JP4293819B2 - 防振装置 - Google Patents

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JP4293819B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基部上に支持された震動源の振動が基部へ伝達されるのをコイルばねの弾性変形により防ぐようにした防振装置に関し、特に、コイルばねのサージングを防止するための技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば空気調和装置において、圧縮機を有する室外ユニットを震動源として設置面上に設置する場合、その設置面上に取付固定される矩形枠体からなるベースと、このベースと略同じ矩形枠体からなり、室外ユニットを上面に載置して固定する架台とを両者間に複数のアイソレータを介在させて連結した防振台が用いられている。上記アイソレータは、室外ユニット(震動源)の荷重を受けるコイルばねを備えていて、このコイルばねの弾性変形により室外ユニットの振動や騒音を吸収し、或いはその伝達を防止する防振装置として機能する。
【0003】
ところで、上記アイソレータにおいては、そのコイルばねに伝わる外力振動数がばね自身の固有振動数に近付くと振幅が大きくなるサージングが生じるので、このサージングを防ぐためのサージング防止部材が設けられる。
【0004】
例えば特許文献1に示されるものでは、コイルばねのループ内において直径方向に対向する位置に、弾性部又は粘弾性部からなる内部部材をばねの中心軸線方向に延びるように配置し、この対なる内部部材を円弧状に折り曲げられた弾性体で連結して、この弾性体の弾性力により内部部材をコイルばねのループ内周面に常時押し付けられるように付勢することで、その内部部材の押付けによりコイルばねのサージングを防止するようにしている。
【0005】
また、特許文献2には、コイルばね内に円筒部を略同心状に配置し、この円筒部の外周面にばねの中心軸線方向に延びる複数の粘弾性片を一体に突設し、その各粘弾性片を湾曲させた状態で先端部をコイルばねのループ内周面に常時押し付けるようにすることで、その粘弾性片の押付けによりコイルばねのサージングを防止するようにすることが示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、コイルばねとばね座との間に、両者間に挟み込まれるばね受部と、このばね受部に一体に形成され、ばねのループ内周面に圧接するばね押圧部とを設け、ばね押圧部にその拡開を容易にするスリットを設けるとともに、ばね押圧部自体の内部に拡開方向に付勢するばね鋼を埋め込んだものが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8―210439号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平8―54041号公報
【0009】
【特許文献3】
実開昭59―56440号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1〜3のものでは、いずれも、コイルばねのループ内に嵌入されるサージング防止部材が特殊で複雑な構造であるので、その製造コストが高くなるのは避けられない。
【0011】
また、サージング防止部材が複雑な構造であることから、それをばねのループ内に挿入する組込作業に手間を要し、作業性が悪いという難もある。
【0012】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記コイルばねを有する防振装置において、そのコイルばねのループ内に組み込まれるサージング防止部材の構造に改良を加えることで、現行品と同等の良好なサージング防止性能を長期間に亘り維持しながら、そのサージング防止部材の構造の簡単化、低コスト化、コイルばね内への組付作業の容易化を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、この発明では、基本的に、サージング防止部材として略円筒状の弾性体を用い、その弾性体を直径方向に押し潰した圧縮変形状態でコイルばねのループ内に圧縮変形方向がコイルばねの中心軸線方向と直交する方向になるように嵌入することとした。
【0014】
具体的には、請求項1の発明では、基部と、この基部の上側に位置しかつ基部に対し接離方向に相対移動する震動源との間に配置され、震動源の荷重を受けるコイルばねの弾性変形により、震動源から基部への振動の伝達を防ぐようにした防振装置であって、上記コイルばねのループ内に中心軸線が略水平方向に向くように配置されて嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材が設けられ、このサージング防止部材は、上記コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態で該ループにより直径方向に押圧されて、楕円状ないし長円状に変形している一方、上記コイルばねの負荷の増大に伴い、該サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、上記略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が上記幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明では、基部側に配置される基部側部材と、該基部側部材の上側に位置しかつ基部に対し接離方向に相対移動する震動源側に配置される震動源側部材と、両部材の間に配置されて震動源の荷重を受けるコイルばねとを備え、該コイルばねの弾性変形により震動源から基部への振動の伝達を防ぐようにした防振装置であって、上記コイルばねのループ内に中心軸線が略水平方向に向くように配置されて嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材が設けられ、このサージング防止部材は、上記コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態で該ループにより直径方向に押圧されて、楕円状ないし長円状に変形している一方、上記コイルばねの負荷の増大に伴い、該サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、上記略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が上記幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
上記の構成によると、コイルばねのループ内に嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材において、コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態でループにより直径方向に押圧されて、サージング防止部材が楕円状ないし長円状に変形し、コイルばねの負荷の増大に伴い、サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、その略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化する。このことで、このサージング防止部材の弾性反発力による接触抵抗により、コイルばねにサージングが生じるのを防止でき、良好なサージング防止性能を維持することができる。
【0017】
また、上記サージング防止部材は略円筒状の弾性体からなり、それを楕円状ないし長円状に変形させてコイルばねのループ内に嵌入した構造のものであるので、サージング防止部材の構造が極めて簡単になり、その製造コストを下げることができ、サージング防止部材のコイルばねへの組付作業も容易になり、さらには、弾性体のへたりが生じ難くて、サージング防止機能を長期間に亘り維持することができる。
【0018】
請求項3の発明では、上記サージング防止部材のうち、略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の断面形状が他の部分と異なっており、サージング防止部材は、上部又は下部の一方で基部側又は震動源側に姿勢変化不能に固定されている。
【0019】
こうすると、サージング防止部材のうち、略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の例えば厚さを他の部分つまり上部又は下部に比べ部分的に厚くすることで、その押圧される側部のばねループに対する押圧力を増大させることができ、コイルばねのサージングの防止効果を良好に発揮させることができる。
【0020】
また、サージング防止部材は、上部又は下部の一方で基部側又は震動源側に固定されているので、この固定がなされていない場合のように、サージング防止部材がばねのループ内で回行することにより、その姿勢が変化して、コイルばねのループに接触する部分の位置が側部から他の部分に変化することもなく、上記サージング防止効果が安定して得られる。
【0021】
請求項4の発明では、上記サージング防止部材の上部又は下部の一方に挿入孔が貫通形成されている。また、この挿通孔に挿通されてサージング防止部材内に挿入される挿入部を有し、該挿入部により、サージング防止部材において略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の幅方向略中央部を外側に押し広げる挿入部材が設けられていることをことを特徴とする。
【0022】
このことで、サージング防止部材において略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の幅方向略中央部が挿入部により外側(コイルばねのループ内周面側)に押し広げられることになり、この挿入部の幅寸法や形状等の変更により、サージング防止部材のコイルばねのループ内周面に対する押圧力による接触抵抗を容易に調整することができる。
【0023】
また、挿入部材によりサージング防止部材の姿勢が変化するのを抑えて、その姿勢安定度を向上できるとともに、弾性体からなるサージング防止部材が本来持っている真円に戻ろうとする復元力に挿入部材が影響することはない。
【0024】
請求項5の発明では、上記基部側部材は、サージング防止部材の下部に離脱不能に係合される固定側係合部を有する一方、震動源側部材は、サージング防止部材の上部に離脱不能に係合される震動源側係合部を有することを特徴とする。
【0025】
このことで、基部側部材が固定側係合部でサージング防止部材の下部に離脱不能に係合される一方、このサージング防止部材の上部に震動源側部材の震動源側係合部が離脱不能に係合されているので、基部側部材と震動源側部材とがサージング防止部材を介して離脱不能に連結されることとなる。このため、基部側部材と震動源側部材とを一体的に連結した状態でセットとして組み合わせておく場合に、そのための連結部材は別途不要となり、サージング防止部材の連結部材との兼用により部品点数を少なくすることができる。
【0026】
請求項6の発明では、上記サージング防止部材は減衰性を有する弾性体で構成されているものとする。このことで、振動伝達率の特性曲線を、サージング周波数域での振動伝達率のピークの小さい平坦な曲線とでき、防振装置の振動伝達率の特性の向上を図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0028】
(実施形態1)
図5及び図6は本発明の実施形態1に係る防振台Aを示し、この防振台Aは、例えば空気調和装置において圧縮機を内蔵した室外ユニット(図示せず)を震動源として設置面上に設置する場合に用いられる。防振台Aは、設置面上に図外の基礎ボルト等により取付固定される矩形枠体からなる基部としてのベース1と、このベース1と略同じ形状の矩形枠体からなり、ベース1上に所定の間隔をあけてかつ上方から見て重なるように配置される架台2と、この架台2をベース1上に支持する複数(図示例では5つ)の防振装置としてのアイソレータ5,5,…と、架台2の上方向の所定以上の移動を規制する複数(図示例では4つ)のストッパ機構3,3,…とを備えてなり、上記架台2上に室外ユニットが載置されて取付固定されるようになっている。上記ストッパ機構3,3,…は、ベース1(架台2)における各隅角部内に配置されている。
【0029】
一方、上記アイソレータ5,5,…はベース1(架台2)において周方向に所定の間隔をあけて配置されている。図1及び図2に拡大して詳示するように、上記各アイソレータ5は、下部の大径部6a及び上部の小径部6bが水平方向の段部6cにより接続された2段円筒体からなりかつ下部の大径部6aがベース1上面に突設した円柱状の突起部(図示せず)に外嵌合されて取り付けられる固定用ホルダ6と、底部の中心に上記固定用ホルダ6の小径部6bが挿通される貫通孔9を有し、この貫通孔9に小径部6bが挿通された状態で底部下面が固定用ホルダ6の段部6c上面に同心状に載置されて溶接により一体化され、上側に向かって開放された基部側部材としての略カップ状の下部ばねケース10と、この下部ばねケース10の上側に同心状に配置され、かつ内底面(底部内面)の中心部に円柱状の突起部11aが形成され、下側に向かって開放された震動源側部材としての略カップ状の上部ばねケース11と、これら下部ばねケース10及び上部ばねケース11の間に同心状に介在され、室外ユニット(震動源)の荷重を受けるコイルばね15とを備え、このコイルばね15の上端部は上部ばねケース11内底面の突起部11a周りに、またコイルばね15の下端部は上部ばねケース11の内底面において固定用ホルダ6の小径部6b周りにそれぞれ当接している。
【0030】
また、上部ばねケース11内の下端部には、内部に下部ばねケース10の外周部を摺接可能に嵌合せしめたリング状のスポンジゴム等からなる連結部材18が外周面にて固定され、この連結部材18は上部ばねケース11が上方向(下部ばねケース10から離れる方向)に上昇端位置まで移動したときに下部ばねケース10の上端に突設したフランジ部10aに係合することで、上部及び下部ばねケース11,10を分離不能に一体的に連結するようになっている。
【0031】
また、上部ばねケース11の上面(底部外面)中心部には凹部11bが形成され、この凹部11bには円板状の上部ゴムパッド12が嵌合されて固定されており、この上部ゴムパッド12上面に架台2の下面を当接させて、室外ユニットの荷重を各アイソレータ5で受けるようになっている。
【0032】
上記コイルばね15のループ15a,15a,…内には、サージング防止部材としての円筒状のリングゴム21(弾性体)が嵌入されている。このリングゴム21は、図4に実線にて示すように、例えば幅wが約28mm、厚さtが5mm、外径Dが約46mm、硬度Hs30°又は40°の減衰ゴム(減衰性を有する弾性体)からなるもので、そのリングゴム21の円筒形状の中心軸線がコイルばね15の中心軸線方向(上下方向)に直交する水平方向(図2で上下方向)に向くように配置されて嵌入されており、リングゴム21の下部21cは固定用ホルダ6の小径部6b内に入り込んで支持されている。
【0033】
そして、リングゴム21は、上記コイルばね15の無負荷域(アイソレータ5の組立状態)では、図1及び図2に示す如く、上記水平方向に沿って直径方向に対向する両側部21b,21bが、外周面の幅方向の隅角部をばね15のループ15a,15a,…の内周面に接触させた状態で、またコイルばね15の負荷が増大するのに連れて、上記各側部21b外周面の幅方向の中間部をもばね15のループ15a,15a,…の内周面に接触させた状態で、さらにコイルばね15の最大荷重付加状態では、図3に示すように、各側部21b外周面の幅方向略全体をばね15のループ15a,15a,…の内周面に接触させた状態で、それぞれループ15a,15a,…により直径方向に押圧されて長円状(楕円状でもよい)に変形するように構成されている(図4の仮想線参照)。
【0034】
尚、上記コイルばね15の最大荷重付加状態では、図3に示すように、リングゴム21はその上部を、下降移動する上部ばねケース11の突起部11a下面に押圧されて上下方向にも圧縮されるようになっており、上部ばねケース11の突起部下面11aにはリングゴム21の上部21aに沿った円弧形状の凹部11cが形成されている。
【0035】
したがって、上記実施形態においては、空気調和装置の室外ユニットが防振台Aを介して設置面上に設置され、この防振台Aには、設置面側(下側)のベース1と室外ユニット側(上側)の架台2との間に配置される複数のアイソレータ5,5,…が設けられているので、室外ユニットの振動が設置面に伝達されるのが各アイソレータ5のコイルばね15によって防止される。
【0036】
そのとき、上記各アイソレータ5におけるコイルばね15のループ15a,15a,…内にリングゴム21が嵌入され、このリングゴム21は、その水平方向に沿って直径方向に対向する両側部21b,21bが、外周面の幅方向の少なくとも隅角部をばね15のループ15a,15a,…の内周面に接触させた状態でループ15a,15a,…により直径方向に押圧されて長円状(又は楕円状)に変形しているので、このリングゴム21の側部21b,21bの弾性反発力による接触抵抗によりコイルばね15にサージングが生じるのを防止することができる。このことで、アイソレータ5において、現行品と同等の良好なサージング防止性能を維持することができる。
【0037】
また、上記リングゴム21は略円筒状のもので、それが長円状(楕円状)に変形されてコイルばね15のループ15a,15a,…内に嵌入されているだけで、コイルばね15のサージングを防止できるので、リングゴム21の構造は極めて簡単であり、その製造コストを下げることができる。しかも、リングゴム21のコイルばね15への組付作業も容易になる。また、リングゴム21のへたりは生じ難く、サージング防止性能を長期間に亘り安定して確保することができる。
【0038】
また、上記リングゴム21は減衰性を持つ減衰ゴムで構成されているので、振動伝達率の特性曲線(図20参照)において、サージング周波数域での振動伝達率のピークをなくして平坦な曲線とでき、アイソレータ5の振動伝達率の特性の向上を図ることができる。
【0039】
(実施形態2)
図7及び図8は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図6と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、リングゴム21の構造を変更したものである。
【0040】
すなわち、この実施形態では、リングゴム21は、上記実施形態1のリングゴム21と同様の大きさ及び形状(円筒状)の外側ゴム22と、この外側ゴム22内に嵌挿された状態で配置され、外側ゴム22よりも小径の内側ゴム23との2重構造のものからなり、リングゴム21の一方(例えば図7で左側)の側部21bにおいて、外側ゴム22の内周面と内側ゴム23の外周面とが一体に接合されている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0041】
したがって、この実施形態においては、リングゴム21が円筒状の外側ゴム22及び内側ゴム23の2つを一体的に結合したものであるので、そのリングゴム21はコイルばね15のループ15a,15a,…内に嵌入された状態で中心軸線回りに回行(回転)し難くなり、リングゴム21において外側ゴム22及び内側ゴム23同士が重なっている両側部21b,21bを常にコイルばね15のループ15a,15a,…の内周面に接触させることができ、サージング防止機能が安定して得られる。
【0042】
(実施形態3)
図9及び図10は本発明の実施形態3を示す。この実施形態では、固定用ホルダ6の小径部6bの上端開口は閉塞されていて、固定用ホルダ6は底部を上側にした有底円筒形状のものとされており、この固定用ホルダ6の底部の中心部に取付孔7が開口されている。
【0043】
そして、リングゴム21のうち、水平方向に対向してコイルばね15のループ15a,15a,…に接触する両側部21b,21bの断面形状が他の部分つまり上部21a及び下部21cと異なっている。具体的には、各側部21bにはその一部をリングゴム21の内側に膨出させてなる膨出部25が一体に形成され、この膨出部25により各側部21bの厚さが上部21a及び下部21c(他の部分)よりも大に形成されている。また、この各側部21bにはリングゴム21の内周面寄りに、幅方向の両端面間に亘り貫通する上下方向に延びるスリット26が形成されており、このスリット26により、側部21bの断面形状が上部21a及び下部21c(他の部分)と異なった形状とされている。
【0044】
さらに、リングゴム21の下部21c外周面には下側に延びるピン部27が一体に突設され、このピン部27の途中の外周面には大径フランジ状の爪部27aが一体に形成されており、ピン部27を上記固定用ホルダ6底部の取付孔7に上側から挿通させて、その爪部27aを取付孔7下側の固定用ホルダ6内底面に係合させることにより、リングゴム21が下部21cで固定用ホルダ6に回行不能つまり姿勢変化不能に固定されている。その他は実施形態1と同様である。
【0045】
したがって、この実施形態の場合、リングゴム21のうち、水平方向に対向してコイルばね15のループ15a,15a,…に接触する側部21b,21bの厚さが上部21a及び下部21c(他の部分)に比べ部分的に厚くなっているので、その側部21b,21bのばねループ15a,15a,…に対する押圧力が増大し、コイルばね15のサージングの防止効果を良好に発揮させることができる。
【0046】
また、上記リングゴム21は、下部21cで固定用ホルダ6に固定されているので、この固定がない場合のように、リングゴム21がばね15のループ15a,15a,…内で回行してその姿勢が変化し、コイルばね15のループ15a,15a,…に接触する部分の位置が本来の厚い側部21b,21bから上部21a又は下部21cに変化することはなく、リングゴム21によるコイルばね15のサージングの防止効果が安定して得られる。
【0047】
尚、この実施形態のように、リングゴム21を下部21cで固定用ホルダ6に固定するのに代え、リングゴム21を上部21aで上部ばねケース11に固定するように変更することもできる。
【0048】
また、この実施形態では、リングゴム21の側部21b,21bの厚さを上部21a及び下部21cよりも厚くしているが、この厚さ以外に幅や形状等を変更してもよく、リングゴム21の側部21b,21bの断面形状を他の部分と異ならせればよい。
【0049】
(実施形態4)
図11〜図15は実施形態4を示し、リングゴム21の側部21b,21bを内部から押し広げてリングゴム21によるコイルばね15のサージング防止効果をさらに安定させるようにしたものである。
【0050】
すなわち、この実施形態では、リングゴム21の下部21cに挿入孔30が貫通形成されている。この挿入孔30は、図14(a)に示すように、リングゴム21における下部21cの幅方向の中央部をリングゴム21の内周面と外周面との間に亘り所定長さに亘って貫通するように形成されたスリット状のものからなる。
【0051】
一方、上記実施形態3(図9参照)と同様に、固定用ホルダ6の小径部6bの上端開口は閉塞され、固定用ホルダ6は底部を上側にした有底円筒形状のものとされていて挿入部材を構成している。この固定用ホルダ6の底部の上面には挿入部31が一体に突設されている。この挿入部31は、図14(b)に示す如く、上端部が円弧状に形成された板状のもので、上記リングゴム21の下部21cの挿入孔30を下側から挿通されてリングゴム21内に挿入可能とされており、図11、図12及び図15に示すように、このリングゴム21内に下部21cの挿入孔30から挿入される挿入部31により、リングゴム21において水平方向に対向してコイルばね15のループ15a,15a,…に接触する各側部21bの幅方向略中央部を外側に押し広げるようになっている。
【0052】
したがって、この実施形態においては、図13に示すようにアイソレータ5に最大荷重が付加されたときは勿論、アイソレータ5に荷重が付加されていないときでも、図12及び図15に示す如く、リングゴム21において水平方向に対向してコイルばね15のループ15a,15a,…に接触する側部21b,21bの幅方向略中央部が固定用ホルダ6の挿入部31により外側に押し広げられることになり、この挿入部31の幅寸法や形状等の変更により、リングゴム21のコイルばね15のループ15a,15a,…の内周面に対する押圧力による接触抵抗を容易に調整することができる。
【0053】
また、固定用ホルダ6の挿入部31がリングゴム21の挿入孔30から挿通されてリングゴム21内に挿入されているので、上記実施形態3と同様に、リングゴム21が回行して姿勢変化しようとしてもそれを阻止して、リングゴム21の姿勢安定度を向上することができる。また、挿入部31はスリット状の挿入孔30を介してリングゴム21内に挿入されているので、リングゴム21が本来持っている真円に戻ろうとする復元力に挿入部31が影響することはない。
【0054】
(実施形態5)
図16は実施形態5を示し、上記実施形態4では固定用ホルダ6に挿入部31を設けているのに対し、下部ばねケース10に挿入部31を設けたものである。
【0055】
すなわち、この実施形態では、固定用ホルダ6は小径部6bのない円形皿状のものであり、その上面の中心部に円柱状の突部6dが一体に形成されている。一方、下部ばねケース10は底部の中心部に貫通孔9がない有底カップ状のもので、その底部の下面には上記固定用ホルダ6の突部6dが嵌合される嵌合凹部10bが形成されており、この嵌合凹部10bに突部6dが嵌合された状態で固定用ホルダ6が下部ばねケース10に同心状に一体的に接合されている。
【0056】
そして、この実施形態では上記下部ばねケース10が挿入部材を構成しており、その底部内面(上面)に板状の挿入部31が一体に突設され、この挿入部31がリングゴム21の下部21cの挿入孔30を介してリングゴム21内に挿入されている。
【0057】
その他の構成は上記実施形態4と同様であり、よってこの実施形態でも実施形態4と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
尚、上記実施形態4又は5においては、リングゴム21の下部21cに挿入孔30を形成し、この挿入孔30を通してリングゴム21内に挿入される挿入部31を固定用ホルダ6又は下部ばねケース10に突設しているが、逆に、リングゴム21の上部21aに挿入孔を形成し、この挿通孔に挿通されてリングゴム21内に挿入される挿入部31を上部ばねケース11の底部内面に突設するようにしてもよく、実施形態4又は5と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
(実施形態6)
図17〜図19は本発明の実施形態6を示し、上記各実施形態では、下部ばねケース10の上端外周部と上部ばねケース11内の下端部との間に連結部材18が配置されて、この連結部材18により上部及び下部ばねケース11,10を一体的に連結するようにしているのに対し、これら両ばねケース11,10を一体的に連結するための構造を変えたものである。
【0060】
すなわち、この実施形態では、上記実施形態3(図9参照)と同様に、固定用ホルダ6の小径部6bの上端開口は閉塞されて、固定用ホルダ6は底部を上側にした有底円筒形状のものとされている。そして、この固定用ホルダ6の小径部6bに貫通孔9にて外嵌合されて段部6c上面に一体的に溶接される下部ばねケース10は基部側部材をなし、この下部ばねケース10底部の貫通孔9において直径方向に対向する部分には上方向に互いに平行に延びる1対の係合片34,34(固定側係合部)が一体に突設され、この係合片34,34の上端部(先端部)における対向面には半球状の係合部34a,34aが互いに向かい合うように形成されており、これら両係合部34a,34a下側の係合片34,34間にリングゴム21の下部21cが係合片34,34同士の対向方向をリングゴム21の幅方向とするように挟み込まれており、リングゴム21が持ち上げられたときに、その下部21cで係合片34,34の係合部34a,34aに離脱不能に係合されるようになっている。
【0061】
一方、リングゴム21の上部21aには、その内外周面間を貫通する係合孔36が形成されている。また、上部ばねケース11は震動源側部材をなし、この上部ばねケース11内底面(底部内面)の突起部11a下面には下側に向かって延びる震動源側係合部としての係合ピン38が一体に突設され、この係合ピン38は上記リングゴム21の上部21aにおける係合孔36に離脱不能に挿通されて係合されている。以上により、固定用ホルダ6に一体的に溶接固定される下部ばねケース10と上部ばねケース11とは、下部ばねケース10の1対の係合片34,34(固定側係合部)、これら係合片34,34の係合部34a,34a間に下部21cが係合されるリングゴム21、及び、このリングゴム21の上部21aの係合孔36に係合状態で挿通された、上部ばねケース11と一体の係合ピン38を介して一体的に連結されている。他の構成は実施形態1と同様である。
【0062】
したがって、この実施形態においては、固定用ホルダ6と一体化されている下部ばねケース10が1対の係合片34,34によりリングゴム21の下部21cに離脱不能に係合されている一方、このリングゴム21の上部21aの係合孔36に上部ばねケース11の係合ピン38が離脱不能に挿通されて係合されているので、下部ばねケース10(固定用ホルダ6)と上部ばねケース11とがリングゴム21を介して離脱不能に連結された状態となる。このため、下部ばねケース10(固定用ホルダ6)と上部ばねケース11とを一体的に連結した状態でセットとして組み合わせておくために、上記各実施形態のような連結部材18は別途に不要となり、リングゴム21を連結部材と兼用してアイソレータ5の部品点数を少なくできる利点がある。
【0063】
尚、この実施形態においては、下部ばねケース10を1対の係合片34,34によりリングゴム21の下部21cに離脱不能に係合し、リングゴム21の上部21aの係合孔36に上部ばねケース11の係合ピン38を離脱不能に挿通しているが、これに代え、上部ばねケース11を上記と同様の係合片によりリングゴム21の上部21aに離脱不能に係合する一方、リングゴム21の下部21cに上記と同様の係合孔を形成して、これに下部ばねケース10の係合ピンを離脱不能に挿通するようにしてもよい。さらには、上部ばねケース11及び下部ばねケース10の双方をいずれも、係合片によりリングゴム21に係合するか、或いは係合ピンのリングゴムの係合孔への挿通により係合するようにすることもできる。
【0064】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、サージング防止部材をゴムで構成しているが、樹脂等で構成してもよく、弾性体であればよい。
【0065】
また、上記各実施形態では、固定用ホルダ6と一体化された下部ばねケース10と、上部ばねケース11との間にコイルばね15を配置しているが、本発明は、基部と震動源との間に直接にコイルばね15を介在させる構造のアイソレータに対しても適用することができる。
【0066】
さらに、上記実施形態では、震動源が空気調和装置の室外ユニットであるが、その他の震動源をアイソレータにより支持する場合にも適用できるのは勿論である。
【0067】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。本発明者が上記実施形態4の構造のアイソレータ5(図11及び図12参照)からなる本発明例と、そのコイルばね15のループ15a,15a,…内にリングゴム21が嵌入されていない比較例との各振動伝達率を調べたところ、図20に示す結果が得られた。
【0068】
この結果を見ると、比較例では、所定の周波数でコイルばね15のサージングが発生し、このサージングにより振動伝達率が悪化しているが、本発明例のようにコイルばね15のループ15a,15a,…内にリングゴム21が嵌入されていると、コイルばね15のサージングの発生は防止され、振動伝達率が良好になって現行品と同等になり、滑らかな振動伝達率特性の曲線が得られていることが明らかである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した如く、請求項1の発明では、震動源から基部への上下方向の振動の伝達を防ぐようにした防振装置において、基部及び震動源の間に配置されるコイルばねのループ内に、中心軸線が略水平方向に向くように配置されて嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材を設け、このサージング防止部材は、コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態で該ループにより直径方向に押圧されて楕円状ないし長円状に変形し、コイルばねの負荷の増大に伴い、サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化するようにした。また、請求項2の発明では、基部側に配置される基部側部材と、この基部側部材の上側に位置する震動源側に配置される震動源側部材とを備え、両部材の間に配置されて震動源の荷重を受けるコイルばねにより震動源から基部への振動の伝達を防ぐようにした防振装置において、コイルばねのループ内に、中心軸線が略水平方向に向くように配置されて嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材を設け、このサージング防止部材は、コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態で該ループにより直径方向に押圧されて楕円状ないし長円状に変形し、コイルばねの負荷の増大に伴い、サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化するようにした。従って、これら発明によれば、コイルばねにサージングが生じるのを防止し、現行品と同等の良好なサージング防止性能を長期に亘り維持しつつ、サージング防止部材の構造を簡単にしてコストダウンを図り、サージング防止部材のコイルばねへの組付作業の容易化を図ることができる。
【0070】
請求項3の発明によると、サージング防止部材のうちの略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の断面形状を他の部分と異ならせ、サージング防止部材を上部又は下部の一方で第1又は第2部材に姿勢変化不能に固定したことにより、サージング防止部材のうちのコイルばねのループに接触する部分の例えば厚さを他の部分に比べ部分的に厚くし、その押圧される部分のばねループに対する押圧力を増大させて、コイルばねのサージングの防止効果を良好に発揮できるとともに、サージング防止部材において、コイルばねのループに接触する部分の位置が変化するのを防いで、サージング防止効果が安定して得られる。
【0071】
請求項4の発明によると、サージング防止部材の上部又は下部の一方に挿入孔を貫通形成し、この挿通孔に挿通されてサージング防止部材内に挿入される挿入部により、サージング防止部材において略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の幅方向略中央部を外側に押し広げる挿入部材を設けたことにより、弾性体からなるサージング防止部材本来の復元力に影響を及ぼすことなく、サージング防止部材において略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の幅方向略中央部を挿入部により外側に押し広げ、この挿入部の幅寸法や形状等の変更によりサージング防止部材のコイルばねのループ内周面に対する押圧力による接触抵抗を容易に調整できるとともに、挿入部材によりサージング防止部材の姿勢安定度を向上することができる。
【0072】
請求項5の発明によると、上記基部側部材は、サージング防止部材の下部に離脱不能に係合される固定側係合部を有するものとし一方、震動源側部材は、サージング防止部材の上部に離脱不能に係合される震動源側係合部を有するものとしたことにより、基部側部材と震動源側部材とをサージング防止部材を介して離脱不能に連結でき、基部側部材と震動源側部材とを一体的に連結した状態でセットとして組み合わせておく場合に、サージング防止部材の連結部材との兼用により部品点数を少なくすることができる。
【0073】
請求項6の発明によると、サージング防止部材は減衰性を有する弾性体で構成したことにより、振動伝達率の特性曲線において、サージング周波数域での振動伝達率のピークをなくして平坦な曲線とし、防振装置の振動伝達率の特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る防振装置の組立状態を示す断面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 防振装置の最大荷重付加状態を示す断面図である。
【図4】 リングゴムの拡大斜視図である。
【図5】 防振台の正面図である。
【図6】 防振台の平面図である。
【図7】 本発明の実施形態2を示す図1相当図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 本発明の実施形態3を示す図1相当図である。
【図10】 図9のX−X線断面図である。
【図11】 本発明の実施形態4を示す図1相当図である。
【図12】 図11のXII−XII線断面図である。
【図13】 実施形態4を示す図2相当図である。
【図14】 リングゴム及び挿入部材を示す分解斜視図である。
【図15】 リングゴムに挿入部材が挿入された状態を示す斜視図である。
【図16】 本発明の実施形態5を示す図1相当図である。
【図17】 本発明の実施形態6を示す図1相当図である。
【図18】 図17のXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】 実施形態6を示す平面図である。
【図20】 振動伝達率の特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
A 防振台
1 ベース(基部)
2 架台
5 アイソレータ
6 固定用ホルダ(挿入部材)
10 下部ばねケース(基部側部材、挿入部材)
11 上部ばねケース(震動源側部材)
15 コイルばね
15a ループ
21 リングゴム(サージング防止部材)
21b 側部
31 挿入部
34 係合片(固定側係合部)
38 係止ピン(震動源側係合部)

Claims (6)

  1. 基部と、該基部の上側に位置しかつ基部に対し接離方向に相対移動する震動源との間に配置され、震動源の荷重を受けるコイルばねの弾性変形により、震動源から基部への振動の伝達を防ぐようにした防振装置であって、
    上記コイルばねのループ内に中心軸線が略水平方向に向くように配置されて嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材が設けられ、
    上記サージング防止部材は、上記コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態で該ループにより直径方向に押圧されて、楕円状ないし長円状に変形している一方、上記コイルばねの負荷の増大に伴い、該サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、上記略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が上記幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化するように構成されていることを特徴とする防振装置。
  2. 基部側に配置される基部側部材と、該基部側部材の上側に位置しかつ基部に対し接離方向に相対移動する震動源側に配置される震動源側部材と、両部材の間に配置されて震動源の荷重を受けるコイルばねとを備え、該コイルばねの弾性変形により震動源から基部への振動の伝達を防ぐようにした防振装置であって、
    上記コイルばねのループ内に中心軸線が略水平方向に向くように配置されて嵌入された略円筒状の弾性体からなるサージング防止部材が設けられ、
    上記サージング防止部材は、上記コイルばねの無負荷状態では、略水平方向に沿って直径方向に対向する側部が、その外周面の少なくとも幅方向両端部をばねのループ内周面に接触させた状態で該ループにより直径方向に押圧されて、楕円状ないし長円状に変形している一方、上記コイルばねの負荷の増大に伴い、該サージング防止部材が上下方向に押圧されることで、上記略水平方向に沿って直径方向に対向する側部外周面の、ばねループ内周面との接触状態が上記幅方向両端部から幅方向中間部を経て幅方向全体へ変化するように構成されていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1又は2の防振装置において、
    サージング防止部材のうち、略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の断面形状が他の部分と異なっており、
    上記サージング防止部材は、上部又は下部の一方で基部側又は震動源側に姿勢変化不能に固定されていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1又は2の防振装置において、
    サージング防止部材の上部又は下部の一方に挿入孔が貫通形成されており、
    上記挿通孔に挿通されてサージング防止部材内に挿入される挿入部を有し、該挿入部により、サージング防止部材において略水平方向に対向してコイルばねのループに接触する側部の幅方向略中央部を外側に押し広げる挿入部材が設けられていることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項2の防振装置において、
    基部側部材は、サージング防止部材の下部に離脱不能に係合される固定側係合部を有する一方、
    震動源側部材は、サージング防止部材の上部に離脱不能に係合される震動源側係合部を有することを特徴とする防振装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの防振装置において、
    サージング防止部材は減衰性を有する弾性体で構成されていることを特徴とする防振装置。
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