JP4284648B2 - 二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法 - Google Patents
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Description
PETボトルは最近まで、耐熱性や耐圧性が不十分で高温の飲料や高温殺菌を要す飲料用には使用できず、日常においては夏季の飲料に限られていたが、冬季用の携帯高温飲料への消費者の強い要望に応えるべく、二段ブロー成形法などの開発によって、ポリエチレンテレフタレートのパリソンの延伸や結晶化が充分に行われるようになり、PETボトルの耐熱と耐圧性が著しく改良され(特許文献1,2を参照)、さらにPETボトルの透明性により内部の飲料が直接見える安心感や清潔感なども相まって、これらの面からもPETボトルの重要性は増大傾向が増すばかりであるといえる。
加えて、省資源や環境保護の面からのPETボトルの再利用体制も確立され社会的な支持も高くなっている。
付加価値性が高くて、需要の非常に高い断面が扁平形状の、いわゆる扁平容器は、パリソンから金型内吹込みによる成形においては、断面が扁平であることによってパリソンのキャビティ内での延伸膨張が均一にならないために、容器壁の肉厚の均質性が得られにくく、また、短径側の延伸不足による肉溜りも発生し金型熱による白化現象も生じてしまう。肉厚が不均一になると薄肉部による容器の機械的な強度や耐熱性などの低下が起こり、高温時の容器内飲料による内圧負荷や温度低下時の内部収縮による外圧負荷に耐えられずに容器破損が起こる恐れがある。さらに、薄肉部による酸素透過性と光透過率の劣化も起こる。
すなわち、2つ割り金型本体の上下に、金型分割面直行方向に移動可能なスライド金型を設け、キャビティ内に加熱パリソン搬入後直ちにブロー成形する成形金型(特許文献3を参照)、分割金型のキャビティ内にパリソンを収納し移動金型部材をパリソン面に進出させてパリソンを扁平化してブロー成形する、扁平面とその側面との寸法比率が1/2以下の扁平度の高い容器を均一肉厚に成形する成形金型(特許文献4を参照)、ダイス扁平開口部の中央にコアを配置し、コアの断面形状を下端部で円形とし上方部に行くにしたがって扁平形状とし、ダイスまたはコアの上下動により開口部とコアとの間のスリット幅を変化させて、開口部でのパリソンの肉厚を調節するブロー成形機(特許文献5を参照)、扁平形状の長径方向に延伸される部分よりも短径方向に延伸される部分のほうが高温となるように、コールドパリソンをブロー成形前に加熱し、あるいは長径方向延伸部分の肉厚を厚く、短径方向延伸部分の肉厚を薄くなるように偏肉形成したパリソンを用い、パリソンを軸方向に回転させつつその周囲から放射加熱する、コールドパリソンブロー成形法による扁平ボトルの製造方法(特許文献6を参照)などが開示されている。
その結果として、簡易な装置ないしは手段により経済的に、扁平容器について容器壁の肉厚を均一にブロー成形するには、パリソンの予備的な肉厚における工夫がブロー成形における肉厚の均一形成に影響することを認識して、この過程において新しい手段を知見して本発明を創作することができた。
かかる基礎的な発明要素を具現化するために、本発明者らは、予め形成した横断面の肉厚が均一で断面が略円形のパリソンを1次ブロー成形して、2次ブロー成形のための金型の短径(扁平容器の短径に相当)よりも、径が大きい円形パリソンに延伸し、一方、成形品の扁平容器の断面形状のキャビティを有す金型を準備し、この延伸パリソンを2次ブロー成形のための当金型のキャビティ内に収容しキャビティの短径方向に延伸パリソンを扁平状に押圧して型締めして、2次ブロー成形を行う、新規で画期的な手法を採用した。その結果、キャビティの短径側よりも長径側に延伸パリソンの断面が長くなってパリソンが収納され、パリソンが扁平状に押圧変形する。この状態は図1に断面図として模式的に示されている。そして、2次ブロー成形すると、形成される扁平容器の短径側と長径側との肉厚が均一に、あるいは充分に均一になる。
[2]予め形成した有底パリソンを1次ブロー成形して、2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を有す有底筒状体に成形した後に、加熱状態において収縮させ2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を保持させることを特徴とする、[1]における二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法。
[3][1]〜[2]のいずれかにおける製造方法により製造された扁平容器であって、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における、TMA無荷重変化量の差が70℃と100℃において150μm以下であることを特徴とする扁平容器。
[4][1]〜[2]のいずれかにおける製造方法により製造された扁平容器であって、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における、95℃高温引っ張りにおける伸び量の差が150%以下であることを特徴とする扁平容器。
前述したように、本発明は、二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法に関し、詳しくは、断面が楕円形または矩形であって、容器全体の肉厚が均一に形成されている扁平形状の容器の成形方法に係わるものである。
そして、(a)予め熱可塑性樹脂により形成した有底パリソンを1次ブロー成形して、2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を有す有底筒状体に成形し、(b)好ましくは、加熱状態において収縮させ2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を保持させてから、(c)当有底筒状成形体を2次ブロー成形用金型内に装着し有底筒状成形体を金型内部のキャビティの短径方向に押しつぶして型締めを行い、(d)次いで圧力流体を有底筒状成形体内に送入して加熱状態において有底筒状成形体を金型内面のキャビティの形状に沿わせることにより扁平容器を成形することを特徴とする、(a)〜(d)の各工程からなる二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法、を基本構成とするものである。この(a)〜(d)の各工程は図2に概略図として模式的に示されている。
なお、以下においては有底筒状体や有底筒状成形体の表現を通称のパリソンということがある。また、パリソン径などの径は、通常、外径を意味する。
さらに、本発明では、二段ブロー成形を行って、パリソンの延伸や結晶化を充分に行わせ耐熱性と耐圧性を著しく改良させると共に、パリソンの1次延伸膨張とその後の扁平状への押しつぶしに基づく、簡易な装置と手段による扁平容器の容器壁の肉厚を充分に均一化するブロー成形法を特徴とするものである。なお、1次ブローにより延伸膨張されるので、この過程でパリソンの肉厚の均質化が予備的に行われている。
パリソン(有底筒状成形体)は、射出成形機、押出成形機などによる通常の手段により形成され、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート(通称PET)を素材とするが、他に、ポリエチレンやポリプロピレンあるいはポリカーボネートなど任意の樹脂も使用しうる。また、適宜に積層パリソンを使用もでき、例えば、ポリアミドやエバールなどと積層すると酸素遮蔽性が向上する。また、酸素吸収層を中間層に設けて酸素吸収性を向上させても良い。酸素吸収層に用いる酸化可能有機成分はポリエンから誘導される重合体が好ましい。かかるポリエンとしては、炭素原子数4〜20のポリエン、鎖状又は環状の共役又は非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が好適に使用される。これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。ポリエン系重合体としては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンゴム共重合体などを挙げることができるが、これらに限定されない。上記したように、機能性樹脂を積層しても良い。
パリソンは、偏肉形成した断面が楕円形状などのパリソンの使用を否定するものではないが、生産効率やブロー効率からして、断面が略円形状の有底パリソンが好ましく、その大きさは、目的とする扁平容器の大きさや2次ブロー効率などによって適宜に設定される。
パリソンの1次ブローは、ブロー後の形状安定のために金型を使用しているが、経済面からして、金型を用いないフリーブローで行っても良い。
1次ブロー後のパリソンの断面径の大きさは、2次ブロー用の金型にパリソンを扁平状に押圧して収納(装着)した際に、押圧変形により伸ばされた長径側のパリソンと金型内面との間にパリソン延伸分の間隙が保たれるように設定する。また、1次ブロー後のパリソンの断面径の大きさは、成形品の肉厚均一化のために、2次ブロー金型のキャビティの短径より1.1〜2倍程度大きくするのが好ましい。
1次ブローの横延伸倍率は3〜5倍、縦延伸倍率は2〜4倍まで上げることができ、結晶の高配向と延伸の均質化がもたらされる。また、短径側の延伸倍率(容器の短径/プリフォームの中心径)は2.5倍程度に抑えることもできる。1次ブローの金型温度条件は、PETにおいては150℃程度とされ、フリーブローでは空冷により冷却する。
1次ブロー成形して、断面が略円形状であって2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を有す有底筒状体に成形した後は、好ましくは、加熱状態においてオーブン内で収縮させ2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を保持させる。PETにおいては、オーブン後のボトル温度が150℃以上となる加熱条件が採用される。
1次ブローによって延伸膨張されたパリソンが、この工程により結晶化と熱固定が均質に充分に行われ、収縮され縮径されることとなる。
有底筒状成形体(パリソン)を2次ブロー成形用金型内に装着し、該パリソンを断面から見て、金型内部のキャビティの短径方向に押圧して型締めを行うのは、前述したように、キャビティ内において、パリソンを予め扁平状として収納すれば、成形の結果として短径側と長径側の肉厚のバランスがとれて、扁平容器の成形品において容器壁の肉厚の均一化が実現されることによるのであって、具体的には、予め形成した肉厚が均一で断面が略円形のパリソンを1次ブロー成形して、2次ブロー成形のための金型の短径(扁平容器の短径に相当)よりも、外径が大きい円形パリソンに延伸し、一方、成形品の扁平容器の断面形状のキャビティを有す金型を準備し、この延伸パリソンを2次ブロー成形のための当金型のキャビティ内に収容しキャビティの短径方向に延伸パリソンを押圧して型締めして、その結果、キャビティの短径側よりも長径側に延伸パリソンの断面が長くなってパリソンが収納され、パリソンが扁平状に押圧変形する。
この状態は図1に断面図として模式的に示されている。そして、2次ブロー成形すると長径側と短径側との延伸倍率の差異が小さくなり、形成される扁平容器の短径側と長径側との肉厚がほぼ均一に、あるいは充分に均一になる。
この工程は、二段ブロー成形における2次ブローに相当して、パリソンを扁平容器の最終形状にブロー成形する。
2次ブロー成形用金型は割れ型を使用し、圧力流体は加熱空気が利便性からして好ましい。吹き込み空気圧力は通常の2〜4MPa 程度である。
扁平容器は、長径と短径を有す容器であって、扁平容器の断面は楕円形または矩形とされるが限定はされない。
本発明は、本発明の製造方法により製造され、前記の段落0013における[3]および[4]に記載された特定の扁平容器をも発明の対象とする。
[3]における容器は、段落0013の[1]〜[2]のいずれかにおける製造方法により製造された扁平容器であって、これらの特定の成形方法により製造されたことにより、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部(図5におけるパネル柱部と中央部)における、TMA(熱機械分析)無荷重変化量の差が70℃と100℃において150μm以下であるという特性値を有す扁平容器である。
本発明の二段ブロー法により製造した扁平容器では、従来の一段ブロー法のものに比べて、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部の配向状態の差が小さくて耐熱性に優れており、収容内容物を高温で充填してもパネル部が出っ張ることはない。この性能特性は、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における、TMA無荷重変化量の差により数値量として明示することができ、後述する実施例3のデータ結果から明らかなように、TMA無荷重変化量の差が70℃と100℃において150μm以下であると規定される。
本発明に関わる扁平容器は、断面が扁平形状の容器であって、容器全体の肉厚が均一に形成され、容器壁の結晶化が充分に行われていることを特徴とし、当扁平容器は二段ブローにより優れた耐熱性と耐圧性がもたらされ、また容器壁が均一肉厚で機械的強度も優れ、さらに、当容器は扁平なので、消費者が把持しやすく、円筒に比べて多様形状による美観も有し、高い透明性により内容物が透視でき消費者に安心感を与え、表面光沢による清潔感もあり、あるいは内容物の排出性も良く、高温飲料用容器あるいは高温殺菌飲料容器として特に優れたものである。他に、食品一般や医薬品用としても好適である。
なお、一般に容器の口部は延伸されないので、別途に加熱結晶化して強度と耐熱性を向上させる。
[図面による実施例の説明]
本発明に係る二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法において、特徴的な構成要素である、「予め熱可塑性樹脂により形成した断面が略円形状の有底パリソンを1次ブロー成形して、断面が略円形状であって2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を有すものとした、有底筒状成形体パリソンを2次ブロー成形用金型内に装着し有底筒状成形体を金型内部のキャビティの短径方向に押圧して(押しつぶして)型締めを行う工程」が平面断面図として図1に示されている。ブロー金型10において、キャビティ11内に1次ブロー後のパリソン12が押しつぶして収納されている。
また、本発明の二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法における(a)〜(d)の各工程が図2に概略図として模式的に示されている。予備成形されたパリソン22が(a)1次ブローされ、(b)収縮され、(c)2次ブロー用金型20のキャビティ21内に1次ブロー後のパリソン23が押しつぶして収納され、(d)扁平容器に2次ブロー成形される。
本発明の二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法における、図2に示された、(a)1次ブローされ、(b)収縮固定され、(c)2次ブロー用金型20のキャビティ21内に1次ブロー後のパリソン23が押しつぶして収納され、(d)扁平容器に2次ブロー成形される、各工程を実施した。
(a)1次ブロー成形
市販のポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して、外径22mm,厚さ3.4mm,高さ80mmのパリソンを予備成形し、フリーブローにより加熱空気を吹き込んで、外径90mmに延伸膨張させた。
(b)収縮固定
1次ブローしたパリソンを、600℃のオーブン内で8秒収縮固定して、外径60mmの収縮パリソンとした。
(c)キャビティ内への収縮パリソンの収納
2次ブロー用金型(140℃に設定)の断面矩形のキャビティ(断面:短径47m,長径70mm)内に、収縮パリソンを短径方向に押しつぶして収納した。
(d)2次ブロー成形
押しつぶして変形された収縮パリソン内に、20℃,3MPaの空気を送入して2次ブロー成形を行い、断面が矩形で、容器壁が均一肉厚の扁平容器を成形した。
実施例−1で用いたものと同じ予備成形パリソンを使用して、1次ブロー用金型を使用せず、直接に、実施例−1で用いたものと同じ2次ブロー用の金型を使用して、同じブロー条件にてブロー成形を行い、断面が矩形の扁平容器を成形した。
1次ブロー成形をフリーブローでなく1次ブロー用金型を使用し、2次ブロー用金型として断面楕円形のキャビティ(断面:短径45mm,長径80mm)を使用した以外は、実施例−1と同様に行った。
実施例−1で用いたものと同じ予備成形パリソンを使用して、予備パリソンを1次ブロー用金型で延伸して、収縮パリソンを短径方向に押しつぶさない大きさで金型に収納して、実施例−2で用いたものと同じ2次ブロー用の金型を使用して、同じブロー条件にてブロー成形を行い、断面が楕円形の扁平容器を成形した。
各実施例及び各比較例を対比することにより、本発明においては、予備パリソンを1次ブローで延伸し、収縮パリソンを短径方向に押しつぶして2次ブロー金型に収納する、その特別の成形工程によって、ブロー成形した扁平容器において、容器壁の肉厚が均一になり、耐熱圧性と機械強度も優れていることが明らかとなっている。
比較例−1では予備パリソンを1次ブローで延伸せず、比較例−2では予備パリソンを1次ブローで延伸して、かつ収縮パリソンを短径方向に押しつぶさない大きさで金型に収納して成形したので、比較例−1では肉厚の均一性などが劣り、比較例−2では肉厚の均一性などがやや劣っている。
当参考例は、段落0013における発明[3],[4」の扁平容器に係る測定参考例であり、本発明の特定の成形方法により製造された扁平容器と従来の一段ブロー成形法による扁平容器において、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における、TMA無荷重変化量、および95℃での高温引っ張りにおける伸び量を測定した。
TMAによる無荷重変化量の測定(耐熱性評価):
本発明の特定の成形方法により製造された扁平容器と従来の一段ブロー成形法による扁平容器について、70℃〜100℃の範囲において、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部におけるTMA無荷重変化量(μm)を測定し、結果を図3にグラフ図として示した。 図3より、75℃を基準として100℃になったときの容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部の変化量の差を表わすと、従来例では29.2−(−182.9)=212.1μmとなり、本発明では41.5−(−68.2)=109.7μmとなり、この結果から、本発明では、TMAによる無荷重変化量が150μm以下と規定される。
扁平容器は、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部の延伸倍率または二次加工量が異なるため、柱部とパネル部の耐熱性が異なり、収容内容物を高温で充填するとパネル部が出っ張り耐熱性が不良となる傾向があるが、この規定を満たす本発明の扁平容器は、従来法のものに比べて、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部の配向状態の差が小さくて耐熱性に優れており、収容内容物を高温で充填してもパネル部が出っ張ることはない。
95℃での高温引っ張りにおける伸び量の測定:
本発明の特定の成形方法により製造された扁平容器と従来の一段ブロー成形法による扁平容器について、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における95℃での高温引っ張りにおける変化量(μm)に対する伸び量(%)を測定し、結果を図4にグラフ図として示した。
なお、TMA無荷重変化量(図3)、および95℃での高温引っ張りにおける伸び量(図4)の測定における、ボトルの測定箇所を図5に示した(図中の斜線部)。
図4より、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における伸び量の差異は、従来例では359−182=177%となり、本発明では384−245=139%となり、この結果から、本発明では、伸び量の差が150%以下と規定される。
本発明では、従来例のものに比べて容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部における伸び量の差異が小さく、配向状態の差異が小さいことが示されている。したがって、本発明の二段ブロー法により製造した扁平容器では、従来の一段ブロー法のものに比べて、容器の胴部の最大延伸部と最小延伸部の高温での伸びの差が小さく、収容内容物を高温で充填しても形状的に安定しており、従来の一段ブロー法の扁平容器のように形状が歪むことはない。
当参考例は、本発明により製造された扁平容器に係る測定参考例であり、本発明の特定の成形方法により製造された扁平容器と従来の一段ブロー成形法による扁平容器において、容器断面における最大肉厚部と最小肉厚部の差を測定し、結果を図6および図7にグラフ図として示した。
なお、各扁平容器の容器断面における、最大肉厚部と最小肉厚部の差の測定箇所(ハイトmm)を図8に示した。
図6は本発明の扁平容器についての、容器の各高さにおける容器断面の肉厚分布を示し、図7は従来例の扁平容器についての、容器の各高さにおける容器断面の肉厚分布を示しており、本発明においては従来例に比べて、容器の各高さにおいて肉厚が均一なことが示され、容器の各部における性能が均一であることが理解できる。
11:キャビティ
12:収納パリソン
20:2次ブロー成形金型
21:キャビティ
22:予備成形パリソン
23:収納パリソン
Claims (2)
- 予め熱可塑性樹脂により形成した有底パリソンを1次ブロー成形して、2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を有す有底筒状体に成形し、当有底筒状成形体を2次ブロー成形用金型内に装着し有底筒状成形体を金型内部のキャビティの短径方向に押圧して、有底筒状成形体が金型内部のキャビティの長径方向に延伸する延伸長さの空隙をキャビティに残すように、型締めを行い、次いで圧力流体を有底筒状成形体内に送入して加熱状態において有底筒状成形体を金型内面のキャビティの形状に沿わせることにより扁平容器を成形することを特徴とする、二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法。
- 予め形成した有底パリソンを1次ブロー成形して、2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を有す有底筒状体に成形した後に、加熱状態において収縮させ2次ブロー成形用金型内部のキャビティの短径より大きい径を保持させることを特徴とする、請求項1に記載された二段ブロー成形法による扁平容器の製造方法。
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