JP4292903B2 - 液体塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は導電ペースト、接着剤、シリコーンオイルなどの粘性のある液体を対象物に対して微少量ずつ塗布するのに適した液体塗布方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平8−257484号公報
【特許文献2】
特開平8−318210号公報
【特許文献3】
特開平11−156259号公報
従来、電子部品などの表面に、液状樹脂や接着剤などの液体を所定量正確に塗布する方式として、ピン転写方式と呼ばれる液体塗布方法が知られている。
ピン転写方式とは、転写ピンの先端部に液体を付着させ、これを対象物に転着させる方式であるが、粘性を有する液体の場合には、対象物に転着させる際に液体が転写ピンに残留するという問題がある。
特に、電子部品に10μg〜数10μg程度の微少量の液体を塗布する場合、転写ピンに液体が一部でも残留すると、対象物への塗布量が大きくばらつくことになる。
【0003】
このような課題を解消するため、特許文献1では、先端部に液体が付着した転写ピンを対象物の表面に当てた後、転写ピンを僅かの高さだけ上昇させ、そこで転写ピンを一旦停止させた後、上昇させたり、あるいは一旦停止後、小さなストロークで細かく上下動させた後、上昇させる方法が提案されている。
しかし、この方法では、途中で一旦転写ピンを停止させるだけであり、転写ピンから液体を積極的に分離するための操作を行わないので、転写ピンへの液体の残留を確実に防止できないという欠点がある。
【0004】
特許文献2には、先端に液体を付着させた転写ピンを対象物に接近または接触させ、転写ピンに超音波振動を印加しながら引き上げることにより、転写ピンへの液体の残留を防止した塗布方法が提案されている。
特許文献3も、特許文献2と同様に、スタンプピンを接着剤を蓄えた容器の上部へ移動させ、スタンプ面に接着剤を付着させた後、スタンプピンを上昇させ、スタンプピンを基板の位置まで移動させ、そこで再びスタンプピンを下降させ、スタンプ面に付着した接着剤を基板に転写する方法が提案されている。スタンプピンに付着した接着剤の糸引き現象を防止するため、スタンプピンの表面にシリコン薄膜などの撥水性を持つ薄膜を形成したり、バイブレータや超音波発生装置などの振動を与える方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2および3に記載の塗布方法では、共に転写ピンに超音波振動を印加することで、転写ピンからの液体の分離性を高めることが可能である。
しかしながら、特許文献2のように先端がテーパ状に尖った塗布ツールを使用した場合、液体を塗布ツールから対象物に転着させる際、塗布ツールの先端が対象物に当たり、対象物を傷つける可能性が高い。また、液体を送り出す際に塗布ツールの側面に液体が残ることがある。
また、特許文献3では、転写ピン(スタンプピン)の底面に液体を付着させるので、対象物を傷つける恐れは少ないが、単に超音波振動を印加しながら転写ピンを上昇させるだけでは、必ずしも転写ピンへの液体の残留を防止しえない。
すなわち、液体と転写ピンとの間には物性的な特有の条件があり、その条件を満足しないと、転写ピンへの液体の残留を確実に防止することができない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、液体と転写ピンとの間で物性的な特有の条件を満足させることにより、転写ピンから対象物へ液体の残留なく精度よく転写することができる液体塗布方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、転写ピンの先端部に液体を付着させ、これを対象物に転着させる液体塗布方法において、均一に均された液面に上記転写ピンの先端部を接触させ、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となる位置に転写ピンを制御する工程と、上記転写ピンを上昇させることにより、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させる工程と、上記先端部に一定量の液体を付着させた転写ピンを対象物に対して降下させ、上記液体が対象物に接触する位置で転写ピンを停止させる工程と、上記停止状態で転写ピンに超音波振動を印加し、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とする工程と、上記接触角θを90°以上とした状態で転写ピンを上昇させる工程と、を有する液体塗布方法を提供する。
また、請求項2に記載の発明は、転写ピンの先端部に液体を付着させ、これを対象物に転着させる液体塗布方法において、均一に均された液面に上記転写ピンの先端部を接触させ、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となるように超音波振動を印加する工程と、上記転写ピンを上昇させることにより、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させる工程と、上記先端部に一定量の液体を付着させた転写ピンを対象物に対して降下させ、上記液体が対象物に接触する位置で転写ピンを停止させる工程と、上記停止状態で転写ピンに超音波振動を印加し、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とする工程と、上記接触角θを90°以上とした状態で転写ピンを上昇させる工程と、を有する液体塗布方法を提供する。
【0008】
一般に、接着剤、導電ペースト、シリコーンオイルなどの粘性を持つ液体ではその表面張力γが数十(mN/m)であるのに対し、転写ピン(表面処理済みの金属材料の場合)の単位面積当たりの表面自由エネルギーEは数百(mN/m)程度であるから、E>γであり、液体が転写ピンの表面に対して濡れる。つまり、転写ピンの表面と液体との接触角θが90°より小さい。そのため、転写ピンを対象物に近づけた状態から引き上げると、転写ピンに液体の一部が残留してしまい、塗布量が安定しない。
ところが、転写ピンを対象物に近づけた状態で停止させ、この停止状態で転写ピンに超音波振動を印加すると、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θが90°以上となる。この状態で転写ピンを上昇させると、液体が転写ピンの表面から簡単に分離し、転写ピンに液体を残留させずに対象物へ転写することができる。
転写ピンに液体が残留しないので、対象物への塗布量が安定するとともに、転写ピンに残留した液体を除去する作業も不要となる。
なお、超音波振動の方向は、縦方向(転写ピンの軸方向)でもよいし、横方向(転写ピンの軸線と直交方向)、さらには斜め方向でもよい。
【0009】
請求項3のように、超音波振動の印加により、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とした後、所定の待機時間を設けた後に転写ピンを上昇させるようにしてもよい。
つまり、転写ピンの先端部と液体との接触角θが90°以上となった時、即座に転写ピンを上昇させてもよいが、所定の待機時間を設ければ、より確実に転写ピンから液体を分離でき、液体を対象物に完全に転写できる。
上記の待機時間としては、例えば0.1秒程度でよい。
【0010】
請求項4のように、次の関係式が成立する超音波振動を印加するのがよい。
2M(πfA)2 >γL S ・・・(1)
但し、M:転写ピンの先端部底面への液体付着量(kg)、f:超音波の周波数(Hz)、A:超音波の振幅(m)、γL :液体の表面自由エネルギー(J/m2 )、S:液体の表面積(m2 )である。
上記不等式の左辺は超音波エネルギーを表し、右辺は液体の全表面エネルギーを表す。超音波振動の周波数および振幅を大きくすれば、それだけ転写ピンと液体との分離性は向上するが、大きなエネルギーを必要とするとともに、転写ピンの支持装置にも影響を与える。
上記式を満足する超音波振動を与えることで、比較的小さなエネルギーで、転写ピンの表面と液体との接触角θを90°以上とする時間を短縮できる。
【0011】
請求項1では、転写ピンの先端部に液体を付着させるために、均一に均された液面に上記転写ピンの先端部を接触させ、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となる位置に転写ピンを制御する工程と、上記転写ピンを上昇させることにより、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させる工程と、を有することを特徴とする。
転写ピンの先端部に液体を付着させる場合、例えば液中に転写ピンの先端部を浸漬させる方法もあるが、これでは転写ピンの先端部底面だけでなく、先端部の周囲にも付着することになる。先端部の周囲に付着した液体の量は毎回変動するので、塗布量にばらつきが発生しやすい。
そこで、請求項1では、均一に均された液面に転写ピンを接触させ、先端部側面と液面との接触角αが90°以上となる位置に転写ピンを制御し、その後で転写ピンを上昇させる。転写ピンを液体中に挿入すると、転写ピンの側面と液体との接触角αは挿入深さに伴って大きくなり、やがて接触角αは90°以上になる。さらに転写ピンを深く挿入すると、接触角αは90°より小さくなり、液体が転写ピンの側面に濡れ広がる。
そこで、接触角αが90°以上になった深さで転写ピンを停止させ、その位置から転写ピンを引き上げることで、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させることができる。先端部底面に付着した液体の量Mは、次式のように底面積によって決まるので、安定した塗布量に制御できる。
【数1】
但し、ρ:液体密度、β:転写ピン先端部底面と液体との接触角、D:転写ピンの先端部底面の直径、M:転写ピンの先端部底面に付着する液体の量。
請求項1にかかる方法は、降伏応力を有しない液体に適用するのが望ましい。降伏応力を有しない液体とは、液体流動させるのに必要な応力が0の液体のことであり、例えばアンダーフィル剤やシリコーンオイルなどがある。
【0012】
請求項2のように、転写ピンの先端部に液体を付着させるために、均一に均された液面に上記転写ピンの先端部を接触させ、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となるように超音波振動を印加する工程と、上記転写ピンを上昇させることにより、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させる工程と、を有するものでもよい。
請求項1では、転写ピンの位置を制御することで、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となるようにしたが、請求項2では超音波振動を印加することで、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αを90°以上としたものである。つまり、転写ピンを液体に挿入した時には接触角αが90°より小さくても、超音波振動を印加することで液体が転写ピンの側面に対して弾かれ、接触角αが90°以上となる。この時に転写ピンを引き上げると、先端部底面のみに液体を付着させることができる。超音波振動の方向は縦方向でもよいし、横方向あるいは斜め方向でもよい。
この場合も、(2)式と同様に、液量を転写ピンの先端部底面の直径Dによって一定に定量できる。
請求項2にかかる方法は、降伏応力を有する液体に適用するのが望ましい。降伏応力を有する液体とは、液体流動させるのに必要な応力が0ではない液体のことであり、例えば接着剤、導電性ペースト、封止用樹脂、クリームはんだ、セラミックスラリー、ワックスなどがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる液体塗布装置の一例を示す。
図において、1は転写ピンであり、その下端部には軸部1aが一体に形成されている。転写ピン1はSUSなどの金属材料よりなり、軸部1aは例えば直径が0.4mm程度の細径な円柱形に形成されている。軸部1aの表面には、表面自由エネルギーをできるだけ低くするため、フッ素コーティング処理が施されている。
【0014】
転写ピン1は、駆動装置2に連結されており、上下方向に駆動されるとともに、高さ位置が高精度に制御される。駆動装置2としては、例えばボイスコイルモータや、電動モータとボールネジ機構との組み合わせなどを用いることができる。転写ピン1の上部には、所定の縦振動U(例えば60kHz、5μm0-P )を転写ピン1に印加する超音波振動子3が取り付けられている。
【0015】
転写ピン1の下方には、水平方向に移動可能なテーブル4,5が設けられ、一方のテーブル4上には液体Lを貯留した容器6が載置され、他方のテーブル5上には液体Lを塗布する対象物7が載置されている。この実施例の液体Lは、例えば粘度:50Pa・s、密度:0.976mg/mm3 のシリコーンオイルである。容器6には、貯留された液体Lの液面を均すための液面均し手段(図示せず)が設けられ、1回の転写毎に液面を均す操作を実施する。
【0016】
図2は転写ピンの先端部に液体を付着させる動作を示す原理図である。
図2の(a)は、容器6を転写ピン1の直下になる位置へテーブル4を水平移動させ、駆動装置2によって転写ピン1を降下させ、転写ピン1の軸部1aの底面を容器6の液体Lの均一に均された液面に接触させた状態を示す。この状態では、軸部1aの側面と液面との接触角αが90°より小さい。
図2の(b)は、駆動装置2によって転写ピン1をさらに降下させ、軸部1aを液体Lの液面より僅かに浸漬させ、軸部1aの側面と液面との接触角αが90°以上となる位置(例えば浸漬深さ40μm以下程度)に制御した状態を示す。
図2の(c)は、軸部1aを液体Lの液面から引き上げた状態を示す。上記のように軸部1aの側面と液面との接触角αが90°以上の状態から軸部1aを引き上げると、軸部1aの底面のみに液体を付着させることができる。この時、軸部1aには一定量の液体Lが付着する。
【0017】
図2の(b)では、軸部1aの側面と液面との接触角αが90°以上となる位置に転写ピン1を制御したが、上記の方法以外にも、接触角αを90°以上とすることが可能である。
すなわち、軸部1aの側面と液面との接触角αが90°より小さい位置へ浸漬した状態で、転写ピン1に縦方向の超音波振動U(図2の(b)に破線矢印で示す)を印加すると、やがて接触角αが90°以上になるので、この時点で転写ピン1を引き上げれば、図2と同様に、軸部1aの底面のみに液体Lを付着させることができる。
【0018】
軸部1aの底面に付着した液体の量Mは、液体密度をρ(mg/mm3 )、軸部1aの底面と液体との接触角をβ(°)、軸部1aの底面の直径をD(mm)とすると、次式によって求めることができる。
【数2】
例えば、ρ=0.976mg/mm3 、β=70°、D=φ0.4mmとすると、約10μgの液体Lが軸部1aの底面に付着する。
【0019】
図3は転写ピンの先端部に付着した液体を対象物に転着させる動作を示す。
図3の(a)は、転写ピン1の軸部1aを対象物7に近づけ、液体Lを対象物7に接触させた状態を示す。この状態では、軸部1aの側面と液面との接触角θは90°より小さい。
図3の(b)は、転写ピン1に縦方向の超音波振動Uを印加した状態を示す。超音波振動Uの印加により、液体Lのみかけ上の表面張力が大きくなり、軸部1aの側面と液体Lとの接触角θが90°以上となる。接触角θが90°以上となった後、僅かな待機時間(例えば0.1s)を設けた後に転写ピン1を引き上げる。
超音波振動の印加条件は、次の式が成立するように設定する。すなわち、転写ピンの先端部底面への液体付着量M(kg)、超音波の振幅A(m)、超音波の周波数f(Hz)、液体の表面自由エネルギーγL (J/m2 )、液体の表面積S(m2 )とすると、
2M(πfA)2 >γL S ・・・(1)
である。
例えば、M=10μg、γL =21.3×10-3J/m2 、S=0.19×10-6m2 の場合、f=60kHz、A=5μm0-Pとすれば、接触角θを90°以上とすることができる。
図3の(c)は転写ピン1を引き上げる状態を示す。引上げる途中も、超音波振動Uを転写ピン1に印加するのがよい。これにより、液体Lは完全に対象物7に転着され、軸部1aには液体Lが残留しない。すなわち、(2)式で求めた液体Lの量Mが全て対象物7に乗り移るので、高精度な塗布を実現できる。
【0020】
図4は、転写ピンの先端部に付着した液体を対象物に転着させる動作の他の例を示す。
図3の(b)では、軸部1aの側面に液体Lが付着しない状態で超音波振動Uを印加することにより、軸部1aの側面と液体Lとの接触角θを90°以上としたが、図4に示すように、軸部1aの側面に液体Lが付着した状態で超音波振動Uを印加しても、軸部1aの側面と液体Lとの接触角θを90°以上とすることが可能である。
この場合も、転写ピン1を引き上げると、軸部1aには液体Lが残留しない。
【0021】
図5は、転写ピンの先端部に付着した液体を対象物に転着させる動作のさらに他の例を示す。
図3,図4では、転写ピン1に超音波振動Uを印加することにより、軸部1aの側面と液体Lとの接触角θを90°以上とした例を示したが、図5では軸部1aの底面と液体Lとの接触角θを90°以上としたものである。
図5の(a)は、底面に液体Lが付着した軸部1aを示す。
図5の(b)は、軸部1aを対象物7に近づけ、液体Lを対象物7に接触させた状態を示す。この時の軸部1aは、図3の(b)に比べて対象物7から離れた位置にあり、液体Lは軸部1aの底面から外側へはみ出していない。
図5の(c)は縦方向の超音波振動Uを印加した状態を示す。超音波振動Uの印加により、軸部1aの底面と液体Lとの接触角θが90°以上となる。
図5の(d)は、軸部1aを引き上げた状態を示し、対象物7に全ての液体Lが転写され、軸部1aには液体Lが残留しない。
【0022】
上記実施例では、転写ピン1の先端部(軸部1a)の底面のみに液体Lを付着させる例を示したが、底面だけでなく側面にも液体を付着させてもよい。但し、側面に液体が付着すると、液体が転写ピンに残留しやすくなるとともに、液体の塗布量のばらつきが発生しやすくなる。これに対し、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させれば、上記の問題を解消できるので、望ましい。
【0023】
図1に示す液体塗布装置では、転写ピン1の下方に可動テーブル4,5を設け、このテーブル4,5上に液体容器6および対象物7をそれぞれ配置し、転写ピン1は上下方向にのみ駆動され、容器6と対象物7が水平方向に駆動される例を示したが、これに限るものではない。例えば転写ピン1および駆動装置2をロボットのアームなどに取り付け、転写ピン1を水平方向に移動させることにより、液体容器6から液体Lを受け取り、対象物7へ転写するようにしてもよい。その他、転写ピン1、容器6、対象物7の駆動機構は任意に設定できる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に係る発明によれば、液体を付着させた転写ピンを液体が対象物に接触する位置で停止させた状態で転写ピンに超音波振動を印加することにより、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とし、その後で転写ピンを引き上げるようにしたので、液体が転写ピンの表面から簡単に分離し、転写ピンに液体を残留させずに対象物へ転写することができる。
そのため、対象物への高い塗布精度を維持できるとともに、転写ピンに残留した液体を除去する作業も不要となるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体塗布装置の一例の概略図である。
【図2】転写ピンの先端部に液体を付着させる動作を示す原理図である。
【図3】転写ピンの先端部に付着した液体を対象物に転着させる動作の原理図である。
【図4】転写ピンの先端部に付着した液体を対象物に転着させる動作の他の実施例の原理図である。
【図5】転写ピンの先端部に付着した液体を対象物に転着させる動作のさらに他の例の原理図である。
【符号の説明】
1 転写ピン
1a 軸部
2 上下駆動装置
3 超音波振動子
4,5 テーブル
6 容器
7 対象物
L 液体
Claims (4)
- 転写ピンの先端部に液体を付着させ、これを対象物に転着させる液体塗布方法において、
均一に均された液面に上記転写ピンの先端部を接触させ、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となる位置に転写ピンを制御する工程と、
上記転写ピンを上昇させることにより、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させる工程と、
上記先端部に一定量の液体を付着させた転写ピンを対象物に対して降下させ、上記液体が対象物に接触する位置で転写ピンを停止させる工程と、
上記停止状態で転写ピンに超音波振動を印加し、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とする工程と、
上記接触角θを90°以上とした状態で転写ピンを上昇させる工程と、を有する液体塗布方法。 - 転写ピンの先端部に液体を付着させ、これを対象物に転着させる液体塗布方法において、
均一に均された液面に上記転写ピンの先端部を接触させ、転写ピンの先端部側面と液面との接触角αが90°以上となるように超音波振動を印加する工程と、
上記転写ピンを上昇させることにより、転写ピンの先端部底面のみに液体を付着させる工程と、
上記先端部に一定量の液体を付着させた転写ピンを対象物に対して降下させ、上記液体が対象物に接触する位置で転写ピンを停止させる工程と、
上記停止状態で転写ピンに超音波振動を印加し、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とする工程と、
上記接触角θを90°以上とした状態で転写ピンを上昇させる工程と、を有する液体塗布方法。 - 上記転写時の超音波振動の印加により、転写ピンの先端部底面または先端部側面と液体との接触角θを90°以上とした後、所定の待機時間を設けた後に転写ピンを上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体塗布方法。
- 次の関係式が成立する超音波振動を印加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体塗布方法。
2M(πfA)2 >γL S ・・・(1)
但し、M:転写ピンの先端部底面への液体付着量(kg)、f:超音波の周波数(Hz)、A:超音波の振幅(m)、γL :液体の表面自由エネルギー(J/m2 、S:液体の表面積(m2 )である。
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