JP3023305B2 - アミノ末端修飾ペプチド断片の単離方法 - Google Patents
アミノ末端修飾ペプチド断片の単離方法Info
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Description
酸残基のα−アミノ基がアシル基等で修飾されているポ
リペプチドからそのアミノ末端ペプチドを単離する方
法、ならびに該方法を利用して、アミノ末端アミノ酸残
基のα−アミノ基が修飾されているポリペプチドおよび
そのアミノ末端部を同定する方法に関する。
体の主要構成成分などとして生体内で様々な役割を演じ
ている。蛋白質は、約20種のL−α−アミノ酸がペプ
チド結合により連結したポリペプチド鎖から成ってお
り、これらのアミノ酸の配列順序を決定することは蛋白
質の構造に関する重要な情報を与える。原理的には、ポ
リペプチド鎖の端から一つずつアミノ酸を遊離させて順
次同定していけば、蛋白質の全アミノ酸配列が決定され
るはずであるが、現実には、100残基以上のアミノ酸
をこのような方法で同定することは不可能である。その
ため、まず、蛋白質を数十残基以下のペプチドに断片化
してから、それぞれのアミノ酸配列を決定している。
ミノ酸配列を決定するための方法として最も一般的なの
は、エドマン法である。この方法は、1950年にエドマン
により開発された、ペプチドのアミノ末端から逐次アミ
ノ酸残基を同定していくアミノ酸配列決定法であり(P.
Edman, Acta Chem. Scand.、4、283、1950)、現在に至
るまでに種々の工夫がなされ、今や、この方法によるペ
プチドのアミノ末端アミノ酸配列の分析は、自動化され
たシーケンサーを用いて、ピコモルのオーダーの極微量
試料で可能となった(日本生化学会編:“新生化学実験
講座、第1巻、II、東京化学同人、153〜218、1990)。
のα−アミノ基が何らかの置換基で修飾されている場合
には、エドマン試薬と反応しないため、エドマン法によ
ってアミノ酸配列を決定することができず、微量のアミ
ノ末端修飾蛋白質のアミノ末端部のアミノ酸配列に関す
る情報を得ることは困難であった。
ミノ末端部の分析法としては、陽イオン交換法(Titan
i,K.,Narita,K.,Okunuki,K.:J.Biochem、51、350-35
8、1962)、酵素法(日本生化学会編:“新生化学実験
講座、第1巻、II、東京化学同人、198-206、1990)、D
ITCグラス/アビジンカラム法(光永研一・宮城大・石
水毅・加藤郁之進・綱沢進:第44回蛋白質構造討論会要
旨集、1993)、CNBrビーズ法(秋山知子、笹川立:蛋白
質・核酸・酵素、39、80、1994)が用いられている。
が修飾された蛋白質を、キモトリプシンなどの基質特異
性の低いプロテアーゼで消化し、生成したペプチド断片
混合物を陽イオン交換カラムにかけたとき、正の電荷を
もたないアミノ末端ブロックペプチドのみが、陽イオン
交換樹脂に吸着されずに回収されることを利用した方法
であるが、アミノ末端修飾ペプチド内に塩基性アミノ酸
が含まれている場合には、適用することができず、ま
た、酸性アミノ酸が含まれている場合には、陽イオン交
換カラムに完全に吸着せず、一部非吸着画分に溶出され
てしまうという欠点がある。
を断片化した後、ロイシンアミノペプチダーゼを作用さ
せると、α−アミノ基を有するアミノ末端修飾ペプチド
以外のペプチドは、アミノ末端から逐次的にアミノ酸を
遊離するため、酵素処理前後で逆相クロマトグラム上の
溶出位置が変化するが、アミノ末端が修飾されたペプチ
ドはこの酵素により消化を受けないので、溶出位置が変
化しないことを利用した方法である。しかし、この酵素
は、X−Proの配列を切断しない等、ペプチドの酵素消化
が完全に行われずに、途中で止まってしまうことがある
ため、アミノ末端修飾ペプチドが絞りきれないという欠
点を持っている。
末端が修飾された蛋白質を、アクロモバクタープロテア
ーゼIなどのリジン残基のカルボキシル基側を断片化す
るプロテアーゼで一旦消化し、さらに生成したペプチド
断片のカルボキシ末端リジン残基を、カルボキシペプチ
ダーゼBで消化し、得られたペプチド断片混合物をDITC
グラスとアビジンカラムの2種類のカラムにかけること
により、アミノ基をもたないアミノ末端ブロックペプチ
ドのみが、カラムに固定化されずに回収されることを利
用した方法である。しかし、最終的にアミノ末端ブロッ
クペプチドを得るまでのステップ数が多く、特に微量の
アミノ末端が修飾された蛋白質を用いて操作を行った場
合、回収率が非常に低いという欠点を有している。
蛋白質のリジン残基のε−アミノ基を、まず無水コハク
酸を用いサクシニル化し、キモトリプシンなどの基質特
異性の低いプロテアーゼで消化し、生成したペプチド断
片混合物をCNBr活性化セファロースカラムにかけたと
き、アミノ基をもたないアミノ末端ブロックペプチドの
みが、CNBr活性化セファロースカラムに固定化されずに
回収されることを利用した方法である。しかし、数種の
アミノ末端フラグメント及びアミノ末端がPyr 化したも
のが回収されてしまうという欠点を有している。また、
上記のいずれの方法もナノモル以上の試料が必要である
等の共通の欠点がある。
記の従来技術の欠点を克服した、アミノ末端修飾ポリペ
プチドの同定方法、アミノ末端修飾ポリペプチドのアミ
ノ末端部の同定方法、およびそれらに利用可能なアミノ
末端修飾ペプチド断片の単離方法を提供することを目的
とする。
め、本発明者らは、アミノ末端がアシル化されているポ
リペプチドにマイタケのメタロエンドペプチダーゼを作
用させて、ポリペプチド中のリジン残基のアミノ末端側
のペプチド結合を特異的に切断することによってポリペ
プチドを断片化し、得られたペプチド断片混合物をDI
TC−樹脂と反応させて遊離のアミノ基を有するペプチ
ド断片をDITC−樹脂に結合させ、遊離のアミノ基を
有さない未結合のペプチド断片を回収し、このペプチド
断片を分析したところ、期待されたアミノ末端ペプチド
断片であることを確認して、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、アミノ末端アミノ酸残基のα
−アミノ基が修飾されているポリペプチドにおけるリジ
ン残基のアミノ末端側のペプチド結合を特異的に切断す
ることによって前記ポリペプチドを断片化し、得られる
ペプチド断片混合物を遊離のアミノ基と結合しうる固体
と反応させ、そして、遊離のアミノ基を有さない未結合
のペプチド断片を回収することを含んでなる、アミノ末
端アミノ酸残基のα−アミノ基が修飾されているペプチ
ド断片を単離する方法を提供する。また、本発明は、ア
ミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基が修飾されている
ポリペプチドにおけるリジン残基のアミノ末端側のペプ
チド結合を特異的に切断することによって前記ポリペプ
チドを断片化し、得られるペプチド断片混合物を遊離の
アミノ基と結合しうる固体と反応させ、遊離のアミノ基
を有さない未結合のペプチド断片を回収し、そして、回
収されたアミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基が修飾
されているペプチド断片を同定することを含んでなる、
アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基が修飾されてい
るポリペプチドのアミノ末端部を同定する方法を提供す
る。さらに、本発明は、アミノ末端アミノ酸残基のα−
アミノ基が修飾されているポリペプチドにおけるリジン
残基のアミノ末端側のペプチド結合を特異的に切断する
ことによって前記ポリペプチドを断片化し、得られるペ
プチド断片混合物を遊離のアミノ基と結合しうる固体と
反応させ、遊離のアミノ基を有さない未結合のペプチド
断片を回収し、そして、回収されたアミノ末端アミノ酸
残基のα−アミノ基が修飾されているペプチド断片およ
び前記ポリペプチドの断片化により得られた残りのペプ
チド断片を同定することを含んでなる、アミノ末端アミ
ノ酸残基のα−アミノ基が修飾されているポリペプチド
を同定する方法を提供する。
発明の方法は、アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基
が修飾されたペプチド断片以外のペプチド断片は、その
アミノ末端アミノ酸のα−アミノ基及びリジン残基のε
−アミノ基を介して、遊離のアミノ基と結合しうる固体
と結合するのに対し、アミノ末端アミノ酸残基のα−ア
ミノ基が修飾されたペプチド断片は、分子内に遊離のア
ミノ基を有していないため、前記の固体と結合すること
が出来ず、反応溶液中に遊離することを利用するもので
ある。
中、「アミノ末端修飾ペプチド(断片)」とは、アミノ
末端アミノ酸残基のα−アミノ基が修飾されているペプ
チド(断片)をいうものとする。
ノ基が修飾されているポリペプチドにおけるリジン残基
のアミノ末端側のペプチド結合を特異的に切断して、前
記ポリペプチドを断片化する。このような切断の方法
は、いかなる化学的または酵素的分解法であってもよい
が、最も有用な方法は、マイタケのメタロエンドペプチ
ダーゼ(EC3.4.99.32、以下、Lys-Nと略す。)を作用さ
せることである。本酵素は、X−Lys 結合(Xはアミノ酸
残基を表わす。)の切断にきわめて特異的であり、非特
異的な切断例は非常に少ない(橋本洋一:蛋白質・核酸
・酵素 28:1220〜1225、1983)ので、本発明への適用
において特に好適である。Lys-Nは熱安定性の高い酵素
であるので、切断反応の条件に対する制約は少なく、pH
3〜10、好ましくはpH9〜10、温度4〜60℃、好ましくは2
0〜45℃の反応条件下で、切断すべきポリペプチドに対
し、1/20〜1/2000好ましくは1/200〜1/600のモル比
で添加して、1〜50時間、好ましくは12〜18時間、緩衝
液中で作用させればよい。緩衝液としては、生化学実験
で汎用される種々の緩衝液が使用可能であるが、後続の
操作へ及ぼす影響を考慮すると、遊離のアミノ基を有さ
ない緩衝液が好ましく、ホウ酸ナトリウム緩衝液は好適
である。断片化に用いる酵素としては、マイタケから精
製されるメタロエンドペプチダーゼ(生化学工業社)の
他に、ナラタケより精製されるメタロエンドペプチダー
ゼ等、リシンのアミノ末端を特異的に切断する酵素も用
いることが出来る。これらの酵素による切断反応の条件
は、上記のマイタケのメタロエンドペプチダーゼの場合
に準じる。
修飾されているポリペプチドとしては、アミノ末端アミ
ノ酸残基のα−アミノ基がアセチル化、ホルミル化、ミ
リスチル化、ピルボイル化、α−ケトブチル化、グルク
ロニル化、α−アミノアシル化、ピログルタミル化、ム
レイニル化などを含むアシル化、また、ジメチル化、ト
リメチル化などのアルキル化されているポリペプチドな
どが挙げられる。このようなポリペプチドの例として
は、アミノ末端のセリン残基のα−アミノ基がアセチル
化しているウシ赤血球カーボニックアンヒドラーゼ、ア
ミノ末端のメチオニン残基のα−アミノ基がアセチル化
しているヒト水晶体α−クリスタリンA2鎖およびB2
鎖、アミノ末端残基がピログルタミン酸であるヒト血清
高密度リポ蛋白質A−II(HDL−apoA−II)
などがある。
片化して得られるペプチド断片混合物を遊離のアミノ基
と結合しうる固体と反応させる。遊離のアミノ基と結合
しうる固体としては、遊離のアミノ基と反応として結合
を形成しうる官能基を表面に有する固体担体を挙げるこ
とができる。遊離のアミノ基と官能基との結合は、共有
結合や塩結合など、本発明の目的を達成できる限りにお
いて、いかなるものであってもよい。遊離のアミノ基と
反応して結合を形成しうる官能基としては、イミド基、
イソ尿素、アルデヒド基、シアノ基、アセチル基、サク
シニル基、マレイル基、アセトアセチル基、ジニトロフ
ェニル基、トリニトリベンゼンスルホン酸基、イソチオ
シアネート基等、数多く挙げることができるが、アミノ
基のみと反応し、又、エドマン分解を行うことで、一
旦、固体に固定化させたペプチド断片を回収することが
可能であるイソチオシアネート基が本発明には好適であ
る。イソチオシアネート基を表面に有する固体担体を用
いれば、アミノ末端修飾ペプチド断片を取得後、その他
のペプチド断片が固定化されている固体担体をトリフル
オロ酢酸等で酸処理することにより、それらのペプチド
断片を回収することをも可能となるのである。イソチオ
シアネート基等の官能基を有する固体担体の調整は、例
えば、“Sequencing of proteins and peptides”G.All
en, P.208、1981、North-Holland Publishing Compan
y、Amsterdam;New York・Oxford”に記載の方法に準じ
て行うことができる。固体担体としては多孔性ガラス、
シリカゲル、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。細孔径
の揃った多孔性ガラスは、反応が制御しやすく、又、親
水性であることから特に好ましいが、疎水性担体である
ポリスチレンの場合も、イソチオシアネート基にさら
に、グルコサミノール基を導入するなどして親水性を高
め(岩永ら:蛋白質・核酸・酵素 15、 1052、197
0)、使いやすくすることも出来る。遊離のアミノ基と
結合しうる固体とペプチド断片混合物とのカップリング
反応は、pH7〜12、好ましくは9〜11、更に好ましくは9.
5〜10.5、温度4〜80℃、好ましくは10〜60℃で、5分〜
3時間行うが、この際、反応液を窒素もしくはアルゴン
で置換して、酸素を除いておくことが好ましい。遊離の
アミノ基を有さないアミノ末端修飾ペプチド断片は上記
の固体と結合しないので、カップリング反応終了後、精
製水などの適切な溶媒で固体を洗浄し、固体を除去する
ことにより、所望のアミノ末端修飾ペプチド断片のみを
液相中に分取することができる。
ド断片は、常法にしたがい、アミノ酸組成分析、質量分
析を行うことや、修飾基がアシル基である場合には、ア
ミノ末端アシル化アミノ酸残基をアシルアミノ酸遊離酵
素で消化後、エドマン反応等で分析することによりアミ
ノ酸配列を決定できる。アシルアミノ酸遊離酵素として
は、N−α−アセチル基をアミノ末端アミノ酸とともに
脱離させるアセチルアミノ酸遊離酵素(EC.3.1.19.1)を
挙げることができる。
ミノ基が修飾されているポリペプチドの断片化により得
られた、アミノ末端修飾ペプチド断片以外のペプチド断
片を常法により回収および同定すれば、前記ポリペプチ
ドの全アミノ酸配列を決定することができる。
らに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例
に限定されるものでない。
シ)50ピコモルを、20ミリモル濃度のホウ酸ナトリウム
緩衝液(pH9.0)50μl程度に溶解し、1ピコモルのLy
s-N(生化学工業)を添加して、37℃で15時間反応させ
た。反応終了後、2モル濃度のグアニジンを含む20ミリ
モル濃度のホウ酸緩衝液(pH11.0)を等量添加して、反
応溶液中のグアニジンが1モル濃度、pHが約10になるよ
うに調整した。これに10mgのDITC−樹脂(ポリスチレン
系樹脂にフェニレンジイソチオシアネートを結合させた
もの、島津社製)を添加し、反応系をアルゴン置換し
て、50℃で1時間、カップリング反応を行なった。反応
終了後、反応液に残ったアミノ末端修飾ペプチド断片を
逆相高速液体クロマトグラフィーにより分析した。2.0m
mφ×150mmの和光純薬工業社Wakosil-II 5C18 ARカラム
を使用し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリ
ル−イソプロパノール(3:7、v/v)水溶液を溶離液
として、アセトニトリル−イソプロパノール(3:7、
v/v)1%から50%への直線濃度勾配溶出を0.25ml/min
の流速で行った。得られたクロマトグラムは図1の(B)
に示すとおりであり、ピークa を質量分析及びアミノ酸
組成分析(Accq・Tag法)で分析した結果(表1)、こ
のピークが期待されたアミノ末端ペプチド断片であるこ
とが確認された。図1の(A) は、Lys-N 消化後のペプチ
ド断片混合液のクロマトグラムである。図1中のスケー
ルは、紫外吸収の吸光単位を示す。
ヒドラーゼ(シグマ)50ピコモルを、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法で分画後、ポリビニルジフロリ
ド膜(パーキンエルマー)へエレクトロブロティング法
により転写した。その後、岩松の既法(生化学、63、
2、139-143、1991)に従い、膜処理を行った。以後、実
施例1と同様にしてLys-N 消化を行い、アミノ末端修飾
ペプチド断片を分取した。分取ペプチド断片の分析も実
施例1と同様にして行った。得られたクロマトグラム
は、図2の(B)に示すとおりであり、ピークa を質量分
析及びアミノ酸組成分析(Accq・Tag法)で分析した結
果(表2)、このピークが期待されたアミノ末端ペプチ
ド断片であることが確認された。図2の(A) は、Lys-N
消化後のペプチド断片混合液のクロマトグラムである。
基のα−アミノ基が修飾されているポリペプチドからそ
のアミノ末端修飾ペプチド断片を簡便に単離することが
でき、そのポリペプチドのアミノ末端部の構造解析、さ
らには、そのポリペプチド全体の構造解析を容易に行う
ことができる。
れていない蛋白質のアミノ酸配列分析と同程度の極微量
(ピコモルのオーダー)のアミノ末端修飾蛋白質試料か
ら、多くの確実なアミノ酸配列情報を得ることができ
る。
Nで断片化して得られたペプチド断片混合物(A) および
該ペプチド断片混合物のうちDITC-樹脂に吸着しなかっ
たペプチド断片(B) の逆相高速液体クロマトグラムであ
る。
ゼをLys-Nで断片化して得られたペプチド断片混合物(A)
および該ペプチド断片混合物のうちDITC-樹脂に吸着し
なかったペプチド断片(B) の逆相高速液体クロマトグラ
ムである。
Claims (9)
- 【請求項1】 アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基
が修飾されているポリペプチドにおけるリジン残基のア
ミノ末端側のペプチド結合を特異的に切断することによ
って前記ポリペプチドを断片化し、得られるペプチド断
片混合物を遊離のアミノ基と結合しうる固体と反応さ
せ、そして、遊離のアミノ基を有さない未結合のペプチ
ド断片を回収することを含んでなる、アミノ末端アミノ
酸残基のα−アミノ基が修飾されているペプチド断片を
単離する方法。 - 【請求項2】 アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基
が修飾されているポリペプチドが、アミノ末端アミノ酸
残基のα−アミノ基がアシル化されているポリペプチド
である、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基
が修飾されているポリペプチドにおけるリジン残基のア
ミノ末端側のペプチド結合の特異的な切断をメタロエン
ドペプチダーゼにより行う、請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 メタロエンドペプチダーゼがマイタケに
由来するものである、請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 遊離のアミノ基と結合しうる固体が、遊
離のアミノ基と反応して結合を形成しうる官能基を表面
に有する固体担体である、請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 遊離のアミノ基と反応して結合を形成し
うる官能基が、イミド基、イソ尿素、アルデヒド基、シ
アノ基、アセチル基、サクシニル基、マレイル基、アセ
トアセチル基、ジニトロフェニル基、トリニトリベンゼ
ンスルホン酸基およびイソチオシアネート基から成る群
より選択される、請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 固体担体が、多孔性ガラス、シリカゲル
およびポリスチレン樹脂から成る群より選択される材料
で構成されるものである、請求項5記載の方法。 - 【請求項8】 アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基
が修飾されているポリペプチドにおけるリジン残基のア
ミノ末端側のペプチド結合を特異的に切断することによ
って前記ポリペプチドを断片化し、得られるペプチド断
片混合物を遊離のアミノ基と結合しうる固体と反応さ
せ、遊離のアミノ基を有さない未結合のペプチド断片を
回収し、そして、回収されたアミノ末端アミノ酸残基の
α−アミノ基が修飾されているペプチド断片を同定する
ことを含んでなる、アミノ末端アミノ酸残基のα−アミ
ノ基が修飾されているポリペプチドのアミノ末端部を同
定する方法。 - 【請求項9】 アミノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基
が修飾されているポリペプチドにおけるリジン残基のア
ミノ末端側のペプチド結合を特異的に切断することによ
って前記ポリペプチドを断片化し、得られるペプチド断
片混合物を遊離のアミノ基と結合しうる固体と反応さ
せ、遊離のアミノ基を有さない未結合のペプチド断片を
回収し、そして、回収されたアミノ末端アミノ酸残基の
α−アミノ基が修飾されているペプチド断片および前記
ポリペプチドの断片化により得られた残りのペプチド断
片を同定することを含んでなる、アミノ末端アミノ酸残
基のα−アミノ基が修飾されているポリペプチドを同定
する方法。
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