JP4293987B2 - 便座又は便蓋の開閉装置及び開閉装置の伝達ユニット - Google Patents

便座又は便蓋の開閉装置及び開閉装置の伝達ユニット Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、洋式便器に装備される便座又は便蓋の開閉装置及び当該開閉装置を構成する伝達ユニットに関する。
【0002】
背景技術
従来の洋式便器は、便器本体の背面側のリム上面部分に便座、便蓋が起立、倒伏可能に軸支されたシンプルな構造であったが、近年、温水洗浄便座装置や暖房便座装置が装備されるようになり、このような便器においては、前記リム上面部分に配置された収納ケースに便座、便蓋が軸支された構造となっている。このような収納ケースは、温水洗浄機能や便座暖房機能を作動、制御するための電装部品などを内蔵しているため、リム上面よりも高く突出した形状とならざるを得ず、その結果、便座、便蓋の軸支位置は従来の洋式便器よりも高くなっている。
【0003】
このように便座、便蓋の軸支位置が高くなると、男子小用の際に便座及び便蓋を起立させ、そのままの姿勢で保持することが困難となり、小用中に便座や便蓋が倒伏するおそれがあった。
【0004】
そこで、このような不都合を防止するため、温水洗浄便座装置を備えた便器においては、使用者の検出信号あるいはリモコン操作などによって便座、便蓋を電動で自動開閉する自動開閉装置又は便座、便蓋を緩やかに閉止するためのダンパー装置内に、便座、便蓋を開放側へ付勢するねじりばねを設けることにより、自動開閉装置又はダンパー装置とねじりばねとを一体化した開閉制御ユニットとし、この開閉制御ユニットを温水洗浄便器装置の収納ケース内に固定している。このような構造とすることにより、便座、便蓋を軽く開けることができるようになり、便座、便蓋の開状態(便座、便蓋が自立した状態)を確実に保って、不本意に閉じるのを防ぐことができる。
【0005】
ところで、商品開発の現場においては、種々の市場ニーズに対応できる幅広いバリエーションの商品群を効率的に形成するため、例えば、一つの基本仕様に基づいて客先の様々な要望に応じた種々のバリエーションをもった商品を開発していくことが多い。
【0006】
したがって、温水洗浄便座装置の自動開閉装置やダンパー装置においても、種々の商品バリエーションにおける複数種類の便座、便蓋の自重トルク特性の相違に合わせて、それぞれに対応した自動開閉装置やダンパー装置を開発することが必要となっている。このため、自動開閉装置においては、例えば、駆動モータのトルクを上げたり、駆動系統のギアの減速比を変更したり、ねじりばねの仕様を変更したりして、種々のバリエーションに応じた商品開発が行われている。また、ダンパー装置においても、例えば、ダンパー室の容積を増減させたり、ねじりばねの仕様を変更したりして、種々の商品バリエーションに応じた開発が行われている。
【0007】
このため、商品バリエーションの増加に伴って部品の種類が増加し、多大な製造コスト、管理コストが発生するだけでなく、部品類の製作にも長時間を要している。また、バリエーションが増加することにより、製造時の組み立てコストや管理コストも増大する。
【0008】
また、従来の温水洗浄便座装置では、便座、便蓋を開放側へ付勢するねじりばねが自動開閉装置内又はダンパー装置内に設けられているため、ねじりばねの取付スペース分だけこれらの装置が大型化することは避けられず、温水洗浄便座装置の軽量化、コンパクト化を阻む要因の一つとなっている。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、比較的小型であって、便座、便蓋を起立姿勢で安定保持することができ、便座、便蓋の自重トルクの大小に対応して構成部品の共通化も図ることができる便座又は便蓋の開閉装置及びこの開閉装置を構成する伝達ユニットを提供することを目的とする。
【0010】
発明の開示
本発明の便座又は便蓋の開閉装置は、基端部を中心に回動起伏する便座又は便蓋の回動中心線上に配置された軸体を有し便器本体又は便座の基端部に間接的に固定された開閉制御ユニットと、前記回動中心線上に配置され前記開閉制御ユニットの軸体に連結された回転軸及び前記回転軸を前記便座又は便蓋の開放方向に付勢する付勢手段を有する伝達ユニットとを備えたことを特徴とする。このような構成とすれば、便座又は便蓋の開閉動作を司る開閉制御ユニットと、便座又は便蓋を開放方向に付勢する伝達ユニットとを別体化することができるため、小型化を図ることが可能であり、便座又は便蓋を起立姿勢で安定保持することができ、便座、便蓋の自重トルクの大小に対応して構成部品の共通化も図ることができる。
【0011】
ここで、前記開閉制御ユニットを前記便器本体に間接的に固定し、前記伝達ユニットを前記便座又は便蓋の基端部に配置し前記回転軸の片端部を前記開閉制御ユニットの軸体に分離可能に連結した構成とすることができる。このような構成とすれば、前記伝達ユニットを便座又は便蓋とともに前記開閉制御ユニットから離脱させることが可能となるため、清掃などの際の作業性が向上する。また、開閉制御ユニットを便器側に残したまま、伝達ユニットを交換することも可能となるため、便座、便蓋の自重トルクの大小に対応して構成部品の共通化も図ることができる。
【0012】
なお、前記開閉制御ユニットが、前記軸体を回動駆動する動力源を有する開閉制御ユニットであれば、便座又は便蓋の開閉操作を自動化することができるため、使用者の負担をなくすことができる。また、前記開閉制御ユニットが、前記伝達ユニットの回転軸の前記便座又は便蓋の閉止方向の回動を制御する機能を有するダンパーユニットであれば、使用後、人力に頼ることなく便座又は便蓋をゆっくりと閉じることができるので、騒音発生、構成部品の損傷を防止することができる。
【0013】
ここで、前記開閉制御ユニットと前記伝達ユニットとを着脱可能に連結するための嵌合手段を設けることが望ましい。このような嵌合手段を設けることにより、開閉制御ユニットに対する伝達ユニットの着脱作業性を向上させることができ、連結状態も安定する。
【0014】
前記嵌合手段としては、前記開閉制御ユニット又は前記伝達ユニットのいずれか一方に突出部を設け、他方に前記突出部を挟持する挟持部を設けることが望ましい。このような構成とすれば、突出部を挟持部に嵌入、離脱させるという簡単な操作で、工具を使用することなく両者の着脱を行うことが可能となる。
【0015】
また、前記突出部の一部に、前記突出部を前記挟持部の嵌合位置へ誘導するためのガイド面を設けることが望ましい。このようなガイド面を設ければ、特に、突出部をガイド面に摺接させながら挟持部の所定の位置にスムーズに誘導することが可能となるため、連結作業性が大幅に向上し、確実な連結状態が得られる。
【0016】
一方、前記開閉制御ユニットの軸体と、前記伝達ユニットの回転軸との連結手段として、前記軸体又は前記回転軸のいずれか一方の軸端面に突出部を設け、他方の軸端面に前記突出部が嵌合可能な切り欠き部を設けることが望ましい。このような連結手段を設ければ、一方の軸端面の突出部を他方の軸端面の切り欠き部に勘合させるという簡単な操作で工具を使用することなく両者の着脱を行うことが可能となる。
【0017】
この場合、前記切り欠き部の一部に、前記突出部を前記切り欠き部の嵌合位置へ誘導するためのガイド面を設ければ、前述と同様、一方の軸端面の突出部をガイド面に摺接させながら他方の軸端面の切り欠き部の所定の位置にスムーズに誘導することが可能となるため、連結作業性が向上し、確実な連結状態が得られる。
【0018】
さらに、前記開閉制御ユニットの軸体と前記伝達ユニットの回転軸との連結によって前記伝達ユニットの回転軸に付勢力を生じさせる付勢力発生機構を設けることもできる。このような構成とすれば、開閉制御ユニットの軸体に伝達ユニットの回転軸を連結させることによって直ちに伝達ユニットの回転軸に付勢力を発生させることができるため、便座又は便蓋の倒伏防止機能が向上する。
【0019】
次に、本発明の伝達ユニットは、便器本体又は便座の基端部に間接的に固定された開閉制御ユニットの軸体との連結手段を有する回転軸と、前記回転軸が回動可能に収められた収納筒と、前記収納筒内に配置され前記回転軸を一定方向に付勢する付勢手段とを備えたことを特徴とする。このような構成とすることにより、便座又は便蓋の開閉動作を司る開閉制御ユニットと、便座又は便蓋とを組み合わせて開閉装置を構成することができるようになるため、小型化を図ることが可能である。また、便座又は便蓋の開閉装置を構成した場合、便座又は便蓋を起立姿勢で安定保持することができ、便座、便蓋の自重トルクの大小に対応して構成部品の共通化も図ることができる。
【0020】
ここで、前記回動軸を付勢状態に維持するため前記回動軸の回転開始位置を定めるストッパーを設けることが望ましい。このような構成とすれば、当該伝達ユニットを、開閉制御ユニット及び便座又は便蓋と組み合わせて開閉装置を構成する場合、開閉制御ユニットの軸体に伝達ユニットの回転軸を連結させたときに直ちに伝達ユニットの回転軸に付勢力を発生させることが可能となるため、便座又は便蓋の倒伏防止機能を向上させることができる。
【0021】
一方、伝達ユニットの収納筒内にねじりばねを複数配置すれば、ねじりばねの選択により付勢力を変化させることもできるため、便座又は便蓋の自重トルクの多様性に的確に対応することができるようになる。また、ねじりばね及びこれを支える支持部材に生じる応力を分散させることができるため、ねじりばね及び支持部材の耐久性も向上する。
【0022】
また、前記収納筒内に前記回転軸と同軸上に配置された中間回転軸を設け、片端部が前記収納筒に係止され他端部が前記中間回転軸に係止されたねじりばねと、片端部が前記中間回転軸に係止され他端部が前記回転軸に係止されたねじりばねとを設けた構造とすることもできる。このような構成とすれば、ばね配置用スペースが十分に確保できない場合でも、収納筒内でねじりばねの巻き数を増やすことができるためバネ定数が比較的小さなばねの使用が可能となり、ねじりばねトルク変化を小さくすることができるため、便座又は便蓋の開閉動作がスムーズとなり、不完全閉止を防止することができる。
【0023】
さらに、前記収納筒内への浸水を防止するための防水手段を設ければ、収納筒に内蔵されたねじりばねなどの金属部品の発錆及び腐食を防止得ることができるため、信頼性及び耐久性が向上する。
【0024】
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、温水洗浄便座装置1は、当該装置1を構成する収納ケース2を便器本体30の背面側のリム上面30aに固定することによって便器本体30に取り付けられている。この収納ケース2には、便座3及び便蓋4がそれぞれの基端部3l,3r,4l,4rを中心に回動可能に取り付けられている。便座3及び便蓋4は、後述する機構により、その基端部3l,3r,4l,4rが収納ケース2から分離可能である。
【0026】
図2に示すように、便蓋4及び便座3を開状態(起立状態)にすると、便座3の左側の基端部3rと収納ケース2との間に第1の係合部材32のレバー部36及びコード71が視認され、便座3の右側の基端部3lと収納ケース2との間にロック部62のレバー部65が視認される。
【0027】
ここで、図3に示すように、左右のレバー部36,65をそれぞれ矢印で示すように上方に移動させると、第1の係合部材32の開口部及び第2の係合部材33の開口部をそれぞれ開放状態にすることができる。
【0028】
次に、図4に示すように、便座3及び便蓋4の左右の基端部3l,4l,3r,4r付近を左右の手でそれぞれ掴んで、そのまま収納ケース2の上方に持ち上げると、左側の基端部3,4とともに第1の係合部材32が第1の回動軸16から離脱し、右側の基端部3,4とともに第2の係合部材33及び蓋用伝達ユニット10が第2の回動軸17から離脱する。これによって、図5に示すように、収納ケース2の左側部分には第1の回動軸16、キャップ45及びコード71が現れ、便座3及び便蓋4の右側の基端部3l,4lにおいては蓋用伝達ユニット10及び第2の係合部材33が視認できる状態となる。また、図7に示すように、収納ケース2の右側部分には、収納ケース2内に配置された第2の開閉制御ユニット15の突出部15a及び回動軸17が現れる。
【0029】
そして、図8に示すように、便座3の右側の基端部3lの切欠き部55から露出した蓋用伝達ユニット10のリブ54を使用して、蓋用伝達ユニット10を便座3の右側の基端部3lの軸心方向の中央部にスライドさせ、蓋用伝達ユニット10の出力軸49の先端部を、後述する図15に示す、便蓋4の右側の基端部4lのカラー部29から引き抜くことができる。
【0030】
これにより、便蓋4の右側の基端部4lに設けられた嵌合部27(図15参照)から、便座3の右側の基端部3lに設けられた嵌入部25(図8参照)を外し、続いて、便蓋4の左側の基端部4rに設けられた嵌合部26(図14参照)から、便座3の左側の基端部3rに設けられた嵌入部44(図11参照)を抜き取ると、図9に示すように、収納ケース2から離脱させた状態にある便座3と便蓋4とを分離することができる。
【0031】
図10,図11に示すように、便座3の左側の基端部3rには、その形状が実質的にC形状となった第1の便蓋用回転軸となる嵌入部44が設けられ、図12,図13に示すように、便座3の右側の基端部3lには、その形状が実質的に円形となった第2の便蓋用回転軸となる嵌入部25が設けられ、後述する抜け止め部56の突出部58が嵌め込まれる凹部60及び固定穴61aが設けられている。なお、これらの嵌入部44,25は、それぞれ便座3の基端部3l,3rの軸心方向の外側に突出して設けられている。
【0032】
また、図14に示すように、便蓋4の左側の基端部4rには、その形状が実質的にC形状となった所定の深さを備える嵌合部26が設けられ、図15に示すように、便蓋4の右側の基端部4lには、その外殻形状が半円形となった所定の深さを備えた嵌合部27が設けられている。なお、これらの嵌合部26,27は、それぞれ便蓋4の基端部4l,4rの軸心方向内側に設けられている。
【0033】
これらの嵌合部26,27の深さは、便座3の基端部3l,3rの各嵌入部44,25を、その軸心を同じとする便蓋4の各基端部4l,4rの内側にある各嵌合部26,27に、それぞれ回動可能に嵌め込み配置した場合、その位置にズレが発生しない深さであれば問題ない。
【0034】
この便蓋4の左側の嵌合部26内には、実質的にU字状に開口したカラー部28が、その開口位置を嵌合部26の開口位置に合わせて固定され、第1の回動軸16の先端部と係合可能となっている。また、右側の嵌合部27内には、実質的に円形に開口したカラー部29が固定され、便蓋4に対して第2の回動軸17の回転が伝達されないようになっている。
【0035】
これにより、便蓋4の左側の嵌合部26に便座3の左側の嵌入部44を配置した後、便蓋4の右側の嵌合部27に便座3の右側の嵌入部25を配置し、回動自在に固定することで、便蓋4と便座3とを一体的にすることができ、しかも便座4及び便蓋3はそれぞれ個別に回動できる。なお、左側の嵌入部44及び嵌合部26の各開口位置は、便蓋4と便座3とを重ね合わせた場合に同じ位置となるように設けられている。これにより、この開口位置から、第1の回動軸16に便蓋4及び便座3を一体的に着脱することができる。
【0036】
一方、図12で示した便座3の右側の基端部3lには、図6で示したように、便座3の基端部3lに係合して便座3を開放側(起立方向)へ付勢する座用伝達ユニット9を軸方向に移動可能に挿入するため、回動ブロック挿入部3aが設けられている。
【0037】
ここで、図16は図1における矢線Pで示す部分の垂直断面図であり、図17は座用伝達ユニット付近を示す分解断面図である。図16,図17に示すように、本実施形態の開閉装置31は、基端部3l,4lを中心にそれぞれ回動起伏する便座3、便蓋4の回動中心線C上に配置された回動軸17を有し便器本体30に間接的に固定された開閉制御ユニット15と、この回動中心線C上に配置され片端部が開閉制御ユニット15の回動軸17に着脱可能に連結されるとともに他端部が便座3の基端部3lに着脱可能に連結される出力軸12及び出力軸12を便座3の開放方向に付勢するねじりばね13が内蔵された座用伝達ユニット9とを備えている。
【0038】
前述したように、収納ケース2は便器本体30の背面側のリム上面30aに固定されることによって便器本体30に取り付けられ、この収納ケース2内に開閉制御ユニット15が固定されているため、開閉制御ユニット15は収納ケース2を介して間接的に便器本体30に固定されている。
【0039】
図16に示すように、収納ケース2から突出した、開閉制御ユニット15の回動軸17及び突出部15aに座用伝達ユニット9の基端部分が連結され、この座用伝達ユニット9の出力軸12には、便座3の基端部3lが固定されるとともに、便蓋4の基端部4lが回動可能に軸支されている。
【0040】
開閉制御ユニット15は便座3の開閉又は開のいずれか一方を電動によって行う減速機付きのモータを備えたもの、あるいは便座3が開状態から閉状態へと回動する速度を緩やかな速度に制動するソフト閉止機構(ダンパー機構の一例)を備えたものでもよく、減速機付きモータとソフト閉止機構とを組み合わせたものでもよい。この減速機付きモータは、駆動モータ(例えば、DCブラシモータ、ACモータ、ステッピングモータ等)、伝達歯車、遊星歯車機構、トルクリミッタ機構、角度検知センサ等を有するものである。
【0041】
開閉制御ユニット15は、ケース22から突出した回動軸17を有し、ケース22内には、DCブラシモータである駆動モータ16と、駆動モータ16の回転力を順次減速して伝えていく伝達歯車18及び遊星歯車機構19と、駆動モータ16に過負荷が加わることを回避するためのトルクリミッタ機構20と、回動軸17の回転角度を検知するための角度検知センサ21とを備えている。
【0042】
開閉制御ユニット15においては、駆動モータ16の回転が伝達歯車18によって減速され、その回転力は最終段の遊星歯車機構19に伝達され、トルクリミッタ機構20を介して回動軸17に伝達される。そして、開閉制御ユニット15の回動軸17の回転力が座用伝達ユニット9の出力軸12に伝達された後、便座3の基端部3lに伝達され、便座3が基端部3lを中心に回動起伏することによって便器本体30のリム上面30aを開閉する。このような過程においては、座用伝達ユニット5に内蔵されたねじりばね13のねじり力により便座3は常に開放方向へ付勢されている。
【0043】
開閉制御ユニット15においては、磁石とホールICとで構成された角度検知センサ21により回動17の回転角度を検知することによって便座3の開閉角度を検知し、この検知信号で駆動モータ16の回転をフィードバック制御することにより、便座3の緩やかな開閉動作を実現することができる。なお、回転方向の検出は、回動軸17に設けられた多極磁着された磁石とホールICのほか、スリットとフォトインプランタによる2相出力のエンコーダにしてもよいし、ポテンシオメータによる角度情報から回転方向を判断してもよい。また、ソフト閉止機構は、オイルの粘性を利用したもので、弁の働きによってダンパー力を発揮させるものである。
【0044】
ここで、図17,図18を参照して、座用伝達ユニット9の構造、機能について詳しく説明する。図17は座用伝達ユニット付近の分解断面図であり、図18は座用伝達ユニット付近の分解斜視図である。
【0045】
図17,図18に示すように、座用伝達ユニット9は、機能部品が収められた収納筒11と、収納筒11内に回転可能に配置された出力軸12と、収納筒11内で回転軸12を包囲するように配置されたねじりばね13(コイルばね)と、収納筒11の開口部分を閉塞する収納蓋14とで構成されている。
【0046】
ねじりばね13は、便座3を開方向に付勢する状態で、一端部が収納筒11内に設けられた取付け穴11aに挿入することによって収納筒11に係止され、その他端部を出力軸12の外周面に開設された取付け穴12eに挿入することによって回転軸12に固定されている。収納筒11と出力軸12との摺動部及び出力軸12と収納蓋14との摺動部にはそれぞれOリング53が配置され、収納筒11と出力軸12とで形成される空間内に水分が浸入することを防止している。なお、ねじりばね13による付勢力は便座3が閉状態を維持できる程度の力となっている。
【0047】
また、座用伝達ユニット9の収納筒11の周囲にはリブ54が設けられ、図8,図12で示したように、この座用伝達ユニット9が回動自在に嵌入する便座3の右側の基端部3lの一部には切欠き部55が設けられ、切欠き部55からリブ54が常時露出する構成となっている。
【0048】
座用伝達ユニット9の出力軸12の左側(開閉制御ユニット15との連結部分)には、図18(b)に示すように、開口部が拡幅したU字状の切欠き12bが形成され、後述する手順により、開閉制御ユニット15の回動軸17に対して上方より嵌め込み係合させることが可能である。これにより、出力軸12は開閉制御ユニット15の回動軸17に対して回転不能に固定される。
【0049】
一方、出力軸12の右側(便座3との連結部分)は、収納蓋14から突出しており、基部が断面円形で先部が断面セレーション形状となっている。断面セレーション形状は、外径形状を円形としているため、この先部、便蓋4の基端部4lのカラー部29に回動自在に嵌め込まれる。セレーション形状の歯数を一部異形状若しくは一部歯数の幅を広くすることにより、後述する抜け止め部56を嵌め込む際の位置決めを可能としている。
【0050】
図18(a)に示すように、抜け止め部56は、その形状が実質的にL字状となっており、座用伝達ユニット9を載置してスライド可能にするガイドで構成されている。この抜け止め部56の一片部には、座用伝達ユニット9の出力軸12と係合する貫通穴57が設けられ、その外側周辺部には、便座3と係合するための8つの突出部58が等角度に設けられている。
【0051】
貫通穴57は、嵌め込まれる出力軸12の先部と同様に断面セレーション形状であり、位置決めのため、セレーション形状の歯数を一部異形状若しくは一部歯数の幅を広くしている。また、他片部の中央部には座用伝達ユニット9を便座3の基端部3lの軸心方向にスライドさせた場合に、リブ54と当接可能なストッパー部59が設けられている。なお、図12で示したように、便座3の右側の基端部3lの内側側壁には、抜け止め部56の突出部58がそれぞれ嵌め込まれる凹部60が形成されている。
【0052】
ここで、便座3の右側の基端部3lへ座用伝達ユニット9を固定する手順について説明する。図18(a)に示すように、係合部材33を座用伝達ユニット9の外筒部11aに嵌め込む。外筒部11aは係合部材33のリング部33aより若干大きな内径としているので、リング部33aが外筒部11aを乗り上げ、細径部11bまで嵌め込まれると、座用伝達ユニット9と係合部材33とは一体化され、係合部材33は、そのリング部33aと外筒部11aとによって軸心方向の抜けが規制される。
【0053】
次に、抜け止め部56の貫通孔57に座用伝達ユニット9の出力軸12を係合させ、抜け止め部56の突出部58を便座3の右側の基端部3lに設けられた凹部60に嵌め込む。そして、抜け止め部56の柱片に設けられた固定穴61と、基端部3lに設けられた固定穴61aとを一致させ、これらの穴を連通するセルフタッピングネジで締結することによって、便座3の右側の基端部3lの内側に座用伝達ユニット9が配置される。これにより、座用伝達ユニット9を便座3の基端部3lの軸心方向にスライド可能にするとともに、便座3の右側の基端部3lからの座用伝達ユニット9の脱落が防止される。
【0054】
なお、抜け止め部56は便座3の基端部3lに固定される前は外側に弾性変形可能であるため、座用伝達ユニット9は抜け止め部56から着脱可能であるが、便座3の基端部3lに固定された後は、便座3の基端部3lによって外側への変形が拘束されるため、座用伝達ユニット9はスラスト方向の抜けが規制される。また、抜け止め部56と外筒部11aとのクリアランスが小さく外筒部11aを乗り越える程度まで係合部材33が変形できないので、係合部材33も同様に軸心方向の抜けを防止することができる。
【0055】
このように、座用伝達ユニット9を、開閉制御ユニット5と便座3の基端部3lとの間に介在させたことにより、座用伝達ユニット9に内蔵されたねじりばね13により回転軸12を介して便座3は開放方向へ付勢された状態となる。
【0056】
したがって、男子小用の際に便座3及び便蓋4を起立させたとき、その起立姿勢で便座3及び便蓋4を安定保持することができ、小用中に便座3や便蓋4が不本意に倒伏することがない。なお、便座3を閉止状態まで倒伏させたときは、便座3の自重トルクの方がねじりばね13による付勢力よりも大となるため、便座3が便器本体30から浮き上がることはない。
【0057】
図19は便座自重トルクが異なる2種類の便座装置(製品A及び製品B)における「便座回動角度」と「便座自重トルク」との関係を示すグラフであり、図20は製品A,Bにおけるそれぞれの「便座回動角度」と座用伝達ユニットの「ばねトルク」との関係を示すグラフであり、図21は製品A,Bそれぞれの「便座回動角度」と、便座自重トルクと座用伝達ユニットのばねトルクとの「合成トルク」との関係を示すグラフである。
【0058】
図19に示すように、製品Aの「便座自重トルク」は、「便座回動角度」の全範囲において製品Bの「便座自重トルク」より大きくなっている。このような製品A,Bにおいて、図20に示すようにトルク特性が異なるねじりばねを内蔵した座用伝達ユニットを用いてそれぞれの便座を開放方向へ付勢するトルクを与えると、図21に示すように、製品A,Bにおける「合成トルク」(便座自重トルクと座用伝達ユニットのばねトルクの合成トルク)をほぼ同等とすることができる。
【0059】
したがって、トルク特性の異なるねじりばねを内蔵した複数種類の座用伝達ユニットを予め準備しておき、種々の商品バリエーションにおける便座自重トルクの違いに応じて、これらの座用伝達ユニット群の中から適切なものを選択して搭載すれば、種々の商品ごとに便座自重トルクが異なっていても、「便座自重トルク」と座用伝達ユニットの「ばねトルク」との「合成トルク」をほぼ同等とすることができる。
【0060】
このように、便座の種類によってその自重トルクが異なっていても、それぞれの便座に適したトルク特性のねじりばねを内蔵した座用伝達ユニットを選択して使用することにより、「便座自重トルク」と座用伝達ユニットの「ばねトルク」との「合成トルク」をほぼ同等とすることができる。したがって、開閉装置31を構成する開閉制御ユニット5あるいはダンパー装置は1種類で対応可能となり、構成部品の共通化を図ることができる。なお、座用伝達ユニット9に内蔵されたねじりばね13のトルク特性は、ねじりばね13の線径、中心径、巻数等を変えてバネ定数を調節することによって変更することができるため、複数種類の座用伝達ユニットを準備することは比較的容易である。
【0061】
例えば、図22に示すように、形状や寸法の異なる4種類の便座(便蓋)がある場合、それぞれの便座(便蓋)ごとに異なる自重トルクに応じて4種類の伝達ユニット(1)〜(4)を準備しておけば、1種類の開閉制御ユニット(又はダンパーユニット)と4種類の伝達ユニット(1)〜(4)との組み合わせによって4種類の開閉装置を構成することができるため、4種類の便座(便蓋)があっても1種類の開閉制御ユニット(又はダンパーユニット)で対応することができる。すなわち、開閉制御ユニット(又はダンパーユニット)の共通化を図ることができ、開閉装置の製造コスト及び管理コストの低減を図ることができる。
【0062】
また、本実施形態では座用伝達ユニット9を、便座3の基端部3lの回動ブロック挿入部3aに挿入した構造としているため、座用伝達ユニット9を配置するためのスペースを開閉制御ユニット5の内部などに設ける必要がなく、温水洗浄便座装置1の小型化を図ることができる。なお、第1の実施形態を示す図16においては、便座3側のみに座用伝達ユニット9を配置した場合について説明したが、便蓋4側に蓋用伝達ユニットを用いることも可能である。この場合は、便座3の左側の基端部3r内のスペースに蓋用伝達ユニットを収納する。
【0063】
次に、図23を参照して、本発明の第2の実施形態である伝達ユニットについて説明する。なお、前述した座用伝達ユニット9の構成部分と同一の機能、効果を発揮する部分については同一の符号を付している。
【0064】
本実施形態の座用伝達ユニット29は、収納筒11と、回転軸12と、ねじりばね13aと、ねじりばね13bと、収納蓋14とで構成されている。ねじりばね13aは、その一端を取付け穴11cに挿入することによって収納筒11に固定され、その他端を取付け穴12eに挿入することのよって回転軸12に固定されている。また、ねじりばね13bは、その一端を取付け穴11dに挿入することによって収納筒11に固定され、その他端を取付け穴12dに挿入することによって回転軸12に固定されている。
【0065】
座用伝達ユニット29においては、収納筒11内に配置された複数のねじりばね13a,13bの各々の一端を回転軸12に係止し、他端を収納筒11に係止しているため、便座開放方向へ回転軸12を付勢するねじりトルクの大きさは座用伝達ユニット9の場合よりも大となっている。したがって、座用伝達ユニット29は、前述した便座3よりも自重トルクの大きな便座の開閉機構の構成部品として好適である。
【0066】
このように、座用伝達ユニットに内蔵されるねじりばねの個数を変えることにより種々の商品バリエーションにおける便座又は便蓋の自重トルク特性に合わせて対応可能となる。また、座用伝達ユニット29は複数のねじりばね13a,13bを内蔵しているため、1つのねじりばねに対する負担を低減することができ、さらに、ねじりばね13a,13bの両端部の固定箇所も複数に分けられているので、発生する応力を取付け穴11c,11d,12c,12dに分散することができる。したがって、収納筒11、回転軸12の材質の樹脂化を図ることが可能となり、製造コストの低減及び軽量化を促進することができる。
【0067】
次に、図24を参照して、本発明の第3の実施形態である伝達ユニットについて説明する。なお、前述した座用伝達ユニット9の構成部分と同一の機能、効果を発揮する部分については同一の符号を付している。
【0068】
本実施形態の座用伝達ユニット39は、収納筒11と、回転軸12と、ねじりばね13c,13dと、中間回転軸23と、収納蓋14とで構成されている。ねじりばね13cは、その一端を取付け穴11cに挿入することによって収納筒11に固定され、その他端を取付け穴23aに挿入することによって中間回転軸23に固定されている。また、ねじりばね13dは、その一端を取付け穴23bに挿入することによって中間回転軸23に固定され、その他端を取付け穴12fに挿入することによって回転軸12に固定されている。
【0069】
このように、複数のねじりばね13c,13dのうち、一方のねじりばね13dの一端を回転軸12に係止し、他端を中間回転軸23に係止するとともに、他方のねじりばね13cの一端を中間回転軸23に係止し、他端を収納筒11に係止したので、ねじりばねを収容するスペースが十分にない場合でも中間回転軸23により複数のねじりばねを連結することで比較的強いトーション力を得ることができる。したがって、種々の商品バリエーションにおける便座又は便蓋の自重トルク特性に合わせて、便座又は便蓋を開放方向へ付勢するためのねじりばねのトルク設定を的確に行うことができる。
【0070】
また、図23,図24で示したように、収納筒11や収納蓋14と回転軸12との摺接部分にOリング27a,27bを設けることにより、伝達ユニット9の内部に水や洗剤等が進入することが無くなる。したがって、便座3又は便蓋4を丸洗いしてもねじりばね13が腐食することが無く、信頼性及び耐久性が向上する。
【0071】
さらに、便座3の基端部3lの回動ブロック挿入部3aのスペースが十分に確保できない場合でも、収納筒11の内部でねじりばねの巻き数を増やすことができる。これによってバネ定数を低減することが可能であり、便座回動角度の範囲内におけるねじりばねトルクの変化を小さくすることができるため、便座の開閉動作がスムーズとなり、不完全閉止を防止することができる。
【0072】
以上の実施形態においては、いずれも収納ケース2内に開閉制御ユニットとして開閉制御ユニット5を配置した場合について説明したが、この開閉制御ユニット5の代わりに、便座3の閉止動作を緩和する機能を有するダンパーユニット(いわゆる緩閉止機構)を開閉制御ユニットとして配置することもできる。このように、伝達ユニット9を用いることにより、寸法や形状の異なる複数種類の便座,便蓋に対して、開閉制御ユニットを共用することが可能となるため、部品の共通化を図ることができる。
【0073】
次に、図25,図26を参照して、開閉制御ユニット15の代わりにダンパーユニットを配置した場合について説明する。ダンパーユニット49においては、回転軸12の外周に180度間隔で2つ羽根12wを設け、収納筒24の内周面に180度間隔で2つの区画壁26を設けている。また、収納筒24内にはシリコンオイル等の粘性オイルが充填されている。このダンパーユニット49の羽根12wは、矢線R方向に回転する際には、オイル収納室24a内のオイルが羽根12wと収納筒24の内周面との間隙からオイル収納室24b内へスムーズに移動し、矢線L方向へ回転する際には、オイル収納室24bからオイル収納室24aへの移動が徐々に行われるような形状としている。
【0074】
次に、前述した第1の実施形態において、図2〜図4に示す手順を経て収納ケース2から離脱させた便座3及び便蓋4の基端部3l,4l,3r,4rを再び収納ケース2に元通り取り付ける方法について説明する。
【0075】
まず、便蓋4の左側の基端部4rに設けられた嵌合部26に、便座3の左側の基端部3rに設けられた嵌入部44を嵌め込んだ後、便蓋4の右側の基端部4lに設けられた嵌合部27に、便座3の右側の基端部3lに設けられた嵌入部25を嵌め込む。これにより、便蓋4の基端部4l,4rと、便座3の基端部3l,3rとの軸心を同一にすることができるので、切り欠き部55から露出した係合部材33のリブ54を使用して、係合部材33を抜け止め部56に沿って便座3の基端部3lの軸心方向端部へスライドさせ、座用伝達ユニット9の出力軸12の先端部を便蓋4のカラー部29に嵌め込み、便蓋4と便座3とを個別に回動可能に一体化する。
【0076】
そして、便蓋4及び便座3を重ね合わせた状態で収納ケース2の上方から降ろしていき、第1の回動軸16、第2の回動軸17にそれぞれ係合部材32,33の各開口部30,31を嵌め込む。このとき、第1の係合部材32は回動自在であるため回動軸16に嵌め込む際に、第1の係合部材32の本体34の傾斜部34bにて回動軸16に誘引しつつ軸心に嵌め込むことができる。
【0077】
次に、図27〜図30を参照して、便座3及び便蓋4の基端部3l,4lを収納ケース2に元通り取り付ける方法について説明する。図27に示すように、座用伝達ユニット9においては、一対の挟持部11xのガイド面11gは互いに平行をなすように対向配置されているが、伝達ユニット9を収納ケース2から離脱させた状態においては、これらのガイド面11gの平行方向と、回転軸12の切り欠き部12bの長手方向12lとは平行をなさず、互いに25度〜35度程度ずれた状態となっている。これは、収納ケース2から伝達ユニット9を離脱させた状態においても、収納筒11に内蔵されたねじりばねによって回転軸12に付勢されているねじりトルクを一定以上維持するためである。
【0078】
したがって、図29,図30に示すように、開閉制御ユニットの回動軸17の先端部17aに出力軸12の切り欠き部12bを係合させて両者を連結すると、ガイド面11gの平行方向と、出力軸12の切り欠き部12bの長手方向12lとは互いに平行状態となり、これによって、回転軸12に付勢されているねじりトルクが便座3の基端部3lに加わり便座3は開放方向に付勢される。
【0079】
まず、図28(a)に示すように、ロック解除状態とした座用伝達ユニット9をその係合部材33の切欠部33bを下に向け、収納ケース2から突出した突出部15a及び回動軸17の先端部17aに向かって徐々に押し下げていくと、図28(b)に示すように、一方の挟み込み部11xの下端部が突出部15aのガイド斜面15bに当接する。
【0080】
このまま、基端部3l,4l部分を下方へ押し下げていくと、前記挟み込み部11xはガイド斜面15bに沿って下方へ移動していき、これによって挟み込み部11xは図28(c)に示すように反時計方向へ回動するので、図28(d)に示すように、挟み込み部11xのガイド面11gの平行方向と突出部15aの方向とが一致して突出部15aが一対の挟み込み部11xの間に嵌り込んでいき、最終的には図28(e)に示す状態となり、挟持部11xが固定突起22aを挟持した状態となって収納筒11が収納ケース2に固定されるとともに、回動軸17の先端部17aと出力軸12の切り欠き部12bとの連結も完了する。
【0081】
このとき、回動軸17の先端部17aは、出力軸12の切り欠き部12bの開口部分に拡幅形状に形成されたガイド面12gによって誘導されるので、先端部17aを切り欠き部12b内へ確実に嵌入させることができる。
【0082】
このような手順をとることにより、図29に示すように、便座3及び便蓋4の基端部3l,4lは座用伝達ユニット9を介して、開閉制御ユニットの突出部15a及び回動軸17に連結される。この後、係合部材33のレバー部65を手指で操作して係合部材33全体を便蓋閉止方向に回転させると、図30に示すように、係合部材33の切欠部33bが背面側へ移動してロック状態となるため、座用伝達ユニット9は収納ケース2の突出部15aから上方へ離脱不能となって取付が完了する。
【0083】
このように、伝達ユニット9を介して便座3及び便蓋4が収納ケース2に完全に連結されると、便座3は開放方向に付勢された状態となるため、男子小用の際に便座3及び便蓋4を起立させても、不本意に便座3や便蓋4が倒伏してくることがない。
【0084】
また、係合部材33が収納ケース2に対するロック手段であるため、清掃などの場合は係合部材33のレバー部65を回転させてロック解除状態として、前述と逆の手順をとれば、便座3及び便蓋4を収納ケース2から離脱させることによって清掃作業が非常にやりやすくなり、作業性が向上する。
【0085】
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の便座又は便蓋の開閉装置及び開閉装置の伝達ユニットは、洋式便器に装備される温水洗浄便座装置や暖房便座装置などにおける便座又は便蓋の開閉機構として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の第1の実施形態である便座又は便蓋の開閉装置を搭載した温水洗浄便座装置を示す斜視図であり、図2〜図4は図1に示す温水洗浄便座装置における便蓋及び便座の取り外し方法を示す説明図であり、図5は図1に示す温水洗浄便座装置の便座及び便蓋の左側基端部を収納ケースから離脱させた状態を示す部分斜視図であり、図6は図1に示す温水洗浄便座装置の便蓋及び便座の右側基端部を収納ケースから離脱させた状態を示す説明図である。
図7は、図6における矢線Q方向から見た側面図であり、図8は収納ケースから離脱させた便座の右側基端部を示す斜視図であり、図9は収納ケースから離脱させた便座と便蓋とを分離した状態を示す斜視図であり、図10〜図11は収納ケースから離脱させた便座の左側基端部を示す斜視図であり、図12及び図13は収納ケースから離脱させた便座の右側基端部を示す斜視図であり、図14は収納ケースから離脱させた便蓋の左側基端部を示す斜視図であり、図15は収納ケースから離脱させた便蓋の右側基端部を示す斜視図である。
図16は図1における矢線Pで示す部分の垂直断面図であり、図17は座用伝達ユニット付近を示す分解断面図であり、図18(a)は座用伝達ユニットの分解斜視図であり、図18(b)は図18(a)における矢線R方向から見た図である。
図19は便座自重トルクが異なる2種類の便座装置(製品A及び製品B)における「便座回動角度」と「便座自重トルク」との関係を示すグラフであり、図20は製品A,Bにおけるそれぞれの「便座回動角度」と座用伝達ユニットの「ばねトルク」との関係を示すグラフであり、図21は製品A,Bそれぞれの「便座回動角度」と、便座自重トルクと座用伝達ユニットのばねトルクとの「合成トルク」との関係を示すグラフである。
図22は1つの開閉制御ユニット又はダンパーユニットと複数の伝達ユニットと複数種類の便座(便蓋)との組み合わせを示す概念図である。
図23は本発明の第2の実施形態である伝達ユニットを示す断面図である。
図24は本発明の第3の実施形態である伝達ユニットを示す断面図である。
図25は図16に示す便座又は便蓋の開閉装置における開閉制御ユニットに代えてダンパーユニットを配置した状態を示す断面図であり、図26は図25における一部省略Y−Y線断面図である。
図27は便座及び便蓋の右側基端部の座用伝達ユニットを開閉制御ユニットに係合させる状態を模式的に示す図であり、図28は前記座用伝達ユニットを開閉制御ユニットに係合させる手順を示す図であり、図29,図30は前記座用伝達ユニットを開閉制御ユニットに係合させた状態を示す断面図である。

Claims (10)

  1. 基端部を中心に回動起伏する便座又は便蓋の回動中心線上に配置された軸体を有し便器本体又は便座の基端部に間接的に固定された開閉制御ユニットと、前記回動中心線上に配置され前記開閉制御ユニットの軸体に連結された回転軸及び前記回転軸を前記便座又は便蓋の開放方向に付勢する付勢手段を有する伝達ユニットとを備えたことを特徴とする便座又は便蓋の開閉装置。
  2. 前記開閉制御ユニットを前記便器本体に間接的に固定し、前記伝達ユニットの回転軸の片端部を前記開閉制御ユニットの軸体に分離可能に連結した請求の範囲第1項に記載の便座又は便蓋の開閉装置。
  3. 前記開閉制御ユニットと前記伝達ユニットとを着脱可能に連結するための嵌合手段を設けた請求の範囲第2項に記載の便座又は便蓋の開閉装置。
  4. 前記嵌合手段として、前記開閉制御ユニット又は前記伝達ユニットのいずれか一方に突出部を設け、他方に前記突出部を挟持する挟持部を設けた請求の範囲第3項に記載の便座又は便蓋の開閉装置。
  5. 前記突出部の一部に、前記突出部を前記挟持部の嵌合位置へ誘導するためのガイド面を設けた請求の範囲第4項に記載の便座又は便蓋の開閉装置。
  6. 前記開閉制御ユニットの軸体と、前記伝達ユニットの回転軸との連結手段として、前記軸体又は前記回転軸のいずれか一方の軸端面に突出部を設け、他方の軸端面に前記突出部が嵌合可能な切り欠き部を設けた請求の範囲第2項に記載の便座又は便蓋の開閉装置。
  7. 前記切り欠き部の一部に、前記突出部を前記切り欠き部の嵌合位置へ誘導するためのガイド面を設けた請求の範囲第6項に記載の便座又は便蓋の開閉構造。
  8. 前記開閉制御ユニットの軸体と前記伝達ユニットの回転軸との連結によって前記伝達ユニットの回転軸に付勢力を生じさせる付勢力発生機構を設けた請求の範囲第1項に記載の便座便蓋の開閉装置。
  9. 便器本体又は便座の基端部に間接的に固定された開閉制御ユニットの軸体との連結手段を有する回転軸と、前記回転軸が回動可能に収められた収納筒と、前記収納筒内に配置され前記回転軸を一定方向に付勢する付勢手段とを備えたことを特徴とする伝達ユニット。
  10. 前記回動軸を付勢状態に維持するため前記回動軸の回転開始位置を定めるストッパーを設けた請求の範囲第9項に記載の伝達ユニット。
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