JP4286009B2 - ローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを流体パージによりロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
黒皮の被矯正材をローラレベラで矯正するとき、矯正過程で剥離したスケールが、矯正方向（被矯正材の進行方向）下流側のロールで被矯正材に押し込まれ、被矯正材の表面に疵が発生すると言う問題があった。このような疵の発生を防止するために、各種のローラレベラのスケール除去技術が提案されている。例えば、特許文献１には、移動するストリップの上下両面、及びローラレベラーの各ロールの表面に洗浄液をノズルから連続的に噴霧するものである。また、特許文献２には、前後の矯正ロール間においてロール胴長方向に対して傾斜し且つロール噛み込み側に傾斜して配置されたノズルから、ロール噛み込み側に向かって流体を噴出させるものである。
【０００３】
【特許文献１】
特開昭５６−１１７８３０号公報（第４頁、第３図）
【特許文献２】
特開平１１−２３９８２０号公報（第４頁、第１図）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献１では、ストリップのはるか遠くのノズルから洗浄液を噴霧するもので、スケールの適格な除去は不可能である。
前記特許文献２では、ロール胴長方向一方側から、ロール胴長方向他方側に向かって除去されるスケールは、ロール胴長方向一杯に移動するものであって、適正な流体流れ分布が存在する必要がある。
そこで、本発明は、スケールの滞留が生じないようにして、前記問題点を改善・解決したローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明方法の特徴とするところは、ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去する複数のノズルを備えたローラレベラにおけるスケール除去方法において、前記矯正ロール胴長をＬとし、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に向けての胴長をＭとしたとき、Ｍ／Ｌ＝０．３〜０．７を満たすＭの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に指向してノズルを配置すると共に、Ｌ−Ｍの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側に指向してノズルを配置したうえで、各ノズルから流体を噴出させることにより、前記ロール胴長方向への流体流れを生成する点にある。
【０００６】
また、本発明装置の特徴とするところは、ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去する複数のノズルを備えたローラレベラにおけるスケール除去装置において、前記矯正ロール胴長をＬとし、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に向けての胴長をＭとしたとき、Ｍ／Ｌ＝０．３〜０．７を満たすＭの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に指向してノズルを配置し、Ｌ−Ｍの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側に指向してノズルを配置してなる。
【０００７】
ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するローラレベラにおけるスケール除去装置において、前記ロール胴長方向への流体流れを発生させるノズルが、前記前後の矯正ロール間にて、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側では該中途部から該一方側に指向し、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側では該中途部から該他方側に指向して配置されており、かつ矯正ロール胴長中途部では該中途部から鉛直に配置されている。
【０００８】
ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するローラレベラにおけるスケール除去装置において、前記ロール胴長方向への流体流れを発生させるノズルが、前記前後の矯正ロール間にて、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側では該中途部から該一方側に指向し、かつ、ロール噛み込み側に指向し、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側では該中途部から該他方側に指向し、かつ、ロール噛み込み側に指向して配置されており、矯正ロール胴長中途部では該中途部からロール噛み込み側に指向して配置されている。
【０００９】
なお、上記矯正ロール胴長（Ｌ）の中途部が、矯正ロール胴長（Ｌ）の中央部（Ｌ／２）であることも好ましい。さらに、上記記載のノズルが、前後の矯正ロール間においてロール胴長方向に沿い、かつ、該前後の矯正ロール間の中間部からロール噛み込み側にシフトして配置されていることも好ましい。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１（ａ）に示すものは、本発明のスケール除去装置の矯正機の模式図である。ローラレベラ１は、上下の矯正ロール２,３を千鳥状に配置し、上下ロール２,３間に板材である被矯正材４を通板して、該被矯正材４のレベル出しを行うものである。スケール除去装置は、このローラレベラ１に設けられている。スケール除去装置は、このローラレベラ１による矯正過程で、被矯正材４の表面から剥離したスケールを、流体パージによりロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するものである。
【００１１】
そして、スケール除去装置は、被矯正材４の上面側に設けられており、矯正ロール胴長の中央部からロール胴長方向一方側のノズル５は、中途部から一方側に指向し、矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向他方側のノズルは、中途部から他方側に指向してる。この矯正ロール胴長の中途部は、例えば、矯正ロール胴長の丁度真中に位置するが、特に真ん中に限定するものではない。また、図２（ａ）に示すように、ロール胴長方向一方側、あるいは他方側へのノズルの先端と水平方向との角度は、どちらも正反対の方向にノズル５角度θ°である。
【００１２】
次に、図２（ｂ）は、ローラレベラにおけるスケール除去装置の第２実施形態を示しており、上記第１実施形態とは、矯正ロール胴長の中途部から鉛直にノズルが配置されている点が異なっている。
実機冷間レベラでの矯正実験により、図２（ａ）、（ｂ）に示すような、第１〜２実施形態に関して、矯正ロール胴長Ｌと矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向一方側Ｍ（矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向他方側（Ｌ−Ｍ））との比（Ｍ／Ｌ）と、矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率％との矯正実験結果を図２（ｃ）に示す。なお、●印は第１実施形態、○印は第２実施形態を示している。
矯正実験条件
被矯正材：４００Ｎ級鋼板 、４９０Ｎ級鋼板、板厚６〜２８ｍｍ
矯正機 ：上の矯正ロール五本、下の矯正ロール六本
矯正ロール：径２３５ｍｍ、胴長さ４６００ｍｍ
ノズル径 ： ８ｍｍ（エアノズル）
ノズルピッチｐ：３３０ｍｍ
ノズル高さｈ ：９０ｍｍ
ノズル角度θ：６０°
ノズル吹き出し速度：６０ｍ／ｓ（ｖ１）
矯正ロール胴長Ｌと矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向一方側Ｍとの比（Ｍ／Ｌ）が、０．３〜０．７において、スケール押し込み疵発生率％は、良好な結果である。比（Ｍ／Ｌ）が、０．３〜０．７の間の中途部にて、ロール胴長方向一方側のノズル５は、中途部から一方側に指向し、ロール胴長方向他方側のノズル５は、中途部から他方側に指向させれば良い。
【００１３】
また、第２実施形態（○印）は、第１実施形態（●印）よりもスケール押し込み疵発生率％が低い。特に、比（Ｍ／Ｌ）が前記０．３〜０．７の間の中途部に鉛直にノズル５が配置された第２実施形態の結果は良好であって、比（Ｍ／Ｌ）が０．４〜０．６においては、疵の発生は全く観察されていない。従って、矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向一方側Ｍが、矯正ロール胴長Ｌの中央部（Ｌ／２）に該当している場合は、比（Ｍ／Ｌ）が０.５となり、疵の発生の心配は極めて少ないのである。
【００１４】
次に、図１（ｂ）の模式図は、ローラレベラにおけるスケール除去装置の第３実施形態を示しており、全てのノズル５がロール噛み込み側にも指向している点が第１〜２実施形態との相違点である。ノズル先端と鉛直方向との角度である、矯正方向に対するノズル傾斜角ψは３０°である。ノズル傾斜角ψは、被矯正材４のスケール性状により、可変となるよう構成することができる。ロール胴長方向一方側のノズル５が中途部から一方側に指向し、ロール胴長方向他方側のノズル５が中途部から他方側に指向（図２（ａ））しており、且つロール噛み込み側にも指向（図１（ｂ））している第３実施形態においても、矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率は良好である。
【００１５】
図１（ｃ）の模式図は、ローラレベラにおけるスケール除去装置の第４実施形態を示しており、ロール胴長方向への流体流れを発生させるノズル５が、前後の矯正ロール２間Ｐにおいてロール胴長方向に沿い、かつ、前後の矯正ロール２間Ｐの中間部Ｐ／２から更にロール噛み込み側にシフトして配置されている。すなわち、ロール排出側からの距離Ｑ（距離Ｐ／２よりロール噛み込み側にある。）の位置にシフトして配置されているのが、第１〜３実施形態と異なっている。ロール胴長方向一方側のノズル５が中途部から一方側に指向し、ロール胴長方向他方側のノズル５が中途部から他方側に指向（図２（ａ））しており、且つロール噛み込み側にシフト（図１（ｃ））している第４実施形態においても、矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率％は良好である。
【００１６】
前記第４実施形態における矯正ロール間（Ｐ）の中間部（Ｐ／２）から更にロール噛み込み側にシフトしているシフト長が、前記矯正ロール間（Ｐ）の１／８〜３／８であれば、より好ましいのである。
更に、図３（ａ）の模式図に示すような、中途部に鉛直方向、ロール胴長方向一方側並びに他方側の３方向に吹き出すノズル５を設けているもの、図３（ｂ）の模式図に示すような、中途部からロール胴長方向の一方側、並びに他方側に指向したノズル５が設けられていて、その中途部の１本のノズル５が途中で分岐して、鉛直方向、ロール胴長方向一方側並びに他方側の３方向に吹き出すようにしているものも矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率は良好である。
【００１７】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ノズル５及び噴出流体は、エアに限定されるものではなく、ホットレベラの場合は、冷却水であってもよい。さらに、ノズル５の配置は、被矯正材４の上面側に限らず、下面側に配置することもできる。
さらに、ノズル５をシフトして、そしてロール噛み込み側に指向する場合、ノズル５がロール２に接触しない範囲で、ノズル傾斜角ψは可変となるように構成する。また、ノズルからの流量、ノズルピッチｐ、ノズル高さｈ、ノズル角度θ、ノズル吹き出し速度ｖ1、あるいはノズル傾斜角ψは、被矯正材４のスケール性状により、可変となるよう構成することができる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明によれば、効果的にスケールを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のスケール除去装置示す模式図で、（ａ）は矯正機の斜視図、（ｂ）はノズルがロール噛み込み側に指向した図、（ｃ）はノズルがロール噛み込み側にシフトした図である。
【図２】（ａ）は一方側、他方側に指向した模式図、（ｂ）は垂直方向ノズルの設けられた模式図、（ｃ）は、Ｍ／Ｌと疵発生率％との結果の図である。
【図３】（ａ）は３方向ノズル、（ｂ）は別の３方向ノズルが加わった各模式図である。
【符号の説明】
１ ローラレベラ
２ 上の矯正ロール
３ 下の矯正ロール
４ 被矯正材
５ （第一）ノズル
６ 第二ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを流体パージによりロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
黒皮の被矯正材をローラレベラで矯正するとき、矯正過程で剥離したスケールが、矯正方向（被矯正材の進行方向）下流側のロールで被矯正材に押し込まれ、被矯正材の表面に疵が発生すると言う問題があった。このような疵の発生を防止するために、各種のローラレベラのスケール除去技術が提案されている。例えば、特許文献１には、移動するストリップの上下両面、及びローラレベラーの各ロールの表面に洗浄液をノズルから連続的に噴霧するものである。また、特許文献２には、前後の矯正ロール間においてロール胴長方向に対して傾斜し且つロール噛み込み側に傾斜して配置されたノズルから、ロール噛み込み側に向かって流体を噴出させるものである。
【０００３】
【特許文献１】
特開昭５６−１１７８３０号公報（第４頁、第３図）
【特許文献２】
特開平１１−２３９８２０号公報（第４頁、第１図）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献１では、ストリップのはるか遠くのノズルから洗浄液を噴霧するもので、スケールの適格な除去は不可能である。
前記特許文献２では、ロール胴長方向一方側から、ロール胴長方向他方側に向かって除去されるスケールは、ロール胴長方向一杯に移動するものであって、適正な流体流れ分布が存在する必要がある。
そこで、本発明は、スケールの滞留が生じないようにして、前記問題点を改善・解決したローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明方法の特徴とするところは、ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去する複数のノズルを備えたローラレベラにおけるスケール除去方法において、前記矯正ロール胴長をＬとし、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に向けての胴長をＭとしたとき、Ｍ／Ｌ＝０．３〜０．７を満たすＭの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に指向してノズルを配置すると共に、Ｌ−Ｍの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側に指向してノズルを配置したうえで、各ノズルから流体を噴出させることにより、前記ロール胴長方向への流体流れを生成する点にある。
【０００６】
また、本発明装置の特徴とするところは、ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去する複数のノズルを備えたローラレベラにおけるスケール除去装置において、前記矯正ロール胴長をＬとし、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に向けての胴長をＭとしたとき、Ｍ／Ｌ＝０．３〜０．７を満たすＭの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に指向してノズルを配置し、Ｌ−Ｍの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側に指向してノズルを配置してなる。
【０００７】
ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するローラレベラにおけるスケール除去装置において、前記ロール胴長方向への流体流れを発生させるノズルが、前記前後の矯正ロール間にて、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側では該中途部から該一方側に指向し、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側では該中途部から該他方側に指向して配置されており、かつ矯正ロール胴長中途部では該中途部から鉛直に配置されている。
【０００８】
ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するローラレベラにおけるスケール除去装置において、前記ロール胴長方向への流体流れを発生させるノズルが、前記前後の矯正ロール間にて、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側では該中途部から該一方側に指向し、かつ、ロール噛み込み側に指向し、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側では該中途部から該他方側に指向し、かつ、ロール噛み込み側に指向して配置されており、矯正ロール胴長中途部では該中途部からロール噛み込み側に指向して配置されている。
【０００９】
なお、上記矯正ロール胴長（Ｌ）の中途部が、矯正ロール胴長（Ｌ）の中央部（Ｌ／２）であることも好ましい。さらに、上記記載のノズルが、前後の矯正ロール間においてロール胴長方向に沿い、かつ、該前後の矯正ロール間の中間部からロール噛み込み側にシフトして配置されていることも好ましい。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１（ａ）に示すものは、本発明のスケール除去装置の矯正機の模式図である。ローラレベラ１は、上下の矯正ロール２,３を千鳥状に配置し、上下ロール２,３間に板材である被矯正材４を通板して、該被矯正材４のレベル出しを行うものである。スケール除去装置は、このローラレベラ１に設けられている。スケール除去装置は、このローラレベラ１による矯正過程で、被矯正材４の表面から剥離したスケールを、流体パージによりロール胴長方向への流体流れを発生させて除去するものである。
【００１１】
そして、スケール除去装置は、被矯正材４の上面側に設けられており、矯正ロール胴長の中央部からロール胴長方向一方側のノズル５は、中途部から一方側に指向し、矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向他方側のノズルは、中途部から他方側に指向してる。この矯正ロール胴長の中途部は、例えば、矯正ロール胴長の丁度真中に位置するが、特に真ん中に限定するものではない。また、図２（ａ）に示すように、ロール胴長方向一方側、あるいは他方側へのノズルの先端と水平方向との角度は、どちらも正反対の方向にノズル５角度θ°である。
【００１２】
次に、図２（ｂ）は、ローラレベラにおけるスケール除去装置の第２実施形態を示しており、上記第１実施形態とは、矯正ロール胴長の中途部から鉛直にノズルが配置されている点が異なっている。
実機冷間レベラでの矯正実験により、図２（ａ）、（ｂ）に示すような、第１〜２実施形態に関して、矯正ロール胴長Ｌと矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向一方側Ｍ（矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向他方側（Ｌ−Ｍ））との比（Ｍ／Ｌ）と、矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率％との矯正実験結果を図２（ｃ）に示す。なお、●印は第１実施形態、○印は第２実施形態を示している。
矯正実験条件
被矯正材：４００Ｎ級鋼板 、４９０Ｎ級鋼板、板厚６〜２８ｍｍ
矯正機 ：上の矯正ロール五本、下の矯正ロール六本
矯正ロール：径２３５ｍｍ、胴長さ４６００ｍｍ
ノズル径 ： ８ｍｍ（エアノズル）
ノズルピッチｐ：３３０ｍｍ
ノズル高さｈ ：９０ｍｍ
ノズル角度θ：６０°
ノズル吹き出し速度：６０ｍ／ｓ（ｖ１）
矯正ロール胴長Ｌと矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向一方側Ｍとの比（Ｍ／Ｌ）が、０．３〜０．７において、スケール押し込み疵発生率％は、良好な結果である。比（Ｍ／Ｌ）が、０．３〜０．７の間の中途部にて、ロール胴長方向一方側のノズル５は、中途部から一方側に指向し、ロール胴長方向他方側のノズル５は、中途部から他方側に指向させれば良い。
【００１３】
また、第２実施形態（○印）は、第１実施形態（●印）よりもスケール押し込み疵発生率％が低い。特に、比（Ｍ／Ｌ）が前記０．３〜０．７の間の中途部に鉛直にノズル５が配置された第２実施形態の結果は良好であって、比（Ｍ／Ｌ）が０．４〜０．６においては、疵の発生は全く観察されていない。従って、矯正ロール胴長の中途部からロール胴長方向一方側Ｍが、矯正ロール胴長Ｌの中央部（Ｌ／２）に該当している場合は、比（Ｍ／Ｌ）が０.５となり、疵の発生の心配は極めて少ないのである。
【００１４】
次に、図１（ｂ）の模式図は、ローラレベラにおけるスケール除去装置の第３実施形態を示しており、全てのノズル５がロール噛み込み側にも指向している点が第１〜２実施形態との相違点である。ノズル先端と鉛直方向との角度である、矯正方向に対するノズル傾斜角ψは３０°である。ノズル傾斜角ψは、被矯正材４のスケール性状により、可変となるよう構成することができる。ロール胴長方向一方側のノズル５が中途部から一方側に指向し、ロール胴長方向他方側のノズル５が中途部から他方側に指向（図２（ａ））しており、且つロール噛み込み側にも指向（図１（ｂ））している第３実施形態においても、矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率は良好である。
【００１５】
図１（ｃ）の模式図は、ローラレベラにおけるスケール除去装置の第４実施形態を示しており、ロール胴長方向への流体流れを発生させるノズル５が、前後の矯正ロール２間Ｐにおいてロール胴長方向に沿い、かつ、前後の矯正ロール２間Ｐの中間部Ｐ／２から更にロール噛み込み側にシフトして配置されている。すなわち、ロール排出側からの距離Ｑ（距離Ｐ／２よりロール噛み込み側にある。）の位置にシフトして配置されているのが、第１〜３実施形態と異なっている。ロール胴長方向一方側のノズル５が中途部から一方側に指向し、ロール胴長方向他方側のノズル５が中途部から他方側に指向（図２（ａ））しており、且つロール噛み込み側にシフト（図１（ｃ））している第４実施形態においても、矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率％は良好である。
【００１６】
前記第４実施形態における矯正ロール間（Ｐ）の中間部（Ｐ／２）から更にロール噛み込み側にシフトしているシフト長が、前記矯正ロール間（Ｐ）の１／８〜３／８であれば、より好ましいのである。
更に、図３（ａ）の模式図に示すような、中途部に鉛直方向、ロール胴長方向一方側並びに他方側の３方向に吹き出すノズル５を設けているもの、図３（ｂ）の模式図に示すような、中途部からロール胴長方向の一方側、並びに他方側に指向したノズル５が設けられていて、その中途部の１本のノズル５が途中で分岐して、鉛直方向、ロール胴長方向一方側並びに他方側の３方向に吹き出すようにしているものも矯正後の被矯正材４表面のスケール押し込み疵発生率は良好である。
【００１７】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ノズル５及び噴出流体は、エアに限定されるものではなく、ホットレベラの場合は、冷却水であってもよい。さらに、ノズル５の配置は、被矯正材４の上面側に限らず、下面側に配置することもできる。
さらに、ノズル５をシフトして、そしてロール噛み込み側に指向する場合、ノズル５がロール２に接触しない範囲で、ノズル傾斜角ψは可変となるように構成する。また、ノズルからの流量、ノズルピッチｐ、ノズル高さｈ、ノズル角度θ、ノズル吹き出し速度ｖ1、あるいはノズル傾斜角ψは、被矯正材４のスケール性状により、可変となるよう構成することができる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明によれば、効果的にスケールを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のスケール除去装置示す模式図で、（ａ）は矯正機の斜視図、（ｂ）はノズルがロール噛み込み側に指向した図、（ｃ）はノズルがロール噛み込み側にシフトした図である。
【図２】（ａ）は一方側、他方側に指向した模式図、（ｂ）は垂直方向ノズルの設けられた模式図、（ｃ）は、Ｍ／Ｌと疵発生率％との結果の図である。
【図３】（ａ）は３方向ノズル、（ｂ）は別の３方向ノズルが加わった各模式図である。
【符号の説明】
１ ローラレベラ
２ 上の矯正ロール
３ 下の矯正ロール
４ 被矯正材
５ （第一）ノズル
６ 第二ノズル
Claims (3)
- ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去する複数のノズルを備えたローラレベラにおけるスケール除去方法において、
前記矯正ロール胴長をＬとし、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に向けての胴長をＭとしたとき、Ｍ／Ｌ＝０．３〜０．７を満たすＭの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に指向してノズルを配置すると共に、Ｌ−Ｍの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側に指向してノズルを配置したうえで、各ノズルから流体を噴出させることにより、前記ロール胴長方向への流体流れを生成することを特徴とするローラレベラにおけるスケール除去方法。 - ローラレベラ矯正過程で被矯正材表面から剥離したスケールを、矯正方向前後の矯正ロール間においてロール胴長方向への流体流れを発生させて除去する複数のノズルを備えたローラレベラにおけるスケール除去装置において、
前記矯正ロール胴長をＬとし、矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に向けての胴長をＭとしたとき、Ｍ／Ｌ＝０．３〜０．７を満たすＭの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向一方側に指向してノズルを配置し、Ｌ−Ｍの範囲にて前記矯正ロール胴長中途部からロール胴長方向他方側に指向してノズルを配置してなることを特徴とするローラレベラにおけるスケール除去装置。 - 前記ロール胴長方向への流体流れを発生させる請求項２に記載のノズルが、前記前後の矯正ロール間においてロール胴長方向に沿い、かつ、該前後の矯正ロール間の中間部からロール噛み込み側にシフトして配置されていることを特徴とするローラレベラにおけるスケール除去装置。
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| JP2003013924A JP4286009B2 (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | ローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003013924A JP4286009B2 (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | ローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004223566A JP2004223566A (ja) | 2004-08-12 |
| JP4286009B2 true JP4286009B2 (ja) | 2009-06-24 |
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ID=32902125
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|---|---|---|---|
| JP2003013924A Expired - Lifetime JP4286009B2 (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | ローラレベラにおけるスケール除去方法及びその装置 |
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|---|---|---|---|---|
| JP4924475B2 (ja) * | 2008-02-27 | 2012-04-25 | Ｊｆｅスチール株式会社 | ホットレベラおよび二重管 |
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2003
- 2003-01-22 JP JP2003013924A patent/JP4286009B2/ja not_active Expired - Lifetime
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