図1は、本発明の第1の実施形態に係る加圧溶解型の微細気泡発生装置を浴槽に適用した場合の要部を示す構成図である。この図において、微細気泡発生装置10aは、浴槽12から離間した位置に配設された気密状の気液溶解タンク(気液混合タンク)14と、気液溶解タンク14から送り込まれた浴用水を浴槽12内に吐出する微細気泡発生ノズル16と、浴槽12及び気液溶解タンク14を連結する浴用水取込配管18と、気液溶解タンク14及び微細気泡発生ノズル16を連結する浴用水送出配管20と、浴用水を循環させる循環ポンプ22と、気液溶解タンク14内に外部から気体を取り込む気体取込部24とを備えている。
気液溶解タンク14は、循環ポンプ22の下流側に配設され、浴槽12内に満たされている浴用水Wの水面位置Lの上下に跨って、すなわち前記浴槽12内の浴用水Wの水面位置Lより高い位置から低い位置に亘って、気密の内部空間を有するように配設されることで、前記内部空間の上方に気体を取り込む気体取込空間Kが形成されるようにしたものであり、浴用水取込配管18を通って送り込まれた浴用水Wに、気体取込空間Kに取り込まれている気体を溶解させるものである。すなわち、浴槽12から浴用水Wが送り込まれることにより気密状の気液溶解タンク14内が加圧されると共に、水流により浴用水Wが攪拌されることで気体取込空間Kに取り込まれている気体が溶解される。なお、気液溶解タンク14は、その上部を拡幅することで気体取込空間Kの容積割合が大きくなるような形状とされており、これにより所定の入浴時間中に連続して微細気泡が発生されるようになっている。
微細気泡発生ノズル16は、浴用水Wの吐出面を内側に向けて浴槽12に取り付けられたもので、浴用水送出配管20を通って気液溶解タンク14から送り込まれた加圧された状態の浴用水Wが急激に減圧されて吐出面から吐出されることで溶解されている気体が気化され、浴槽12内の浴用水W中に大量の微細気泡を放出するものである。
浴用水取込配管18は、浴用水送出配管20と共に浴用水Wを循環させる循環経路を構成するものであり、浴用水Wの取込口が浴槽12内に設けられ、前記循環ポンプ22を介して、浴槽12内から取り込んだ浴用水Wを排出する連絡口が気液溶解タンク14の前記水面位置Lより高い位置に設けられたものである。浴用水送出配管20は、浴用水Wの取込みを行う連絡口が気液溶解タンク14の前記水面位置Lより低い位置、図1の例では底部に設けられ、気液溶解タンク14から取り込んだ浴用水Wを送出する送出口が前記微細気泡発生ノズル16に接続されたものである。
循環ポンプ22は、浴用水取込配管18内に配設されたものであり、浴槽12内の浴用水Wを前記浴用水取込配管18を介して取り込むと共に、気液溶解タンク14内に送り込むことで気液溶解タンク14内を加圧し、この加圧された気液溶解タンク14内における気体の溶解された浴用水Wを微細気泡発生ノズル16に送り込むものである。
気体取込部24は、前記気液溶解タンク14において、前記水面位置Lより高い上部に取り付けられた気体取込配管26に取り付けられた逆止弁により構成されたもので、気液溶解タンク14内に取り込まれている気体が消滅あるいは所定量まで減少したときに循環ポンプ22の運転を停止することで外部から気液溶解タンク14内に気体を取り込むようにしたものである。すなわち、気液溶解タンク14は気密状に構成されていることから、浴用水Wが送り込まれることで気液溶解タンク14内において気体が浴用水Wに溶解されて気体量が減少すると共に、浴用水Wの水位が上昇することになる。
このため、循環ポンプ22の運転を停止することで浴用水Wの水位が低下し、これにより気液溶解タンク14の内部が負圧になることで逆止弁の弁体が開放され、この開放時に外部から気体が取り込まれる。気体が取り込まれた後は負圧が解消されるので、弁体が閉じられて気液溶解タンク14は気密状にされる。なお、気体取込部24から取り込まれる気体は、大気中の空気でも酸素を過剰に含む空気でもよく、さらにはオゾンガスなどの他の気体であってもよい。要は、浴槽12内の浴用水Wや入浴者に対して好影響を与える気体であればよい。
図2は、上記のように構成された第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。すなわち、微細気泡発生装置10aの運転開始前における気液溶解タンク14内の気体量は最大となっている。この状態で、入浴者などにより図略の電源スイッチがオンにされるなどして循環ポンプ22の運転が開始されると(時刻t0)、浴槽12内の浴用水Wが気液溶解タンク14内に送り込まれることで気液溶解タンク14内の圧力が上昇し、気液溶解タンク14内の浴用水Wに気体が溶解される。この気体の溶解された浴用水Wは微細気泡発生ノズル16に送り込まれ、浴槽12内の浴用水W中に微細気泡が放出される。
一方、気液溶解タンク14内に取り込まれていた気体は時間の経過と共に徐々に消費されて減少していくため、気液溶解タンク14内の気体がすべて消滅して気体の溶解されている浴用水Wがすべて浴槽12内に吐出された段階で微細気泡の放出が停止される(時刻t1)。微細気泡の発生が停止されても、浴槽12内の浴用水W中の微細気泡は一定時間だけは保持されるので、浴槽12内の浴用水W中の微細気泡が消滅した段階で入浴者などにより図略の電源スイッチがオフにされ、循環ポンプ22の運転が停止される(時刻t2)。
循環ポンプ22の運転が停止されると、気液溶解タンク14内の上昇していた浴用水Wの水位が低下して上方空間が負圧になる結果、気体取込部24の弁体が開放されて外部から気体が気液溶解タンク14内に取り込まれる。一定時間が経過して気体取込空間Kの気体量が最大になると負圧が解消され、気体取込部24の弁体が閉じられて気液溶解タンク14が気密状にされる(時刻t3)。
このように、この第1の実施形態では、気液溶解タンク14に設けた気体取込部24により外部から気液溶解タンク14内に気体を取り込むようにしているので、循環ポンプ22に余計な負荷が生じないようになり、循環ポンプ22の効率低下を抑制することができ、運転音の低減化を図ることができる。また、循環ポンプ22の運転が停止されて気液溶解タンク14内の圧力が低くなったときに気体を取り込むようにしているので、気液溶解タンク14内への気体の取り込みが容易となる。また、気液溶解タンク14は、浴槽12内における浴用水Wの水面位置Lの上下に跨って、すなわち前記水面位置Lより高い位置から低い位置に亘って、気密の内部空間を有するように配設されることで、その内部空間の上方に気体取込空間Kが形成されるようにしており、さらにこの気体取込空間Kは浴用水Wの水面位置Lで規制されて水面位置Lよりも下方には形成されず、したがって気体取込空間Kの容積を略一定にすることができる結果、所定の微細気泡発生時間を容易に確保することができる。
なお、この第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aにおいて、図3に示すように、循環ポンプ22の運転動作をマイコンなどで構成された運転制御部28により制御するようにしてもよい。この場合、気体取込部24を運転制御部28により駆動される電磁弁で構成することもできる。このように気体取込部24を電磁弁で構成する場合、循環ポンプ22の運転が停止されたときに運転制御部28により駆動することで弁体が開放され、この弁体の開放時に外部から気体が取り込まれるようにし、気体の取り込みが終了した段階で弁体を閉じるようにすればよい。
この弁体を閉じるタイミングは、弁体の開放時からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。すなわち、弁体の開放時間が経過することに応じて取り込まれる気体が増加していくため、この弁体の開放時からの経過時間を管理することで気液溶解タンク14内の気体量を監視することができる。また、取り込まれる気体が増加していくことに応じて気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位が低下していくため、この浴用水Wの水位を水位センサで検出することで気液溶解タンク14内の気体量を監視することができる。
また、循環ポンプ22の運転動作を運転制御部28により制御する場合、気体がなくなって微細気泡発生ノズル16から微細気泡が放出されなくなった段階で、循環ポンプ22の運転を自動的に停止するようにすることもできる。この運転動作の停止タイミングは、循環ポンプ22の運転開始からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。さらには、循環ポンプ22の運転動作を運転制御部28により制御する場合、気液溶解タンク14内の気体をすべて消費するまでに停止させるようにしてもよい。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る加圧溶解型の微細気泡発生装置を浴槽に適用した場合の要部を示す構成図である。この第2の実施形態に係る微細気泡発生装置10bでは、第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aと基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aとの相違点を中心に説明する。
この第2の実施形態に係る微細気泡発生装置10bは、第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aとは、循環ポンプ22の運転を制御する運転制御部30を備え、この運転制御部30により循環ポンプ22を所定回数だけ間欠運転するようにした点で相違するものであり、その他の構成は第1の実施形態に係るものと同一である。すなわち、この第2の実施形態に係る微細気泡発生装置10bは、循環ポンプ22の運転を制御するマイコンなどで構成された運転制御部30を備えており、この運転制御部30を構成する記憶部に循環ポンプ22の運転制御プログラムが記憶されたものである。
図5は、上記のように構成された第2の実施形態に係る微細気泡発生装置10bの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。すなわち、微細気泡発生装置10bの運転開始前における気液溶解タンク14内の気体量は最大となっている。この状態で、入浴者などにより図略の電源スイッチがオンにされるなどして循環ポンプ22の運転が開始されると(時刻t0)、浴槽12内の浴用水Wが気液溶解タンク14内に送り込まれることで気液溶解タンク14内の圧力が上昇し、気液溶解タンク14内の浴用水Wに気体が溶解される。この気体の溶解された浴用水Wは微細気泡発生ノズル16に送り込まれ、浴槽12内の浴用水W中に微細気泡が放出される。
一方、気液溶解タンク14内に取り込まれていた気体は時間の経過と共に徐々に消費されて減少していくが、気体がすべてなくなるまでに循環ポンプ22の運転が停止される(時刻t1)。この運転停止のタイミングは、循環ポンプ22の運転開始からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。
すなわち、循環ポンプ22の運転時間が経過することに応じて気体が減少していくため、この循環ポンプ22の運転開始からの経過時間を管理することで気液溶解タンク14内の気体量を監視することができる。また、循環ポンプ22の運転時間が経過して気体が徐々に減少していくことに応じて気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位が上昇していくため、この浴用水Wの水位を水位センサで検出することで気液溶解タンク14内の気体量を監視することができる。なお、気体がすべてなくなるまでに循環ポンプ22の運転を停止するのは、循環ポンプ22の運転再開後も微細気泡発生ノズル16から微細気泡が安定して放出されるようにするためである。
このように循環ポンプ22の運転が停止されると、気液溶解タンク14内の上昇していた浴用水Wの水位が低下して上方空間が負圧になる結果、気体取込部24の弁体が開放されて外部から気体が気液溶解タンク14内に取り込まれる。一定時間が経過して気体取込空間Kの気体量が最大になると負圧が解消され、気体取込部24の弁体が閉じられて気液溶解タンク14が気密状態にされる(時刻t2)。そして、気体取込部24の弁体が閉じられてから一定時間が経過した後に循環ポンプ22の運転が再開される(時刻t3)。
その後、上記と同様の動作が所定回数だけ繰り返し実行される。すなわち、時刻t4、t7及びt10で循環ポンプ22の運転が停止され、時刻t5、t8及びt11で気体が最大量になり、時刻t6及びt9で循環ポンプ22の運転が再開される。この実施形態では、循環ポンプ22の運転及び停止を4回繰り返すことで微細気泡発生装置10bの運転が終了される。なお、この循環ポンプ22の間欠運転における運転停止時間(時刻t1―t3、t4―t6、t7―t9)は、浴槽12内の浴用水W中に放出された微細気泡が消滅しない時間内(例えば、2分以内)に設定されており、これにより実質的に連続運転した場合と同様の効果を得ることができる。
このように、この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、気液溶解タンク14に設けた気体取込部24により外部から気液溶解タンク14内に気体を取り込むようにしているので、循環ポンプ22に余計な負荷が生じないようになり、循環ポンプ22の効率低下を抑制することができ、運転音の低減化を図ることができる。また、循環ポンプ22の運転が停止されて気液溶解タンク14内の圧力が低くなったときに気体を取り込むようにしているので、気液溶解タンク14内への気体の取り込みが容易となる。また、気液溶解タンク14は、浴槽12内における浴用水Wの水面位置の上下に跨って配設されることで内部上方に気体取込空間Kが形成されるようにしているので、この気体取込空間Kは浴用水Wの水面位置Lで規制されることで水面位置Lよりも下方には形成されないことになり、気体取込空間Kの容積を略一定にすることができる結果、所定の微細気泡発生時間を容易に確保することができる。さらに、循環ポンプ22を所定回数だけ間欠運転し、循環ポンプ22が停止される毎に気体を取り込むようにしているため、気液溶解タンク14内の気体取込空間Kを第1の実施形態のものに比べて小さくすることができる結果、気液溶解タンク14の小型化を促進することができ、ひいては微細気泡発生装置10bの小型化を図ることができる。
なお、この第2の実施形態に係る微細気泡発生装置10bにおいて、図6に示すように、気体取込部24を運転制御部30により駆動される電磁弁で構成することもできる。このように気体取込部24を電磁弁で構成する場合、循環ポンプ22の運転が停止されたときに運転制御部30により駆動することで弁体が開放され、この弁体の開放時に外部から気体が取り込まれるようにし、気体の取り込みが終了した段階で弁体を閉じるようにすればよい。
この弁体を閉じるタイミングは、弁体の開放時からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。すなわち、図5に示す気体取込部24が作動する時間(時刻t1―t2、t4―t5、t7―t8、t10―t11)に電磁弁を駆動して弁体を開放し、この弁体の開放期間に外部から気体を取り込むようにすればよい。
また、入浴者などによる選択スイッチの操作により間欠運転の繰り返し回数を設定変更可能にすることもできる。この場合、例えば、運転制御部30を構成している記憶部に間欠運転の繰り返し回数を異にする複数の運転制御プログラムを記憶させておき、入浴者などが選択スイッチを操作して所定の運転制御プログラムを選択するようにすればよい。このようにしておくと、浴槽12の使用時間の長短に応じて効率的に微細気泡を発生させることができる。
図7は、本発明に係る参考例の加圧溶解型の微細気泡発生装置を浴槽に適用した場合の要部を示す構成図である。この参考例の微細気泡発生装置10cでは、第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aと基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aとの相違点を中心に説明する。
この参考例の微細気泡発生装置10cは、第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aとは、気体を生成する気体発生器34と、この気体発生器34で生成された気体を気体取込部24に送り込む気体注入ポンプ36と、循環ポンプ22、気体発生器34及び気体注入ポンプ36の運転を制御する運転制御部38とを備えた点で相違するものであり、その他の構成は第1の実施形態に係るものと同一である。
すなわち、この参考例の微細気泡発生装置10cは、気体注入ポンプ36により気体を気体取込部24に送り込み、この送り込まれた気体を気体取込部24から気液溶解タンク14内に取り込むようにしたものであるため、第1の実施形態に係る微細気泡発生装置10aのように、気液溶解タンク14を浴槽12内における浴用水Wの水面位置Lの上下に跨って設ける必要のないものである点で大きく相違している。なお、気体発生器34は、オゾンガスや酸素過剰の空気などの浴用水Wや人体などに好影響を与える気体(本発明では、機能ガスと呼ぶ。)を生成するもので、周知の構成になるものであることから詳細な説明を省略する。また、運転制御部38は、循環ポンプ22、気体発生器34及び気体注入ポンプ36の運転を制御する運転制御プログラムが記憶部に記憶されたものである。
図8は、上記のように構成された参考例の微細気泡発生装置10cの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。すなわち、この微細気泡発生装置10cでは、入浴者などにより図略の電源スイッチがオンにされるなどすると、最初に気体発生器34が駆動されて所定の気体(機能ガス)が生成されると共に、気体注入ポンプ36の運転が開始されて気体発生器34で生成された気体が気体取込部24に送り込まれる。ここでは、気体取込部24が逆止弁で構成されており、気液溶解タンク14内が相対的に負圧になることから弁体が開放される(時刻t0)。このため、気体が気液溶解タンク14内に強制的に送り込まれ、気体量が規定値である最大値になった段階で気体注入ポンプ36の運転が停止され、これに応じて気体取込部24の弁体が閉じられる(時刻t1)。
この気体注入ポンプ36の運転停止のタイミングは、循環ポンプ36の運転開始からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。すなわち、気体注入ポンプ36の運転時間が経過することに応じて気液溶解タンク14内に送り込まれる気体量が増加していくため、気体注入ポンプ36の運転開始からの経過時間を管理することで気液溶解タンク14内の気体量を監視することができる。また、気体注入ポンプ36の運転時間が経過して気体量が増加していくことに応じて気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位が下降していくため、この浴用水Wの水位を水位センサで検出することで気液溶解タンク14内の気体量を監視することができる。
このように、微細気泡発生装置10cの運転開始前における気液溶解タンク14内の気体量が最大となっている状態で、循環ポンプ22の運転が開始され(時刻t2)、浴槽12内の浴用水Wが気液溶解タンク14内に送り込まれることで気液溶解タンク14内の圧力が上昇し、気液溶解タンク14内の浴用水Wに気体が溶解される。この気体の溶解された浴用水Wは微細気泡発生ノズル16に送り込まれ、浴槽12内の浴用水W中に微細気泡が放出される。
一方、気液溶解タンク14内に取り込まれていた気体は時間の経過と共に徐々に消費されて減少していくため、気液溶解タンク14内の気体がすべて消滅し、気体の溶解されている浴用水Wがすべて浴槽12内に吐出された段階で微細気泡発生ノズル16からの微細気泡の放出が停止される(時刻t3)。微細気泡の発生が停止されても、浴槽12内の浴用水W中の微細気泡は一定時間だけは保持されるので、浴槽12内の浴用水W中の微細気泡が消滅した段階で入浴者などにより図略の電源スイッチがオフにされ、循環ポンプ22の運転が停止される(時刻t4)。
循環ポンプ22の運転が停止されると、次の浴槽12の使用に備えて気体発生器34が駆動され所定の気体が生成されると共に、気体注入ポンプ36の運転が開始されて気体発生器34で生成された気体が気体取込部24に送り込まれる。これにより、気液溶解タンク14内が相対的に負圧になることから弁体が開放されて気体が気液溶解タンク14内に強制的に送り込まれ、気体量が規定値である最大値になった段階で気体注入ポンプ36の運転が停止され、これに応じて気体取込部24の弁体が閉じられる(時刻t5)。
このように、この参考例では、第1の実施形態と同様に、気液溶解タンク14に設けた気体取込部24により外部から気液溶解タンク14内に気体を取り込むようにしているので、循環ポンプ22に余計な負荷が生じないようになり、循環ポンプ22の効率低下を抑制することができ、運転音の低減化を図ることができる。また、循環ポンプ22の運転が停止されて気液溶解タンク14内の圧力が低くなったときに気体を取り込むようにしているので、気液溶解タンク14内への気体の取り込みが容易となる。また、気体を気体注入ポンプ36により気液溶解タンク14内に強制的に送り込むようにしているので、気液溶解タンク14の配置位置に規制を受けることがなくなる結果、微細気泡発生装置10cのレイアウトの自由度が増大される。さらには、気体注入ポンプ36により気体を気液溶解タンク14内に送り込むようにしているので、気体の取込量を常に一定にすることができる結果、所定の微細気泡発生時間を容易に確保することができる。
なお、この参考例の微細気泡発生装置10cにおいて、図9に示すように、気体取込部24を運転制御部38により駆動される電磁弁で構成することもできる。このように気体取込部24を電磁弁で構成する場合、気体注入ポンプ36の運転が開始されるときに運転制御部38により駆動することで弁体が開放され、この弁体の開放時に気体注入ポンプ36により気体が送り込まれるようにし、気体の送り込みが終了した段階で弁体を閉じるようにすればよい。この弁体を閉じるタイミングは、弁体の開放時からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。
また、気液溶解タンク14内に取り込む気体は空気であってもよく、この場合では気体発生器34は不要となる。また、気体発生器34を用いる場合であっても、生成した気体を貯蔵タンクに貯蔵するようにしておくと、気液溶解タンク14内に気体を取り込む度に気体発生器34を駆動させる必要がなくなる。さらには、循環ポンプ22は、気液溶解タンク14内の気体をすべて消費するまでに停止させるようにしてもよい。
図10は、本発明の第2の参考例の加圧溶解型の微細気泡発生装置を浴槽に適用した場合の要部を示す構成図である。この第2の参考例の微細気泡発生装置10dでは、参考例の微細気泡発生装置10cと基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には参考例の微細気泡発生装置10cとの相違点を中心に説明する。
この第2の参考例の微細気泡発生装置10dは、参考例の微細気泡発生装置10cとは、循環ポンプ22、気体発生器34及び気体注入ポンプ36の運転を制御する運転制御部40を備え、この運転制御部40により循環ポンプ22、気体発生器34及び気体注入ポンプ36を所定回数だけ間欠運転するようにした点で相違するものであり、その他の構成は参考例のものと同一である。すなわち、この第2の参考例の微細気泡発生装置10dは、循環ポンプ22、気体発生器34及び気体注入ポンプ36の運転を制御するマイコンなどで構成された運転制御部40を備えており、この運転制御部40を構成する記憶部に循環ポンプ22、気体発生器34及び気体注入ポンプ36を所定回数だけ間欠運転する運転制御プログラムが記憶されたものである。
図11は、上記のように構成された第2の参考例の微細気泡発生装置10dの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。すなわち、この微細気泡発生装置10dでは、入浴者などにより図略の電源スイッチがオンにされるなどすると、最初に気体発生器34が駆動されて所定の気体(機能ガス)が生成されると共に、気体注入ポンプ36の運転が開始されて気体発生器34で生成された気体が気体取込部24に送り込まれる。ここでは、気体取込部24が逆止弁で構成されており、気液溶解タンク14内が相対的に負圧になることから弁体が開放される(時刻t0)。
このため、気体が気液溶解タンク14内に強制的に送り込まれ、気体量が規定値である最大値になった段階で気体注入ポンプ36の運転が停止され、これに応じて気体取込部24の弁体が閉じられる(時刻t1)。この気体注入ポンプ36の運転停止のタイミングは、参考例の場合と同様に、循環ポンプ36の運転開始からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。
このように、微細気泡発生装置10dの運転開始前における気液溶解タンク14内の気体量が最大となっている状態で、循環ポンプ22の運転が開始され(時刻t2)、浴槽12内の浴用水Wが気液溶解タンク14内に送り込まれることで気液溶解タンク14内の圧力が上昇し、気液溶解タンク14内の浴用水Wに気体が溶解される。この気体の溶解された浴用水Wは微細気泡発生ノズル16に送り込まれ、浴槽12内の浴用水W中に微細気泡が放出される。
一方、気液溶解タンク14内に取り込まれていた気体は時間の経過と共に徐々に消費されて減少していくことになるが、気体がすべてなくなるまでに循環ポンプ22の運転が停止される(時刻t3)。この運転停止のタイミングは、第3の実施形態の場合と同様に、循環ポンプ22の運転開始からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。なお、気体がすべてなくなるまでに循環ポンプ22の運転を停止するのは、循環ポンプ22の運転再開後も微細気泡発生ノズル16から微細気泡が安定して放出されるようにするためである。
循環ポンプ22の運転が停止されると、気体発生器34が駆動され所定の気体が生成されると共に、気体注入ポンプ36の運転が再開されて気体発生器34で生成された気体が気体取込部24に送り込まれる(時刻t3)。これにより、気液溶解タンク14内が相対的に負圧になることから弁体が開放されて気体が気液溶解タンク14内に強制的に送り込まれ、気体量が規定値である最大値になった段階で気体注入ポンプ36の運転が停止され、これに応じて気体取込部24の弁体が閉じられる(時刻t4)。そして、気体取込部24の弁体が閉じられてから一定時間が経過した後に循環ポンプ22の運転が再開される(時刻t5)。
その後、上記と同様の動作が所定回数だけ繰り返し実行される。すなわち、時刻t6、t9及びt12で循環ポンプ22の運転が停止され、時刻t8及びt11で循環ポンプ22の運転が再開される。また、時刻t6、t9及びt12で気体発生器34が駆動されて所定の気体が生成されると共に、気体注入ポンプ36の運転が再開され、気体取込部24に気体が送り込まれる。そして、時刻t7、t10及びt13で気体発生器34の駆動が停止されると共に、気体注入ポンプ36の運転が停止され、気体取込部24の弁体が閉じられる。この第2の参考例では、循環ポンプ22の運転及び停止を4回繰り返すことで微細気泡発生装置10dの運転が終了される。なお、この循環ポンプ22の間欠運転における運転停止時間(時刻t3―t5、t6―t8、t9―t11)は、浴槽12内の浴用水W中に放出された微細気泡が消滅しない時間内(例えば、2分以内)に設定されており、これにより実質的に連続運転した場合と同様の効果を得ることができる。
このように、この第2の参考例では、参考例と同様に、気液溶解タンク14に設けた気体取込部24により外部から気液溶解タンク14内に気体を取り込むようにしているので、循環ポンプ22に余計な負荷が生じないようになり、循環ポンプ22の効率低下を抑制することができ、運転音の低減化を図ることができる。また、循環ポンプ22の運転が停止されて気液溶解タンク14内の圧力が低くなったときに気体を取り込むようにしているので、気液溶解タンク14内への気体の取り込みが容易となる。また、気体を気体注入ポンプ36により気液溶解タンク14内に気体を強制的に送り込むようにしているので、気液溶解タンク14の配置位置に規制を受けることがなくなる結果、微細気泡発生装置10cを構成する各部材のレイアウトの自由度が増大される。
また、気体注入ポンプ36により気体を気液溶解タンク14内に送り込むようにしているので、気体の取込量を容易に管理することができ、その取込量を常に一定にすることができる結果、所定の微細気泡発生時間を容易に確保することができる。さらに、循環ポンプ22を所定回数だけ間欠運転し、循環ポンプ22が停止される毎に気体注入ポンプ36により気体を送り込むようにしているため、気液溶解タンク14内の気体取込空間を参考例のものに比べて小さくすることができる結果、気液溶解タンク14の小型化を促進することができ、ひいては微細気泡発生装置10dの小型化を図ることができる。
なお、この第2の参考例の微細気泡発生装置10dにおいて、図12に示すように、気体取込部24を運転制御部40により駆動される電磁弁で構成することもできる。このように気体取込部24を電磁弁で構成する場合、気体注入ポンプ36の運転が開始されるときに運転制御部40により駆動することで弁体が開放され、この弁体の開放時に気体注入ポンプ36により気体が送り込まれるようにし、気体の送り込みが終了した段階で弁体を閉じるようにすればよい。
この弁体を閉じるタイミングは、弁体の開放時からの経過時間や、水位センサで検出した気液溶解タンク14内の浴用水Wの水位などで管理することができる。すなわち、図11に示す気体取込部24が作動する時間(時刻t0―t1、t3―t4、t6―t7、t9―t10、t12―t13)に電磁弁を駆動して弁体を開放し、この弁体の開放期間に外部から気体を取り込むようにすればよい。
また、入浴者などによる選択スイッチの操作により間欠運転の繰り返し回数を設定変更可能にすることもできる。この場合、例えば、運転制御部40を構成している記憶部に間欠運転の繰り返し回数を異にする複数の運転制御プログラムを記憶させておき、入浴者などが選択スイッチを操作して所定の運転制御プログラムを選択するようにすればよい。このようにしておくと、浴槽12の使用時間の長短に応じて効率的に微細気泡を発生させることができる。