JP2003040703A

JP2003040703A - 人体用害虫忌避剤

Info

Publication number: JP2003040703A
Application number: JP2001227606A
Authority: JP
Inventors: Katsuyoshi Kado; 克好加百; Teruki Yamamoto; 輝樹山本
Original assignee: Earth Chemical Co Ltd
Current assignee: Earth Corp
Priority date: 2001-07-27
Filing date: 2001-07-27
Publication date: 2003-02-13

Abstract

(57)【要約】【課題】使用感がよく、害虫忌避効果に優れたウェッ
トティッシュ型の人体用害虫忌避剤を提供すること。【解決手段】支持体に、害虫忌避成分を含有させた水
中油型エマルションを保持したことを特徴とする人体用
害虫忌避剤。水中油型エマルションが０〜１０重量％の
低級アルコールを含有させたものであるのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は人体用害虫忌避剤、
特にウェットティッシュ型の人体用害虫忌避剤に関す
る。

【０００２】

【従来技術】従来から、蚊やブヨなどの刺咬性害虫から
の被害を防ぐために、様々な形態の害虫忌避剤が検討さ
れており、代表的には、エアゾール剤、ローション剤、
等の製剤が知られている。そして近年、適用部位に簡単
に塗布でき、携行に便利なウェットティッシュ型の害虫
忌避剤が開発されている。ところがウェットティッシュ
型の害虫忌避剤には、支持体に害虫忌避成分を均一に保
持させるためにアルコールが多く含有されている。その
ためアルコール臭が強い、皮膚に対する刺激が強い、等
の問題があり、使用感について改善の余地があった。

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、上記のような状況に鑑みて使用感のよい、害虫忌避
効果に優れたウェットティッシュ型の人体用害虫忌避剤
を提供することである。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、支持体に害虫忌避
成分を水中油型エマルションとして保持させることが有
効であることを見出し本発明に至った。すなわち本発明
は、以下の構成により達成されるものである。（１）支持体に、害虫忌避成分を含有させた水中油型エ
マルションを保持したことを特徴とする人体用害虫忌避
剤。（２）水中油型エマルションが、０〜１０重量％の低級
アルコールを含有させたことを特徴とする（１）に記載
の人体用害虫忌避剤。

【０００４】

【発明の実施の形態】本発明の人体用害虫忌避剤に用い
る支持体としては、害虫忌避成分を含有させた水中油型
エマルション（以下、Ｏ／Ｗエマルションとも言う）を
含浸できるものであればよく、ネル、綿、絹、ポリエス
テル、ナイロン、これらを素材としたもの、等の織布；
ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、綿、レーヨ
ン、ビニロン、セルロース、これらを素材としたもの、
等の不織布；ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、等を発泡させ
たシート状の樹脂発泡体；等を用いることができる。

【０００５】上記支持体としては不織布が好ましく、目
付量が２０〜８０ｇ／ｍ²、好ましくは２０〜５０ｇ／
ｍ²であるものがよい。

【０００６】また支持体の厚さは、薄いと必要量のＯ／
Ｗエマルションが含浸できず、厚すぎると使用感が悪く
携行に不便なので、０．１〜５ｍｍ、好ましくは０．３
〜１ｍｍとするのがよい。さらに支持体の片面、側面、
等に必要に応じて、薬剤不透過層を設けてもよく、薬剤
不透過性のフィルムなどを接着する、熱融着する、等に
よって設けられる。

【０００７】上記薬剤不透過層としては、厚さ１０〜３
０ｍｍのポリオレフィンフィルムが例示でき、ポリオレ
フィンフィルムの柔軟性を保持するためにしわ加工が施
されたものでもよい。

【０００８】本発明のＯ／Ｗエマルションは、害虫忌避
成分、水、乳化剤とからなり、さらには０〜１０重量％
の低級アルコールを含有させたことが好ましい。そして
上記支持体に、７０〜３００ｍｌ／ｍ²程度を塗布、浸
漬、等によって保持させればよい。具体例としては、目
付量が４０〜５０ｇ／ｍ²のレーヨン又はレーヨンとポ
リエステルの混合からなる不織布には、Ｏ／Ｗエマルシ
ョンを１２０〜２２０ｍｌ／ｍ²を保持させればよい。

【０００９】本発明に用いる害虫忌避成分としては、
Ｎ，Ｎ−ジエチル−ｍ−トルアミド（以下、ディートと
も言う）、２−エチル−１，３−ヘキサンジオール、ブ
チル−３，４−ジヒドロ−２，２−ジメチル−４−オキ
ソ−２Ｈ−ピラン−６−カルボキシレート、ｎ−ヘキシ
ルトリエチレングリコールモノエーテル、メチル−６−
ｎ−ペンチル−シクロヘキセン−１−カルボキシレー
ト、ジメチルフタレート、ユーカリプトール、α−ピネ
ン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナ
ロール、テルペノール、カルボン、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジブチル、ナフタレン、桂皮、樟脳、レモ
ングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ジェラニウ
ム、ベルガモント、月桂樹、松、アカモモ、ペニーロイ
アル、インドセダン、等の害虫忌避成分が例示できる。
さらに天然ピレトリン、ピレトリン、アレスリン、フタ
ルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリ
ン、ペルメトリン、シフェノトリン、プラレトリン、エ
トフェンプロックス、エンペントリン、トランスフルト
リン、等のピレスロイド系化合物を用いることもでき
る。

【００１０】これらの害虫忌避成分は、Ｏ／Ｗエマルシ
ョンに１〜１５重量％、好ましくは５〜１０重量％含有
させることができる。

【００１１】乳化剤としては、ソルビタントリオレー
ト、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチ
レンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、トリポリオキシエチレンアルキルエーテル、デカグ
リセリンモノオレート、ジオレイン酸プロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルリン酸、グリセリン脂
肪酸エステル、パルミチン酸セチル、ステアリルアルコ
ール、セトステアリルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ラノリン脂肪酸、等の界面活性剤；エチレングリコ
ール、１，５−ペンタンジオール、１，６−ヘキサンジ
オール、１，３−ブチレングリコール、ヘキシレングリ
コール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリメチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、等の多価アルコール；等が例示できる。

【００１２】これらの乳化剤は、Ｏ／Ｗエマルションに
１〜１０重量％、好ましくは４〜８重量％含有させるこ
とができる。

【００１３】本発明のＯ／Ｗエマルションにおいては、
使用感を向上させ、皮膚への刺激を緩和させ、引火の危
険を軽減させるために、水は６０重量％以上、好ましく
は７０〜９０重量％含有させるのがよい。

【００１４】また低級アルコールとしては、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、等が例示でき、Ｏ／Ｗエ
マルションに０〜１０重量％、好ましくは０〜５重量％
含有させることができる。

【００１５】本発明のＯ／Ｗエマルションにおいては、
使用感を向上させる、殺菌効果を付与する、等のため
に、粉体、香料成分、殺菌・防腐成分、保湿成分、等を
配合することができる。

【００１６】具体的には、疎水性シリカ、ケイ酸カルシ
ウム、ケイソウ土、高純度シリカ、無水ケイ酸、等のケ
イ酸化合物；タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、酸性白土、ホワイトカーボン、パーライ
ト、等の無機粉体；オクテニルコハク酸トウモロコシデ
ンプンエステルアルミニム、等のアルケニルコハク酸デ
ンプンの金属塩、シルクパウダー、等の天然パウダー、
等の粉体；メントール、ペパーミントオイル、ハッカオ
イル、ミントオイル、等の香料成分；フェノール、パラ
オキシ安息香酸エステル、サリチル酸及びその塩、塩化
ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、グルコン
酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、等の殺菌
・防腐成分；ソルビット、グリセリン、プロピレングリ
コール、モモエキス、アロエエキス、甘草エキス、ヘチ
マエキス、セラミド、等の保湿成分；パラアミノ安息香
酸エチル、シノキサート、オキシベンゼン、等の紫外線
吸収・遮断成分；クロルヒドロキシアルミニウム、アル
ミニウム・ジルコニウムクロルヒドレート、等の制汗・
消臭成分；色素成分；等が例示できる。

【００１７】さらにミリスチン酸イソプロピル、ラウリ
ン酸ヘキシル、等の高級脂肪酸エステル；シリコーン；
等を配合して害虫忌避効果を持続させたり使用感を向上
させたりしてもよい。

【００１８】本発明の害虫忌避剤は、安定性、携行性を
目的として包装するが、１製剤毎に包装してもよいし、
また複数製剤をまとめて包装してもよい。そしてウェッ
トティッシュ型であるので、使用に際しては必要量を包
装から取り出し、手で皮膚に当て、拭くようにして擦り
つければよい。

【００１９】本発明の対象となりうる害虫としては、各
種の刺咬性害虫が挙げられ、カ、ブユ、ダニ、ノミ、サ
シバエ、ナンキンムシ、アブ、等が例示できる。

【００２０】

【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。

【００２１】使用感の評価表１に記載した組成からなる製剤を調製し、目付量が４
０ｇ／ｍ²のレーヨン製不織布（１６ｃｍ×２０ｃｍ、
厚さ０．５ｍｍ）に４ｍｌ保持させて人体用害虫忌避剤
（ウェットティッシュ型）とした。そしてモニター１５
名の腕に人体用害虫忌避剤を塗布し、使用感を５段階
（５；良い、４；やや良い、３；ふつう、２；やや悪
い、１；悪い）で評価した。なお実施例１及び２はＯ／
Ｗエマルションの製剤、比較例１はアルコールベースの
製剤、比較例２はアルコール・水混合の製剤を用いた。

【００２２】

【表１】

【００２３】試験の結果は表２に示したとおり、Ｏ／Ｗ
エマルションの製剤である実施例１及び２は、比較例１
又は２と比べて各評価項目において優れていた。

【００２４】

【表２】

【００２５】忌避効果の評価表１に記載した実施例１及び２を目付量が４０ｇ／ｍ²
のレーヨン製不織布（１６ｃｍ×２０ｃｍ、厚さ０．５
ｍｍ）に４ｍｌ保持させて人体用害虫忌避剤（ウェット
ティッシュ型）とした。そしてモニター３名の片腕に人
体用害虫忌避剤を塗布し、もう一方の腕には塗布しない
で野外にでて、１０分間のヒトスジシマカのランディン
グ数（腕に止まったカの数）を計数した。試験の結果、
ヒトスジシマカのランディング数は、本発明の人体用害
虫忌避剤を塗布しなかった腕では１０〜３０匹であった
のに対して、塗布した腕では０匹であり優れた害虫忌避
効果が得られることが確認された。

【００２６】

【発明の効果】本発明によって、使用感のよい、害虫忌
避効果に優れたウェットティッシュ型の人体用害虫忌避
剤を提供することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】支持体に、害虫忌避成分を含有させた水
中油型エマルションを保持したことを特徴とする人体用
害虫忌避剤。
【請求項２】水中油型エマルションが、０〜１０重量
％の低級アルコールを含有させたものであることを特徴
とする請求項１に記載の人体用害虫忌避剤。