JP4295233B2 - 振動ジャイロ用音叉型振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動脚および検出脚を胴部で結合してなる音叉型振動子をパッケージへ収容してなる音叉型振動ジャイロに関し、特にパッケージを支点としてその胴部を支持する音叉型振動子に関する。
この種の音叉型振動ジャイロは、特許文献1または特許文献2に記載されている。図7は特許文献1に記載された音叉型振動ジャイロを示す図である。また図8は特許文献2に記載された音叉型振動ジャイロを示す図である。特許文献1または特許文献2に記載の音叉型振動ジャイロの基本構造及びその作動を、図9を参照して説明する。図9は振動ジャイロ用音叉型振動子を示す図であり、同図(A)は音叉型振動ジャイロに対する回転の入力がないときの状態を表し、同図(B)は音叉型振動ジャイロに対し回転の入力があるときの状態を表す。図において、111a,111bは励振用駆動脚(特許文献1における励振用駆動側アーム)、112a,112bは振動用検出脚(特許文献1における振動用検出側アーム)である。励振用駆動脚111a及び111bは、互いに対をなし、逆位相で振動する。励振用駆動脚111a及び111bは、駆動脚(特許文献1では、駆動側アーム)111と称する。振動用検出脚112a及び112bは、互いに対をなし、逆位相で振動する。振動用検出脚112a及び112bは、検出脚(特許文献1では、検出側アーム)112と称する。胴部10は、直方体であり、その平面形(上面10aの形)は正方形である(正方形である必要は必ずしもない)。胴部10における各面は、上面を符号10aで現し、底面(図に現れていない)を符号10bで現し、駆動脚111側の端面を符号10cで現し、検出脚112側の端面(図に現れていない)を符号10dで現し、一方の側面を符号10eで現し、他方の端面(図に現れていない)を符号10fで現すこととする。上面10a及び底面10bを主面と称する。なお、特許文献1または特許文献2の音叉型振動ジャイロには、励振用駆動脚111a及び111bの間に1つの非励振用駆動脚(特許文献1における非励振用駆動側アーム)が設けてあり、また振動用検出脚112a及び112bの間に1つの非振動用検出脚(特許文献1における非振動用検出側アーム)が設けてあるが、非励振用駆動脚および非振動用検出脚は、振動の安定化のために設けてあり、原理説明においては必要でないので、図9の音叉型振動ジャイロでは省略した。
胴部10、励振用駆動脚111a及び111b並びに振動用検出脚112a及び112bは、1つの圧電単結晶体でなり、一枚の板状の圧電単結晶から切り出された形をなす。圧電単結晶としては、水晶、ニオブ酸リチウム、ランガサイト等がある。胴部10、励振用駆動脚111a,111b及び振動用検出脚112a,112bの厚みは同一である。励振用駆動脚111a及び111bが励振されていない状態、即ち静止状態では、励振用駆動脚111a,111bの軸及び振動用検出脚112a,112bの軸は、胴部10の端面10c及び10dにそれぞれ垂直である。励振用駆動脚111a及び振動用検出脚112aの軸は同一の軸線上にある。同様に、励振用駆動脚111b及び振動用検出脚112bの軸も同一の軸線上にある。また、胴部10の重心を通り、端面10e平行な面に関し、励振用駆動脚111a及び111bは対称であり、また振動用検出脚112a及び112bも対称である。励振用駆動脚111a,111b及び振動用検出脚112a,112bには駆動用電極及び検出用電極がそれぞれ設けてある(これら電極の図示は省略されている。)。
このような図9の構造の音叉型振動ジャイロにおける駆動用電極に励振用の交流電圧を印加すると、励振用駆動脚111a及び111bは、上面10aに平行な平面内において互いに反対方向に、即ち逆位相に、振動する。この振動が、音叉型振動ジャイロにおける駆動振動である。駆動振動は、胴部10の主面(上面10a及び底面10b)に平行な平面内における振動であり、このような主面に平行な平面内における振動を面内振動と称する。面内振動は、図9(A)において矢印Ha及びHbで現してある。この状態で、角速度ωの回転が図9(B)の入力軸回りに入力されると、脚振動による脚端速度に比例してコリオリ力が発生するので、コリオリ力は脚振動と90度位相がずれた同じ周波数の振動になる。この振動は、コリオリ力に基づく振動という意味で、コリオリ振動と称することにする。脚端の変位が±aの範囲になるように脚が振動をしているとき、その脚端速度の絶対値は、脚端の変位が±aの時にゼロであり、脚端の変位がゼロの時に最大となる。図9の構造の音叉型振動ジャイロでは、角速度ωの回転が図9(B)の入力軸回りに入力されたとき、励振用駆動脚111a及び111bにコリオリ力が作用し、コリオリ振動Ca及びCbがそれぞれ生じる。コリオリ振動Ca及びCbは、胴部10の主面に直交する方向の振動であり、その位相は互いに逆である。胴部10の主面に直交する方向の振動を面垂直振動と称する。
胴部10は、板状であるので、その主面に平行な方向の振動、即ち面内振動に対しては極めて高い剛性を有し、他方主面に直交する方向の振動、即ち面垂直振動に対しては相対的に低い剛性を示す。そこで、励振用駆動脚111a,111bに生じる振動のうちで、面内振動である駆動振動Ha及びHbは、振動用検出脚112a,112bには殆ど伝搬せず、他方面垂直振動であるコリオリ振動Ca及びCbは高い効率で振動用検出脚112a,112bに伝搬する。振動用検出脚112a及び112bに伝搬したコリオリ振動が、音叉型振動ジャイロにおける検出振動Da及びDbである。音叉型振動ジャイロは、検出振動Da及びDbにより振動用検出脚112a及び112bに現れる電圧を検出用電極で電気信号として取り出すことにより、角速度ωを検出する。
音叉型振動ジャイロでは、振動用検出脚112a,112bに現れる駆動振動成分がノイズであり、検出振動成分(Da,Db)が信号である。そこで、振動用検出脚112a,112bにおける検出振動成分(Da,Db)に対する駆動振動成分の比が信号対雑音比(S/N比)となるので、角速度ωを高い精度で検出するには、振動用検出脚112a,112bに漏れ、現れる駆動振動成分を低減する必要がある。振動用検出脚112a,112bに漏れる駆動振動成分は、信号成分[検出振動成分(Da,Db)]に対するバイアスとなり、このバイアスが不安定であれば、角速度ωの検出精度は低下する。
特許文献1および特許文献2の音叉型振動ジャイロでは、石英ガラス製の支持部材(特許文献1における保持体)によって音叉型振動子をその重心で支持している。その重心は、胴部の中央にある。
特開2001−255152 特開2001−208545 特許第2518600号公報 特開2000−337880 特開2002−243451
図3は、音叉型振動子の胴部を支持部材で支持したときに、振動子に現れる歪の変動を示す模式図である。図3(A),(B)は、支持部材で支持しない状態において、駆動振動が胴部に加えられたときに胴部10に表れる歪を現す。図3(C),(D)は、胴部10の重心を支持部材2で支持し、胴部10をパッケージ基板30に搭載した状態において、駆動振動が胴部10に加えられたときに胴部に表れる歪を現す。図3(C),(D)において、支持部材2は胴部10の重心及びパッケージ基板30に固着されている。
図3(A)は、駆動脚に励振された駆動振動により、互いに反対向きの脚の振動変位α1及びβ1による応力が胴部10に生じたとき、胴部10の上部には互いに反対向きの歪a1及びb1が生じ、胴部10の下部には互いに反対向きの歪c1及びd1が生じ、a1=b1=c1=d1であることを現している。図3(B)は、駆動脚に励振された駆動振動により、互いに反対向きの脚の振動変位α2及びβ2による応力が胴部10に生じたとき、胴部10の上部には互いに反対向きの歪a2及びb2が生じ、胴部10の下部には互いに反対向きの歪c2及びd2が生じ、a2=b2=c2=d2であることを現している。
これに対し、図3(C)は、駆動脚に励振された駆動振動により、互いに反対向きの脚の振動変位α1及びβ1による応力が胴部10に生じたとき、胴部10の上部には互いに反対向きの歪a1及びb1が生じ、胴部10の下部には互いに反対向きの歪c1及びd1が生じるが、a1=b1>c1=d1であることを現している。また、図3(D)は、駆動脚に励振された駆動振動により、互いに反対向きの脚の振動変位α2及びβ2による応力が胴部10に生じたとき、胴部10の上部には互いに反対向きの歪a2及びb2が生じ、胴部10の下部には互いに反対向きの歪c2及びd2が生じるが、a2=b2>c2=d2であることを現している。
図3(C),(D)に示されるように、音叉型振動子の胴部10を支持部材2で支持したとき、胴部10の上部における歪とその下部における歪とは大きさが相違し、胴部歪の上下非対称性が生じる。胴部10の歪に上下非対称性が生じると、駆動振動に直交する方向の振動、即ち面垂直振動成分が胴部に生じる。この面垂直振動成分は、漏れ駆動振動として振動用検出脚に現れ、検出振動と同じ振動方向であるから、検出振動に対し雑音成分となり、角速度の検出精度を低下させる。
音叉型振動ジャイロでは、振動子をパッケージに搭載する振動子搭載構造の採用は不可避である。特許文献1では、音叉型振動子の重心に円柱型の支持部材を接着剤等で固着し、振動子を支持する構造が示されている。特許文献1の音叉型振動ジャイロで採用されている振動子搭載構造では、図3の模式図で示す振動子搭載構造と同じ原理で音叉型振動子を支持しており、胴部歪の上下非対称性が生じ、漏れ駆動振動として振動用検出脚に現れ、検出振動に対し雑音成分となり、角速度の検出精度を低下させる。駆動振動が振動用検出脚に漏れるのを抑制する構造として、特許文献3に記載のものが提案されている。
図10(特許文献3における図1)は特許文献3に記載の回転速度センサ10(音叉型振動ジャイロ)を示す。この回転速度センサ10は、ハウジング11と、両側(double ended)(即ちH型)音叉(tuning fork) 13と、回転速度検出回路21とを有する。ハウジング11は、蓋12と、基部14と、取付け構造体15とを有する。音叉13は、圧電材料の単結晶からエッチングされる。この材料は、水晶、ニオブ酸リチウム(Lithium Niobate) 或いは他の圧電物質であるのが良い。
図11(特許文献3における図3)は、特許文献3に記載の音叉13を示す。音叉13の本体16は、周囲のフレーム30と内部キャビティ33とを有する。音叉13は、励振枝(drive tine)31,32及びピックアップ枝(pickup tine) 44,45を有する。また、音叉13は、キャビティ33内に単一専用取付け基部57を有する。取付け基部57は、フレーム30の内周面18から間隔を隔てられ、これで囲まれ、且つその中の中央に配置されている。取付け基部57は、クロスブリッジ61,62及びサスペンションブリッジ64乃至67によって形成されたサスペンション装置59によって内周面18に結合されている。取付け基部57の周面71は、本体16の内周面18から、+Y方向では開口73によって、−Y方向では開口74によって間隔を隔てられている。
図12(特許文献3における図4)は、特許文献3に記載されたハウジング11の基部14及び取付構造体15を示す。取付構造体15はペデスタル94である。このペデスタル94は、音叉13の取付け面59とほぼ同じ寸法を有する。図10、図11に戻ると、音叉13はペデスタル94に取付けられている。取付け基部57の裏面70は、音叉13の単一専用取付面である。この面は、ペデスタル94の取付け面76に固定されている。この固定は、従来の熱可塑性接着剤或いはエポキシ樹脂によって行われるのがよい。かくして、音叉13は、単一専用取付面70のところだけでハウジング11内に取付けられる。サスペンション装置59が、取付け基部57をフレーム30に結合する。ペデスタル94は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル合金モネル(Monel)400或いはセラミックスで作られるのがよい。研磨したシリコン或いは水晶のウエハから別に「けがい」て、そして、エポキシ樹脂を用いて基部14に固定してもよい。特許文献3の音叉型振動ジャイロでは、振動子搭載構造はペデスタル94、サスペンション装置59、取付け基部57でなる。
このような特許文献3に記載の振動子搭載構造では、音叉13の本体16に内部キャビティ33を設けるので、音叉13の本体16に深いエッチング加工を施す必要がある。音叉13が、効率的なエッチング方法が確立されていない材料、例えばランガサイト、でなるときは、引用文献3の振動子搭載構造は適用できない。また、引用文献3の振動子搭載構造は、内部キャビティ33内にサスペンション装置59を備えるので、複雑な構造であり、高価であり、小型化も難しい。
以上に挙げた特許文献1及び2の振動子搭載構造では、図3に示すように、音叉型振動子を支持部材2で支持することにより、振動子に歪の上下非対称性が発生するので、駆動振動が検出脚に漏れ、ひいては音叉型振動ジャイロの角速度検出精度の向上が妨げられ、また検出精度の安定性も損なわれていた。また、特許文献3に記載の振動子搭載構造は、効率的なエッチング方法が確立されていない材料、例えばランガサイト、でなる音叉型振動子には、適用できないし、構造が複雑で高価であり、小型化も難しい。特許文献4では図5に示すように、振動脚の根元を角度をつけて削ることにより、共振周波数や漏れ振動の調整を行っている。また、特許文献5では、図6に示すように、質量バランスを調整するために、振動脚の稜線を研削している。このように、特許文献4と特許文献5では、音叉型振動子完成後に調整を行っているので、調整量の自由度はあるが、調整工数が多くなり、ひいては振動子の制作費が高価となる。
そこで、本発明の目的は、音叉型振動子を支持部材で支持することによる振動子に生じる歪の上下非対称性の発生を抑制することにより、検出脚に漏れる駆動振動を低減し、ひいては音叉型振動ジャイロの角速度検出精度の向上と安定化を図ることにある。また、本発明の別の目的は、効率的なエッチング方法が確立されていない材料、例えばランガサイト、でなる音叉型振動子にも適用でき、簡単な構造であり、小型化が可能であり、また制作費も低廉な音叉型振動子の提供にある。
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
(1)一対の励振用駆動脚および一対の振動用検出脚並びに該励振用駆動脚および該振動用検出脚を結合する胴部でなり、該胴部とパッケージの間に介在し、該胴部の底面の支持部材固着領域および該パッケージの支持部材搭載領域に固着された支持部材を有する振動ジャイロ用音叉型振動子において、
前記底面に複数の溝が設けられており、
前記溝は、前記底面の支持部材固着領域を挟んだ両側に設けられ、
前記溝の方向は前記励振用駆動脚の長手方向である
ことを特徴とする振動ジャイロ用音叉型振動子。
(2)前記溝は、前記胴部における前記励振用駆動脚側端面から前記振動用検出脚側端面まで設けてあることを特徴とする請求項1に記載の振動ジャイロ用音叉型振動子。
上記本発明によれば、音叉型振動子を支持部材と固着することに起因して、該振動子に生じる歪の上下非対称性の発生を抑制することができ、振動子歪の上下非対称性の発生を抑制することによって、検出脚に漏れる駆動振動を低減し、ひいては音叉型振動ジャイロの角速度検出精度の向上と安定化を可能にする振動子を提供できる。さらに、本発明によれば、効率的なエッチング方法が確立されていない材料、例えばランガサイト、でなる音叉型振動子にも適用でき、簡単な構造であり、小型化が可能であり、また制作費も低廉な音叉型振動子の提供にある。
次に本発明の実施の形態を挙げ、図面を参照し、本発明を一層具体的に説明する。図1は、本発明の一実施の形態の音叉型振動子を有する音叉型振動ジャイロの要部を示す分解斜視図である。図2は、図1の音叉型振動ジャイロにおける、胴部底面に溝を設けた音叉型振動子(本発明の一実施の形態の振動ジャイロ用音叉型振動子)の斜視図である。
図1乃至図2において、1は音叉型振動子、1aは音叉型振動子1における支持部材固着領域、2は支持部材、3はパッケージ、10は胴部、10j,10kは胴部10の底面に設けられた溝、11は駆動脚、11a,11bは励振用駆動脚、11cは非励振用駆動脚、12は検出脚、12a,12bは振動用検出脚、12cは非振動用検出脚、30はパッケージ基板、30aは支持部材搭載領域、31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,37a,37bは端子である。
図1には、音叉型振動子1、支持部材2およびパッケージ3が分解して示してある。音叉型振動子1、支持部材2およびパッケージ3が組み合わされた状態では、支持部材2の下面はパッケージ基板30の上面における支持部材搭載領域30aに接着剤で固着され、支持部材2の上面は音叉型振動子1の胴部10の底面の支持部材固着領域1aに接着剤で固着されている。支持部材固着領域1aの中心は、胴部10の底面の平面形の重心位置にある。符号1,2,3の部材が結合された状態は、支持部材2が、支持部材搭載領域30aを支点として、音叉型振動子1の重心位置を支持している状態であり、音叉型振動子1が支持部材2を介してパッケージ3に搭載された状態である。
音叉型振動子1における駆動脚11は、図9の駆動脚111における励振用駆動脚111a,111bに対応する励振用駆動脚11a,11bに加え、非励振用駆動脚11cを備える。同様に、音叉型振動子1における検出脚12は、図9の検出脚112における振動用検出脚112a,112bに対応する振動用検出脚12a,12bに加え、非振動用検出脚12cを備える。非励振用駆動脚11c及び非振動用検出脚12cは、特許文献1及び2の音叉型振動ジャイロにも非励振用駆動側アーム及び非振動用検出側アームとして設けてあるものであり、駆動脚11および検出脚12の振動を安定化するために備えてあるが、本発明の作用には重要でないし、図9のようにこれら脚11c及び12cを欠いても本実施の形態は実施できるので、以下では非励振用駆動脚11c及び非振動用検出脚12cについてはこれ以上の説明は省略する。図1の音叉型振動ジャイロにおける音叉型振動子1の作用は、図9に示す音叉型振動子の作用と同様である。
図1の音叉型振動子1は、ランガサイトからなる単結晶圧電体である。この音叉型振動子1は、砥石またはワイヤーソーによる機械加工により成形される。音叉型振動子1における励振用駆動脚11a及び11bの少なくとも一方には駆動用電極が、振動用検出脚12a及び12bの少なくとも一方には検出用電極がそれぞれ設けてあるが、図示は省略してある。また、駆動用電極および検出用電極は、端子31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,37a又は37bの内のいずれかへボンディングワイヤで接続されているが、それらボンディングワイヤも図示が省略してある。
図2は、本発明の実施の形態の振動子構造を示す図である。図2では、音叉型振動子1は図1とは上下を逆にして図示してある。図2の実施の形態では、前記支持部材2と接合される胴部10の底面10bには、支持部材固着領域1aを挟む両側に溝10j、10kが設けられている。溝10j、10kの方向は励振用駆動脚11の長手方向である。
図4は、図2の実施の形態における音叉型振動子の胴部10に現れる歪の上下非対称性が、図3に示した従来構造の胴部10に現れる歪の上下非対称性よりも大幅に抑制されることを概念的に示す図である。図4(A),(B)は従来構造の音叉型振動子における胴部10に現れる上下非対称歪を示す図であり、図4(A)は図3(A),(B)と同じ内容を示し、図4(B)は図3(C),(D)と同じ内容を示す。図4(A)、(B)に示すように、従来構造の音叉型振動子1では、胴部10には、支持部材2の拘束によって上下非対称歪が発生する。図2の実施の形態の音叉型振動子1では、図4(C)に示す2つの溝10j,10kが胴部10の支持部材固着領域1aの両側に設けてあるので、支持部材2による拘束領域が2つの溝10j、10kの間の領域に限定され、該溝10j、10kより外側の領域の胴体部10は、支持部材2の影響を受けることなく自由に伸縮するようになる。このように、図2の実施の形態では、胴体部10の大部分が支持部材2の拘束作用を受けないので、胴体部10における歪の上下非対称性が大幅に抑制される。
以上に説明したように、図1、図2の実施の形態では、胴部10における駆動振動に対する支持部材2の拘束によって生じる胴部歪の上下非対称性が、胴部底面に溝を設けることによって抑制されるので、検出脚12に漏れる駆動振動が低減し、ひいては音叉型振動ジャイロの角速度検出精度が向上し、また安定化する。
図1、図2の実施の形態では音叉型振動子1を構成する圧電結晶材料としてランガサイトを用いた。ランガサイトは、効率的なエッチング方法が確立されていない材料であるが、本実施の形態の製造における振動子の成形は、砥石やワイヤーソーによる機械加工で可能であり、振動子の成形工程はエッチング工程を要しないので、本実施の形態は容易に実現できる。
なお、以上には本発明の実施の形態を、図面を参照して、具体的に説明したが、本発明がこれらの実施の形態に限定されるものでないことは勿論である。
本発明の一実施の形態である胴部底面に溝を有する音叉型振動子を備える音叉型振動ジャイロを示す分解斜視図である。 図1に示した本発明の実施の形態である胴部底面に溝を有する音叉型振動子の斜視図である。 従来構造の音叉型振動子の胴部を支持部材で支持したときに、振動子に現れる歪の変動を示す模式図である。 本発明の実施の形態である音叉型振動子の胴部を支持部材で支持したときに、振動子に現れる歪の変動の上下非対称性が抑制される原理を表す模式図である。 特許文献4記載の振動型ジャイロ調整方法を示す図である。 特許文献5に記載の角速度センサおよびその特性調整方法を示す図である。 特許文献1記載の音叉型振動ジャイロ各脚の電極配置と接続状態を示す図である。 特許文献2記載の圧電振動ジャイロスコープを示す図である。 駆動脚と検出脚とを胴部で結合した構造の音叉型振動子の作動原理を説明する図である。 特許文献3に記載の回転速度センサ10(音叉型振動ジャイロ)を示す図である。 特許文献3に記載の音叉13を示す図である。 特許文献3に記載されたハウジング11の基部14及び取付構造体15を示す図である。
符号の説明
1 音叉型振動子
1a 音叉型振動子1における支持部材固着領域
2 支持部材
3 パッケージ
10 胴部
10j,10k 胴部10の底面10bに設けた溝
11 駆動脚
11a,11b,111a,111b 励振用駆動脚
11c 非励振用駆動脚
12 検出脚
12a,12b,112a,112b 振動用検出脚
12c 非振動用検出脚
30 パッケージ基板
30a 支持部材搭載領域
31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,37a,37b 端子
α1,β1,α2,β2 駆動脚の振動変位
a1,b1,a2,b2 胴部の上側(支持部材が固着されていない側)における歪
c1,d1,c2,d2 胴部の下側(支持部材が固着されている側)における歪

Claims (2)

  1. 一対の励振用駆動脚および一対の振動用検出脚並びに該励振用駆動脚および該振動用検出脚を結合する胴部でなり、該胴部とパッケージの間に介在し、該胴部の底面の支持部材固着領域および該パッケージの支持部材搭載領域に固着された支持部材を有する振動ジャイロ用音叉型振動子において、
    前記底面に複数の溝が設けられており、
    前記溝は、前記底面の支持部材固着領域を挟んだ両側に設けられ、
    前記溝の方向は前記励振用駆動脚の長手方向である
    ことを特徴とする振動ジャイロ用音叉型振動子。
  2. 前記溝は、前記胴部における前記励振用駆動脚側端面から前記振動用検出脚側端面まで設けてあることを特徴とする請求項1に記載の振動ジャイロ用音叉型振動子。
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