JP4293749B2 - 化学増幅レジスト用ポリマーおよびこれを利用したレジスト組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
(a)発明の属する技術分野
本発明は化学増幅レジスト用ポリマーおよびこれを含むレジスト組成物に関する。特に、半導体の微細加工に適した単一波長を露光光源として使用するマイクロリソグラフィ工程で基板により微細なパターンを形成させることができ、露光後の遅延(Post Exposure Delay、以下、「PED」という)安全性を高め、乾式エッチングにより発生する熱に対して高い耐熱性を備えた化学増幅レジスト組成物への適用が可能な新規のポリマーおよびこれを適用したレジスト組成物に関する。
【0002】
(b)従来の技術
高解像度のリソグラフィ用あるいは大規模集積回路(LSI)製作にレジスト組成物が広く用いられている。特に、最近の大規模集積回路の高密度化が進められることによってレジスト組成物も高解像度および高感度を要求されるようになった。このような半導体集積回路の微細回路具現は通常リソグラフィ工程を使用して進行される。まず、基板にレジストを塗布して、事前に設計されたパターンが用意されたフォトマスクを利用して、基板にパターンを転写し、転写されたパターンによって適切に基板を切り出すエッチング工程を通じて微細回路を構成していく工程である。
【0003】
このリソグラフィ工程はa)基板の表面にレジストを均一に塗布する塗布工程、b)塗布されたレジスト膜から溶剤を蒸発させてレジスト膜が基板表面に密着するようにするソフトベイキング工程、c)紫外線などの光源を利用してマスク上の回路パターンを反復的に、そして順次に縮少投影しながら基板を露光させてマスクのパターンを基板上に転写する露光工程、d)光源からの露出による感光によって溶解度のような化学的性質が変化した部分を現像液を使用して選択的に除去する現像工程、e)現像作業後、基板上に残留するレジスト膜を基板により緊密に固着させるためのハードベイキング工程、f)現像された基板のパターンによって電気的な特性を付与するために所定部位をエッチングするエッチング工程およびg)前記エッチング作業後、不必要になったレジストを除去する剥離工程などを含む。
【0004】
半導体集積回路の高集積化は一般に3年間で4倍の速度で進められてダイナミックランダムアクセスメモリ(以下、「DRAM」という)では現在64メガビットと256メガビットDRAMが量産されており、ギガビットDRAMの開発も始まっている。
【0005】
既存の16メガDRAMでは0.5μmの回路線間幅技術が用いられていたが、64メガDRAMでは0.3μm以下の回路線間幅技術が用いられ、256メガDRAMおよびギガビットDRAMでは設計程度によってはクォーターミクロン以下、たとえば0.20μm、0.18μm、0.15μmなどの超微細パターンが要求される。このような微細加工で光照射波長が超紫外線に移動することによって超紫外線に効率的に反応できる新たなレジストの開発が要請される。
【0006】
このような要求を従来のキノンジアジド系光活性物質とフェノール系ノボラック樹脂からなるレジストでは充足させることができないが、その理由はこのレジストシステムが300nm以下の波長帯で大きな吸収があって、300nm以下の単一波長露光を実施すればパターンプロファイルが顕著に劣化するためである。従って、パターンプロファイルの流動現象のない強固なパターンの具現が要求される。
【0007】
このようなパターンプロファイルの具現には露光装置として通常ステッパ(stepper)と呼ばれるステップアンドリピド型の整列機(aligner)が広く用いられている。前記露光装置は光源によって水銀光のうちG線(波長436nm)、I線(波長365nm)を利用するものと、単一波長であるKrF(248nm)とArF(193nm)のエキシマーレーザー(excimer laser)用に区分される。基板上に微細なパターンを具現するためには解像度値(R)が小さくなければならないが、基本的には解像度値は下記レイリー(Rayleigh)の回折限界式1によって表現され、原理的には露光波長を短くすればするほど解像度値が小さくなるため単一の波長を利用することが有利である。
[回折限界式1]
R=κλ/NA
【0008】
前記式において、κは定数であり、λは用いられる光の波長(nm)であり、NAはレンズの口径数である。
【0009】
前記クォーターミクロン以下の高解像度を実現するためにはリソグラフィの分解能を向上させなければならず、このために波長が短い単一波長光源を使用し露出装置の光学系レンズの口径数(N.A)を大きくするのが効果的である。
【0010】
従って、半導体集積回路の高解像度化に対応できるように高出力エキシマーレーザー光源を利用するレジスト組成物が常用化されており、これらはKrFとArFエキシマーレーザー用のレジスト組成物として主に化学増幅の概念を導入した高感度レジストシステムが多数提案されている。
【0011】
化学増幅レジストは超紫外線照射によって光分解されながら酸を発生し、発生した酸は部分的に保護された保護基を熱の補助作用で分解した後、酸反応性ポリマーと反応して連鎖反応を開始したりまたは触媒として作用して結局一つの分子の酸が幾多の結合形成または結合分解反応を起こす。従って、化学増幅とは一つの光子の作用で生成された活性種(active species)が連鎖的化学反応を起こして結果的に僅かの生成量が飛躍的に増幅される現象のことである。このような酸の連続的な反応のため化学増幅という概念が導入され使用され始めた。
【0012】
化学増幅レジストは酸反応性(acid-labile)ポリマーと鉱酸発生剤の二成分系または酸反応性ポリマー、鉱酸発生剤およびマトリックス樹脂の三成分系がある。既存のレジストでは露光部位で直接的に感光物質が分解されたり架橋反応が起きてこれを現像すればポジティブまたはネガティブ形態のレジスト画像パターンが得られた。しかし、化学増幅レジストでは露光によって酸反応性ポリマーまたは化合物が直接的に反応せずに露光された部分の鉱酸発生剤で酸が発生して潜像(latent image)だけが生じる。発生した酸はその次の段階である露光の後の加熱(post-exposure bake、以下、「PEB」という)過程で酸反応性ポリマーに対して触媒として作用して反応が増幅され溶解度に顕著な差異をもたらす。
【0013】
このような化学増幅概念に基づいた最初のレジストは伊藤(Ito)等によってt−BOC(tertiary-butoxy carbonyl)原子団でブロックされたポリヒドロキシスチレン誘導体(poly[p-(t-butyloxycarbonyloxy)styrene]:PBOCSt)および鉱酸発生剤としてオニウム塩(onium salt)を使用したレジスト例として文献(American Chemical society, “Polymers in Electronics”, ACSSym. Series, No. 242)に掲載されている。このようにポリヒドロキシスチレン誘導体を使用する理由は、従来のレジストに用いられていたノボラックフェノール樹脂の場合、ディップUVに対する吸収が大きいのでレジストの基板との接触界面までUV光が十分に到達できない。その結果レジストの露光部で露光による化学変化が十分に膜の厚さ方向に起こらなくなり、これによって現像液に対して溶解性が不均一になる。このような問題は現像後に形成されるレジストパターン断面形状が三角形になるようにする。従って、得られたレジストパターンを基板に対する内部エッチングマスクとして使用する場合、目標とした微細な回路パターンが転写できなくなる問題が発生する。これを克服するためにベースポリマーを変更する必要があり、耐プラズマ性に優れたポリヒドロキシスチレン誘導体が適していることが知られている。
【0014】
このような例として、上野(Ueno)等によりポリパラ−スチレンオキシテトラヒドロピラニル(poly(p-styreneoxytetrahydropyranyl)と酸発生剤で構成された化学増幅レジストが文献(第36回日本応用物理学会予告集、1p−k−7,1989)に開示されており、更にシュレーゲル(Schlegel)等によりノボラックフェノール樹脂、t−BOCグループで置換されたビスフェノール−A、ピロガロールメタンスルホン酸エステル(pyrogallol methanesulfonic ester)で構成された3成分系レジストが文献(第37回日本応用物理学会予告集、28p−ZE−4,1990)に開示されている。また、このような製造方法と関連した技術が特開平2−27660号、特開平5−232706号、特開平5−249683号、米国特許第4,491,628号明細書および米国特許第5,310,619号明細書等に開示されている。しかし、前記のような化学増幅レジストは解像度が既存のG−線およびI−線用レジストに対して優れている反面、レジストの露光部で発生する酸が微量であるので周辺の環境、特にレジスト膜表面近くの酸素、水分およびその他の微量成分の影響を容易に受けて安定した微細パターンの形成がむずかしい。
【0015】
また、マクドナルド(MacDonald)等により空気中に含まれている微量のジメチルアニリンが露光によってレジストの表面近くで発生した酸の活性度を低下させて、レジスト膜表面の難溶化層を発生させて前記難溶化層が露光、現像処理後のレジストパターンの表面に残存するということが文献(Proc. SPIE, Vol.1466, 2, 1991年)に報告されている。しかし、前記の方法は露光からPEB工程までの時間遅延があるため微細パターンの反応により発生するフッティング(footing)現象の問題と工程ラインの大気中に分布したアミン成分による環境汚染で発生するT−top型パターンを発生する問題点がある。したがって、前記化合物を適用したレジスト組成物の場合、PED安全性側面から補完が必要であり、300nm以下の波長で高感度と高解像度を具現するのに適した新たなベースポリマーを適用したレジスト組成物が要求されている。
【0016】
また、最近の大規模集積回路はエッチングを乾式化する傾向がある。前記乾式化は半導体集積回路の集積度を高めるための方法の一つであって、リソグラフィ工程で基板のエッチング方法を従来のサイドエッチングの大きい湿式エッチングからサイドエッチングが少ない乾式エッチングに転換するものである。前記乾式エッチング法の使用は、エッチング時に発生する熱によってレジストパターンが変化するものであってはならず、集積度が高ければ高いほど用いられるレジストの高い耐熱性を要求される。
【0017】
したがって、本発明の目的は前記問題点を考慮して超紫外線を使用するマイクロリソグラフィ工程で基板上により微細なパターンを形成させることができ、露光後の遅延安全性を高め、乾式エッチングにより発生する熱に対して高い耐熱性を備えた化学増幅レジスト組成物への適用が可能な新たなポリマーおよびこれを適用したレジスト組成物を提供することにある。
【0018】
[課題を解決するための手段]
本発明は前記目的を達成するために下記の化学式1で示される化学増幅レジスト用ポリマーを提供する。
[化学式1]
【化10】
Figure 0004293749
【0019】
前記化学式1において、前記R1は水素またはメチルであり、前記R2は水素またはCH2CH2COOC(CH33であり、前記R3は塩素、しゅう素、ヒドロキシ、シアノ、t−ブトキシ、CH2NH2、CONH2、CH=NH、CH(OH)NH2またはC(OH)=NHであり、
x+y+Z=1にxは0.1〜0.9、yは0.01〜0.89、zは0.01〜0.89であり、
nは1または2であり、nが1であれば他の一つは水素である(ここでnが2であればR2の作用基は全て同一である)。
【0020】
また、本発明は(a)化学式1で示されるポリマー、(b)酸を発生する酸発生剤および(c)有機溶媒を含むレジスト組成物を提供する。
【0021】
[発明の実施の形態]
以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】
前記化学式1で示されるアルカリ現像可能なポリマーを合成するためにはポリマーを構成する3種のそれぞれのモノマーを用意して還流冷却機を備えた窒素雰囲気の反応機に投入して反応させる。重合溶媒としてはテトラヒドロフラン(以下、「THF」という)、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などを用いることができ、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という)またはベンゾパーオキシド(以下、「BPO」という)などの重合開始剤を加えて攪拌重合させる。反応が終了すれば合成されたポリマーをヘキサンに沈殿させて沈殿物を得た後、数回洗浄し、真空乾燥してポリマーを収得することができる。
【0023】
前記ポリマーを構成するモノマーの中で前記化学式1のZ反復単位を有するモノマーの合成の場合、後記する反応式1と同じ経路を経てシアノアルキルスチレンの合成が先行されなければならず、このように合成された4−シアノアルキルスチレンにt−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート基などを導入し、前記製造されたモノマーを再びアセトキシスチレン、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのモノマーと共に攪拌してポリマーを製造することができる。
【0024】
前記Z反復単位を有するモノマーの合成は例えば二つの段階を経て進められる。
まず、反応式1段階としてナトリウムシアン化物、カリウムシアン化物よりなる第1グループのシアン化物を水とエタノールを含んだアルキルアルコールとに混合する。前記溶液に4−クロロアルキルスチレンおよびハロゲン元素を含んだアルキルスチレンを徐々に投入して反応させた後、シアノアルキルスチレンを合成する。次いで、後記する反応式2段階に示すように反応式1で収得したモノマーとt−ブチルアクリレートを攪拌して4−(3−シアノ−ジ−1,5−t−ブトキシカルボニル−ペンチル)スチレン(以下、「CBCPS」という)を合成する。ここで、シアノアルキルスチレンとトリトン非溶液またはテトラアルキルアミンヒドロキシド溶液をジオキサンに溶解させた後、t−ブチルアクリレートを投入攪拌する。反応が完了すれば酸性溶液で中和し抽出してCBCPSを合成する。
【0025】
本発明のポリマー合成にはTHF、トルエン、ベンゼン、クロロホルムまたは四塩化炭素を重合溶媒として用いることができ、4−アセトキシスチレンまたは4−ブトキシスチレンを4−ブチルアクリレートまたはt−ブチルメタクリレートと前記で製造したCBCPSを投入し、AIBNまたはBPOなどの重合開始剤を加えた後、攪拌してポリマーを製造する。前記ポリマーは重量平均分子量(Mw)が3,000〜30,000であり、分散度が合成方法によって1.01〜3.00に調節して合成できる。
【0026】
本発明で用いられた置換モノマーは非露光部で十分な現像抑制能力を示し、露光部では酸の作用によって置換基が分解して現像液に溶解される特性を示す。
【0027】
本発明のポリマーをレジスト組成物に適用する場合、その組成はa)前記化学式1で示されるポリマー、b)酸を発生する酸発生剤およびc)有機溶媒を含む。
【0028】
本発明のポリマーをレジスト組成物に適用する場合、前記ポリマーはレジスト組成物内に1〜50重量%含まれるのが好ましい。
【0029】
前記b)の酸発生剤はスルホニウム塩、ヨードニウムなどのようなオニウム塩(onium salt)、N−イミノスルホン酸塩類、ジスルホン酸塩類、ビスアリールスルホニルジアゾメタン類およびアリールカルボニルアリールスルホニルジアゾメタン類などを用いることができ、その例が本件酸発生剤であり、レジスト組成物内に前記酸発生剤の内から1種以上選択して0.1〜50重量%含まれることが好ましい。
【0030】
前記スルホニウム塩の例は下記の通りであり、これに限定されるわけではない。
【化11】
Figure 0004293749
【化12】
Figure 0004293749
【0031】
前記ヨードニウム塩の例は下記の通りである。
【化13】
Figure 0004293749
【0032】
前記N−イミノスルホン酸塩類の例は下記の通りである。
【化14】
Figure 0004293749
【0033】
前記ジスルホン酸塩類の例は下記の通りである。
【化15】
Figure 0004293749
(前記式でRはH、−CH3または−C(CH33
【0034】
前記ビスアリールスルホニルジアゾメタン類の例は下記の通りである。
【化16】
Figure 0004293749
(前記式でRはH、−CH3または−C(CH33
【0035】
前記アリールカルボニルアリールスルホニルジアゾメタン類の例は下記の通りである。
【化17】
Figure 0004293749
(前記式でRはH、−CH3または−C(CH33
【0036】
前記c)の有機溶媒はエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエーテルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、3−エトキシ−エチルプロピオン酸塩、3−メトキシ−メチルプロピオン酸塩、ジグリコールモノエチルエーテル、2−ヘプタノン、ジアセトンアルコール、β−メトキシイソ酪酸メチルエステル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルプロピオン酸塩、乳酸メチル、乳酸ブチル、ピルビン酸エチル、γ−ブチロールラクトンからなる群より1種以上選択することが好ましく、レジスト組成物内に0.1〜99重量%含まれるのが好ましい。
【0037】
一方、本発明のポリマーを適用したレジスト組成物は非露光部位の溶解抑制向上のために溶解抑制剤を添加することもできる。溶解抑制剤の使用は非露光部と露光部の溶解度差異を大きくしてコントラストの向上に寄与する。このような溶解抑制型添加剤はレジスト組成物内に本発明のポリマーの重量に対して0.1〜50重量%添加できる。
【0038】
前記溶解抑制剤の例は下記の通りであるが、これに限定されるわけではない。
【化18】
Figure 0004293749
(ここで、Rグループは炭素を1乃至10個を有し、水素と酸素を含んだ分子である。)
【0039】
本発明のポリマーを適用したレジスト組成物が微細パターンを得るための工程は下記の通りである。
【0040】
本発明のポリマーを適用したレジスト組成物をシリコンウエハーなどの基板上に薄い薄膜を形成した後、塩基性水溶液で処理すれば共重合体の溶解度が低いため溶解が起こらない。しかし、超紫外線を照射すれば感応してレジスト内の酸発生剤が酸を発生し、熱の付加作用によって露光領域でポリマー構造の現像抑制型置換基が分解作用を起こして再び酸の発生が起こる。結果的に、ひとたび発生した酸がいくつかの酸活性分解作用を起こす化学増幅現象を示すようになる。その結果露光部ではポリマーの溶解度が大きく増加するようになり、塩基性水溶液を利用した現像時に非露光部と露光部の溶解度の差異が発生する。このような作用により従来のG−線およびI−線を使用した従来のレジスト組成物より優れた解像度を得ることができる。
【0041】
以下の実施例と比較例によって本発明を具体的に説明する。但し、これら実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明が実施例に限られるわけではない。
【0042】
[ポリマー合成]
4−シアノメチルスチレン(CyMS)の合成
攪拌棒が装着された500ml 4開口部つきフラスコにナトリウムシアン化物49.01gを水70.07gとエタノール50.96gに混合し、フラスコ温度を60℃に昇温してナトリウムシアン化物を完全に溶解した。前記溶液に4−クロロメチルスチレン87.50gをゆっくり投入し、反応温度を60〜70℃に維持して攪拌しながら3時間反応させた。反応が終結した時、40℃に冷却し、ジエチルエーテル100gを添加してジエチルエーテル層を分離した。分離された有機層を水300gで3回抽出し、水層をジエチルエーテル50gで抽出して有機層に混合した。分離収得された有機層を硫酸マグネシウムで1日間乾燥した後、蒸発器を利用して有機溶剤を除去し4−シアノメチルスチレン収得物を得た。収得物は80%の収率を示し、濃い紫色を示した。
前記合成は下記反応式1に従った。
[反応式1]
【化19】
Figure 0004293749
【0043】
4−(3−シアノ−ジ−1,5−t−ブトキシカルボニル−ペンチル)スチレン(CBCPS)の合成
攪拌棒を備えた500ml 4開口部つきフラスコに前記で製造した4−シアノメチルスチレン57.28gとトリトン非溶液1.4gをジオキサン40gに溶解した。反応機の温度を60℃に維持しながらt−ブチルアクリレート102.54gを約30分間ゆっくり投入し、24時間攪拌しながら反応させた。反応後、塩化物溶液で中和し、中和された反応液にジエチルエーテル100gと水300gで3回抽出して、水層をジエチルエーテル50gで抽出して有機層に混合した。分離収得された有機層を硫酸マグネシウムで1日間乾燥した後、蒸発器を利用して有機溶剤を除去した。得られた生成物を減圧蒸留して未反応物質を除去し、メタノールで再結晶して薄い黄色のCBCPSを60%の収率で収得した。
前記合成は下記反応式2にしたがったものである。
[反応式2]
【化20】
Figure 0004293749
【0044】
化学式1のポリマー合成
500ml 4開口部つきフラスコに温度調節装置および窒素投入器を装備してTHF300mlを投入し、窒素を加えて30分間攪拌した。この反応機に4−アセトキシスチレン56.62gとt−ブチルアクリレート9.16gおよび前記で製造したCBCPS24.14gを投入して、1.21gのAIBNを加えて温度を40℃に維持しながら窒素雰囲気下で30分間攪拌し、反応機の温度を上昇させて反応液が還流されるように維持しながら24時間攪拌反応させた。反応終了の後、温度を常温まで下げ反応液をヘキサン3リットルに浸漬して沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過し2リットルのヘキサンで数回洗浄して真空乾燥した。乾燥された高分子をフラスコでメタノール300mlに溶解し、30%NH4OH水溶液50mlを添加してゆっくり攪拌し、ポリマーが完全に溶解した後、30分間追加攪拌した。この溶液を1.5リットルの水に浸漬して沈殿物を得、この沈殿物をろ過して2リットルの蒸留水で洗浄し真空乾燥して化学式1のポリマー58.23gを収得した。
前記合成は下記反応式3にしたがったものである。
[反応式3]
【化21】
Figure 0004293749
【0045】
[実施例1〜7]化学増幅レジスト組成物
前記ポリマー合成方法で製造され化学式1で示されるポリマーと下記の化学式2〜6で示される化合物を酸発生剤として用いて表1の組成でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)および乳酸エチル(EL)を溶媒として用いて化学増幅レジスト組成物を得た。
【0046】
[化学式2]
【化22】
Figure 0004293749
【0047】
[化学式3]
【化23】
Figure 0004293749
[化学式4]
【化24】
Figure 0004293749
【0048】
[化学式5]
【化25】
Figure 0004293749
【0049】
[化学式6]
【化26】
Figure 0004293749
【0050】
前記化学増幅レジスト組成物をシリコンウエハー上に2000rpmで回転塗布し、100℃温度で90秒加熱して表1に示した厚さの薄膜を形成させた。前記薄膜上に微細パターンマスクを装着し、248nmの単一波長光を照射して、110℃温度で90秒加熱して化学増幅作用を起こした。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像した後、蒸留水で洗浄し乾燥してウエハーに微細パターンを形状化した。
微細パターンの相対感度と解像度を表1に記載した。
【0051】
[比較例1〜4]
下記の化学式7で示されるt−BOC(tertiary-Butoxy Carbonyl)グループおよび化学式8で示されるEVE(Ethyl Vinyl Ether)でブロックされたポリヒドロキシスチレンをポリマーとして用い、前記化学式2〜6で示される化合物を酸発生剤として用い、表1の組成でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)および乳酸エチル(EL)を溶媒として用いて化学増幅レジスト組成物を製造した。前記実施例1乃至7と同様な方法でシリコンウエハー上に回転塗布して加熱し薄膜を形成させ、化学増幅して微細パターンを形状化した。
微細パターンの相対感度と解像度を表1に記載した。
【0052】
[化学式7]
【化27】
Figure 0004293749
[化学式8]
【化28】
Figure 0004293749
【0053】
【表1】
Figure 0004293749
*前記表1で相対感度は最適エネルギー(optimum energy, Eop)を意味する。
【0054】
前記表1に記載されているように、本発明の実施例1乃至7による場合の解像度は0.16乃至0.20μmであって、比較例1乃至4の場合である0.24乃至0.30より非常に優れており、相対感度もまた28乃至30mj/cm2で、比較例の35乃至45mj/cm2より優れていることが分かる。
【0055】
本発明の化学式1で示されるポリマーを含む化学増幅レジスト組成物は超紫外線を使用するマイクロリソグラフィ工程で単一波長に速かに感応してウエハー上に高解像度の微細なパターンを形成させることができ、工程周辺環境の影響で発生する露光と露光後の加熱工程までの時間遅延によって起こるレジスト潜像と現像後の実際のレジスト微細回路パターンの変化を抑制し、塩基性アミンによる鉱酸発生剤と発生した酸の反応で現れるレジスト表面層の変形、つまり、T−top形パターン発生を抑制する。本発明のレジスト組成物は乾式エッチングにより発生する熱に対して高い耐熱性を備えて、256メガおよびギガビットDRAMの製造に適している。

Claims (6)

  1. 下記の化学式1で表示される化学増幅レジスト用ポリマー:
    [化学式1]
    Figure 0004293749
    前記化学式1において、R1は水素またはメチルであり、R2 はCH 2 CH 2 COOC(CH 3 3 であり、R3 はヒドロキシ、シアノ、t−ブトキシ、CH2NH2、CONH2、CH=NH、CH(OH)NH2またはC(OH)=NHであり、
    x+y+z=1で、xは0.1〜0.9、yは0.01〜0.89、zは0.01〜0.89であり、nは1または2であり、nが1であれば他の一つは水素である(ここでnが2であればR2の作用基が全て同じである)。
  2. 前記ポリマーは重量平均分子量が3,000〜30,000であり、分散度が1.01〜3.00である請求項1記載の化学増幅レジスト用ポリマー。
  3. a)下記の化学式1で示されるポリマー
    [化学式1]
    Figure 0004293749
    前記式において、R1は水素またはメチルであり、R2 はCH 2 CH 2 COOC(CH 3 3 であり、R3 はヒドロキシ、シアノ、t−ブトキシ、CH2NH2、CONH2、CH=NH、CH(OH)NH2またはC(OH)=NHであり、
    x+y+z=1で、xは0.1〜0.9、yは0.01〜0.89、zは0.01〜0.89であり、nは1または2であり、nが1であれば他の一つは水素であり、nが2であればR2の作用基は全て同じである;
    b)酸発生剤;および
    c)溶媒
    を含む感光性レジスト組成物。
  4. 前記a)の化学式1で示される高分子樹脂が組成物内に0.1〜50重量%含まれる、請求項3記載の感光性レジスト組成物。
  5. 前記b)の酸発生剤は
    Figure 0004293749
    Figure 0004293749
    であるスルホニウム塩;
    Figure 0004293749
    であるヨードニウム塩;
    Figure 0004293749
    であるN−イミノスルホン酸塩類;
    Figure 0004293749
    (前記式でRはH、−CH3または−C(CH33)であるジスルホン酸塩類;
    Figure 0004293749
    (前記式でRはH、−CH3または−C(CH33)であるビスアリールスルホニルジアゾメタン類;
    Figure 0004293749
    (前記式でRはH、−CH3または−C(CH33)であるアリールカルボニルアリールスルホニルジアゾメタン類からなる群より1種以上選択され、前記感光性レジスト組成物内に0.1〜50重量%含まれる請求項3記載の感光性化学増幅レジスト組成物。
  6. 前記c)の溶媒がエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエーテルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、3−エトキシ−エチルプロピオン酸塩、3−メトキシ−メチルプロピオン酸塩、ジグリコールモノエチルエーテル、2−ヘプタノン、ジアセトンアルコール、β−メトキシイソ酪酸メチルエステル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルプロピオン酸塩、乳酸メチル、乳酸ブチル、ピルビン酸エチル、γ−ブチロールラクトンからなる群より1種以上選択されるものであって、前記感光性レジスト組成物内に0.1〜99重量%含まれる請求項3記載の感光性化学増幅レジスト組成物。
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