JP4293855B2 - エレベータの乗りかご - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのかご室の側面を構成する側板を開閉してかご室内から昇降路に取り付けられた機器の点検を可能にしたエレベータの乗りかごに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
エレベータの設置スペースの狭小化を図るために、巻上機や制御盤等が昇降路内、特に保守点検の便を考慮してピットに設置されるようになった。
図12は、従来のエレベータの乗りかごを昇降路と共に示した断面図である。昇降路1内にはエレベータの巻上機21や制御盤28等が設置されており、特にピットが冠水したときの被災を避けるために、最下階乗場2よりも上位に設置された場合を図示したものである。
即ち、巻上機21はピット床3上に横設された台座16上に立設された機械台22上に設置されている。また、制御盤28は、昇降路1の壁に取り付けられている。しかも、巻上機21及び制御盤28は、共に最下階乗場2の床面よりも上位に取り付けられている。昇降路1の頂部には横梁23が跨設され、この横梁23に取り付けられた滑車25と滑車26によって巻上機21から立ち上げられた主索24を乗りかご11へ導き、また、滑車27によって巻上機21からの主索24を釣合錘14へ導いている。乗りかご11はかごレール4に案内されて昇降し、釣合錘14は錘レール5に案内されて巻上機21によって駆動されて昇降する。
上記エレベータを保守点検するには、乗りかご11上から行うことも考えられるが、巻上機21及び制御盤28の取付位置が、乗りかご11の側部に対応し、乗りかご11を衝き下げて符号11′で示した位置まで下降させても点検作業はできない。
このため、保守員8はかご緩衝器12及びその台座13、更に錘緩衝器15及びその台座16を避けた位置に作業台9を立設して作業を行う。
【0003】
かご室の側部を開放して保守点検を行うようにした従来のエレベータの乗りかごとしては、乗りかごの側壁を可動機構として開放可能にすると共に、上記側壁を足場にして保守作業に供することにより、かご床面から上方の広い空間を作業の対象域にしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、乗りかごに点検開口部を設けておいて、通常運転時は閉じておき、保守点検時に開口部を開いてブレーキ装置等を点検するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
開平5−97357号公報(段落番号8〜9、図1〜図2)
【特許文献2】
開平6−286960号公報(段落番号36、図9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベータの乗りかごは、上記のとおり構成されていたので、例えば、図12に示したエレベータの乗りかごでは、保守員8はかご緩衝器12及びその台座13、更に錘緩衝器15及びその台座16を避けた位置に作業台9を設置して作業を行わなければならない。このため、作業台9の設置場所が制限される。しかも、保守員8は作業台9上に拘束されるので、作業がし難い、という問題があった。
また、エレベータの乗りかごのかご室を構成する側板の内面は化粧仕上げされている。このため、かご室の側板を開閉する場合は、美観保持のために側板の内面を損傷することのないようにする必要がある。
ところで、上記特許文献1及び2には、側板を開閉するようにした点は開示されているものの、美観保持については全く記載されていない。
このため、上記特許文献1及び2に従って、側板を開閉したのでは、化粧仕上げ面を損傷する虞がある、という問題があった。
【0006】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、保守作業のし易いエレベータの乗りかごを提供すると共に、かご室の側面を構成する側板の化粧仕上げされた内面を損傷することなく開閉して、かご室内から昇降路に取り付けられた機器の点検を可能にしたエレベータの乗りかごを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータの乗りかごは、かご室の側面を構成する側板を隣接して複数並設し、側板を開放してかご室内から昇降路に取り付けられた機器の点検を可能にしたエレベータの乗りかごにおいて、少なくとも一つの側板に下端から下方へ向けて突出した下部突起と上端から上方へ向けて突出した上部突起と側板を固定する固定手段とを設け、下部突起及び上部突起がそれぞれ側板の下方及び上方で遊挿されてかご室の外側へ通じる下部誘導溝及び上部誘導溝をかご床及びかご天井部材に穿設して固定手段による固定が解除された状態で側板の進退移動を可能とし、下部誘導溝及び上部誘導溝にそれぞれかご室外で連通する下部案内溝及び上部案内溝をかご室側面に平行する方向へ向けてかご床及びかご天井部材にそれぞれ穿設し、固定が解除されて後退した側板を、下部案内溝及び上部案内溝を介して水平移動させてかご室の側面を開閉するようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係るエレベータの乗りかごは、隣接して並設された複数の側板に、それぞれ、下部突起と上部突起と固定手段とが設けられ、下部誘導溝は、各下部突起に対応してかご床に複数穿設され、上部誘導溝は、各上部突起に対応してかご天井部材に複数穿設され、下部案内溝は、各下部誘導溝にかご室外で連通するように、一直線状にかご床に穿設され、上部案内溝は、各上部誘導溝にかご室外で連通するように、一直線状にかご天井部材に穿設されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1から図5は、この発明の実施の形態1を示す。
図1は、エレベータの乗りかご31の横断面図で、最下階乗場2まで下降させた状態で、図12のI―I線相当部位で昇降路1を横断したものである。
即ち、図12と同様に、奥行側のピット床3上には台座16が横設されており、この台座16には錘緩衝器15及び錘レール5が立設されている。更に、台座16の延長部分には機械台22も立設されて巻上機21が設置されている。また、制御盤28は、巻上機21の横の昇降路1の壁に取り付けられている。しかも、巻上機21及び制御盤28は、共に最下階乗場2の床面よりも上位に取り付けられていて、ピットが冠水したときの被災を避け得るようになっている。巻上機21の綱車29には主索24が巻き掛けられて立ち上げられており、図12と同様に昇降路1の頂部に取り付けられた滑車に導かれて乗りかご31及び釣合錘(図示しない。)を吊持し、それぞれかごレール4及び錘レール5に沿って昇降させるようになっている。
【0012】
乗りかご31は、かご床33上に立設された側板34、41及び42によって仕切られて、かご室32が構成されている。
側板34は、かご室32の奥行側の側面を構成し、かつ、3分割された各板材の左右両端が外側へ向けてコ字状に曲げられている。奥行側左方の角部に立設された柱35に近接して立設された縁部側板341と、この縁部側板341の反角部側に隣接して並設された隣接側板342と、この隣接側板342と奥行側右方の角部に立設された柱35との間に並設された縁部側板343とからなる。以下、総称するときは、側板341、342、343、又は側板34ともいう。
【0013】
側板41は、かご室32の左側の側面を構成し、側板34と直交する方向へ向けて立設された直交側板で、側板34と同様に3分割されている。
側板42は、かご室32の右側の側面を構成し、側板34と直交する方向へ向けて立設された直交側板で、側板41と対峙して立設されている。
なお、側板34、41及び42の下端はかご床33から浮いており、内側面よりも後退した位置に幅木36が横設されて、その隙間を塞いでいる。
縁部側板341は、かご床33に立設された支軸39によって角部側の背面で揺動自在に支持されている。通常時は固定手段38によって側面を閉じた状態で固定されており、固定が解除されると、かご室32内側へ揺動して図1に符号341′で示したとおり側面を開放する。
【0014】
図2は、乗りかご31の奥行側の背面の斜視図で、図1と同符号は同一部分を示す。
左右の柱35は固定金具35aによってかご床33に固定され、両者の間には横梁44が跨設されており、固定金具35aによって柱35に結合されている。隣接側板342及び縁部側板343は、いずれも固定金具34aによってかご床33と横梁44に固定されている。かご天井43も横梁44に固定されている。側板41は、図3に示すとおり、固定金具34aによってかご床33に固定されている。側板42も同様である。幅木36は固定金具36aによってかご床33に固定されている。
【0015】
支軸39は下端がかご床33に係止され、上端が横梁44に係止されており、上部と下部に受座39aが固着されている。縁部側板341は、角部側の背面の上部と下部に取付具40が固着されている。この取付具40には、支軸39が貫通すると共に受座39aに上側から当接して、縁部側板341が支軸39によって揺動自在に支持されている。このため、かご室32の奥行側の側面を開閉することができる。また、縁部側板341の反角部側の背面には、固定手段38が取り付けられていて、揺動を阻止して閉じた状態に保持するようになっている。この固定手段38は、かご室32内側からキーによって操作され、レバー38aが回動して、アーム38bを介して固定ロッド38cを駆動する。固定ロッド38cはガイド38dに案内されて上下動して、縁部側板341が閉じた位置で、かご床33及び横梁44に穿設された固定穴38eに先端部を没入させて縁部側板341を固定するようになっている。
【0016】
図3は、縁部側板341の取付部位の詳細を示す部分断面図である。図中、図1及び図2と同符号は同一部分を示す。
支軸39の軸心から縁部側板341の内側面上へ下した垂線の長さδ1は、軸心から直交側板41の内側面の延長面上へ下した垂線の長さδ2よりも短い。即ち、支軸39を直交側板41から遠ざけて、縁部側板341を開いたときに、角部における直交側板41との干渉を避けるようになっている。
また、上下の取付具40には、縁部側板341の内側面に平行する方向へ長手を向けて長穴40aが穿設され、この長穴40aに支軸39が遊挿されて縁部側板341を相対移動可能な状態で支持している。このため、縁部側板341を開くときは、かご室32の角部側へ一旦寄せて反角部側に隣接して並設された隣接側板342との隙間を拡幅した後縁部側板341を開くようにして、両者の近接端部の相互干渉を回避させた構成になっている。
【0017】
図4は、図3のIV−IV線断面を矢視した断面図である。縁部側板341は、直交側板41及び隣接側板342との干渉を避けると共に、幅木36との間、及び横梁44及びかご天井43等の天井部材との間にも空隙を隔てており、縁部側板341を開くときに、幅木36及び天井部材と干渉することはない。
【0018】
図5は、図1のV−V線相当部位の断面を矢視した断面図で、図中、図1から図4と同符号は、同一部分を示す。
乗りかご31を、最下階乗場2から更に下降させて、保守員8の作業し易い位置で乗りかご31を停止させた後、固定手段38による固定を解いて縁部側板341を開放する。昇降路1に取り付けられた巻上機21及び制御盤23は、開放された部分に取り付けられており、開口を介してかご室32内からの点検作業が行われる。
【0019】
上記実施の形態1によれば、縁部側板341を開放するようにしたので、かご室32内から保守点検作業を行うことができ、ピットに作業台9を設置して行う従来例に比べて作業が容易になった。
特に、エレベータでは、昇降路1のスペースを有効活用するために、かご床33の面積は可能な範囲で最大に設定される。このため、昇降路1内に取り付けられた機器とかご床33の先端との空隙は狭小になるのが通例である。このエレベータに特有の条件に対して、上記実施の形態1によれば、縁部側板341をかご室32内側へ揺動させて開閉するようにしたので、開閉に際して昇降路1内に設置された機器とも干渉することがない。このため、縁部側板341の化粧仕上げされた内面を損傷することがない。
また、支軸39の軸心から縁部側板341の内側面上へ下した垂線の長さδ1は、軸心から直交側板41の内側面の延長面上へ下した垂線の長さδ2よりも短くしたので、直交側板41と干渉することなく縁部側板341を略90度開くことができる。このため、側板34及び41の化粧仕上げ面を損傷することがなく、また、大きな開口が得られるので、保守点検作業を容易に行うことができる。
【0020】
更に、取付具40には長穴40aが穿設され、この長穴40aに支軸39が遊挿されて縁部側板341を相対移動可能な状態で支持するようにしたので、縁部側板341をかご室32の角部側へ一旦寄せて隣接側板342との隙間を拡幅させることができる。このため、縁部側板341を開くときは、上記隙間を拡幅することにより、隣接側板342との近接端部の相互干渉を回避させて化粧仕上げ面の損傷を回避することができる。
更にまた、支軸39及び固定手段38を、幅木36よりも外側でかご床33に係止させたので、かご室32内からは視界外となる。このため、支軸39及び固定手段38が乗客に視認されることはない。
【0021】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、縁部側板341のみを開放するものとしたが、この実施の形態2では、奥行側の側面を全面開放することができるようにしたものである。
図6は実施の形態2を示し、奥行側の側面を構成する側板34の全面を開放した乗りかご31の横断面を示す。
側板34を構成する縁部側板341、隣接側板342及び縁部側板343は、いずれも図1から図4に示した支軸39と取付具40によって揺動自在に取り付けられており、また、揺動を阻止する固定手段38を備えている。
上記実施の形態2によれば、縁部側板341、隣接側板342及び縁部側板343を選択的に開放することができるので、必要部位の側面のみを開放して保守点検作業をすることができる。
また、奥行側の側面を全面開放することもできるので、広い開口を得ることができ、分散設置された巻上機21及び制御盤28を一括して保守点検することもできる。
【0022】
実施の形態3.
この実施の形態3では、左右の側面及び奥行側の3面を全面開放できるようにしたものである。
図7は実施の形態3を示し、側板34、41及び42を全面開放した乗りかご31の横断面を示す。
側板34を構成する縁部側板341、隣接側板342及び縁部側板343は、いずれも支軸39と取付具40によって揺動自在に取り付けられており、また、固定手段38を備えている。
側板41及び側板42も側板34と同様に3分割され、それぞれ支軸39と取付具40によって揺動自在に取り付けられており、また、固定手段38を備えている。
【0023】
上記実施の形態3によれば、側板34、41及び42の内のいずれかの側板であって、3分割されたものの一つを選択して開放することができる。
また、側板34、41及び42の内、いずれかを選択して1側面全体を一括して開放することもできる。
更に、いずれか2側面を構成する側板を選択して一括して開放することもできる。
更にまた、側板34、41及び42の全部を一括して開放することもできる。上記のように、選択的に側面を解放することができるので、必要個所に限って開放することができる。
また、左右の側面及び奥行側の3面を全面開放できるようにしたので、巻上機21及び制御盤28に限らず、昇降路1内に分散設置された各種の機器の保守点検をかご室32内から行うこともできる。
【0024】
実施の形態4.
この実施の形態4は、奥行側の側面を全面開放することができるようにしたものであって、特に、縁部側板341と隣接側板342を折り畳むようにしたものである。
図8は実施の形態4を示し、奥行側の側面を構成する側板34の全面を開放した乗りかご31の横断面を示す。
縁部側板341及び343は、支軸39と取付具40によって揺動自在に取り付けられており、揺動を阻止する固定手段38も備えている。隣接側板342の縁部側板341側の端部は、丁番47によって縁部側板341の端部に枢着されている。隣接側板342の他端部には、丁番47の軸心と縁部側板341を支える支軸39の軸心と共に水平投影面上で二等辺三角形の頂点を構成する部位を通る鉛直線上に位置して隣接側板342の上端及び下端から突出するピン48が突設されている。このピン48が遊挿される案内溝49が、かご室32の奥行側の側面に平行する方向へ向けて、かご床33及びかご天井部材、即ち、図2の横梁44に穿設されている。
【0025】
上記構成において、閉じた状態では、縁部側板341、343、及び隣接側板342は同一平面上に並設されて、固定手段38によって固定されている。隣接側板342は縁部側板341の固定により固定される。
縁部側板341を開く場合は、固定手段38による固定を解除した後、縁部側板341を内側へ揺動させて開く。隣接側板342は縁部側板341に追随して引き寄せられ、他端部が案内溝49に沿って移動して折り畳まれる。これによってかご室32の側面が開かれる。
開いた縁部側板341と隣接側板342を閉じるには、縁部側板341を逆転させ、両者を伸展させて同一平面上に並設させる。
【0026】
上記実施の形態4によれば、かご室32の側面を開く場合、隣接側板342は縁部側板341に追随して引き寄せられて折り畳まれるので、連続した広い開口を得ることができ、保守点検作業がし易い。
また、隣接側板342は縁部側板341に引き寄せられて間口方向の側面に移動するので、保守点検作業中に化粧仕上げ面が損傷され難くなる。
更に、この実施の形態4においても、側板34はかご室32内側へ向けて揺動して開閉するので、開閉に際して昇降路1内に設置された機器とも干渉することがない。このため、側板34の化粧仕上げされた内面を損傷することがない。
【0027】
実施の形態5.
この実施の形態5は、かご室32の側面を構成する側板34を、複数の側板341、342、343で構成し、その内の一つを横引きすることによって、かご室32の側面を開放するようにしたものである。図9から図11は実施の形態5を示し、図1から図5と同符号は、同一部分を示す。
図9は、乗りかご31の奥行側の背面を示す斜視図である。各側板341、342、343の背面両側には、固定手段38がそれぞれ一対取り付けられている。また、側板341、342、343の背面両側には、下端から下方へ向けて下部突起を突出させ、上端から上方へ向けて上部突起を突出させた吊り支軸51がそれぞれ一対立設されており、この吊り支軸51には上部と下部に受座51aが固着されている。また、側板341、342、343の背面両側には、取付具52が固着されている。この取付具52には、吊り支軸51が貫通すると共に受座51aに上側から当接して、側板341、342、343が吊り支軸51によって支持されるようになっている。
【0028】
奥行側の左右両角部に立設された柱35の間には、開口50aを下に向けたリップ溝形の横梁44が跨設されている。開口50aはかご室32の側面の外側に位置し、上部案内溝56uを構成する。また、横梁44のリップ部分には、各上部突起に対応させて、かご室32外へ向けて上部誘導溝55uが穿設されている。この上部誘導溝55uは上部案内溝56uに通じている。各側板341、342、343が閉じた状態では、吊り支軸51の上部突起は、上部誘導溝55uに遊挿され、上部突起の頂部に固着された吊りフック51bが横梁44の溝内でリップ部と係合している。従って、各側板341、342、343は、吊り支軸51を介して横梁44に吊持されている。
また、かご室32の奥行側の室外のかご床33には、かご室32の側面に平行する方向へ向けて下部案内溝56dが穿設されている。この下部案内溝56dには、各下部突起に対応させて、かご室32外へ向けて下部誘導溝55dが穿設されている。この下部誘導溝55dは下部案内溝56dに通じている。各側板341、342、343が閉じた状態では、吊り支軸51の下部突起は、下部誘導溝55dに遊挿されている。
【0029】
図10は、縁部側板343を開放した状態の昇降路1の横断面図である。即ち、縁部側板343は、固定手段38による固定が解除されて隣接側板342の背部に位置している。このため、隣接側板342と右側の角部との間が開放されており、この開口を介してかご室32内から巻上機21の保守点検を行うことができる。また、制御盤28を点検するには、縁部側板341を開放する。
【0030】
図11は、縁部側板343を開閉する過程を示す説明用図である。
閉じた状態では、図11(a)に示したとおり、側板341、342、343は同一平面上に並設されて、固定手段38によって固定されている。
1.閉じられた縁部側板343を開放する場合
図11(a)に示された閉じられた状態の縁部側板343の固定手段38をキー操作して固定を解く。図11(b)に示したとおり、固定を解かれた縁部側板343を押して、下部誘導溝55d及び上部誘導溝55uに沿って下部案内溝56d及び上部案内溝56uまで後退させる。図11(c)に示したとおり、後退移動した縁部側板343を下部案内溝56d及び上部案内溝56uに沿って隣接側板342の背部まで水平移動させてかご室32の側面を開放する。
【0031】
2.開放された縁部側板343を閉じる場合
図11(c)に示された開放状態の縁部側板343を、下部案内溝56d及び上部案内溝56uに沿って開口部位まで水平移動させて、図11(b)に示したとおり開口を閉鎖する。開口部位まで水平移動した縁部側板343を引き込んで、図11(a)に示したとおり、かご室32の内側へ前進させ、他の側板341、342と同一平面上に並置させた後、固定手段38によって固定する。
上記は、縁部側板343を開閉する場合であるが、縁部側板341及び隣接側板342の場合も同様にして開閉することができる。
【0032】
上記実施の形態5によれば、かご室32の側面を開放した状態では、開口部位を塞いでいた側板341、342、343は、他の側板341、342、343の背部まで移動するので、保守点検作業の邪魔になることはない。このため、保守点検作業がし易いと共に、作業中における化粧面の損傷防止に有効である。
また、吊り支軸51は下部誘導溝55d及び下部案内溝56dに沿って移動し、側板341、342、343は、吊り支軸51よりもかご室32の内側にあるので、側板341、342、343を、かご室32外へ押し出して、他の側板341、342、343の背部へ移動させたとしても、それらはかご床33上にあり、昇降路1内に設置された機器と干渉することはない。
更に、側板341、342、343を選択的に開放することができるので、保守作業に合わせて必要部位に限定して開放することができる。
更にまた、開閉するときに、側板341、342、343の隣接端部が相互干渉することはないので、端部間の隙間を極小化させることができる。
【0033】
なお、上記では、側板34を3分割にしたが、分割数によって開口の幅を変化させることができる。
また、上記では、下部案内溝56d、上部案内溝56uを単列にしたが、複数列にすることにより、開口の幅を増大させることができる。
更に、上記は、側板34の場合であるが、側板41及び42も、図9に示した構成にすることにより、同様に開閉することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明に係るエレベータの乗りかごは、かご室の側面を構成する側板を隣接して複数並設し、側板を開放してかご室内から昇降路に取り付けられた機器の点検を可能にしたエレベータの乗りかごにおいて、少なくとも一つの側板に下端から下方へ向けて突出した下部突起と上端から上方へ向けて突出した上部突起と側板を固定する固定手段とを設け、下部突起及び上部突起がそれぞれ側板の下方及び上方で遊挿されてかご室の外側へ通じる下部誘導溝及び上部誘導溝をかご床及びかご天井部材に穿設して固定手段による固定が解除された状態で側板の進退移動を可能とし、下部誘導溝及び上部誘導溝にそれぞれかご室外で連通する下部案内溝及び上部案内溝をかご室側面に平行する方向へ向けてかご床及びかご天井部材にそれぞれ穿設し、固定が解除されて後退した側板を、下部案内溝及び上部案内溝を介して水平移動させてかご室の側面を開閉するようにしたものである。
このため、かご室内から昇降路に取り付けられた機器の保守点検が可能となり、保守作業がし易い、という効果を奏すると共に、側板の化粧仕上げ面を損傷することなく開閉することができる、という効果も併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すエレベータの乗りかごの横断面図。
【図2】 この発明の実施の形態1を示すエレベータの乗りかごの奥行側の背面の斜視図。
【図3】 この発明の実施の形態1を示すエレベータの乗りかごの縁部側板341の取付部位を示す部分断面図。
【図4】 図3のIV−IV線断面を矢視した断面図。
【図5】 図1のV−V線相当部位の断面を矢視した断面図。
【図6】 この発明の実施の形態2を示すエレベータの乗りかごの横断面。
【図7】 この発明の実施の形態3を示すエレベータの乗りかごの横断面。
【図8】 この発明の実施の形態4を示すエレベータの乗りかごの横断面。
【図9】 この発明の実施の形態5を示すエレベータの乗りかごの奥行側の背面の斜視図。
【図10】 この発明の実施の形態5を示すエレベータの乗りかごの横断面。
【図11】 この発明の実施の形態5を示すエレベータの乗りかごの側部を開閉する過程を示す説明用図。
【図12】 従来のエレベータの乗りかごの断面図。
【符号の説明】
1 昇降路、 2 最下階乗場、 3 ピット床、 4 かごレール、 5 錘レール、 15 錘緩衝器、 16 台座、 21 巻上機、 22 機械台、 24 主索、 28 制御盤、 29 綱車、 31 乗りかご、 32 かご室、 33 かご床、 34 側板、 34a 固定金具、 35 柱、 35a 固定金具、 36 幅木、 36a 固定金具、 38 固定手段、 38a レバー、 38b アーム、 38c 固定ロッド、 38d ガイド、 38e 固定穴、 39 支軸、 39a 受座、 40 取付具、 40a 長穴、 41 側板、 42 側板、 43 かご天井、 44 横梁、 47 丁番、 48 ピン、 49 案内溝、 50 横梁、 51 吊り支軸、 51a 受座、 51b 吊りフック、 52 取付具、 43 かご天井、 55u 上部誘導溝、 55d 下部誘導溝、 56u 上部案内溝、 56d 下部案内溝、 341 縁部側板、 342 隣接側板、 343 縁部側板。
Claims (2)
- かご室の側面を構成する側板を隣接して複数並設し、上記側板を開放して上記かご室内から昇降路に取り付けられた機器の点検を可能にしたエレベータの乗りかごにおいて、少なくとも一つの上記側板に下端から下方へ向けて突出した下部突起と上端から上方へ向けて突出した上部突起と上記側板を固定する固定手段とを設け、上記下部突起及び上記上部突起がそれぞれ上記側板の下方及び上方で遊挿されて上記かご室の外側へ通じる下部誘導溝及び上部誘導溝をかご床及びかご天井部材に穿設して上記固定手段による固定が解除された状態で上記側板の進退移動を可能とし、上記下部誘導溝及び上記上部誘導溝にそれぞれ上記かご室外で連通する下部案内溝及び上部案内溝を上記かご室側面に平行する方向へ向けて上記かご床及び上記かご天井部材にそれぞれ穿設し、固定が解除されて後退した上記側板を、上記下部案内溝及び上記上部案内溝を介して水平移動させて上記かご室の側面を開閉するようにしたエレベータの乗りかご。
- 隣接して並設された複数の側板に、それぞれ、下部突起と上部突起と固定手段とが設けられ、
下部誘導溝は、上記各下部突起に対応してかご床に複数穿設され、
上部誘導溝は、上記各上部突起に対応してかご天井部材に複数穿設され、
下部案内溝は、上記各下部誘導溝にかご室外で連通するように、一直線状に上記かご床に穿設され、
上部案内溝は、上記各上部誘導溝にかご室外で連通するように、一直線状に上記かご天井部材に穿設された
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗りかご。
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