JP4293999B2 - 画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理方法及び装置並びに画像記録装置に係り、特に、インクジェットプリンタ等のようにドットにより被記録媒体上に画像を形成する画像記録装置において、高密度記録を行う場合に文字や線の太りを抑制する技術に関する。
従来より、画像記録装置として、インクを液滴として吐出する多数のノズルを配列させたインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインクを吐出することにより、被記録媒体上に画像を記録する画像記録装置が知られている。
このような、インクドットにより画像(文字や線を含む)を記録する画像記録装置においては、文字や線などの輪郭部において、インクの滲みが生じ、文字や線が太くなり、画像品質が劣化するという問題がある。
これに対して従来、このような文字や線の輪郭部でのインクの滲みを抑えて、文字や線の太りを解決する様々な技術が提案されている。
例えば、主走査方向に平行な輪郭線のドット、あるいは輪郭線から一列だけ内側の画素に形成されたドットを、間引いたり又はドットのサイズを小さくすることによって、ドットのインク量を削減して、輪郭部におけるインクの滲みを抑制するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また例えば、注目画素の周辺画素において、記録画素が密集しているかどうかを識別し、記録画素が密集している場合は、大きい記録ドット径で記録し、記録画素が密集していない場合(密集度が低い文字や線の場合)には、小さい記録ドット径で記録することによって、文字のつぶれ等を防止し、画像をシャープにするようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
このように、従来は、ベタ部においては、濃度を確保したり、濃度ムラを抑えるために、大きな直径のドットで打滴し、線や文字あるいはその輪郭部においては、小さなドット径のドットを使って打滴することにより、文字や線の太りを抑制するようにしていた。
特開2002−292848号公報 特開2000−141709号公報
しかしながら、最近では、高密度記録が行われるようになり、例えば1200dpi(ドット・パー・インチ)以上の記録密度で書き込まれ、文字も4ポイント程度の小さな文字となっているため、これに対応してドット径の小さなインクを打滴することが要求されている。記録密度が1200dpiの場合、ドット径を記録密度同等にするには最小ドット径21μm程度でなければならないが、このドット径を実現するには1pl(ピコリットル)未満のインク量のドットの打滴が必要であるが実現は難しく、現在最小ドット径は25μmから30μm程度にとどまっている。
例えば、2400dpiの高密度で、ドット径25μmの打滴を行う場合を図21(a)に示す。図21(a)は、記録が期待される理想領域を示す。図21(a)において、縦横の一点鎖線の交点が記録ドットの中心を表すとすると、今2400dpiであるので、ドット中心間の距離である各一点鎖線の間隔は約11μmとなる。
また、点線で区切られた各正方形が、その中心(一点鎖線の交点)に位置する記録ドットで記録されるとした理想的な場合に、図21(a)の実線で囲まれた矩形領域がその記録ドットで記録が期待される理想領域を表す。この場合理想的なドットは矩形状である。
また、図21(b)は、各一点鎖線の交点に記録ドットの中心が位置するようにして、ドット径25μmのドットを記録した場合を示す。このように、図22(a)に示す本来記録が期待される理想領域に比べて、実際に記録される図22(b)の領域は、より太い線となってしまう。
このように、記録密度2400dpi(ドット中心間隔約11μm)と、ドット径25μmの打滴の組み合わせでは、記録密度を基に文字や線のビットマップデータを作成すると、本来求められる線の太さより太い線となってしまう。これは、文字や線の太さが大きい場合は、気にならないが、4ポイント程度の小さな文字などでは、文字が太って、品質が低下する。
例えば、図22(a)に実線で表された2つの矩形で示すように、所望の線領域が、2つ線の間隔が近接している微小文字などのような場合を考える。前の例と同様に、記録密度2400dpi、ドット径25μmで打滴する。この場合、図22(a)に示すように、実線の矩形で表された2つの線の間隔が約22μm(1200dpi相当)となることが望ましい。しかし、各ドット中心位置にドット径25μmのドットを打滴すると、所望の線領域に対し、記録される線が太くなり、線の間の白地が、図22(b)に示すように、10μm以下と非常に細くなって文字がつぶれた状態に観察され、文字品位が落ちてしまう。 このように、上記従来技術では、輪郭部において小さなドットを打滴することで、滲みを防止し線の太りを抑制するようにしているが、記録密度2400dpiでドット径30μmのドットを打滴する場合のように、最小ドット径が記録ピッチより大きな場合には、文字や線の太りを抑制することはできないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、インクドットで画像を記録する場合に、高密度記録での微小文字や細線の太りを抑制し、画像品質を高くすることのできる画像処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被記録媒体上の記録位置に、記録密度で決まる記録ピッチより、最小ドットサイズが大きいドットサイズのドットで画像を記録する画像記録装置における画像処理方法であって、前記ドットを記録する記録対象領域が文字または線の場合に、前記文字または線の輪郭部の記録のために前記画像のデータに基づいて使用される記録位置に前記ドットサイズで記録した場合のドットを輪郭部ドットとしたとき、前記記録ピッチで決まる前記文字または線の理想的な輪郭線と、前記輪郭部ドットの最外周との距離、及び、前記輪郭部ドットに対して前記理想的な輪郭線と略直交する方向にそれぞれ異なる所定記録ピッチ分だけ前記文字または線の内側の記録位置に前記ドットサイズでドットを記録した場合の各内部隣接ドットの最外周と前記理想的な輪郭線との各距離を比較し、その距離が最小のドットを記録し、該ドットよりも輪郭方向外側のドットは記録しないようにすることを特徴とする画像処理方法を提供する。
これにより、打滴候補位置を輪郭部より複数段内側にさかのぼることにより、文字や線の輪郭部の最外郭ドット及びその内側のドットをどこまで打滴するか否かを決めるようにしたため、線の太り(あるいは逆に細り)や形状くずれを防止し、高密度記録での微小文字や細線の記録(再現)品質を向上させることができる
また、同様に前記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、被記録媒体上の記録位置に、記録密度で決まる記録ピッチより、最小ドットサイズが大きいドットサイズのドットで画像を記録する画像記録装置における画像処理方法であって、前記ドットを記録する記録対象領域が文字または線の場合に、前記文字または線の輪郭部の記録のために前記画像のデータに基づいて使用される記録位置に前記ドットサイズで記録した場合のドットを輪郭部ドットとしたとき、前記記録ピッチで決まる前記文字または線の理想的な輪郭線と、前記輪郭部ドットが互いに重なる部分の最外周との距離、及び前記輪郭部ドットに対して、前記理想的な輪郭線と略直交する方向にそれぞれ異なる所定記録ピッチ分だけ前記文字または線の内側の記録位置に前記ドットサイズでドットを記録した場合の各内部隣接ドットが互いに重なる部分の最外周と、前記理想的な輪郭線との距離と、を比較し、その距離が最小のドットを記録し、該ドットよりも輪郭方向外側のドットは記録しないようにすることを特徴とする画像処理方法を提供する。
このように、各ドットが重なる部分の最外周と理想的な輪郭線との距離を用いてそのドットを打滴するか否かを決定するのは、これより外側の各ドットが重ならない部分は、濃度も薄いため、実際に目視で輪郭と認識されるのは各ドットが重なった部分の最外周と考えられるからである。
また、請求項3に示すように、前記理想的な輪郭線は、前記文字または線の輪郭部の記録のために前記画像のデータに基づいて使用される記録位置に、前記記録ピッチと同じドットサイズで記録した場合の各ドットの最外周に対する接線であることを特徴とする。
これによれば、輪郭部の記録のために使用される記録位置に打たれるドットのドットサイズ(ドットの直径)は記録ピッチと同じであり、前記記録位置を中心に半径が記録ピッチの1/2のドット(理想的には、記録位置を中心にした一辺が記録ピッチと同じ長さの正方形のドット)が打たれるとすると、理想的な輪郭線は記録位置から記録ピッチの1/2の位置を通ることとなる。
以上説明したように、本発明に係る画像処理方法によれば、ドットを記録する記録対象領域が文字または線の場合に、線の太り(あるいは逆に細り)や形状くずれを防止し、高密度記録での微小文字や細線の記録(再現)品質を向上させることができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る画像処理方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像記録装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。
図1に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、4色(KCMY)に対応する印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからなり、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、それぞれ複数の吐出口(ノズル)を有し、記録紙16の全幅を担うように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの長手方向を紙搬送方向(副走査方向)と直交する記録紙16の幅方向(主走査方向)に並べて配置され、最大紙幅に対応する長さを有する、いわゆるフルライン型ヘッドとなっている(図2参照)。
図2に示すように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が、その長手方向に複数配列されたライン型ヘッドとして構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
なお、本実施形態では図2に示したように印字ヘッド12K、12C、12M、12Yはインクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたフルライン型ヘッドとして説明するが、図示は省略するが短尺の2次元に配列されたヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとするようにしてもよい。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているため、以下、これらを一つの印字ヘッド50で代表させて説明する事とする。
図3に、印字ヘッド50の構造例を平面透視図で示す。図3に示すように、本実施形態の印字ヘッド50は、インクを吐出するノズル51、インクを吐出する際インクに圧力を付与する圧力室52、図示しない共通流路から圧力室52にインクを供給するインク供給口53を含んで構成される多数の圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、これによりノズル51の見かけ上のノズルピッチの高密度化が図られている。
図3に示すように、各圧力室52は、上方から見るとその平面形状が概略正方形状をしており、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端にインク供給口53が設けられている。各圧力室52は、インク供給口53を介して図示しないインクの共通流路と連通されている。インクは、共通流路からインク供給口53を通って圧力室52に供給され、図示しないアクチュエータ等により発生された圧力により圧力室52が変形して、ノズル51から記録紙に向かって吐出されるようになっている。
また、図3中に示した一点鎖線4A−4Bに沿って圧力室ユニット54を切断した断面図を図4に示す。
図4に示すように、各圧力室ユニット54は、圧力室52の上面が振動板56によって構成され、その上に圧電素子58が形成されている。さらに、圧電素子58の上には、個別電極57が形成されている。また、振動板56は共通電極を兼ねており、共通電極(振動板56)と個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形して振動板56が撓み、圧力室52の容積が縮小されてノズル51からインクが吐出されるようになっている。そしてインク吐出後、共通流路55からインク供給口53を通って新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
図5は、本実施形態のインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ8を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図5において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの圧電素子58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでもよい。
また、本実施形態においては、インクジェット記録装置10は、以上の構成の他に、画像の解像性と階調性を両立させることを目的として、複数インクのインク重なり(ドット重なり)を制御する画像処理装置としての画像処理部90を有している。
図5においては、この画像処理部90は、便宜上システムコントローラ72やプリント制御部80とは別個のものとして図示しているが、例えば画像処理部90はシステムコントローラ72あるいはプリント制御部80に含まれて、その一部を構成するようにしてもよい。
画像処理部90は、プリント制御部80からドットサイズ情報及び記録密度情報を受け取り、打滴対象領域が文字または線の場合に、ドットサイズ及び打滴位置を選択して、高密度記録での微小文字や細線の品質を高くするような画像処理を行うものであり、画像処理部90で行われる画像処理の詳細について以下説明することとする。
まず本発明に係る画像処理方法の第1実施形態について説明する。
図6に、第1実施形態の画像処理方法における打滴配置の例を示す。なお、本発明においては、最小ドットサイズが記録ピッチより大きいことを前提としている。
図6(a)、(b)においては、縦横の一点鎖線の交点が記録(打滴)ドットの中心であり、ここで打滴されるドットは図6(c)に示すように、ドット径が25μmであるとする。また、図が複雑になるのを避けるため、図6(a)においては、右端の一番上のドット1個のみを表示し、図6(b)においては、最も右側から2列分のドットのみを表示している。
また、記録密度は2400dpiの高密度であるとする。従って、図6(a)、(b)中の一点鎖線間の距離が表す隣接するドットの中心間距離すなわち記録ピッチは、24.5mm(1インチ)÷2400=10.6μmとなる。このとき、図6(a)、(b)において、各一点鎖線の交点に打たれるドットによって、この交点を中心とする点線で表示された、ドット中心間距離と同じ長さの辺を有する各正方形の内部が記録される場合が理想的な場合であるとする。そして、図6(a)、(b)に、実線の矩形で表示された領域が、今理想的な記録が期待される理想領域であるとする。
このとき、図6(a)に示すように、理想領域内の最も右側の打滴位置である一点鎖線から、理想領域の右端である(右端の)理想輪郭位置Cまでの距離は、ドット中心間の距離10.6μmの1/2であり、5.3μmとなる。
これに対して、今実際に打滴されるドット径は25μmである。従って、図6(a)に示すように、理想領域内の最も右側の打滴位置(一点鎖線の交点)に打滴されたドットの半径は25÷2=12.5μmであるから、このドットは、理想輪郭位置Cよりも右側に、A=12.5−5.3=7.2μmだけ、はみ出すことになる。従って、理想領域内の全ての打滴位置(一点鎖線の交点)にドットを打滴するとすると、同様に理想領域の左側でもはみ出すため、本来記録が期待される理想領域である線幅よりも太くなってしまう。
そこで本実施形態では、図6(b)に示すように、理想領域内の左右の最も外側の一点鎖線上の打滴位置のドット(輪郭部ドット)を打滴しないようにする。すると、例えば右側について見ると、理想領域内の最も右側の一点鎖線より1つ内側の一点鎖線上の打滴位置に(そのドットの中心を)打滴されたドットの中心から理想領域の端部である理想輪郭位置Cまでの距離は、10.6+5.3=15.9μmとなる。これより、このドットの最外周と理想輪郭位置Cの距離は、上記距離15.9μmからドット半径12.5μmを引くことにより、B=15.9−12.5=3.4μmとなる。
そこで、上で算出した値A=7.2μmと、B=3.4μmとを比較すると、B=3.4μmの方が小さく、理想輪郭位置Cからのずれが少なく、より理想輪郭位置Cに近いことがわかる。従ってこの場合には、図6(b)のように、輪郭部ドットを打たないようにする打滴配置を選択する。このように図6(b)の打滴配置を選択することで、文字や線の太りを防止することができる。
このように打滴配置を選択する基準は、実際に記録されたドットの最外周と理想輪郭位置Cとのずれ量が最小となるような配置を選択するものである。このとき理想輪郭位置Cとのずれ量としては、図6(a)のように打滴ドットが理想輪郭位置Cより外側へはみ出している場合と、図6(b)のように打滴ドットの方が理想輪郭位置Cよりも内側へ引っ込んでいる場合とがあり、これら統一的に扱うには、ずれ量の絶対値をとって2点間の距離として、ずれ量は常に正の値として比較することになる。
なお、ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離をドット中心を通り理想輪郭線と垂直となる線上で説明したが、必ずしもこの線上に限定する必要はなく、輪郭線上のドット外周の他の位置から理想輪郭線に下ろした垂線上での距離を用いてもよい。
すなわち、上では図6(d)に示すように、各ドットの最外周が接する線(包絡線)H1と理想輪郭位置Cとの距離を用いたが、図6(e)に示すように、各ドットが重なる部分(図中の斜線部分)の最外周(図の斜線部の右端の尖った部分)が接する線(これも包絡線と言うことにする。)H2と理想輪郭位置Cとの距離を用いるようにしてもよい。
次に図7に、線の太りを防止するための打滴配置の選択の他の例を示す。図7に示す例は、記録密度が主走査方向(図の横方向)に1200dpi、副走査方向(図の縦方向)に2400dpiであり、打滴に用いたドットのサイズ(ドット径)は、前回と同じく25μmである。また、本来記録が期待される理想領域は実線で表された矩形であるとし、各縦横の一点鎖線の交点が打滴位置であるとする。この例についても理想領域の右側の輪郭のみで議論することとする。
図7(a)は、一点鎖線の交点が示す各打滴位置に普通にドットを打滴した場合を表している。このとき例えば右側について見ると、最も右側のドットの中心から理想領域の右端である理想輪郭位置Cまでの距離は、一点鎖線間の横方向の距離の半分(横に並んだドットの中心間の距離の半分)であり、いま横方向(主走査方向)の記録密度は1200dpiであるから、25.4mm÷1200÷2=10.6μmとなる。従って、最も右側のドットと理想輪郭位置Cとのずれ量は、ドットの半径12.5μmから、今求めた距離10.5μmを引いて、12.5−10.6=1.9μmとなる。図7(a)に示すように、この最も右側のドットは、理想輪郭位置Cよりも外側にA=1.9μmだけはみ出している。
これに対し、図7(b)は、理想領域内の最も右側の打滴位置のドットを打つのをやめた場合を表している。このとき、最も右側から1つ内側の打滴位置に打滴されたドットの最外周から理想輪郭位置Cまでの距離Bは、このドットの中心から理想輪郭位置Cまでの距離が上で求めた一点鎖線の横方向の距離の半分10.6の3倍あるので、これからドットの半径12.5を引いて、B=10.6×3−12.5=19.3μmとなる。
そこで、図7(a)の場合と、図7(b)の場合とで、実際に打ったドットの最も右側の外周の位置と理想輪郭位置Cとのずれ量A、Bを比較すると、上で求めたように、A=1.9μm、B=19.3μmであり、Aの方がBより小さい(A<B)であるため、この場合には図7(a)のような打滴配置を選択する。
この選択により、図7(a)の場合にはわずかながら(片側で約1.9μm)線が太るが、図7(b)の場合には、線が細くなり過ぎてしまう(片側で約19.3μm)ため、図7(a)の打滴配置を選択する方が望ましい。
今、2つ程、線の太り(あるいは線が細くなりすぎる等)による線の形状のくずれを防止するための打滴配置の選択の例を示したが、このような打滴配置の選択をどのように行うかを、処理を示すフローチャートに沿って説明する。
図8は、このような打滴配置の選択及びその他の処理を含めた全体の画像処理の流れを示すフローチャートである。
まず図8のステップS100において、文字や線領域のマスクデータMを獲得する。このマスクデータMは、文字領域か、線領域かを表すデータであり、詳しくは後で説明するが、文字や線部輪郭打滴位置の抽出及び輪郭方向の決定の処理に用いられるものである。文字や線などのベクトルデータをビットマップデータに展開する時に、文字、線領域のマスクデータMを獲得するようにすればよい。
次に、ステップS110において、ハーフトーン処理を行って、仮打滴データを求める。ハーフトーン処理は、網点処理とも言われ、画像の連続階調を再現するためのものであり、誤差拡散法やディザマトリクス法など公知の方法が用いられる。仮打滴データによりドットの配置のデータが求められる。
これらの各データが文字か線かは、上で求めたマスクデータMでわかるので、次のステップS120において、各データが文字か線かを判断し、文字や線についてその輪郭を求める。すなわち、文字、線部輪郭打滴位置の抽出と、各位置について輪郭方向、理想輪郭位置(例えば、図6等において符号Cで表示したもの)及び内部隣接打滴候補位置を決定する。このステップS120における処理については、別のフローチャートで詳しく説明する。
次に、ステップS130において、輪郭縮小処理を行って最終打滴データ、すなわち上で説明したような打滴配置を決定する。このステップS130の処理についても、後で別のフローチャートを用いて詳しく説明する。
図9に、文字、線部輪郭打滴位置の抽出と輪郭方向及び内部隣接打滴候補位置を決定する処理のフローチャートを示す。図9に示すフローチャートは、打滴位置1つについての処理を表している。
まず図9のステップS122において、打滴候補位置に打滴が存在するか否か判断する。打滴候補位置に打滴が存在しない場合には、処理を終了して、次の打滴候補位置についての処理に移る。
また、打滴候補位置に打滴が存在する場合には、次のステップS124へ進み、その打滴位置dが、マスクデータMに該当するか否か、すなわちそのデータが文字あるいは線か、またはそうではないかを判断する。その打滴位置dがマスクデータMに該当しない場合、すなわちそのデータが文字でも線でもない場合には、処理を終了して次の打滴候補位置の処理に移る。
また、ステップS124における判断で、その打滴位置dがマスクデータMに該当する場合には、文字あるいは線であるため、次のステップS126に進み、その打滴位置dが輪郭か否か、すなわち、輪郭打滴位置か否か判断する。
その結果、もし輪郭打滴位置でない場合には、処理を終了して、次の打滴候補位置の処理へ移る。また、輪郭打滴位置の場合には、次のステップS128に進み、この打滴位置dの輪郭方向、理想輪郭位置C、内部隣接打滴候補位置を求める。
この打滴位置dが輪郭打滴位置か否か判断する方法及び打滴位置dの輪郭方向、理想輪郭位置C、及び内部隣接打滴候補位置を求める方法について、以下具体的に図を用いて説明する。
輪郭打滴位置か否かを判断する判定対象位置である打滴位置dに対し、これを囲む周囲の8つの打滴位置がマスクデータMに該当するか否か、すなわち、マスク内か、マスク外かによって、その打滴位置dが輪郭打滴位置か否かを判定するとともに、輪郭である場合に、その輪郭方向、理想輪郭位置C及び内部隣接打滴候補位置Nが決定される。
そこで、打滴位置dを囲む8つの打滴位置がマスク内かマスク外かによって場合分けした様々なパターンを図10及び図11に示す。ただし、図10、図11において、各図に示された各パターンを90°あるいは180°回転したり、反転した場合に同じパターンとなるものは省略している。
また、各図のパターンにおいて、マスク内である打滴位置dに対し、その周囲の8つの打滴位置については、マスク内なら黒丸で、マスク外なら白丸で表している。また、打滴位置dが輪郭打滴位置である場合に、実線で輪郭を表し、打滴位置dから延びる矢印の方向で輪郭方向を表し、矢印の終点で理想輪郭位置Cを表すものとする。また、打滴位置dから延びる矢印の反対側の黒丸に白抜きのNが表示された打滴位置が内部隣接候補位置を表すものとする。
まず図10(a)は、打滴位置dの周囲8個全ての打滴位置がマスク内であり、打滴位置dは輪郭打滴位置ではない。図10(b)は、打滴位置dに対して、左上側が白丸でマスク外となっているため、打滴位置dは輪郭打滴位置となる。このとき、輪郭方向は打滴位置dから左斜め上45°の方向に延びる矢印の方向であり、その矢印の終点が理想輪郭位置Cとなる。また、矢印の反対側である右下のNと白抜きされた黒丸が内部隣接打滴候補位置となる。
図10(c)、(d)、(e)はいずれも打滴位置dの上側が白丸でマスク外となっており、打滴位置dは輪郭打滴位置で、輪郭方向は矢印が示すように上方向である。また、矢印の終点が理想輪郭位置Cで、打滴位置dに対し矢印の向きの反対側が内部隣接打滴候補位置である。
図10(f)は、打滴位置dに対して、上、左斜め上、左横の3方の打滴位置が白丸でマスク外であり、打滴位置dは輪郭打滴位置で、輪郭方向は左斜め上方向である。図10(g)は、左横もマスク外であるが、上3つが全てマスク外であるため、打滴位置dは輪郭打滴位置で、輪郭方向は上方向である。また、図10(h)は図10(f)と同様である。
図10(i)は、打滴位置dに対し、左上が黒丸でマスク内であるが、左横と上がマスク外であるため、輪郭打滴位置であり、輪郭方向は左斜め上方向とする。また、図10(j)は、図10(i)に対しさらに右斜め上もマスク外で、打滴位置dは輪郭打滴位置であるが、輪郭方向は上方向とする。
また、図11(a)は、図10(i)と同様である。図11(b)は、打滴位置dの上が黒丸でマスク内であるが、左上と右上が白丸でマスク外であり、打滴位置dは輪郭打滴位置で、輪郭方向は上方向である。また、図11(c)、(d)、(e)はいずれも打滴位置dは輪郭打滴位置であり、輪郭方向は左上方向である。
以上のパターンに対し、以下の図11(f)〜(j)の各パターンにおける打滴位置dは、いずれも輪郭打滴位置ではない。これらは、いずれも、もしその位置における打滴を止めるとパターンの形状が崩れるからである。
図9のステップS126における、打滴位置dが輪郭打滴位置か否かの判断、及びステップS128における打滴位置dの輪郭方向、理想輪郭位置C、内部隣接打滴候補位置の決定は、打滴位置dの周囲の8個の打滴位置についてマスク内かマスク外かを判定し、図10及び図11のパターンを用いて行われる。
図12に、図8のステップS130における輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定処理のフローチャートを示す。
まず図12のステップS131において、その輪郭打滴位置がすでにドットを打滴することが確定している確定打滴か、あるいはドットを打滴しないことが確定している確定非打滴であるかを判断する。その結果、確定打滴あるいは確定非打滴であるか確定している場合には処理を終了して次の輪郭打滴位置の処理に移る。これは、今着目している画素位置が、その前の画素位置における処理ですでにその位置に打滴するかしないかが決定されている場合には、もう処理する必要はないからである。
また、その輪郭打滴位置においてまだ打滴するか否か決定されていない場合には、次のステップS132へ進み、その輪郭打滴位置に対する内部隣接打滴候補が確定非打滴であるか否か判断する。すなわち、輪郭打滴位置に対し、その輪郭方向の反対方向の一つ内側の打滴位置にドットを打たないことが確定しているか否か判断する。その結果、内部隣接打滴候補位置が確定非打滴の場合、すなわち、内部隣接打滴候補位置にはドットを打たないことが確定している場合には、処理を終了して次の輪郭打滴位置の処理へ移る。
また、ステップS132の判断において、内部隣接打滴候補位置が確定非打滴ではない場合、すなわち、内部隣接打滴候補位置にドットを打たないとはまだ決まっていない場合には、次のステップに進み、輪郭打滴位置にドットを打つか、あるいは輪郭打滴位置にはドットを打たずに内部隣接打滴候補位置にドットを打つようにするかを決定する。これは、前述した、図6あるいは図7において、それぞれの図で(a)か(b)かいずれの打滴配置を選択するかということに相当する。
ステップS133において、輪郭打滴位置の打滴に基づく輪郭方向の理想輪郭位置Cからの距離(ずれ量)Aを求め、ステップS134において、内部隣接打滴候補位置による理想輪郭位置Cからの距離(ずれ量)Bを求める。
そして、ステップS135において、それぞれのずれ量A及びBを比較する。
その結果、ずれ量Bの方が小さい場合には、内部隣接打滴候補位置による打滴の方が理想輪郭位置Cとのずれ量が小さいので、ステップS136において、輪郭打滴位置にはドットを打たないことにし、輪郭打滴位置を確定非打滴として決定し、内部隣接打滴候補位置にドットを打つように、内部隣接打滴候補位置を確定打滴とする。これは、図6(b)の打滴配置を選択することに相当する。
また、ステップS135における比較の結果、ずれ量Aの方が小さい場合には、ステップS137において、輪郭打滴位置にドットを打つように、輪郭打滴位置を確定打滴として決定する。これは、図7(a)の打滴配置を選択することに相当する。
次に本発明に係る画像処理方法の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、ドットサイズ変調可能な場合、すなわち複数のドットサイズが打滴可能の場合に打滴配置とともにドットサイズを選択することができるものである。
図13に、第2実施形態の画像処理方法における打滴配置の例を示す。
図13(a)、(b)は、いずれも記録密度は、2400dpiである。また、使用ドットサイズ(ドット径)は、図13(a)の場合は25μm、図13(b)の場合は30μmである。
また、図13(a)、(b)いずれも実線で表される矩形を理想領域とし、前述した第1実施形態と同様に理想領域の右側の輪郭についてのみ議論することとする。図13(a)、(b)両方とも、理想領域内の最も右側の輪郭打滴位置(理想領域内で最も右側にある一点鎖線の交点)には打滴せず、その1つ内側の打滴位置に打滴している。従って、図13(a)は、図6(b)と同じである。
また、もし一番外側の輪郭打滴位置にも打滴したとすると、図6(a)のように、その打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)Aは、前に求めたようにA=7.2μmである。
また、図13(a)のように、ドットサイズ25μmの場合に、輪郭部ドットを打滴しないで1つ内側の打滴位置に打滴した場合、この1つ内側の打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)Bは、図6(b)のように、B=3.4μmとなる。
一方、これに対して、図13(b)のようにドットサイズ30μmの場合に、輪郭部ドットを打滴しなかった場合には、その1つ内側の打滴ドットの中心から理想輪郭位置Cまでの距離は、前に求めたように15.9μmであり、いまドットの半径は30/2=15μmであるので、この1つ内側に打滴された打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)B’は、B’=15.9−15=0.9μmとなる。
従って、輪郭部までドットを打った場合の、打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとのずれ量A=7.2μm、ドットサイズ25μmで輪郭部にはドットを打たず1つ内側にドットを打った場合のずれ量B=3.4μm、ドットサイズ30μmで輪郭部にはドットを打たず1つ内側にドットを打った場合のずれ量B’=0.9μmであるので、この場合には、最も理想輪郭位置Cとのずれ量が小さい、ドットサイズ30μmによる図13(b)の打滴配置が選択される。
いま具体例を用いて説明した第2実施形態のドット変調可能な場合の打滴配置の選択を行う画像処理について、以下フローチャートを用いて説明する。
本第2実施形態の画像処理の流れは、図8に示した第1実施形態と略同様であり、本実施形態においては、図8の最後のステップS130における輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定する処理のみが異なっている。そこで以下この輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定する処理についてのみ説明することにする。
図14に、本実施形態におけるこの輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定する処理の流れをフローチャートで示す。
まず図14のステップS231において、その輪郭打滴位置がすでにドットを打滴することが確定している確定打滴か、あるいはドットを打滴しないことが確定している確定非打滴であるかを判断する。その結果、確定打滴あるいは確定非打滴であるか確定している場合にはもう処理する必要はないので、処理を終了して次の輪郭打滴位置の処理に移る。
また、その輪郭打滴位置においてまだ打滴するか否か決定されていない場合には、次のステップS232へ進み、その輪郭打滴位置に対する内部隣接打滴候補が確定非打滴であるか否か判断する。すなわち、輪郭打滴位置に対し、その輪郭方向の反対方向の一つ内側の打滴位置にドットを打たないことが確定しているか否か判断する。その結果、内部隣接打滴候補位置が確定非打滴の場合、すなわち、内部隣接打滴候補位置にはドットを打たないことが確定している場合には、処理を終了して次の輪郭打滴位置の処理へ移る。
また、ステップS232の判断において、内部隣接打滴候補位置が確定非打滴ではない場合、すなわち、内部隣接打滴候補位置にドットを打たないとはまだ決まっていない場合には、次のステップに進み、輪郭打滴位置にドットを打つか、あるいは輪郭打滴位置にはドットを打たずに内部隣接打滴候補位置にドットを打つようにするかを決定する。これは、前述した、図13(a)か(b)か(あるいは、図6(a)のように輪郭部にも打滴するか)いずれの打滴配置を選択するかということに相当する。
ステップS233において、輪郭打滴位置の打滴に基づく輪郭方向の理想輪郭位置Cからの距離(ずれ量)Aを求め、ステップS234において、内部隣接打滴候補位置の複数の打滴サイズ(n通り)の打滴による理想輪郭位置Cからの距離(ずれ量)B1〜Bnを求める。図13で説明した例では、打滴サイズは25μmと30μmの2通りで、距離B(=B1)及びB’(=B2)を求めた。
そして、ステップS235において、それぞれのずれ量A、B1、・・・、Bnを比較し、最小値がAか否か判定する。
その結果、Aが最小ではない場合には、内部隣接打滴候補位置による打滴の方が理想輪郭位置Cとのずれ量が小さいので、ステップS236において、輪郭打滴位置にはドットを打たないことにし、輪郭打滴位置を確定非打滴として決定する。そして、例えば最小値がBmであるとすると、内部隣接打滴候補位置の打滴を最小値を持つ打滴サイズmで確定打滴とする。図13に示した例では、図13(b)の打滴サイズ30μmによる打滴配置が選択されている。
また、ステップS235における比較の結果、ずれ量Aが最小値の場合には、ステップS237において、輪郭打滴位置にドットを打つように、輪郭打滴位置を確定打滴として決定する。これは、図7(a)の打滴配置を選択することに相当する。
このように、複数のドットサイズを打滴することができる場合には、ドットサイズをも考慮して打滴配置を選択するにより、さらに効果的に文字や線の太りを防止することが可能となる。
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態においては、文字や線の太りを防止するために、所定の条件の下、輪郭部ドットの打滴を止めて、その内側の打滴位置(内部隣接打滴候補位置)のドットで置き換えるようにしているが、文字や線の記録幅が1ドットで形成されている場合には、輪郭部ドットの打滴を止めると、形状がくずれてしまうため、このような場合には、上述した実施形態のような輪郭部ドットの打滴を止めて内側のドットで置き換えるというようなことはしない。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、輪郭部に打滴するとドットが理想輪郭位置より大きくはみ出して線が太くなってしまう場合、輪郭部には打滴しないようにして、1つ内側の打滴位置(内部隣接打滴候補位置)に打滴した場合、もう1つ内側の打滴位置に打滴した場合はどうか、またさらに内側は、というように、輪郭部から順次内側にさかのぼって判断し、文字または線の太りを防止するのに最適な打滴配置を選択しようとするものである。
このとき理論的には内側にさかのぼる回数は制限されないが、説明の便宜上ここでは、内側に2回さかのぼる場合を例にとって説明することとする。
図15に、本実施形態における打滴配置の選択の例を示す。ここでも今までと同様に右側の輪郭についてのみ議論する。
図15に示す例は、記録密度4800dpi×2400dpi、ドットサイズ(ドット径)25μmである。また、今までと同様、一点鎖線の交点が打滴可能な位置であるが、図15においては、わかりやすくするために、縮尺を今までの図よりも倍にして表示している。
図15(a)では、実線の矩形で示す理想領域内の最も右側の輪郭部の位置で打滴が打たれている。いま横方向の記録密度が4800dpiであるので、一点鎖線の横方向の間隔は25.4mm÷4800=5.3μmであり、輪郭部に打滴したドットの中心から理想輪郭位置Cまでの距離は、一点鎖線間の間隔5.3μmの半分であり、2.65μmとなる。従って、この輪郭部に打滴されたドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)Aは、A=12.5−2.65=9.85μmとなる。
また、図15(b)では、理想領域の輪郭部ドットを打たず、1つ内側の打滴可能位置に打滴を置き換えている。このとき、1つ内側に打滴されたドットの中心から理想輪郭位置Cまでの距離は、5.3+2.65=7.95μmであり、このドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)B1は、B1=12.5−7.95=4.55μmとなる。
また、図15(c)では、輪郭部ドットを打たず、さらに1つ内側の打滴可能位置にも打滴を打たず、もう1つ内側、つまり輪郭部から2つ内側の打滴可能位置に打滴を置き換えている。このとき、この輪郭部から2つ内側の打滴可能位置に打滴されたドットの中心から理想輪郭位置Cまでの距離は、5.3×2+2.65=13.25μmであり、この打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)B2は、B2=13.25−12.5=0.75μmとなる。
ここで、この3つの場合のずれ量、すなわち、輪郭部ドットを打った場合のずれ量A=9.85μm、輪郭部より1つ内側にドットを打った場合のずれ量B1=4.55μm、輪郭部より2つ内側にドットを打った場合のずれ量B2=0.75μmを比較すると、A>B1>B2となり、B2が最小となるため、これに対応する図15(c)の打滴配置が選択される。
これにより、理想輪郭位置Cとのずれ量が最もすくなく、効果的に文字、線の太りを防止することができる。
なお、図15(c)のように、輪郭部から2つ内側の打滴可能位置に打滴するため、その左側の打滴ドットとの打滴間隔が詰まるので、局部的にインク量が多くなりすぎることによるインクの滲みや濃度の上昇が問題となる場合がある。このような場合に左側輪郭が近接していない時は、例えば図16に示すように、さらに内側(左側)の打滴位置を打滴可能位置1つ分だけ左側へずらすように調整しても良い。
本第3実施形態の画像処理の流れは、図8に示した第1実施形態と略同様であり、本実施形態においては、図8の最後のステップS130における輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定する処理のみが異なっている。そこで以下この輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定する処理についてのみ説明することにする。
図17に、本実施形態におけるこの輪郭縮小処理を行って最終打滴データを決定する処理の流れをフローチャートで示す。
まず図17のステップS301において、その輪郭打滴位置がすでにドットを打滴することが確定している確定打滴か、あるいはドットを打滴しないことが確定している確定非打滴であるかを判断する。その結果、確定打滴あるいは確定非打滴であるか確定している場合にはもう処理する必要はないので、処理を終了して次の輪郭打滴位置の処理に移る。
また、その輪郭打滴位置においてまだ打滴するか否か決定されていない場合には、次のステップS302へ進み、その輪郭打滴位置に対する内部隣接打滴候補(輪郭部より1つ内側の打滴可能位置)についても、確定打滴か確定非打滴であるか確定しているか否か判断する。
まだ確定していない場合には、次のステップS303において、さらにもう1段内部隣接打滴候補位置(輪郭部より2つ内側の打滴可能位置)について、マスク外かあるいは確定非打滴であるか、判断する。
ステップS302の判断において輪郭部より1つ内側の内部隣接打滴候補位置が確定打滴または確定非打滴の場合、及びステップS303の判断において輪郭部より2つ内側の内部隣接打滴候補位置がマスク外または確定非打滴の場合には、いずれもステップS304へ進み、前述した第1実施形態の図12のステップS132からステップS137までの処理を行った後、次の輪郭打滴位置の処理へと移っていく。
一方、輪郭部より1つ内側の打滴位置がまだ確定打滴とも確定非打滴とも確定しておらず、また輪郭部より2つ内側の打滴位置がマスク外でも確定非打滴でもない場合には、以下のステップへ進み、輪郭部ドットか、輪郭部より1つ内側のドットか、あるいは輪郭部より2つ内側のドットか、これらのいずれのドットを打滴するようにするかを選択する処理を行う。
すなわち、まずステップS305において、図15(a)に示すように、輪郭打滴位置(輪郭部ドット)を打滴した場合の、その打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)Aを求める。
次に、ステップS306において、図15(b)に示すように、内部隣接打滴候補位置(輪郭部より1つ内側の打滴ドット)の打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)B1を求めるとともに、さらにもう1段内部隣接打滴候補位置(輪郭部より2つ内側の打滴ドット)の打滴ドットの最外周と理想輪郭位置Cとの距離(ずれ量)B2を求める。
そして、ステップS307において、いま求めた3つの距離A、B1及びB2を比較して、これらの内の最小値を求める。次のステップS308において、最小値がAと判断された場合には、ステップS309へ進み、輪郭部ドットを打つことにして、輪郭打滴位置の打滴を確定打滴と決定する。すなわち、図15(a)の打滴配置を選択する。
また、ステップS308の判断において、最小値がAでない場合には、次のステップS310へ進み、最小値がB1であか否か判断する。ここで最小値がB1であると判断された場合には、ステップS311へ進み、内部隣接打滴候補位置(輪郭部より1つ内側の打滴位置)の打滴を確定打滴とし、輪郭打滴位置の打滴を確定非打滴として決定する。すなわち、図15(b)の打滴配置を選択する。
また、ステップS310の判断において、最小値がB1ではないとされた場合には、次のステップS312へ進み、もう1段内部隣接打滴候補位置(輪郭部より2つ内側の打滴位置)の打滴を確定打滴とし、輪郭打滴位置の打滴(輪郭部ドット)及び内部隣接打滴候補位置の打滴(輪郭部より1つ内側の打滴)を確定非打滴として決定する。すなわち、図15(c)の打滴配置を選択する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、画像処理において、ベクトルデータをラスタデータ(ビットマップデータ)に展開する際に、打滴密度だけでなく、打滴サイズを考慮して実施するようにしたものである。
まず本発明との比較のために従来の方法について説明する。図18に従来の画像データ変換の方法を示す。
例えば、図18(a)に示すように、従来は、プリント制御部180からRIP(ラスタイメージプロセッサ)192に打滴密度情報を送り、RIP192において、0〜255等のRGB濃度値のデータあるいはCMY網%値のデータ等の濃度情報に展開して、その後プリント制御部180においてこのデータに対してハーフトーン処理を行いビットマップデータに変換したりしている。
またあるいは、図18(b)に示すように、RIP192は、プリント制御部180から打滴密度情報を受け取ると、ハーフトーン処理そのものも実施して打滴データに変換してプリント制御部180に渡すようにしているものもある。しかし、従来は、いずれの場合も、打滴密度情報のみでデータの展開を行っており、ドットサイズは考慮されていなかった。
これに対し、本実施形態では、図19に示すように、プリント制御部80からRIP92に打滴密度情報の他に打滴サイズ情報をも渡すようにし、RIP92は、画像を点とそれを結ぶ曲線の集合としてベクトルデータとして扱うポストスクリプト等のファイルを、何dpi等という解像度を表す打滴密度情報及びドットサイズをも考慮して、これに応じて画素の集合であるビットマップデータ(打滴データ)に変換するようにしている。
この場合、RIP92が図5の画像処理部90に相当している。そして、プリント制御部80がドットサイズ情報及び記録密度情報を獲得する手段として機能し、RIP92ととともに画像処理装置を形成する。
このように、打滴密度情報だけでなく、ドットサイズをも考慮するようにして、例えば文字や線を記録する際には、前述した各実施形態に示したような方法で、その記録幅が画像情報で指定される記録幅(理想輪郭位置)に近くなるようにその記録位置(打滴配置)を選択することにより、高密度記録での微小文字や細線の品質を高めることができる。
具体的には、画像データはベクトルデータとして曲線のデータ(式)で持っているため、例えば図20に示すように、中間の値をとることができ、実際のドットの輪郭が曲線で表された中間的な位置までの距離として理想輪郭位置Cまでの距離を計算することができ、これを用いて打滴配置(ドットサイズをも含めて)を選択することにより、高密度記録における微小文字等の品質を向上させることが可能となる。
以上、本発明の画像処理法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 図1のインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図である。 図3の4A−4B線に沿う断面図である。 図1のインクジェット記録装置のシステム構成図である。 本発明の第1実施形態の画像処理方法における打滴配置の選択を示す説明図であり、(a)は輪郭部ドットを打滴した場合、(b)は輪郭部ドットを1つ内側のドットで置き換えた場合、(c)は打滴されるドットサイズを示し、(d)及び(e)は輪郭部の包絡線の例を示す。 同じく第1実施形態における打滴配置の選択の他の例を示す説明図であり、(a)は輪郭部ドットを打滴した場合、(b)は輪郭部ドットを1つ内側のドットで置き換えた場合を示す。 第1実施形態の画像処理の全体の流れを示すフローチャートである。 図8のフローチャートにおいて、文字や線部輪郭打滴位置を抽出し、内部隣接打滴候補位置等を決定する処理を示すフローチャートである。 (a)〜(j)は、輪郭及び輪郭方向等を求める際にのパターンを示す説明図である。 同じく(a)〜(j)は、輪郭及び輪郭方向等を求める際にのパターンを示す説明図である。 図8のフローチャートにおいて輪郭縮小処理を行って最終打滴データを求める処理を示すフローチャートである。 (a)、(b)は、本発明の第2実施形態の画像処理方法における打滴配置の選択を示す説明図であり、それぞれ輪郭部ドットより1つ内側をドットサイズの異なるドットを打滴した場合を示す。 第2実施形態の画像処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の画像処理における打滴配置の選択を示す説明図であり、(a)は輪郭部ドットを打滴した場合、(b)は輪郭部ドットより1つ内側のドットを打滴した場合、(c)は輪郭部ドットより2つ内側のドットを打滴した場合である。 第3実施形態の変形例を示す説明図である。 第3実施形態の画像処理の流れを示すフローチャートである。 (a)、(b)は本発明の第4実施形態との比較のために示した従来のデータ変換方法を示すブロック図である。 第4実施形態の画像処理方法を示すブロック図である。 第4実施形態における輪郭算出方法を示す説明図である。 従来の打滴配置を示す説明図であり、(a)は本来の記録領域を示し、(b)は線の太りを示す説明図である。 従来の打滴配置を示す説明図であり、(a)は本来の記録領域を示し、(b)は線の太りを示す説明図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラ、33…ベルト、34…吸着チャンバ、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラ、48…カッター、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、53…インク供給口、54…圧力室ユニット、55…インク共通流路、56…振動板、58…圧電素子、70…通信インターフェース、72…システムコントローラ、74…画像メモリ、76…モータドライバ、78…ヒータドライバ、80…プリント制御部、82…画像バッファメモリ、84…ヘッドドライバ、86…ホストコンピュータ、88…モータ、89…ヒータ、90…画像処理部、92…RIP(ラスタイメージプロセッサ)

Claims (3)

  1. 被記録媒体上の記録位置に、記録密度で決まる記録ピッチより、最小ドットサイズが大きいドットサイズのドットで画像を記録する画像記録装置における画像処理方法であって、
    前記ドットを記録する記録対象領域が文字または線の場合に、前記文字または線の輪郭部の記録のために前記画像のデータに基づいて使用される記録位置に前記ドットサイズで記録した場合のドットを輪郭部ドットとしたとき、
    前記記録ピッチで決まる前記文字または線の理想的な輪郭線と、前記輪郭部ドットの最外周との距離、及び、前記輪郭部ドットに対して前記理想的な輪郭線と略直交する方向にそれぞれ異なる所定記録ピッチ分だけ前記文字または線の内側の記録位置に前記ドットサイズでドットを記録した場合の各内部隣接ドットの最外周と前記理想的な輪郭線との各距離を比較し、その距離が最小のドットを記録し、該ドットよりも輪郭方向外側のドットは記録しないようにすることを特徴とする画像処理方法。
  2. 被記録媒体上の記録位置に、記録密度で決まる記録ピッチより、最小ドットサイズが大きいドットサイズのドットで画像を記録する画像記録装置における画像処理方法であって、
    前記ドットを記録する記録対象領域が文字または線の場合に、前記文字または線の輪郭部の記録のために前記画像のデータに基づいて使用される記録位置に前記ドットサイズで記録した場合のドットを輪郭部ドットとしたとき、
    前記記録ピッチで決まる前記文字または線の理想的な輪郭線と、前記輪郭部ドットが互いに重なる部分の最外周との距離、及び前記輪郭部ドットに対して、前記理想的な輪郭線と略直交する方向にそれぞれ異なる所定記録ピッチ分だけ前記文字または線の内側の記録位置に前記ドットサイズでドットを記録した場合の各内部隣接ドットが互いに重なる部分の最外周と、前記理想的な輪郭線との距離と、を比較し、その距離が最小のドットを記録し、該ドットよりも輪郭方向外側のドットは記録しないようにすることを特徴とする画像処理方法。
  3. 前記理想的な輪郭線は、前記文字または線の輪郭部の記録のために前記画像のデータに基づいて使用される記録位置に、前記記録ピッチと同じドットサイズで記録した場合の各ドットの最外周に対する接線であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
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