JP4281303B2 - 電動パワーステアリング装置用減速ギア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵補助出力発生用電動モータの出力をステアリングシャフトに伝達するための電動パワーステアリング装置用減速ギアに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車に組み込まれる電動パワーステアリング装置には、電動モータに比較的高回転、低トルクのものが使用されるため、電動モータとステアリングシャフトとの間に減速機構が組み込まれている。減速機構としては、一組で大きな減速比が得られる等の理由から、図10に示されるような、電動モータ(図示せず)の回転軸に連結するウォーム12と、ウォーム12に噛み合うウォームホイール11とから構成される電動パワーステアリング装置用減速ギア20(以下、単に「減速ギア」ともいう)が使用されるのが一般的である。
【0003】
このような減速ギア20では、ウォームホイール11とウォーム12の両方を金属製にすると、ハンドル操作時に歯打ち音や振動音等の不快音が発生するという不具合を生じていた。そこで、ウォームホイール11に、金属製の芯管1の外周に、樹脂製で外周面にギア歯10を形成してなる樹脂部3を一体化させたものを使用して騒音対策を行っている。
【0004】
上記樹脂部3には、例えば、特公平6−60674号公報に記載されているような、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のベース樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維等の強化材を配合した材料の他、強化材を含有しないMC(モノマーキャスト)ナイロン、ポリアミド6、ポリアミド66等が使用されている。中でも、寸法安定性やコストを考慮して、強化材を含有しないMCナイロン、ガラス繊維を含有したポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等が主流となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウォームホイール11を構成する芯管1と樹脂部3とは、芯管1をコアとしたインサート成形で形成され、芯管1と樹脂部3との間には接着層は存在しない。その場合、上記のポリアミド系樹脂製の樹脂部3は、吸水性が高いため、水分を吸収して膨潤し、結果として芯管1と樹脂部3との間に僅かな隙間が生じることが想定される。それに伴って、実際には、水分による径方向の樹脂部3の膨潤による寸法変化を抑え、ウォームホイール11のギア歯10部分も膨潤し、当初ウォーム12との間に存在していた隙間が無くなったり、更に膨潤するとウォーム12を圧迫するようになり、ギアの抵抗が大きくなる。その結果、芯管1と樹脂部3との接合面にも大きな剪断力が加わるようになり、上記のように接着強度が不十分もしくは低下している場合には、芯管1と樹脂部3とが分離してウォームホイール11として機能しなくなることがある。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、芯管1と樹脂部3との間に接着層を設けることで、耐久性と信頼性とに優れる電動パワーステアリング用減速ギアを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の、操舵補助出力発生用電動モータの出力をステアリングシャフトに伝達するための電動パワーステアリング装置用減速ギアにおいて、金属製芯管の外周に、アミノ基若しくはエポキシ基を有するシラン系カップリング剤、またはアミノ基若しくはエポキシ基を有するチタネート系カップリング剤のみからなる接着層を介して、ポリアミド樹脂を主成分とするベース樹脂を含む樹脂組成物からなり、その外周面にギ歯が形成された樹脂部を一体化してなるギアを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置用減速ギアにより達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の減速ギアの一例を示す斜視図であるが、金属製の芯管1の外周に、樹脂製でその外周端面にギア歯を形成した樹脂部3を一体化したウォームホイールを備える。このような構成自体は、図6に示したような、芯管1と樹脂部3とを一体化した従来のウォームホイール11と同様である。また、ウォーム12には制限はなく、従来と同様に金属製とすることができる。
【0010】
但し、樹脂部3を、ポリアミド樹脂を主成分とするベース樹脂を含む樹脂組成物で形成する。ポリアミド樹脂の例としては、吸水性や耐疲労性の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミドMXD6、ポリアミド6I6T、変性ポリアミド6T等が好適に挙げられる。ウォームホイール11は正転・逆転を繰り返すため、上記の中でもポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46が耐疲労性に優れ好ましい。これら耐疲労性に優れる3種のポリアミド樹脂は単独で使用することもできるが、上記に挙げた他のポリアミド樹脂と混合してベース樹脂を形成することもできる。耐熱性に優れるポリアミド樹脂は、一方で吸水性が高く、膨潤して寸法変化を起こし易い。これに対して、他のポリアミド樹脂は吸水性が比較的低いため、これらを配合することによりベース樹脂全体として吸水による寸法変化を抑えることが可能になる。但し、混合する場合、耐疲労性に優れるポリアミド樹脂がベース樹脂全量の60〜90重量%を占めることが好ましく、耐疲労性に優れるポリアミド樹脂の割合が60重量%未満になると、耐疲労性に劣り実用性が低くなる。
【0011】
また、耐疲労性に優れるポリアミド樹脂は、上記した他のポリアミド樹脂以外にも、ポリアミド樹脂と相溶性を有する他の樹脂と混合してもよい。例えば、無水マレイン酸等の酸で変性したポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィンコポリマー、プロピレン−α−オレフィンコポリマー等)が挙げられる。但し、混合する場合、この酸変性ポリオレフィンは3〜20重量%であることが好ましい。酸変性ポリオレフィンの割合が20重量%を超えると、耐疲労性に優れるポリアミド樹脂が少なすぎて、ポリアミド分子中のアミド結合に起因する接着箇所が少なくなり、後述される接着層による効果が発現し難くなる。また、酸変性ポリオレフィンを配合することにより、吸水による寸法変化が抑えられたり、耐衝撃性が高まる等の効果が得られ、酸変性ポリオレフィンの割合が3重量%未満では、これらの効果が十分に発現しない。
【0012】
これらベース樹脂は、樹脂単独でも一定以上の耐久性を示し、ウォームホイール11の相手材である金属製のウォーム12の摩耗に対して有利に働き、減速ギアとして十分に機能する。しかしながら、より過酷な使用条件で使用されると、ギア歯10が破損や摩耗することも想定されるため、信頼性をより高めるために、強化材を配合することが好ましい。
【0013】
補強材としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等が好ましく、上記に挙げたポリアミド樹脂との接着性を考慮してシランカプッリング剤で表面処理したものが更に好ましい。また、これらの補強材は複数種を組み合わせて使用することができる。衝撃強度を考慮すると、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状物を配合することが好ましく、更にウォ−ム12の損傷を考慮するとウィスカー状物を繊維状物と組み合わせて配合することが好ましい。混合使用する場合の混合比は、繊維状物及びウィスカー状物の種類により異なり、衝撃強度やウォーム12の損傷等を考慮して適宜選択される。
【0014】
これらの補強材は、全体の5〜40重量%、特に10〜30重量%の割合で配合することが好ましい。補強材の配合量が5重量%未満の場合には、機械的強度の改善が少なく好ましくない。補強材の配合量が40重量%を超える場合には、ウォーム12を損傷し易くなり、ウォーム12の摩耗が促進されて減速ギアとしての耐久性が不足する可能性があり好ましくない。
【0015】
更に、ベース樹脂には、成形時及び使用時の熱による劣化を防止するために、ヨウ化物系熱安定化剤やアミン系酸化防止剤を、それぞれ単独あるいは併用して添加することが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、芯管1と樹脂部3とを接着層8を介在させて強固に接合する。この接着層8を形成する材料は、金属と上記に挙げたポリアミド系樹脂との双方にたいして結合を生じ得ることが必要であり、アミノ基若しくはエポキシ基を有するシラン系カップリング剤、アミノ基若しくはエポキシ基を有するチタネート系カップリング剤を用いる。
【0017】
上記のシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤は、その化学構造の一端に加水分解基であるアルコキシ基を有しており、このアルコキシ基が加水分解して水酸基に変化し、この水酸基が金属表面と脱水縮合を起こすことにより、金属との間で高い結合力を持つ共有結合を形成する。また、他端にはアミノ基若しくはエポキシ基を有しており、アミノ基若しくはエポキシ基が上記したポリアミド樹脂の分子構造中のアミド結合と結合する。そして、これらの結合により、芯管1と樹脂部3とが強固に接合される。
【0018】
ミノ基若しくはエポキシ基を有するシラン系カップリングやチタネート系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、イゾプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられる。特に、エポキシ基を持つものは、アミド結合との反応性が高く、より好適である。
【0021】
接着層8を芯管1の外周面とより強固に結合させるために、芯管1の外周面に銅やニッケル等の金属めっき下地層を形成したり、酸素プラズマ等による表面処理を施すことが好ましい。尚、芯管1の外周面には、予めショットブラストやローレット加工等を施しておいてもよく、特にローレット加工が好ましい。ローレット加工のV字状溝の深さは0.2〜0.8mm、特に0.3〜0.7mmが適当である。また、芯管1及び樹脂部3(上記したポリアミド系樹脂)との結合力をより高めるために、熱処理を行うことも好ましい。加熱温度としては、200〜450℃が適当である。熱処理の手段としては、短時間で効率良く温度が上昇する誘導加熱(高周波あるいは低周波)が最も好ましい。この誘導加熱によると、芯管1及び、芯管1の外周面−接着層8−樹脂部3の内周面が一様に効果的に加熱され、より強固な結合が可能になる。また、短時間で済むため、樹脂部3や接着層8を形成する材料の劣化が最小限に抑えられる。誘導加熱に際し、雰囲気は大気中でもよいが、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うと、材料の劣化が更に抑制でき好適である。
【0022】
ウォームホイール11を製造する方法は制限されるものではなく、例えば図2〜図5に示す工程に従うことができる。即ち、先ず図2に示すように、金属製の芯金1の外周面1aにクロスローレット加工を施し、溶剤で脱脂した後、この芯管1の外周面1aに接着層8を形成する。接着層8の形成方法としては、シラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤を溶解した溶液(溶媒:水、アルコール、メチルセルソルブ等を適宜選択)に、芯管1を浸漬し、溶媒を乾燥除去する方法が簡便である。この接着層形成用溶液の濃度は3〜10重量%が適当である。次いで、図3に示すように、スプルー4及びディスクゲート5を装着した金型に配置し、射出成形機により上記のポリアミド系樹脂もしくは補強材を配合した樹脂組成物を充填して樹脂部3を成形する。その後、不活性ガス雰囲気中等で誘導加熱(芯管部加熱温度:200〜450℃)して熱処理を行う。
【0023】
芯管1と樹脂部3とを接着層8を介して接合する方法は、上記の方法の他にも。例えば、別途射出成形して得たドーナツ状の樹脂部3を加熱して膨張させておき、その中心の空部に上記の如く接着層8を形成した芯管1を圧入し、室温まで冷却し、その後不活性ガス雰囲気中等で誘導加熱を行ってもよい。尚、樹脂部3の内周面及び芯管1の外周面がストレート同士の形状であると、芯管1を圧入して冷却した後、樹脂部3の芯管1との接合部近傍の端面部(平面部分)に、収縮による突出部分が出現する。この突出部分を別途取り除いてもよいが、コストアップとなるため、樹脂部3の内周面あるいは芯管1の外周面の少なくとも一方にこの突出部分を吸収する凹凸を設けると、接合部が更に強固になる。
【0024】
金属表面へのカップリング反応及びポリアミド樹脂のアミド結合への反応は、より高い温度で行ったほうが効率がよく、確実に進む傾向があるため、より好ましくは250〜400℃になるまで芯管1を誘導加熱するほうが好適である。従って、上記説明した中で、低融点のポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド610を使用した場合、加熱時に樹脂部全体が変形することが想定されるので、融点が250℃以上のポリアミドMXD6,ポリアミド6I6T、変性ポリアミド6Tを、耐疲労性に優れるポリアミド6,ポリアミド66、ポリアミド46と組み合わせてベース樹脂を形成することが特に好ましい。
【0025】
また、芯管1と樹脂部3とを直接インサート成形した後、全体を加熱し、加熱状態のまま上記の接着層形成用溶液に浸漬してもよい。この浸漬に際し、芯管1と樹脂部3との線膨張係数の違いから両者の接合部分に隙間が生じ、この隙間に接着像形成用溶液が浸入する。その後、同様にして不活性ガス雰囲気中等で誘導加熱する。
【0026】
上記により、図4に示すように、芯管1の外周に接着層を介して樹脂部3が接合されたウォームホイールブランク材7を得る。そして、図5に示すように、ウォームホイールブランク材7の樹脂部3の外周面3aに切削加工により所定形状のギア歯10を形成してウォームホイール11が得られる。
【0027】
以上、本発明に関して円筒ウォームギアであるウォームホイールを例示して説明したが、本発明はこれに限るものではなく、種々の変更が可能である。例えば歯車形状として、その他にも図6に示す平ギア、図7に示すはすばギア、図8に示すかさギア、図9に示すハイポイドギア等が可能であり、何れも金属製芯管1の外周に、接着層8を介して、上記の樹脂組成物からなり、その外周面にギ歯10が形成された樹脂部3を一体化して構成する。
【0028】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0029】
(実施例1)
深さ0.5mmのローレット加工を施し、脱脂した外径45mm、幅13mmのS45C製の芯管を、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−1100」)の5重量%メタノール溶液に浸漬した後、乾燥して外周面に接着層を形成した。また、ガラス繊維を30重量%含有するポリアミド66(宇部興産(株)製「UBEナイロン2020GU6」、銅系添加剤含有)を射出成形して、直径45mmの円形の空部を備える外径60mm、幅13mmのドーナツ状の樹脂部を別途成形した。そして、この樹脂部を加熱して膨張させ、芯管を圧入中し、室温まで冷却した。その後、アルゴンガス中で300℃まで芯管温度が上がるまで誘導加熱して、ウォームホイールブランク材とし、次いで樹脂部の外周を切削加工してギア歯を形成してウォームホイール試験体を作製した。
【0030】
(実施例2)
接着層形成用溶液として、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−1122」)の5重量%メタノール溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてウォームホイール試験体を作製した。
【0031】
(実施例3)
接着層形成用溶液として、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(日本ユニカー(株)製「A−187」)の5重量%メタノール溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてウォームホイール試験体を作製した。
【0032】
(実施例4)
接着層形成用溶液として、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート(味の素ファインテクノ(株)製「プレンアウトKR44」)の5重量%メタノール溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてウォームホイール試験体を作製した。
【0034】
(比較例1)
比較のために、接着層が形成されていない上記ウォームホイール試験体を用いた。
【0035】
[寸法安定性の評価]
各試験体を、下記条件Iまたは条件IIの下に放置し、所定時間経過後にギア外径寸法の変化量を測定した。何れの条件においても、変化量が40μm以下を合格「○」、40μmを超えるものを不合格「×」として表1に併記した。
・条件I:60℃、90%RH、70時間
・条件II:80℃、90%RH、300時間
【0036】
[耐久性の評価]
各試験体を実際の自動車減速ギアに組み込み、下記条件Iまたは条件IIにて操舵操作を繰り返し行った。何れの条件においても、10万回の操舵に耐えることができた減速ギアを合格「○」、10万回の操舵に耐えることができなかった減速ギアを不合格「×」として表1に併記した。
・条件I:30℃、50%RH
・条件II:50℃、90%RH
【0037】
【表1】
Figure 0004281303
【0038】
表1に示すように、接着層を備えていない比較例1の試験体は、温度、湿度が過酷になると寸法安定性が悪くなり、それに伴って耐久性も低下している。これに対して本発明に従う実施例1〜の各試験体は、過酷な条件下でも寸法安定性が高く、耐久性も優れている。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、芯管と樹脂部とを接着層により接合したことにより、寸法安定性及び耐久性に優れる電動パワーステアリング用減速ギアが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の減速ギアの一例(円筒ウォームギア)を示す斜視図である。
【図2】 ウォームホイールの製造方法を説明するための図であり、芯管の断面図である。
【図3】 ウォームホイールの製造方法を説明するための図であり、成形金型の断面図である。
【図4】 ウォームホイールの製造方法を説明するための図であり、得られたウォームホイールブランク材の斜視図である。
【図5】 ウォームホイールの製造方法を説明するための図であり、得られたウォームホイールの斜視図である。
【図6】 本発明の減速ギアの他の例(平ギア)を示す斜視図である。
【図7】 本発明の減速ギアの更に他の例(はすばギア)を示す斜視図である。
【図8】 本発明の減速ギアの更に他の例(かさギア)を示す斜視図である。
【図9】 本発明の減速ギアの更に他の例(ハイボイドギア)を示す斜視図である。
【図10】 従来の減速ギアの一例を示す斜視図である。

Claims (8)

  1. 操舵補助出力発生用電動モータの出力をステアリングシャフトに伝達するための電動パワーステアリング装置用減速ギアにおいて、金属製芯管の外周に、アミノ基若しくはエポキシ基を有するシラン系カップリング剤、またはアミノ基若しくはエポキシ基を有するチタネート系カップリング剤のみからなる接着層を介して、ポリアミド樹脂を主成分とするベース樹脂を含む樹脂組成物からなり、その外周面にギ歯が形成された樹脂部を一体化してなるギアを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  2. 前記接着層が、γ−アミノプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  3. 前記接着層が、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  4. 前記接着層が、γ−グリシドキシプロピルメトキシシランであることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  5. 前記接着層が、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートであることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  6. 前記金属製芯管の外周面が、金属めっき下地層を有するか、ショットブラスト加工またはローレット加工されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  7. 前記樹脂部と金属製芯管との接合後、不活性ガス雰囲気中、芯管部加熱温度が200〜450℃となるように誘導加熱されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
  8. 前記歯車が、円筒ウォームギア、はすばギア、平ギア、かさギアまたはハイポイドギアであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置用減速ギア。
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