JP4291161B2 - 生体分子の同定および定量のための方法および装置 - Google Patents

生体分子の同定および定量のための方法および装置 Download PDF

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Description

(1.発明の分野)
本発明は一般に、ポリペプチドを同定または定量するための方法および装置に関する。より具体的には、本発明は、多孔性支持体を用いて(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いて)分離されたポリペプチドを同定または定量するのに使用され得る。本発明はまた、タンパク質(例えば、組織切片もしくは器官ブロット(blot)におけるような、膜に吸収されたタンパク質の任意の他の1次元もしくは2次元のタンパク質アレイから、または細菌もしくは組織培養プレート上で増殖させた細胞から、あるいは1次元もしくは2次元ゲルまたはクロマトグラフィー画分由来のタンパク質を含むマイクロタイタープレートから)の分離されていないタンパク質を同定するために使用され得る。分離されたポリペプチドに関する技術は、生化学的研究において特に有用であり、その目標は、同定されるタンパク質の最初の分子量についてのいくつかの情報を保持しながら、生物学的サンプル中の数十〜数百の最も豊富なタンパク質を迅速に同定または定量することである。分離前のポリペプチドをに影響を与えない技術は、任意の2次元タンパク質アレイの異なる切片においてどのタンパク質が最も豊富であるかを決定するのに使用され得る。1つ以上のサンプルからの分離されたタンパク質の相対的な定量化は、分離、電気的ブロッティング、消化および質量分析の前に、タンパク質の安定な同位体標識を用いることによって達成される。
(2.関連技術の説明)
生化学者はしばしば、生物学的サンプルの主要なタンパク質成分を確立することに関心を抱き、そして、通常、実験サンプルとコントロールサンプルとの間で変化したタンパク質を知ることに関心を抱く。最近10年間で、ゲル電気泳動およびその後のペプチド質量フィンガープリンティング(PMF)またはタンデム(MS−MS)質量分析法が、これらの分析を行うための選り抜きの方法になってきた。代表的には、ゲル電気泳動はタンパク質を分離するために行われ、そして、ゲル全体がクマシーブリリアントブルーで染色される。ゲルパターンを調べた後、科学者は、どの切片が分析されるべきであるかを決定する。次いで、手動または自動の方法を用いて、目的のタンパク質を含むゲルの小片を切り取る。数回の洗浄工程の後、ゲル切片全体を別々にプロテアーゼ(通常はトリプシン)で消化し、この消化産物を各ゲル切片から抽出し、濃縮し、脱塩し、そして別々に質量分光分析にかける。質量スペクトルはしばしば、完全に自動化された方法で回収され、そして、自動的なタンパク質同定を行うための専用のソフトウェアが市販されている。最初のサンプル調製工程を行うロボットもまた市販されているが、高価である。さらに、科学者は、全てのこれらの工程の間、各サンプルがどのように元々のゲルと関係していたかを記録しておかなければならない。このことは、混乱の多くの機会をもたらす。多くの場合において、これらのサンプルは、これらのプロセスの間に、異なる程度で、外因性の汚染物質で偶発的に汚染される。これらのプロセスは、代表的には、行うのに数日を必要とし、代表的には、一晩のプロテアーゼ消化の工程を包含する。これらの技術は骨が折れ、かつ高度の操作者の訓練を必要とするので、この種のタンパク質同定は、主に、大きな製薬会社によって、そして、分析される切片毎にかなりの人数の元受け研究者を充てる中核研究室によって行われる。さらに、これらの技術は、切片のすぐ隣にあるタンパク質を同定するためには不十分である。なぜならば、ゲルからのポリペプチドバンドの切り出しは連続的に行わなければならず、そして、この切り出しプロセスは、ゲルを移動させ、引き続く切り出し工程を制御不能にするためである。また、ポリペプチドがチューブ壁に付着する場合、損失が生じる。
定量化は代表的には、タンパク質がゲル上で分離される前または分離された後のいずれかに、タンパク質について行われる。代表的に使用されている3つの方法がある:
1.クマシーまたは銀染色または蛍光染料で染色する方法:現時点で、この方法は、ゲルから過剰な染料を洗い出した後に、可視光または紫外線で可視化されるタンパク質染色化合物を含む溶液にゲルを浸漬する工程を必要とし、このプロセスは、代表的には数十分〜数時間を要する。
2.分離の前にタンパク質にタグ化する方法:ゲル上で分離する前に、タンパク質を蛍光染料と反応させることによって、蛍光タンパク質誘導体が作製され得る。蛍光染料の性質は、ゲル上での分離の間のタンパク質誘導体の移動度を変え得るが、それによって、誤差を生じる。分離後、例えば、Berggrenら、Proteomics 1:54−65 2001;およびTongeら、Proteomics 3:377−396 2001に記載されるようにして蛍光強度を測定する。
3.タンパク質を放射活性同位体でタグ化する方法:分離前のタンパク質の放射標識はありふれたことである。可視化は、代表的には分離された放射標識タンパク質を含むゲルを写真用フィルムに露光することによってなされる。露光の量はタンパク質の放射能の量に比例する。しかし、放射活性物質へのアクセス、暴露、および放射活性物質の廃棄に関する規制を考慮すると、放射活性タグの使用は望ましくない。さらに、多くのタンパク質(proteomic)サンプル(例えば、血清サンプル)は、生合成的に標識され得ず、そしてさらなる化学が、このサンプル中に放射能を導入するために行わなければならない。
上記の方法の3つ全てが、染色、脱染色、洗浄および画像化のためのさらなる工程を必要とし、これは、結果を得るためにより時間がかかることを意味する。定量測定は、同じ様式で標識されかつ同じ様式で分離された、標準タンパク質との比較を必要とし;従って、さらなる実験がなされる必要がある。
最近、マトリクス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF MS)の分解能の上昇に起因して、定量目的のための安定な重同位体(heavy stable isotope)の使用が可能になってきた。これらの実験において、コントロールサンプルは、正常なアミノ酸で標識されたタンパク質を含み、その一方で、実験サンプルは、重同位体(特に、重水素、C−13、N−15およびO−18(Veenstraら、J Am Soc Mass Spectrom 11:78−82 2000を参照のこと))を富化した原子(また、逆も同じ)を含むタンパク質を含む。これらの2つのサンプルを、タンパク質またはペプチド分離の前に一緒に混合し、次いで質量分析計によって区別する。あるいは、Gygiら、Nat.Biotechnol 17:994−999 1999に記載されるように、タンパク質改変試薬を使用することによって、特定のアミノ酸側鎖に2つの異なる同位体形態でもたらされる重原子が付加される。この場合、化学改変工程がタンパク質消化の前または後のいずれかで行われ得る。多くの場合において、同位体の富化ストラテジーは、上記のサンプル処理工程が困難であることが原因で、ゲル全体を回避している。代わりに、タンパク質は、ペプチド分離の前に1つのサンプルとして消化され、そして、MS−MS技術を用いて、タンパク質同定が個々のペプチドレベルで行われる。この技術は、費用の理由のために、目標が、限られた数のタンパク質の相対的な定量化を決定することである場合、通常は用いられない。さらに、タンパク質の最初の分子量についての全ての情報は、タンパク質が実験の最初に消化されたときに失われ、そして、インタクトな分子量が、しばしば生化学者にとっての重大な目的である。
第2に、無関係のタンパク質分析技術は、全組織またはコロニー由来のタンパク質の直接的な同定を含む。過去に、タンパク質は、代表的には、サンプルを構成する細胞の物理的な破壊によってコロニー、組織および組織切片から抽出された。しかし、米国特許第5,808,300号に開示されるように、質量分析法によって、組織から直接切除されたタンパク質を分析することが現在可能である。しかし、インタクトなタンパク質は、そのペプチド対応物と比較して同定することがほとんど不可能である。
最近、ゲル染色、スポット切り取りおよび抽出ならびにペプチド単離を必要としない平行してタンパク質同定を行うための技術(分子走査装置と呼ばれる)が米国特許第6,221,626号に記載された。電気泳動ゲルと、ペプチドフラグメントを吸着する疎水性の収集膜との間に配置された固定化プロテアーゼを含む親水性膜を含む電子ブロッターサンドイッチ法が、記載された。この疎水性膜は、後に、膜から直接切断されたポリペプチド固定化サンプルのMALDI分析を可能にするMALDIイオン化可能マトリクスで処理された。従って、ゲル中に存在した全てのタンパク質は、質量分析法と適合性の技術を同時に用いて処理される。本特許において、ペプチドフラグメントを収集膜に駆動させるために用いられた電流は、パルス状であったか、または交流であったかのいずれかであり、これは、専用の電気的ブロッティング装置を必要とする。さらに、この様式の電流の使用は、望ましくない。なぜならば、サンプルを処理するのに必要な時間が増えるからである。この技術は、続いて、公開PCT特許出願WO 00/45168号に記載されるように洗練され、ゲル中(in−gel)消化工程が含められた。しかし、これらの2つの技術のいずれもが、特定の適用のために完全には満足できなかった。例えば、上記の元々の技術を用いて、一貫したかつ感度のよい質量シグナルを得ることにおいて技術的な困難性が存在した。また、同時のタンパク質同定およびタンパク質定量のための重同位体の使用を許容する技術は記載されなかった。これらの制限は、両方をそれほど望ましくなくし、かつ、生化学者が普段ベースで分子走査装置を使用することをより困難にした。上記の’626特許および公開PCT特許出願WO 00/45168号の両方が、本明細書中に参考として援用される。
従って、任意の専用の装置を必要としない分子走査実験を行うための方法および装置を提供し、その結果、この技術が慣用の生化学分析に適用され得ることが望ましい。さらに、サンプル中のタンパク質の最初の分子量に関する全ての情報を失うことなく、重同位体をタンパク質定量のために用いる手段を開発することが望ましい。以下に本発明者らが記載する方法および装置は、これらの要求を満たす。
(発明の要旨)
本発明は、タンパク質サンプル由来のポリペプチドの同定または定量に関する。1つの実施形態において、タンパク質は、ゲルで分離され、そして、電気的溶出(electroelution)の間に酵素で消化することによってペプチドフラグメントに切断される。次いで、ペプチドフラグメントが複合捕捉膜の表面に堆積され得る。
1つの実施形態において、ペプチドフラグメントを回収するための複合捕捉膜は、捕捉されたフラグメントが消化膜に近接した複合捕捉膜の外側表面に濃縮されるように調製される。これは、第4級アミンで改変されたPVDF膜をニトロセルロースおよびMALDIマトリクスの組み合わせにより前処理することによって達成される。
1つの実施形態において、タンパク質は、安定な重同位体で標識されて、タンパク質の相対的な定量のために提供される。重水素化または非重水素化のアセチル基でリジン残基のアミノ基を標識する技術は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−PAGEと適合性であり、同時の相対的タンパク質定量を可能にする。
1つの実施形態において、電気泳動技術は、消化されたポリペプチドを捕捉膜の別々のゾーンに堆積させる。この様式において、膜全体を走査して電気堆積されたペプチドを見出すことは必要ではない。
本明細書中に記載される分子走査装置の1つの実施形態において、切断試薬は固定化され、そして、サンドイッチの一方の「スライス」としての支持体(例えば、分離ゲルまたは前もって動物組織と接触させたゲル)とサンドイッチの他方の「スライス」としての本発明に従って適切に改変された複合捕捉膜(従来のポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜として例示される)との間の電気的ブロッティング「サンドイッチ」中の「充填物」として挿入される。このようにして、フラグメントは、複合捕捉膜の表面上で回収され、次いで、MALDI−TOF MSに適した方法で処方され得る。タンパク質が、固定化された切断試薬の近くにおいて、妥当な量のフラグメントが産性されることを保証する十分長いが、望ましくない拡散を許容する程度には長くない滞留期間を有するように電気的ブロッティングが行われることのみが必要である。これは、電気的ブロッティングにおいて使用される電圧および緩衝液を調整することによって容易に達成される。さらに、高い酵素活性は、自己切断(酵素自身の切断)を最小にしつつ、切断酵素を親水性膜にしっかりと固定することによって得られる。
本発明はまた、本明細書中に記載される型の分析を実施するのに現在必要とされる時間を減少させ、その結果、ゲルから質量分光分析の開始までの全分析を1日で実施し得る。同じデバイスを用いて、ゲル以外の供給源(例えば、組織ブロットまたは組織切片、クロマトグラフィーの画分、2次元ゲルからの中核スポットなど)由来のポリペプチドを分析し得る。並行したタンパク質消化および直接的なMALDI分析に適した表面上への捕捉を達成するためのこのシステムの単純さは、ゲルから切り取られたスポットもしくは切片の分析、または任意の種類のタンパク質画分の分析のためのサンプル調製法として、このシステムを魅力的なものにしている。
(好ましい実施形態の説明)
本発明は、切断試薬の固定化のため、および複合捕捉膜を形成するための改善した方法および装置を提供する。これは、切断されるべきポリペプチドが、1方向または2方向でのいずれかで、不連続にではなく、1つの経路で連続して切断試薬と接触して通貨することを可能にする。さらに、公開PCT特許出願WO 00/45168号に以前に記載されているように、電気的ブロッティングの前に分離ゲル中で消化プロセスを開始する必要はない。
固定化切断試薬は、ペプチドフラグメント形成をもたらすのに、先行技術の固定化切断試薬よりも高い能力を有する。さらに、複合捕捉膜が、ペプチドフラグメントが複合捕捉膜の内部ではなく、親水性膜に面する複合捕捉膜の表面上で単離されることを保障する手順によって形成される。
本発明の特定の局面に従って、ゲル電気泳動により分離されているか、またはタンパク質(例えば、インタクトな組織または細菌細胞培養物)の1次元または2次元のアレイからの膜にブロットされたポリペプチドを同定する改善された方法が以下のように提供される:
a)ゲルに隣接して少なくとも1つの親水性膜を提供する工程であって、この親水性膜には、ポリペプチドを切断し得る少なくとも1種の試薬が固定化されている。プロテアーゼの場合、この親水性膜は、プロテアーゼの自己消化を最小にしながら、高濃度のプロテアーゼを堆積するために、高い塩濃度およびプロテアーゼインヒビターの添加で処理される。
b)電気的ブロッティングにより膜上に移されるポリペプチドのフラグメントを受けるのに適した複合捕捉膜を提供する工程。複合捕捉膜は、ポリペプチドのペプチドフラグメントの移動方向(通常は陽極から陰極)にある親水性膜を超えて配置される。複合捕捉膜は、ペプチドの捕捉を促進する化合物(例えば、ニトロセルロース)および、MALDI分析のためのペプチドのイオン化を促進するマトリクス物質(例えば、αシアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸酸(HCCA))の添加によって改変される。
c)ポリペプチドを切断試薬によってフラグメントに切断させるのに有効な条件下で、ポリペプチドを分離ゲルから親水性膜を通って、複合捕捉膜まで電気的ブロッティングさせる工程。この工程は、一定の一方向性の電流下の単一経路の間に生じる。
d)MALDI−TOF MSおよびMALDI−TOF MS−MSによって、複合捕捉膜上に回収されたフラグメントを同定する工程および、フラグメントの同定から、これらのフラグメントが発端を発するポリペプチドを同定する工程。
この方法は、以下の工程によってさらに延長され得る:
e)分離の前に、質量分析法により区別され得る安定同位体を差次的に含有する試薬でタンパク質を標識することによって、同定されるポリペプチドの相対的定量を提供する工程。例えば、インタクトなタンパク質は、N−ヒドロキシスクシニミル(hydroxysuccinimyl)−アセテート(NHSA)で処理され得、これは、リジン側鎖と反応する。NHSAは、3つの重水素原子または3つの水素原子のいずれかを含有するアセテート標識基で合成され得る。次いで、これらのサンプルは、ゲル電気泳動、消化、捕捉およびMS分析の前に一緒に混合される。次いで、実験サンプルと比較したコントロール中のタンパク質の相対量が、MSによって測定されるような各ペプチド対の相対強度を測定することによって推論され得る。各タンパク質について、検出されるペプチドの大半は、これらの対の形態(主な例外は、アルギニン残基で終止し、また、アルギニン残基により先行されるペプチドである)であり、これは、各タンパク質の発現レベルは、多くの個々のペプチド測定値に基づくことを意味する。
さらに、従って記載される方法は、組織および組織切片または細胞培養由来のタンパク質の分析に同様に適用可能である。
別の局面において、本発明は、膜の上に固定された少なくとも1種のポリペプチド切断試薬を有する電気ブロッティングサンドイッチにおける使用に適した膜、特に、膜の上に共有結合されたプロテアーゼ(特に、トリプシン)を有する、改変PDVF膜またはポリエーテルスルホン膜を作製するための方法を提供する。
本発明はさらに、本発明の方法における使用のためのキットとして具体化され得、このキットは以下を含む:
a)少なくとも1つの親水性膜であって、その上に、ポリペプチドを切断し得る少なくとも1種の試薬を固定化し、この切断試薬は、切断されるべきポリペプチドの通過を許容するのに十分高い活性を有し、そこからこの親水性膜を介して1つの経路でペプチドフラグメントを生じる、親水性膜;および
b)電気的ブロッティングによって膜上にポリペプチドのフラグメントを受けそして捕捉するのに適した複合捕捉膜であって、この複合捕捉膜は、化学的に改変され、その結果、捕捉されたフラグメントがその表面上に濃縮される、複合捕捉膜。
本明細書中で使用される場合、用語「キット」とは、別々の容器中または1つの容器中で同定された成分および、親水性膜のアセンブリ、および使用できる状態の化学的に改変された複合捕捉膜の組み合わせを含む。キットはさらに、本発明の方法において有用な試薬(例えば、定量化のための同位体的に異なる標識試薬)、電気的ブロッティング緩衝液、およびポリペプチドフラグメントとの酵素の反応を補助する試薬を含み得る。
本明細書中で使用される場合、用語「捕捉膜」は、幅広い意味を有する。なぜならば、捕捉膜が本発明の実施に特に重要であるからである。この膜は、自己支持型または非自己支持型であり得、そして、孔性膜、フィルム、コーティングまたはプレートであり得る。この膜は、通常、緩衝液を電気的ブロッティングに対して、孔性であって、電流が電極にまたは電極から運ばれるのを可能にするが、あるいは、電極または電極との直接的な電気伝達であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「同定する」とは、配列を決定するの同意語としては解釈されず、そして、ポリペプチドを部分的に同定するかまたは既知のタンパク質と同じであるかもしくは異なるとしてポリペプチドを特徴付けることを包含する。さらに、この用語は、少数の可能性のうちの最も有望なものに基づいた仮の同定を行う工程を包含する。配列は、未知のタンパク質の同定のため、または既知のタンパク質の確認のためのタンデムMS−MS法によって決定され得る。
本発明の1つの実施形態は、ゲル電気泳動によりすでに分離されているポリペプチドを同定および定量すること、または、電気的ブロッティングによって1次元もしくは2次元タンパク質アレイから抽出したタンパク質(例えば、組織または組織切片)を同定することに関する。同定されるポリペプチドの性質または供給源は、重要ではない。これらは、例えば、天然に存在するタンパク質、組み換えDNA技術により作製されたタンパク質、またはペプチド合成により作製されたポリペプチドもしくはポリペプチドの部分的な切断由来の大きなペプチドであり得る。略して、本発明は、これ以降にタンパク質に関して記載される。他のポリペプチドへの推定は、以下の説明を通じて理解され、そして援用されるものとして解釈される。
タンパク質が分離されたゲルの組成は重要ではないが、通常はポリアクリルアミドゲルである。任意の従来のゲルおよび分離条件が用いられ得、これには、還元性かつ非変性性の条件が含まれる。これらは、1次元または2次元のゲルであり得る(2次元ゲルにおいて、タンパク質は、その電荷によって1次元で分離され、そして、その分子量によってもう一方の次元で分離される)。他の適切な分離様式としては、キャピラリー電気泳動、キャピラリー電気クロマトグラフィー、動的場勾配(dynamic field gradient)電気泳動、等電点電気泳動、液体クロマトグラフィー(アフィニティークロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーを含む)およびアガロースゲルまたはデンプンゲルを用いる電気泳動が挙げられる。
本発明は、ゲル上に同時に存在する1個以上のタンパク質(例えば、1〜3000個、好ましくは1〜200個のタンパク質)で利用され得る。これらは、1次元ゲル上に異なる分子量で分離して存在するか、または同じ分子量であるが、1次元ゲル上の平行したレーンもしくはトラックに存在するタンパク質、ならびに、2次元ゲル電気泳動によって分離されたタンパク質を含む。大抵のタンパク質は、電気的ブロッティングに用いられるpHで負に荷電されているので、通常、電気的ブロッティングは、全体として陽極から陰極の方向で行われる。ポリペプチドおよびそのフラグメントが陰極に向かって移動することをさらに確証するために、ペプチドに負の電荷を与える少量の添加物(例えば、SDSなど)がトランスファー緩衝液に添加され得る。この濃度は、膜へのペプチドの結合または固定切断試薬(例えば、トリプシン)の活性を有意に干渉する必要はないが、なお、ポリペプチドと相互作用し、そのフラグメントに正味の負電荷を与えるのに十分な濃度でなければならない。好ましい濃度は通常、約0.001〜約0.1% w/vの間、好ましくは、0.005〜約0.02%の間、最も好ましくは0.01% w/vである。使用される電気的ブロッティング緩衝液のpHに依存して、正および負に荷電されたフラグメントが得られ得、そして、それぞれ陽極および陰極に向かって対向する方向に移動し得る。
図1、2aおよび2bは、電気的ブロッティングに有用ないくつかのサンドイッチ構成を例示する。図1は、陽極収集層が、好ましくは、多様式の捕捉機構を有する複合捕捉膜14である実験的な配置を示す。異なるpH条件下で、いくつかのポリペプチドフラグメントが陽極収集層に向かって移動し得ることが理解される。従って、本発明は、陰極収集層および陽極収集層の各々の間に挿入される1つ以上の親水性膜13ならびに分離ゲル11(図2b)を備える、陰極収集層および陽極収集層を提供する可能性を含む。図1において、少なくとも1つの親水性膜13、好ましくは、適切なタンパク質切断試薬(例えば、臭化シアン、3−ブロモ−3−メチル−2−(2−ニトロフェニルメルカプト)−3H−インドール(BNPS−スカトール)など)を有する改変ポリエーテルスルホン膜、好ましくは、その上に固定化され、ゲル11の間と陰極の複合捕捉膜14との間に挿入されたプロテアーゼ酵素(例えば、トリプシン)が存在し、この複合捕捉膜14は、PVDF、ナイロンまたはニトロセルロースのような物質から形成され得、最も好ましくは、化学的に改変されたPVDFの複合捕捉膜であり、この上にタンパク質フラグメントが回収される。図2aにおいて、2つの連続した親水性膜13(好ましくは、改変されたポリエーテルスルホン膜)が存在し、各々がその上に固定化されたトリプシンを有し、ゲル11と陰極収集層との間に配置され、そして、再度、好ましくは、化学的に改変されたPVDFの複合捕捉膜である。図2bは、ゲル11の両側面上の消化膜13ならびに、陰極捕捉膜および陽極捕捉膜の両方が存在する、同様の配置を示す。
より詳細には、陰極および陽極は、液体を電極と電気接触したままにしながら、ブロッティング液体に浸漬される吸収層12によって残りのサンドイッチから分離され、そして好ましくはフィルターペーパーである。この配置において使用される電極および吸収層の種類は、重要ではなく、そして、電気的ブロッティングにおいて従来用いられる任意の型であり得る。
サンドイッチの「充填物」は、タンパク質およびそのフラグメントが膜上に留まる傾向がないように、十分親水性の特徴を有する1つ以上の膜13(図2aに示されるように定義される)の形態を取り得る。この膜は、電気的ブロッティング液体に対して孔性であり、その上(その表面上または間隙もしくはその中の微洞内のいずれか)にポリペプチド切断試薬を固定し得る任意の層であり得、この試薬は電気的ブロッティング液体に対して(および、それゆえ切断されるポリペプチドに対して)アクセス可能である。この膜は、代表的には、100〜600μm厚である;例えば、Gelman US450膜(Pall Life Sciences)は、約150μm厚である。通常、サンドイッチに含まれるこのような膜の数は、1〜7である。従来の厚さの膜では、4枚の膜がよく用いられる。これらは、直接的に最もよく配置され、相互に隣接される(すなわち、1枚が別の上に配置される)。親水性膜は、好ましくは、「活性なカルボニル」基もしくはカルボン酸基、または酵素中に存在するアミノ基と反応性のその誘導体を備えて提供される。「活性なカルボニル」改変PDVF膜、もしくはカルボキシル改変PVDF膜、またはアルデヒド活性化膜を有するポリエーテルスルホンが特に好ましい。
アルデヒド活性化膜は、ポリペプチド切断試薬(例えば、プロテアーゼ)を固定するために用いられる。切断活性を増強するために、親水性膜上に固定される活性タンパク質分解酵素の量を増加する方法が記載される。固定化条件は、活性酵素が膜に固定されたことを確証するために、反応混合物への約0.1〜約1.5M、好ましくは約1.1〜約1.5Mの間の濃度での硫酸ナトリウムなどのような塩、およびベンズアミジンなどのようなプロテアーゼインヒビター(トリプシンの場合)の添加を含む。次いで、この反応の間に形成されるシッフ塩基が、シアノホウ化水素ナトリウム(または他の適切な還元剤)で還元されて、不可逆性の共有結合を生じる。次いで、1M塩化ナトリウムなどを使用して、プロテアーゼインヒビターが膜から除去され、その結果、固定化切断試薬が遊離されてポリペプチドを消化し、ペプチドフラグメントを形成する。
膜の表面に存在する全ての活性基を酵素と反応させるのが難しく、そして、ポリペプチドをこれらの遊離した活性基と反応させることが望ましくないため、残った活性基(これは、さもなくば遊離している)は、好ましくは、膜が例えばエタノールアミンで使用されるか、またはアルデヒド活性化膜については、Tris(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(Tris)およびシアノホウ化水素ナトリウムで使用される前にキャップ化され、従って、比較的親水性の末端(例えば、−−CO−−NH−−CH−CH−−OH)を提供する。他の従来の親水性キャップ化基が利用され得る。あるいは、PVDF膜またはグラスファイバー紙がイソチオシアネートにより官能化され得、これが酵素中のリジン残基のε−アミノ基と反応させる。この目的のために、PVDF膜は、NaOHで前処理されて、ポリマー鎖中に炭素−炭素エチレン性二重結合を提供する(HFの分子は除く)。次いで、前処理されたPVDF膜は、塩基性条件下でジヌクレオフィル(dinucleophile)(例えば、エチレンジアミン、1,10−ジアミノデカンまたは2−アミノエタンチオール)と反応させられ、これによって、ポリマー中の水素原子が−−X−−(CH−NH基で置換され、ここでXは−−S−−または−−NH−−であり、そして、nは2〜10である。次いで、アミンで終端となる側鎖を有するこのポリマーは、1,4−フェニレンジイソチオシアネート(DITC)または3,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジイソシアネート(DCDITC)と反応させられ、良好な収量で、必要とされるジイソチオシアネートで終端となる側鎖を得る。DITCと反応したグラスファイバーシートは、膜の別の形態を提供する。
膜の別の形態は、アリールアミン基で官能化されたPVDFであり、これは、好ましくは、カルボジイミド(例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)の存在下で、酵素のカルボン酸側鎖またはカルボキシル末端と反応する。サンドイッチ充填物として使用され得る親水性膜の別の形態は、薄膜またはアガロースゲルのコーティングである。酵素中のリジン残基のε−アミノ基は、アミノキシ基を得るために処理され、これは、アガロースゲルの緩やかな酸化によって産生されるアルデヒド基と反応し、従って、酵素がアガロースに共有結合する。
切断試薬は通常、そして、好ましくは、1種の酵素インヒビターの存在下で共有結合によって固定され、この酵素インヒビターは引き続いて取り除かれる。しかし、固定化の他の形態は、酵素が電気的ブロッティング液体中の溶液に、自己消化を受けるのに十分に遊離されない限りは、本発明における使用から除外されない。自己消化された酵素フラグメントの存在が分析されるタンパク質由来のフラグメントの分析に干渉し得ることが理解される)。従って、例えば、酵素が親水性ポリマーの孔性シートの孔に物理的に捕捉され得る。あるいは、膜は、アフィニティー結合を含む手段によってその上に固定化された酵素を有し得る。従って、酵素は、アビジンまたはストレプトアビジンに共有結合され得、得られた結合体は、アビジン/ストレプトアビジンとビオチンとの間のアフィニティー結合によってビオチン化された膜に結合され得る。あるいは、アビジンまたはストレプトアビジンは、膜に結合され得、そして酵素が反応されてアビジンまたはストレプトアビジンが結合された膜との反応のためにビオチン化末端を提供し得る。
好ましくは、切断試薬は、酵素であり、そして最も好ましくは、そして通常は、ポリペプチドの主鎖を切断する酵素(特に、トリプシン)である。トリプシンは、リジンおよびアルギニンのカルボキシル側でタンパク質を切断する。他の特異性が低いエンドプロテアーゼ(例えば、ペプシンまたはクロモトリプシン)が非常に特異的な酵素Lys−C、Arg−CまたはGlu−Cとして使用される。リンタンパク質については、ホスファターゼが単独でかまたはプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで使用され得、従って、酵素は、タンパク質側鎖と反応するものを含み得る。1種以上の酵素が膜に固定化され得る。例えば、ポリペプチドの終末を、例えば、エンドプロテイナーゼと組合わせて、カルボキシペプチダーゼまたはアミノペプチダーゼを用いて、部分的な切断を行うことが助けになり得る。カルボキシペプチダーゼYは、特に有用なこのような酵素の1つである。
本発明に従って消化膜に固定された切断試薬の濃度は、サンプルが膜を1回通過した後、サンプル中の全てまたは実質的に全てのタンパク質が消化されており、そして、サンプルが未消化のタンパク質を有さないか、または実質的に有さないように十分に高い。消化の程度を推定する企てにおいて、E.coli溶解物が調製されたゲルの上に広げられた。Bio−Rad mini whole gel eluterを用いて、広げられた溶解物を分離ゲルから電気的ブロッティングし、画分チューブに回収した。次いで、画分を1次元ゲル分離にかけ、その後、クマシー染色を行い、分離された画分の「分子量ラダー」を示した。mini whole gel eluterは電子溶出を使用するので、2回目の実験を行い、ここで、固定化切断試薬を含む膜は、分離ゲルと回収レザバーとの間に配置された。両方の実験からの単一の画分は、各画分を1次元ゲル分析にかけることによって比較した。予想は、切断膜が使用された実験において不十分な消化が存在した場合、インタクトなタンパク質が第2の1次元ゲル分析において観察される、というものであった。切断膜を用いない実験から得られた画分を段階希釈し、1次元ゲル比較においてどの程度のインタクトなタンパク質が残っていたのかの相対評価を得た。この実験のために、クマシーでの染色の代わりに、より感度の高いSypro Ruby蛍光染色を用いた。切断膜に暴露された画分に残るタンパク質の量が、切断膜を使用しない実験からの高度に希釈した画分よりも少なかったことが見出された。95%以上のタンパク質が固定化トリプシン膜を1回通過して切断されたことが推測された。
さらに、以前は、サンプルが切断試薬に接触して、適度かつ効果的な消化に作用するのに十分な滞留時間を与えるために、振動電流が必要であった。本発明に従った消化膜上の増加した切断試薬の濃度の点から、振動電流はもはや必要でない。膜に固定された切断試薬の濃度の定量的な測定は困難であり、そして、使用される測定方法に依存して変化し得るが、BAPNAアッセイで測定した場合、約8μg/cmのみ程度の従来のレベルと比較して、約20μg/cmの範囲のトリプシンのレベルが達成される。本発明に従った切断試薬のこれらの比較的高いレベルは、消化プロセスの効率の優位な上昇をもたらした。
特定のタンパク質の化学改変(例えば、グルコシル基、N−アセチルグルコサミニル基およびシアル基を有する炭化水素)の存在を調べるためには、これらの鎖を切断する酵素(例えば、それぞれ、グルコシダーゼ、N−アセチルグルコサミニダーゼおよびノイラミニダーゼ)が、特にプロテアーゼと組み合わされて、本発明において有用である。このような場合、プロテアーゼを単独で、およびこれらのさらなる酵素と別々に組み合わせて使用して、サンプルを分析することが望ましくあり得る。
切断試薬は、酵素に限定されないが、孔性マトリクス内に捕捉することによって物理的に固定化され得る化学試薬(例えば、臭化シアン)を含み得る。
陰極の複合捕捉膜14(および、使用される場合、陽極収集層の複合捕捉膜)は、電気的ブロッティングにおいて用いられる、修飾因子を含むかまたは含まない、任意の複合捕捉膜(例えば、PVDF、ナイロンまたはニトロセルロースなど)であり得る。修飾因子は、引き続く質量分析法分析を干渉しない任意の化学物質(例えば、カルボキシルまたはアミノ部分で干渉し、ペプチドフラグメントを複合捕捉膜の表面上に固定するポリマーまたは部分)を含み得る。
好ましい捕捉膜は、Millipore Corporation(Bedford,MA)からImmobilon CDとして入手可能な第4級アミンで改変されたPVDFから作製された複合性膜である。本発明の重要な局面に従って、この膜は、好ましくは、ニトロセルロースおよびHCCAで改変され、例えば、MALDIイオン化プロセスによるレーザー脱離に暴露された場合に、ペプチドフラグメントの捕捉およびイオン化を促進する複数のペプチド相互作用様式を有するハイブリッド膜を生じる。
好ましい実施形態において、捕捉膜14は、ニトロセルロースおよびHCCAの混合物で前もって処理され、アセトンに溶解させられる。これは、新しく形成されるペプチドにより十分な捕捉基質を作製する作用を有し、それによって引き続くMS検出の感度および頑強性を大きく増加させる。いくつかの分子量標準タンパク質から得られた代表的な質量スペクトルを図3aおよび3bに示す。これらのタンパク質の各々は、Protein Prospectorデータベース検索プログラム(University of California,San Francisco)を用いて自動的に同定された。図4において、E.coli溶解物をSDS−PAGEミニゲルにかけ、そして、ゲルが0.5mm下がる毎にスペクトルを得た。12回の連続したスペクトルを示す。複数の近接した切片において、多くのペプチドが検出されているのが見られ得る。代表的なパターンは、各質量が1つの切片において最も強く、そして、近接する切片では検出されるがより弱いというものである。これは、数百のタンパク質を有したサンプルから予測したまさに、その種の分布である;各タンパク質は、おおよそ、強度 対 距離のGaussian分布を有するペプチドの分布を生じ、全体的な質量スペクトルは、これらのGaussian分布の合計からなる。本発明者らは、同時係属中の米国特許出願番号09/745,920(本明細書中に参考として援用され、同一出願人に譲渡されている)に記載されたソフトウェア(これは、特に、複数のタンパク質成分のペプチド質量フィンガープリントを逆重畳積分することに指向する)を用いて、個々のスペクトルから4つ以上のタンパク質を、自信を持って同定し得た。
例えば、2つの異なるタンパク質分画由来のタンパク質、正常な組織 対 疾患を有する組織からの細胞から単離されたタンパク質、変異細胞 対 野生型細胞から単離されたタンパク質などの2つの異なる調製物をタグ化する目的のための安定同位体で標識した試薬が、本発明のキットと一緒に使用されて、定量的情報を得ることができる。この方法論は、公開PCT特許出願WO00/11208号に記載されており、この開示は、本明細書中に参考として援用される。Applied Biosystemsから市販されているICATTM試薬は、タンパク質を別個に標識するのに用いられ得るこのような同位体標識化試薬の例である。さらに、ICAT試薬を用いた1次元ゲル上で分離され、発現したタンパク質の相対的定量化がまた、公開PCT特許出願WO 02090929号に記載されているように示されている。ゲル切り出し、ゲル中消化およびペプチドフィンガープリントの代表的な手順は、ゲル切片中のタンパク質を同定および定量するために用いられた。他の同位体標識化試薬としては、他のアミノ酸側鎖(例えば、アミノ基またはカルボン酸基)と反応する試薬が挙げられる。例えば、N−ヒドロキシコハク酸アミドのエステル(ここで、エステル基は、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンの安定同位体の任意の組み合わせを含み、アミノ基と反応し、それによって、質量分析法によって識別可能な安定同位体標識を含む部分でタンパク質を標識する)。これらの安定同位体は、質量分析計によって測定される強度にほとんど影響を有さないので、ペプチドの軽い形態および重い形態の比は、ペプチドが2つの最初のサンプル中で分けられたタンパク質の相対量を意味する。例えば、正常な細胞と悪性の細胞のタンパク質発現プロフィールの比較は、その存在または不在が特徴的であり、悪性の診断である、タンパク質の同定をもたらし得る。
図5に、ペプチドの対が存在する、2つの異なるMALDI−TOFスペクトルの小さな領域を示す。これらの実験において、プロテイントリプシンインヒビターが、2:1または1:3の比のいずれかで混合され、本発明に記載される方法および装置で処理された、非重水素化NHSAまたは3重水素化NHSAのいずれかで標識された。この実験由来のペプチドは、MALDI−TOF質量分析計を用いて分析され、重同位体を有するペプチドおよび重同位体を有さないペプチドの強度の比が測定され、そして、元々の最初の混合物と比較された。左のパネルにおいて、トリプシンインヒビターのサンプルがゲル電気泳動による分離および消化膜を通す電気的ブロッティングの前に、2:1の比で混合された。ペプチドの重形態および軽形態の混合物を有する捕捉膜14がMS分析に供された。右のパネルは、トリプシンインヒビターのサンプルが1:3の比で混合され、上記と同じプロセスに供した異なる実験からのものである。左のパネルは、示されたペプチドが単一のリジン残基を含み、それゆえ2つのペプチドがお互いに3質量単位離れている。C−13および他の重同位体の天然の存在に起因して、1581の質量(軽同位体を有するペプチド)は、重同位体を含むペプチドの質量被膜と部分的に重なる。右パネルのペプチドは、3つのリジン残基を有する。全ての3つのリジンはアセチル化され、改変されたペプチド対を9質量単位(3つの重水素原子×3つのリジン残基)離し、これは、ペプチドの各形態についての同位体被膜が完全に重ならないために、2170の質量でさえ、十分である。最初のタンパク質の全てのリジン残基がアセチル化されるため、トリプシンは、タンパク質をアルギニン残基でのみ切断し、これは、最も確実なエンドプロテイナーゼであるトリプシンを用いて各タンパク質から生成され得るフラグメントの数を減少させ、そして、多くのペプチドの分子量を増加させる。これは、質量分析法によって各タンパク質の一次構造の大部分を検出することを可能にする。
図6aにおいて、oMALDIイオン源を備えるQSTARMSシステム(Applied Biosystems)を用いて得られたMS−MSスペクトルを、IDゲルを用いて分離したE.coli溶解物のタンパク質由来のトリプシンペプチドの1つについて示す。問題のスペクトルは、Protein Prospector Programの慣用的なMS−Tagを用いてE.coliの30Sリボソームタンパク質S1のペプチドDRVEDATLVLSVGDEVEAKに適合した。図6bにおいて、タンデムの飛行時間型MALDI MS、TOF−TOFTMOpticsを備える4700 Protein Analyzer(Applied Biosystems)を用いて得られた1次元ゲル上で分離された血清タンパク質由来のペプチドイオンのMS−MSスペクトルを示す。このスペクトルは、ヒト血清アルブミンペプチドVPQVSTPTLVEVSRに適合した。
米国特許第6,221,626号および公開PCT特許出願WO 00/45168とは異なり、酵素を消化膜に固定化する工程の改善は、切断活性を促進し、従って、パルス電流発生器または交流発生器の必要はない。従って、電気的ブロッティングに適用される電流は、好ましくは連続的な直流である。あるいは、パルス電流(すなわち、電流が流れない間隔がある直流)か、または陰極から陽極方向に偏った交流(すなわち、主に陽極から陰極への電流であるが、電流が逆方向に流れる間隔がある電流)もまた使用され得る。これらの体制の改変は、通常の電気的ブロッティングよりも遅い実施の概念の一般的な精神内で可能であり、これは、過度の側面(脇道)拡散をもたらす、分離ゲルから収集膜へのタンパク質およびフラグメントの移動の多大な遅れを生じずに、切断時間が親水膜で起こることを可能にし、これは、分解能の損失をもたらす。ペプチドが複合捕捉膜に移動する時間が実質的に減少し、そして、これを達成するための装置が広範に入手可能であるため、パルス化されたかまたは連続的な直流を使用することが好ましい。
電気的ブロッティング液体は、好ましくは、界面活性剤を含む緩衝化溶液であり、そして、この目的のための任意の従来の緩衝液(例えば、メタノールを含むTris/グリシン、SDSまたはメタノールを含む3−(シアノへキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS))であり得る。フラグメントの移動方向は、本質的に緩衝液のpHおよび界面活性剤の濃度に依存する。大半の目的に関して、アルカリ性緩衝液が好ましい。なぜならば、多くの加水分化性酵素がアルカリ性のpHで最も良く機能するからである。しかし、いくつかの酵素(例えば、ペプシン)は、酸性pHを必要とする。このような条件化において、フラグメントは、陽極に移動し、そして、陽イオン性界面活性剤(例えば、CTAB(セチルトリメチル臭化アンモニウム))が好ましい。
タンパク質の主鎖由来のペプチドは、捕捉膜に回収される。次いで、これらは、好ましくは、従来の方法でMALDI−TOF MSまたはタンデムMS/MSによって分析される。このようなMS技術の例は、米国特許第RE 37485号;同第5,760,393号、および同第6,348,688号に記載され、これらの開示の各々は、本明細書中に参考として援用される。この分析は、膜にマトリクスで2回目の処理をする、さらなる工程を包含し得る。サンプルは、UVまたはIRレーザー光によりMALDI質量分析計の気相に励起される。気化によりイオンが生じ、イオンプルーム(ion plume)を形成する。イオンが電場で加速され、そして、所定の距離に沿うその移動時間に従って分離され、非常に感度の高い質量/電荷(m/z)の読みを得る。この分析に適したMALDI質量分析計は、Applied Biosystems(Foster City,CA)から市販されている。
本発明において、上記の方法は、多くのタンパク質のフラグメントを一度に走査するのに適用される。従って、多くのタンパク質は、PAGEにより同時に本発明の方法に供され得、収集膜上のアレイスポットを産生し、その後にアレイ分析が続く。複合捕捉膜が切り出され、そして、シリコーングリース、導電性テープ、両側テープまたは硬化接着剤でMALDI−TOF MSサンプルプレート上に固定される。有機マトリクス形成試薬がサンプルプレート上の膜に添加され、次いで、サンプルが空気乾燥される。サンプルプレートがMALDI−TOF MSまたはタンデムMS/MS装置に挿入される。第1の位置から第2の位置へのサンプルプレートの自動化された動きは、コンピュータープログラムによって整えられる。各位置において、MALDI−TOF MSスペクトルが作製され、デジタル形式で回収されたスペクトル情報および観察されたペプチドのデータまたは質量リストがダウンロードされてペプチドマッチングのためのアルゴリズムを検索する。タンデムMS/MS質量分析計において、ペプチド配列データは、衝突が誘導するペプチドイオンの解離によって駆動され、質量が第2の質量分析計において観察されるペプチドイオンフラグメントを形成する。
従って、得られたリストの自動化された出力を得ることは簡単であり、タンパク質がMS装置の製造業者によって提供されるソフトウェアおよび市販のデータベース検索エンジンを使用することによって同定される。1つの市販のプログラムは、前で議論したProtein Prospectorである。
従って、本発明が、多くのタンパク質の同時の、自動化された同定および/または部分的な特徴付けのための莫大な潜在性を有していることは明らかである。実際において、本発明は、この好ましい実施形態において、慣用的な生化学的分析に有用な、実用的な「分子走査装置」を提供する。
質量分析計が電気的にブロッティングされたタンパク質の画像を得るために用いられる場合、捕捉膜の大きな表面が空っぽであり得ることが予想される。これは、電気的にブロッティングされたゲルの対応する領域に、ポリペプチドがほとんど存在しなかったからである。データ取得のレベルで時間を節約するため、そして、感度を上げるために、図7は、消化されたポリペプチドを捕捉膜の別々のゾーンに集めるのに有用な別の実施形態を示す。示すように、スリットまたは穴を備える非導電性シート15が、ゲル11と捕捉膜14との間に配置されて、捕捉膜の特定の領域に集めるかまたは限定的に電気的ブロッティングし得る。1次元SDS−PAGEの場合、空間的な分解能は、スリットの方向が電気泳動の方向と平行である限りは、この手段によっては犠牲とならない。従って、理想的な非導電性シートは、1次元ゲルの各レーンの中心に位置したスリットを有する。2次元ゲルのための対応するデバイスは、一連の規則的に配置された穴からなる。このシートは、ある空間的な分解能の費用で、走査される必要がある領域を減らす。非導電性シート15は、どの位置が最も有意義であると見出されたかに依存して、切断膜13の前または後のいずれかに配置され得る。
生化学において、2つのサンプル間でのタンパク質の量の差異を定量する能力は、重要な目的である。1つの実施形態において、本発明は、タンパク質またはタンパク質の混合物中のタンパク質の機能の迅速かつ定量的な分析のために、分析用試薬およびこれらの試薬を用いる質量分析法ベースの方法と共に利用され得る。この分析法は、細胞および組織における全体的なタンパク質発現プロフィールの定量的分析のため、すなわち、プロテオソームの定量的分析のために、定性的および特に定量的に使用され得る。この方法はまた、細胞、組織または生物学的流体中の発現レベルが刺激(例えば、薬物の投与、または潜在的に毒性のある物質との接触)によって、環境の変化(例えば、栄養レベル、温度、時間経過)によって、または、サンプルの起源である細胞、組織もしくは生物体の状態または細胞状態の変化(例えば、疾患状態、悪性度、部位指向性変異、遺伝子ノックダウンおよび遺伝子ノックアウト)によって影響されるタンパク質のスクリーニングおよび同定に使用され得る。このようなスクリーニングにおいて同定されたタンパク質は、変化した状態のマーカーとして機能し得る。例えば、正常な細胞と悪性な細胞とのタンパク質発現プロフィールの比較は、その存在または不在が特徴的であり、悪性の診断であるタンパク質の同定を生じ得る。
本発明にとっての別の好ましい用途は、組織または組織薄片から直接的に電気的ブロッティングされたタンパク質の分析である。近年、組織からのインタクトなタンパク質が、米国特許5,808,300号(これは、本明細書中で参考として援用される)において開示される組織からのタンパク質の直接剥離によるMALDI−TOF質量分析法によって分析される。一旦、イオン化されると、このインタクトなタンパク質の質量、および好ましい例においては、質量分析法において無作為に生成されるフラグメント質量が、測定される。したがって、これらの質量は、タンパク質の同定に使用される。しかし、多くの例において、このような好ましいフラグメントは、検出不可能であると予測され、そして、これらのタンパク質をプロテアーゼが切断することを助けて、そのタンパク質の同定において使用され得るぺプチドをより効率よく生成することが必要とされる。分子スキャナの適用の際に、タンパク質が、本発明にしたがって、電気的にブロッティングされ、ポリペプチド切断膜13を通過して、ペプチドを生成し、このぺプチドが同定の目的で捕捉膜14において回収される。インタクトなタンパク質質量と同様に、その組織の画像が、本発明の装置を用いて電気的ブロッティングされ、消化され、そして捕捉されたタンパク質に由来するペプチドの質量の分析に基づいて再構築され得る。図8aおよび図8bは、ニワニワトリの心臓の薄片の画像であり、これは、この組織薄片が本発明として記載される方法および装置に供された後に観察される、任意のペプチドイオン(m/z 1253および2448)の分布に基づいて再構築されたことを示す。総じて、6561(81×81)のスペクトルが取得され、そして分析された。このイオン強度は、図8aおよび図8bにおけるグレースケールを使用して、そのぺプチドの各々について反映さている。これらの一次的な結果は、ペプチド1253および2448の別個の分布が観察され得ることを示す。使用される質量分析器は、従来型のMALDI−TOF質量分析器であり得るか、または、これは、所望の親イオンを選択するタンデム型質量分析器とその後のMS−MSフラグメンテーションであり得る。
タンパク質を含むほかのサンプルもまた、本願発明を用いる際に使用され得る。例えば、細菌細胞または真核細胞のコロニーは、そのキットを使用することによって組み換えタンパク質の発現についてスクリーニングされ得る。この実施形態において、はじめに、それらのコロニーは、膜にブロッティングされ得、そして、その膜は、ポリアクリルアミドゲル11に代わって、そのカセットに配置され得る。十分な量のペプチドが捕捉され得る限りにおいて、そのタンパク質がブロッティング膜に対して効率的に移動されるということは決定的な事項ではないことに留意のこと。第2の適用は、環境サンプルから単離した微生物の個々のコロニーの種を決定するレベルにある。細菌プレート上のサンプルのすべては、並列に処理され得る。あるいは、多くのプレートからのコロニーは、第2のプレートに移動され、コロニーの2次元アレイを生成し得る。このようにして、大量のコロニーが、同時に処理され得、そして、この質量分析器は、2次元アレイの既知の座標からスペクトルを回収するように操作され得る。
図9aおよび図9bを参照して記載される別の実施形態において、それらのタンパク質は、それぞれウェル22の下のフィルタが備え付けられたマイクロタイタープレート24中に発し得る。例えば、96導線を有する電極マニホルド25は、図9bに示されるように、その頂部から96ウェルの各々に浸され得る。それらのウェルがブロッティングに適切な緩衝液を含んでいる限り、それらのフィルタを介してプロテアーゼ含有切断膜13へ、そして、捕捉膜14へとタンパク質含有溶液23を電気的溶出することが可能である。このタンパク質含有溶液23は、細胞溶解物および組織溶解物、フィルタープレート24に配置され得る液体クロマトグラフィー(アフィニティークロマトグラフィーおよびキャピラリー電気クロマトグラフィーまたはキャピラリー電気泳動分離を含む)から回収される画分を含む、1以上のタンパク質を含む任意の溶液であり得る。あるいは、所望する場合、これらのタンパク質は、固相樹脂に吸収され得、電気的ブロッティングの前に適切な緩衝液へと緩衝液を交換することを容易にする。そのフィルタの下にはじめにトラップされた気泡(バブル)は、過剰の移相緩衝液を使用する下方向からの陽圧によって取り除かれ、電気的な接触を開始し得る。その移動が完了したあとに、その質量分析器は、フィルタの各々の出口と整列した捕捉膜14のそれらの領域に集中され得る。非常に類似する工程は、タンパク質を含むバンドまたは従来型の1次元ゲルまたは2次元ゲルからのスポットの切り出しの後のように、タンパク質がはじめにポリアクリルアミド21の切片中にトラップされている場合に、履行され得る。この場合に、上部電極マニホルド25は、小さないくつかの背圧を提供して、フィルタプレート24の下からの陽圧を加えることによってトラップされた気泡を除去するタスクを容易にするように設計された小開口部で備え付けられ得る。
必要に応じて、成分の任意の組み合わせが、特に以下の任意の1つと一緒にまたは別々に使用され得る:MALDI−TOFのためのマトリクス形成試薬、電気的ブロッティング緩衝液、プロテアーゼ切断層、収集層、好ましくは、ニトロセルロースおよびMALDIマトリクスのようなポリマーで前もって処理された膜を含む複合性の捕捉層およびPAGE物質。他の任意の成分としては、マイクロタイターフィルタープレートおよび上記マイクロタイタープレートからの電気ブロッティングを促進する電極マニホールドが挙げられ得る。膜および1、2またはそれ以上の上記の任意の成分を含むキットは、ここで、本発明の範囲内であると具体的に示す。キットの成分は、別々の容器で提供され得るが、全体としてはキットとして包装されている。
本発明の別の局面において、中程度のアフィニティー捕捉膜が消化膜と捕捉膜との間に配置される。この中程度の膜は、電気的ブロッティングされたペプチドのサブセット(例えば、ビオチンで改変されたペプチドのサブセット)を捕捉する。次いで、これらのペプチドは、中程度の膜から放出され、2周目の電気的ブロッティングにおいて第2の捕捉膜に移される。ペプチドのサブセットの選択は、その特定の試薬(例えば、抗体、ストレプトアビジン、金属キレート、DNA、RNAおよびPNA)との相互作用に基づく。例えば、タンパク質は、1次元または2次元のゲル電気泳動による分離の前にICAT試薬(ビオチンを含有する)で標識される。分離されたタンパク質の電気的ブロッティングおよび親水性膜に固定されたトリプシンを用いる同時の酵素的切断の際に、得られたビオチン含有ペプチドは、ストレプトアビジンが固定された中程度の膜上で選択され得る。非ビオチン含有ペプチドは、分析のためのニトロセルロース/マトリクス改変捕捉膜に移動する。改変された捕捉膜を新しい第2の改変された捕捉膜で交換することによって、そして、電気的ブロッティング条件(すなわち、緩衝液またはpHの変化)を変更することによって、ビオチン含有ペプチドが中程度のストレプトアビジン膜から除去され、そして、質量分析のための新しい改変された捕捉膜上に捕捉される。その物理的特性および化学特性に基づく特定のペプチドのこの選択は、2工程のプロセスでのこれらのペプチドのサブ分画を可能にし、ICAT試薬標識化ペプチドを同一性定量および相対的定量について単離する。
以下の実施例は、本発明を例示する。「Immobilon」、「Trans−Blot」および「Voyager」との語は商標である。
(材料および方法)
(化学物質)
ポリエーテルスルホンを含有するGelman US450膜をPall Life Sciences(Ann Arbor,MI)から購入した。低範囲SDS−PAGE標準PVDF膜をBio−Rad(Richmond,Calif.,USA)から購入した。トリフルオロ酢酸(TFA)、TrisおよびトリプシンをSigma(St−Louis,Mo.,USA)から購入した。このトリプシンは、ウシの膵臓由来であり、そして、L−1−トシルアミド−2−フェニルエチルクロロメチルケトン(TPCK)で処理して、通常トリプシンに存在するキモトリプシン様活性を低減させた。アセトトリル(HPLCグレード)、塩化カルシウム、エタノールアミン、グリシンおよびL−BAPNA(N−ベンゾイル−L−アルギニン−4−ニトロアニリドヒドロクロリド)をまたSigmaから購入した。
(1次元PAGEおよび2次元PAGE)
1次元 PAGE法のために、Mini−Protean II電気泳動装置(Bio−Rad,Richmond,Calif.,USA)を用いた。BioRad製の10%ポリアクリルアミドゲルを用いて、Laemmli、Nature 277:680−685 1970に記載されるような方法に本質的に従って、SDS−PAGEを行った。mini whole gel eluter(Bio−Rad)を用いて電気的に溶出したタンパク質を回収した。用いたタンパク質サンプルは、Sigma製の広範囲SDS−PAGE標準であった。これらは、ダイズトリプシンインヒビター(20.1kDa)、ウシ炭酸脱水酵素(28.9kDa)、トリオブアルブミン(42.7kDa)、ウシ血清アルブミン(66.4kDa)、E.coli β−ガラクトシダーゼ(116kDa)およびミオシン(205kDa)であった。フルオレセインイソチオシアネートで標識することによってFITC−BSAを蛍光にした。FITC標識化BSAを用いてゲル電気泳動への暴露後のタンパク質の消化および移動を、定性的および定量的に評価した。タンパク質の移動は、100Vで60〜90分間、単一のレーンで行った。
(トリプシンおよびGelman US450膜の骨格の共有結合)
ベンズアミジンHCl(2mg/ml)、TPCK処理したトリプシン(1mg/ml)およびNaBHCN(10mg/ml)を0.5M NaSO、100mM NaHPO、pH7.4に溶解し、Gelman/Pall US450ポリエーテルスルホン膜cmあたり0.1mlでコーティングした。このアルデヒド活性化膜は、最近紹介されている、市販の改変ポリエーテルスルホン膜である。これらの基は、タンパク質またはペプチド由来のアミン基のようなヌクレオフィルに対して反応性である。等量の1.5M NaSO、100mM NaHPO、pH7.4の緩衝液を加え、そして、室温で16〜18時間、75rpmで揺らしながら反応させた。0.2MTrisおよび5mg/ml NaBHCNを添加することによってキャップ化を達成した。この膜を湿った状態で冷蔵保存するか、またはグリセロール溶液を使用して乾燥させた。
(トリプシン活性の測定:BAPNAアッセイ:)
直径8mmのトリプシン消化膜のディスク(0.5cm)を3mlの0.92mM BAPNAに添加し、軌道混合器上で、室温で30分間インキュベートした。反応を0.5mlの30% 酢酸でクエンチし、トリプシン活性を410nmでモニタリングし、そして、既知のトリプシン活性の溶液と比較した。
(複合性の膜捕捉膜の調製:)
Immobilon CD(第4級アンモニウム官能基を有するPVDF膜であり、Millipore Corporation (Bedford,MA)から市販されている)を、20mg/ml ニトロセルロース、10mg/ml HCCA、50% イソプロパノールおよび50% アセトンの溶液に浸漬した。次いで、膜を完全に乾燥させ、トランスブロッティング緩衝液(以下に記載する)で再び湿らせた。
用いたトランスブロッティング緩衝液は、12mM Tris(ヒドロキシメチル)アミノメタン、100mM グリシンおよび0.01% SDS、pH8.3であった。ブロッティングは、Mini−Trans−Blot電気泳動トランスファーセル(Bio−Rad,Redmond,CA,USA)上、室温、6〜7Vで、3〜3.5時間行った。
(トランスブロッティングプロトコール:)
電気的ブロッティングの間にタンパク質の酵素的消化を行うために、7層までのトリプシン固定化膜を、トランスブロット−消化サンドイッチ(図1および2aおよび2b)を作製するための回収表面として、ポリアクリルアミドゲル(タンパク質の供給源)と複合捕捉膜との間に配置した。電気的ブロッティングトランスファー手順の後、消化されたタンパク質のフラグメントが回収される複合性の収集膜を、MS分析の前に、脱イオン水で10〜30分間洗浄した。
(MALDI−TOF分析の前の膜の調製:)
目的の領域を含む複合捕捉膜の小片(1×1mm)および大きな片(少なくとも40mm四方)を複合性の捕捉収集膜から切り出し、適切なサンプルMALDIプレートに、硬化接着剤またはシリコーン真空グリースで固定した。さらなるマトリクスを以下のようにして捕捉膜に添加した:50%アセトニトリル、0.1% TFA溶液中1μlの10mg/ml HCCAを陰極の複合捕捉膜に添加したか、あるいは、MALDIプレートに付着させる前に、さらなるマトリクス溶液を捕捉膜に噴霧した。
(MALDI−TOF装置および実験条件:)
複合性の膜を、337nmの窒素レーザーを備えるMALDI−TOF質量分析計Voyager STRまたはVoyager DE−PRO(Applied Biosystems,Framingham,MA,USA)で分析した。この分析計は、20kVの加速された電圧、125nsのイオン抽出遅延時間および800Daで固定化された低質量ゲートで、反射体モードにて使用した。レーザー出力は、分子イオン生成の閾値をわずかに超えて設定した。任意の平滑化手順を行うことなく、10〜1000回の連続したレーザー発射の刺激によってスペクトルを得た(図4)。図6aについて、直交性のMALDIイオン源を備えるQSTAR PULSARハイブリッドQ−TOF MS(Applied Biosystems)上でスペクトルを得;図6bについては、4700 Protein Analyzer(Applied Biosystems)上でスペクトルを得た。
(手順)
1) まず、1次元ゲルまたは2次元ゲルを作動させる
2) ゲル、切断膜、捕捉膜およびフィルターペーパーパッドをトランスファー緩衝液に2〜5分間浸す
3) 以下の順序で、陰極の最下層から開始するサンドイッチを調製する:フィルターペーパーパッド、捕捉膜、切断膜、ゲル、フィルターペーパーパッド
4) 組み立て、そして7Vで3.5時間トランスファーする
5) 分解し、捕捉膜を水でリンスし、マトリクス溶液で乾式噴霧する
6) 捕捉膜を乾燥させ、そして、真空グリースでMALDIプレートに適用する
7) MALDI−TOF MSにて走査する(250μmの分解能、20Hzのレーザーで、161スペクトルを得るのに、1レーンあたり約20分)
(結果)
トリプシンは、Gelman US450アルデヒド活性化膜に共有結合した。表面の酵素密度をBAPNA試験によって、cmあたり4.6〜10.9μgの活性トリプシンであると決定した。4℃で1ヶ月までの期間、20%グリセロールを含むTris−HCl/CaCl/NaN溶液中に保存される場合、トリプシンが結合したGelman US450膜の活性は安定なままであった。
2つ以上のトリプシンが結合した膜が、ポリアクリルアミドゲルと陰極の複合捕捉膜との間に、一方の上にもう一方が挿入される実験は、電気的トランスファー手順の間に、タンパク質の明らかな損失も分解能の損失もないことを示した。
FITC標識化BSAを用いて、ゲル電気泳動に暴露した後のタンパク質の消化および移動を定性的および定量的に評価した。SDS−PAGE分離の後、4つのタンパク質(ウシ血清アルブミン(BSA)、トリオボアルブミン、ウシ炭酸脱水酵素およびミオシン)をSDS−PAGEの同じトラックにかけ、ポリエーテルスルホン膜上の7本のトリプシン結合膜までトランスブロットした。例を図3aおよび3bに示す。上記のタンパク質は、Protein Prospectorで自動的に解釈した場合、そのペプチドフラグメントのMALDI−TOF MS(Voyager STR)スペクトルから正確に同定された。E.coli溶解物を1次元ゲル電気泳動を用いて分離し、そして、本発明において記載される方法および装置を用いる電気的ブロッティングおよび消化の後、MALDI−TOF質量分析法によって捕捉膜の種々の位置で分析した。ゲルの92位(捕捉膜上の開始点からの相対距離)で回収した代表的なスペクトルおよびペプチド同定データを図10および表1に示し、これらは、それぞれ、同時係属中の米国特許出願番号09/745,920に記載されているようなChemApplexソフトウェアを用いている。ChemApplexソフトウェアにより同定した92位のタンパク質を表2に列挙する。ニワトリの心臓を凍結し、そして、剃刀の刃を用いて横断切片を得た。組織を直接切断膜に配置し、そして、上記のように「サンドイッチ」を組み立てた。捕捉膜を走査し、そして、2つのペプチドイオンの分布を図8aおよび8bに示す。
Figure 0004291161
Figure 0004291161
Figure 0004291161
表1および2の行の表題は、以下によって表される:
(表1)
# タンパク質リスト順序
acc Swiss Prot受入番号
accM 代替的なSwissProtの受入番号(低いランクのタンパク質に
対する)
#m 代替的な受入番号についてのタンパク質リスト番号
#r 強度によりソートした質量のランク;1が最も強い質量である
int 質量の強度
tri 強度、ChemScoreおよびペプチドレベルでの質量誤差を組み
合わせた適合性のための複合的スコア
ch ペプチドのChemScore
theo その配列に基づいたペプチドの分子量
maldi 質量の測定された分子量
ppm 「theo」と「maldi」との間の100万あたりの部分の誤差
< タンパク質配列中の予定のペプチドの直前のアミノ酸
sequence ペプチドの配列
> タンパク質配列中のペプチドの後のアミノ酸
mod ペプチド中の残基への改変の略称
p ペプチド中で切断し損ねたトリプシンの数
(表2)
# タンパク質リスト順序
acc Swiss Prot受入番号
タンパク質 タンパク質の名前
mw タンパク質の分子量
m タンパク質に対して適合するペプチドの数
tri 強度、ChemScoreおよびタンパク質レベルでの質量誤差を組
み合わせた適合性のための複合的スコア
% Ch タンパク質と適合したChemScoreの百分率
% I 適合した強度の百分率
ppw 適合したペプチドについての強度−加重平均ppm誤差
図1は、本発明において使用され得るブロッティング「サンドイッチ」の1つの実施形態の模式図である。 図2aは、本発明において使用され得るブロッティング「サンドイッチ」の他の実施形態の模式図である。 図2bは、本発明において使用され得るブロッティング「サンドイッチ」の他の実施形態の模式図である。 図3aは、4つの異なる標準タンパク質(すなわち、ミオシン、BSA、オボアルブミンおよび炭酸脱水酵素)から得られたMALDI−TOF MSスペクトルを示す。 図3bは、4つの異なる標準タンパク質(すなわち、ミオシン、BSA、オボアルブミンおよび炭酸脱水酵素)から得られたMALDI−TOF MSスペクトルを示す。 図4は、E.coli溶解物の1次元 SDS PAGミニゲルの連続した場所から得られた12のMALDIスペクトルを示す。各スペクトルは500ミクロン離れていた。 図5は、同位体で標識したタンパク質の定量に使用され得るペプチド対のMALDI−TOF MSスペクトルの2つの異なる例を示す。図5の左のパネルは、アセテートの水素形態およびアセテートの重水素化形態で別々に標識された後、2:1の比で混合されたタンパク質(トリプシンインヒビター)からの1つのアセチル化リジン残基を含む、ペプチド対を示す。図5の右パネルは、アセテートの水素形態およびアセテートの重水素化形態で別々に標識され、1:3の比で混合された、同じタンパク質(トリプシンインヒビター)からの3つのアセチル化リジン残基を含む、別のペプチドを示す。 図6aは、30Sリボソームタンパク質(Swiss Prot受入番号P02349)由来のE.coliペプチドの直交性の(o)−MALDI−MS−MSスペクトルを示す。 図6bは、1次元ゲル電気泳動により血清から分離されたヒト血清アルブミン由来のペプチドイオン(1639.94 m/z)から得られたMALDI−TOF MS−MSスペクトルを示す。 図7は、捕捉膜の別々のゾーンに消化されたポリペプチドを集めるために有用な別の実施形態の模式図である。 図8aおよび8bは、本発明の使用で誘導されたニワトリの心臓の組織像を示す。 図9aおよび9bは、マイクロタイタープレートで有用な別の実施形態の模式図を示す。 図10は、E.coli溶解物の1次元ゲルの92位で見出されたペプチドのMALDI−TOF MSスペクトルである。

Claims (21)

  1. タンパク質サンプルからポリぺプチドを同定および定量するための方法であって、該方法は、以下:
    該タンパク質サンプルからポリぺプチドを分離して、該ポリぺプチドを含む支持体を提供する工程;
    該支持体に隣接する少なくとも1つの消化膜を提供する工程であって、ここで、少なくとも1つのポリぺプチド切断試薬が、該ポリぺプチドが該膜を1度通過した後に該サンプル中のポリぺプチドのその後の同定を可能にするのに十分な量のポリぺプチドを消化する有効量で該消化膜に固定されている、工程;
    少なくとも1つの捕捉膜を提供する工程であって、該捕捉膜は、該少なくとも1つの消化膜から、電気的ブロッティングの間に、該ポリペプチドのペプチドフラグメントの移動方向において、下流にある、工程;
    該ポリペプチドを、該支持体から該少なくとも1つの消化膜を通って電気的ブロッティングする、工程;
    該少なくとも1つの捕捉膜において該フラグメントを回収する工程;および
    該回収したフラグメントを、MALDI−TOF質量分析法によって同定または定量する工程であって、MALDIマトリクス材料が、電気的ブロッティングの前に該捕捉膜に添加される、工程
    を包含する、方法。
  2. 指向された前記フラグメントからポリぺプチドを同定する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記支持体が電気泳動ゲルである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記捕捉膜にセルロースを添加することによってペプチド捕捉を促進するように該膜を改変する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記MALDIマトリクス材料が、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記ポリぺプチドへと分離する前に、前記タンパク質を安定な重同位体で標識する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記切断試薬は、前記消化膜に共有結合している、請求項1に記載の方法。
  8. 前記消化膜が、改変PVDF膜および改変ポリエーテルスルホン膜からなる群より選択され、そして前記切断試薬がプロテアーゼである、請求に記載の方法。
  9. 前記プロテアーゼがトリプシンである、請求項に記載の方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記切断試薬が、前記有効量で前記消化膜に固定され、該固定は、以下:
    塩、プロテアーゼインヒビターを添加し、そして、該膜と該切断試薬とを反応させてシッフ塩基を生成する工程;
    還元剤を用いて該シッフ塩基を還元する工程;および
    該膜から該プロテアーゼインヒビターを取り除く工程;
    による、方法。
  11. 前記膜の表面において残った活性基をキャップする工程をさらに包含する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記捕捉膜の不連続ゾーン上に前記フラグメントの捕捉したものを収束させる工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記フラグメントを、前記支持体と前記捕捉膜との間に非伝導性シートを提供することによって該捕捉膜の不連続ゾーンに収束させ、該シートは、該フラグメントが流れる少なくとも1つのスリットまたはホールを有する、方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、前記消化膜と前記捕捉膜との間に中間捕捉膜を提供して前記ポリぺプチドのサブセットを捕捉する工程を包含する、方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、ポリぺプチドの前記捕捉されたサブセットを解放する工程および第2の捕捉膜に該サブセットを電気的ブロッティングする工程をさらに包含する、方法。
  16. 前記支持体が切断試薬を含まない、請求項1に記載の方法。
  17. 複数の隣接する消化膜が存在する、請求項1に記載の方法。
  18. タンパク質を含む組織サンプルから直接的にポリぺプチドを同定および定量するための方法であって、該方法は、以下:
    タンパク質を含む該組織を提供する工程;
    該組織に隣接する少なくとも1つの消化膜を提供する工程であって、ここで、少なくとも1つのポリぺプチド切断試薬が、該サンプル中の電気的ブロッティングされたポリぺプチドが膜を1度通過した後に、該ポリぺプチドのその後の同定を可能にするのに十分な量のポリぺプチドを消化する有効量で該消化膜に固定されている、工程;
    少なくとも1つの捕捉膜を提供する工程であって、該捕捉膜は、前記少なくとも1つの消化膜から、電気的ブロッティングの間に、該ポリペプチドのペプチドフラグメントの移動方向において、下流にある、工程;
    該少なくとも1つの消化膜を通って、該組織サンプルから該ポリペプチドを電気的ブロッティングする工程;
    該少なくとも1つの捕捉膜において該フラグメントを回収する工程;および
    該回収したフラグメントを、MALDI−TOF質量分析法によって同定または定量する工程であって、MALDIマトリクス材料が、電気的ブロッティングの前に該捕捉膜に添加される、工程;
    を包含する、方法。
  19. タンパク質サンプルからポリぺプチドを同定または定量するための方法であって、該方法は、以下:
    該タンパク質サンプルからポリぺプチドを分離して該ポリぺプチドを含む支持体を提供する工程;
    該支持体に隣接する少なくとも1つの消化膜を提供する工程であって、ここで、少なくとも1つのポリぺプチド切断試薬が、該消化膜に固定されている、工程;
    少なくとも1つの捕捉膜を提供する工程であって、該捕捉膜は、該少なくとも1つの消化膜から、電気的ブロッティングの間に該ポリペプチドのペプチドフラグメントの移動方向において、下流にあり、該捕捉膜がニトロセルロースおよびMALDIマトリクス材料を用いて改変される、工程;
    該少なくとも1つの消化膜を介して該支持体から該ポリぺプチドを電気的ブロッティングして、該ポリぺプチドをフラグメントに効率的に切断する工程;
    該少なくとも1つの改変された捕捉膜上に該フラグメントを回収する工程;ならびに
    該回収されたフラグメントを、MALDI−TOF質量分析法によって同定または定量する工程であって、MALDIマトリクス材料が、電気的ブロッティングの前に該捕捉膜に添加される、工程
    を包含する、方法。
  20. 前記MALDIマトリクス材料がα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を含む、請求項19に記載の方法。
  21. タンパク質サンプルからポリぺプチドを同定または定量するための方法であって、該方法は、以下:
    該タンパク質サンプルからポリぺプチドを分離して該ポリぺプチドを含む支持体を提供する工程;
    該支持体に隣接する少なくとも1つの消化膜を提供する工程であって、ここで、少なくとも1つのポリぺプチド切断試薬が、該消化膜に固定されている、工程;
    該少なくとも1つの捕捉膜を提供する工程であって、該捕捉膜は、該少なくとも1つの消化膜から、電気的ブロッティングの間に該ポリぺプチドのペプチドフラグメントの移動方向において下流にある、工程;
    該支持体と該捕捉膜との間に非伝導性シートを提供する工程であって、該シートは、該シートが、該フラグメントが流れる少なくと1つのスリットまたはホールを有する、工程;
    少なくとも1つの消化膜を通って該支持体から該ポリペプチドを電気的ブロッティングして、該ポリペプチドをフラグメントへと効率的に切断する工程;
    該フラグメントを、該少なくとも1つのスリットまたはホールを通って流し、そして、該少なくとも1つの捕捉膜の不連続領域上に回収する工程;および
    該回収したフラグメントを、MALDI−TOF質量分析法によって同定または定量する工程であって、MALDIマトリクス材料が、電気的ブロッティングの前に該捕捉膜に添加される、工程
    を包含する、方法。
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