JP4295451B2 - 人体用害虫忌避組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用感がよく、N,N−ジエチル−m−トルアミド(以下、ディートとも言う)の害虫忌避効果を持続させた人体用害虫忌避組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
蚊やブヨなどの刺咬性害虫からの被害を防ぐために、ディートを含有させた人体用害虫忌避組成物が開発されている。ところがディートは揮発しやすいことから、人体に施した場合に害虫忌避効果が持続しないという欠点があった。
そこで害虫忌避効果を持続させるために、シリコーン油や脂肪酸等を用いることが知られている。しかしディートと共に用いて人体に施した際に、施した部位が油っぽい、べたつく等の問題があり、使用感が悪く改良の余地があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような状況に鑑みて、使用感がよく、ディートの害虫忌避効果を持続させた人体用害虫忌避組成物(以下、害虫忌避組成物とも言う)を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ディートと共にラウリン酸ヘキシルを用いることが有効であることを見出し本発明に至った。すなわち本発明は、以下の構成により達成されるものである。
(1)N,N−ジエチル−m−トルアミドとラウリン酸ヘキシルとを含有させたことを特徴とする人体用害虫忌避組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるラウリン酸ヘキシルは、組成物全量に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%となるように含有させればよい。0.05重量%より少ない量では、ディートの害虫忌避効果を充分に得ることができず、一方、10重量%より多い量では、油っぽく、べたつきが生じることがあるので好ましくない。
【0006】
本発明の効果を充分に発揮させるには、重量比でラウリン酸ヘキシルをディート1に対して0.1〜1、好ましくは0.1〜0.5の割合で含有させるのがよい。
本発明に用いられるディートは、組成物全量に対して0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%となるように含有させればよい。
【0007】
本発明の害虫忌避組成物は、スプレー(エアゾールやポンプ)、ローション、クリーム、ロールオン、ウェットティッシュ、タオル、塗布栓等の形態に調製して用いることができる。この他にも、噴射剤と害虫忌避組成物とを別々にしておき、使用時その噴射圧で組成物を噴射する隔離式噴射装置とすることもできる。これらのなかで好ましい形態としてはスプレーが挙げられる。例えばエアゾールとするには、本発明の害虫忌避組成物を噴射剤と共にエアゾール容器に加圧充填すればよい。噴射剤としては、液化石油ガス、プロパン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン、n−ブチレン、イソブチレン、ブタジエン、n−ペンタン、イソペンタン、ジメチルエーテル、炭酸ガス、窒素ガス、圧縮ガス、フロン代替ガス、等が例示できる。そして1.5〜10kg/cm2程度の圧力を加えて容器に充填することができる。またポンプとするには、汎用のポンプディスペンサーに本発明の害虫忌避組成物を収納すればよい。
【0008】
本発明の害虫忌避組成物を上記の各種形態のものとして調製するには、適切な担体、各種成分等を目的とする形態に合わせて単独又は2種以上を選択して用いて行う。
【0009】
具体的には、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、各種変性アルコール、エーテル類、パラフィン類、イソ−又はノルマル−ペンタン、ヘキサン、シリコーン、等の液体;ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリポリオキシエチレンアルキルエーテル、1,3−ブチレングリコール、デカグリセリンモノオレート、ジオレイン酸プロピレングリコール、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラノリン脂肪酸、等の界面活性剤;ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイソウ土、セリサイト、マイカ、カオリン、モンモリナイト、クレー、タルク、ベントナイト、バーミキュライト、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、低次酸化チタン、タングステン酸金属塩、ハイドロキシアパタイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、塩基性ヨウ化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウムジルコニウム、硫酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベンカラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、シルクパウダー、アルケニルコハク酸デンプン、さらにはこれらの複合体、等の粉体;等が例示できる。
【0010】
この他にも本発明の害虫忌避組成物には、必要に応じて、2−エチル−1,3−ヘキサジオール、ブチル3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−4−オキソ−2H−ピラン−6−カルボキシレート、n−ヘキシルトリエチレングリコールモノエーテル、メチル6−n−ペンチル−シクロヘキセン−1−カルボキシレート、ジメチルフタレート、ユーカリプトール、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、テルペノール、カルボン、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、ナフタレン、桂皮、樟脳、レモングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ジェラニウム、ベルガモント、月桂樹、松、アカモモ、ベニーロイアル、ユーカリ、インドセダン、等の害虫忌避成分;天然ピレトリン、ピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、プラレトリン、エトフェンプロックス、エンペントリン、トランスフルトリン、等のピレスロイド系殺虫化合物;メントール、ハッカオイル、ミントオイル、等の香料成分;フェノール、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸及びその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、等の殺菌・防腐成分;ソルビット、グリセリン、プロピレングリコール、モモエキス、アロエエキス、ヘチマエキス、等の保湿成分;パラアミノ安息香酸エチル、シノキサート、オキシベンゼン、等の紫外線吸収・遮断成分;クロルヒドロキシアルミニウム、アルミニウム・ジルコニウムクロルヒドレート、等の制汗・消臭成分;色素成分;制汗成分;等を含有してもよい。
【0011】
【実施例】
以下に実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】
使用感の評価
表1に記載した害虫忌避組成物(エアゾール)を調製し、モニター10名の腕に約5秒間噴射し、使用感を5段階(5:非常に良い、4:良い、3:ふつう、2:悪い、1:非常に悪い)で評価した。ただし、ベタツキ感は少ないほど使用感が良いものとする。
【0013】
【表1】
Figure 0004295451
【0014】
試験の結果は表2に示したとおり、ラウリン酸ヘキシルを含有させた本発明の害虫忌避組成物を用いた実施例1〜3は、ミリスチン酸イソプロピルを用いた比較例1〜2と比べて、各評価項目及び総合評価において評価点が高く使用感に優れていた。
【0015】
【表2】
Figure 0004295451
【0016】
忌避効果の評価
表1に記載した実施例3の組成物をモニターの前腕5cm×5cmに約5秒間噴射塗布した。そしてヒトスジシマカ雌成虫50匹を入れた60cm×60cm×45cmのケージに前腕を入れ、腕にランディングしたヒトスジシマカの数を観察した。その結果に基づいて、A;コントロール(エアゾールを塗布しない場合)のランディング数、B;実施例3のランディング数、として次式により忌避率(%)を算出した。
【0017】
【数1】
忌避率(%)=(A−B)÷A×100
【0018】
また比較例3として、実施例3の組成物からラウリン酸ヘキシルを除いた害虫忌避組成物を用いて同様の試験を行った。
【0019】
試験の結果は表3に示したとおり、ラウリン酸ヘキシルを用いることにより、ディートによる忌避効果が持続することが明らかとなった。
【0020】
【表3】
Figure 0004295451
【0021】
【発明の効果】
本発明によって、使用感がよく、ディートの害虫忌避効果を持続させた人体用害虫忌避組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. N,N−ジエチル−m−トルアミドとラウリン酸ヘキシルとを含有させたことを特徴とする人体用害虫忌避組成物。
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