JP3529168B2 - ウイング式バン型車両の屋根パネル隅部の結合構造 - Google Patents

ウイング式バン型車両の屋根パネル隅部の結合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウイング式バン型車両の
屋根構造に関し、特に開閉式屋根の屋根パネルと側壁パ
ネルの新規な結合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、ウイング式バン型車両の斜視図
である。1はバン型車両の前壁であり、2は後扉、3は
後部扉枠である。4は床の両側に設けられた側煽であ
り、蝶番5によって開閉できる構造となっている。
【0003】6は断面がL字型をなした屋根パネルであ
る。屋根パネル6は前壁1と後部扉枠3の頂部間に取り
付けられた支持梁7の両側に上・下方向に開閉可能に取
り付けられている。8は屋根パネル6を開閉する油圧装
置である。
【0004】図5に示すように、従来の断面L字型開閉
式屋根パネルは、水平パネル部12と垂直パネル部13
とを別個に製作し、水平パネル部12の外側端部におい
て下向きに直交する関係で垂直パネル部13を結合して
開閉式屋根を構成している。一般に、水平パネル部12
は、中央側側枠14と外側側枠14′に対して屋根パネ
ル6の前端枠9と後端枠10が一体に結合されて四周端
枠を形成し、両側枠14,14′間に補強材として屋根
梁16が前後方向に適宜間隔をおいて跨設して枠体をな
し、該枠体の上面を覆って外張板18(例えば、アルミ
シ−ト)をそれぞれ張設して構成される。垂直パネル部
13は、下側側枠15に対して屋根パネル6の前端枠9
と後端枠10が一体に結合されてコの字型の枠を形成
し、補強材として中柱17が前後方向に屋根梁16に対
応して設けられており、このコの字型枠の上面を覆って
外張板19が張設して構成される。従って、両パネル部
12,13を結合させるために、水平パネル部12の外
側側枠14′か垂直パネル部13の上方側枠のいずれか
一方の側枠に他方の側枠を挿入し嵌着すべく、長尺の押
出型材である隅部材20をあらかじめ固着させておく
か、あるいは結合する両側枠に相互に凹凸嵌合して固着
させる構造を設けておくことになる。いずれにしろ複雑
な構造を有する長尺の押出型材である外側側枠14′と
隅部材20同士を両パネル部12,13が直交する関係
でボルト等により結合することは、開閉式屋根が車両の
荷台長と同じ長大な構造物であるため、これらを取付、
結合する作業は手間が掛かるうえに、重い開閉式屋根に
長手方向に伸びる隅部材20が付加される加重によって
往々にしてトラブルが発生するものである。この様な問
題を回避するため屋根構造における軽量化あるいは構造
上の補強の問題が種々検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の開閉式屋根構造
において長尺の隅部材あるいは側部連結枠を設けること
は屋根部の荷重を増大する一因となっており、開閉操作
のトラブルの原因になる他に、長大なパネルの前記枠へ
の取付は煩雑なボルトやリベットの固着作業を要するも
のである。製造現場において、別々に製作した垂直パネ
ル部13と水平パネル部12の一方を吊り下げて他方に
嵌挿し一体のL字型屋根パネルに結合する作業は、工程
上余分な作業面積や工数を要するものであって、コスト
負担は避けられないものである。本発明は、かゝる問題
点を鑑みてなされたものであり、開閉式屋根の軽量化及
び作業面積、組立工数の削減を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前壁と後部扉枠の頂部中
央間に支持梁が設けられ、該支持梁の側端縁に左右対称
に回動自在に枢着された断面L字型開閉屋根パネルを設
けたウイング式バン型車両において、該開閉式屋根パネ
ルの水平パネル部に一定間隔をおいて並設した屋根梁の
外側端部と、該外側端部に対応して垂直パネル部に並設
した中柱の上側端部とを、短尺の連結隅部材を介して結
合してなるウイング式バン型車両の屋根パネル隅部の結
合構造を採用した。
【0007】さらに、屋根パネルの隅部において、該隅
部の水平パネル部側あるいは垂直パネル部側の少なくと
もいずれか一方に一本以上の突条または浅いコルゲ−シ
ョンを長手方向に設けた外張板を、水平パネル部と垂直
パネル部の上面を一体に覆って張設した。
【0008】また、水平パネル部に設ける屋根梁と、該
屋根梁の外側端部に対応して垂直パネル部に設ける中柱
とを屈曲部を有する一本の構造部材で構成し、該屈曲部
に連結隅部材を当接して前記屋根梁の外側端部と前記中
柱の上側端部とを結合するようにした。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図2は、ウイング式バン型車両の屋根パネルの斜視図で
ある。水平パネル部12は、前端枠9、後端枠10及び
中央側側枠14とからなるコの字型の枠からなり、この
コの字型の枠内に、前後方向に一定間隔をおいて屋根梁
16を並設して櫛状に形成したものである。これとは別
に垂直パネル部13は、前端枠9と後端枠10及び下側
側枠15とからなるコの字型の枠からなり、このコの字
型の枠内に前後方向に水平パネル部12の屋根梁16と
同一の間隔をおいて中柱17を並設して水平パネル部1
2と同様に櫛状に形成したものである。
【0010】信 櫛状に形成した水平パネル部12と垂
直パネル部13を図3(a)に示すように、中央側側枠1
4と下側側枠15が外側となるように、かつ、水平パネ
ル部12と垂直パネル部13を所定の間隔dをおいて対
置する。
【0011】次に、水平パネル部12と垂直パネル部1
3との間隔dを挟んで、水平パネル部12と垂直パネル
部13の上面が形成する平面とほぼ等しい面積の一枚物
の長方形の外張板22を用いて、水平パネル部12と垂
直パネル部13の上面を覆い、外張板22を水平パネル
部12及び垂直パネル部13に固着する。
【0012】このように外張板22により結合されて一
体となった水平パネル部12と垂直パネル部13を、水
平パネル部12から吊りげて間隔dの部分を円弧状に
折り曲げて断面L字型に成形する(図3(b))。そし
て、円弧状に折り曲げた隅部に、連結隅部材21をそれ
ぞれの隅部に嵌合させ、屋根梁16の外側端部と中柱1
7の上側端部とを連結隅部材21を介しボルト、リベッ
ト等の結合部材により結合する(図3(c))。
【0013】このようにして、水平パネル部12の前端
枠は連結隅部材21を介して垂直パネル部13の前端枠
に結合し、各々屋根梁16は対向する各々の中柱17に
結合し、水平パネル部12の後端枠は垂直パネル部13
の後端枠に結合して、断面L字型の開閉式屋根パネル6
が製作される。
【0014】図4に示すように、隅部を覆う外張板22
の湾曲面には、長手方向に一条以上の突条22aあるい
は浅いコルゲ−ションを設けてある。この突条22aに
よって湾曲面における外張板22の応力(撓み)を吸収
することができる。
【0015】連結隅部材21の形状は、図4または図6
に示す通り中央部が湾曲したものでも、屈曲して折れ曲
がったもの(図7参照)でも適用できる。また断面形状
はI字型、コ字型あるいはハット型等従来の型材を使用
することができる。
【0016】連結隅部材21は、屋根梁16と中柱17
の対向する連結端部の形状に対して一方の端部を屋根梁
16の結合端部に嵌挿し、他方の端部を中柱17の結合
端部に嵌挿してリベット23等により結合する構造が好
適であるが(図4参照)、従来の周知の凹凸嵌合構造を
用いる隅部材のようなものも本発明の除外する範囲では
ない。
【0017】外張板22は、比較的小型の車両には一枚
物のアルミシ−トが使用できるが、大型の車両には、図
2に示すように車両の前後方向に貼り合わせるか、上下
方向に貼り合わせて1枚物として使用することができ
る。その場合には、隣接するシ−トの重なり合う部分を
屋根梁16および中柱17の部分で当接させ、周知技術
により防水処理を施したうえでリベット等により固着す
る。
【0018】図8は、中央に切り欠き27aを有する一
方の構造部材の斜視図である。この一本の構造部材27
の中央部から一方を屋根梁16とし、他方を中柱17と
し、中央部は外張板22に当接する頂面を残した切り欠
き27aを有し、この切り欠き27aを隅部とすると、
屋根パネル製作時に上述したような折り曲げ作業が容易
となり、簡単に連結隅部材21を嵌着することができ
る。
【0019】また、水平パネル部12および垂直パネル
部13の内側を、ベニヤ板等の内張板24で覆い、この
内張板24が当接する中柱17のフランジ部および屋根
梁16のフランジ部にリベット等を用いて取り付けるこ
とは周知である(図4参照)。その他、両パネルの前端枠
間および後端枠間の結合にあたって連結隅部材による結
合の他にアングル等を溶接して強化する構造、あるいは
荷台の前壁と後壁の中央頂部間に張設された支持梁25
と水平パネル部の間を防水シ−ト26で覆う技術等は周
知の技術である(図4参照)。
【0020】
【発明の効果】本発明は、屋根パネル隅部の結合構造
を、従来の長尺の押出型材には隅部材に代えて、短尺の
連結隅部材を複数設ける構造としたので、屋根パネルは
軽量化され、作業工数と同時に製造コストは著しく軽減
される。また、製造現場において従来個別に製作してい
た水平パネル部と垂直パネル部を一体物の構造として製
作できるので、作業面積および設備面で合理化できる。
開閉式屋根を構造的に簡略化したので、作業工数が減少
すると共に、軽量化によって従来のトラブルが軽減さ
れ、その分は積載量を増加できる等の顕著な効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウイング式バン型車両の斜視図。
【図2】屋根パネルの斜視図。
【図3】屋根パネルの製造方法の説明図。
【図4】本発明の屋根パネル隅部の結合構造の断面図。
【図5】従来の屋根パネル隅部の結合構造の断面図。
【図6】本発明の屋根パネル隅部の結合構造の斜視図。
【図7】結合構造の一実施例を示す斜視図。
【図8】切り欠きを有する構造部材の斜視図。
【図9】結合構造の一実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 前壁 2 後扉 3 後部扉枠 4 側煽 5 蝶番 6 屋根パネル 7 支持梁 8 油圧装置 9 前端枠 10 後端枠 11 外側側枠 12 水平パネル部 13 垂直パネル部 14 中央側側枠 14′ 外側側枠 15 下側側枠 16 屋根梁 17 中柱 18,19 外張板 20 隅部材 21 連結隅部材 22 外張板 22a 突条 23 リベット 24 内張板 25 支持梁 26 防水シ−ト 27 構造部材 27a 切り欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 7/08 B62D 33/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端枠と、後端枠及び中央側側枠とから
    なるコの字型の枠内に、前後方向に一定間隔をおいて屋
    根梁を並設して櫛状に形成した水平パネル部と、これと
    は別に垂直パネル部は、前端枠と後端枠及び下側側枠と
    からなるコの字型の枠内に前後方向に前記水平パネル部
    の屋根梁と同一の間隔をおいて中柱を並設したものを、
    前記水平パネル部とを所定の間隔(d)を置いて水平位
    置に対置し、 前記対置された水平パネル部と垂直パネル部上を上面が
    形成する平面とほぼ等しい面積の一枚物の長方形の外張
    板で覆い、外張板を水平パネル部及び垂直パネル部に固
    着し、外張板により結合されて一体となった水平パネル
    部と垂直パネル部を、垂直パネル部を水平パネル部から
    吊り下げて間隔dの部分を円弧状に折り曲げ、断面L字
    型に成形し、円弧状に折り曲げた隅部を前記屋根梁の外
    側端部と前記中柱の上側端部とを連結隅部材を介し、結
    合部材により結合して構成したウイング型バン型車両の
    屋根パネルの構造。
  2. 【請求項2】 屋根パネルの隅部において、該隅部の水
    平パネル部側あるいは垂直パネル部側の少なくともいず
    れか一方に一本以上の突条または浅いコルゲ−ションを
    長手方向に設けた外張板を、水平パネル部と垂直パネル
    部の上面を一体に覆って張設することを特徴とする請求
    項1記載のウイング式バン型車両の屋根パネル隅部の結
    合構造。
  3. 【請求項3】 水平パネル部に設ける屋根梁と、該屋根
    梁の外側端部に対応して垂直パネル部に設ける中柱とを
    切り欠きを有する一本の構造部材で構成し、該切り欠き
    部に連結隅部材を当接して前記屋根梁の外側端部と前記
    中柱の上側端部とを結合してなる請求項1記載のウイン
    グ式バン型車両の屋根パネル隅部の結合構造。
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