JP4290435B2 - 位置検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動玩具、電気製品、自転車の変速機などの電動機器の可動部分に利用されるギアドモータ付きの位置検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、実開昭58−153561号公報がある。この公報に記載されたエンコーダ付きのギアドモータは、位置検出又は角度制御を可能にし、ギアドモータの駆動軸には、抵抗体上を摺動するワイパ(接点部材)が設けられている。よって、ギアドモータの回転角度に応じてワイパが抵抗体上を摺動し、抵抗値の変化に伴って、駆動軸の回転角度の変化を出力電圧の変化として検出する。このような検出手段をもったギアドモータは、ギア機構の破損を防止する必要があるので、その駆動軸にトルクリミッタを組み付けて利用するのが一般的である。
【0003】
【特許文献1】
実開昭58−153561号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のギアドモータ付きの位置検出器は、ギア機構の破損を防止するために、トルクリミッタを別途用意する必要があるので、機器への占有スペースが大きくなるといった問題点がある。
【0005】
本発明は、特に、更なる小型化を可能にした位置検出器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る位置検出器は、ケース内に、抵抗体とこの抵抗体の表面を摺動する接点部材とを備えた位置検出器において、ケース内に位置する駆動軸をもったギアドモータと、一端がケース外に突出する出力シャフトと、出力シャフトが貫通した状態でケースに固定されると共に、抵抗体が設けられた抵抗体搭載プレートと、接点部材が設けられると共に、出力シャフトの他端が固定された第1の連結プレートと、第1の連結プレートに対向して配置されると共に、駆動軸に固定された第2の連結プレートと、第1の連結プレートと第2の連結プレートとの間に配置されると共に、第1の連結プレートと第2の連結プレートとを摩擦係合させる皿バネとを備えたことを特徴とする。
【0007】
この位置検出器は、ポテンショメータ機能とトルクリミッタ機能とを併せもったギアドモータと換言することができ、部品点数の可能な限りの削減により更なる小型化を追求して生み出された発明である。このような位置検出器では、ギアドモータの駆動軸が所定の角度だけ回転すると、これに追従して接点部材が抵抗体上を所定角度だけ摺動する。さらに、この位置検出器では、ギア機構の破損を防止するためにトルクリミッタ機能をも有し、トルクリミッタ機能をもった位置検出器の更なる小型化を図るため、抵抗体搭載プレートと第1及び第2の連結プレートと皿バネとを主たる構成部品として採用している。特に、第1の連結プレートと第2の連結プレートとを皿バネを介して摩擦係合させる構成は、位置検出器の更なる小型化をもたらしている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る位置検出器の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0009】
図1及び図2に示すように、位置検出器10は、電動玩具の関節、電気製品の回転箇所、自転車の変速機などの電動機器の可動部分に利用される。この位置検出装置10は、ギアドモータGを備えた位置検出器であり、このギアドモータGは、胴回りの直径が5mm〜30mm程度の小型のモータ11を駆動源として備えている。このモータ11は、コアードモータからなると共に、円筒形状の金属製モータケース(胴部)12を有する。さらに、モータケース12の内壁面には、N,S極をもった永久磁石からなる固定子が固定され、モータケース12の内部には、鉄芯にコイルが巻かれた回転子が収容されている。この回転子の中心には、軸受で支持された回転軸が固定され、モータケース12内において、回転軸の後端には整流子が固定され、この整流子には一対のブラシが摺動接触している。
【0010】
さらに、この回転軸は、モータケース12から突出して、ギアドモータGの一部をなすギア機構部13内の減速歯車列に連結されている。このギア機構部13は、モータケース12と略同径のギアケース14を有し、このギアケース14内には、所望の出力と減速とを達成させるための種々のギアが組み込まれている。そして、ギア機構部13からは駆動軸16が突出し、駆動軸16はギアケース14の中央に位置する。
【0011】
ギアケース14には、駆動軸16の軸線L上に位置して、一端が突出する出力シャフト20が、リング状の軸受21を介して取り付けられている。さらに、ギアケース14には、抵抗体搭載プレート22が圧入されるようにして固定され、この抵抗体搭載プレート22は、出力シャフト20が貫通する軸挿入孔22aを有し、出力シャフト20は、抵抗体搭載プレート22の影響を受けずに自由に回転することができる。この出力シャフト20は、電動玩具の関節部品、電気製品の回転部品、自転車における変速機などの可動部分の取り付けが予定されている。また、この出力シャフト20の他端には、円板状の第1の連結プレート24が固定されている。
【0012】
なお、出力シャフト20の先端はギアケース14の端部から突出し、この突出部分には、出力シャフト20の軸線L方向におけるガタ付きを防止するためにCリング17が嵌め込まれている。また、Cリング17とギアケース14との接触を防止するために、出力シャフト20にはワッシャ18が装着される。
【0013】
さらに、位置検出器10にポテンショメータ機能をもたせるため、抵抗体搭載プレート22の平面側には、C字状の抵抗体23が一体的に形成されている。これに対し、第1の連結プレート24の平面側には、いわゆるワイパと呼ばれる接点部材26が固定され、この接点部材26は、バネ性を有する導電性金属からなると共に、ベース部26aから片持ち支持状態で湾曲して延在する。
【0014】
第1の連結プレート24と接点部材26との一体化を図るため、第1の連結プレート24に設けられた突起片24aは、ベース部26aに設けられた開口26b内に差し込まれ、その後、突起片24aの頭部を潰すことで、ベース部26aは第1の連結プレート24に加締め固定される。このようにして固定された接点部材26はバネ性をもつ故に、その先端は、抵抗体23に常に押し当てられながら摺動することになる。よって、第1の連結プレート24が駆動軸16と一緒に回転する限りにおいて、接点部材26は抵抗体23上を摺動し、駆動軸16の回転角度に応じて抵抗値が変化する。そして、駆動軸16の回転角度の変化は出力電圧の変化として外部で検出される。
【0015】
さらに、この位置検出器10は、ギア機構部13の破損を防止するためにトルクリミッタ機能をも併せもっている。そこで、駆動軸16の先端部には、第1の連結プレート24に対向して配置した円板状の第2の連結プレート28が固定され、第1の連結プレート24と第2の連結プレート28との間には皿バネ29が配置されている。この皿バネ29の軸孔29a内には出力シャフト20の基端部が嵌め込まれ、この皿バネ29は、各連結プレート24,28によって所定圧で挟み込まれる。
【0016】
そして、この皿バネ29は、第1の連結プレート24と第2の連結プレート28とに対する弾発力を軸線L方向に発揮しており、これに伴って、第1の連結プレート24と第2の連結プレート28とを摩擦係合させている。このような皿バネ29の利用は、部品点数の削減を可能にすると同時に、第1の連結プレート24と第2の連結プレート28との間隔を狭めることができので、位置検出器10自体の全長を可能な限り短くすることができ、その結果として位置検出器10の小型化が達成されることになる。
【0017】
次に、前述した構成に基づいて、位置検出器10の動作について簡単に説明する。
【0018】
先ず、出力シャフト20を所定の方向に回転させるために、モータ11をONすると、ギア機構部13を介して駆動軸16が所定角度だけ回転し、駆動軸16の回転は、皿バネ29による摩擦抵抗を介して第1の連結プレート24に伝達され、この第1の連結プレート24が回転すると、出力シャフト20が所定角度だけ回転する。このとき、第1の連結プレート24が所定角度回転すると、接点部材26が抵抗体23上を所定角度だけ摺動する。よって、駆動軸16の回転角度に応じて抵抗値が変化し、駆動軸16の回転角度の変化を出力電圧の変化として外部で検出する。
【0019】
このような定常使用状態においては、位置検出器10内のポテンショメータ機能が有効に利用される。しかし、出力シャフト20の回転が何らかの原因によって途中で強制的に止められてしまったような場合、ギア機構部13の破損を防止するためにトルクリミッタ機能が働くことになる。すなわち、皿バネ29の部分で滑りが発生し、強制的に制止させられている第1の連結プレート24に対し第2の連結プレート28及び駆動軸16のみが空転し続け、ギア機構部13内のギア列が損傷するといった事態が回避されることになる。
【0020】
【発明の効果】
本発明による位置検出器は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、ケース内に、抵抗体とこの抵抗体の表面を摺動する接点部材とを備えた位置検出器において、ケース内に位置する駆動軸をもったギアドモータと、一端がケース外に突出する出力シャフトと、出力シャフトが貫通した状態でケースに固定されると共に、抵抗体が設けられた抵抗体搭載プレートと、接点部材が設けられると共に、出力シャフトの他端が固定された第1の連結プレートと、第1の連結プレートに対向して配置されると共に、駆動軸に固定された第2の連結プレートと、第1の連結プレートと第2の連結プレートとの間に配置されると共に、第1の連結プレートと第2の連結プレートとを摩擦係合させる皿バネとを備えたことにより、更なる小型化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置検出器の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した位置検出器の組立後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…位置検出器、14…ギアケース(ケース)、16…駆動軸、20…出力シャフト、22…抵抗体搭載プレート、23…抵抗体、24…第1の連結プレート、26…接点部材、28…第2の連結プレート、29…皿バネ、G…ギアドモータ。
Claims (1)
- ケース内に、抵抗体とこの抵抗体の表面を摺動する接点部材とを備えた位置検出器において、
前記ケース内に位置する駆動軸をもったギアドモータと、
一端が前記ケース外に突出する出力シャフトと、
前記出力シャフトが貫通した状態で前記ケースに固定されると共に、前記抵抗体が設けられた抵抗体搭載プレートと、
前記接点部材が設けられると共に、前記出力シャフトの他端が固定された第1の連結プレートと、
前記第1の連結プレートに対向して配置されると共に、前記駆動軸に固定された第2の連結プレートと、
前記第1の連結プレートと前記第2の連結プレートとの間に配置されると共に、前記第1の連結プレートと前記第2の連結プレートとを摩擦係合させる皿バネとを備えたことを特徴とする位置検出器。
Priority Applications (1)
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- 2003-02-06 JP JP2003029962A patent/JP4290435B2/ja not_active Expired - Fee Related
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