶着されている。4はその下端縁を荷台5の側縁にヒンジ6によって蝶着された側あおりである。7は夫々の側縁をヒンジ8bによって後方の門構部8を構成する側柱8aに取着られた後扉、7´は前方の門構に固着された前壁である。従って、前・後門構の上部に設けた油圧シリンダ9等により、ウイングルーフ1をヒンジ2の周りに下向きに回動させると共に、側方あおり4を上に立て、後扉7を閉鎖することによって、荷台5上に実質的に密閉された貨物室を形成することができる。
【0004】
従来このようなウイング車両において、センタービーム3の前後の門構部への取付部構造は、図4に示すようなものであった。即ち、断面角型をした鋼材よりなるセンタービーム3の側面にアングル10を溶接し、前壁と後壁の頂部の取付台座上にボルトで取付けていた。このような構造であると、重量が大となり、振動によるセンタービームの上下振幅が大きくなると、この前後門構上の取付部に亀裂が発生し、この対策に頭をなやましていた。
図4でその一例をさらに詳しく説明すると、鋼製のセンタービーム3の一端 (図4(a)の右側で後部門構側)両側にはアングル材10を溶接し、このアングル材10を門構上部と、門構上部側面に溶接した台座11にボルト12で取付けていた。このように、センタービーム3、アングル材10等はすべて鋼材であるので重量が嵩み、センタービーム3の上下方向振動により、この取付部に極めて大きな力が作用し、亀裂の発生という問題が生じた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
センタービーム軽量化の為にその材料をアルミ化する。そして、これに伴い取付部の補強として鋼製のチャンネルを前後両端部に組み込むことにより端部を補強し亀裂発生を防ぐことのできる強固な取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
1)断面II型をしたアルミ中空押出材よりなるセンタービーム21と、センタービームの長手方向両側溝部23の前後部にチャンネル材22を組み込んでセンタービームと一体に門構上部に固着する構造であって、該チャンネル材22にウイングルーフの長手方向側枠材に取付けた蝶番部材と対をなす蝶番部材27aを固着し、両蝶番部材をピン結合した。
2)上記1)の構成において、チャンネル材22はセンタービーム21の長手方向の溝部23と密接する底部22cと、該底部22cと直交する上部の短辺フランジ22bと下部の長辺フランジ22aからなり、上部の短辺フランジ22bをセンタービームの上部フランジ21bの内側下部に、又下部の長辺フランジ22aをセンタービームの下部フランジ21aの内側上部に固着し、下部の長辺フランジ22aをセンタービームの下部フランジ21aより長くして側方に張出させ、該張出し部をスペーサを介し門構頂部の取付台座28上に固着した。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に基づいて説明する。図1で21はアルミ押出型材よりなるアルミセンタービームである。アルミセンタービーム21はたとえば図1の例では断面II型をした押出材で、2本のリブ21cを有している。
このアルミセンタービーム21の長手方向両側端部に、チャンネル材22を組み込み、これを門構頂部の取付台座28にボルト締めして固定する構造となっている。
図3はチャンネル材22の詳細図である。チャンネル材22は門構への取付部近傍では下辺22aが長く幅広になっており(図3(d))、上辺22bは下辺より短く幅狭である。図1に示す如く、チャンネル材22は長さの短い上辺22bを上にしてセンタービーム21の溝部23内に嵌っている。24はチャンネル材22の端を塞ぐ台形をしたプレートである。25(図3)は長辺22aと短辺22bに設けたリベット等の固着具の挿入穴である。26はボルトで、門構頂部の台座部28にセンタービーム21と共にボルト結合される。
27はセンタービーム側の蝶番部材で、チャンネル材22の溝部23の底部に溶接で固着される。そして、蝶番部材27の筒状部27aにピン軸(図示しない)を通してウイングルーフの内側枠に取り付けた蝶番部材と回動可能に結合する。
図2はセンタービーム21の端部構造の詳細を示す。以上説明したような構成のチャンネル材22をアルミ製センタービームの前端と後端にリベット28で固定したならば、前部と後部の門構頂部の台座部28(図2(e))にボルト26で固定する。
かくして、軽量の中空アルミ押出材よりなるセンタービーム21の端部に鋼製のチャンネル材22が結合され、このチャンネル材22を介して鋼製の門構頂部に固定されるので、強固な取付けが可能となった。
【0008】
【発明の効果】
センタービーム21が軽量のアルミ中空押出材よりなるので、車両重量の軽量化が可能となる。
軽量でそのままでは強度的に問題であるが、端部にチャンネル材22を固定し、これを介して門構上部に取付けるので、センタービーム21に振動があっても、十分にこれに耐えることができる構造となった。その結果、従来のごとく、取付部に亀裂が生ずるようなこともなく安心して走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はセンタービーム端部の斜視図、(b)は(a)のA矢視方向斜視図。
【図2】(a)はセンタービーム端部の側面図、(b)は平面図、(c)は(b)の左側面図、(d)は門構とセンタービームとの取付部、(e)は(d)のA−A矢視図、(f)は(e)のB矢視図。
【図3】(a)はチャンネル材の平面図、(b)は(a)の上面図、(c)は同じく下面図、(d)は(a)の右側面図。
【図4】従来型のセンタービーム取付構造を示し、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は(a)のA−A矢視図。
【図5】公知ウイング車両の斜視図。
【符号の説明】
1 ウイングルーフ 2 蝶番
3 センタービーム 4 側あおり
5 荷台 6 蝶番
7 後扉 7' 前壁
8 門構 8a 側柱
8b ヒンジ 9 油圧シリンダ
10 アングル材 11 台座
12 ボルト 21 センタービーム
22 チャンネル材 23 溝部
24 プレート 25 (リベット等の)挿入穴
26 ボルト 27 蝶番部材
28 リベット
Claims (2)
- 上下に離間する上部フランジ部(21b)と下部フランジ部(21a)とが一対のリブ(21c,21c)により連結され、これら一対のリブ(21c、21c)の外側に溝部(23)を有する断面II型のアルミ中空押出材よりなるセンタービーム(21)と、このセンタービーム(21)の溝部(23)のうち長手方向両側となる前後部にそれぞれ組み込まれて固定される鋼製のチャンネル材 (22)とを備え、前記チャンネル材(22)を門構頂部に固着する構造であって、
該チャンネル材(22)に、ウイングルーフの長手方向側枠材に取付けた蝶番部材と対をなす蝶番部材(27a)を固着し、両蝶番部材をピン結合した
ことを特徴とするウイング車両におけるアルミセンタービームの前後両端部の取付構造。 - 請求項1の構成において、チャンネル材(22)は、センタービーム(21)の長手方向の溝部(23)と密接する底部(22c)と、該底部(22c)と直交する上部の短辺フランジ(22b)と下部の長辺フランジ(22a)とからなり、上部の短辺フランジ(22b)をセンタービームの上部フランジ(21b)の内側下部に、又下部の長辺フランジ(22a)をセンタービームの下部フランジ(21a)の内側上部に固着し、下部の長辺フランジ(22a)をセンタービームの下部フランジ(21a)より長くして側方に張出させ、該張出し部をスペーサを介し門構頂部の取付台座(28)上に固着した
ことを特徴とするウイング車両におけるアルミセンタービームの前後両端部の取付構造。
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JP26679299A JP4297463B2 (ja) | 1999-09-21 | 1999-09-21 | ウイング車両におけるアルミセンタービームの前後両端部の取付構造 |
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