JP2003103609A - 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法 - Google Patents

耐熱性ボトルの2段ブロー成形法

Info

Publication number
JP2003103609A
JP2003103609A JP2001300740A JP2001300740A JP2003103609A JP 2003103609 A JP2003103609 A JP 2003103609A JP 2001300740 A JP2001300740 A JP 2001300740A JP 2001300740 A JP2001300740 A JP 2001300740A JP 2003103609 A JP2003103609 A JP 2003103609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
blow
blow molding
molded
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001300740A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Komiya
温 小宮
Hitoshi Fujioka
仁 藤岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2001300740A priority Critical patent/JP2003103609A/ja
Publication of JP2003103609A publication Critical patent/JP2003103609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の使用量の削減と軽量化を図ることがで
きるとともに、ボトル状容器として必要な剛性や強度を
確保することができ、しかも一層の耐熱性の向上を図る
ことができる耐熱性ボトルの2段ブロー成形法を提供す
ること。 【解決手段】 最終成品である耐熱性ボトル10の胴部
14に形成する補強用ウエスト部17に対応させて予め
1次ブロー金型30のキャビティ32に突出部33を形
成しておくことで、1次ブロー成形の際の樹脂の流れを
とめて中間成形品31を厚肉にし、2次ブロー成形後の
最終製品10の補強用ウエスト部17を厚肉にする。こ
れにより、樹脂の使用量の削減と軽量化を図るととも
に、耐熱性ボトル10として必要な剛性や強度を確保し
たものを成形できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐熱性ボトルの
2段ブロー成形法に関し、特にポリエチレンテレフタレ
ート(PET)の耐熱性ボトルの軽量化や薄肉化を図る
と同時に、剛性や強度を確保できるようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来からポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル樹脂等を用いて有底のプリフォームを
射出成形し、得られたプリフォームを加熱昇温後、二軸
延伸ブロー成形を行ってボトル状容器を製造することが
行われており、得られたボトル状容器は、透明性、表面
光沢、耐衝撃性、ガスバリア性等に優れ、各種飲料、食
品、液体洗剤などの容器として広く使用されている。
【0003】このような飲料用のボトル状容器の中に
は、内容物を熱間で充填したり、内容物を充填した後、
加熱殺菌や加熱滅菌を行う場合があり、ボトル状容器に
これらの温度に対する耐熱性が必要となる。
【0004】このような耐熱性を有するボトルは、通常
のブロー成形法で成形するだけでは得られず、耐熱性を
与える種々のブロー成形法が提案されている。
【0005】例えば特開平5−200839号公報に記
載の耐熱性と耐圧性を備えたボトルの成形方法では、最
終的なボトルの大きさに対して、縦方向が1.0〜1.
3倍、横方向が0.6〜1.0倍のキャビティを有する
1次ブロー成形金型を用いて、ネック部から下の胴体部
および底部を面積倍率で4〜22倍に延伸ブローする1
次ブロー成形工程と、前記1次ブロー成形により成形し
た1次成形品を110℃〜255℃で加熱した後にブロ
ー成形する2次ブロー成形工程とを経て成形するように
している。
【0006】このような成形方法によれば、口頸部及び
ネック直下白化部を除いたすべての部分、特に従来のボ
トルでは延伸されないため最も弱い部分である底部を完
全に延伸することで、耐熱性・耐圧性を高めるようにし
ている。
【0007】また、特開平8−20064号公報に記載
された耐熱及び耐圧性自立容器の製造方法では、口頸
部、肩部、胴部及び底部からなる飽和ポリエステル樹脂
製容器の製造法であって、有底筒状のパリソンの口頸部
を除く胴部を最終形状の容器の胴部の大きさに対して縦
方向を0.2〜5.0倍、周方向を0.3〜5.0倍に
延伸する1次ブロー成形工程、さらに1次ブロー成形品
を120〜250℃で加熱した後にブロー成形する2次
ブロー成形工程、さらに容器底部を結晶化する工程を含
んで成形するようにしている。
【0008】このような製造方法によれば、胴部を延
伸、収縮再延伸するとともに、再延伸しにくい底部を部
分結晶化することで、耐熱性および耐圧性を高めるよう
にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
1次ブロー成形工程と2次ブロー成形工程とを備える2
段ブロー成形法で製造される耐熱性ボトルでは、胴部の
延伸倍率が高く薄肉化されることになり、特に、飲料用
のペットボトルなどのボトル状容器では、リサイクル法
の施行にともない使用樹脂量の削減や軽量化の要求が高
まっていることから、ボトル状容器の一層の薄肉化を図
ろうとすると、ボトル状容器の胴部の強度や剛性が不足
する恐れがある。
【0010】そこで、ボトル状容器の軽量化、薄肉化を
図りつつ強度や剛性を高めるため胴部にくびれたウエス
ト部を形成しようとすると、ウエスト部の肉厚が一層薄
くなって目的を達成することができないという問題があ
る。
【0011】この発明は上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたもので、樹脂の使用量の削減と軽量化を図
ることができるとともに、ボトル状容器として必要な剛
性や強度を確保することができ、しかも一層の耐熱性の
向上を図ることができる耐熱性ボトルの2段ブロー成形
法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の請求項1記載の耐熱性ボトルの2段ブロー成
形法は、有底筒状のプリフォームを1次ブロー金型内で
2軸延伸ブロー成形したのち、ヒートセットして加熱収
縮させ、次いで2次ブロー金型内でブロー成形して耐熱
性ボトルを成形するに際し、最終成品である耐熱性ボト
ルの胴部に形成する補強用ウエスト部に対応する前記1
次ブロー金型のキャビティ位置に形成した突出部により
1次ブロー成形される中間成形品の当該補強用ウエスト
部の対応部分を厚肉に成形するようにしたことを特徴と
するものである。
【0013】この耐熱性ボトルの2段ブロー成形法によ
れば、最終成品である耐熱性ボトルの胴部に形成する補
強用ウエスト部に対応させて予め1次ブロー金型のキャ
ビティ位置に突出部を形成しておくことで、1次ブロー
成形される中間成形品の補強用ウエスト部の延伸を抑え
て、中間成形品の補強用ウエスト部を厚肉にし、2次ブ
ロー成形後の最終製品の補強用ウエスト部が薄肉となる
ことを防止するようにしており、樹脂の使用量の削減と
軽量化を図るとともに、ボトル状容器として必要な剛性
や強度を確保した耐熱性ボトルを製造するようにしてい
る。
【0014】また、この発明の請求項2記載の耐熱性ボ
トルの2段ブロー成形法は、請求項1記載の構成に加
え、前記1次ブロー金型のキャビティ位置に形成する突
出部の内径が、当該1次ブロー金型の胴部径に対して6
5〜90%となるようにしたことを特徴とするものであ
り、1次ブロー金型のキャビティ位置に形成する突出部
の内径を定めることにより、1次ブロー成形の樹脂が底
部まで行き届き、しかも所望の厚肉にできるようにして
いる。
【0015】さらに、この発明の請求項3記載の耐熱性
ボトルの2段ブロー成形法は、請求項1または2記載の
構成に加え、前記1次ブロー金型内で1次ブロー成形す
る中間成形品の延伸倍率を、縦倍率2.5〜3.5倍、
横倍率4〜5.5倍の範囲として成形するようにしたこ
とを特徴とするものであり、1次ブロー成形による中間
成形品の延伸倍率をこのような範囲としてヒートセット
(熱結晶化)を経て2次ブロー成形した最終製品の大き
さを確保しつつボトル状容器として必要な剛性や強度を
確保した耐熱性ボトルを製造できるようにしている。
【0016】また、この発明の請求項4記載の耐熱性ボ
トルの2段ブロー成形法は、請求項1または2記載の構
成に加え、前記1次ブロー金型内で1次ブロー成形する
中間成形品の表面積を、最終成品の表面積の1.0〜
2.0倍にブロー成形するようにしたことを特徴とする
ものであり、1次ブロー成形による中間成形品の表面積
をこのような範囲とすることで、同様にヒートセット
(熱結晶化)を経て2次ブロー成形した最終製品の大き
さを確保しつつボトル状容器として必要な剛性や強度を
確保した耐熱性ボトルを製造できるようにしている。
【0017】さらに、この発明の請求項5記載の耐熱性
ボトルの2段ブロー成形法は、有底筒状のプリフォーム
を1次ブロー金型内で2軸延伸ブロー成形したのち、ヒ
ートセットして加熱収縮させ、次いで2次ブロー金型内
でブロー成形して耐熱性ボトルを成形するに際し、前記
2次ブロー金型内でのブロー成形に用いるブロー気体を
加熱気体としてブロー成形するようにしたことを特徴と
するものである。
【0018】この耐熱性ボトルの2段ブロー成形法によ
れば、2次ブロー成形を加熱気体を用いてブロー成形す
るようにしており、内容物を熱間で充填したり、内容物
を充填した後、加熱殺菌や加熱滅菌を行う場合のボトル
の収縮を抑えることができるようになる。
【0019】また、この発明の請求項6記載の耐熱性ボ
トルの2段ブロー成形法は、請求項1〜4のいずれかに
記載の構成に加え、前記2次ブロー金型内でのブロー成
形に用いるブロー気体を加熱気体としてブロー成形する
ようにしたことを特徴とするものであり、上記各発明に
加熱気体を用いる2次ブロー成形を組み合わせるように
し、同様に、内容物を熱間で充填したり、内容物を充填
した後、加熱殺菌や加熱滅菌を行う場合のボトルの収縮
を抑えることができるようになる。
【0020】さらに、この発明の請求項7記載の耐熱性
ボトルの2段ブロー成形法は、請求項5または6記載の
構成に加え、前記加熱気体の温度を100〜200℃と
したことを特徴とするものであり、2次ブロー成形の加
熱気体の温度を上記の範囲とすることで、内容物を熱間
で充填したり、内容物を充填した後、加熱殺菌や加熱滅
菌を行う場合のボトルの収縮を抑えるようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づき詳細に説明する。図1および図2はこ
の発明の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法の一実施の形
態にかかり、図1は概略工程図、図2は各工程における
成形品の概略形状の説明図である。
【0022】この耐熱性ボトルの2段ブロー成形法で成
形される耐熱性ボトル10は、例えば未延伸の口部11
およびサポートリング12と、延伸された肩部13、胴
部14、接地部15および底凹部16とで構成され、自
立可能な形状とされるとともに、胴部14にくびれた補
強用ウエスト部17を備えるもので、この補強用ウエス
ト部17は、例えば胴部14の中央部1箇所に形成され
る。
【0023】なお、この補強用ウエスト部17は、図3
に示すように、中央部1箇所とする場合でもその位置を
下寄りや上寄りにするもののほか、上下2箇所など複数
箇所に形成する場合もある。
【0024】このような補強用ウエスト部17を備えた
耐熱性ボトル10を2段ブロー成形する場合には、例え
ばポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形す
ることで得られる有底筒状のプリフォーム20を加熱昇
温した後、1次ブロー金型30内にセットして2軸延伸
ブロー成形することで、最終製品に比べて大きく延伸し
た中間成形品31を成形し、これを取り出してヒートセ
ット(熱結晶化)して加熱収縮させたのち、2次ブロー
金型40内にセットし、2次ブロー成形することで所望
の大きさ・形状の最終製品の耐熱性ボトル10に成形す
る。
【0025】このような2段ブロー成形法で補強用ウエ
スト部17を備えた耐熱性ボトルを成形する場合には、
これまでは、1次ブロー成形で胴部が筒状に成形された
中間成形品を成形し、これをヒートセットしたのち、キ
ャビティが最終製品の形状とされた2次ブロー金型にセ
ットし、この2次ブロー金型のキャビティによって補強
用ウエスト部17を成形するようにしていた。
【0026】一方、1次ブロー金型により1次ブロー成
形される中間成形品は、耐熱性を確保するためには、口
部およびサポートリング以外の延伸すべき他の部分を完
全に延伸する必要があり、胴部はほぼ均一な薄肉に延伸
される。
【0027】ところが、この1次ブロー成形による均一
な薄肉状態の中間成形品をヒートセット後に2次ブロー
成形すると、補強用ウエスト部がさらに延伸され、胴部
の他の部分に比べて一層薄肉となって補強の機能をなし
得なくなってしまう。
【0028】そこで、この発明の2段ブロー成形法で
は、1次ブロー成形によって得られる中間成形品31の
段階で、最終製品の耐熱性ボトル10の補強用ウエスト
部17に対応する部分を延伸しながら厚肉に保つことが
できるようにする。
【0029】このため、この2段ブロー成形法では、1
次ブロー金型30のキャビティ32に、最終成品である
耐熱性ボトル10の胴部14に形成する補強用ウエスト
部17に対応して環状の突出部33を形成し、この突出
部33を1次ブロー金型30のキャビティ32の大きさ
と最終製品の耐熱性ボトル10の大きさの比率に応じた
位置、例えば、接地部15からの高さの比率に応じた位
置に形成しておく。
【0030】このような突出部33を形成した1次ブロ
ー金型30を用いて1次ブロー成形される中間成形品3
1は、1次ブロー成形の際に突出部33によって補強用
ウエスト部17に対応する部分の延伸が抑えられ、他の
部分に比べて厚肉の状態に延伸することができる。
【0031】したがって、この1次ブロー金型30に形
成する環状の突出部33の内径が小さく(後述の65%
より小さくなると)なってキャビティ32の胴部の径に
対する高さが大きくなれば、延伸ブロー成形時に突出部
33が引っ掛かりとなって樹脂の流れが阻害され、キャ
ビティ32の底部まで生き届かなくなってしまう恐れが
あり、逆に突出部33の内径が大きく(後述の90%を
越えると)なってキャビティ32の胴部の径に対する高
さが低くなれば、延伸を抑えて厚肉化することが出来な
くなってしまうことから、キャビティ32の胴部径(1
00%)に対して、突出部33の内径が65〜90%、
好ましくは70〜80%の範囲とすることで、他の部分
への樹脂の流動性を確保しつつ部分的な厚肉化を図るこ
とを可能とする。
【0032】また、環状の突起部33の幅については、
最終製品に形成すべき補強用ウエスト部17の幅(上下
方向のくぼみの幅)に応じてほぼ同等ないし広めとなる
ように1次ブロー金型30のキャビティ32の大きさに
応じた比率で形成することで、最終製品の耐熱性ボトル
10の補強用ウエスト部17の肉厚を厚肉にすることが
できる。
【0033】なお、実験では、例えば1次ブロー金型3
0の突出部33の内径をキャビティ32の胴部径に対し
て75%とし、幅を最終製品の大きさと1次ブロー金型
30のキャビティ32の大きさの比率と同一の比率とし
た場合に、図4に最終製品の肉厚分布の測定結果を示す
ように、最終製品である耐熱性ボトル10の胴部14を
ほぼ均一な肉厚にすることができ、しかも接地部15か
ら80mmの高さの補強用ウエスト部17は胴部14よ
り薄肉にならず厚肉にすることができた。
【0034】このような環状の突出部33を備えた1次
ブロー金型30を用いる1次ブロー成形では、次のよう
なプリフォーム20を用いる。
【0035】このプリフォーム20は、ブロー成形後の
耐熱性ボトル10の接地部15から胴部14の下部(胴
下部)に対応するプリフォーム20の側壁部21の下部
(胴下部相当部)21aが段差なく厚肉とされた厚肉部
22を備え、この厚肉部22を、図2(a)に示すよう
に、側壁部21の外表面と内表面の中心軸と平行な線
(鉛直線)に対する傾斜を変えることで底部23に向か
って段差なく厚くするように形成してある。
【0036】さらに、このプリフォーム20を用いる1
次ブロー成形では、耐熱性を確保するためには、口部1
1およびサポートリング12以外の延伸すべき他の部分
のうち補強用ウエスト部17に対応する部分を除いて偏
肉が生じないようにできるだけ均一に延伸する必要があ
り、1次ブロー成形として2軸延伸ブロー成形する中間
成形品31の延伸倍率を、縦倍率を2.5〜3.5倍、
横倍率を4〜5.5倍の範囲として2軸延伸ブロー成形
することで比較的高延伸状態にし、薄肉化を図り、特に
中間成形品31の底部に肉が残らないようにする。
【0037】このような延伸倍率の範囲とすることで、
1次ブロー成形として行われる2軸延伸ブロー成形によ
る中間成形品31は、口部11およびサポートリング1
2以外の延伸すべき他の部分13〜16のうち補強用ウ
エスト部17に対応する部分を除いてほぼ均一に延伸さ
れて薄肉化され、底部も偏肉のない状態に成形されると
ともに、この後の工程のヒートセットによって加熱収縮
した場合に均一に熱結晶化することができ、しかも最終
工程の2次ブロー成形に適した大きさにすることができ
る。
【0038】この1次ブロー成形には、耐熱性ボトル1
0の1次ブロー金型30のキャビティ32の形状を図2
(b)に示すように、1次ブロー金型30として、補強
用ウエスト部17に対応する突出部33を備えたものが
用いられる。そして、プリフォーム20を110℃に加
熱し、1次ブロー金型30の底部を除くキャビティ32
を140℃、キャビティ32の底部を30℃に加熱し、
常温のブロー気体(圧縮空気)を2秒間吹き込んで2軸
延伸ブロー成形を行う。
【0039】この2軸延伸ブロー成形された中間成形品
31は、図2(c)に示すように、1次ブロー金型30
の型温140℃での型内収縮後に型内収縮後中間成形品
34として取り出される。
【0040】このような1次ブロー成形では、延伸倍率
が小さいと中間成形品31の底部に肉が残って底部の軽
量化が図れず、しかも底部の厚肉部分がヒートセットの
際の加熱によって白化してしまう。また、最終製品の耐
熱性ボトル10の耐熱性を確保するためには、ヒートセ
ットのための加熱温度を190〜200℃の範囲にする
必要があるが、加熱による熱収縮によって小さくなる
と、2次ブロー成形によっても所定の大きさの耐熱性ボ
トル10に成形できなくなってしまう。
【0041】したがって、これらの条件を満たすように
1次ブロー成形による延伸倍率を定めている。
【0042】一方、このような2軸延伸ブロー成形法に
より1次ブロー成形される中間成形品31は、その表面
積の大きさで見ると、1次ブロー金型30のキャビティ
32の表面積が、最終製品の耐熱ボトル10の表面積に
対して1.3〜2.0倍、好ましくは1.4〜2.0倍
とすることで得られる。なお、1次ブロー成形では、型
内収縮が生じることから、型内収縮後の中間成形品34
の表面積では、最終製品の耐熱ボトル10の表面積に対
して1.0〜1.5倍、好ましくは1.1〜1.5倍と
すればよい。
【0043】このような表面積の大きさの1次ブロー成
形による中間成形品31を成形することで、所定の耐熱
性を有し、所望の大きさの耐熱性ボトルを2段ブロー成
形することができる。
【0044】なお、例えば図2(b)に示したキャビテ
ィ32の形状では、表面積が624.07cm 2であ
り、同図(c)の型内収縮後の中間成形品34の表面積
は471.58cm 2であり、同図(e)の最終製品の
耐熱ボトル10の表面積が420.1cm 2であること
から、最終製品に対するそれぞれの比は、中間成形品
(キャビティ)31で1.49、型内収縮後の中間成形
品34で1.12となっている。
【0045】こうして得られた補強用ウエスト部17が
厚肉とされ、他の延伸部分がほぼ均一に薄肉化された1
次ブロー成形におる中間成形品31は、型内収縮後の中
間成形品34がヒートセットされる。
【0046】このヒートセットには、例えばパネルヒー
タ35が用いられ、表面温度を700〜800℃として
型内収縮後の中間成形品34の胴部表面温度が190〜
200℃、底部表面温度が150〜160℃となるよう
に加熱し、7.5〜8秒のヒートセットが行われ、熱結
晶化を図る。
【0047】このヒートセットにより加熱収縮が生じ、
例えば型内収縮後の中間成形品34に対して表面積で
0.77倍程度に収縮する。
【0048】こうして得られるヒートセット後の中間体
36は、補強用ウエスト部17が窪んだ状態となり、最
終成品の耐熱性ボトル10の胴径が丸形ボトルの場合の
67mm、角形ボトルの場合の60mmに対して、胴径
が50〜60mmとされる。この後、最終工程として2
次ブロー成形が行われる。
【0049】この2次ブロー成形では、最終製品の耐熱
性ボトル10の形状で補強用ウエスト部17などに対応
するキャビティ41が形成された2次ブロー金型40が
用いられ、ブロー気体を吹き込んでブロー成形が行われ
るが、ここでは、2次ブロー気体として加熱気体が用い
られ、例えば100〜200℃の加熱エアを用いる。
【0050】この2次ブロー成形の成形条件は、例えば
2次ブロー金型40は、キャビティ41が160℃に加
熱されるとともに、キャビティ41の底部が30〜10
0℃に加熱され、100〜200℃の加熱エアをブロー
気体として吹き込んで約2〜2.5秒でブロー成形が行
われる。
【0051】このような2次ブロー成形によれば、2次
ブロー金型40のキャビティ41に比べてヒートセット
で熱収縮された小さい中間体36が2次ブロー金型40
にセットされるので、補強用ウエスト部17に対応する
部分によって噛み込みが起こることもなく金型40への
セットを容易として2次ブロー成形することができると
ともに、補強用ウエスト部17の肉厚を厚くした耐熱性
ボトル10を成形することができる。
【0052】例えば500ml用の耐熱性ボトル10を
ブロー成形して得た場合の肉厚分布の測定結果は、既に
図4で説明したように、最終製品である耐熱性ボトル1
0の胴部14をほぼ均一な肉厚にすることができ、しか
も接地部15から80mmの高さの補強用ウエスト部1
7は胴部14より薄肉にならず厚肉にすることができ
た。この耐熱性ボトル10では、表面積が420.1c
2となり、ヒートセット後の中間体36に対して1.
15倍となっている。
【0053】そして、こうして得られた耐熱性ボトル1
0では、延伸結晶化度および熱結晶化度が高く、白化等
の問題もなく耐熱性に優れた耐熱性ボトル10を成形す
ることができる。
【0054】さらに、ブロー気体として加熱エアを用い
ることで、得られた耐熱性ボトル10に加熱した内容物
を充填したり、内容物を充填後に加熱殺菌などを行う場
合の耐熱性ボトルの収縮を抑えることができる。
【0055】例えば一般耐熱性試験として85℃で充填
後、75℃・3分間のシャワー殺菌を行う場合と、高耐
熱性試験として91℃で充填後、75℃・3分間のシャ
ワー殺菌を行う場合とのそれぞれについて、2次ブロー
成形に用いるブロー気体の温度を110℃、160℃と
した場合と、常温のブロー気体を用いた場合のボトルの
収縮量を測定した結果を表1に示した。
【0056】同表から明らかなように、加熱したブロー
気体を用いることで、内容物充填後の収縮量を抑えるこ
とができ、しかもブロー気体の温度が高い方が収縮量が
小さくなっていることが分かる。
【0057】
【表 1】
【0058】また、この耐熱性ボトルの2段ブロー成形
法によれば、軽量化と樹脂の使用量削減を図ることがで
き、しかも連続した延伸状態となることから、1次ブロ
ー成形後の中間成形品を加熱してヒートセットする場合
でも、局部的な熱収縮を防止して2次ブロー成形するこ
とができ、耐熱性に優れたボトルを成形することができ
る。
【0059】さらに、こうして得られるペットボトル等
の耐熱性ボトルでは、薄肉化を図ることができるので、
廃棄する場合に簡単に押し潰すことができ、リサイクル
などのための回収も容易となる。
【0060】なお、上記実施の形態では、具体例として
500mlのペットボトルを成形する場合を例に説明し
たが、これに限らず、他の容積の場合ボトル状容器に同
様に適用することができる。
【0061】
【発明の効果】以上、一実施の形態とともに具体的に説
明したようにこの発明の耐熱性ボトルの2段ブロー成形
法によれば、樹脂の使用量の削減と軽量化を図るととも
に、ボトルとして必要な剛性や強度を確保した耐熱性ボ
トルを成形することができ、また2次ブロー成形した最
終製品の大きさを確保しつつボトル状容器として必要な
剛性や強度を確保した耐熱性ボトルを成形することがで
きる。
【0062】さらに、内容物を熱間で充填したり、内容
物を充填した後、加熱殺菌や加熱滅菌を行う場合のボト
ルの収縮を抑えることができる。
【0063】したがって、一層の剛性と強度を向上して
耐熱性に優れたボトルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法の
一実施の形態にかかる概略工程図である。
【図2】この発明の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法の
一実施の形態にかかる各工程における中間成形品等の概
略形状の説明図である。
【図3】この発明の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法の
たの実施の形態にかかる最終成品の概略形状の説明図で
ある。
【図4】この発明の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法の
一実施の形態にかかる最終製品の肉厚分布の測定結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 耐熱性ボトル 11 口部 12 サポートリング 13 肩部 14 胴部 15 接地部 16 底凹部 17 補強用ウエスト部 20 プリフォーム 21 側壁部 21a 下部(胴下部相当部) 22 厚肉部 23 底部 30 1次ブロー金型 31 中間成形品 32 キャビティ 33 突出部 34 型内収縮後中間成形品 35 パネルヒータ 36 中間体 40 2次ブロー金型 41 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F208 AG07 AG28 AH55 AR06 AR12 LA02 LA03 LA05 LB01 LG03 LG28 LH03 LH06 LH18 LN01 LN12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状のプリフォームを1次ブロー金
    型内で2軸延伸ブロー成形したのち、ヒートセットして
    加熱収縮させ、次いで2次ブロー金型内でブロー成形し
    て耐熱性ボトルを成形するに際し、 最終成品である耐熱性ボトルの胴部に形成する補強用ウ
    エスト部に対応する前記1次ブロー金型のキャビティ位
    置に形成した突出部により1次ブロー成形される中間成
    形品の当該補強用ウエスト部の対応部分を厚肉に成形す
    るようにしたことを特徴とする耐熱性ボトルの2段ブロ
    ー成形法。
  2. 【請求項2】 前記1次ブロー金型のキャビティ位置に
    形成する突出部の内径が、当該1次ブロー金型の胴部径
    に対して65〜90%となるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法。
  3. 【請求項3】 前記1次ブロー金型内で1次ブロー成形
    する中間成形品の延伸倍率を、縦倍率2.5〜3.5
    倍、横倍率4〜5.5倍の範囲として成形するようにし
    たことを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性ボト
    ルの2段ブロー成形法。
  4. 【請求項4】 前記1次ブロー金型内で1次ブロー成形
    する中間成形品の表面積を、最終成品の表面積の1.0
    〜2.0倍にブロー成形するようにしたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の耐熱性ボトルの2段ブロー成
    形法。
  5. 【請求項5】 有底筒状のプリフォームを1次ブロー金
    型内で2軸延伸ブロー成形したのち、ヒートセットして
    加熱収縮させ、次いで2次ブロー金型内でブロー成形し
    て耐熱性ボトルを成形するに際し、 前記2次ブロー金型内でのブロー成形に用いるブロー気
    体を加熱気体としてブロー成形するようにしたことを特
    徴とする耐熱性ボトルの2段ブロー成形法。
  6. 【請求項6】 前記2次ブロー金型内でのブロー成形に
    用いるブロー気体を加熱気体としてブロー成形するよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の耐熱性ボトルの2段ブロー成形法。
  7. 【請求項7】 前記加熱気体の温度を100〜200℃
    としたことを特徴とする請求項5または6記載の耐熱性
    ボトルの2段ブロー成形法。
JP2001300740A 2001-09-28 2001-09-28 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法 Pending JP2003103609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300740A JP2003103609A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300740A JP2003103609A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003103609A true JP2003103609A (ja) 2003-04-09

Family

ID=19121272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001300740A Pending JP2003103609A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003103609A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083599A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Unitika Ltd 生分解性容器およびその成形方法
WO2010024165A1 (ja) 2008-08-28 2010-03-04 東洋製罐株式会社 プリフォームの圧縮成形金型及びプリフォーム、これを用いた飲・食料品無菌充填システム及びブロー成形容器の製造方法
WO2013074502A1 (en) * 2011-11-15 2013-05-23 Amcor Limited Plural blow utilization of counter stretch rod and/or base pushup
WO2013103798A3 (en) * 2012-01-05 2013-08-29 Amcor Limited Molding apparatus and method for applying positive pressure to molded container
JP2016210089A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 東洋製罐株式会社 薄肉化耐熱性ポリエステルボトルの製造方法
JP2018079574A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 東洋製罐株式会社 合成樹脂製耐熱容器の二軸延伸ブロー成形用プリフォーム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083599A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Unitika Ltd 生分解性容器およびその成形方法
WO2010024165A1 (ja) 2008-08-28 2010-03-04 東洋製罐株式会社 プリフォームの圧縮成形金型及びプリフォーム、これを用いた飲・食料品無菌充填システム及びブロー成形容器の製造方法
US8800248B2 (en) 2008-08-28 2014-08-12 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. System for aseptically filling a container with a beverage or food
WO2013074502A1 (en) * 2011-11-15 2013-05-23 Amcor Limited Plural blow utilization of counter stretch rod and/or base pushup
US9522508B2 (en) 2011-11-15 2016-12-20 Amcor Limited Plural blow utilization of counter stretch rod and/or base pushup
WO2013103798A3 (en) * 2012-01-05 2013-08-29 Amcor Limited Molding apparatus and method for applying positive pressure to molded container
US9636878B2 (en) 2012-01-05 2017-05-02 Amcor Limited Molding apparatus and method for applying positive pressure to molded container
JP2016210089A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 東洋製罐株式会社 薄肉化耐熱性ポリエステルボトルの製造方法
JP2018079574A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 東洋製罐株式会社 合成樹脂製耐熱容器の二軸延伸ブロー成形用プリフォーム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3047732B2 (ja) 二軸延伸ブロー容器の製造方法
JP4840367B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルボトルの製造方法
JP4599900B2 (ja) プリフォーム及びこのプリフォームから成るブロー成形容器
US20140332490A1 (en) Flat container comprising thermoplastic resin and method for molding the same
JPH0688315B2 (ja) 耐熱性中空容器のための一次ブロー成形品
JP3797156B2 (ja) ボトル状容器のブロー成形用プリフォーム
JP4292918B2 (ja) プラスチックボトル容器用プリフォーム
JP4210901B2 (ja) ボトル状容器の製造方法
JPH07156933A (ja) 耐圧自立容器及びその製造方法
JP3086882B2 (ja) 耐熱性と耐圧性を備えたボトルの成形方法
JP2003103609A (ja) 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法
JP2001206336A (ja) ポリエステル樹脂積層容器とその成形方法
JP4333280B2 (ja) プラスチックボトル容器
JP4289048B2 (ja) 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法
JP4148065B2 (ja) プラスチックボトル容器の延伸ブロー成形方法及びこの成形方法により形成されるプラスチックボトル容器
JP2003104404A (ja) 樹脂製チューブ状容器及びそのプリフォーム
JP2003103607A (ja) 耐熱性ボトルの底部構造
JPH01157828A (ja) 熱固定ポリエステル延伸成形容器
JP2001150524A (ja) 耐熱性ポリエステル樹脂積層容器とその成形方法
JP3680526B2 (ja) 延伸樹脂容器及びその製法
JP3449182B2 (ja) 耐熱性延伸樹脂容器の製法
JP2005028680A (ja) 耐熱性ボトルの2段ブロー成形法
JP4286968B2 (ja) プリフォーム
JPS63185620A (ja) 熱固定されたポリエステル延伸成形容器の製法
JPS6387219A (ja) 二軸延伸ポリエステル容器の製造方法