JP4125734B2 - 振動ジャイロ - Google Patents

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Description

本発明は、機械的な共振周波数で振動する振動子と、該振動子の角速度に応じたコリオリ力により該振動子に生じる振動を検出振動として検出し、その検出振動に基づき角速度を測定する振動ジャイロに関し、特に駆動振動が検出脚に漏れるのを防ぎ、検出振動におけるバイアスの低減および安定化をもたらす振動子の構造に関する。
多脚を有するこの種の音叉型振動ジャイロは、特許文献1又は特許文献2に記載されている。特許文献1及び特許文献2には、駆動脚および検出脚を胴部で結合してなり、駆動脚および検出脚がそれぞれ3本の脚でなる構造の音叉型振動ジャイロが提案されている。特許文献1又は特許文献2に記載の音叉型振動ジャイロの基本構造及びその作動を、図12を参照して説明する。図12(A)は音叉型振動ジャイロに対する回転の入力がないときの振動子の状態を表し、図12(B)は音叉型振動ジャイロに対し回転の入力があるときの振動子の状態を表す。図において、111a,111bは励振用駆動脚(特許文献1における励振用駆動側アーム)、112a,112bは振動用検出脚(特許文献1における振動用検出側アーム)である。励振用駆動脚111a及び111bは、互いに対をなし、逆位相で振動する。励振用駆動脚111a及び111bは、駆動脚(特許文献1では、駆動側アーム)111と称する。振動用検出脚112a及び112bは、互いに対をなし、逆位相で振動する。振動用検出脚112a及び112bは、検出脚(特許文献1では、検出側アーム)112と称する。胴部10は、直方体であり、その平面形(上面10aの形)は正方形である(正方形である必要は必ずしもない)。胴部10における各面は、上面を符号10aで現し、底面(図に現れていない)を符号10bで現し、一方の端面を符号10cで現し、他方の端面(図に現れていない)を符号10dで現し、一方の側面を符号10eで現し、他方の側面(図に現れていない)を符号10fで現すこととする。上面10a及び底面10bを主面と称する。なお、特許文献1及び特許文献2の音叉型振動ジャイロには、励振用駆動脚111a及び111bの間に1つの非励振用駆動脚(特許文献1における非励振用駆動側アーム)が設けてあり、また振動用検出脚112a及び112bの間に1つの非振動用検出脚(特許文献1における非振動用検出側アーム)が設けてあるが、非励振用駆動脚および非振動用検出脚は、振動の安定化のために設けてあり、原理説明においては必要でないので、図12の音叉型振動ジャイロでは省略した。
図12の振動子は、胴部10、励振用駆動脚111a及び111b並びに振動用検出脚112a及び112bでなる。この振動子は、1つの圧電単結晶体でなり、一枚の板状の圧電単結晶から切り出された形をなす。圧電単結晶としては、水晶、ニオブ酸リチウム、ランガサイト等がある。胴部10、励振用駆動脚111a,111b及び振動用検出脚112a,112bの厚みは同一である。励振用駆動脚111a及び111bが励振されていない状態、即ち静止状態では、励振用駆動脚111a,111bの軸及び振動用検出脚112a,112bの軸は、胴部10の端面10c及び10dにそれぞれ垂直である。励振用駆動脚111a及び振動用検出脚112aの軸は同一の軸線上にある。同様に、励振用駆動脚111b及び振動用検出脚112bの軸も同一の軸線上にある。また、胴部10の重心を通り、側面10eに平行な面に関し、励振用駆動脚111a及び111bは対称であり、また振動用検出脚112a及び112bも対称である。励振用駆動脚111a,111b及び振動用検出脚112a,112bには駆動用電極及び検出用電極がそれぞれ設けてある(これら電極の図示は省略されている。)
このような図12の構造の振動子を有する音叉型振動ジャイロにおいて、駆動用電極に励振用の交流電圧である駆動信号を印加すると、励振用駆動脚111a及び111bは、上面10aに平行な平面内において互いに反対方向に、即ち逆位相に、振動する。この振動が、音叉型振動ジャイロにおける駆動振動である。駆動振動は、胴部10の主面(上面10a及び底面10b)に平行な平面内における振動であり、このような主面に平行な平面内における振動を面内振動と称する。面内振動は、図12(A)において矢印Da及びDbで現してある。
励振用駆動脚111a及び111bが駆動信号で励振され、駆動振動Da及びDbをしているときに、角速度ωの回転が図(B)に示す方向に入力されると、励振用駆動脚111a及び111bには脚端速度に比例するコリオリ力が作用する。駆動振動Da及びDbをしている励振用駆動脚111a及び111bにコリオリ力が作用すると、励振用駆動脚111a及び111bは駆動振動と90度位相がずれたほぼ同じ周波数でも振動する。励振用駆動脚111a及び111bの振動は、駆動振動Da及びDbと、コリオリ力に起因する振動とを重畳した振動となる。このコリオリ力による脚の振動成分をコリオリ振動と定義する。励振用駆動脚111a及び111bに生じるコリオリ振動は、それぞれ矢印Ca及びCbでもって図12に示してある。
コリオリ振動Ca及びCbは、胴部10を介して、振動用検出脚112a及び112bに検出振動Sa及びSbとして伝達される。コリオリ振動Ca及びCbの位相は互いに逆である。同様に、検出振動Sa及びSbの位相も互いに逆である。コリオリ振動Ca,Cb及び検出振動Sa,Sbは、胴部10の主面に直交する方向の振動であるので、面垂直振動と称する。検出振動Sa,Sbの周波数は、コリオリ振動Ca,Cbの周波数と同じである。
胴部10は、板状であるので、その主面に平行な方向の振動、即ち面内振動に対しては極めて高い剛性を有し、他方主面に直交する方向の振動、即ち面垂直振動に対しては相対的に低い剛性を示す。そこで、励振用駆動脚111a,111bに生じる振動のうちで、面内振動である駆動振動Da及びDbは、検出脚112a,112bには殆ど伝搬せず、他方面垂直振動であるコリオリ振動Ca及びCbは高い効率で振動用検出脚112a,112bに伝搬する。振動用検出脚112a及び112bに伝搬したコリオリ振動が、音叉型振動ジャイロにおける検出振動Sa及びSbである。音叉型振動ジャイロは、検出振動Sa及びSbにより振動用検出脚112a及び112bの検出用電極に現れる電圧を検出信号として取り出し、駆動信号を基準位相信号として検出信号の同期検波をすることにより、角速度ωを測定する。角速度ωの大きさは検出振動の大きさ(検出信号の大きさに比例)、ひいては同期検波出力の絶対値として現れる。また角速度ωの方向は、駆動信号に対する検出振動の位相(=検出信号の位相)、ひいては同期検波出力の極性として現れる。
音叉型振動ジャイロでは、振動用検出脚112a,112bに現れる駆動振動成分がノイズであり、検出振動(Sa,Sb)が信号である。そこで、振動用検出脚112a,112bにおける検出振動成分(Sa,Sb)に対する駆動振動成分の比が信号対雑音比(S/N比)となるので、角速度ωを高い精度で検出するには、振動用検出脚112a,112bに漏れ、現れる駆動振動成分を低減する必要がある。振動用検出脚112a,112bに漏れる駆動振動成分は、信号成分[検出振動成分(Sa,Sb)]に対するバイアスとなり、このバイアスが不安定であれば、角速度ωの検出精度は低下する。
図13は、6脚型の振動子を備える音叉型振動ジャイロの要部を示す分解斜視図である。この6脚型の振動子は、図12の4脚型の振動子における励振用駆動脚111a及び111bの間に1つの非励振用駆動脚を設け、また振動用検出脚112a及び112bの間に1つの非振動用検出脚を設けた構造を有する。 図において、1は音叉型振動子、2は支持部材、3はパッケージ、10は胴部、11は駆動脚、11a,11bは励振用駆動脚、11cは非励振用駆動脚、12は検出脚、12a,12bは振動用検出脚、12cは非振動用検出脚、30はパッケージ基板、30aは支持部材搭載領域、31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,37a,37bは端子である。
図13には、音叉型振動子1、支持部材2およびパッケージ3が分解して示してある。音叉型振動子1、支持部材2およびパッケージ3が組み合わされた状態では、支持部材2の下面はパッケージ基板30の上面における支持部材搭載領域30aに接着剤で固着され、支持部材2の上面は音叉型振動子1の胴部10の下面の支持部材固着領域に接着剤で固着されている。支持部材固着領域の中心は、胴部10の下面の平面形の重心位置にある。符号1,2,3の部材が結合された状態は、支持部材2が、支持部材搭載領域30aを支点として、音叉型振動子1の重心位置を支持している状態であり、音叉型振動子1が支持部材2を介してパッケージ3に搭載された状態である。
音叉型振動子1における駆動脚11は、図12の駆動脚111における励振用駆動脚111a,111bに対応する励振用駆動脚11a,11bに加え、非励振用駆動脚11cを備える。同様に、音叉型振動子1における検出脚12は、図12の検出脚112における振動用検出脚112a,112bに対応する振動用検出脚12a,12bに加え、非振動用検出脚12cを備える。非励振用駆動脚11c及び非振動用検出脚12cは、特許文献1及び2の音叉型振動ジャイロにも非励振用駆動側アーム及び非振動用検出側アームとして設けてあるものであり、駆動脚11および検出脚12の振動を安定化するために備えてある。図13の音叉型振動ジャイロにおける音叉型振動子1の作用は、図12に示す音叉型振動子の作用と同様である。
図13の音叉型振動子1は、ランガサイトからなる単結晶圧電体である。この音叉型振動子1は、ワイヤーソー、砥石等による機械加工により成形される。音叉型振動子1における励振用駆動脚11a及び11bの少なくとも一方には駆動用電極が、振動用検出脚12a及び12bの少なくとも一方には検出用電極がそれぞれ設けてあるが、図示は省略してある。また、駆動用電極および検出用電極は、端子31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,37a又は37bの内のいずれかへボンディングワイヤで接続されているが、それらボンディングワイヤも図示が省略してある。
特開2001‐255152 特開2001‐208545 特開2002−243451 特開2000−337880 特開平11−64000 特開平10−170274
振動ジャイロ用音叉型振動子では、材料の物性値の異方性などにより駆動振動に非対称性が発生する。駆動振動に非対称性には、駆動脚11が2つの励振用駆動脚11a及び11bでなる図13の振動子の例では、励振用駆動脚11a及び11bそれぞれが、外側に振れるときと内側に振れるときとで振動変位(振れの大きさ)が相違するという意味の非対称振動と、励振用駆動脚11aと11bとで面内方向の振動変位が相違するという意味の非対称振動とがある。これらの振動ジャイロ用音叉型振動子に於ける非対称振動成分は、漏れ駆動振動として振動用検出脚12aと12bに現れる。振動用検出脚12aと12bに漏れ駆動振動が現れると、振動用検出脚12aと12bにおける検出振動には、コリオリ力に基づくコリオリ振動に漏れ駆動振動が重畳される。検出振動における漏れ駆動振動成分は、検出信号におけるバイアスとなる。このバイアスは、振動ジャイロの角速度検出精度を下げる。特に、バイアスは環境温度などにより変動するので、バイアスが大きいことは角速度検出精度の不安定性の原因となる。
振動ジャイロ用音叉型振動子における駆動振動の非対称性は次のような原因により生じる。
(1)音叉型振動子が圧電単結晶でなるとき、弾性定数や圧電定数といった結晶の物性値に異方性が圧電単結晶にある、すなわち振動子の結晶異方性に起因する非対称振動。
(2)励振用駆動脚11a,11bの形状加工誤差に起因する非対称振動。
(3)励振用駆動脚11a,11bが面内振動をするときに、励振用駆動脚11a,11bの面内振動に関する胴部10の等価弾性率が励振用駆動脚11a,11bの外側で小さく、内側で大きいことによるもの、すなわち胴部10の等価弾性率の非対称性によるに起因する非対称振動。ここでいう胴部10の等価弾性率とは、励振用駆動脚11a,11bが面内振動をするとき、励振用駆動脚11a,11bが胴部10から受ける拘束の強さに関するものである。胴部10の等価弾性率の非対称性は、具体的には、励振用駆動脚11a,11bが内側に振れるときは、外側に振れるときより、胴部10より大きな拘束力を受け、励振用駆動脚11a,11bの振動変位が内側に振れるときは小さく、外側に振れるときは大きくなるという現象として、現れる。胴部10の等価弾性率の非対称性は、胴部10の側面10e,10fにより近い部分に励振用駆動脚11a,11bを形成しているほど、顕著に現れる。
駆動振動が振動用検出脚に漏れるのを抑制する構造として、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6に記載のものが提案されている。
図8は、特許文献3に記載の角速度センサおよびその特性調整方法を示す。特許文献3では、一対の励振駆動脚について、質量バランスを厳密に調整するために、いずれか一方、もしくは両方の稜線に研削部(31b)を設けている。振動子製造後に出力を見ながら調整加工を行うので、調整の自由度はあるが、加工が難しく、調整にかかる工数が大であり、製造コストの上昇を招く。
図9は特許文献4記載の振動型ジャイロ調整方法を示す。特許文献4では、一対の励振駆動脚について、その一方の根元を深さ方向に角度をつけて溝加工を施し、共振周波数の調整と漏れ振動軽減の調整を同時に行っている。この方法では、振動子製造後に出力を見ながら調整加工を行うので、調整の自由度はあるが、加工が難しく、調整にかかる工数が大であり、製造コストの上昇は避けられない。
図10は特許文献5記載の振動ジャイロで、電極の配置で振動方向や振幅を制御する方法が提案されている。機械的振動品質係数Qが数千から数万と高い圧電単結晶材料でなる振動子を、共振状態で使用する振動ジャイロにおいては、一般に、電極の面積や印加電圧を変えても振動の方向や振幅は殆ど変化しないので、この方法は圧電単結晶材料でなる振動ジャイロには効果が少ない。
図11は特許文献6記載の振動ジャイロで、励振駆動脚の剛性を変えるため脚の角部へ金属の蒸着、接着剤の塗布を行っている。安価な設備で実施でき、振動子を破損する怖れもないが、この方法も、振動子製造後に出力を見ながら調整加工を行うので、調整にかかる工数が大であり、製造コストの上昇は避けられない。
そこで、本発明の目的は、振動子の結晶異方性などに起因する駆動振動の非対称性を低減し、振動子毎の個別の加工工程を要せずしてバイアスおよび不安定性を低減できる構造の振動子を備える音叉型振動ジャイロの提供にある。
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
(1)一対の励振用駆動脚および一対の振動用検出脚並びに該励振用駆動脚および該振動用検出脚を結合する胴部でなり、一対の励振用駆動脚が該胴部の1つの端面に設けてある圧電単結晶製の音叉型振動子を有
前記励振用駆動脚の振動方向における前記端面の両端部近傍を前記胴部の肩部と称するとき、該胴部の伸縮を制御するための肩部伸縮制御電圧が印加される電極を該肩部に設けた振動ジャイロにおいて、
前記電極は、前記肩部伸縮制御電圧により前記励振用駆動脚の長手方向に前記胴部の伸縮を制御する位置に設けてあり、
前記一対の該励振用駆動脚が前記胴部の側面側に振れているときの振動変位及び該胴部の中央側に振れているときの振動変位を夫々外側振動変位および内側振動変位と称するとき、該外側振動変位と該内側振動変位とが均等となるように前記肩部伸縮制御電圧が制御されること特徴とする振動ジャイロ。
(2)一対の励振用駆動脚および一対の振動用検出脚並びに該励振用駆動脚および該振動用検出脚を結合する胴部でなり、一対の励振用駆動脚が該胴部の1つの端面に設けてある圧電単結晶製の音叉型振動子を有
前記励振用駆動脚の振動方向における前記端面の両端部近傍を前記胴部の肩部と称するとき、該胴部の伸縮を制御するための肩部伸縮制御電圧が印加される電極を該肩部に設けた振動ジャイロにおいて、
前記電極は、前記肩部伸縮制御電圧により前記励振用駆動脚の長手方向に前記胴部の伸縮を制御する位置に設けてあり、
前記一対の該励振用駆動脚が前記胴部の側面側に振れているときの振動変位及び該胴部の中央側に振れているときの振動変位を夫々外側振動変位および内側振動変位と称するとき、該一対の該励振用駆動脚における各脚の外側振動変位が均等となるように前記肩部伸縮制御電圧が制御されること特徴とする振動ジャイロ。
(3)前記肩部伸縮制御電圧は、前記励振用駆動脚を励振する駆動信号に同期していることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の振動ジャイロ。
(4)前記肩部伸縮制御電圧の周波数は、前記励振用駆動脚を励振する駆動信号の高調波と同じであることを特徴とする前記(1)、(2)又は(3)に記載の振動ジャイロ。
上記本発明によれば、結晶異方性による振動子に生じる歪の左右非対称性、形状加工誤差および胴部の等価弾性率の非対称性などによるバイアスおよび不安定性が、振動子製造後に出力を見ながら振動子を加工という工程を要せずして実現できる構造の振動子を備える音叉型振動ジャイロが提供できる。この本発明の音叉型振動ジャイロでは、振動子製造後に出力を見ながら振動子を調整するという工程含むことなく、振動子を製造できるので、検出脚に漏れる駆動振動が低減され、ひいては角速度検出精度の向上と安定化が図られる。また、本発明の振動ジャイロにおける振動子は、製造後の加工を要しないので、製造後に振動子を個々に加工し、振動の非対称性を改善する従来の振動ジャイロに比べ、安価に製造できる。
次に本発明の実施の形態を挙げ、図面を参照し、本発明を一層具体的に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示す概念図である。図2(A)は、図1の実施の形態における振動子1を示す斜視図である。図2(B)は、同図(A)の振動子1における胴部10の肩部14,15に設けられた伸縮制御用電極4a,4b,5a,5bと、伸縮制御用電極4a,4b,5a,5bに印加される肩部伸縮制御電圧V1,V2と、肩部14,15の伸縮方向を示す図である。図2(C)は、同図(A)とは逆極性の肩部伸縮制御電圧V1’,V2’を伸縮制御用電極4a,4b,5a,5bに印加したときの肩部14,15の伸縮方向を示す図である。図3(A),(B)は、図1の実施の形態における胴部10の肩部14,15に設けられた伸縮制御用電極に印加される電圧の極性に応じた肩部14,15の伸縮と、肩部14,15の伸縮による励振用駆動脚11a,11bの振動変位の制御を説明する図である。図4は、胴部10における等価弾性率が励振用駆動脚11a,11bの外方振動変位のときと内方振動変位のときとで異なることに起因して、励振用駆動脚11a,11bの外側への最大振動変位(半振幅)と内側への最大振動変位(半振幅)とが相違することを説明する図である。図5は、振動子1に加工誤差ある場合には、その加工誤差に起因して、励振用駆動脚11a及び11bが外側へ変位するとき、励振用駆動脚11aと11bとで最大振動変位(半振幅)が相違することを説明する図である。図6は、図5の振動子1の伸縮制御用電極に駆動信号に同期した交流の肩部伸縮制御電圧V1,V2を印加することにより、励振用駆動脚11a,11bの振動変位を制御する本発明の第2の実施の形態を説明する図である。図3(C),(D)は、図6の実施の形態における胴部10の肩部14,15に設けられた伸縮制御用電極に印加される電圧の極性に応じた肩部14,15の伸縮と、肩部14,15の伸縮による励振用駆動脚11a,11bの振動変位の制御を説明する図である。図7は、図1の振動子1の伸縮制御用電極に、駆動信号に同期した脈流の肩部伸縮制御電圧V1,V2を印加することにより、励振用駆動脚11a,11bの振動変位を制御する本発明の第3の実施の形態を説明する図である。図1、図2、図4乃至図7における振動子1は、コンピュータプログラムにより脚の振動をシミュレートすることにより生成した。
図1乃至図7において、1は音叉型振動子、4,5は交流電源、4a,4bは胴部10の肩部14に設けられた伸縮制御用電極、5a,5bは胴部10の肩部15に設けられた伸縮制御用電極、10は胴部、11a,11bは励振用駆動脚、 11a’は最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11a、11a’’は最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11a、11b’は最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11b、11b’’は最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11b、11cは非励振用駆動脚、12a,12bは振動用検出脚、12cは非振動用検出脚、14,15は胴部10の肩部、14’,15’は伸張した状態の胴部10の肩部、14’’,15’’は縮んだ状態の胴部10の肩部、16は胴部10の内側部(励振用駆動脚11a及び非励振用駆動脚11cの間の部分)、17は胴部10の内側部(励振用駆動脚11b及び非励振用駆動脚11cの間の部分)、40は胴部10の肩部14の伸縮方向、40aは胴部10の肩部14が伸びる方向、40bは胴部10の肩部14が縮む方向、50は胴部10の肩部15の伸縮方向、50aは胴部10の肩部15が伸びる方向、50bは胴部10の肩部15が縮む方向、Daoは励振用駆動脚11aが外側に振れるときの振動変位(半振幅)、Dboは励振用駆動脚11bが外側に振れるときの振動変位(半振幅)、Daiは励振用駆動脚11aが内側に振れるときの振動変位(半振幅)、Dboは励振用駆動脚11bが内側に振れるときの振動変位(半振幅)、V1,V1’は電極4a,4a間に印加する肩部伸縮制御電圧、V2,V2’は電極5b,5b間に印加する肩部伸縮制御電圧、X,Y,Zは振動子1をなす圧電単結晶の座標軸をそれぞれ示す。
図1の実施の形態の振動ジャイロにおける振動子1は、図13に示したものと同じく、6脚型の音叉型振動子であり、一対の励振用駆動脚11a,11bおよび一対の振動用検出脚12a,12bを胴部10で結合してなり、励振用駆動脚11a,11bの間に非励振用駆動脚11cを設け、振動用検出脚12a,12bの間に非振動用検出脚12cを設けてなる。本実施の形態の振動ジャイロ振動ジャイロでは、振動子1は、図13に示す如くに、支持部材2を介してパッケージ3に搭載される。振動子1は、図2乃至図4において図1と同じであり、圧電単結晶でなる。図1乃至図3で示す本発明の第1の実施の形態の振動ジャイロは、胴部10の肩部14に伸縮制御用電極4a,4bを設け、胴部10の肩部15に伸縮制御用電極5a,5bを設け、これらの電極4a,4b間に肩部伸縮制御電圧V1を印加し、電極5a,5b間に肩部伸縮制御電圧V2を印加することを特徴とする。直流電源4および5は、肩部伸縮制御電圧V1及びV2をそれぞれ出力する。図1において、11a’は最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11a、11a’’は最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11a、11b’は最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11b、11b’’は最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11bをそれぞれ示す。
図4は、図1の実施の形態における伸縮制御用電極4a,4b,5a,5b及び交流電源4,5を除いた構成の振動子1における振動変位の大きさを説明する図である。圧電単結晶でなる。振動子においては、前述の如く、(1)振動子の結晶異方性、(2)励振用駆動脚11a,11bの形状加工誤差、又は(3)胴部10の等価弾性率の非対称性などに起因し、駆動振動が非対称になることは前述のとおりである。駆動振動の非対称性には、駆動脚11が2つの励振用駆動脚11a及び11bでなる振動子では、励振用駆動脚11a及び11bそれぞれが、外側に振れるときと内側に振れるときとで振動変位(振れの大きさ)が相違するという意味の非対称振動と、励振用駆動脚11aと11bとで面内方向の振動変位が相違するという意味の非対称振動とがある。
図4の振動子1における励振用駆動脚11a、11bが駆動信号で励振され、駆動振動をするとき、励振用駆動脚11a、11bの根元付近胴部10の振動変位を測定すると、内側部16,17近傍よりも肩部14,15近傍で振動変位が大きいことがわかる。したがって、励振用駆動脚11a、11bが外側に向って振れるとき、内側に向って振れるときよりも駆動脚の振動変位も大きくなる。以上のような、駆動脚の振れる向きによる振動変位の違いを、胴部10の等価な弾性率の違いとして表現する事も可能であるから、励振用駆動脚11a,11bが外側に向って振れるとき、振動子の等価弾性率は小となると言うことができる。
いま、図4の振動子1においては、振動子の結晶異方性および励振用駆動脚11a,11bの形状加工誤差はなく、励振用駆動脚11a,11bの面内振動方向(左右方向振動)の非対称性は、励振用駆動脚11a,11bに関する胴部10の等価弾性率の非対称性に起因するものだけであるとする。このような振動子1においては、励振用駆動脚11aが外側に振れるときの振動変位(半振幅)Dao、励振用駆動脚11bが外側に振れるときの振動変位(半振幅)Dbo、励振用駆動脚11aが内側に振れるときの振動変位(半振幅)Daiおよび励振用駆動脚11bが内側に振れるときの振動変位(半振幅)Dbiの関係は、図4に示すように、Dao=Dbo>Dai=Dbiとなる。
図2(A)は、図4と同じ振動形態にあるときの図1の振動子1をだけを取り出して示す斜視図である。図2(B)は、同図(A)における破線の円jでもって示す胴部10だけを取り出した拡大図であり、胴部10の肩部14に伸縮制御用電極4a,4bを設け、胴部10の肩部15に伸縮制御用電極5a,5bを設け、これらの電極4a,4b間に肩部伸縮制御電圧V1を印加し、電極5a,5b間に肩部伸縮制御電圧V2を印加することにより、胴部10の肩部14及び15を方向40a及び50aに伸長できることを示す。図2(C)は、同図(B)における肩部伸縮制御電圧V1及びV2に代えて、逆極性の肩部伸縮制御電圧V1’及びV2’を伸縮制御用電極4a,4b及び5a,5b間にそれぞれ印加することにより、胴部10の肩部14及び15を方向40b及び50bに圧縮できることを示す。
図3(A)は、本発明の第1の実施の形態の振動ジャイロにおいて、励振用駆動脚11a,11bを外側に変位させる位相に駆動信号があるとき、肩部伸縮制御電圧V1およびV2を伸縮制御用電極4a,4b及び5a,5bに印加することにより、肩部14及び15を方向40a及び50aに伸張させることを説明する図である。図3(A)において、符号11a’ ,11b’は最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11a,11bを示し、符号14’,15’は伸張した状態の胴部10の肩部を示す。このときの肩部伸縮制御電圧V1の極性は伸縮制御用電極4a及び4bにおいてそれぞれマイナス(−)及びプラス(+)となり、肩部伸縮制御電圧V2の極性は伸縮制御用電極5a及び5bにおいてそれぞれマイナス(−)及びプラス(+)となる。図3(A)のように、肩部14及び15を方向40a及び50aに伸張させることにより、励振用駆動脚11a,11bの外側方向変位を抑制できる。ここで、励振用駆動脚11a,11bの外側変位を抑制することは、励振用駆動脚11a,11bの外側方向変位に関する胴部10の弾性率を増大したことに等価である。
図3(B)は、本発明の第1の実施の形態の振動ジャイロにおいて、励振用駆動脚11a,11bを内側に変位させる位相に駆動信号があるとき、肩部伸縮制御電圧V1およびV2を伸縮制御用電極4a,4b及び5a,5bに印加することにより、肩部14及び15を方向40a及び50aに伸長させられることを説明する図である。図3(B)において、符号11a’ ’,11b’ ’は最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11a,11bを示し、符号14’,15’は伸長した状態の胴部10の肩部を示す。このときの肩部伸縮制御電圧V1の極性は伸縮制御用電極4a及び4bにおいてそれぞれマイナス(−)及びプラス(+)となり、肩部伸縮制御電圧V2の極性は伸縮制御用電極5a及び5bにおいてそれぞれマイナス(−)及びプラス(+)となる。図3(B)のように、肩部14及び15を方向40a及び50aに伸長することにより、励振用駆動脚11a,11bの内側方向変位を助長できる。
図3における振動子は図4における振動子1と同一のものであり、V1,V2を印加しないときは励振用駆動脚11a,11bの振動変位がDao=Dbo>Dai=Dbiとなる。そこで、V1,V2の極性を図3(A)のように設定し、V1=V2とし、肩部14及び15を方向40a及び50aに同じ大きさだけ伸張させることにより、励振用駆動脚11a,11bの外側方向変位Dao,Dboを等しく抑制する。また、図3(B)のように図3(A)と同じ極性のV1,V2であり、かつV1=V2とし、肩部14及び15を方向40a及び50aに同じ大きさだけ伸長させ、励振用駆動脚11a,11bの内側方向変位Dai,Dbiを等しく助長することになるので、Dao=Dbo=Dai=Dbiとすることができる。
図3を参照して説明したように、本発明の第1の実施の形態の振動ジャイロでは、胴部10に設けられる励振用駆動脚11a,11bの取り付け位置が胴部10の端面の中央位置から胴部10の側面側に寄っていることに起因して励振用駆動脚11a,11bに関する胴部10の等価弾性率に左右非対称性が生じ、ひいては励振用駆動脚11a,11bの振動変位がDao=Dbo>Dai=Dbi(図4参照)となる振動子1であっても、肩部伸縮制御電圧V1,V2の大きさを制御することにより、図1に示すように、励振用駆動脚11a,11bの振動変位をDao=Dbo=Dai=Dbiとすることができる。このような本発明の第1の実施の形態の振動ジャイロでは、励振用駆動脚11a,11bの駆動振動に非対称振動成分がないので、漏れ駆動振動が振動用検出脚12a,12bに現れず、振動用検出脚12a,12bにおける検出振動には、漏れ駆動振動に起因するバイアスがコリオリ力に基づくコリオリ振動に重畳されないので、角速度検出精度が高く、またバイアスが環境温度などにより変動しないので、角速度検出精度の安定性に優れている。また、本実施の形態の振動ジャイロにおける振動子は、製造後の加工を要しないので、製造後に振動子を個々に加工し、振動の非対称性を改善する従来の振動ジャイロに比べ、安価に製造できる。
次に図5及び図6を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。図5,図6の実施の形態の振動ジャイロにおける振動子1では、材料が圧電単結晶でなり、(1)弾性定数や圧電定数といった結晶の物性値の異方性(結晶異方性)または(2)励振用駆動脚11a,11bの形状加工誤差があり、これら結晶異方性または形状加工誤差に起因して、励振用駆動脚11aの振動変位と11bの振動変位とに相違がある。図5,図6の振動子1はその他の点においては図1乃至図4に示した振動子1と同様な構造を有している。図5,図6では、伸縮制御用電極4a及び5aだけが現れているが、図2,図3同様に、伸縮制御用電極4b及び5bも設けてある。図5は、このような振動子1の伸縮制御用電極4a,4b及び5a,5bに肩部伸縮制御電圧V1及びV2を印加しないとき、励振用駆動脚11a及び11bの外側方向の振動変位Dao,Dboが相違し、Dao<Dboとなった場合を示している。この構造の振動子1では、内側方向の振動変位Dai,Dbiも互いに相違し、Dai<Dbiとなる。
図6は、伸縮制御用電極4a,4b及び5a,5bに肩部伸縮制御電圧V1及びV2を印加しないとき、図5の如くに、励振用駆動脚11a及び11bの左右方向の振動変位が非対称になる振動子1であっても、振動子1の伸縮制御用電極4a,4b及び5a,5bに適切な大きさ・極性の肩部伸縮制御電圧V1及びV2をそれぞれ印加することにより、励振用駆動脚11a,11bの振動変位をDao=Dbo=Dai=Dbiとすることができることを示している。図5では、Dao<Dbo,Dai<Dbiであるから、励振用駆動脚11aの内外側方向の振動変位Dao,Daiを助長し、励振用駆動脚11bの内外側方向の振動変位Dbo,Dbiを抑制するように、肩部伸縮制御電圧V1及びV2の極性を反転して設定してある。図3(C),(D)は、励振用駆動脚11a,11bの振動変位の抑制および助長をするための肩部伸縮制御電圧V1,V2の極性を説明している。
図5及び図6並びに図3(C),(D)を参照して説明したように、本発明の第2の実施の形態の振動ジャイロでは、結晶異方性または形状加工誤差に起因して、励振用駆動脚11a,11bの振動変位がDao<Dbo,Dai<Dbi(図5参照)となる振動子1であっても、肩部伸縮制御電圧V1,V2の大きさを制御することにより、図6に示すように、励振用駆動脚11a,11bの振動変位をDao=Dbo=Dai=Dbiとすることができる。このような本発明の第2の実施の形態の振動ジャイロでは、励振用駆動脚11a,11bの駆動振動に非対称振動成分がないので、漏れ駆動振動が振動用検出脚12a,12bに現れず、振動用検出脚12a,12bにおける検出振動には、漏れ駆動振動に起因するバイアスがコリオリ力に基づくコリオリ振動に重畳されないので、角速度検出精度が高く、またバイアスが環境温度などにより変動しないので、角速度検出精度の安定性に優れている。
図7は、図1の振動子1の伸縮制御用電極に、駆動信号に同期した脈流の肩部伸縮制御電圧V1,V2を印加することにより、励振用駆動脚11a,11bの振動変位を制御する本発明の第3の実施の形態を説明する図である。この図7の第3の実施の形態の電源4は、脈流電源であり、直流電圧V11と交流電圧V12とを加算した電圧V1を出力し、図1の第1の実施の形態における電源4と図6の第2の実施の形態における電源4とを重畳した構成である。同様に、図7の第3の実施の形態の電源5は、脈流電源であり、直流電圧V21と交流電圧V22とを加算した電圧V2を出力し、図1の第1の実施の形態における電源5と図6の第2の実施の形態における電源5とを重畳した構成である。このように、図7の実施の形態は、図1の実施の形態における直流電源を脈流電源に代えたものであり、第1及び第2の実施の形態の特徴を併せ持ち、直流電圧V11と交流電圧V12との比率および直流電圧V21と交流電圧V22との比率並びに両電圧の極性の選択により、励振用駆動脚11a,11bの振動変位を任意に制御できる。
図1、図2、図3(A),(B)及び図4を参照し、励振用駆動脚11a,11bに関する胴部10の等価弾性率の非対称性に起因して、励振用駆動脚11a,11bの駆動振動の振動変位が外側方向と内側方向とで相違するという駆動振動の非対称性を除く本発明の第1の実施の形態につき説明した。また、図5,図6及び図3(C),(D)を参照し、材料が圧電単結晶でなり、(1)弾性定数や圧電定数といった結晶の物性値の異方性(結晶異方性)または(2)励振用駆動脚11a,11bの形状加工誤差が振動子1にあり、これら結晶異方性または形状加工誤差に起因して、励振用駆動脚11aの振動変位と11bの振動変位とに相違がある場合における励振用駆動脚11a,11bの振動変位を均等にする本発明の第2の実施の形態について述べた。図7を参照して説明した本発明の第3の実施の形態は、第1及び第2の実施の形態の特徴を併せ持つ。勿論、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、励振用駆動脚11a,11bに関する胴部10の等価弾性率の非対称性並びに振動子1の結晶異方性または励振用駆動脚11a,11bの形状加工誤差がともにある振動子においては、肩部伸縮制御電圧V1,V2の大きさ・極性を制御することにより、励振用駆動脚11a,11bの振動変位をDao=Dbo=Dai=Dbiとすることができる。
また、第2の実施の形態において、肩部伸縮制御電圧V1,V2の周波数は、駆動信号の周波数に同期させるとしたが、駆動信号の周波数の整数倍の周波数、例えば10倍の高調波周波数であっても、肩部の伸縮制御は可能であり、振動子1の等価弾性率を有効に変化させる事はできる。
第1および第2の実施の形態における振動子は6脚型であったが、本発明を適用できる振動子は6脚型に限らず、2脚以上であって、1対又は複数対の励振駆動脚を胴部で結合した構造の振動子にも本発明は適用できる。
本発明の第1の実施の形態を示す概念図である。 図1の実施の形態における胴部10の肩部14,15に設けられた伸縮制御用電極と肩部14,15の伸縮方向を示す図である。 本発明の第1の実施の形態(図1)における胴部10の肩部14,15に設けられた伸縮制御用電極に印加される直流電圧の極性に応じた肩部14,15の伸縮と、肩部14,15の伸縮による励振用駆動脚11a,11bの振動変位の制御を説明する図[(A)及び(B)]、並びに本発明の第2の実施の形態(図6)における胴部10の肩部14,15に設けられた伸縮制御用電極に印加される交流電圧の極性に応じた肩部14,15の伸縮と、肩部14,15の伸縮による励振用駆動脚11a,11bの振動変位の制御を説明する図[(C)及び(D)]である。 胴部10における等価弾性率は、励振用駆動脚11a,11bが外側へ変位するときと内側へ変位するときとで異なることに起因して、励振用駆動脚11a,11bの外側への最大振動変位(半振幅)と内側への最大振動変位(半振幅)とが相違することを説明する図である。 振動子1に加工誤差ある場合には、その加工誤差に起因して、励振用駆動脚11a及び11bが外側へ変位するとき、励振用駆動脚11aと11bとで最大振動変位(半振幅)が相違することを説明する図である。 図5の振動子1の伸縮制御用電極に駆動信号に同期した交流の肩部伸縮制御電圧V1,V2を印加することにより、励振用駆動脚11a,11bの振動変位を制御する本発明の第2の実施の形態を説明する図である。 本発明の第3の実施の形態を示す概念図である。 特許文献3に記載の角速度センサを示す図である。 特許文献4記載の振動型ジャイロを示す図である。 特許文献5記載の振動ジャイロの図で、電極の配置で振動方向や振幅を制御する方法が示されている。 特許文献6記載の振動ジャイロの図で、励振駆動脚の剛性を変えるため脚の角部へ金属の蒸着、接着剤の塗布を行っている。 一対の駆動脚と一対の検出脚とを胴部で結合した構造の音叉型振動子の作動原理を説明する図である。 一対の励振用駆動脚および1つの非励振用駆動脚で駆動脚を構成し、一対の振動用検出脚および1つの非振動用検出脚で検出脚を構成し、駆動脚および検出脚を胴部で結合した構造の6脚音叉型振動子を備えた振動ジャイロを示す分解斜視図である。
符号の説明
1 音叉型振動子
2 支持部材
3 パッケージ
4,5 電源
4a,4b 胴部10の肩部14に設けられた伸縮制御用電極
5a,5b 胴部10の肩部15に設けられた伸縮制御用電極
10 胴部
10c,10d 胴部端面
10e,10f 胴部側面
11,111 駆動脚
11a,11b,111a,111b 励振用駆動脚
11a’ 最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11a
11a’’ 最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11a
11b’ 最も大きく外側に変位した状態の励振用駆動脚11b
11b’’ 最も大きく内側に変位した状態の励振用駆動脚11b
11c 非励振用駆動脚
12,112 検出脚
12a,12b,112a,112b 振動用検出脚
12c 非振動用検出脚
14,15 胴部10の肩部
14’,15’ 伸張した状態の胴部10の肩部
14’’,15’’ 縮んだ状態の胴部10の肩部
16 胴部10の内側部(励振用駆動脚11a及び非励振用駆動脚11cの間の部分)
17 胴部10の内側部(励振用駆動脚11b及び非励振用駆動脚11cの間の部分)
30 パッケージ基板
30a 支持部材搭載領域
31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,37a,37b 端子
40 胴部10の肩部14の伸縮方向
40a 胴部10の肩部14が伸びる方向
40b 胴部10の肩部14が縮む方向
50 胴部10の肩部15の伸縮方向
50a 胴部10の肩部15が伸びる方向
50b 胴部10の肩部15が縮む方向
Ca,Cb コリオリ振動
Da,Db 駆動振動
Dao 励振用駆動脚11aが外側に振れるときの振動変位(半振幅)
Dbo 励振用駆動脚11bが外側に振れるときの振動変位(半振幅)
Dai 励振用駆動脚11aが内側に振れるときの振動変位(半振幅)
Dbi 励振用駆動脚11bが内側に振れるときの振動変位(半振幅)
Sa,Sb 検出振動
V1 電極4a,4a間に印加する肩部伸縮制御電圧(実効値)
V2 電極5b,5b間に印加する肩部伸縮制御電圧(実効値)
X,Y,Z 振動子1をなす圧電単結晶の座標軸
ω 加速度

Claims (4)

  1. 一対の励振用駆動脚および一対の振動用検出脚並びに該励振用駆動脚および該振動用検出脚を結合する胴部でなり、一対の励振用駆動脚が該胴部の1つの端面に設けてある圧電単結晶製の音叉型振動子を有
    前記励振用駆動脚の振動方向における前記端面の両端部近傍を前記胴部の肩部と称するとき、該胴部の伸縮を制御するための肩部伸縮制御電圧が印加される電極を該肩部に設けた振動ジャイロにおいて、
    前記電極は、前記肩部伸縮制御電圧により前記励振用駆動脚の長手方向に前記胴部の伸縮を制御する位置に設けてあり、
    前記一対の該励振用駆動脚が前記胴部の側面側に振れているときの振動変位及び該胴部の中央側に振れているときの振動変位を夫々外側振動変位および内側振動変位と称するとき、該外側振動変位と該内側振動変位とが均等となるように前記肩部伸縮制御電圧が制御されること特徴とする振動ジャイロ。
  2. 一対の励振用駆動脚および一対の振動用検出脚並びに該励振用駆動脚および該振動用検出脚を結合する胴部でなり、一対の励振用駆動脚が該胴部の1つの端面に設けてある圧電単結晶製の音叉型振動子を有
    前記励振用駆動脚の振動方向における前記端面の両端部近傍を前記胴部の肩部と称するとき、該胴部の伸縮を制御するための肩部伸縮制御電圧が印加される電極を該肩部に設けた振動ジャイロにおいて、
    前記電極は、前記肩部伸縮制御電圧により前記励振用駆動脚の長手方向に前記胴部の伸縮を制御する位置に設けてあり、
    前記一対の該励振用駆動脚が前記胴部の側面側に振れているときの振動変位及び該胴部の中央側に振れているときの振動変位を夫々外側振動変位および内側振動変位と称するとき、該一対の該励振用駆動脚における各脚の外側振動変位が均等となるように前記肩部伸縮制御電圧が制御されること特徴とする振動ジャイロ。
  3. 前記肩部伸縮制御電圧は、前記励振用駆動脚を励振する駆動信号に同期していることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動ジャイロ。
  4. 前記肩部伸縮制御電圧の周波数は、前記励振用駆動脚を励振する駆動信号の高調波と同じであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の振動ジャイロ。
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