JP4163103B2 - ポリペプチドの特徴分析方法 - Google Patents
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Description
そこで、この2−DE技法は、ゲルスポット中のタンパク質同定に使用するペプチドマスフィンガープリント法の探知能に制限される。既存の技法では、2つ以上の試料の発現レベルを容易には比較できない。タンパク質を分別し続いて2Dゲルから回収する間に試料が失われるので、プロセスが複雑であると共に感度の問題がある。更に、2Dゲルから抽出したタンパク質は一般に質量分析法に不適な溶質を含有している緩衝液中にある。
(a)任意の工程としてポリペプチド中のシステイン-ジスルフィド架橋を還元して、遊離チオールを形成し、得られる遊離チオールを防護し、
(b)該ポリペプチドを配列特異的開裂試薬で開裂して、ペプチド断片を形成し、
(c)任意の工程として開裂試薬を不活性化し、
(d)存在する1以上のε-アミノ基をリジン反応剤、好ましくは被標識リジン反応剤、で防護し、
(e)ペプチド断片を質量分析法で分析して、該ポリペプチドのマスフィンガープリントを形成し、及び
(f)マスフィンガープリントからポリペプチドを同定する
の工程を包含する方法を提供する。
以上から、特に本方法は、既に単離された未知ポリペプチドを含有する試料中に存在する未知ポリペプチドの同定に関することが認識される。
(a)1以上のポリペプチドに存するシステインジスルフィド架橋を還元して遊離チオールを形成し、得られた遊離チオールを防護し、
(b)該複数のポリペプチドから1以上のポリペプチドを分離し、
(c)1以上のポリペプチドを配列特異的開裂試薬で開裂して、ペプチド断片を形成し、
(d)任意の工程として開裂試薬を不活性化し、
(e)存在する1以上のε-アミノ基をリジン反応剤、好ましくは被標識リジン反応剤、で防護し、
(f)ペプチド断片を質量分析法で分析して、1以上の該ポリペプチドのマスフィンガープリントを形成し、及び
(g)マスフィンガープリントから1以上の該ポリペプチドを同定する
の工程を包含する方法も提供する。
(a)任意の工程としてポリペプチド中のシステイン-ジスルフィド架橋を還元して、試料の1以上のポリペプチド中に生じた遊離チオールを防護し、
(b)試料のそれぞれから1以上のポリペプチドを分離し、
(c)該ポリペプチドを配列特異的開裂試薬で開裂して、ペプチド断片を形成し、
(d)任意の工程として開裂試薬を不活性化し、
(e)存在する1以上のε-アミノ基をリジン反応剤、好ましくは被標識リジン反応剤で防護し、
(f)ペプチド断片を質量分析法で分析して、試料中の1以上の該ポリペプチドのマスフィンガープリントを形成し、及び
(g)1以上のマスフィンガープリントから1以上の該ポリペプチドを同定する
の工程を包含する方法も提供する。
本発明の方法は、比較的高pHで、比較的低い試薬濃度を使用可能である。本発明者らは、これらの両要因によりリジン反応の選択性と完璧性が向上することを見出した。以下の説明でリジンのアミノ基をイプシロンアミノ基(ε-アミノ基)と呼ぶ。
本発明のある実施態様では、ポリペプチドのマスフィンガープリントを決定する方法で、
1. 配列特異的開裂試薬でポリペプチドを完全に消化し、
2. ポリペプチド中の存在し得るεアミノ基を全て該試薬で防護し、好ましくは、ポリペプチド中の存在し得る各εアミンと該アルキル化ミカエル試薬唯1分子が反応するように、ポリペプチドをリジン反応性で立体障害のあるミカエル試薬と反応させ、
3. 消化ポリペプチド由来の被標識ペプチドを質量分析法で分析する
の工程を包含する方法を提供する。
1. 任意の工程としてシステインジスルフィド架橋を還元し、遊離チオールを防護する。
2. 配列特異的開裂試薬でポリペプチドを完全に消化する。
3. ポリペプチド中の存在し得るεアミノ基を全て該試薬で防護し、好ましくはポリペプチド中の存在し得る各εアミンとアルキル化ミカエル試薬唯1分子が反応するように、ポリペプチドをリジン反応性で立体障害のあるミカエル試薬と反応させる。
4. 消化ポリペプチド由来の被標識ペプチドを質量分析法で分析する。
本発明の好ましい実施態様では、リジン反応タグは、感度増強基を含む。この感度増強基は、タグされたペプチドのイオン化効率を向上させる。好ましい感度増強基は、桂皮酸誘導体などの非蛍光染料、3級アミノ基、グアニジノ基、4級アンモニウム基又はピリジウム基である。
R-、R1-及びR2-基の好ましくは1以上、さらに好ましくは1のみは、ビオチンなどのアフィニティー捕捉官能基へのリンカー又は固相担体へのリンカーを含む。
1. 試料毎に、任意の工程としてシステインジスルフィド架橋を還元し、全ポリペプチド中の遊離チオールを防護し、
2. ポリペプチド中の存在し得るεアミノ基を全て該試薬で防護し、好ましくはポリペプチド中の存在し得る各εアミンとアルキル化ミカエル試薬の唯1分子が反応するように、各ポリペプチド試料をリジン反応性で立体障害のあるミカエル試薬と反応させる。各試料を他の試料とは異なるタグで標識するが、その場合、タグの相違は、質量分析法で決定できる。
3 .標識した試料をプールし、
4. 各種ポリペプチドを単離できるように、プールした試料の成分ポリペプチドを分離し、
5. 配列特異的開裂試薬で各ポリペプチドを完全に消化し、
6 .消化ポリペプチド由来の被標識ペプチドを質量分析法で分析する。
当分野で公知のアミン選択性タンパク質反応試薬は多数ある。これらの試薬にはある程度の識別力があり、高pHでリジンと反応するが、十分な識別力がありほぼ独占的にリジンを標識することができるものは多くない。多数のリジン選択性試薬が先行技術で記述されており、これらは全て、特に環状無水物は本発明での使用に適している。ピロメリト酸無水物及びo−スルフォ安息香酸無水物はリジン選択性アシル化試薬であると報告されている(Bagreeら、FEBS Lett.120(2):275-277,1980)。同様にフタール酸無水物は構造、反応性がピロメリト酸無水物に類似しているのでリジン選択性があると期待される。フタール酸無水物は他のアミノ酸との副反応が少ないと報告されている(Palacian Eら、Mol Cell Biochem.97(2):101-111,1990)。さらに重要な点として、リジンとの反応に広く使用される多くの試薬、特に活性エステル、例えばカルボン酸無水物、N−ヒドロキシサクシニミドエステル及びペンタフルオロフェニルエステルは高pHで安定でない。これらの試薬は大過剰に使用する必要があり、過剰の結果かえって反応の選択性が欠如する。
本発明の好ましい立体障害のあるアルケニルスルフォン化合物は次式を有する:
上式中、R2は、水素原子であり、あるいは、電子吸引基及び/又はアフィニティー捕捉官能基へのリンカー又は固相担体へのリンカーであることもできる。
R-、R1及びR2基のいずれか及び好ましくは唯一は、アフィニティー捕捉官能基へのリンカー、例えばビオチン、あるいは、固相担体へのリンカーを含むことができる。
タンパク質は細胞内の区分で仕分けられている。細胞内区分を基礎にしてタンパク質を分画する技法は当分野で各種知られている。分画のプロトコールには細胞分解の各種技法、例えば超音波、界面活性剤あるいは物理手段による細胞分解及びこれらに続く分画技法、例えば遠心分離が包含される。膜タンパク質、細胞質ゾルタンパク質、及び主要な膜結合細胞区分、例えば、核及びミトコンドリアに分離するのが標準的なプラクチスである。したがってあるクラスのタンパク質は、効率的に無視してよくあるいはそれだけを分析することが可能である。特定タンパク質が多数の細胞内領域に存在する場合には、この形式の分画は極めて有用な情報を提供する。即ちそのタンパク質の機能に関する情報はその所在から明らかになる可能性があるからである。
タンパク質は高度に不均質な分子であるから、可能な分離技法は多数ある。サイズ、疎水性、表面電荷を基礎にして、及び/又は特定配位子への親和性によってタンパク質を分離することができる。分離は、各種の官能基を導入した固相マトリックスを分割することによりなされるが、このマトリックスはカラムを流れるタンパク質を特性に基づいて付着し、流速を下げる。疎水性部分を導入したマトリックスを使用するとそれの疎水性に基づいてタンパク質を分離することができ、また帯電樹脂を使用するとその電荷に基づいてタンパク質を分離することができる。代表的なクロマトグラフィー分離では、固相マトリックスへの付着に有利な緩衝液又は溶媒の中にあるこれら導入樹脂を充填したカラムに被検分子を注入する。続いてカラムを確実に増量した溶出に有利な第二の緩衝液又は溶媒で洗浄する。マトリックスとの相互作用が最も弱いタンパク質が最初に溶出する。
タンパク質はアフィニティー法により分画することができる。この種の分画法はタンパク質又はあるクラスのタンパク質と特定リガンドとの間の特異的相互反応に依存する。
特定の目的、例えば翻訳後に修飾されたタンパク質の単離のためのアフィニティーリガンドが多数市販品として入手可能である。多数のタグ付け手順も知られており、その手順によりビオチン等のアフィニティータグを翻訳後に修飾されたタンパク質に導入することができる。ビオチン−アビジンアフィニティークロマトグラフィーを使用すればそのタグによってタンパク質は捕捉可能となる。
炭水化物はタンパク質の翻訳後修飾体としてしばしば存在する。この種のタンパク質の単離のために各種のアフィニティークロマトグラフィーが知られている(概説のために、Gerard C., Methods Enzymol. 182, 529-539「糖タンパク質の精製」1990参照)。炭水化物に対する各種天然タンパク質受容体が知られている。受容体のこのクラスの構成員はレクチンとして知られており、特定の炭水化物官能基に対して高度の選択性がある。特定のレクチンを導入したアフィニティーカラムを使用すれば、特定の炭水化物で修飾されたタンパク質を単離することができる。他方、各種の異なるレクチンを含有するアフィニティーカラムを使用すれば、各種の異なる炭水化物で修飾されたタンパク質を単離することができる。隣接−ジオール基、即ち隣接する炭素上に存在するヒドロキシル基を有する炭水化物は多数ある。1,2−シスジオール立体配位に隣接ジオールを含有するジオール含有炭水化物はボロン酸誘導体と反応して環状エステルを形成する。
リン酸化は翻訳後における普遍的な可逆修飾であり、ほとんど全ての微生物のシグナル経路の大半において出現する。これは重要な研究領域であり、リン酸化動力学の解析を可能にするツールは細胞の刺激応答、例えば細胞の薬物応答を完全に理解するのに必須である。
87参照)。
この手順は、フォスフォルアミデートは酸性条件下で容易に加水分解するという事実に基づいている。この手順には、タンパク質混合物中の遊離アミンを全て防護し、次に、アミン官能基を含有する防護剤で遊離リン酸基とカルボン酸基とを結合して封鎖し、対応するフォスフォルアミデート及びアミドを形成することが包含される。次に、封鎖タンパク質を酸で処理してリン酸基の封鎖を解除する。次に、チオールが保護された第二番目のアミン試薬でペプチドを処理する。この工程でリン酸基は再び封鎖される。保護チオールを脱保護し、チオール反応性樹脂上でリンペプチドを選択的に捕捉するのに使用する。樹脂を十分に洗浄後にこれらのペプチドを酸加水分解により溶出する。この手順はリン酸基全てに適用可能であるとクレームされているが、リン酸チロシンは酸に不安定であるので、この方法はリン酸チロシンには適用できない可能性がある。
まず、リン酸化タンパク質を単離し、次にリン酸タンパク質のC末端ペプチドを分析してもよい。リン酸化タンパク質含有タンパク質試料を分析するプロトコールには以下の工程が包含される。
タンパク質試料を固定化金属イオン含有アフィニティーカラムに通し、リン酸化タンパク質のみを単離する、
捕捉されたリン酸化タンパク質からC末端ペプチドを本発明方法を利用して単離、分析する。
ユビキチン化、リポイル化及び他の翻訳後修飾によって修飾されたタンパク質もクロマトグラフィー技術 (Gibson J.C., Rubinstein A., Ginsberg H.N. & Brown W.V. Methods Enzymol 129, 186-198,「免疫アフィニティークロマトグラフィーによるアポリポタンパク質E含有リポタンパク質の単離」1986;Tadey T. & Purdy W.C. J.Chromatogr. B.Biomed. Appl. 671(1-2)237-253、「リポタンパク質を単離及び精製するクロマトグラフィー技術」1995) 又はアフィニティーリガンドを基礎とする技術、例えば免疫沈降(Hershko A. Bytan E. Ciechanover A. & Haas A. L.、 J.Biol.Chem. 257(23),13964-13970「生細胞でのユビキチン−タンパク質複合体代謝回転の免疫化学的分析」1982) により単離又は濃縮することができる.。これらの修飾をしたタンパク質は全て本発明方法により分析することができる。
立体障害の比較的に少ないミカエル試薬、例えばN−エチルマレイミド(NEM)及びプロペニルスルフォンはプロリンのαアミノ基と極めて急速に反応する。しかし本発明の大部分の態様ではこれは問題にならない。理由は、プロリンは普遍的でなく、大部分のエンドプロテアーゼはプロリン結合部を開裂しないからである。本発明のある態様は、Lys-C型酵素によるタンパク質及びポリペプチドの開裂に基づく。このクラスの既知酵素の大半は、リジン-プロリン結合部では開裂しないので、それがタンパク質のN-末端で起こらない限り、遊離プロリンα-アミノの存在はありえない。同様に、トリプシンは、リジン-プロリン又はアルギニン-プロリン結合を開裂しないので、本発明の第1及び第2態様で使用した場合にプロリンの遊離α-アミノ基の生成が避けられる。
未封鎖のN-末端プロリンが本発明の問題になるだけである。しかし、イソブチルスルフォン、トリフルオロプロペニルスルフォン及びヘキサフルオロイソブテニルスルフォンなどの立体障害の比較的著しいアルケニルスルフォンでは、プロリンとリジンに対する識別力の向上が認められるので、これらの試薬は、プロリンに対する識別力が必要な場合に使用すべきである。
ある好ましい実施態様では、図2に示しように、分析対象のポリペプチドは、トリプシン消化物である。トリプシンは、アルギニンとリジンの両方で開裂し、アルギニンとリジンを末端とするペプチドを生成する。消化が進行し、完了すれば、実質的にすべての存在可能なリジン及びアルギニン残基で開裂が起こり、各消化物ペプチドには、リジンもアルギニンも含まないC-末端ペプチドを除いて、唯1個のリジン又はアルギニンが含有される。このことは、消化物ペプチドをリジン選択性タグで標識すると、これらリジン含有ペプチドには唯1個のタグが導入されることを意味する。
本発明のこの実施態様は、ペプチドマスフィンガープリントを使って、各種試料中のポリペプチドの発現レベルを比較する方法を提供する。2試料の発現プロフィルを比較するには、上記の2試料中の各成分ポリペプチドの同一性と相対量を決定する必要がある。この実施態様は、2以上の異なる試料中の成分ポリペプチドのそれぞれの同一性と相対量の両方を決定する方法を提供する。これを達成するには、各試料中のポリペプチドを質量分析で解像できる標識で標識する。次に、標識されたポリペプチドをプールする。プールした試料の成分を、電気泳動又はクロマトグラフィー操作を使って成分を分離することによって、互いに解像する。その後、分離されたタンパク質は、ペプチドマスフィンガープリント法で同定できる。本発明で述べる標識操作を使用すると、各成分ポリペプチドの相対レベルをポリペプチドの質量分析による同定過程で決定することも可能である。
1. 各試料のポリペプチドを少なくとも1個の分離して解像可能な質量タグと共有結合で反応させ、その結果、各試料のポリペプチドが、他のあらゆる試料のタンパク質と反応する標識とは異なる1個以上の質量標識で標識される。
2. 質量標識試料をプールする。
3. 任意の工程として、プールした試料をゲル電気泳動、等電点電気泳動、液体クロマトグラフィー又は他の適当な手段で分離し、個別の分画を生成する。これらの分画は、ゲル上のバンド又はスポットであることも、あるいは、クロマトグラフィーで分離された液体分画であることもできる。ある分離による分画は、第二分離技術を使ってさらに分離することができる。同様に、その後の分析工程用にタンパク質が十分な解像度を持つまで、再度分画を進めることができる。
4. 配列特異的開裂試薬で、各分画のポリペプチドを消化する。
5. 消化物を質量分析法で分析し、分画中のポリペプチドを同定し、タンパク質に付着した標識を探知する。
1. 各試料のタンパク質を本発明の各組及び系列の少なくとも1個の、分離して解像可能な質量標識と共有結合で反応させる。
2. 任意の工程として、タンパク質をゲル電気泳動、等電点電気泳動、液体クロマトグラフィー又は他の適当な手段で分離し、個別の分画を生成する。これらの分画は、ゲル上のバンド又はスポットであることも、あるいは、クロマトグラフィーで分離された液体分画であることもできる。ある分離による分画は、第二分離技術を使ってさらに分離することができる。同様に、その後の分析工程用にタンパク質が十分な解像度を持つまで、再度分画を進めることができる。
3. 配列特異的開裂試薬で、各分画のタンパク質を消化する。
4. 任意の工程として、試料中のタンパク質を追加質量標識と反応させる。
5. 消化した分画を液体クロマトグラフィー質量分析法で分析し、その場合、液体クロマトグラフィーカラムからの質量マークしたペプチドの溶出時間を、ペプチドに付着した質量標識を探知することで決定する。質量分析は、好ましくは本発明の態様に従って実施し、タンパク質に付着した標識を探知する。
6. 質量分析法で消化物を分析し、分画中のポリペプチドを同定し、タンパク質に付着した標識を探知する。
質量分析法の基本的な特徴は以下の通りである。
導入系→イオン源→質量分析器→イオン探知器→データ捕捉系
ペプチド分析の目的に好ましい導入系、イオン源及び質量分析器がある。
各種の質量分析法の技術は分離技術、特に毛細管ゾーン電気泳動及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と両立する。ただし、分離が必要な場合にイオン化源の選択はある程度限定してもよい。理由は、MALDI及びFAB等のイオン化技術は固体表面から物質を削除するのでクロマトグラフィー分離には比較的適さないからである。これらの技術の一つによりクロマトグラフィー分離と質量スペクトル分析とを一線に連結することは困難である。動的FAB及びスプレーを基礎とするイオン化技術、例えば電子スプレー、熱スプレー、APCIは全てインラインでのクロマトグラフィー分離と両立する。そのような液体クロマトグラフィー質量分析法を実施する装置は市販品として入手可能である。
質量分析法の生物学への応用には、いわゆる「ソフト」イオン化技術を利用することが多い。それらの技術によりタンパク質及び核酸等の大型分子を本質的に原型のままイオン化することができる。液相技術を使用すれば大型の生物分子を緩和なpHの溶液状態でかつ低濃度で質量分析計に導入することができる。電子スプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)、高速中性粒子衝突イオン化法(FAB)、マトリックス支援レーザー脱着イオン化質量分析法(MALDI−MS)、大気圧化学的イオン化質量分析法(APCI−MS)等の多数の技術が本発明と共に使用するのに適している。ただしこれらに限定されない。
電子スプレーでイオン化するには、検体分子の希釈溶液を分析器中に「噴霧する」、即ち微細なスプレー状態で注入することが必要である。例えば、溶液を荷電針の先端から乾燥窒素の気流及び静電界に噴霧する。イオン化のメカニズムは十分に解明されていないが、次のように考えられている。窒素気流中に溶媒が気化する。小滴になると共に検体分子が濃縮される。大部分の生物分子には正味の電荷があるとすると、溶解した分子の静電的な反撥力が増大する。気化を続けるに従いその反撥力は最終的には滴の表面張力より大きくなるので、その滴は更に小さな滴に崩壊する。このプロセスは時々「クーロン破裂」と言われる。静電界が加わると滴の表面張力は更に打破されて噴霧過程は支援される。更に小さな滴からの気化が続くと滴は破裂を繰り返し、遂には溶媒だけの蒸気相に本質的には生物分子が存在する。この技術は質量標識を使用する場合には特に重要である。即ちこの技術では、イオン化の過程でイオンに賦課されるエネルギー量が比較的に小さく、かつ群の中でのエネルギー分布の範囲が他の技術に比較すると狭い傾向にある。電極を適切に配置してセットアップした電界を使用するとイオン化チャンバからイオンが加速されて出てくる。電界の極性を変えて負又は正のイオンを抽出してもよい。電極間の電位差により、質量分析器を通過するイオンの正負が決まり、またイオンが質量分析計に入るための運動エネルギーも決まる。このことは質量分析計でのイオンの分裂を考察する際に重要である。イオンに賦課されるエネルギーが多いほど、検体分子が供給源に存在する浴ガスとの衝突を介して分裂が起こる可能性が大きくなる。電界を調節してイオン化チャンバからイオンを加速すれば、イオンの分裂を制御することができる。これは、標識した生物分子からタグを除去する手段としてイオンの分裂を利用する必要がある場合には有利である。電子スプレーイオン化は、液体クロマトグラフィーとのインライン、即ち液体クロマトグラフィー質量分析法において使用することができるので、特に有利である。
MALDIでは、生物分子の溶液を大過剰モルの光励起「マトリックス」に埋設する必要がある。適切な振動数のレーザー光を当てると、マトリックスが励起し、次に閉じ込めた生物分子と一緒にマトリックスが迅速に気化する。酸性マトリックスから生物分子にプロトンが移動して生物分子のプロトン形が生じ、これは陽イオン質量分析法、特にフライト時間(TOF)質量分析法により探知することができる。陰イオン質量分析法もMALDI TOFにより可能である。この技術ではかなりの量の翻訳エネルギーがイオンに賦課されるが、過剰の分裂を誘導する傾向はない。しかし、電圧を上げると再びこの技術で分裂を制御することができる。この技術はペプチドのマスフィンガープリントを決定するのに有利である。理由は、この技術は質量範囲が大きいこと、スペクトルにおいて単一荷電イオンが優勢であること、そして多重ペプチドを同時に分析可能であることである。
高速中性粒子衝突イオン化法(FAB)では、比較的に揮発しにくい分子を気化しイオン化する技術が多数記述されている。これらの技術では、試料と高エネルギー光線のキセノン原子又はセシウムイオンとの衝突により試料が表面から脱着する。簡単なマトリックス、通常は非揮発性物質、例えばm−ニトロベンジルアルコール(NBA)又はグリセロールで試料を表面上にコートする。FABの技術も液相導入システムと両立する。毛細管電気泳動導入システム又は高圧液体クロマトグラフィーシステムから溶出する液体が半溶ガラスを通過し、本質的にその半溶ガラスの表面を検体溶液がコートし、それを原子衝突によりその半溶ガラスの表面からイオン化する。
衝突誘導解離によりペプチドを分裂し、それらの配列を決定することを本発明で利用すれば、タンパク質の消化生成物の質量パターンでは同定されないタンパク質を同定することができる。質量分析器の各種結合構成を使用すれば、ペプチドを分裂し、その断片の質量を決定することができる。
タンデムの質量分析計によって、質量対電荷の比を予め決めてあるイオンが衝突誘導解離(CID)によって選択され分裂される。次に分裂断片を探知することにより、選択されたイオンに関する構造情報が得られる。タンデム質量分析計でCIDによりペプチドを分析すると、特徴的な開裂パターンが観察され、このパターンによってペプチドの配列を決定することができる。一般に天然ペプチドはペプチド骨格のアミド結合の位置で無作為に分裂し、そのペプチドに特徴的なイオンシリーズが得られる。イオンの電荷がイオンのN末端断片に保持される場合には、n番目のペプチド結合での開裂に対するCID断片シリーズはan、bn、cn、等と表示される。同様に、電荷がイオンのC末端断片に保持される場合には断片シリーズはxn、yn、zn、等と表示される。
イオン捕捉質量分析計は四重極スペクトル計に関係する。一般にイオン捕捉器には3個の電極からなる構造をしており、即ち各端に「キャップ」電極があり、それらによって空洞が形成されている円筒状電極である。円筒状電極には交流高周波電位を与え、キャップ電極にはDC又はAC電位でバイアスを架ける。空洞に注入されたイオンは円筒状電極の振動電界により捕捉器内の安定な軌道に拘束される。しかし、与えられた振幅の振動電位に対してある種のイオンは不安定な軌道をとり、捕捉器から放出される。振動高周波電位を変化することによって、捕捉器に注入したイオン試料をそれらの質量/電荷比に応じて捕捉器から連続的に放出させることができる。次に放出されたイオンを探知することによって質量スペクトルが得られる。
FTICR質量分析計には、イオン試料が空洞内に保持されるという点でイオン捕捉器と類似の特徴があるが、FTICR MSではイオンは交差電磁界により高真空チャンバに捕捉される。電界は箱の二つの側面を形成する一対の平板電極によって形成される。この箱は磁石の磁界に含まれる。この磁石は、電界を形成しかつ捕捉平板と呼ばれる二枚の平板に連結しており、捕捉平板の間にあってかつ架けた磁界に直交する円形軌道に注入イオンを拘束する。箱の他の対立側を形成する二枚の「送信板」に高周波パルスを架けるとイオンはより大きな軌道の中に励起される。イオンの円形運動によりそれに対応する電界が、「受信板」を含む箱の残りの二つの対立側に発生する。励起パルスによりイオンはより大きな軌道に励起されるが、衝突を経てイオンの固有運動が失われるに従いこの軌道は崩壊する。受信板が探知した対応シグナルはフーリエ変換解析により質量スペクトルに変換する。
−チオール基及びεアミノ基標識のための標識条件−
一般に大部分のタンパク質には1以上のシステイン残基があり、それが架橋結合してジスルフィッド架橋を形成し、しかもシステインのチオール基はポリペプチドの中で最も反応性のある側鎖であるから、任意の遊離εアミノ基と同様にこの官能基を封鎖するプロトコールを見出すことは重要である。本発明で使用する立体障害のあるミカエル試薬はεアミノ基と同様にチオール基とも容易に反応するので、1個の反応で両方の官能基を標識することができる。
あるいはまた、εアミノ基を本発明の立体障害のあるミカエル試薬で標識する前にチオール基を別の試薬で標識してもよい。
本実験では、2個のシステイン残基がジスルフィッド架橋になっているサケのカルシトニン(10nmol、Calbiochem)をpH7.5の10mM炭酸ナトリウム中に2M尿素と0.5Mチオウレアを含有するタンパク質変性用緩衝液に0.2μMトリス(カルボキシエチル)フォスフィン(TCEP)の存在下で溶解した。TCEPはジスルフィッド架橋を還元する。また反応混合液にはヨードアセタミド(チオール1部位当たり20等量、400nmol)が含有されたが、これは遊離チオールと容易に反応する。この反応液を室温で90分間放置した。次に水酸化ナトリウムを添加して緩衝液のpHを10と12の間に上昇した。次にピリジルプロペニルスルフォンを反応液に添加しサケのカルシトニン中の遊離リジン残基を防護した。このペプチドにはリジン残基が二つある。次に反応液を脱塩(オアシス親水親油バランス抽出カートリッジ、Waters)し、MALDI TOF質量分析法により分析した。質量スペクトルを図7に示す。この質量スペクトルから見られるように、多数の異なる種がペプチドの異なる標識体に対応して質量スペクトルに出現している。二つの異なる標識によっていろいろな組み合わせの不完全反応液が生ずる。
本実験では、ヒトのカルシトニン10nmolをpH7.5の10mM炭酸ナトリウム中に2M尿素と0.5Mチオウレアを含有するタンパク質変性用緩衝液に0.2μMトリス(カルボキシエチル)フォスフィン(TCEP)の存在下で溶解した。TCEPはジスルフィッド架橋を還元する。この反応液を30分間放置し、全てのジスルフィッド架橋を完全に還元した。還元反応後に、εアミノ基とチオール基を含むだけであると仮定した反応部位当たり40当量のピリジルプロペニルスルフォンを反応混合物に加えた。反応液をpH8で室温に90分間放置した。次に水酸化ナトリウムを添加して緩衝液のpHを10と12の間に上昇した。反応液をこの高いpHで室温に4時間放置し、ペプチド中の遊離リジン残基を防護した。反応しなかったタグは過剰のリジンで消化した。次に反応液を脱塩(オアシス親水親油バランス抽出カートリッジ、Waters)し、MALDI TOF質量分析法により分析した。質量スペクトルを図8に示す。この質量スペクトルから見られるように、各ペプチドの異なる標識体に対応して質量スペクトルに出現している異なる種の数は、チオール基とεアミノ基に二つの別々のタグを使用したプロトコールでの数よりも遥かに小さい。
本実験では、βメラニン細胞刺激ホルモン(βMSH)、αメラニン細胞刺激ホルモン(αMSH)、サケのカルシトニン及び残基数1〜24個の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH(1〜24))(全てSigma-Aldrich, Dorset, UKから入手)を含有する混合ペプチド(各10nmol)をpH7.5の10mMホウ酸ナトリウム中に2M尿素と0.5Mチオウレアを含有するタンパク質変性用緩衝液に0.2μMトリス(カルボキシエチル)フォスフィン(TCEP)の存在下で溶解した。この反応液を30分間放置し、全てのジスルフィッド架橋を完全に還元した。還元反応後に、εアミノ基とチオール基を含むだけであると仮定した反応部位当たり40当量のピリジルプロペニルスルフォンを反応混合物に加えた。反応液をpH8で室温に90分間放置した。次に水酸化ナトリウムを添加して緩衝液のpHを10と12の間に上昇した。反応液をこの高いpHで室温に4時間放置し、ペプチド中の遊離リジン残基を防護した。反応しなかったタグは過剰のリジンで消化した。次に反応液を脱塩(オアシス親水親油バランス抽出カートリッジ、Waters)し、MALDI TOF質量分析法により分析した。質量スペクトルを図9に示す。この質量スペクトルから見られるように、各ペプチドの異なる標識体に対応して質量スペクトルに出現している異なる種の数は、チオール基とεアミノ基に二つの別々のタグを使用したプロトコールでの数よりも遥かに小さい。
上記混合ペプチドの防護後に、未封鎖αアミノ基をN−ヒドロキシサクシニミド酢酸エステルで封鎖した。チオール基とεアミノ基が防護されたペプチドを、αアミノ基当たり40当量の活性エステル試薬にpH11で前に使用した同じホウ酸ナトリウム緩衝液中で室温2時間曝した。この反応の産生物のMALDI TOF質量スペクトルを図10に示す。図から見られるように、反応が予想されるペプチド、即ちαMSHを除く4つのペプチド全部の各々とは唯1個のアセチル基が反応している。このことは、防護されたεアミノ基は活性エステル試薬との反応に抵抗することを意味する。
Claims (23)
- ポリペプチドの特徴を分析する方法であって、
(a)任意の工程としてポリペプチドのシステインジスルフィド架橋を還元して遊離チオールを形成し、該遊離チオールを防護する工程、
(b)配列特異的開裂試薬で該ポリペプチドを開裂してペプチド断片を形成する工程、
(c)任意の工程として開裂試薬を不活性化する工程、
(d)存在する1以上のεアミノ基を立体障害のあるミカエル試薬を包含するリジン反応剤で防護する工程、
(e)ペプチド断片を質量分析法により分析して該ポリペプチドのマスフィンガープリントを形成する工程、及び
(f)該マスフィンガープリントから該ポリペプチドを同定する工程、
を含むことを特徴とするポリペプチドの特徴分析方法。 - 複数のポリペプチドの特徴を分析する方法であって、
(a)任意の工程として1以上のポリペプチドのシステインジスルフィド架橋を還元して遊離チオールを形成し、該遊離チオールを防護する工程、
(b)1以上のポリペプチドを該複数のポリペプチドから分離する工程、
(c)配列特異的開裂試薬で1以上のポリペプチドを開裂してペプチド断片を形成する工程、
(d)任意の工程として開裂試薬を不活性化する工程、
(e)存在する1以上のεアミノ基を立体障害のあるミカエル試薬を包含するリジン反応剤で防護する工程、
(f)ペプチド断片を質量分析法により分析して1以上のポリペプチドのマスフィンガープリントを形成する工程、及び
(g)該マスフィンガープリントから1以上のポリペプチドを同定する工程、
を含むことを特徴とするポリペプチドの特徴分析方法。 - 各試料が1以上のポリペプチドを含有する複数の試料を比較する方法であって、
(a)任意の工程としてシステインジスルフィド架橋を還元し該試料由来の1以上のポリペプチド中の遊離チオールを防護する工程、
(b)1以上のポリペプチドを各試料から分離する工程、
(c)配列特異的開裂試薬で該ポリペプチドを開裂してペプチド断片を形成する工程、
(d)任意の工程として開裂試薬を不活性化する工程、
(e)存在する1以上のεアミノ基を立体障害のあるミカエル試薬を包含するリジン反応剤で防護する工程、
(f)ペプチド断片を質量分析法により分析して該試料中の1以上のポリペプチドのマスフィンガープリントを形成する工程、及び
(g)1以上のマスフィンガープリントから試料中の1以上のポリペプチドを同定する工程、
を含むことを特徴とする比較方法。 - リジン反応剤が標識したリジン反応剤である請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 各試料が1以上のポリペプチドを含有する複数の試料を比較する方法であって、
(a)任意の工程としてシステインジスルフィド架橋を還元し該試料由来の1以上のポリペプチド中の遊離チオールを防護する工程、
(b)各試料中に存在する1以上のεアミノ基を被標識リジン反応剤で防護する工程、
(c)試料をプールする工程、
(d)プールした試料から1以上のポリペプチドを分離する工程、
(e)配列特異的開裂試薬で該ポリペプチドを開裂してペプチド断片を形成する工程、
(f)任意の工程として開裂試薬を不活性化する工程、
(g)ペプチド断片を質量分析法により分析して試料中の1以上のポリペプチドのマスフィンガープリントを形成する工程、及び
(h)1以上のマスフィンガープリントから試料中の1以上のポリペプチドを同定する工程、
を包含し、さらに、同一の試料に由来するポリペプチド又はペプチドには同一の標識を使用し、別の試料に由来するポリペプチド又はペプチドには別の標識を使用し、ポリペプチド又はペプチドが由来する試料をその標識によって決定可能となるようにする請求項3に記載の比較方法。 - 配列特異的開裂試薬がリジン残基のC末端側で該1以上のポリペプチドを開裂する請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- 配列特異的開裂試薬がLys−C及びトリプシンのいずれかを包含する請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- εアミノ基が防護されたペプチド断片を親和捕捉により除去し、かつリジン反応剤がビオチンを包含する請求項1から7のいずれかに記載の方法。
- 立体障害のあるミカエル試薬が次の構造を有する化合物である請求項1から8のいずれかに記載の方法。
- 一つのRがメチル基及びフェニル基のいずれかを包含する請求項9に記載の方法。
- 少なくとも1のRが電子吸引基を包含する請求項9から10のいずれかに記載の方法。
- 少なくとも1のRが環状及び複素環状のいずれかの芳香環及び縮合環のいずれかを包含する請求項9から11のいずれかに記載の方法。
- Xが−SO2R1であり、R1はアルキル基及びアリール基のいずれかを表し、該アリール基が芳香族基、環状基、縮合環状基及び複素環状基から選択されるいずれかを含む請求項9から12のいずれかに記載の方法。
- R1が電子吸引基を包含する請求項13に記載の方法。
- 環がフェニル、ピリジル、ナフチル、キノリル、ピラジン、ピリミジン、及びトリアジンのいずれかの環を包含する請求項13から14のいずれかに記載の方法。
- X基が電子吸引基で置換されている請求項9から15のいずれかに記載の方法。
- 電子吸引基がフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基及びニトリル基から選択される請求項16に記載の方法。
- X基が水溶性を向上可能な構造を包含する請求項9から17のいずれかに記載の方法。
- ポリペプチド又は試料が、細胞画分を包含する請求項1から18のいずれかに記載の方法。
- 更に液体クロマトグラフィーによりポリペプチド又は試料を調製する工程を含む請求項1から19のいずれかに記載の方法。
- テスト試料中の1以上の特定標的ポリペプチドを分析する方法であって、請求項1から20のいずれかに記載の方法を実行し、1以上のマスフィンガープリントを該標的ポリペプチドに特異的な既定のマスフィンガープリントについて分析して該標的ポリペプチドの配列を決定することを特徴とする方法。
- 1以上の試料の発現プロファイルを決定する方法であって、請求項1から21のいずれかに記載の方法に従って、1以上の試料由来の1以上のポリペプチドの特徴を分析することを包含する方法。
- 質量分析法により探知した各ポリペプチドの量を確定することを包含する請求項22に記載の方法。
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