JPH0669399B2 - カルボキシル末端ペプチドの分取方法 - Google Patents
カルボキシル末端ペプチドの分取方法Info
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- JPH0669399B2 JPH0669399B2 JP63060698A JP6069888A JPH0669399B2 JP H0669399 B2 JPH0669399 B2 JP H0669399B2 JP 63060698 A JP63060698 A JP 63060698A JP 6069888 A JP6069888 A JP 6069888A JP H0669399 B2 JPH0669399 B2 JP H0669399B2
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- Japan
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- peptide
- carboxyl
- terminal
- amino acid
- amino
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K1/00—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
- C07K1/12—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by hydrolysis, i.e. solvolysis in general
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- Analytical Chemistry (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリペプチドからそのカルボキシル末端ペプ
チドを簡便に分取する方法に関する。
チドを簡便に分取する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕 1950年にEdmanにより、ペプチドのアミノ末端からの逐
次アミノ酸残基配列決定法が開発されて(P.Edman,Acta
Chem.Scand.,4,283(1950))以来、現在に至るまで
に種々の工夫がなされ、今や、N末端配列分析は自動化
されたシーケンサーを用いて、ピコモルのオーダーの極
微量試料で可能となった(“続生化学実験講座2タンパ
ク質の化学上",P.247〜P.373日本生化学会編,1987,東京
化学同人)。
次アミノ酸残基配列決定法が開発されて(P.Edman,Acta
Chem.Scand.,4,283(1950))以来、現在に至るまで
に種々の工夫がなされ、今や、N末端配列分析は自動化
されたシーケンサーを用いて、ピコモルのオーダーの極
微量試料で可能となった(“続生化学実験講座2タンパ
ク質の化学上",P.247〜P.373日本生化学会編,1987,東京
化学同人)。
一方、近年遺伝子工学技術の登場により、メッセンジャ
ーRNAに相補的なDNAの塩基配列を決定することにより、
ポリペプチドのアミノ酸全配列を予測することが常法と
なってきた。しかしながら、この場合にも、所望のポリ
ペプチドのアミノ酸配列の一部を知り、それに基づいて
作成したオリゴヌクレオチドをプローブとして相補的DN
Aを検索するのが一般的であり、その際、ポリペプチド
のカルボキシル末端に近い部分のアミノ酸配列に相当す
るプローブを用いることができれば、検索がしやすくな
る。また、現実に存在するポリペプチドは、プロセッシ
ングを受けている可能性があり、メッセンジャーRNAに
コードされているアミノ酸配列のすべてを含まない場合
が応々にしてあることから、ポリペプチドのアミノ末端
のカルボキシル末端を決定することは極めて重要であ
る。
ーRNAに相補的なDNAの塩基配列を決定することにより、
ポリペプチドのアミノ酸全配列を予測することが常法と
なってきた。しかしながら、この場合にも、所望のポリ
ペプチドのアミノ酸配列の一部を知り、それに基づいて
作成したオリゴヌクレオチドをプローブとして相補的DN
Aを検索するのが一般的であり、その際、ポリペプチド
のカルボキシル末端に近い部分のアミノ酸配列に相当す
るプローブを用いることができれば、検索がしやすくな
る。また、現実に存在するポリペプチドは、プロセッシ
ングを受けている可能性があり、メッセンジャーRNAに
コードされているアミノ酸配列のすべてを含まない場合
が応々にしてあることから、ポリペプチドのアミノ末端
のカルボキシル末端を決定することは極めて重要であ
る。
現在、カルボキシル末端の分析法としては、ヒドラジン
分解法、トリチウム標識法、カルボキシペプチダーゼ法
が用いられている(“続生化学実験講座2タンパク質の
化学上",P.230,日本生化学会編,1987,東京化学同人)。
分解法、トリチウム標識法、カルボキシペプチダーゼ法
が用いられている(“続生化学実験講座2タンパク質の
化学上",P.230,日本生化学会編,1987,東京化学同人)。
このうち、ヒドラジン分解法とトリチウム標識法は、カ
ルボキシル最末端の1アミノ酸残基のみを決定する方法
であり、プローブ作成の情報源となりえないとともに、
メッセンジャーRNAにコードされたアミノ酸残基の位置
を特定する上でも確度の低い情報を与えるのみである。
カルボキシペプチダーゼ法は、種々のカルボキシペプチ
ダーゼがポリペプチドのカルボキシル末端から順次ペプ
チド結合を切断してゆくことを利用したものであるが、
その切断の経時変化を追跡することによって配列を決定
するものであることから、(1)操作が煩雑で、(2)
所要サンプル量も比較的多く、(3)配列決定に不確定
性が生ずるほか、(4)比較的長鎖のポリペプチドに適
さない等の欠点がある。
ルボキシル最末端の1アミノ酸残基のみを決定する方法
であり、プローブ作成の情報源となりえないとともに、
メッセンジャーRNAにコードされたアミノ酸残基の位置
を特定する上でも確度の低い情報を与えるのみである。
カルボキシペプチダーゼ法は、種々のカルボキシペプチ
ダーゼがポリペプチドのカルボキシル末端から順次ペプ
チド結合を切断してゆくことを利用したものであるが、
その切断の経時変化を追跡することによって配列を決定
するものであることから、(1)操作が煩雑で、(2)
所要サンプル量も比較的多く、(3)配列決定に不確定
性が生ずるほか、(4)比較的長鎖のポリペプチドに適
さない等の欠点がある。
本発明者らは、これらのカルボキシル末端アミノ酸分析
法の欠点を克服して、アミノ末端配列分析と同程度の極
微量のサンプルから、多くの確実な情報を与えるカルボ
キシル末端アミノ酸配列分析法を鋭意探求する過程にお
いて、本発明に到達したものである。
法の欠点を克服して、アミノ末端配列分析と同程度の極
微量のサンプルから、多くの確実な情報を与えるカルボ
キシル末端アミノ酸配列分析法を鋭意探求する過程にお
いて、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、ポリペプチドを、該ポリペプチド
中のリジン残基とそれに続くカルボキシル末端側のアミ
ン酸残基との間のペプチド結合を特異的に切断処理し、
得られるペプチド混合物を、表面に遊離のアミノ基と反
応して共有結合を形成しうる官能基を有する固体と反応
させ、次いで、各ペプチドのアミノ末端残基とそれに隣
接する残基との間のペプチド結合を、酸処理により切断
することにより、遊離してくるペプチドを採取すること
を特徴とする、カルボキシル末端ペプチドの分取方法に
関するものである。
中のリジン残基とそれに続くカルボキシル末端側のアミ
ン酸残基との間のペプチド結合を特異的に切断処理し、
得られるペプチド混合物を、表面に遊離のアミノ基と反
応して共有結合を形成しうる官能基を有する固体と反応
させ、次いで、各ペプチドのアミノ末端残基とそれに隣
接する残基との間のペプチド結合を、酸処理により切断
することにより、遊離してくるペプチドを採取すること
を特徴とする、カルボキシル末端ペプチドの分取方法に
関するものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、カル
ボキシル末端ペプチドはそのアミノ末端のα−アミノ基
でのみ後述のような固体と結合するのに対し、他のペプ
チドは、アミノ末端のアミン基のほか、リジン残基のε
−アミノ基でも固体と結合し、このペプチド・固体結合
物を適切な条件のもとで、適切な酸によって処理する
と、アミノ末端残基と隣接する残基との間のペプチド結
合のみが切断されることから、カルボキシル末端ペプチ
ドはアミノ最末端の残基を固体に残して反応溶液中に遊
離し、他のペプチドは固体に結合したまま残ることを利
用するものである。
ボキシル末端ペプチドはそのアミノ末端のα−アミノ基
でのみ後述のような固体と結合するのに対し、他のペプ
チドは、アミノ末端のアミン基のほか、リジン残基のε
−アミノ基でも固体と結合し、このペプチド・固体結合
物を適切な条件のもとで、適切な酸によって処理する
と、アミノ末端残基と隣接する残基との間のペプチド結
合のみが切断されることから、カルボキシル末端ペプチ
ドはアミノ最末端の残基を固体に残して反応溶液中に遊
離し、他のペプチドは固体に結合したまま残ることを利
用するものである。
ポリペプチドをそのポリペプチド中のリジン残基とそれ
に続くカルボキシル末端側のアミノ酸残基との間のペプ
チド結合を特異的に切断する方法として、最も有用な方
法はアクロモバクター・リティクスプロテアーゼI〔リ
シルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.50)、以下APIと略
す〕を作用させることである。本酵素は、Lys−X結合
(Xはアミノ酸残基を表わす。)の切断にきわめて特異
的であり、非特異的な切断例は非常に少ない(“続生化
学実験講座2タンパク質の化学上",P.262日本生化学会
編,1987,東京化学同人)ので、本発明への適用において
特に好適である。APIは安定性の高い酵素であるので、
切断反応の条件に対する制約は少なく、pH6〜11好まし
くは8〜10.5、温度4〜50℃好ましくは20〜45℃で、切
断すべきポリペプチドに対し、モル比で、1/20〜1/
2000好ましくは1/200〜1/600を添加して、1〜50時
間好ましくは4〜8時間作用させればよい。緩衝液とし
ては、生化学実験で汎用される種々の緩衝液が使用可能
であるが、後続の操作へ及ぼす影響を考慮すると、遊離
のアミノ基を有さない緩衝液が好ましく、特にエドマン
分解時に多用されているN−エチルモルフォリンは好適
である。また、切断反応を円滑に進行させるためには、
APIの活性を低下させずにポリペプチドの高次構造を緩
めることも好ましく、そのために、例えば、4〜5モル
濃度の尿素を添加してもよい。
に続くカルボキシル末端側のアミノ酸残基との間のペプ
チド結合を特異的に切断する方法として、最も有用な方
法はアクロモバクター・リティクスプロテアーゼI〔リ
シルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.50)、以下APIと略
す〕を作用させることである。本酵素は、Lys−X結合
(Xはアミノ酸残基を表わす。)の切断にきわめて特異
的であり、非特異的な切断例は非常に少ない(“続生化
学実験講座2タンパク質の化学上",P.262日本生化学会
編,1987,東京化学同人)ので、本発明への適用において
特に好適である。APIは安定性の高い酵素であるので、
切断反応の条件に対する制約は少なく、pH6〜11好まし
くは8〜10.5、温度4〜50℃好ましくは20〜45℃で、切
断すべきポリペプチドに対し、モル比で、1/20〜1/
2000好ましくは1/200〜1/600を添加して、1〜50時
間好ましくは4〜8時間作用させればよい。緩衝液とし
ては、生化学実験で汎用される種々の緩衝液が使用可能
であるが、後続の操作へ及ぼす影響を考慮すると、遊離
のアミノ基を有さない緩衝液が好ましく、特にエドマン
分解時に多用されているN−エチルモルフォリンは好適
である。また、切断反応を円滑に進行させるためには、
APIの活性を低下させずにポリペプチドの高次構造を緩
めることも好ましく、そのために、例えば、4〜5モル
濃度の尿素を添加してもよい。
APIのほか、リゾバクター・エンザイモゲネスの産生す
るエンドプロティナーゼLys−C(商品名、ベーリンガ
ー・マンハイム社)も用いることが出来る。
るエンドプロティナーゼLys−C(商品名、ベーリンガ
ー・マンハイム社)も用いることが出来る。
また、トリプシンは、リジン及びアルギニン残基に特異
的な酵素であり、従って、予めポリペプチド中のアルギ
ニン残基を、例えば、“Sequencing of proteins and p
eptides"G.Allen,P.57〜58,1981,North-Holland Publis
hing Company,Amsterdam;New York・Oxfordに記載の方
法によってシクロヘキサン−1,2−ジオン等で修飾した
後に、APIと同様にしてトリブシンを作用させることに
よっても本発明を実施することができる。
的な酵素であり、従って、予めポリペプチド中のアルギ
ニン残基を、例えば、“Sequencing of proteins and p
eptides"G.Allen,P.57〜58,1981,North-Holland Publis
hing Company,Amsterdam;New York・Oxfordに記載の方
法によってシクロヘキサン−1,2−ジオン等で修飾した
後に、APIと同様にしてトリブシンを作用させることに
よっても本発明を実施することができる。
遊離のアミン基と反応して共有結合を形成しうる官能基
としては、イミド基、イソ尿素、アルデヒド基、シアノ
基、アセチル基、サクシニル基、マレイル基、アセトア
セチル基、ジニトロフェニル基、トリニトロベンゼンス
ルホン酸基、イソチオシアナート基等、数多く挙げるこ
とができるが、アミノ基のみと反応し、又、エドマン分
解が進行する酸処理条件下でも、ε−アミノ基との間の
結合が安定であるイソチオシアナート基が本発明には好
適である。イソチオシアナート基等の官能基を有する固
体の調製は、例えば“Sequencing of proteins and pep
tides"G.Allen,p.208,1981,North-Holl and Publishing
Company,Amsterdam;New York・Oxfordに記載の方法に
よって準じて行うことができる。固体担体としては多孔
性ガラス、シリカゲル、ポリスチレン等が挙げられる。
細孔径の揃った多孔性ガラスは、反応が制御しやすく、
又、親水性であることから特に好ましいが、疎水性担体
であるポリスチレンの場合も、イソチオシアナート基に
さらに、グルコサミノール基を導入するなどして親水性
を高め(岩永ら、蛋白質・核酸・酵素15(10)1052(19
70))使いやすくすることも出来る。官能基を有する固
体とペプチド混合液とのカップリング反応はpH7〜12好
ましくは9〜11更に好ましくは9.5〜10.5、温度4〜80
℃好ましくは10〜60℃で5分〜3時間行なうが、この
際、液を窒素で置換して、酸素を除いておくことが好ま
しい。カップリング反応の終了後、適切な揮発性溶媒、
例えばアセトニトリル、プロパノール等の溶媒で洗浄
し、乾燥したのち、酸処理に移る。すなわち、乾燥した
ペプチド・固体結合物が浸り切る程度の少量の酸を添加
し、窒素雰囲気下で、20〜80℃、好ましくは30〜60℃で
5分〜1時間反応させる。酸としては、トリフルオロ酢
酸、ヘプタフルオロ酪酸や塩酸飽和酢酸等を用いること
が出来るが、副反応の少ない、トリフルオロ酢酸が最適
である。反応終了後、0.1%トリフルオロ酢酸を含むア
セトニトリル、プロパノール等、ペプチド溶解性の揮発
性溶媒を添加してから、固相を分解・除去することによ
り、所望のカルボキシル末端ペプチドが液相中に分取さ
れる。かくして分取されたカルボキシル末端ペプチド
は、常法にしたがい、アミノ酸組成分析、アミノ酸配列
分析を行なうことにより構造が決定出来、又、その他の
所望の目的に使用することが出来る。
としては、イミド基、イソ尿素、アルデヒド基、シアノ
基、アセチル基、サクシニル基、マレイル基、アセトア
セチル基、ジニトロフェニル基、トリニトロベンゼンス
ルホン酸基、イソチオシアナート基等、数多く挙げるこ
とができるが、アミノ基のみと反応し、又、エドマン分
解が進行する酸処理条件下でも、ε−アミノ基との間の
結合が安定であるイソチオシアナート基が本発明には好
適である。イソチオシアナート基等の官能基を有する固
体の調製は、例えば“Sequencing of proteins and pep
tides"G.Allen,p.208,1981,North-Holl and Publishing
Company,Amsterdam;New York・Oxfordに記載の方法に
よって準じて行うことができる。固体担体としては多孔
性ガラス、シリカゲル、ポリスチレン等が挙げられる。
細孔径の揃った多孔性ガラスは、反応が制御しやすく、
又、親水性であることから特に好ましいが、疎水性担体
であるポリスチレンの場合も、イソチオシアナート基に
さらに、グルコサミノール基を導入するなどして親水性
を高め(岩永ら、蛋白質・核酸・酵素15(10)1052(19
70))使いやすくすることも出来る。官能基を有する固
体とペプチド混合液とのカップリング反応はpH7〜12好
ましくは9〜11更に好ましくは9.5〜10.5、温度4〜80
℃好ましくは10〜60℃で5分〜3時間行なうが、この
際、液を窒素で置換して、酸素を除いておくことが好ま
しい。カップリング反応の終了後、適切な揮発性溶媒、
例えばアセトニトリル、プロパノール等の溶媒で洗浄
し、乾燥したのち、酸処理に移る。すなわち、乾燥した
ペプチド・固体結合物が浸り切る程度の少量の酸を添加
し、窒素雰囲気下で、20〜80℃、好ましくは30〜60℃で
5分〜1時間反応させる。酸としては、トリフルオロ酢
酸、ヘプタフルオロ酪酸や塩酸飽和酢酸等を用いること
が出来るが、副反応の少ない、トリフルオロ酢酸が最適
である。反応終了後、0.1%トリフルオロ酢酸を含むア
セトニトリル、プロパノール等、ペプチド溶解性の揮発
性溶媒を添加してから、固相を分解・除去することによ
り、所望のカルボキシル末端ペプチドが液相中に分取さ
れる。かくして分取されたカルボキシル末端ペプチド
は、常法にしたがい、アミノ酸組成分析、アミノ酸配列
分析を行なうことにより構造が決定出来、又、その他の
所望の目的に使用することが出来る。
本発明によれば、ポリペプチドからそのカルボキシル末
端ペプチドを簡便に分取することができ、そのポリペプ
チドのカルボキシル末端の構造決定を容易に行うことが
できる。
端ペプチドを簡便に分取することができ、そのポリペプ
チドのカルボキシル末端の構造決定を容易に行うことが
できる。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例1 卵白リゾチームを常法に従い、β−メルカプトエタノー
ルで還元跡モノヨード酢酸と反応させて、システイン残
基のチオール基をカルボキシメチル化した。このカルボ
キシメチル化リゾチーム2ナノモルを5モル濃度の尿素
を含む、50ミリモル濃度のN−エチルモルフォリン−酢
酸緩衝液(pH9.0)に溶解し、10ピコモルのAPIを添加し
て37℃で6時間反応させた。反応終了後、50ミリモル濃
度のN−エチルモルフォリン水溶液を添加してpHを10.0
に調整し、これに50mgのDITC−CPG(コントロールドポ
アーグラスにフェニレンジイソチオシアネートを結合さ
せたもの、シグマ社製)を添加し、反応系を窒素置換し
て、室温で1時間、振盪しつつ、カップリング反応を行
った。反応終了後0.1%トリフルオロ酢酸を含む50%ア
セトニトリル・2−プロパノール混液(体積比3/7)
で洗浄し、真空中で乾燥した。乾燥後、50μのトリフ
ルオロ酢酸を添加し、40℃で15分間、窒素雰囲気下でイ
ンキュベードした。これに、0.1%トリフルオロ酢酸を
含む50%アセトニトリル・2−プロパノール混液(体積
比3/7)を添加したのち、遠心分離によって上清部を
採取し、真空中で乾燥した。こうして得られたカルボキ
シル末端ペプチドを逆相高速液体クロマトグラフィーに
より分析した。4.6mmφ×250mmのBakerbond社Octylカラ
ムを使用し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニト
リル水溶液を溶媒として、アセトニトリル0%から60%
へのグラディエント溶出を1ml/minの流速で行った。得
られたクロマトグラムは図1のB)に示すようであり、
ピークbはアミノ酸組成分析(ニンヒドリン法)及びア
ミノ酸配列分析(自動エドマン分解法)の結果(表
1)、期待されたカルボキシル末端ペプチドと一致し
た。(該ペプチドのアミノ末端残基は予想されたように
存在しなかった。)なお、ピークa及びピークcは分析
の結果アミノ酸は検出されずペプチドではないことが分
った。また図1のA)は、API消化後のペプチド混合液
のクロマトグラムである。
ルで還元跡モノヨード酢酸と反応させて、システイン残
基のチオール基をカルボキシメチル化した。このカルボ
キシメチル化リゾチーム2ナノモルを5モル濃度の尿素
を含む、50ミリモル濃度のN−エチルモルフォリン−酢
酸緩衝液(pH9.0)に溶解し、10ピコモルのAPIを添加し
て37℃で6時間反応させた。反応終了後、50ミリモル濃
度のN−エチルモルフォリン水溶液を添加してpHを10.0
に調整し、これに50mgのDITC−CPG(コントロールドポ
アーグラスにフェニレンジイソチオシアネートを結合さ
せたもの、シグマ社製)を添加し、反応系を窒素置換し
て、室温で1時間、振盪しつつ、カップリング反応を行
った。反応終了後0.1%トリフルオロ酢酸を含む50%ア
セトニトリル・2−プロパノール混液(体積比3/7)
で洗浄し、真空中で乾燥した。乾燥後、50μのトリフ
ルオロ酢酸を添加し、40℃で15分間、窒素雰囲気下でイ
ンキュベードした。これに、0.1%トリフルオロ酢酸を
含む50%アセトニトリル・2−プロパノール混液(体積
比3/7)を添加したのち、遠心分離によって上清部を
採取し、真空中で乾燥した。こうして得られたカルボキ
シル末端ペプチドを逆相高速液体クロマトグラフィーに
より分析した。4.6mmφ×250mmのBakerbond社Octylカラ
ムを使用し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニト
リル水溶液を溶媒として、アセトニトリル0%から60%
へのグラディエント溶出を1ml/minの流速で行った。得
られたクロマトグラムは図1のB)に示すようであり、
ピークbはアミノ酸組成分析(ニンヒドリン法)及びア
ミノ酸配列分析(自動エドマン分解法)の結果(表
1)、期待されたカルボキシル末端ペプチドと一致し
た。(該ペプチドのアミノ末端残基は予想されたように
存在しなかった。)なお、ピークa及びピークcは分析
の結果アミノ酸は検出されずペプチドではないことが分
った。また図1のA)は、API消化後のペプチド混合液
のクロマトグラムである。
実施例2 ヒト血清アルブミン0.5ナノモルを実施例1と同様にし
てAPI消化し、以後、実施例1と同様にしてカルボキシ
ル末端ペプチドを分取した。分取ペプチドの分析も実施
例1と同様にして行ったが、その結果図2B)のピークC
を分析し、期待したアミノ酸組成値及びアミノ酸配列を
示した。ピークa,b,d及びeはいずれもペプチドではな
かった。
てAPI消化し、以後、実施例1と同様にしてカルボキシ
ル末端ペプチドを分取した。分取ペプチドの分析も実施
例1と同様にして行ったが、その結果図2B)のピークC
を分析し、期待したアミノ酸組成値及びアミノ酸配列を
示した。ピークa,b,d及びeはいずれもペプチドではな
かった。
図1及び図2は、夫々実施例1及び実施例2で処理した
ペプチドの逆相高速液体クロマトグラフィーのチャート
を示す。
ペプチドの逆相高速液体クロマトグラフィーのチャート
を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリペプチドを、該ポリペプチド中のリジ
ン残基とそれに続くカルボキシル末端側のアミノ酸残基
との間のペプチド結合を特異的に切断処理し、得られる
ペプチド混合物を、表面に遊離のアミノ基と反応して共
有結合を形成しうる官能基を有する固体と反応させ、次
いで、各ペプチドのアミノ末端アミノ酸残基と隣接する
アミノ酸残基との間のペプチド結合を酸処理により切断
することにより、遊離してくるペプチドを採取すること
を特徴とするカルボキシル末端ペプチドの分取方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63060698A JPH0669399B2 (ja) | 1988-03-15 | 1988-03-15 | カルボキシル末端ペプチドの分取方法 |
US07/321,222 US5104973A (en) | 1988-03-15 | 1989-03-09 | Method for purifying and isolating carboxyl-terminal peptides |
DK115589A DK115589A (da) | 1988-03-15 | 1989-03-09 | Fremgangsmaade til oprensning og isolering af carboxylterminale peptider |
CA000593799A CA1327866C (en) | 1988-03-15 | 1989-03-15 | Method for purifying and isolating carboxyl-terminal peptides |
EP89400727A EP0333587B1 (en) | 1988-03-15 | 1989-03-15 | Method for purifying and isolating carboxyl-terminal peptides |
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