JP4280214B2 - 屋上排水構造 - Google Patents
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Description
従来の屋上排水構造100は、例えば図7に示すように、上面に排水勾配iが設けられた屋外床スラブ101と、当該屋外床スラブ101の下流端に沿って設けられた側溝102と、当該側溝102の底面に設けられたいくつかの排水孔103と、から構成されている。通常、排水孔103は、バルコニーのコーナー部に設けられている。そして、側溝102の底面には、排水孔103に向かって下り勾配となるように排水勾配jが形成されている(例えば特許文献1参照)。
したがって、屋外床スラブ101の上に落ちた雨水等は、屋外床スラブ101の上面と側溝102の底面を流れて排水孔103に集まり、排水孔103から外部に排水される。
H=H1+H2=L1×i+L2×j
となる。
一方、これらの観点から建物の段差を小さくしようとすると、室内の床面を嵩上げするか、排水勾配i、jを小さくして対応することが考えられる。しかしながら、室内の床面を嵩上げすると、室内空間(主に天井高)が小さくなってしまい、建物の使い勝手が悪くなるという問題がある。また、排水勾配i、jを小さくすると、屋上の水捌けが悪くなり、防水層が劣化しやすくなるなどの耐久性上の問題や、雨漏りなどが発生しやすくなるという問題がある。
また、本発明は、ゴミ詰まりが生じ難い屋上排水構造を提供することを他の課題とする。
なお、屋外床スラブの上面の排水勾配は、1.0%〜2.0%程度とするのが好適である。
なお、複数のドレイン部は、入隅部に沿って断続的あるいは連続的に設けられているのが好適である。すなわち、間隔をあまり開けずにドレイン部を設けることによって、屋外床スラブの上面に雨水等が滞留してしまう、いわゆる排水不良を防止することができる。
また、ドレイン部の底面と屋外床スラブの上面とが広い範囲で密着することから、枯葉等の大きなゴミも比較的スムーズに流すことができ、ゴミ詰まりを防止することが可能となる。
なお、ドレイン管の断面形状としては、例えば、断面視長方形状、台形状、半円形状などがある。断面視長方形状の場合は、長辺を床面と平行にするのが好適である。
そのため、屋上の出入口の下端の高さを低くすることができ、バリアフリーやユニバーサルデザインに対応した建物を構築することが容易になる。また、バリアフリーやユニバーサルデザインに対応しつつ、雨水等の滞留を防止することができることから、防水性の高い建物とすることが可能となる。
第1実施形態に係る屋上排水構造1は、図1に示すように、木造住宅Mのバルコニーに適用されており、バルコニー上に降った雨水等を屋外に排水する役割を果たしている。かかる屋上排水構造1は、木造住宅Mのバルコニーの床を形成する屋外床スラブ2と、この屋外床スラブ2の外周縁に立設された周壁3と、バルコニーの外側に設けられた雨樋4と、バルコニー上に降った雨水を雨樋4に排出する複数のドレイン部5と、から構成されている。また、木造住宅Mの2階居室とバルコニーとを仕切る外壁3Aには、出入口6が設けられており、バルコニーに出入することが可能になっている。
なお、第1実施形態において、木造住宅Mは、いわゆる枠組壁工法で構築されているものとする。
屋外床スラブ2は、図1に示すように、バルコニーの床を構成するとともに、木造住宅Mの1階居室の屋根を形成するものである。屋外床スラブ2は、平面視長方形状を呈している。また、屋外床スラブ2の上面には、出入口6側の一辺(上流端2b)からその反対側の一辺(下流端2a)に向かって下り勾配となるように、排水勾配iが形成されている。なお、第1実施形態においては、この排水勾配iと直交する方向には、勾配は設けられていない。
床組体21は、例えば、胴差材、根太、床パネル等を組み合わせて構成した構造体である。勾配形成層22は、例えば、特開平11−172864号公報に記載されているように、側面視台形状の発泡樹脂製のブロックを床組体21の上面に敷き詰めて構成されている。防水層23は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastic)防水、シート防水、アスファルト防水、ウレタン塗膜防水などにより構成されている。
周壁3は、図1に示すように、木造住宅Mの2階居室とバルコニーとを仕切る外壁3Aと、バルコニーの手摺壁3Bとから構成されている。外壁3Aには、バルコニーへの出入口6が設けられている。また、この外壁3Aの向かい側にある下流側手摺壁3Baには、複数のドレイン部5が設けられている。
手摺壁3Bは、図2に示すように、主に、手摺壁3Bの骨格となる枠組体31と、この枠組体31の両側面に貼られた防水紙32と、この防水紙32の外側にたて胴縁(図示省略)を介して取り付けられた外装材33と、この外装材33の下端部に沿って設置された水切金物34と、これら枠組体31、防水紙32および外装材33の上端部を覆う笠木35と、から構成されている。なお、防水紙32と外装材33との間にはたて胴縁(図示省略)によって換気スペースSが形成されている。
雨樋4は、図1、図2に示すように、バルコニー上に降った雨水等の排水を集めて地上に流す役割を果たすものであり、主に、排水を水平方向に流す横樋4Aと、垂直方向に流すたて樋4Bとから構成されている。
横樋4Aは、断面視U字形の長尺部材であり、下流側手摺壁3Baの外側面(バルコニーの外側面)に沿って、屋外床スラブ2の上面の下流端2aの高さよりも低い位置に、たて樋4Bに向かって若干下り勾配となるように設置されている。かかる横樋4Aが特許請求の範囲にいう「排水路」に相当する。
たて樋4Bは、円筒形状のパイプ部材であり、横樋4Aの一端部に連結されている。たて樋4Bは、ブラケットを介して木造住宅Mの1階部分の外壁に固定されている。なお、たて樋4Bは、雨水を排水することができれば円筒形状に限られるものではなく、例えば角筒形状であっても良いし、筒状でなくてもよい。
ドレイン部5は、いわゆる排水口としての機能を果たすものであり、図1、図2に示すように、下流側手摺壁3Baに形成された貫通孔51と、この貫通孔51に挿設されたドレイン管52とから構成されている。ドレイン部5は、一方の端部が下流側手摺壁3Baの屋外床スラブ2側(バルコニーの内側面)に開口しており、他方の端部が雨樋4の横樋4Aの上部に開口しており、屋外床スラブ2からの排水を横樋4Aに流すことができるようになっている。
なお、ツーバイフォー工法の場合、たて枠材31bのピッチPは、405mm〜455mm程度であり、ドレイン部5も略同程度のピッチで設けられる。
つづいて、他の実施形態に係る屋上排水構造について説明する。なお、前記した実施形態と同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
第2実施形態に係る屋上排水構造11は、図5に示すように、屋外床スラブ2の上面の下流端2aに沿って、溝部2cが形成されている点が、前記した第1実施形態に係る屋上排水構造1と異なっている。
第3実施形態に係る屋上排水構造12は、図6に示すように、屋外床スラブ2の上面に、出入口6の下端付近から三方向の手摺壁3Bb、3Bc、3Bdに向かって排水勾配i、kが形成されている点が、前記した第1実施形態に係る屋上排水構造1と異なっている。
2 屋外床スラブ
3 周壁
3A 外壁
3B 手摺壁
4 雨樋
4A 横樋(排水路)
4B たて樋
5 ドレイン部
M 木造住宅
i 排水勾配
Claims (3)
- 上面に排水勾配が形成された屋外床スラブと、
前記屋外床スラブの外周縁に沿って立設された周壁と、
前記屋外床スラブの下流端に位置する前記周壁の外側面に沿って、前記屋外床スラブの上面の下流端の高さよりも低い位置に設置された排水路と、
前記屋外床スラブの下流端に位置する前記周壁を貫通して形成され、前記屋外床スラブの上面と前記排水路とを連通する複数のドレイン部と、を有する屋上排水構造であって、
前記周壁のうち、前記屋外床スラブの上流側の周壁には室内への出入口が設けられ、
前記複数のドレイン部は、前記屋外床スラブの下流端に位置する前記周壁と前記屋外床スラブの上面とが当接して形成される入隅部に沿って互いに間隔を隔てて設置されており、
前記入隅部は、前記下流端に位置する周壁に沿う方向に排水勾配を有しておらず、
前記排水路は、前記下流端に位置する周壁の外側に略水平方向に延設され、前記複数のドレイン部からの排水を集水する横樋であることを特徴とする屋上排水構造。 - 前記ドレイン部は、前記屋外床スラブの下流端に位置する前記周壁の隣り合う柱部材間毎に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋上排水構造。
- 前記ドレイン部は、前記屋外床スラブの下流端に位置する前記周壁に形成した貫通孔に、底面が平坦な筒状のドレイン管を挿設してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋上排水構造。
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